長 崎 南 山 小 学 校 学 校 生 活 だ よ り 平成27年7月号 2015.7.15 NO.37 「謙 遜」 について 問・イエズス・キリストはなぜうまやの中でお ⽣まれになりましたか。 答・イエズス・キリストがうまやの中でお⽣ま れになりましたのは,人々に謙遜・清貧・ 忍耐などの徳を教えるためでありました。 ⻑崎の教会では,子供たちにカトリックの教 えを短い問答式でまとめた要理書を使って教え ていました。30年程前までの話です。使われ ていた要理書の問答の数や表し方はその時代に よって若⼲異なっていましたが,昭和30年代 に発⾏された要理書には451の問いと答えが あり,その67番目に上記の問答がありました。 今回の南⼭っ子通信では,この問答に出てく る「謙遜」について考えてみたいと思います。 「謙遜」を国語辞典で調べると「⾃分を低い 者と⾒て,控え目な態度をとること」とありま す。イエス様が教える「謙遜」のことを思うと, 何となく消極的な姿勢のように感じられます。 南⼭中学校・⾼等学校で⻑年校⻑職を務めら れた後,⻄町教会の助任司祭としてウイゼン神 父様を支え,南⼭⼩学校でも宗教の授業を担当 してくださっていたハンガリー出身のトロッケ ン・ブロード神父様という方がおられました。 そのブロード神父様が,ある日,「謙遜」につい て私たち職員に次のように話してくださったこ とがあります。 「謙遜とは,進んで奉仕をする勇気を持ってい ることである。 」 ・病気の人や困っている人がいたら,進んで助 けてあげること。 ・たとえ人の嫌がる係や仕事であっても⾃ら喜 んですること。 ・何の報酬や⾒返りも望まないで,ただ人のた めにすること。 このような心を持っていること,このように ⾏っていることが「謙遜」であるというわけで す。つまり,⾃分を低くするだけでは足りず, 何の⾒返りも望まないで喜んで人の役に⽴つ⾏ いをする勇気を持つことが⼤事であるというわ けです。 日本では,子供が⼩学校に⼊学したらピアノ を習わせよう,習字を習わせようと習い事の計 画を⽴てたり,塾に通わせようと勉強の心配を したりする家庭も多いかもしれません。我が子 を思う親としては当然のことであり,理解もで きます。これに対して,インドには,子供が⼩ 学校にあがると,何よりもまずボランティアの 活動先を一⽣懸命になって探してあげる地方が あるそうです。習い事よりも勉強よりも,まず 人のために役⽴つ人間に育てていきたいという 親心だそうです。以前,南⼭⼩学校におられた インド人の神父様から聞いた話ですが⼤事なこ とだなと思いました。 まもなく子供たちが楽しみにしている夏休み がやってきます。勉強や遊びの他に,家庭の中 では,お⼿伝いを決められることもあるかと思 います。 「謙遜」を育てる絶好のチャンスです。 ・□□をしたら旅⾏に連れて⾏ってあげる。 ・□□を○日間続けられたら,△△を買ってあ げる。 などというようなことでは「謙遜」は育ちませ ん。人のために働くことを何となく損すること だと考える人もいるかもしれません。しかし, 南⼭⼩学校で学ぶ子供として,お⼿伝いをする のは当たり前,人の役に⽴つことをするのも当 たり前,⾒返りを望まないのも当たり前と考え られる「謙遜」な人に育っていってもらいたい と思います。 聖人紹介 ゲームセンター,ゲームコーナーは 立ち入り禁止です! 聖クリストファー 法律では午後6時までなら⼩学⽣がゲームセンタ ーに⼊ることは許されているそうです。たとえ法律 で許されていても,⼩学⽣が子供同士でゲームセン ターに⾏くことを禁⽌している⼩学校は全国的に多 いようです。 南⼭⼩学校でも,ゲームセンターへの⽴ち⼊りは 禁⽌しています。お⾦を無頓着に使い込んでしまう ばかりでなく,幅広い年齢層の子供たちが集まるゲ ームセンターでは,お⾦を巻き上げられたり,次に 持ってくるように強要されたりといった問題が数多 く発⽣し報告されています。⼩学⽣の⾼学年の保健 の教科書には,犯罪から身を守るための方法として, 「犯罪が起こりやすい場所に近づかないこと」 と記載されています。保健の教科書にもあるように, 危険な場所には近づかないことが一番です。 ⻑い夏休みの間には,ホッとした気持ちのゆるみ から学校の決まりをついつい破ってしまう心配も考 えられます。子供たちが楽しく安全に夏休みを送る ためにも,学校の決まりをご家庭で今一度確認され てください。 ・ゲームセンターには,親が同伴であっても⾏っ てはいけません。 ・⼤型店舗のゲームコーナーにも⾏ってはいけま せん。 ・映画館やカラオケなど,子供同士で⾏ってはい けません。 ・ココウォークや夢彩都などの⼤型商業施設にも 子供同士で⾏ってはいけません。 聖クリストファーは, 3世紀の殉教者の一人で す。彼は ,「世界でいち ばん強い王様に仕えた い」という希望を持っ ていました。しかし, ⾒つけたと思うと,そ の王様よりもっと強い 王様がいて,なかなか 希望が叶いません。あ る時,川を渡れなくて 困っている人の姿を⾒ たクリストファーは, その⼤きな川の渡し守 をしながら,いちばん強い王様に出会うチャン スを待つことにしました。 ある日,⼩さな男の子が川を渡らせてくださ いとやってきました。おやすいご用とばかりに, その子を背負い,川を渡り始めたのですが,一 歩川を渡るたびにずんずんとその子供は重くな っていきます。やっとの思いで川を渡ることが できた彼は,その子を降ろし,「世界を背負って いるかと思うほどに重かった。」と言いました。 すると,その子供は,「汝は世界を背負っただけ でなく,世界を創造したキリストを背負ったの だ。私こそが汝の捜し求める王キリストである。 」 と答えました。この時から,彼は「クリストフ ァー」(キリストを背負う者)と呼ばれるように なりました。 このようなエピソードを持つ聖クリストファ ーは,旅人や⾃動⾞運転⼿の守護の聖人,さら に⽔難や嵐などから守ってくれる聖人として世 界中の人々から讃えられるようになりました。 ♪ イエスさまと同じように 1.悩んだり へこんだり ふくれたり 弱いところも たくさんあるね 神さまにつくられた 自信もって 生きてゆけたら 少し強くなれるよ だから イエスさまとおんなじように 考えられたらいいね もっと イエスさまとおんなじように いろんな人を 愛せるならステキだね 2.大人への かいだんを のぼるたび むずかしい問題 ますますあるね 神さまに愛された ほこりもって 勇気だせたら 乗りこえられるはずさ だから イエスさまとおんなじように 考えられたらいいね もっと イエスさまとおんなじように 小さな人を 守れるならステキだね
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