リーフレット「労働者派遣・請負に係る求人を申し込まれる事業主の皆様へ」

《参考》
労働者派遣・請負に係る求人を申し込まれる
事業主の皆様へ
労働市場におけるアウトソーシングの普及が進んでいることや平成 16 年 3 月 1 日の労働
者派遣法の改正により製造業務への労働者派遣が可能となったことなどから、ハローワーク
には、労働者派遣(以下「派遣」という。)や業務請負(以下「請負」という。)に係る求人
申し込みが増加する一方で、残念ながら労働者保護に関連するトラブルが発生しています。
労働者の募集を行う場合には、従事する業務の内容、賃金、労働時間、就業場所等の労働
条件を明示しなければなりません。すなわち、派遣に係る募集の場合は、派遣先との間で具
体的に労働者派遣契約(労働者派遣法第26条に規定する契約。以下「派遣契約」という。
)
が結ばれる等、従事する業務の内容、派遣期間、就業場所等が明確となっていることが必要
です。
請負に係る募集の場合も同様に、注文主との間で具体的に請負契約が結ばれる等、従事す
る業務の内容、就業場所等が明確となっていることが必要です。
したがって、ハローワークにおいても、雇用期間や就業場所等が明確でなく、単に登録や
人材情報の収集を目的としていると判断される求人は、受理できません。
ハローワークへ派遣や請負に係る求人を申し込まれる事業主の皆様におかれましては、こ
のパンフレットを参考とし、求職者に分かりやすく、労働条件を明確に提示した適正な求人
を提出していただきますようお願い申し上げます。
また、申し込みいただく求人の内容について説明を求める場合もありますので、求人内容
に精通した方に来所いただきますよう併せてお願い申し上げます。
【県内ハローワーク一覧】
ハローワーク金沢
〒920-8609 金沢市鳴和 1-18-42
℡076-253-3030
ハローワーク松任
〒924-0871 白山市西新町 235
℡076-275-8533
ハローワーク津幡
〒929-0326 河北郡津幡町字清水ア 66-4
℡076-289-2530
ハローワーク小松
〒923-8609 小松市日の出町 1-120
℡0761-24-8609
ハローワーク七尾
〒926-8609 七尾市小島町西部 2
℡0767-52-3255
ハローワーク能都
〒927-0435 鳳珠郡能登町字宇出津新港 3-2-2
℡0768-62-1242
ハローワーク珠洲
〒927-1215 珠洲市上戸町北方 2-11
℡0768-82-0157
ハローワーク加賀
〒922-8609 加賀市大聖寺菅生イ 78-3
℡0761-72-8609
ハローワーク羽咋
〒925-8609 羽咋市南中央キ 105-6
℡0767-22-1241
ハローワーク穴水
〒927-0027 鳳珠郡穴水町字川島キ 84
℡0768-52-0168
ハローワーク輪島
〒928-8609 輪島市鳳至町畠田 99-3
℡0768-22-0325
第1
1
求人申し込みに当たっての共通の留意事項
派遣と請負の内容
派遣は、
「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他
人のために従事させること」をいいます。(労働者派遣法第 2 条 1 号)
請負は、
「当事者の一方が、ある仕事を完成することを約し、相手方がその結果に対して報酬を与え
ることを約するもの」をいいます。(民法 632 号)
【派遣】
派遣元
派遣契約
雇用関係
【請負】
派遣先
指揮命令関係
請負業者
注文主
雇用関係
労働者
2
請負契約
労働者
派遣先や就業先が確定してから求人をお申込みください
派遣・請負求人は、派遣先との派遣契約(労働者派遣法第 26 条に規定する契約)
・請負契約を結
ぶ等、派遣先・請負先が確定しているもので、速やかに雇用関係を結ぶことが明らかであるものに
限り求人受理の対象となります。
したがって、労働者派遣法第 26 条に掲げる全事項を定めていない契約に基づく派遣求人、派遣先
が見つかった時のために登録を目的とするような派遣求人や人材情報の収集を目的とするような請
負求人は、受理の対象となりません。
【参考事例】
「○○人集まれば△△社の仕事の派遣契約が締結できる。」「基本契約は締結しているが、個別
契約は人が決まってからになる。」(派遣求人)、「○○人集まれば△△社の仕事を請けることが
できる。」(請負求人)
上記の例による求人を申し込まれた事業主がいましたが、集まらなければ雇用関係が成立し
ないような求人や労働者派遣法第 26 条に規定する全事項を定めていない派遣契約の求人は受理
できません。このような場合は、適正な派遣(請負)契約締結後、お申し込みをお願いします。
また、事業主の方に対して求人内容の正確な確認のために、必要に応じて派遣(請負)契約書を確認させて
いただくほか、派遣先・発注者に対して確認させていただく場合もありますので、ご理解とご協力をお願いし
ます。
3
労働条件等を明示してください
(1)労働条件等の明示が必要です。
募集に当たっては、求職者に対して、次の労働条件等を明示しなければならないことになって
います(職業安定法第 5 条の 3、第 42 条、則第 4 条の 2)。
①業務内容 ②労働契約期間 ③就業場所
④就業時間、時間外勤務の有無、休憩、休日
⑤賃金 ⑥雇用保険等の社会保険の適用
例えば、「委細面談」や「当社規定により優遇」などは不適切な表示となります。
特に就業場所は求職者が求人を選択する上で重要な事項です。求人申込書の「就業場所」欄に
実際に就業(派遣先等)する具体的住所及び事業所名を記入してください。
【参考事例】
派遣先(請負先)事業所名及び住所を公開することを営業上の都合等により拒否される事業
主がみえますが、ハローワークでは、求職者へ求人条件を伝える責任がありますので、情報の
公開も拒否しハローワークへも伝えられない場合は求人を受理できません(職業安定法第 5 条
の 5)。
(2)雇用保険等の社会保険の適用について
雇用保険、労災保険等の社会保険に加入しなければならないのに手続きをしていない場合は、
法令違反に当たりますので、速やかに加入し、その後に求人申し込みをしてください。
【参考】
各種保険の概要は次のとおりです。詳細は、それぞれの法律を参照してください。
①
雇用保険の適用基準
1週間の所定労働時間が 20 時間以上
登録型派遣労働者についても反復継続して派遣就業する人は、加入対象となります。
②
労災保険は、適用事業に雇用される労働者
③
社会保険の適用基準
適用事業に雇用される労働者であって、1 日(又は 1 週間)の所定労働時間及び 1 カ月の所定
労働日数が正社員の概ね 4 分の 3 以上
求職者を採用する場合は、労働基準法第 15 条に基づき、労働契約締結の際に賃金、労働時間及
びその他の労働条件等を書面などで明示しなければなりません。
4
求人申込書に「労働者派遣」や「業務請負」である旨を表示してください
求人申込書の「職種」欄の冒頭に「(派)」又は「
(請)」と記入し、
「仕事の内容」欄に「派遣業務」
(常用型派遣、登録型派遣、紹介予定派遣のいずれかを記入)、「請負業務」の字句も付記してくだ
さい。
5
求人は、採用権限のある本社等の管轄ハローワークへ申し込んでください
派遣先又は就業場所が異なる場合は、派遣先又は就業場所ごとに別葉で求人申し込みをしてくだ
さい。
同一内容(派遣先や就業先が同じ)の求人を支店、営業所ごとにそれぞれのハローワークに申し
込みされますと、必要な求人数より多い求人募集となる恐れがありますので、採用権限のある本社
等がまとめて本社等の管轄のハローワークへ申し込んでください。
受理した求人は、就業地を管轄するハローワークへ求人連絡(情報提供)します。
6
広範囲での求人公開を希望される場合は、ハローワークインターネットサービスが有効です
広範囲での求人公開を希望される場合は、「ハローワークインターネットサービス」が有効です。
求職者は全国どこからでも検索できる上、携帯電話からも利用できます。
【ホームページアドレス】http://hellowork.go.jp
7
求職公開している方の中でもリクエストを希望しない方がいます
求職公開している方や求人情報の提供を希望している方々の中には、派遣(請負)に係る求人を
希望しない方もおられます。それらの方々への派遣(請負)事業所からのリクエスト紹介はお受け
できませんのでご承知ください。
第2
派遣求人についての留意事項
派遣については、
「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する
法律」
(以下「労働者派遣法」という。
)に基づき適正な運用が求められています。
1
常用型派遣の求人は、雇用継続が保証されていなければなりません
特定労働者派遣事業(以下「特定派遣」という。
)及び一般労働者派遣事業(以下「一般派遣」と
いう。
)の常用型派遣は、常時雇用する労働者(期間の定めなく雇用されている人、若しくはそれと
同等と認められる人)を派遣の対象として行うものですから、たとえ有期雇用であっても最初の派
遣就業が終了した後、派遣労働者又は派遣労働者以外の労働者として雇用が保証されていなければ
なりません。このため、派遣終了後も雇用が継続される求人募集であることが必要となります。
【参考事例】
派遣終了後も当該特定派遣事業者が引続き雇用することについて、「引続き雇えるかどうかは、
その時になってみないと分からない。」との発言がありました。これは、一般派遣の登録型派遣に
当たるものであり、本来の一般派遣としての許可を受けずに特定派遣の届出で済ませていること
になり、労働者派遣法の根本に抵触し行政処分の対象にもなります。
2
派遣の形態、雇用期間を明記してください
求人申込書の「雇用形態」欄に雇用形態のコード番号を記入し、
「雇用期間」欄へも正確に記入し
てください。特に、登録型派遣では、最初の派遣就業の期間を求人申込書の「雇用期間」欄に明記
をお願いします。
【参考】
派遣は、本来、短期的、臨時的なものなので、下記の①~⑤の場合を除いて、派遣先の事業所やそ
の他派遣就業の場所ごとの同一の業務について、派遣元から最長 3 年の派遣期間を超える期間継続し
て労働者派遣の役務の提供を受けてはならないことになっています(ただし、1 年を超える場合、派遣
先は労働組合等の意見聴取の手続きが必要です)。
①
労働者派遣法施行令第 4 条に基づく 26 業務
②
事業開始、転換、拡大、縮小、廃止のための業務で、一定期間内に完了が見込まれるもの(最長 3
年)
③
日数限定業務(1カ月間の就業日数が派遣先の通常の労働者の所定労働日数の半分以下で、かつ、
月 10 日以下の業務)
3
④
産前産後休業・育児休業の代替
⑤
介護休業等の代替
紹介期限は派遣開始の前日までとなります
紹介期限は、遅くとも派遣開始予定日の前日までとなります。延長する場合は、派遣契約を確認
させていただくこともあります。
4
紹介予定派遣の求人を申し込む際の留意事項は次のとおりです
紹介予定派遣は、派遣の開始前、開始後又は派遣終了後に職業紹介することを予定したもので、
派遣期間は、6 カ月以内となっています。
紹介予定派遣制度を利用して派遣就業する人を募集する求人又は紹介予定派遣制度の利用も視野
に入れている求人については、求人申込書の「求人条件に係る特記事項」欄又は「備考」欄に紹介
予定派遣であること並びに派遣先に雇用される際の労働条件のうち、①雇用契約期間の定めの有無、
②年次有給休暇及び退職金の取扱いについて派遣の期間を勤務期間に含めて算出する場合にはその
旨を記載してください。
第3
請負求人についての留意事項
請負については、派遣に近似した関係にあることから、請負と派遣を明確に区分するため、昭和 61
年労働省告示第 37 号「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準を定める告示」
(以下「区分基準」という。)が定められています。
1
請負に係る求人申込書は、区分基準等に該当することが必要です
請負は、区分基準等に照らして、業務内容等から適正な請負として判断できた求人のみを受理す
ることになります。
【参考事例】
①
請負と称し、無許可・無届出で派遣を行っていると判断せざるを得ない求人申込みが行わ
れたことがありました。この場合は求人受理を保留の上、関係機関へ通報しました。
②
労働基準法に沿っていなかったり、雇用関係ではなく、完全歩合給・内職・雇用関係のな
い在宅勤務等、求職者へ下請(委託)させるような内容の事案もありました。ハローワーク
では、法律に抵触するものや雇用関係に当たらない求人申し込みなどはお受けすることがで
きません。
2
採用担当者を明確にし、採用選考方法についても明記してください
請負事業主の実際の採用担当者が不明確で、注文主との面接で採否が決定するなど、区分基準に
照らして、不適正な求人も見受けられます。採用担当者の所属部署、役職、氏名、連絡先等を明ら
かにし、採用選考に注文主を介在させず、請負事業主のみで行ってください。
また、求人申し込みされる際は、面接の場所、時間、方法等について、その内容のとおりに実施
してください。
【参考】
①
注文主の構内で就業するには、注文主の面接を受けてもらわなければならないとする注文主が
います。請負では、注文主と受託者の関係は対等ですから、このような注文主の要請は不当です。
また、区分基準に沿っていないと判断される求人はお受けできません。
②
求人を受理する際、仕事の内容、労働条件等を詳しくお伺いしますので、求人内容に精通して
いる方が求人申込書を提出に来られるようお願いします。また、連絡先については、確実に連絡
が取れるものを明記してください。
第4
1
募集・採用の留意事項
募集・採用は、応募者の年齢ではなく、適性と能力によって行ってください
平成 19 年 10 月 1 日から、雇用対策法の改正により労働者の募集及び採用時における年齢制限を
設けることが禁止されました。(雇用対策法第 10 条)
高齢者や年長フリーターなど、一部の労働者の応募の機会が閉ざされていたことから、このよう
な状況を改善し、労働者一人ひとりに均等な働く機会が与えられるように法律の改正が行われまし
た。
労働者の募集及び採用の際には、原則として年齢を不問としなければなりません。
(合理的な理由
があって、例外的に年齢制限が認められる場合には、
「例外事由」に該当する必要があります。)
また、この年齢制限の禁止は、ハローワークを利用する場合をはじめ、民間の職業紹介事業者、求
人広告などを通じて募集・採用する場合や、事業主が直接募集・採用する場合を含め、広く募集・
採用を行うにあたって適用されます。
求人事業主が年齢不問として募集・採用活動を的確に行うためには、求人票に職務の内容、職務
を遂行するために必要とされる労働者の適性、能力、経験、技能の程度など、労働者が応募するに
当たり求められる事項をできるだけ明示したうえで、職務に適合する労働者であるかどうかを個々
の応募者の適性、能力によって判断することが重要です。
なお、雇用対策法第 10 条に違反する場合などには、ハローワークから助言、指導、勧告等の措置
を受ける場合があるとともに、職業安定法第 5 条の 5 但し書きに基づき、ハローワークや職業紹介
事業者において求人の受理を拒否されることがあります。
2
求職者等の個人情報の取扱いに十分な注意をしてください
職業安定法では、労働者の募集業務の目的の達成に必要な範囲内で、募集に応じて労働者になろ
うとする者等の個人情報を収集、保管、使用しなければならない旨規定しています。
また、併せて、法に基づく指針が公表され、原則として収集してはならない個人情報等を規定し
ています。
次の個人情報の収集は原則認められません
○ 人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項
・ 家族の職業、収入、本人の資産等の情報
・ 容姿、スリーサイズ等差別的評価につながる情報
○ 思想及び信条
・ 人生観、生活信条、支持政党、購読新聞・雑誌、愛読書
○ 労働組合への加入状況
・ 労働運動、学生運動、消費者運動その他社会運動に関する情報
【派遣・請負求人に係る苦情事例】
★
求職者から次のような不適切な事案について、苦情がありました。
○
採用面接の実施方法が求人公開カードに書いてある内容と違っていた。
○
面接に行ったら、「今は採用できないが、良い仕事があれば連絡するので登録して欲しい。」と
言われた。
○ 「あなたは当社では採用できないが、他社なら可能性があるのでそちらを受けて欲しい。」と関
連会社への面接を勧められた。
○
他の事業主に求職者の情報が提供された。
○
求人事業主の担当者以外に他事業主の担当者が同席する場で面接が行われた。
○
比較的条件の良い求人条件で求人を出し、面接で、技能・技術・知識・経験等が不足としてい
ると不採用とした後、帰り際にほかの仕事の説明と登録を勧めた。
○
面接携行品として運転免許証を条件とし、面接前に運転免許証のコピーを求め、応募者が多数
であると応募を辞退させて、帰り際にほかの仕事の説明と登録を勧めた。