ケニア山(4985m) 山行レポート その1/3回シリーズ 今野善伸 期間 3月1日~3月6日 5泊6日 所在地 東アフリカ ケニア ※あしあとの余白にケニヤを紹介 ケニアの最高峰であるケニア山(アフリカ第二位の高さ)。 最高峰の BATIAN 峰(5,199m) へは高度な登山技術を持つものしか登れないし特別の許可が必要だが、LENANA 峰(4,985m) へは一般の登山客も登ることができる。どうしてケニア山なのか、それは最終目的がキリ マンジャロ山に登ることにあり、そのためには一番怖い高山病を避けるための高所順応を 兼ねた登山を行なえば高山病にかかる恐れが無くなる。日本の3000m級では高度順応 が不充分だ、それで現地のケニア山を選んだ。 http://www.shoortravel.com/ 2011 年 3 月 1 日(火曜) 社ホームページより転載 ケニア滞在 初日 イスタンブールからナイロビの JOMO 国際空港に着いたのが 1 時過ぎ入国手続きと税関を 経て、ナイロビ市内ホテルに着いたのは 2 時半過ぎだった。それで寝たのは 3 時過ぎ、で もホテルの真向かいがバスターミナルとショッピングセンターがあるので朝が早く、けた たましい車の音とガヤガヤと人の声でよく眠れなかった。遅い朝食を済まして早速タクシ ーを呼んでもらい、旅行会社に出向いた。めぼしをつけていた「DODO ワールド社」にケニ ア山の見積もりを頼んだ。 “当社は他のグループとの混載は扱っておらず、すべてプライベ ートツアーになるので、この値段(1,350 米ドル=約 11 万 5 千円)になります”とのこと で、私の予想の倍の値段である。確かに同社HPに掲載されている見積り額は数人の場合 の一人あたりの値段なので、私のような単独山行は 3 泊 4 日の行程でも大変割高になるの であろう。 次に WABERONA 通りの「道祖神旅行社」に出向いた。所在ビルの 4 階に伺うと日本人の方が 出てきて、 “当社は人手が足りないので現地ナイロビでの受付はやっておらず、日本からの 受け入れに限っているので、生憎申し訳ありません。このビルの 6 階で取り扱って いる代理店があるので行ってみたらいかがですか”とのことでした。紹介してもらった TEKKO トラベルに見積もりを依頼すると、何と 2,900 米ドルでした、これでは手も足もで なく退散した。見積り内容には JOMO 国際空港からナイロビのホテルまでの送迎とホテル代 が含まれており、しかもコースが半周回するチョゴリアルートを選択しており、日程も 7 日間とランクがかなり上がっている。2 人の場合だと 1,780 米ドルだが一人になると 2,900 米ドル(約 24 万円)となる。もちろんケニア市内のホテルも高級だしケニア山に向かう車 も私専用車となるので高くなってしまうのは仕方がない。 ナイロビ市内にあるケニア国立公園 同公園からはシマウマと高層ビルが見える 大通りに看板があった「KAIRI TOURS & SAFARI」旅行会社を覗いてみると、大変親切な 応対だったので、入ってみることにした。見積もりは 5 泊 6 日で 780 米ドル(約 6 万 5 千 円)で、DODO 社の半額だ。600 米ドルしか持ち合わせがなかったが、残金は翌日払う ことにして即座に決めた。日本人相手の旅行者はきっと至れり尽くせりなので高額になる のであろうが、私は全部自分で交渉するし、ホテルだって木賃宿でいいし、食事は街の皆 が食べているものでいいし、交通手段だって乗り合いでいいと思っているので、そうすれ ばこのくらいの値段で可能である。 明日 2 日からのケニア山行も首尾よく決まったので、同旅行社のクリスと市内観光を案内 してもらった。BOMASという東アフリカの民族舞踊、歌、音楽の伝統芸能を鑑賞した。 そのあとは各地方のマサイ族(地域によって住居が異なる)の民家を見て回った。どの地 方の住居も第一夫人の家が一番大きくて次に主人様、順に第 2 夫人、第 3 夫人の大きさで ある。夫婦は同居しているわけではなく、源氏物語に登場する通婚ということになるらし い。女性上位の平和なあり方はここにも存在している。 マサイ族の民族踊り 2011 年 3 月 2 日(水曜) マサイ族村 ケニア山に向けて 第二夫人の家 移動日(初日) 9 時過ぎにガイドがホテルに迎えに来る。互いに自己紹介すると相手は Moses(モーゼス)、 愛称はマチャンギという。バスターミナルまで歩いて行き、10 時過ぎに乗合いバス(マタ ツという)に乗る、バスといってもなんということはない、定員 8 名のワゴン車だ(HI-ACE や CARRAVAN 種が多い)。ナイロビ市内は日本車で溢れている。聞いてみると TOYOTA、NISSAN の車で全体の 80%を占め、残り 20%が FORD と VW 車だという。マタツは 10 時過ぎに(定 刻はなく一杯に成り次第出発するというもの)出発し、13 時 30 分に登山基地となる NANYUKI (ナユキ)に到着した。マタツは行き先がわかるようになれば、大変安くて合理的な乗り 物だ。同乗者が可愛い顔をして窓からポイとゴミを捨てるのだから衛生観念なんてまった くない国民性と見た。 ホテルに荷物を預け、少し汚いビーフレストランにで昼食となった。バーベキューだと いうので楽しみにしていたら骨付きカルビがどんと来た。ビールを飲みたかったので注文 すると奥の仕切りのある部屋に移動された。飲酒組と非飲酒組は食べる場所が分かれるの に驚いた。噂に聞いている焼肉だ。こちらでは NYAMA・CHOMA(ニャマ・チョマ)という、 焼肉ときたら、ほいビールだ。ビール 1 本(小ボトル)で 200 シリング(約 200 円)だ。 更に驚いたのはレジとビール保冷庫は金網で仕切られており、これも治安の悪さ対策なの だと理解できた。こういうツアーの場合、食事代はツアー料金に含まれるが水・お酒代は 個人持ちとなるので留意しておこう。 焼肉屋さん 実は肉屋さんでもある スーパー(八百屋)の果物 アルコールの酔いで夕方 7 時までぐっすり眠ってしまった。7 時過ぎに夕食だと起こし にきたが、お腹は空いていなかった。ポーター兼クックと運転手の方を紹介されてしばら く談笑した。夕食は同じビーフレストランに行くが、今夜はお酒は控えた。今度は日本で いうところの肉ジャガだ。これがとても美味しいのだ。ケニアのみの料理で KARANGA(カラ ンガ)というそうだ。食べ過ぎたのか、夜中にトイレに 2 度も起きた。大丈夫かなと心配 するが、食べてしまったのは仕方がない。 2011 年 3 月 3 日(木曜) ケニア山 (2 日目) NANYUKI(ナユキ)から車でケニア山国立公園内にある SIRIMON-GATE(シリモンゲート) まで移動、そこからは徒歩で 5 時間ほどで OLD-MOSES HUT に到着した。HUT というのは山 小屋のことだ。出発前にホテルの朝食は高いので街中の食堂で朝食を摂ったが、同じよう なものがホテルでは 400 シリングだったのが、食堂では 4 分の一の 100 シリングだった。 これで十分だし、庶民が何を食べているかわかるし、新聞を読みながら食べているのはど こも同じ風景だ。違うのは新聞というのは売りに来たのを金を出して買うというアメリカ やヨーロッパスタイルで、日本の配達方式は世界でも稀な存在であるということだ。 庶民が食べる食堂 私たちの朝食(野菜炒めと玉子焼き) 出発前に私はタンザニアシリングの手持ちが少ないので、クレジットカードでATMか らキャッシュを引き出そうとしたが、貸出額の制限が低いカードを持ってきたため、無効 になってしまい引き出せなかった。ナイロビでもっと換金しておくべきだったと後悔する が後の祭りである。スーパーを除くと肉と魚の生鮮食品や野菜を除くと大体日本と同じく 揃っていると思う。肉は肉屋さんで、野菜は八百屋さんで購入し準備は整った。コースタ イムを見よう。 9 時~10 時 35 分 朝食と買物、出発準備 10 時 35 分 NANYUKI(ナユキ)出発 11 時 30 分 SIRIMON-GATE(シリモンゲート)到着 標高 2560m (パッキング、ストレッチ、国立公園の入園手続き、トイレ) 11 時 45 分 SIRIMON-GATE 出発 13 時 30 分~14 時 昼食 15 時 20 分 OLD-MOSES HUT 到着 標高 3300m 《行動時間 約 4 時間》 行程は約 4 時間だが、休憩を除くと大体 3 時間で着いたことになるが、ガイドブックの時 間は 5 時間と書いてあるので、押しなべてかなりゆったりとした(ポレポレ)時間で計算 しているようだ。でもハットに着いたときは、ザックの荷物が肩に食い込んで痛かった。 高山病の症状はまったく無し。ク-ルダウンのストレッチのあと、小高い丘に登って 1 時 間ほどアフリカ大陸の雄大さに見とれた。高木がうっそうと茂る緑豊かな樹林帯というか 森、そして茶色の土と低木のサバンナ地帯がある。320 万年前、我々の祖先である現生人 類が森林から平原に出てきた、そしてより獲物を狩猟するために歩くことが容易になるよ うに土踏まずが発達してきたと云われている。その森林と平原が目の前にある、そのアフ リカに立っているのだと思うと非常に感慨深い。 初日の野外での昼食 HUT(山小屋のこと) こんな感じ 天候は昼を過ぎると雲が湧き山の頂には雲がかかる。3000m付近からハットまでは雹・ 霰に降られた。でも通り雨のようだ。 20 時 30 分 就寝 (明日は 0715 朝食で一番行程時間が長いと聞いたので、寝 袋にもぐりこむ)
© Copyright 2024 Paperzz