第2期内子町総合計画 [PDFファイル/7.19MB]

第2期内子町総合計画
(平成 27 年~平成 36 年)
町並み、村並み、山並みが美しい
持続的に発展するまち
愛媛県内子町
時代の荒波を乗り切るために
3つの町が合併して、新しい内子町が平成17年に誕生してから10年が経ちまし
た。新生内子町は、合併してよかったと思える町をめざして、町を挙げて、新しいま
ちづくりに取り組んでまいりました。
この間にも、国内外の予期しない事件や変動が相次いで起りましたが、町民のみな
さまと力を合わせて、何とか対応することができました。その時に、町政の羅針盤と
して役立ったのが、内子町総合計画です。
いま、ここにお届けするのは、第2期内子町総合計画です。前期に引き続いて策定
した計画ですが、法令上では、やや異なった位置づけとなりました。去る平成23年
の地方自治法の改正によって、自治体は総合計画策定の義務がなくなりました。しか
し、総合計画の持つ重要な役割を痛感している多くの自治体では、独自の条例をつく
って、最上位の計画として引き続き策定を行っています。
内子町もまた、新たに内子町総合計画策定条例を制定し、それに基づいて、この計
画を策定しました。各界各地域の町民の方々のご意見を伺い、町職員の総力を挙げて
つくったものです。
この第2期計画が展望する今後の10年間は、国内はもとより、地球的規模での経
済社会の一大変動期と重なっているように思います。内子町を取り巻く状況も、予想
できないような激動に見舞われる可能性があります。内子のまちづくり、あるいは内
子町政も、このような大きな変化を適切に受け止め、臨機応変に対応していくことが
求められます。
生物進化の世界では、強い種(しゅ)が生き残るのではなく、環境の変化に適応で
きる種こそが生き残るのだ、といわれています。
自治体に引き寄せて考えれば、たとえ人口や経済の規模が小さくても、時代の変化
に柔軟かつ果敢に対応できる自治体こそが、次の時代を担っていくことができるとい
うことになります。
そういう強い思いを持って、内子町は、この激動の時代を、みなさまと一緒に乗り
切っていきたいと思います。
町並み、村並み、そして山並みが美しい、持続的に発展する内子町をめざして、と
もに力を合わせて頑張っていきましょう。
みなさまのご理解、ご協力を心からお願いする次第です。
平成27年3月
内子町長
1
稲本
隆壽
【目次】
第1編
Ⅰ
基本構想
第2期内子町総合計画の概要
2
1.総合計画の役割
(1)まちづくりのシナリオとしての総合計画
(2)シナリオを活かすのは、多様な主体のアクション
2.計画の構成・期間
(1)総合計画の構成
(2)総合計画の期間
3.人口推計
4.内子町の将来像
Ⅱ内子町を取り巻く状況~転換期にある時代のまちづくり~
6
1.人口急減時代
2.コンパクトなまちづくり
3.安全・安心のまちづくり
4.情報産業革命
5.エネルギー大転換
Ⅲ
10
内子町のまちづくり戦略
1.内子町のまちづくりの課題
課題1
課題2
課題3
課題4
課題5
農林業再生の新たな挑戦
着地型観光の体制づくり
子育て支援の強化
情報通信技術の活用
コミュニティの再構築
2.まちづくり戦略
戦略1 「稼ぐ力」のある内子町をめざす
戦略2 「住み続けられる」内子町をめざす
第2編
1
2
基本計画
プロジェクト 10
私たちの課の仕事
2
第 2 期 内 子 町 総 合 計 画
総合計画の役割
Ⅰ
計
画
の
概
要
総合計画の構成と期間
■まちづくりのシナリオ
■基本構想〔10 か年〕2015(H27)年~2024(H36)年
■多様な主体が実現を担う
■基本計画〔 5 か年〕2015(H27)年~2019(H31)年
内子町がめざす将来の姿
町並み、村並み、山並みが美しい持続的に発展するまち。
キャッチフレーズ
■キラリと光るエコロジータウン内子
■住んでよし、訪ねてよし、美(うま)し内子
Ⅱ 内子町を取り巻く状況―転換期にある時代のまちづくり―
(1)人口急減時代
2040 年から全国の人口減少は、急カーブになり、過疎市町村の人口減少は食い
止めにくい。
(2)コンパクトなまちづくり
人口増加を前提としたまちづくりから、小さいながらも高機能な対応能力を備え
たコンパクトなまちづくりへと転換する。
(3)安全・安心のまちづくり
異常気象などで起こる災害、原発災害などから町民を守る安心・安全なまちづ
くりが求められる。
(4)情報産業革命
情報通信技術の発展に対応した行政のしくみやまちづくりへの活用が必要。
(5)エネルギー大転換
再生可能エネルギーを取り入れた地域エネルギー対策を構築する。
Ⅲ 内 子 町 の ま ち づ く り 戦 略
内子町まちづくりの課題
まちづくり戦略
(1)農林業再生の新たな挑戦
危機意識をバネに農業の再活性
化をはかり森(もり)業を興す。
(2)着地型観光の体制づくり
まち歩きなど新しい着地型観光
に対応できる体制をつくる。
(3)子育て支援の強化
次世代を担う子どもたちを育て
やすい環境をつくる。
(4)情報通信技術の活用
情報通信技術の進化に対応した
まちづくりに取り組む。
(5)コミュニティの再構築
自治力の強化をはかる。
【戦略1】
「稼ぐ力」のある内子町をめざす
町民の豊かな生活を守り、地域の
元気を維持していくために、町民も
行政も「稼ぐ力」を養い、活力あふ
れる町をめざす。
【戦略 2】
「住み続けられる」内子町をめざす
人口減少の悪影響を緩和し、町民
の暮らしの質を損なわない「住み続
けられる」まちづくりをめざす。
3
第1編
基本構想
4
Ⅰ
第 2 期内子町総合計画の概要
1.総合計画の役割
(1)まちづくりのシナリオとしての総合計画
■問題解決のためのシナリオ
総合計画は、時代の動向を見極め、町を取り巻く状況や直面する課題を分析し、未
来に向けて適切な対応策を示す役割を担っています。そして課題解決のための具体的
な施策や事業を立案し、予算の裏付けをして、計画的に実現していくことが、計画の
役割です。このような考え方を踏まえて、内子町では前期計画の策定時から、総合計
画の役割を「まちづくりのシナリオ(台本)」と位置づけてきました。
■柔軟に書き換える姿勢で取り組む
まちづくりのシナリオは、望ましい将来像を実現するための筋書(ストーリー)で
す。台本がなければ芝居が進行しないように、シナリオのないまちづくりは、担い手
の力を結集することが難しくなります。かといって、現実のまちづくりの舞台では、
すべてが台本通りに事態は進むとは限りません。新しい事態に直面すれば、アドリブ
によって、臨機応変に対応することが求められます。あるいはシナリオ自体を書き換
えることも必要になります。
■骨太の戦略を打ち出す
このような柔軟な対応を間違わずに行うために、大事なのは、まちづくりの根底に
ある考え方です。この計画ではそれを戦略と位置付けています。しっかりとした骨太
の戦略を練り上げることによって、総合計画は、まちづくりや町政の羅針盤の役割を
果たすことができます。
(2)シナリオを活かすのは、多様な主体のアクション
■多様な主体が活躍できる総合計画に
総合計画の示すシナリオに沿って、実際の現場で、まちづくりに取り組むのは、内
子町の町民ひとり一人です。そして企業、事業体、活動グループなどが発揮するさま
ざまなまちづくり活動の総合力がまちの源泉です。行政もまた重要な担い手です。こ
のような多くの主体が、力を合わせて、それぞれの持ち味や能力を補い合って進めて
いくためのよりどころとして、総合計画があるといえます。
■各界各層各地域の方々の意見を聞く
多様な主体が計画実現の担い手になることを踏まえて、策定過程においては、各界
5
各層各地域の町民の方々の意見を伺いました。小さな自治体であるからこそ、こうし
た生の声を丁寧に聞き取るなかで総合計画づくりに取り組むことができたといえま
す。
■職員の経験と知恵を活かした計画
策定作業の中心的な担い手は、町の職員です。多くの職員は、それぞれの分野で経
験を積み、町の実態についても、多くの知識や情報を持っています。こうした職員の
経験や知識を引き出すために、職員による調査や議論を積み重ねてきました。特に重
要なテーマについては、プロジェクトチームをつくり、提案をまとめ、それを多くの
職員の前で発表し、職員全員が内容を共有することに務めました。
2. 計画の構成・期間
(1)総合計画の構成
内子町総合計画は、本町のまちづくりの指針となるもので、基本構想、基本計画、
そして実施計画の3つで構成されています。
基本構想は、本町における総合的かつ計画的な行政を図るために定める基本的な構
想のことです。
基本計画は、基本構想を実現するための施策を体系的に示す計画です。
実施計画は、基本計画に基づき、具体的に実施する事業を定めたものです。
以上の規定は、内子町総合計画策定条例第2条に明記されています。
また、この計画は町民と行政の協働で実現するものです。
【計画の構成】
町並み、村並み、山並みが美しい持続的に発展するまち
基本構想―理想とする内子町の将来の姿・目標
基本計画―実現するための施策
実施計画―具体的事業
町民、自治会(区・班)
、NPO、事業体、企業、行政
6
(2)総合計画の期間
第2期計画の期間については、平成 27 年度からおおむね 10 年を想定します。ただ
し、10 年後を展望することは、不確定な要素が多分にあるので、あくまで長期的な
ビジョンの域を出ません。
現実的な計画期間としては、平成 27(2015)年度から平成 31(2019)年度までの
前期基本計画の5か年が中心となります。
なお、実施計画は、1年計画で、毎年ローリングすることになっています。実際に
は、予算編成によって確定する毎年度の行政計画がこれに相当します。
【計画の期間】
(2015)
平成 27
28
29
30
31
32
33
34
(2024)
36 年度
35
基本構想
(平成 27 年度~平成 36 年度)10 カ年
前期基本計画
後期基本計画
(平成 27 年度~平成 31 年度)
(平成 32 年度~平成 36 年度)
3. 人口推計
平成 26 年の内子町の人口(住民基本台帳平成 27 年1月1日現在)は 17,823 人で
す。計画期間の人口推計は通常用いられる国勢調査の人口に基づいて推計すると、次
のようになります。
年
年少人口
齢
階
層
2020 年(人)
(0~14 歳)
2025 年(人)
1,521
1,319
生産年齢人口(15~64 歳)
7,564
6,742
高齢者人口 (65~74 歳)
2,759
2,397
高齢者人口 (75 歳以上)
3,495
3,619
15,339
14,077
計
*国立社会保障・人口問題研究所 2013 年 3 月推計
7
4.内子町の将来像
[内子町がめざす将来の姿]
町並み、村並み、山並みが美しい持続的に発展するまち
○内子町は歴史的町並み保存に力を注いできたことによって、全国に知られるよ
うな町になりました。町並みの縁で国際交流も盛んになりました。内子町のシ
ンボルともいえる歴史的町並みをこれからも大切に守っていきます。
○町並みとは、市街地の家並みやたたずまいです。伝建地区だけでなく、周辺の
商店街も、そして五十崎地区、小田地区などの町並みも守り続けていきます。
○さらに、農村集落である村並みについても、優れた農村景観をつくることに努
めます。農村の景観は、そこの暮らしが豊かで、ゆとりがあるからこそ美しい
といえます。農村の営みをしっかりと保つことによって、美しい村並みをつく
ります。
○町域の8割近くを森林が占めている内子町は、森のまちです。先人から受け継
いだ貴重な森を守り、水を守り、美しい山並みを後世に遺します。
[内子町をアピールするキャッチフレーズ]
キラリと光るエコロジータウン内子
○自然に恵まれた内子町は、環境問題の重要性をいち早く感知して、自然と共生
して、持続性のあるまちをめざすために、エコロジータウンを打ち出しました。
○全国に先駆けて「エコロジータウン」を掲げた内子町は、小さくてもキラリと
光る、個性を大切にした、誇りあるまちづくりを進めます。
住んでよし、訪ねてよし、美(うま)し内子
○内子町は、そこに住んでいる人にとっても、そこを訪れる人にとっても、そこ
で働く人にとっても、愛着の持てる、美しいまちをめざします。
〇内子町で育ち、暮らすことに、誇りを持てるまちをめざします。
○景観も美しく、人々の心も美しく、そして食べ物も美味しいまちをめざします。
8
Ⅱ
内子町を取り巻く状況〜転換期にある時代のまちづくり〜
第2期内子町総合計画の計画期間である今後の 10 年を展望すると、国内外でどの
ような動向が予想されるか。内子町のこれからのまちづくりを考えるうえで、影響の
大きいと思われる社会の動向を以下に示します。
(1)人口急減時代
(2)コンパクトなまちづくり
(3)安全・安心のまちづくり
(4)情報産業革命
(5)エネルギー大転換
1
人口急減時代
■人口減少の危機感の共有
日本は人口減少時代に入ったと言われてきましたが、急激な人口減少がもたらす危
機を大都市を含む日本全体が、実感するようになったのは、ごく最近です。
これからの施策を考えるために、全国的な状況を、国立社会保障・人口問題研究所
の推計とそれを分析した民間研究グループ(内容は政府の見解でもあります。)のレ
ポートをもとに確認します。
①日本の人口は 2090 年まで減り続ける
現在は子ども数の減少を、増大する高齢者数で補っているため、全体人口
の減少は緩やかに見える。しかし高齢者数も減少に転じる転換点(2040 年頃)
を迎えると人口減少は急カーブとなる。
②過疎市町村の人口減少は食い止められない
過疎市町村では 2010 年~2040 年の間に 64 歳以下の人口は半減する。見
かけ上人口全体では2割強の減少に見えるが、その中身は人口の大半が高齢
者という極めて異常な状況となる。
③都市への人口移動は止まらない
大都市圏の人口が地方に比べ減少が緩やかなのは、高齢者数の増加だけで
はなく、生産年齢人口も大都市に流入するからである。20~39 歳の子育て世
代の女性が大都市に流入しても出生率は高まらず、大都市であっても子ども
は増えない。
9
④自治体の半数は消滅のおそれ
今後 30 年間で若年女性が半減すると予測される自治体は、全自治体の半
数の 896。国交省の推計では 2050 年時点で、国土の6割で人口が半減、2割
で無人になる。
⑤反転攻勢の拠点は地方中核都市
この現象を食い止めるためには、①出産・子育て支援、②人口再配置、③
国内の人材養成と海外からの人材獲得、の3つが必要である。
■バランスのとれた安心できる社会の仕組みに
人口の急減が暮らしに与える大きな影響のひとつが、社会保障です。現在の社会保
障の仕組みは、現役世代の急減と高齢層の急増によって、その存続が危ぶまれていま
す。さらに高齢者医療費の増大がこれに拍車をかけ、かつて財政支出のトップだった
公共事業費に代わり、医療・福祉の支出の増大が財政を圧迫する要因となり、「福祉
のために」といえば、誰もがやむを得ないとして了承してきた状況がいま、大きく変
わりつつあります。
内子町は、町民のニーズを踏まえ、負担とサービスのバランスを見極めて、町民が
安心できる福祉社会のしくみについて真剣に考える時期にあります。
2
コンパクトなまちづくり
■現実を直視した施策が必要
これからは、減少する人口を各市町村が奪い合う形になり、生き残りをかけた都市
間競争、自治体間競争が続きます。努力目標としての内子町の将来人口を掲げること
も大事ですが、減少という現実を直視して、それに対処できる施策を用意することが
もっとも重要です。
国もコンパクトなまちづくり政策を進めようとしています。コンパクトとは、小さ
いながらも高機能な対応能力を備えたという意味で、高度成長期のようにどこにでも
同じ機能をまんべんなく整備するのではなく、選択と集中の考え方に立ち、集約すべ
きものと広く展開すべきものを分け、生産性の高い効率的なまちの経営をするという
ことです。
■生産性の高いまちづくり
これまでのように人口増加を前提とした居住地の拡大や公共施設の整備の発想を
改め、人口減少を前提とした、生産性の高いまちづくりを推進する必要があります。
人口が減少しても、そこに暮らす人々の生活の質が低下しないような将来像を描き、
10
それを可能とするような施策が必要です。
ソフト面でも、行政の予算が減少するなかで、効率的な行政組織のあり方、費用対
効果に基づく財政支出、公共施設の削減と統廃合、民間委託の増加など、多くの課題
があります。役場の仕事の効率化と大胆な外部化、民間の持つ創意工夫や活力の積極
的な活用、公共サービスの一部を住民が担えるような地域コミュニティの強化が必要
になります。
3
安全・安心のまちづくり
■異常気象や各種災害に対応できる体制づくり
日本列島は地震多発地帯であり、異常気象による局地的豪雨の災害は激増していま
す。災害発生を未然に防ぐことが無理な場合には、起きた災害の被害を減らす「減災」
について知恵を絞る必要があります。
第 1 期後期基本計画では、「2011 年3月には、マグニチュード 9.0 の巨大地震が発
生し、それに伴う津波や、『想定外』の原発事故が重なり、日本全体を文字通り震撼
させる事態となりました。この余波は、現
在においても続いており、今後の動向も予
断を許しません。この東北大震災や原発事
故は、人々の価値観にも大きな影響を与え
ており、当然のことながら、内子町のこれ
からの行政運営においても、従来とは異な
る視点や発想が求められています。」と述べ
ていますが、その認識は、そのまま今期計
画にも当てはまります。
■新規整備から維持管理への重点移行
道路、橋、上下水道など基盤施設も次々と耐用年数を迎えており、維持更新費が整
備費を上回る時代が間近に迫っています。公共事業をめぐる状況は明らかに変わって
きました。
さらに、人々の安全・安心を考えるうえで欠かせないのが原発問題です。国家の政
策が今後どのような展開をするにしても、原発に近接した内子町は、有効な避難計画
をつくって災害時に住民を守るという、緊急かつ具体的な責任を負っています。
11
4
情報産業革命
■情報通信環境の劇的な変化
情報通信技術(一般に ICT と呼ばれます)の発展はめざましく、今後の展開を正確
に予測することは非常に難しいといえます。パソコンやスマホ(スマートフォン)の
普及、ICT に支えられる家電や車、ものづくりのあり方を変えつつある3D プリンタ
ーの出現など、日々新たな技術や製品が登場し、人々の暮らし方をはじめ、企業や行
政などの仕事の仕方を絶えず変え続けています。「情報産業革命」は私たちの生活や
活動を広範囲に、劇的に変化させることになると予測されます。
■情報通信技術を活用したまちづくり
10 年後の内子町民の暮らしがどう変化しているのか、そのすべてを予測するのは容
易ではありませんが、情報通信環境のこの激しい変化の動きをしっかりと見守り、そ
の副作用にも目配りしながら、ICT をまちづくりに活用していくことが求められてい
ます。
5
エネルギー大転換
■エネルギー自給率が課題
シェールガスの登場で、これまでのエネルギー事情が大きく変わるといわれていま
す。私たちの暮らしは、世界のエネルギー事情に左右され、翻弄されています。
化石燃料への依存度を少しでも減らすために、太陽光、風力、水力、潮力、地熱、
バイオマスなどの再生可能エネルギーの開発に各国がしのぎを削っています。エネル
ギー自給率を高めることは、国の安全保障の最重要目標となっています。
■環境自治体としての対応
近年、エネルギー問題を国家の課題としてだけでなく、地域の課題として受け止め、
地域エネルギーの開発に積極的に取り組んでいる自治体や活動団体が増えています。
地域エネルギーは、災害時の停電に対
して有効であり、コミュニティの絆を強
化するきっかけになるなど、経済面以外
の効用も注目されています。
環境自治体を標ぼうしている内子町は、
地域の自立をめざし、地域エネルギーの
開発と利用に息長く取り組んでいくこと
が必要です。
12
Ⅲ
内子町のまちづくり戦略
1.内子町のまちづくりの課題
内子町の第2期のまちづくりに関わる重要課題として、以下の5つが挙げられます。
課題1
農林業再生の新たな挑戦
課題2
着地型観光の体制づくり
課題3
子育て支援の強化
課題4
情報通信技術の活用
課題5
コミュニティの再構築
【課題1】
農林業再生の新たな挑戦
■ますます厳しい農林業の状況
内子町が直面する重要課題の農林業の衰退に対して、前期計画では「よみがえれ農
林業プロジェクト」という形で独自の施策を展開してきましたが、衰退を十分に食い
止めるまでには至っていません。
農林業は一般の商工業に比べると、国の関与が大きく、国の施策に規定され、補助
金によって支えられている現実があります。そのなかで独自の事業を進めることは、
たやすいことではなく、その間にも、担い手の高齢化、鳥獣被害による営農意欲の減
少、休耕地も目に見えて増えています。
■危機意識をばねに取り組む
衰退からの脱出には危機意識をばねに、①法人化や I ターン者就農支援による中核
農家の育成、②集落営農のように地域が助け合う農業をめざし、農村景観保全に努め
る、③農地利用の再編で担い手への農地
集積・集約化、④特別栽培農産物のブラ
ンド化、⑤内子産品の販路開拓・観光客
誘致、といった思い切った活動に取り組
む必要があります。
■先端産業をめざす「森業」(もりぎょ
う)
林業は、内子の基幹産業のひとつであ
り、新たな視点から見直して、その再生
13
をはかる必要があります。この新たな視点を内子町では「森業」(もりぎょう)とい
う言葉で表現します。
「森業」は環境としての森林資源、バイオマス(燃料エネルギー)としての木材の
活用など、「木を全て利用し尽くす」という姿勢で取り組むことによって、より広範
囲で多角的な産業をめざすという意味合いがあります。さらには農山村の未来を拓く
先端産業にする、という強い主張も含まれています。
CLT(Cross Laminated Timber*)等、新たな木材利用における新技術の情報を収集
し、町産材利用の検討を進めるとともに、エネルギー資源としての木材に着目し、廃
棄物であった木くずの多様な活用(ペレット化、木質バイオマスなど)を進める必要
があります。また、森林という環境を活かしたレクリェーション・レジャー、住居(別
荘)、オフィス、文化教育、アートなど多様な活用分野を開拓することも欠かせませ
ん。
森林という内子町の貴重な財産を新しい視点から見直し、その持続的な活用に取り
組むことは、第2期計画における重要な政策です。
(*CLT とは、ひき板を並べた層を、板の方向が層ごとに直交するように重ねて接着
し、強度を高めた大判のパネルのこと)
【課題2】
着地型観光の体制づくり
■変わる観光の動向
内子町に「稼ぐ力」をつけるうえで、観光振興は、喫緊の重要性を持っています。
そのために、観光の全国的な状況がどのようになっているか、それを確認しておく
ことが必要です。最近の各種調査から、いくつかのポイントを挙げます。
①宿泊観光は減少傾向
宿泊観光旅行は減少傾向にあり、宿泊観光の発地と着地は近距離化している。
②外国人観光客がこれからのターゲット
国内観光需要が頭打ちのなか、昨年末訪日外国人が 1,000 万人を突破。東京
をはじめ各都市が 2020 年オリンピック向け外国人観光客向け施策を開始。
③まちの総合的な魅力アップが必要
まちをゆっくり体感する「まち歩き観光」が主流となる。これからの観光政
策はまち全体の魅力をアップする政策となる。
④発地型から着地型観光への転換
旅行会社が観光客を引き回す「発地型観光」は好まれず、現地についてから
「着地」で生の情報を得て旅をする「着地型観光」へと観光行動が変化してい
る。
14
⑤観光客の満足度が決め手
観光地では適切な情報提供や支援で顧客満足度を高める対応策が求められ、
観光振興にはリピーターと外国人の口コミ、スマホによる情報発信の影響が大
きい。
⑥情報通信技術(ICT)の活用が不可欠
スマホは観光客の必須アイテムであり、スマホを着地で活用するには、
「公衆無
線 LAN」や「Wi-fi 商店街」の整備が欠かせない。
⑦顧客管理能力が観光地の勝敗を決める
顧客の大量の情報を蓄積・分析した「ビッグデータ」の活用が必要。着地側
は ICT を活用した顧客管理が弱点を克服する有力な手段となる。
⑧地元組織(DMO)の強化が観光振興のカギ
「着地型観光力アップ」のポイントは受け入れ地側の観光経営組織
(Destination Management Organization、略して DMO)の強化である。DMO 組
織が自らを経営主体と自覚し、顧客管理や満足度向上に努めることが必要にな
る。
■着地型観光の充実が課題
着地型と発地型は、必ずしも対立した関係ではなく、相互に高め合う関係にありま
す。着地側の仕組みが充実し、観光客の満足度が高まることは、発地側の旅行会社に
とっても望ましいことであり、よりよい旅行商品の開発やサービスにつながります。
着地型観光の充実は、これからの内子町の観光振興の大きな課題です。
【課題3】子育て支援の強化
■元気な子どもたちの声が聞こえるまちに
内子町は移住定住促進策など、さまざまな努力をしてきましたが、総人口は減少し
ています。とくに重要なのは、人口構
成です。地域の「稼ぐ力」の中核とな
る生産年齢人口(16〜59 歳)が減少し、
次世代を担う子どもたちも減り続け、
高齢者が増えているのが現実です。
内子町を元気な子どもたちの声が響
くまちにしたい。これは全町民の願い
です。
15
■子育て対策の充実
内子町は高齢者施策に力を入れてきましたが、今後は少子化対策、とりわけ子育て
対策が重要です。「子どもを安心して預け、しっかりと働きたい」という子育て世代
の声を汲み取り、子育て対策を充実させる必要があります。
内子町では国の制度改革に先駆けて、この計画の策定過程で子育て世代の女性職員
によるプロジェクトチームを立ち上げ、内子町ならではの施策を検討してきました。
【課題4】
情報通信技術の活用
■情報通信技術を活用する開かれた自治体に
情報通信技術(ICT)の進歩は著しく、関連する分野は広範囲なので、内子町とし
て、現在の全体状況を把握し、適切な判断をすることが必要です。
行政の業務としては、役場には貴重な情報が蓄積されるので、適切な方法で公開し、
住民、活動団体、企業などに活用してもらう「オープンデータ」をめざし、電子自治
体、スマート役場をめざし、情報機器を積極的に活用して、業務の効率化や改善をは
かることが必要になります。
また、コンパクトなまちづくりを進める中で、住民サービスを低下させないために
は、情報通信技術によって、職員や予算の不足を補完、代替することが必要です。
■新しい情報ニーズに対応する仕組みづくり
教育や保育の現場、福祉や医療の分野、さらには防災対策や構築物の劣化状況調査
などで新しい機器やサービスが登場するため、これらをうまく使いこなす、あるいは
無駄なものを採用しないなど、行政の適切な判断が求められます。
町内の企業からは情報通信基盤の不備解消、観光客などからは公衆無線 LAN に対す
る要望が増えています。企業誘致にも不可欠な情報通信基盤の整備を行政として主導
する必要があります。
これらの高度に専門的な問題は外部専門機関との連携が欠かせませんが、基本的な
ことは行政内部で対応できるように人材養成や担当部署の設置、多くの職員が知識を
共有できる仕組みを構築することが必要です。
【課題5】 コミュニティの再構築
■自治力の強化が大きな課題
コミュニティの維持・強化は、内子町の永続的な課題です。前期計画においても、
自治会制度の普及と自治力の強化が大きな課題となっていました。職員の地域担当制
16
も定着し、自治会による地域づくり計画
の策定も2回目を迎えています。
自治会はさまざまな問題を抱えていま
すが、一番の問題は構成員の高齢化です。
また、自治会に対する行政の窓口である
自治センターについても、住民の受け止
め方は一様ではなく、かつての公民館と
同様に考えている人も少なくありません。
将来的には、隣接する自治会が合併す
ることも必要になりますが、これも根本的解決とはいえません。自治会は本来、日常
生活圏をもとに成り立っているからこそ、地域のため、隣人のためにという動機があ
るのですが、広域になれば帰属意識や連帯感が薄まるからです。
■協働で新しいコミュニティを構築
その一方、いまほど、コミュニティの力が必要な時期もありません。コンパクトな
行政を補完するのは、地域住民の力です。行政の力の及ばないところは、地域住民が
補うことによって、さまざまなコミュニケーションやサービスが維持されるからです。
住民と行政の協働によって、内子らしい新しいコミュニティのあり方を追求してい
くことが求められています。
17
2
まちづくり戦略
第2期内子町総合計画のまちづくり戦略として、以下の二つを掲げます。
戦略1
「稼ぐ力」のある内子町をめざす
■地域の元気を維持するために
内子町は、財政状況が厳しくなり、従来のような事業や支援をそのまま継続してい
くことが困難になると予測されるなかで、町民の豊かな生活を守り、地域の元気を維
持していくために、「稼ぐ力」をつける施策を展開します。
経済的な力をつけることによって、安全で安心できる暮らしを維持することができ
ます。福祉、教育、文化などの面で町民の暮らしを支えることができます。
■内子町ならではの「稼ぎ方」を模索する
地球温暖化や自然災害の多発、またコミュニティの崩壊など私たちが日々直面して
いる課題の多くは「大規模・集中」によってもたらされたものです。21 世紀は、「大
規模・集中」から「小規模・分散」への
転換をはかることによって、さまざまな
問題解決をめざす仕組みづくりが必要で
す。これからの「稼ぐ力」は小規模・分
散型の地域が受けついできた伝統文化、
暮らしの作法・技術などの魅力を、大規
模・集中型の人々に提供することで生ま
れる可能性が高くなります。
■地域発信型事業体を創出・誘致する
「小規模・分散」型の「稼ぐ力」の代表例は、「内子フレッシュパークからり」で
す。「からり」は買い手が見えない大規模出荷型農業から、消費と直接やりとりする
小規模分散型へと転換させるなかで、生産者の「稼ぐ力」を育て、各地の地産地消マ
ーケット誕生の先駆けとなりました。内子町はこの経験を生かし、さらに「稼ぐ力」
のある「攻めの農業」へと展開していきます。また、豊かな自然、特色ある町並みと
商業空間、優れた企業人を輩出した創業の遺伝子、それら内子ならではの地域資源を
さらに磨き上げ、「稼ぐ力」に変えていくことをめざします。
18
■町民と行政が経営センスを発揮する
この戦略を進めるうえで、とくに取り組むべき課題は、以下の二つです。
「稼ぐ力」の源泉は、町内の企業、事業体、そして町民ひとり一人です。また、行政
職員ひとり一人が「稼ぐ力」を念頭においてこそ、貴重な税金を無駄にせず、適切に
使う、有利な補助制度を活用する、さらには自ら「稼ぐ」施策を追求することができ
ます。
このような取り組みのなかで、行政もまた、民間に習って、経営的センスを習得す
ることに務めます。
戦略を進める取り組みの例
① 農業の衰退を食い止める「攻めの農業」を推進する。
② 持続可能な森づくり産業(六次産業)としての「森業」を振興する。
③ 商業者と行政が協働して、特色とにぎわいのある商店街をつくる。
④ 着地型観光を推進し、持続可能な観光産業を確立する。
⑤ 国内外との交流をはかり、新しいビジネスチャンスを開拓する。
⑥ 情報通信基盤を整え、経済活動の活性化、高度化をはかる。
⑦ 地域エネルギーの開発に取り組み、地域の自立度を高める。
⑧ 町内の企業と連携して安定した雇用を確保する。
⑨ 特色ある産業や起業を支援する。
⑩ 独自の技を持つ移住者を受け入れ、多様な業種のある町をめざす。
19
戦略2
「住み続けられる」内子町をめざす
■規模拡大のまちづくりからの転換
内子町は将来の人口減少を前提とし、その悪影響を緩和し、町民の暮らしの質を損
なわない「住み続けられるまち」をめざします。
第2期計画の初年度から、町の重要財源である地方交付税が減少すると予測されま
す。行政職員の増員は難しく、行政ができることは、限られてきます。従来の施策や
事業を漫然と継続していくことはできません。さまざまな指標が右肩上がりになるこ
とを前提とした、これまでの規模拡大のまちづくりからの大きな転換をはかります。
■内子流のコンパクトなまちづくり
「住み続けられるまちづくり」は、中心市街地に機能集約して周辺部から撤退する
のではなく、五十崎地区、小田地区などにも、一定の都市的機能を保持するまちづく
りです。農山村部から人々が撤収するのでは
なく、農山村部への人々の定着をめざして、
農村コミュニティの再生強化をはかるまち
づくりです。したがって、限界集落対策にお
いても、そこに住みたい人が最後まで住める
ための施策を可能な限り継続します。
内子町は、
「そこに住み続ける」を基本に、
各種の施策や事業を実施します。
■町民と行政が力を合わせて、安心・安全を築く
安心・安全なまちづくりは、町民だけでも行政だけでも実現できません。町民と行
政がそれぞれの情報を共有して、減災をはかるためのよりよい連携・対応が取れる体
制づくりを進めます。
コミュニティにおいては、日ごろからの声の掛け合い、災害への意識啓発、経験に
基づいた災害対応などの話し合いや避難や助け合いの訓練を行う自律的な危険回避
の心構えと日常の備えに力を入れます。
行政は、気象情報などの災害発生に関する情報を迅速・正確に把握する体制を整え
るとともに、町民への伝達手段の充実、減災のためのさまざまな情報の収集と分析、
20
また、原発災害時に町民を守る対策を推進します。
■UI ターン人口を確保する
国土交通省が平成 26 年 3 月に発表した「国土のグランドデザイン 2050」の資料に
よれば、20~30 代の独身又は子ども世帯を組み入れた 1%の転入者(年当たり)があ
れば、人口定常化社会(世代間のバランスが保たれ、急激な人口減少が起こらない社
会)が実現できるとしています。内子町への移住・定住施策を推進し、UI ターン人口
を 1%にまで引き上げ、より住み続けられる内子町をめざします。
■愛着と誇りの持てる町
物質的な豊かさだけでなく、心豊かな暮らしのできる町をめざします。豊かな自然
の恵み、先人たちの築いた伝統や文化、人と人との温かい関係など、内子町に対する
愛着や誇りを持てる施策を多様に展開します。
戦略を進める取り組みの例
①
行政サービスの低下を防ぎ、町民の利便性の向上をめざして、情報通信技術を
積極的に活用するとともに、民間にできることは、できるだけ民間に任せる。
②
市街地整備、集落整備等のコンパクト化をめざす。
③
公共施設等は、統廃合、民間施設との複合化、合築や減築など、将来の利用状
況や維持管理体制を予め想定して整備をはかる。
④
UI ターン者を増やし、子育て支援策を強化充実させ、子どもたちの元気な声が
響く人口定住化のまちをめざす。
⑤
町民の安心・安全を守る広範で総合的な災害対策に取り組む。
⑥
子どもたちへのふるさと教育を推進するとともに、地域の伝統や文化を再評価
する社会教育活動を促進する。
⑦
高齢者や障がい者福祉を充実させ、いつまでも安心して暮らせるまちをめざす。
⑧
住民同士の絆を強めるとともに、自治力のあるコミュニティを構築する。
⑨
町民や職員、専門家等の知恵を結集し、まちづくりを提案する組織を検討する。
⑩
職員の能力向上に力を入れ、少数精鋭型役場をめざすとともに、行政職員 OB
の能力を活かす仕組みをつくる。
21
第2編
基本計画(前期)
(平成 27~31 年度)
22
テ
1
ン
プロジェクト10(重点施策)
テ
ン
「プロジェクト10」とは、基本構想の考え方を体現するシンボル的な 10 の重点
施策です。
それぞれのプロジェクトは、一つだけで完結するものではなく、他プロジェクトと
関連しています。また各プロジェクトは、それを突破口にして、関連する新しい事業
や活動が登場し、広がっていくことが期待されています。
また、
「プロジェクト10」は、固定したものではなく、ある程度定着したプロジ
ェクトは、
「プロジェクト10」から「卒業」し、また新しいプロジェクトを提起し、
育てていくという新旧交代を想定しています。
第2期総合計画・前期計画においては、次のようなプロジェクトを推進します。
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
まちなかリバイバル・プロジェクト
いかざきワンダーランド・プロジェクト
小田流ライフスタイル・プロジェクト
うちこ森業プロジェクト
安全・安心まちづくりプロジェクト
美しい内子プロジェクト
着地型観光プロジェクト
子育て応援プロジェクト
情報推進化プロジェクト
地域エネルギー・プロジェクト
23
1 まちなかリバイバル・プロジェクト
1
基本方針
中心市街地の再生(まちなかリバイバル)は、内子町の持続的発展のための必須の
課題です。町並み保存地区(伝建地区)、隣接する商店街、その周辺市街地を総合的
に「まちなか」として捉えて、まちづくりを進めます。
町並み保存地区では、住民の高齢化と空き家の増加、外部からの移住や開業、修復
や維持管理体制の不備など、文化財としての町並み保存行政は、大きな転換を迫られ
ています。このような現実を踏まえ、文化財的価値を尊重しつつも、住民の日常生活
の視点や不動産としての評価などを踏まえて、保存と利活用の両立をめざすまちづく
りを推進します。
町並み保存、商店街振興、観光振興、景観整備、文化施設運営、都市計画など多様
な個別の制度や事業の存在を前提としながらも、コンパクトな行政をめざす内子町は、
縦割り行政を克服して、関係部署の連携を強化するとともに、「まちなか行政」の一
体化、総合化の新しい体制をつくります。
まちづくりは、住民と行政の協働で進めます。行政は率先して住民との対話を進め、
住民と行政の協働の実績を積み上げます。「民間で出来ることは、できるだけ民間に
まかせる」という基本方針のもと、民間の創意工夫を最大限に発揮できるよう、行政
は有効な誘導策、支援策を講じます。
「まちなかリバイバル」に関する多様な活動に、ボランティアの方々が積極的に参
加できる施策に取り組みます。
2
主な取り組み
(1) 商工(商店街)行政の強化
商店街関係者と行政の緊密なコミュニケーションをはかり、商店街に関する相
談、企画提案、各種補助制度の活用などを担う行政担当を設ける。
(2)
「アクトハウス」(仮称)の展開
歴史的町並み地区内の住宅の修理・改築等において、その過程を含めて、歴史
的町並み維持・創出の教材、あるいはそれを学ぶ観光資源として、公開する事業
に取り組む。
24
(3)
「うちこ町並み保存支援隊」
(仮称)の組織化
歴史的町並み地区をはじめ中心市街地の住居や施設の修理、改造、維持管理等
を担う「うちこ町並み保存支援隊」(略称:町援隊)という民間組織を創設する。
構成メンバーは、建設、木工、建築や環境のデザイン、不動産鑑定や売買等々
の関係会社、関連分野の専門家など。町外専門家の支援も依頼するほか、左官や
瓦、建具、庭づくりなど職人の技の継承や育成もめざす。
(4)中心市街地景観まちづくりの推進
店舗の景観整備の促進奨励、緑化や修景(生け垣や板塀の奨励)、電飾系看板
の整理、 電柱・電線の景観対策、市街地周辺の道路景観等について、対象の現
状把握と課題分析、当事者や関係者との対話、先進事例の調査研究、具体的方策
を実施する。
25
2
1
いかざきワンダーランド・プロジェクト
基本方針
五十崎地区には、多様な地場産業、歴史や伝統文化に支えられた資源、豊かな自然
環境、そこで育まれた地域固有の伝統的な行事や食文化、それを伝承維持してきたコ
ミュニティの絆があります。
これらの有形無形の貴重な資源は、住民には見慣れたものでも、初めて出合う人
たちには、大いなる驚きと感動の対象です。訪れる人たちにとって、五十崎地区は
不思議の国であり、ワンダーランドであるといえます。
これらの資源を掘り起こし、丁寧に磨き上げ、人々に効果的に示し、保全し、改
良し、ネットワーク化し、利活用していく総合的なプロジェクトを推進します。プ
ロジェクトを進める過程で、新たな保全・活用策、新たな担い手を見出します。
このプロジェクトにおいては、「外国人を五十崎へ!」を追求し、歴史的町並みを
訪れる外国人観光客を、五十崎地区へ案内・誘導する取り組みを行います。
2
主な取り組み
(1)小田川リバーサイド・ふれあい事業
龍宮堰から豊秋橋を経て、あけぼの橋に至る小田川一帯は、いかざきワンダー
ランドの玄関口であり、さらには五十崎凧合戦の舞台、近自然工法の発祥の地で
ある。雄大で、心和む河川環境を多くの人たちが堪能できるように、川面を望む
河畔に、オープンテラスなどを設営し、住民や来訪者の憩いと交流の場をつくる。
(2)凧博サバイバル事業
「外国人を五十崎へ!」という方針に沿って、
「凧博物館」や凧合戦の国際化を
推進し、再活性化に取り組む。外国人向けの展示、国際的な凧の企画展、外国人
の参加する国際ミニ凧合戦などを通して、凧を手がかりとした国際交流を進める。
(3)五十崎伝統的建造物活用事業
栗田邸及び村上邸をはじめ、五十崎地区には傑出した文化財的建築があり、当
事者の理解、協力を得て保存や限定的な公開を検討する。
(4)
大洲和紙の国際ツーリズム支援事業
26
クールジャパンとして、外国人の興味を引く大洲和紙について、外国人の参加
による各種商品や体験プログラムの企画などを、内子の国際ツーリズム推進の一
環として支援する。
(4) 酒蔵ツーリズム支援事業
日本酒に対する関心や評価が世界的に高まっている現状を踏まえて、町内の2
つのメーカーと協働して、酒蔵公開、試飲、直売など、酒蔵ツーリズムを推進す
る。
(5)いかざきワンダーランド・マップ作成事業
五十崎地区に対する誇りや愛着を強め、「いかざきワンダーランド」の魅力を
町内外にアピールするために、「いかざきワンダーランド・マップ」(仮称)を作
成する。
(7)旧御祓小学校利活用事業
各種補助金等を活用しながら、地元内外の情報や知恵を引き出すワークショッ
プ、研修会などを開催して、その利活用策を検討する。
27
3 小田流ライフスタイル・プロジェクト
1
基本方針
小田地区は、その地勢、歴史、文化、産業、生活圏、地域コミュニティ、住民気質
など、さまざまな面において、旧内子地区や旧五十崎地区とは異なった独自の個性を
持っています。また、特有のさまざまな課題を抱えており、その解決のためには、内
子町全体の画一的な対応ではなく、その地域性に配慮した施策や事業を進めることが
適切な場合があります。
このような状況を踏まえ、小田地区の個性を大切にし、また地区の自治を尊重した
小田地区らしいまちづくりの推進をはかることによって、小田地区住民の新しい生活
や産業のあり方である「小田流ライフスタイル」を追求します。
2
主な取り組み
(1) 小田せんの森(小田深山保全活用)プロジェクト
前期計画期間から取り組まれている「せんの森プロジェクト」に引き続き取り組
む。特に、今期においては「小田深山荘」新築が大きな事業となる。
(2) 小田ブランドづくり
森や木のイメージが強い小田地区の地場産品は、小田ブランドとして売り出すほ
うがアピールできる。そのため、独自のシンボルマークやロゴ、キャラクターなど
を創出して、小田のアピールをはかるとともに、小田支所をはじめ公共的施設は、
建物や備品、小物なども率先して木製品を多用する。
(3) おだシンリナート(アートによる小田流まちづくり)
恵まれた自然環境や祭りで培われた住民の力を生かして、「おだシンリナート」
(森林+アート)と銘打ったアートフェスティバルを開催する。また、アーティス
トを招いて、廃校や公共施設をアート工房やアート展示場として活用するなかで、
小田地区らしい文化芸術を発信する。
(4) 廃校・空き教室の有効活用
参川小学校、田渡小学校跡地について、各種補助金等を活用しながら、地元内外
の情報や知恵を引き出すワークショップ、研修会などを開催して、その利活用策を
28
検討する。その中では、町内の他の廃校施設などとともに、全国公募による活用策
も検討する。
(5) 小田高校の存続
特色ある高校にするために地元や職員などから出された多くの提案を踏まえつ
つ、愛媛県(教育委員会)に対する小田高校の存続を働きかける。
(6) 公共施設の利活用
文化交流センタースバル、城の台公園(体育館、テニスコート、多目的広場、
子どもの広場,交友館)の公共施設は、中長期的な公共施設削減計画を検討する
中で適切に位置づけ、その存続をはかる。
(7)小田流うちこんかい
人口減少の著しい小田地区は、その地域特性を踏まえて、独自の「小田流うち
こんかい」
(人材や企業を誘致する施策)を推進する。小田地区への来訪者の顧客
情報管理を進め、イベント、特産品などを PR しながら、「第2のふるさと小田」
をアピールし、小田ファンを増やす。
空き家の実態や所有者の意向などを詳細に調査し、空き家と田畑、休耕地など
を一体(空き家パッケージ)として利用者を募集する。
29
もりぎょう
4 うちこ森業プロジェクト
1
基本方針
内子町は、町域の 77%を森林が占める「森の町」であり、また「林業の町」です。
木材や林産物の生産という従来の林業の枠組を広げて、水源涵養機能や二酸化炭
素吸収による地球温暖化防止機能などの環境保全、木質バイオマスなどの再生可能
エネルギー、森林浴やハイキングなどのレクリエーション、さらにはシンリナート
(森林+アート)などの文化芸術までを含む、持続的な森づくりを担う産業として
もり
とらえます。内子町ではこれを「森業」と呼びます。
もり
内子町は、
「森業」という視点に立って、新しい試みに挑戦します。また、全国的
に担い手の高齢化、後継者の減少などにより、将来への不安が広がっている状況を
もり
もり
踏まえ、内子町は未来を切り開く産業としての森業のビジョンを掲げて、
「森業版う
ちこんかい」プロジェクトを展開して、優れた人材を誘致、育成、支援します。
2
主な取り組み
もり
(1) 森業版うちこんかい
もり
全町的に取り組んでいる「うちこんかいプロジェクト」の森業版として、林業の
担い手の誘致、育成に取り組む。
もり
「森業」という新しいコンセプトを掲げ、森林の持つ可能性や将来性を踏まえた
将来ビジョンを示し、森づくりという仕事の意義や魅力、最先端性を訴え、持続可
能な森づくりの仕事がいかに「やりがい」のある仕事であるかを説得しながら、意
欲ある担い手を招き入れる。
もり
(2) 6次産業としての森業
徹底したマーケティングと販売戦略のもと、生産から加工、販売まで一貫して
もり
取り組む、いわゆる「6次産業」としての「森業」をめざす。その過程では、各種
の情報処理システムや情報通信機器を適切に導入し、産業の高度情報化を推進する。
(3) CLT を含む木材利用の研究
30
従来型の銘木生産に加えて、高層ビル建材の強度を備えた CLT 大判パネルをは
じめ、新たな木材利用における新技術の情報を収集し、町産材利用促進を検討する。
木材生産の過程で生じるおがくず等は熱エネルギー資源としての利用をはかる。
(4) 森の町うちこのアピール
「エコロジータウンうちこ」を掲げる内子町が、豊かな森の町であることを、さ
まざまな機会にアピールし、町内の住宅、公共施設等の建設や改修においては、地
元産木材を用いた木造や木材多用型を追求する。
(5)うちこ森の学校
小田深山をはじめ、町内の森林環境を利用した、自然教室、野外活動などの多
彩なプログラムを開発・実践する。森林を利用した多様な教育活動プログラムを総
称して、
「うちこ森の学校」
(仮称)と名付け、広く町外にアピールし、参加者を募
る。
(6)
森業関連組織の改革支援
内子町は、森業という新しい仕事を担う組織としての森林組合の今後の役割を
念頭において、その改革を積極的に支援する。
31
5 安全・安心まちづくりプロジェクト
1
基本方針
内子町は、災害の少ない町といわれていますが、近年は、集中豪雨などが全国的に
頻発しており、大雨洪水、土砂災害などの可能性が高まっています。また、内子町は、
伊方原発から 30km圏にあり、原発事故に対する不安も抱えています。
災害発生時には、道路が通行不能になり、停電によってテレビやラジオ、あるは電
話など各種の情報伝達手段が機能しなくなる事態を想定する必要があります。
防災対策に完全はなく、費用対効果を考えながら、最適な対策を講じることが重要
です。内子町は、情報伝達手段を複数用意するなど、内子町の状況に適した防災体制
を整備します。
また、公共施設の耐用年数や経年劣化、耐震基準での対応なども安全・安心まちづ
くりの大きな課題となっています。橋、道路、上下水道、ダムなどの構築物は年を経
るに従ってその強度は低下するので、第2期においては、町内の各種基盤施設につい
て、計画的な実態調査を行い、長寿命化などの対応策に取り組みます。
防災や減災は、行政の対応だけでは不十分であり、住民による「自分たちの安全は、
自分たちの手で守る」という自主防災の意識と体制を強化します。
2
主な取り組み
(1)全町緊急避難計画の作成
全町(一部隣接地域を含む)を対象として、避難所・避難路に関する計画をつ
くり、 誰にもわかりやすい「内子町避難所・避難路マップ」
(仮称)を作成する。
特定の公共施設や協力できる民間施設などを災害時に避難所として機能できる
措置を講じる。
(2)自主防災組織の強化
効果的な訓練、組織相互の連携、リーダーの養成などにより、自主防災組織の強
化をはかる。
(3)原発事故防災計画の作成
原発事故に対する防災は、30km 圏内だけでなく、内子町域全体で避難路、避難
場所の確認を含めた防災計画をつくる。
32
また、近隣自治体と連携して、原発事業者への安全対策の徹底を要求するととも
に、エコロジータウンとしての原発への対応を検討する。
(4)公共施設長寿命化計画
町内の主要な基盤施設について、その劣化状況の実態調査に基づき、計画的な
長寿命化対策を講じる。
(5)土砂災害対策
土砂災害の危険度の高い地区においては、地域住民と情報を共有し、災害時の
自主的な避難体制、意識啓発をはかる。
(6)防災無線デジタル化
現在のアナログ方式の防災無線システムをデジタル方式に移行する。ただし、巨
額な費用を必要とすることから、入念な事前調査を行うとともに、計画的かつ効率
的な移行を追求する。
33
6 美しい内子プロジェクト
1
基本方針
内子町では、美しい郷土を前の世代から受け継ぎ、次の世代に遺していくことは、
町民の大きな責任であると考えています。めざすべき将来像として、前期計画に引き
続き、「町並み、村並み、山並みが美しい」を掲げています。
行政が計画的に景観整備の政策を進めるとともに、町民自身が景観に対する意識を
高め、持続することによって、景観づくりが進展します。そのため、内子町では、景
観行政とともに、「景観まちづくり」という表現も用いています。
農村部が圧倒的に大きな面積を占めている内子町では、市街地の景観(町並み)だ
けでなく、農村や農業の景観(村並み)、さらには河川や森林などの自然景観(山並
み)も重要になります。
手つかずの自然が美しいのはもちろんですが、丹精込めた棚田や手入れの行き届い
た山林もまた、多くの人が美しいと感じます。人々の営みが生み出す景観が人を感動
させます。
前期計画においては「景観まちづくりプロジェクト」として推進してきましたが、
第2期は「美しい内子プロジェクト」として、引き続き推進します。
2
主な取り組み
(1) 行政職員の景観意識の向上
景観行政の所管課(総務課)を中心に、行政職員の景観に対する意識の向上や具
体的な対策の蓄積を促進するとともに、各事業課は景観に対する意識を高め、景観
に配慮した施策に務める。
(2) 住民の景観まちづくり支援
住民参加による景観をめぐるケーススタディ、町民に対する啓発活動、景観づ
くり活動への支援や助言を行う。活動団体や個人、企業などによる景観まちづくり
活動を支援・促進するために、顕彰やコンクール、撮影会、人気投票など、さまざ
まな仕組みを工夫する。
(3) まちの玄関口の整備
内子駅の駅前空間、高速道路や国道から町へ入る箇所、五十崎地区や小田地区
34
へ入る空間、商店街の入り口、特定の地区や集客施設に至るアプローチ空間は、
景観上も重要なスポットであり、現状調査をもとに、適切な空間整備や改良を行
なう。
沿道空間、道路から展望する景色、街路樹のある空間などについても、適切な
整備を行う。
(4) 屋外広告や看板等の改善
看板や屋外広告等は、映像シミュレーションなどを利用して、改善案を検討し、
できるだけ当事者との話し合いで改善する。
35
7 着地型観光プロジェクト
1
基本方針
内子町は、旅行会社などから送り込まれる観光客を受け入れる「発地型観光」から、
地元主導で観光プログラムを組み立てる「着地型観光」へ軸足を移して、観光産業の
基盤強化をはかります。
また、内子観光の振興策として、外国人観光客の受け入れ体制を強化します。来訪
している外国人観光客の行動や要望等を把握する仕組みを定着させ、その結果を今後
の対策に生かします。情報媒体、案内、各種掲示等に多言語表示を導入します。各方
面の関係機関に積極的に働きかけて、外国人観光客の積極的な誘致を働きかけます。
観光は複合的な産業です。行政は、まちづくりの総合的な視点から、環境や基盤施
設の整備に務めるとともに、各分野、各要素、各担い手の連携・調整をはかります。
観光の主要な担い手は、民間です。民間でできることは、可能な限り民間にゆだね、
民間の活力や創意工夫を引き出しながら、行政が適切に支援します。
2
主な取り組み
(1)
観光戦略の立案
着地型観光を着実に推進していくため、行政は、観光に携わる民間事業者が持っ
ている現場ならではの情報をもとに、国内外の事例などにも絶えず目配りをしなが
ら、内子町の総合的な観光戦略を立案し、その実施に努める。
(2)
顧客(観光客)情報管理システムの構築
行政は、観光協会など観光の担い手団体と協働して、着地型観光にとって不可欠
な、顧客(観光客)管理システムを構築する。携帯端末のデータを活用するととも
に、面談、アンケートなど、さまざまな手段を用いて、観光客の観光行動、特性、
意向、満足度などを把握・分析し、活用する。
(3)
観光協会の強化
内子町観光協会は、着地型観光の中核的な地元組織であり、法人化によって、着
地型観光を推進する事業体へと体制を強化する。
(4)
2次交通の整備
36
町内移動交通(2次交通)の整備を進める。行政は、町内交通の全体計画を立て、
基盤整備等を進めるとともに、民間の創意工夫や経営力を生かす交通事業を支援す
る。
(5) 内子観光の国際化
情報媒体、案内、各種掲示等に多言語表示を導入するとともに、宿泊施設、物
販サービス、交通など観光に関わる人たちに対して、外国人への対応の仕方につい
て、具体的で役立つ情報提供や啓発活動を行う。
(6) 体験型観光プログラム開発
森林、休耕地などを利用した自然系の体験、手作り和紙など特色あるものづく
り系、凧づくりや凧揚げの体験をはじめ、町内の資源と人材を活かす多様なプログ
ラムを開発する。
また、食事や買い物など、一般的な観光行動においても、内子らしい印象深い参
加型プログラムを作成する。
(7)
うちこ食のまちづくり(うちこ食人プロジェクト)の推進
地元生産者と地元料理人をネットワークさせる事業に取り組む。また、料理人に
対する講習、一般住民向け料理教室等、内子らしい食文化の啓発と人材育成策を推
進する。
(8)
ぐるっと内子サイクリング・コース
内子町全体の「ぐるっと内子サイクリング・コース」
(仮称)を設定し、サイク
リングで楽しめる内子町をめざす。
国内外のサイクリストたちの高い評価を受ける「サイクリングのまち内子」をめ
ざして、環境整備、施設整備をはかるとともに、効果的な PR を実施する。
(9) 安全・安心の観光地うちこ
観光客が災害時にも安全な内子町、また車いす利用者などが安心して動き回れ
るバリアフリーの内子町をめざす。
観光客の避難所、避難誘導路、あるいはバリアフリーの観光施設の整備など、内
子は安心・安全な観光地であることをめざし、それを広くアピールする。
37
8 子育て支援プロジェクト
1
基本方針
人口減少を食い止めることがまちづくりの最重要課題となっています。そのため
には、子育て世代の住民の流出を防ぎ、むしろ子育て世代の人々を内子町へ呼び込
むための施策の充実を行うことが喫緊の課題です。
「子育てするなら、この町で!」といわれるような内子町をめざして、子育てを
支援するさまざまな事業に取り組みます。
子どもが生まれてからでなく、若者たちが出会い結婚へと進んでいくための支援
策に着手するほか、出産期、乳幼児期、就学前期、就学時期など、子育てのそれぞ
れのライフステージ(段階)を総合的に見渡して、地域の実情にあった切れ目のな
い子育て支援策を推進します。
2
主な取り組み
(1)うちこ恋活プランニング
うちこんかい(内子町への移住、定住促進)の一環として、内子町の環境や資源
を活用した、内子らしい街コン、自然を生かした「森コン」など、特色ある婚活プ
ログラムの企画・実施を支援する。
(2)スバル子育てクラブ(学童保育)事業
「小田地区・放課後子ども教室準備会」を開きながら、子育ては各家庭だけでな
く、地域全体で子育てをするという意識を醸成するなかで、学童保育活動を担う「小
田学童保育・にこにこクラブ」をスバルでスタートさせる。
(3) 学童保育強化事業
現在の学童保育事業(内子、五十崎、立川、小田)を利用者の立場から見直し、
その強化拡大をはかる。
対象年齢を拡大し、小学校高学年生も受け入れるとともに、受け入れ時間の延長
(8〜19時)
、土曜や振替休日の実施などを検討する。
(4) 子育てコンシェルジュ事業
子育て支援センターの認知度、利用度、利用者の満足度を高めるために、仮称「子
38
育てコンシェルジュ」(子育て支援に関する総合アドバイザー)を創設する。
子育てに関する縦割りの制度や行政サービスを横につなぐ、利用者の要望と制度
やサービスをつなぐ(ソーシャルワーカー)、子育て支援に関する知識や情報の提
供や助言などが主な役割となる。
39
9 情報化推進プロジェクト
1
基本方針
情報化推進プロジェクトは、すべての自治体が必ず取り組まなければならない事
業ですが、同時に、情報通信技術の進展とそれを活用した各種サービスや機器の出
現、それに基づく国等の施策や補助制度など、今後の動向が大きく変わる可能性が
ある分野であり、状況の変化に絶えず目を凝らしている必要があります。
内子町の情報化推進がめざすのは、情報通信技術を利活用して、町民や企業に対
して、今よりも優れた行政サービスを提供することです。
内容としては、
「地域の情報化」と「行政の情報化」という2つの側面があります
が、現在直面している課題に対する具体的な解決策に取り組むことから始めます。
「地域の情報化」の主要な課題は、現時点ではインターネット回線として最も優
れている光ケーブルを町内全域に整備することです。しかし、多額の費用がかかる
ため、内子町の中心部のみに整備されているのが現状です。その他の地域は、コス
トや日々進歩する情報通信技術を見極めながら何が最適かを検討していきます。
「行政の情報化」としては、産業、環境、観光、福祉・医療、教育・文化、防災、
建設・公共施設、行政業務など、行政のほぼ全分野において具体的な課題が指摘さ
れています。
それぞれの分野では、すでに先進的に取り組んでいる自治体もあり、これらを参
考としつつ、各部署において、積極的に解決策に取り組みます。
2
主な取り組み
(1) 情報化基盤整備事業
町内に光ファイバーケーブルをはじめ、どのような整備内容が一番ふさわしい
かを検討し、高速ブロードバンドを利用できる環境を整えることで住民生活の利
便性向上をめざします。インターネット環境を整備することで、企業誘致や移住
の促進、観光客の増大につなげる。
(2) ICT を利活用した新たな住民サービスの提供
ICT(情報通信技術)を活用し、子育て支援連携、見守り等要援護者・高齢者
支援、公共施設の維持管理、廃棄物管理、基盤施設・公共施設等の長寿命化など、
住民生活のさまざまな面でのサービスの向上をめざす。
40
10 地域エネルギー・プロジェクト
1
基本方針
内子町は、地域の自立度を高める努力の一環として、地域エネルギーの開発と利
用に取り組みます。地域エネルギーの開発、利用、普及・定着には、長い期間がか
かります。内子町は、第2期10年間をかけて、長期的に取り組みます。
地域エネルギーは地域の特性を生かすものであり、内子町では、木質バイオマス
事業、小規模水力発電事業、太陽光発電事業などが有望と思われますが、どのよう
なエネルギーが適しているか、先進事例を参考にしながら、試行し、慎重に判断し
ていく必要があります。
小規模水力(一般に1万 KW 程度)の中でも、マイクロ水力といわれる 200KW 未
満の水車型の発電は、規模は小さいですが、人々の関心を喚起し、コミュニティの
力を引き出すという意味で、エネルギー生産量よりも、複合的な成果が期待できる
ものといえます。
また、災害時の非常電源としての地域エネルギーの役割を考慮して、公共施設や
避難施設における自前の小規模発電設備の設置を検討します。
2
主な取り組み
(1)木質バイオマス事業
木質ペレットの利用拡大をはかるとともに、夏場の利用策を検討する。廃油利
用のボイラーや車両の拡大をはかるとともに、普及啓発活動を推進する。
(2)小規模水力発電事業
小規模発電(マイクロ水力を含む)にモデル地区で先行的に取り組む。先行事例
をもとに普及啓発をはかる。
(3)太陽光発電事業
公共施設や避難所などに太陽光発電をモデル的に設置し、災害時の補助電源と
して活用する。また、町民共同出資型の発電事業を検討する。
41
Ⅱ
私たちの課の仕事
課等名
個別事業
プロジェクト
10
1_議会事務局
1 具体的事務事業
2_総務課
1 効率的な行政運営(行革)
2 経営感覚のある財政運営
3 安全安心のまちづくり
○
4 情報(政策)基盤の強化
○
5 公共交通空白地域の解消及び貨物輸送
6 うちこんかい事業の推進
7 外部人材等との連携によるまちづくりの推進
8 景観行政 -美しい内子に向けた取り組み-
○
9 ふるさと納税の積極的なPR
3_町並・地域振興 1 着地型観光の推進
○
課
2 観光協会の自立に向けた活動支援
○
3 内子ねき歩き(まち歩き)事業推進
4 内子町ビジターセンター活用事業
5 五十崎凧博物館の有効活用
○
6 グリーンツーリズムの振興
7 町並み保存
○
8 内子座の活用
9 商工業の活動支援(商工行政の強化)
4_会計課
1 具体的事務事業
5_住民課
1 受付・証明発行・旅券・国民年金・住民異動・戸籍事務事業
○
2 人権対策業務
3 国民年金業務・後期高齢者医療保険業務
4 消費者行政事業
5 行政手続き等サービス向上
6_税務課
1 収納率の向上
2 町債権管理対策
7_保健福祉課
1 児童福祉行政の推進
○
42
2 高齢者福祉事業の推進
3 障がい福祉
4 介護保険事業
5 健康増進事業
○
6 地域医療体制の確立
8_産業振興課
1 農業・農村の有する多面的機能の維持・発揮
2 新規作物への転換
3 担い手の育成と確保
4 担い手への農地集積・経営基盤整備の支援
5 からりの発展・支援
6 攻めの農業を展開するための基盤整備の実施
7 森林整備事業
○
8 木材活用による森業の振興
○
9 鳥獣害対策
10 創業・起業の支援
11 内子産品の販路開拓
9_農業委員会
1 農地台帳システムの活用・農地利用状況調査の実施
10_建設デザイン 1-1 防災対策事業の推進(木造住宅耐震改修事業)
○
課
1-2 防災対策事業の推進(土砂災害防止対策)
○
2 地域再生に寄与する道路整備事業
○
3 道路構造物の適確な維持管理の推進
○
4-1 農業生産基盤の整備
○
4-2 林業施設の整備
○
5 公営住宅管理
○
6 用地・管理、入札・契約事務
7 都市公園の施設遊具等整備事業
○
8 内子都市計画区域マスタープラン作成
9 小田川シバーサイド・ふれあい事業
○
10 地域とともに、信頼を未来につなぐ水道事業
11 公共下水道施設の設備更新
○
12 下水道及び合併処理浄化槽の普及率向上
11_環境政策室
1 再生可能エネルギーの導入事業
43
○
2 バイオマスの利活用事業
○
3 ごみゼロのまちづくり事業
4 環境自治体としてのレベルアップ事業
12_学校教育課
1 ふるさと教育の推進
2 特色のある学校づくり
3 環境教育の推進
4 国際人教育の推進
5 給食事業
13_自治・学習課
1 社会教育の推進 ―新内子町誌編纂事業―
2 国際交流の推進
―(公財)国際交流協会の機能強化-
3 図書情報館事業
-木の香りの中で『出会いとつながり』を!-
4 社会体育の推進 -内子運動公園改修事業―
5 社会体育の推進 -えひめ国体の開催―
6 コミュニティの再構築 -自治力強化-
7 内子自治センター ー持続発展可能な地域づくりの推進ー
8 内子東自治センター ー活力あふれる地域づくりを核に、住民自治を推進
ー
9 大瀬自治センター ー活気と潤いあふれる地域づくりを目指して
ー
10 五十崎自治センター ー住民が集う自治センターを目指してー
○
11 小田自治センター
―スバル及び城の台講演の利活用事業―
○
12 小田自治センター
― 自治会活動と地域活性化(廃校活用を含む)
○
―
14_小田支所
1 支所機能の充実
○
2 小田地区魅力拡大事業
○
3 せんの森プロジェクト事業
○
44
議会事務局は、こんな仕事をします
―前期計画に対する議会事務局の方針―
地方自治の基本的なしくみは、国の議院内閣制の仕組みと異な
り、議会と長が、ともに住民の直接選挙によって選ばれる二元代
表制が採られています。議会と執行機関の権限は明確に区分され、
相互のけん制作用による調和の上に、民主的で公正な行政運営の
実現が期待されています。
議会の使命が、住民の代表として「具体的な政策の最終決定」
と「行財政運営の批判と監視」であることを踏まえ、議会事務局
としての仕事は、議員の職務を補助する組織として、議員ととも
に議会の役割を果たすことにあります。
以上のことから、次の目標を定め、議員活動を補佐します。
1. 受動的な批判機関でなく積極的、能動的な政策立案等の活動
を行います。
2. 常に民主的で効率的な、そして公正な行政が行われるよう行
政執行を監視します。
45
議会事務局
1 具体的事務事業
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
「批判と監視」という議会の使命を果たすため、議員活動、議会活動を活発化させ、
常に議会情報の公開を行い、住民の付託に応える議員活動ができるよう補佐をします。
●計画事業
1.討議の活発化
・一般質問における一問一答の政策討議を充実させるため、議員学習の場を提供
します。
2.委員会活動の活性化
・本会議での審査から、すべての議案を常任委員会で審査を行うことにより、議
員責任を明確にし、チェック機能を向上させます。
・政策立案特別委員会(仮称)を設置し、町に対し政策を提案できる体制ができ
るよう補佐します。
3.議会情報の公開
・議員による広報「うちこ議会だより」
、さらにホームページを充実させ、住民に
わかりやすい情報提供を行います。
・議会と各種団体との意見交換会、住民への議会報告会を行います。
4.若者の議員への立候補対策
・こども議会、青年議会、女性議会を行い、議会への関心を高めます。
また、議員定数、議員報酬についても研究します。
●数値目標
1. 一般質問者は毎回 6 人以上、最終目標は全議員が質問を行います。
2. 年 1 個以上の政策提言を行います。
3. 年 1 回以上、住民との意見交換会を実施します。
【現状と課題】
平成 25 年 5 月からの現議会においては、議会改革特別委員会を設置し、組織改革、
委員会活動、情報公開等、遅れていた議会改革に取組んできました。議員の意識改革
も進んできたと思われます。
今後は、議員の政策提言能力が引き出されるよう、事務局として具体的に取り組ん
でいく必要があります。総合計画の進捗状況等についても、チェックできる体制づく
りが大切であり、しっかりと委員会での調査権限を活かせるよう補佐していくことが
課題です。
46
総務課は、こんな仕事をします
―前期計画に対する総務課の方針―
総務課は、総合計画に掲げるまちづくり戦略等に基づき、町政
全般の業務の円滑な推進と調整をはかります。特に力を入れる業
務は下記のとおりです。
1.職員の人材育成、能力開発を行うため各種研修への参加や自
主的な研修に取り組みます。また、組織の横断的連携によっ
て行政としての総合力を高め、行政サービスの維持向上に努
めます。
2.公営施設の運営において、効率的、効果的なサービス提供を
行うため、指定管理者制度の運用をはかるとともに、可能な
限り民間でできる業務は民間に任せることを検討します。
3.町営バスのデマンド化を拡大するとともに、公共交通空白地
域の解消をはかります。
4.内子町の安全・安心のまちづくりの中核として、消防、防災、
電算、情報基盤整備、交通安全対策などに取り組みます。防
災行政無線は、従来のアナログ方式からデジタル方式に切り
換えて整備します。
5.情報通信の手段として「光ファイバーケーブル」を含め、何
が最速で効果的か検討し、最善の情報基盤整備を行います。
6.近い将来起こると想定されている南海トラフ巨大地震をはじ
47
め、原発事故、集中豪雨、台風、土砂災害など様々な災害に
備えて、町民の自助・共助の精神を醸成しつつ、消防団、自
主防災組織や防災士の養成に力を入れ、ハード面、ソフト面
の充実、整備を進めます。
7.住民・企業の利便性の向上と新たなニーズに対応するため、
ICT(情報通信技術)を活用したまちづくりを進めます。
8.内子の自然的並びに社会的特性を踏まえた内子らしい景観に
配慮したまちづくりを推進します。
9.人口減少が進む中、県内外から内子町に住みたいという人材
を受け入れ、地域の担い手の確保と地域活性化をはかるため、
「うちこんかい事業」を推進します。
48
総務課
1 効率的な行政運営(行革)
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
行政施策の確実な執行のため、スキルアップの研修を実施するとともに、各課で掲
げる目標達成のため目標管理型行政運営を推進します。また、施設の維持については、
効率的、効果的な利用を促進する管理方法を検討します。
●計画事業
1 職員研修制度等の充実
(1)小グループ研修
・職場内や職場を越えた小グループを
小グループ研修(実績)
編成し、的確なテーマに沿って現地
H25 年 4 グループ
25 名
405 千円
調査を含む研究活動を行い、政策と
H26 年 4 グループ
24 名
496 千円
して実現できる成果をめざします。
(2)多様な研修の実施
・階層別研修に加え、
「接遇」
「人権」
「綱紀粛正」
「安全運転」
「労働安全衛生」など
のテーマ別研修を、組み合わせとローテーションを行いながら実施します。
2 目標管理型行政運営の推進
(1)課単位の数値目標の設定
・課単位の目標を設定し、目標達成に向けて個人及び組織としての業務能力の全体的
な向上をはかります。
3 男女共同参画社会の推進事業
(1)ともにつくる豊かな地域づくり
・各種委員会等、女性の政策・方針決定の場等への参画を推進するとともに、子育て
環境の整備を行い、男女がともに参加できる地域づくりに努めます。
4 指定管理者制度等の利用
(1)町有施設の有効活用
・町が設置した「公の施設」の設置目的を効果的、効率的に達成するため、指定管
理者制度等を活用した管理手法を検討します。
【現状と課題】
職員の資質向上のため、各種業務に必要な研修を実施するとともに、年齢、採用年数、
各階層別に、県研修所や町村会主催の研修に計画的に参加させ、人材を育成します。また、
行政施策の確実な執行のため、課(室)
・班、センターごとの目標を設定し、全員で目標
達成に取り組むことが課題です。
施設の管理においては、効果的なサービスが提供され、設置目的を最大限に達成できる
よう、従来の管理方法を見直すことが課題です。
49
総務課
2 経営感覚のある財政運営
【前期計画】
(平成 27 年度~31 年度)
●基本方針
今後の新地方公会計に関する基本的な方向として、地方公会計の整備の標準的な
考え方・方法を示す基準の設置、固定資産台帳の整備、複式簿記の導入が必要不可
欠とされています。そのため平成 29 年度までの 3 年間で統一的な基準による財務
書類等を作成します。
また、町が保有する公共施設及びインフラ施設の多くは、高度経済成長期を中心
に整備されてきたため、老朽化が進んでおり、今後、一斉に補修や更新の時期を迎
えるので、その対策が大きな課題となっています。そのため、公共施設等総合管理
計画を作成し、施設の状況を的確に把握しながら、適切な維持管理、補修及び更新
を計画的に実施することで施設の長寿命化、維持管理費用の抑制及び予算の平準化
をはかります。
●計画事業
・土地等データのシステム移行並びに修正
・固定資産台帳の整備・複式簿記の導入、統一基準による財務諸表の作成
・公共施設等総合管理計画の作成
【現状と課題】
人口減少社会の到来で、社会情勢が大きく変化したことを背景に、町政に必要とさ
れる規模・量は今後縮小すると予想されます。
そのため、公共施設については、効率的な維持管理と利活用、未利用財産の売却を
はかる必要があります。また、インフラ施設については、安全で安心な社会資本を提
供するため、施設の計画的かつ効率的な維持管理・補修を継続的に実施していく必要
があります。
公共施設等総合管理計画を作成する前段として「固定資産台帳」の整備を進め、施
設の状況を的確に把握しながら、適切な維持管理、補修及び更新を計画的に実施する
ことで、施設の長寿命化、維持管理費用の抑制に努めることが必要です。
50
総務課
3 安全安心のまちづくり ★
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
近い将来発生の恐れのある南海トラフ巨大地震をはじめ、風水害、土砂災害、原子
力災害、火事、交通災害等に対して、災害拠点施設の整備などの防災対策、消防車両
や消防詰所の 整備などの消防対策等を年次計画により整備します。
また、安全・安心のまちづくりのため、防災行政無線のデジタル化を進めます。
●計画事業
1 本庁舎の改修
・災害時における防災対策の拠点施設となる本庁舎が耐震基準を満たしていないた
め、年次計画により補強工事を行います。
2 内子町防災訓練の実施
・大規模災害を想定し、防災関連機関と合同で実施します。
3 自主防災組織の訓練、防災士養成の推進
・消防署・消防団と連携し、自主防災組織単位で訓練を実施します。
・地域によっては、複数の自主防災組織が連携して、訓練を実施します。
4 防災関連資器材・備蓄品の整備
・避難所などの防災施設、防災関連資器材の整備を進めます。
5 防災マップの作成・配布
・指定緊急避難場所、指定避難所などを明示した41自治会ごとの、住民にわかりや
すい防災マップを作成し、配布します。
6 消防団への加入促進
・処遇改善、消防団協力事業所表示制度の活用等により、消防団が今まで以上に活動
しやすい環境を整えます。
7 消防車両・消防詰所の整備
・消防車両については、製造から25年を超える車両が多くあり、計画的に新車整備
を行い、消防活動にとって重要となる機動力の確保に努めます。また、一部地域の
消防詰所は災害時の待機場所として十分な機能を備えていないため、計画的に整備
します。
51
8 原子力災害住民避難計画の見直し策定
・伊方原発の万が一の事故を想定し、実効性のある住民避難計画を見直し、策定しま
す。
9 防災無線デジタル化の推進
・防災行政無線のアナログ方式からデジタル化方式への移行を推進し、非常災害時
における災害情報の収集・伝達などの通信手段の多様化を進めます。
●数値目標
年度
H27 年
H28年
H29年
H30年
H31年
消防・耐震化工事
内子本庁耐震補強・老朽改修工
事・消防車両2
原子力災害住民避難計画の見直し
消防車両2、詰所1
消防車両2、
消防車両2、詰所1
消防車両2
防災無線デジタル化
実施設計
23,814 千円
整備工事
整備工事
運用開始
800,000 千円
500,000 千円
【現状と課題】
災害対策拠点施設の整備については、国における公共建築物の耐震改修事業の補助金の
動向を注視し、計画的に事業を行います。また、防災事業の諸課題として、原発事故への
対応を含む「住民避難計画」の見直し、自主防災組織や防災士のネットワークづくり、自
主防災組織のリーダーの養成などがあります。
消防の課題としては、消防団員の安定的確保や消防資器材、消防詰所の計画的整備など
があります。
防災行政無線については、アナログ方式で整備後10年以上経過しており、老朽化が危
惧されており、デジタル方式へのスムーズな移行と新システムの早期運用が課題です。
52
総務課
4 情報(政策)基盤の強化 ★
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
内子町の今後の情報基盤整備として、従来の光ファイバーケーブルをはじめ、何が
一番ふさわしいかを検討し、高速ブロードバンドを利用できる情報環境を整備します。
また、良好なインターネット環境を整備することで、企業誘致や移住の促進につなげ
るとともに、情報通信技術(ICT)を積極的に利活用し、住民や企業の利便性の向上
をはかります。また、マイナンバー(社会保障・税番号制度)に対応した電算システム
を構築します。
●計画事業
1 最適な情報基盤整備の推進
・最適な情報基盤整備は何かを、有識者や専門家と協議し、内子町情報基盤整備構
想を策定し、その構想に基づいて情報基盤整備を推進します。
2 ICTによる行政サービスの推進
・外国人観光客等のニーズ対応や災害時のインターネット回線確保のための公衆無
線LANのエリアを拡大します。
・行政情報のオープンデータ化を進めます。
・観光、環境、子育て支援、要配慮者支援、防災対策、公共施設の維持管理等業で
の活用を進めます。
・行政文書のデータ保存を検討します。
・申請・確認等、行政手続きにおける活用を検討します。
3 マイナンバー(社会保障・税番号制度)に対応した電算システムの推進
・マイナンバー導入に対応し、行政サービスの質と効率の向上をはかります。
4 適正な電算システムの運用
・電算システムのトラブル防止と維持費用の縮減に取り組み、行政システムの安定
稼働に努めます。
53
●数値目標
H27 年度
H28 年度
H29 年度
H30 年度
H31 年度
・情報基盤整備基本構想策定
・観光業務、要配慮者支援業務のための専用システムの構築(ICT の活用)
・電算:120,571 千円
・情報基盤整備実施設計策定
・情報基盤整備敷設工事着工
・電算:個人番号(マイナンバー)の利用開始
・情報基盤整備敷設工事
・電算:個人番号の自治体間の情報連携開始
・情報基盤整備敷設工事完了
・情報基盤サービス開始
【現状と課題】
内子町は、合併以降、住民基本台帳や税務などの基幹業務システムやグループウェアな
どの内部システムの統合化や運用改善により、職員の負担軽減と庁内事務の効率的な運用
に取り組んできました。また、電子決済を導入し、エコロジータウンとして積極的なペー
パーレス化の取り組みも行っています。
電算機器に関しては、平成 28 年度頃には、機器の更改を行う必要があるため、最小の
経費で最大の効果が上げられる最適なシステムを十分に検討したうえで、整備する必要が
あります。
また、電算業務に係る社会保障・税番号制度(マイナンバー)では、個人番号の利活用
により、行政サービスが向上しますが、同時に、個人情報の管理にこれまで以上の配慮が
必要になります。
情報通信基盤として、現在、光ファイバーケーブルが内子地区と五十崎地区の一部地域
にのみ整備されており、山間部には整備されていない状況です。今後は内子町の情報基盤
整備として、適切なシステムは何なのかを十分に検討し、その検討結果に基づき、敷設の
範囲やサービス内容を通信事業者と協議し、費用対効果を考慮して整備を進める必要があ
ります。
今後を展望すると、パソコンやスマートフォンの普及、ICTに支えられる家電や車な
ど、日々新たな技術や製品が登場し、人々の暮らし方や企業、行政などの仕事の仕方がさ
らに大きく変化していくと予想されます。そこで、内子町においても、より一層のICT
化を推進する必要がありますが、そのためには、外部専門機関との連携、職員の人材育成
が大きな課題となります。
54
総務課
5 公共交通空白地域の解消及び貨物輸送
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
住民のニーズに即したバス運行をめざすとともに、町内の公共交通空白地域の解消
をはかり、住民福祉の増進に努めます。
●計画事業
1 デマンドバス運行エリアの拡大
・将来を見据えた持続可能な町営バス事業を展開するため、幹線(小田線)を除き、
デマンドバス(予約制:民間委託)の運行エリアを拡大します。
2 公共交通空白地域の解消
・デマンドバス運行エリアの拡大や小集落地区を対象とした福祉バスの普及をはか
り、公共交通空白地域を解消します。
3 町営バス事業の安定経営
・利用者の減少、上限運賃の減額導入等により運賃収入は近年減少傾向にあります。
限られた財源で効率的な運行ができるよう、より一層の運行経費の縮減に努めま
す。
4 農産物等の運搬
・中山間地から道の駅などへ、町営バス等を利用した農産物・加工物の輸送方式を調
査し、実施策を検討します。
●主な事業予定(目標)
・平成 27 年度・・・・全町運行となるデマンドバスの利用状況を検証し、路線再編等の
運行方式の改善
【現状と課題】
年々減少する町営バスの利用状況を踏まえ、従来のスクールバス兼用運行による定時定
路線方式から、住民利用に重点を置いた民間タクシー事業者によるデマンド(予約制)運
行方式へ転換を進めています。平成 22 年 11 月からは小田地区大平線、南山線、平成
24 年 8 月には小田地区全域に拡大し、路線定期バス5路線をデマンドバス 7 路線に再
編。平成 26年 2 月には、五十崎地区にて路線定期バス2路線をデマンドバス4路線に
再編し、小田地区・五十崎地区においてデマンドバス 11 路線運行により路線定期バスで
は運行できなかった公共交通空白地域の運行を可能とし、現在のバスニーズに即した運行
をしています。
今後は、内子地区の中山間地においても現状のバス利用者に即したデマンド運行方式を
展開するとともに、町営バスによる貨物輸送を実現して中山間部の高齢者等の「生きがい」
づくりの一端を担うことが課題です。
55
総務課
6 うちこんかい事業の推進
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
人口減少が進む中、県内外から内子町に住みたいという人材を受け入れ、地域の担
い手の確保と地域活性化に努めます。また、地域で必要とされる人材を呼び込むため
自治会や各団体等と連携して、空き家の確保、移住希望者との面談などを行います。
●計画事業
1 空き家バンク登録物件の調査
・平成 22、23 年に調査した空き家物件や新たに空き家になった物件の所有者への
意向調査を行い、空き家バンク登録物件を増やします。
2 空き家修繕事業
・
「うちこ屋バンク」登録物件等を対象に国の補助事業を活用した「定住促進集落活
性化住宅」を整備し、町外から移住者に貸します。
3 移住体験の実施や移住情報の発信
・ボランティアホリデーや県の戦略的移住体験促進事業などによる移住体験や、都
市部での移住フェアなどを積極的に参加するなど情報発信を行います。
4 移住サポーターや受け入れ組織の育成
・移住サポーターの増加をはかるとともに、自治会等と連携し、独自の技術を持っ
ているなど地域に必要な人材の移住促進を進めます。また、他自治体の移住促進
の窓口となっているNPO組織等の取り組みに学び、民間の受け入れ体制の組織
化を進めます。
●数値目標
・首都圏での移住相談会 2 回
・定住促進集落活性化住宅整備件数:6戸(平成 27~31 年度)
・移住者受け入れ目標数:町人口の 1%程度の子育て世帯の移住者(UIターン者)
受け入れ/年
【現状と課題】
平成 19 年度以降、平成 26 年 8 月末までに、内子町に 51 世帯、115 人が移住して
います。移住希望者の動機、条件、生活設計は多様ですが、地域に溶け込み、地域の担
い手になり得る移住者を受け入れることが必要です。特に、独自の技術を持った人、地
域の資源を活かして起業をめざす人などまちの活性化につながる人材を積極的に誘致す
ることが重要です。
56
総務課
7 外部人材等との連携によるまちづくりの推進
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
情報化社会による地域活動の多様化や地域経済のグローバル化が進む中、企業や大
学と連携し、人材育成や地域資源を活かした産業振興をはかります。また、地域に新
しい風を起こし、地域の課題解決のための担い手となり得る「地域おこし協力隊」を
採用し、地域の活性化と地域力の充実をはかります。
●計画事業
1 企業との連携
・連携協定を結んでいる伊予銀行等と連携し、産業振興・人材育成等を推進します。
・県内企業等への「元気な集落づくり応援団」派遣を要請し、小規模・高齢化集落等
の地域づくりを推進します。
2 大学との連携
・松山大学、愛媛大学をはじめ、県内外の大学との連携を進め、環境保全、産業振興、
伝統文化の保全、小規模・高齢化集落対策等のまちづくりを推進します。なお、平
成 27 年に愛媛大学との連携協定締結をめざします。
3 地域おこし協力隊による地域づくりの推進
・コミュニティ活動の活性化や、地域の伝統行事の保存・継承、都市との交流事業
や産業振興等による地域づくりを推進するため、地域おこし協力隊を採用します。
また、隊員が任期終了後もまちづくりの担い手として定住するよう、活動の事業化
や起業に向けた支援を行います。
●数値目標
・元気な集落づくり応援団
・地域おこし協力隊任用者数
派遣要請 4回以上/年
毎年 2 名(任期終了後の定住化率 80%以上)
【現状と課題】
内子町では、伊予銀行及び松山大学と、まちづくりの連携協定を締結しています。し
かし、調査事業や相談にとどまっており、具体的な事業実施には至っておりません。今
後、連携協定締結の効果をより高めるためには、産業振興や観光振興など具体的なモデ
ル事業の提案をお互いに出し合いながら、それぞれの強みを活かした事業展開をはかっ
ていく必要があります。
地域おこし協力隊は平成 26 年度から採用し、着任した隊員は、小規模・高齢化集落
や各団体の活動支援に意欲的に取り組んでいます。任期終了後も地域に定着し、地域の
担い手として活動をしていくために、起業等の支援をする必要があります。
57
総務課
8 景観行政 -美しい内子に向けた取り組み- ★
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
平成 20 年 9 月に策定した「内子町景観まちづくり計画」並びに平成 25 年 1 月に
策定した「内子町景観農業振興整備計画」に基づき、全国的な統一基準による横並び
の景観施策ではなく、内子の自然的・社会的特性を踏まえ、内子らしい景観に配慮し
たまちづくりを推進します。
●計画事業
1 景観まちづくりフォーラムの開催と啓発活動
・平成 21 年度から毎年継続してきた景観まちづくりフォーラムを継続して開催
し、町内での優良な景観形成活動や建造物を表彰するとともに、景観形成に協
力した団体・企業を広報紙やホームページで事例紹介をするなど、景観に対す
る意識の高揚をはかります。
2 行政職員の景観意識の向上
・研修会等への積極的な参加を促し、景観意識の向上をはかります。
3 内子らしい建造物の推進
・建造物については、近傍と調和のとれた形状や色彩とし、原則として自然素材
の使用を推奨します。また公共施設や用地は植栽を行い、緑化に努めます。
4 内子の玄関づくり、顔づくり
・主要な国道、県道の内子入口付近、特に JR 内子駅前通りなどの景観重点区域
については、景観まちづくり評価員の意見を聞きながら、玄関口にふさわしい
修景を進めます。
5 中心市街地の景観まちづくり
・町並み保存地区及び内子商店街通りにおける緑化・修景・店舗等の景観整備を
推進します。
6 内子らしい農村風景の形成
・景観農業振興整備計画に沿い、景観と調和のとれた良好な営農条件を確保し、
区域や農地の保全など一体的に進めます。
7 自治会等による景観まちづくり活動の推進
・地域のシンボルの掘り起こしなどを含め、地域の特色を活かした景観づくりを
自治会とともに進めます。
8 違法屋外広告物を立てさせない仕組みづくり
・主要道路沿線の定期的な実態調査を実施し、違法屋外広告物の把握や改善指導・
撤去を行い、良好な環境を形成します。また、広報紙により定期的に啓発を行
います。
58
●数値目標
・年に一回、景観まちづくりフォーラムを開催し、景観に対する意識の高揚をはかり
ます。
・年に一回、広報紙による意識啓発を行うとともに、優良事例や景観協力企業の紹介を
随時行います。
【現状と課題】
景観まちづくり計画を策定して6年が経過し、町内業者には計画の趣旨をほぼ理解し
て頂いていますが、町外事業者へはまだまだ啓発が足りません。今後は、広報紙やホー
ムページを利用した定期的な啓発をはじめ、町外事業者へも的確な意識づけができるよ
う、情報の発信を強化する必要があります。
また、全国の先進的な取り組みなども参考にしながら、重点区域の拡大、色彩ガイド
ラインの見直しなども視野に入れ、条例や計画の見直しを常に行う必要があります。
美しい町並みを形成する上で大切なことは、住民と行政がその地域の特性を把握し、
美しい景観をつくっていこうという共通理解と積極的な意志です。人それぞれに美的意
識や景観に対する考えが多様であることから、今後は、関係住民との根気強い話合いに
よって着実に進めていく必要があります。
59
総務課
9 ふるさと納税の積極的なPR
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
地方交付税の減少により町財政が厳しい中、ふるさと納税制度による寄付を積極的
にPRして募り、まちづくりの貴重な財源として有効活用するとともに、
「ふるさと
内子」を町外に発信し、内子ファンを増やします。
●計画事業
1 積極的なPR
・ふるさと納税ポータルサイト等の活用による効果的なPR
・寄付者への謝礼(特典)の見直し
..
・クラウドファンディング(不特定多数の方に共感を得やすい特定の課題解決資金)
の寄付募集の検討(例:災害復旧・自然保護・その他夢のある事業など)
2 手続きの簡素化
・クレジットカード決済やスマホ・タブレット等による寄付手続きの推進
・寄付受付、お礼状、特典商品発送等の事務の簡素化・効率化
3 寄付金の有効な使い方の検討
●数値目標
・内子ふるさと応援寄付金寄付額目標
平成 27 年度
800 万円 平成 30 年度
2,000 万円
平成 28 年度
1,200 万円 平成 31 年度
2,400 万円
平成 29 年度
1,600 万円
【現状と課題】
内子町では、平成 20 年度から「内子ふるさと応援寄付金」の募集を開始し、平成 26
年末までに延べ約 150 名の方から約 18,000 千円の寄付をいただきました。内子町は、
これまでにホームページ・チラシ配布によるPRを行ってきましたが、どちらかといえ
ば受け身の姿勢であり、十分なPRができていたとはいえません。
現在、国においては、個人住民税の控除限度額を 1 割から 2 割に拡充することを検討
していることから、今後寄付者、寄付額の増加が見込まれます。また、この制度の効果
は、
「税収増加」のほか、工夫次第で「産業振興」
「観光振興」
「移住・定住の促進」につ
ながる可能性があります。寄付者への謝礼(特典)は、
「作り手」
(生産者)
、
「売り手」
(自
治体)
、
「買い手」
(寄付者)にとってメリットがあり、
「三方良し」となります。効果的
なPRをしている市町村は、1 年間に 2 億円の寄付を得たところもあります。今後、内
子町も財政状況が厳しい中、効果的なPRで寄付額の増加をめざすとともに、寄付金の
有効活用を早急に検討する必要があります。
60
総務課 プロジェクト 10 事業
総務課は、プロジェクト10に掲げられている事業のうち、以下の事
業を担当します。
(これらは計画の中では★印をつけてあります。
)
安全・安心まちづくりプロジェクト
(1)消防団への加入促進
(2)消防車両・消防詰所の整備
(3)内子町防災訓練の実施
(4)自主防災組織の訓練、防災士養成の推進
(5)防災関連資器材・備蓄品の整備
(6)防災マップの作成・配布
(7)防災行政無線のデジタル化
情報推進化プロジェクト
(1)最適の情報基盤整備の推進
(2)ICTによる行政サービスの推進
美しい内子プロジェクト
(1)景観行政―美しい内子に向けた取り組みー
61
町並・地域振興課は、こんな仕事をします
―総合計画に対する町並・地域振興課の方針―
町並・地域振興課は、誘客の要である町並み保存地区や芝居小
屋内子座をはじめ、町内に点在する魅力的な施設、美しい景観、
有形無形の文化遺産など、多彩な観光資源をつないで、飲食や宿
泊業、土産品製造販売、旅行商品開発販売、交通などの各種事業
と結びつけ、地域を総合的に振興する取り組みを行います。
1.内子町の観光入込み客数は、現在約 100 万人で、そのうち、
日帰り客が 90%以上を占めています。近年の入り込み客数
の減少傾向に歯止めをかけ、リピーターを含めて入り込み客
数全体の増加をめざすとともに、滞在時間の延長、宿泊率の
上昇、消費額の増大をはかるために、多様な観光行動プログ
ラムを開発し、顧客満足度を高めるサービスを工夫するなど、
内子町ならではの観光戦略を推進します。
2.内子町は、
「町並み、村並み、山並み」の総合的な視点から
観光施策に取り組みます。すなわち、八日市・護国の重要伝
統的建造物群保存地区に代表される「町並み観光」、グリー
ンツーリズム等農村部における「村並み観光」
、自然豊かな
小田深山を中心とする「山並み観光」と町内全域を視野に入
れて、まちあるき周遊コース、体験型コース、伝統工芸や酒
蔵など特色あるテーマ型コースなどを開発し、それらを有効
に組み合わせて、相乗効果を狙います。併せて着地型観光を
中心的に担う観光協会の強化・自立を支援します。
-62-
3.観光客の交流拠点、情報拠点としてのビジターセンター
「A-runze(アルンゼ)
」を活用し、町並み保存と活用、商
工観光やグリーンツーリズムの振興など、観光産業の多様な
担い手間の連携強化をはかります。また、地元主導の旅行商
品の開発、旅行業の振興、情報発信の効率化をめざすととも
に、情報提供窓口の一元化を進め、観光客の満足度を高める
受け入れ体制を整備します。
4.グリーンツーリズムの振興のために、意欲ある農家をはじめ、
自治会や集落など地域住民組織、活動団体、企業などの交流
ビジネスに対する取り組みを積極的に支援するとともに、担
い手の拡大に務めます。また、教育旅行の受け入れや広域連
携を促進し、グリーンツーリズム協会の自立をめざします。
5.内子町のツーリズムの原点である町並み保存地区は、
「内子
町並み保存マスタープラン」に基づき、持続可能な町並み保
存運動を展開します。そのため、これまでの経験を総括し、
各分野の職人、技術者、専門家などを結集して、地元の力を
中心に、修復、改築、再利用などに取り組むとともに、今後
増大が見込まれる空き家の対策を進めます。
6.内子座については、平成 28 年の創建百周年に向けて、住民
の文化意識の醸成をはかり、担い手の育成・拡大に努め、持
続可能な活用をめざします。
7.内子町の商業は、大型店などの集積が進む状況を踏まえ、商
店街全体の望ましい将来像を描き、個店の努力を基本に、多
くの施策や活動を結集していく試みを支援します。観光客の
多い中心市街地では、町外からの来訪者の購買力を確実に吸
-63-
収する取り組みを支援します。
8.内子町には、商業サービス業のほかにも、多様な製造業があ
り、伝統を踏まえつつ、時代に対応するために新しい試みに
取り組んできた実績があります。このような他産業と商業が
連携して、商店街の活性化に貢献する取り組みを支援します。
また、五十崎地区、小田地区の商店街においては、従来の商
店街活性化施策だけでなく、広く地域振興や住民生活防衛の
視点から医商連携、買物弱者支援等の施策にも取り組みます。
-64-
町並・地域振興課
1 着地型観光の推進
目標
【前期計画】
(平成27年度~31年度)
●基本方針
観光客の受け入れ地(着地)が主導して、
観光情報の発信、多様な観光プログラムの開
発・提供を行う着地型観光を推進します。
魅力的な周遊・体験プログラムの提供によ
って、滞在時間の延長、消費額の増加、リピ
ーターの増大、口コミによる誘客など、内子
観光の好循環をもたらす観光振興戦略を展開
します。
H27 年度
エリアと時期を限定し
~
たHPリスティング広
H30 年度
告を実施しアクセスが
前年度比 10%増
H31 年度
内子町公式観光サイトア
クセスが 1 日800件
●計画事業
1 情報戦略プロモーション
・内子町公式観光サイトの立ち上げと共に、エリアと時期を限定したHPリステ
ィング広告を実施し、効率的な告知による誘客に取り組みます。特に関西以西
で中四国及び九州東部の誘客増加に取り組みます。
2 旅行代理業務の推進
・NPO法人プロジェクト A・Y(平成 24 年度から旅行代理店機能開始)など地
元の法人に旅行商品開発事業などを委託して、受け入れ体制の整備に取り組み
ます。
3 多彩なプログラムの開発
・酒蔵ツーリズム★、大洲和紙の国際ツーリズム支援事業★、体験型観光プログ
ラムの 開発★、
「うちこ食のまちづくり」★、ぐるっと内子サイクリング・
コース★、安心・安全の観光地うちこ★、など、地元発の多彩な観光プログラ
ムを開発します。
4 二次交通の整備★
・町内の交通拠点(駅、IC など)から各観光スポットへの交通手段を整備します。
5 えひめ南予博覧会(仮称)への取組
・
「えひめ南予博覧会」
(平成 27~28 年度、県と南予 9 市町及び伊予市主催)
において、特色あるイベントの開催等を通して、内子町の PR、域内の観光客
増加をめざします。
●数値目標
・平成 31 年度観光客数
・同年度宿泊者数の割合
125 万人
約2%
(H25 年実績 110 万人)
(H25 年実績
約1%)
【現状と課題】
内子町の入込観光客数は、年間平均延べ 100万人~110 万人ですが、長期的には日
本全体の人口減少に伴って減少傾向になると推察されます。こうした状況を逆転させ、観
光客の増加をめざすためには、今後主流になる個人や小グループ旅行に対して、魅力ある
旅行商品の開発とその発信、観光需要を促す情報提供の工夫が必要です。
また、近年急増している来日外国人観光客のなかには、有名観光地だけでなく、地方や
農山村に足を延ばす人たちも増えています。こうした外国人を内子町へ呼び込むために
は、多言語による情報提供や案内サービス、宿泊機能の充実などが求められます。
国内外を問わず内子町を訪れる観光客が、
実感した内子の魅力を自身で広く発信するよ
うに、顧客のニーズに的確に対応し、満足度を高める町を挙げての取り組みが重要です。
-65-
町並・地域振興課
2 観光協会の自立に向けた活動支援
【前期計画】
(平成27年度~31年度)
●基本方針
滞在型観光地をめざして、内子らしさの
醸成をはかるとともに、観光協会の組織強
化及び自立に向けた組織運営を企画し、自
立を支援します。
観光情報等の発信拠点整備
年度
30 年度
31 年度
内容
自立に向けた組織運
営青写真を完成させ
る
自立させる
●計画事業
1 観光協会活性化事業 ★
・協会自立のための組織運営などを立案します。
・観光戦略実践プランを実施します。
2 観光行動を促す情報発信事業
・HPで宿の手配、移動など予約の出来るワンストップサービスを実施します。
・需要喚起できるHPを運営します。
・顧客(観光客)情報管理システム構築します。★
3 外国人観光客への対応(内子観光の国際化)★
・外国人に対応するための各種研修を実施します。
(もてなし、食事等々)
・多言語表示を進めます。
(サイン、パンフレット、HPなど)
【現状と課題】
内子町観光協会は平成 18 年 2 月 28 日結成以来、旧内子町の協会活性化方針や
町の総合計画に沿って、まちづくり型観光の振興に取り組んできました。丁寧な受け
入れやおもてなしは定着し、ガイドによる案内業務、さらに町並み保存地区だけでは
なく管内まちあるき事業の運営も軌道に乗りつつあります。
外国人観光客対応の協会HPの多言語化は、英語、ハングル、中国語の繁体字、
簡体字(中国語まちあるきマップ)が完成するなど、実績を収めてきました。今後
は、協会会員がさらに観光収入を増大させていく戦略プランを実施するとともに、
組織自立に向けた取り組みが課題です。
-66-
町並・地域振興課
3 内子ねき歩き(まち歩き)事業推進
【前期計画】
(平成27年度~31年度)
ねき歩き推進計画
●基本方針
まちづくり型観光地をめざして、観光客と
住民がほどよく関わり合う仕組みを構築し、
多様なまちの表情を楽しむ「内子ねき歩き」
を推進します。
●計画事業
1 ねき歩きの実施
・25 年度にスタートした「ねき歩き」5
コース(せだわ、内子びと、龍宮、石畳
むら並み、尾首やま里)を継続して実施し
ます。内子町観光協会の HP から情報発
信し、継続して取り組むことで、町内普
及を進めます。
2 ねき歩き人の輪構築
・ルートを開拓することを目標に、ルート
に絡む住民と協議し、ねき歩きの中で住
民同士の対話ができる仕掛けをつくり
ます。商店主や農業従事者など、ねき歩
き人材のネットワーク化を進めます。
年度
H27
H28
H29
H30
H31
目
推進内容
標
参加者数
8コース目開拓
9コース目開拓
10コース目開拓
200 人
250 人
300 人
350 人
400 人
人の輪構築(イメージ)
ね
き
歩
き
案
内
人
街の人
・店の歴史を語る商店
観光客
・農作物を説明する農家
・声をかけるご近所さん
3 学び場提供
・構築される人の輪を軸に、ねき歩き案内
人(ガイド)の育成のため、学習の場を
提供します。
・周遊バスの運転手など
【現状と課題】
平成 25 年度に整備完了したビジターセンターを活用し、まちの資源をつなぐ・
広げる・結ぶ手法として、内子流のまち歩き「ねき歩き」を立ち上げました。個人
客やリピーターの満足度が高いねき歩きですが、町内普及はこれからです。
今後は、まちづくり型観光であり続けるため、ルートの開拓だけでなく、関わる
人材の開拓、ネットワーク化が課題です。また、二次交通の課題と向き合いながら
テーマ別のねき歩き充実化をはかる必要があります。ねき歩きが、個々の地域づく
りに寄与できるまちづくりをめざします。
-67-
町並・地域振興課
4 内子町ビジターセンター活用事業
【前期計画】
(平成27年度~31年度)
ワンストップ3カ年計画
●基本方針
“人”を結ぶ拠点、人文系ビジターセンタ
ーとして誕生した内子町ビジターセンターの
存在意義を確認し、活用をはかります。
観光客に求められる情報発信や食事場所、
宿の予約まで対応できるよう、ワンストップ
(窓口一元化)を構築します。また、町の紹
介や様々なサービスができる有能な観光コン
シェルジュ(人材)の育成をはかります。
H27年度
H28年度
●ニーズの把握
●ネットワーク構築の
ための関係者協議、
検討
●宿泊予約のためのネ
ット整備
H29年度
観光コンシェルジュが
担う宿泊予約システム
の起動
<ビジターセンターのミッション>
「広げる」多彩な魅力を観光客へ伝えます。
「むすぶ」情報収集、発信拠点として情報と
人、地域と人、人と人とをむすび
ます。
「つなぐ」心に残る対応で来訪へつなげます。
●計画事業
1 ワンストップのためのネットワーク構築
2 観光コンシェルジュの育成
●数値目標
・ワンストップ協力者の増加(現在ゼロ→計画最終年度10グループ)
【現状と課題】
内子町ビジターセンターは、平成 25 年度開館しました。観光客の滞在時間を延ばす
ため、各地域や団体等が多様な取り組みをし、一定の成果を上げていますが、個別の
努力だけでは限界があり、情報発信力が弱いので、ビジターセンターは、個別の取り
組みを結び付け、内子ブランドとして提供・発信する窓口一元化実現の拠点となるこ
とが必要です。
うちこグリーンツーリズム協議会や旅館組合、内山料飲組合など、各関係者らとのネ
ットワークを強化し、ネット環境を整えながら、
“人”のつながりを広げていく必要が
あります。
-68-
町並・地域振興課
5 五十崎凧博物館の有効活用
【前期計画】
(平成27年度~31年度)
●基本方針
歴史ある「いかざきの凧」を町民(とくに旧内子、旧小田)はもとより、広く町外・
国外の人々に知らせ、興味を喚起するため、凧博物館の展示や五十崎大凧合戦の工夫、
PRに努めます。
県内イベントでの出前的な凧体験事業や町内、県内の遠足や体験学習、県外の修学旅
行での体験事業の一環としてグリーンツーリズム(農業体験)などと連携して、来館者
数の増大をめざします。
●計画事業
1 凧博サバイバル事業 ★…外国人観光客の誘致、展示の国際化等(いかざき・ワンダ
ーランドプロジェクト★)
2 小中学生の体験学習としてのPR・活用促進
3 いかざき大凧合戦実行委員会との連携
4 県内イベントでの出前凧教室、展示
5 教育旅行商品としてのメニュー開発
6 上岡美平没後 80 周年記念展覧会の実施(平成 29 年 ※1937 年没)
●数値目標
・来館者数 平成 31 年度までに 3,000 人 (近年来館数は年約 1,900 人)
【現状と課題】
近年来館数が年間 2,000 人を切っており、オープン当初 20,000 人の1/10 ま
で減少しています。内子町を含め、全国 4 カ所ある凧の博物館も観光客減少に頭を
悩ませています。
(うち1カ所は震災関係で休館中)
凧博物館は、地域の人たちや内子町民に愛される施設であるために、子どもから大
人まで、凧以外のイベントや地元の会議、学校の総合学習など気軽に使える環境づく
りが必要です。
凧師と呼ばれる凧作りの講師は高齢であり、凧作りの伝統継承のためにも講師育成
に努める必要があります。子どもたちの遊びが大きく変わってしまった現代では、
「凧」を含め昔ながらの遊びにいかに興味を持たせ、伝統を次世代に引き継ぐかが大
きな課題となっています。そのため、いかざき大凧合戦を通して、小中学生の凧作り
や各自治会で凧を作成し凧合戦に参加してもらうなど、町民が凧に携わる斬新な仕組
みを編み出す必要があります。
-69-
町並・地域振興課
6 グリーンツーリズムの振興
【前期計画】
(平成27年度~31年度)
●基本方針
内子町の地域財産を活用し、魅力にあふれ活力のあるグリーンツーリズムを推進しま
す。通過型観光から滞在型への転換をはかるため、着地型旅行商品の開発、南予地域の
広域連携による誘客促進のための商品開発を進めるとともに、グリーンツーリズム協会
の自立化をめざします。
●計画事業
1 担い手育成と自立化支援
・着地型旅行商品の開発や販売をします。
・協会と連携し、担い手育成研修会の開催、施設の全町的な拡大を進めます。
・経済的自立のため、実践者の連携強化による商品開発とコスト意識を普及します。
2 体験型教育旅行等の受け入れのための基盤整備
・南予地域など他市町グリーンツーリズム推進協議会との連携で受け入れを広域化
します。
・企業や大学の研修や合宿などの受け入れ促進に向けた環境整備を行います。
・受け入れ先となる農家民宿と農業体験施設を全町的に拡大します。
3 特区を活用した酒類の販売支援
・事業者と連携して、どぶろく、ワイン、リキュールの宣伝活動と販売促進事業を
行います。
●数値目標
・宿泊・体験者数 平成 31 年度までに 1 万人をめざします(平成 25 年度宿泊者
数は年約 7,200 人)
【現状と課題】
長引く不況等により、
宿泊客数については、
前年比3%程度の落ち込みが続きましたが、
少しずつ持ち直してきました。団体から個人・小グループでの本物体験志向へのシフトな
ど、旅行者の動向変化に加え、消費税増税による消費の縮小など、観光客の動向は今後も
予断を許しません。
各種団体との連携、町並み、村並み、山並みの多様な観光資源を有機的に結びつけた旅
行商品の開発、南予地域への誘客促進のための広域連携など、組織の強化と担い手づくり
に積極的に取り組むことが課題です。
-70-
町並・地域振興課
7 町並み保存
【前期計画】
(平成27年度~31年度)
●基本方針
伝建地区の整備を進め、地区の魅力増進に努め
ます。文化財としての価値を維持するために修理
基準の策定や技術者の育成を進めます。また、増
加する空き家に対応するため、紹介の仕組みを確
立します。併せて、内部のリフォームについて研
究を進め、現代的な生活に適応した住宅の実現に
努めます。
主な事業予定(目標年次)
年度
H27
事業等
地区内案内板整備
保存計画改定
H28
空き家活用モデル事業実施
以降
生活環境整備(防災設備、
駐車場等)
●計画事業
1 文化財保存事業
・伝建地区の修理・修景事業を継続して実施します。文化財としての価値を保つため
修理修景基準を見直します。また、わかりやすく周知すためのパンフレット作成や
広報活動を行います。併せて修復に携わる技術者の育成に努めます。
2 伝建地区の整備
・生活環境を整えるため、防災施設や道路、駐車場の整備について検討します。また、
空き家の活用を進めるため、モデルとなる建物の整備を行います。伝建地区内の案
内板やサインなどを整備して、来訪者の利便性を高めます。地区の拡大や保存すべ
き物件の特定に取り組み、その指針となる保存計画、保存条例の見直しを進めます。
3 仮称「アクトハウス」の展開 ★
・過程も含めて修理自体を「教材」
「資源」として公開するため、仮称「アクトハウ
ス」を整備し、体感型、行動型、参加型の町並み保存運動を展開します。
4 仮称「うちこ町並み保存支援隊」の組織化 ★
・伝統的建造物の保全のため、仮称「うちこ町並み保存支援隊」を創設し、建物の紹
介、維持、修理、入居希望者への対応など幅広い支援活動を行います。
●数値目標
・木蝋資料館上芳我邸目標有料入館者数 年間3万人
【現状と課題】
伝建地区では、高齢化が進み、空き家の増加や保存運動の担い手が不足する問題が生
じています。積極的に空き家の解消に努めるとともに、理解ある人たちと連携して保存
運動を推進することが必要です。
また、来訪者の滞在時間が長いほど、経済的効果は高まります。ゆっくり滞在したく
なる環境づくりが必要です。そのための資源の発掘と整備、新たな生業の創出が求めら
れています。
-71-
町並・地域振興課
8 内子座の活用
【前期計画】
(平成27年度~31年度)
●基本方針
平成 28 年に 100 周年を迎える「内子座」の
活用促進をはかります。
●計画事業
1 内子座活用事業
・内子座活用事業を継続して実施し、100 周年事
業実行員会を立上げるとともに、重要文化財指
定に向けた取り組みを行います。
・100 周年以降も内子座の活用促進をはかる
ため、子どもからお年寄りまで広く楽しめる
事業に取り組みます。
・100 周年以降も茂山狂言クラブを存続し、
実施します。
2 内子座重要文化財指定に向けた取り組み
・内子座創建 100 周年を迎えるにあたり、内
子座調査委員会を設置し、内子町のシンボル
である内子座の重要文化財指定に向け、文化
庁にアピールします。
100 周年関連事業予定(目標年次)
※町主催のものだけ記載
年度
事業等
H27
茂山狂言クラブ
第19 回内子座文楽公演
茂山狂言公演
H28
内子座創建 100 周年式典
淡路人形座公演
現代狂言公演
茂山狂言クラブ
第 20 回内子座文楽公演
東西狂言の競演
H29
茂山狂言クラブ
H30
茂山狂言クラブ
茂山狂言内子座公演
H31
茂山狂言クラブ
茂山狂言内子座公演
●数値目標
平成 31 年度内子座の入場者数 10%以上の増(目標:33,000 人)
、利用者数 10%
以上の増(平成 26 年度比)をめざす。
【現状と課題】
現在、内子座は、一般財団法人地域創造、宝くじの助成を活用しながら運営していま
す。今後、継続的に実施するためには、安定的な財源の確保が必要になるため、内子座
の経理を特別会計にするなどの検討が必要です。
-72-
町並・地域振興課
9 商工業の活動支援(商工行政の強化)★
【前期計画】
(平成27年度~31年度)
●基本方針
地域の雇用の場を確保するための企業への支援、地域の特色ある産業育成に努め、
にぎわいと魅力ある商店街づくりの活動にに対し支援を行います。
●計画事業
1 雇用の場を確保するための、企業等への情報提供・支援と起業・創業支援
2 手仕事や伝統産業等への育成支援
3 商工(商店街)行政の強化★…要望・提案収集、各種制度活用等(まちなかリ
バイバル・プロジェクト★)
4 商店街が行う空き店舗対策(空き店舗改修等)への支援
5 コラボギフト商品開発・販売促進事業
・ 内子まちづくり商店街協同組合が取り組む「コラボギフト事業」等に対し、情報
及び資金面での支援を行います。
●数値目標
「内子まちづくり商店街協同組合」の加盟店舗数を平成 31 年度に93をめざす(現
在 88 店舗)
。
【現状と課題】
地域の商工業は、雇用の場が少なくなり、人口減少につながっています。また業態
によっては雇用拡大が難しい企業があります。また、内子町においては起業・創業へ
の支援策がありません。雇用確保と稼ぐ力をつけていくため、内子町の特色ある産業
を育成・拡大していく支援が求められます。
人口減少・少子高齢化に加えて、近隣市町における郊外型大型店の進出で近年、地
域住民の商店街への利用意識は薄らいでいます。また、商店街の空き店舗増加は商店
街全体の魅力を低下させ、来街者数減少に歯止めがかからない状況になっています。
このような状況を改善するため、内子まちづくり商店街協同組合では、平成 24 年
4月に地域商店街活性化法の事業認定を受け、まちの駅Nanzeの整備、チャレン
ジショップ、新規イベント、コラボギフト商品開発・販売など、積極的に事業を行っ
てきました。通行量や販売額などの検証結果はまだ出ていませんが、空き店舗3件が
新規オープン、2件がオープン予定であり、徐々に店舗数が増えつつあります。今後
も空き店舗は増加することから、空き店舗の修繕・活用について支援していく必要が
あります。
また、コラボギフト商品開発・販売促進事業は、取扱商品が少ないため、今後は伝
統工芸品や農産物加工品など、取扱量を増やして行く予定です。そのため事業運営の
経費の支援が必要です。
-73-
町並・地域振興課 プロジェクト 10 事業
町並・地域振興課は、プロジェクト10に掲げられている事業のうち、
以下の事業を担当します。
(これらは計画の中では★印をつけてありま
す。
)
まちなかリバイバル・プロジェクト
(1)商工(商店街)行政の強化
(2)仮称「アクトハウス」の展開
(3)仮称「うちこ町並み保存支援隊」の組織化
(5)仮称「まちなかボランティアセンター」の設立
いかざきワンダーランド・プロジェクト
(2)凧博サバイバル事業
(4)天神和紙の国際ツーリズム支援事業
(5)酒蔵ツーリズム支援事業
着地型観光プロジェクト
(1)観光戦略の立案
(2)顧客(観光客)情報管理システムの構築
(3)観光協会の強化
(4)二次交通の整備
(5)内子観光の国際化
(6)体験型観光プログラム開発
(7)仮称「うちこの食のまちづくり」
(8)ぐるっと内子サイクリング・コース
(9)安心・安全の観光地うちこ
-74-
会計課は、こんな仕事をします
―前期計画に対する会計課の方針―
1.会計課は、各部局から提出される支出のためのデータを審査
し、債権者に現金を支払う事務や町税などの徴収金を受入れ
る等、現金出納の検査及び公金の収納等の適正な執行に努め
ます。
2.財政運営が公正、適正、安全に行われるように出納閉鎖後に
決算書の作成を行うとともに、現金や有価証券の適正な管理
と確実かつ有利な運用をはかります。
75
会計課
1 具体的事務事業
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
公金の保管管理については、指定金融機関その他の確実な金融機関への預金、そ
の他の最も確実かつ有利な方法での運用に努めます。
●計画事業
1 基金の運用
・基金は、それぞれの目的に応じ定期預金や国債購入に充て、確実かつ効率的に運
用します。
2 歳計及び基金等の残金の運用
・グローバルな低金利は一朝一夕に解消しないと思われますが、金融機関の動向を
注視し、短期の定期預金等に充当します。
【現状と課題】
景気は、足元消費税増税による下押し圧力を受け、方向感を読み取り難い状況にあり
ます。地方の金融機関もグローバル・マネーの影響下にあり、さまざまなリスクに遭遇
する場面は今後増えると予想されます。各金融機関の自己資本比率をはじめとした経営
状況を常に把握しておく必要があります。
76
住民課は、こんな仕事をします
―前期計画に対する住民課の方針―
住民課は、主に受付業務、戸籍業務、住民基本台帳業務、国民
年金業務、人権対策業務、国民健康保険業務、後期高齢者保険業
務、消費生活相談窓口業務及び旅券取扱業務を行っています。
1.住民に最も身近な機関である役場には、様々な相談・問い合
わせで来客があります。役場を訪れた方のご用件、お客様の
ニーズをいち早く把握し、ご案内できるよう心がけていきま
す。
2.住民基本台帳事務は住民の福祉の礎となる重要な業務です。
適切な届出ができるようお客様の立場にたって対応し、居住関
係の記録が正確に行われるよう努めます。届書の記入方法やわ
からないことなど気軽にたずねやすいよう配慮します。
3.戸籍は親族関係を登録・公証する重要な業務です。婚姻など
戸籍の届出によって効力を生じるものについては、関連する
手続きについてもお知らせし、必要があれば他の部署と連携
しながら対応していきます。
4.各業務とも住民福祉に欠かせない重要な業務であり、戸籍や
住民基本台帳制度に対する理解と協力が得られるよう心がけ、
効率化と職員の資質向上に努め、住民サービスの一層の向上
をはかります。
77
住民課
1 受付・証明発行・旅券・国民年金・住民異動・戸籍事務事業
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
総合案内をはじめ印鑑登録、諸証明発行、住民異動届、戸籍届に関する手続きパスポ
ート交付、国民年金に関する手続きや相談を迅速かつ正確に行い、住民の信頼に応えま
す。
●計画事業
1 関係部署との連携
・関係各課、内子分庁、小田支所間の連携を密にして、住民サービスの一層の向上、業
務の効率化に努めます。
2 関係担当者会の開催
・住民サービスの向上をめざして、関係各課、内子分庁、小田支所の担当者会や研修会
を定期的に開催し、住民ニーズの把握や職員の資質向上に努めます。
【現状と課題】
住民異動や出生・死亡等戸籍に伴う必要手続きは、事務が複数部署にわたるため、受
付から関連部署へ連絡をとりながら業務を進めています。
限られた職員配置の中、遺漏なく効率よく対応できる体制づくりが必要です。
業務に関する知識を深め、資質向上につとめます。
住民異動届及び各種証明書
発行件数
H23 年度
23,614 件
H24 年度
23,381 件
H25 年度
24,001 件
78
住民課
2 人権対策業務
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
人権対策業務は、人権尊重を基本的な考え方として、町民一人一人の人権が尊重され
る心豊かな地域社会の実現を目指し、
「内子町人権尊重のまちづくり条例」の遵守を基
本とし、総合的な人権に関する取り組みを行います。
●計画事業
1 内子町人権尊重のまちづくり審議会の開催
・「内子町人権尊重のまちづくり条例」を基に各組織と連携し、人権教育・啓発活動に
取り組みます。
2 各福祉館・広域隣保活動の充実
・人権推進の拠点である「うちこ福祉館」・「参川福祉館」の運営及び事業活動の更な
る充実と五十崎地区の広域隣保活動の活性化に努めます。
3.その他の活動
・自治学習課、各学校と連携し、人権教育、人権啓発活動に努めます。
【現状と課題】
人権問題は、現在も様々な形で、存在しています。
今後もすべての人権が尊重され、差別のない明るく心豊かな地域の確立のために、更に
発展した推進・啓発活動が求められます。
79
住民課
3 国民健康保険業務・後期高齢者医療保険業務
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
国民健康保険業務は、74歳までの他の保険に属さない人を対象者とした保険です。
平成30年度には、運営主体が都道府県化となる予定ですが、町として健康づくり事
業等を積極的に推進します。
後期高齢者医療制度は、75歳以上の方を対象に、県内の全市町が構成する愛媛県後
期高齢者医療広域連合が運営主体となって行う医療保険制度です。町は、保険料の徴
収や各申請事務を行っています。
また、町民が安心して医療機関にかかれるよう、保険事務を迅速かつ正確に行える
職員の資質向上に努めます。
●計画事業
1 健康づくり事業の推進
・現在行っている健康づくり事業に加え、データを元にしたヘルス計画を立て、新た
な事業を実施して、町民の健康への関心を高め、医療費を抑制します。
2 特定健診等実施の推進
・特定健診受診率アップ、健康づくり事業等を積極的に推進します。
3 収納率対策
・被保険者への適切な連絡等を行い、納め忘れの防止、滞納整理に努めます。
●数値目標
平成31年度までに国保特定健診受診率を35%に、後期の徴収率を 99.5%以上を
目指します。
【現状と課題】
国保制度は、他の医療保険に属さない人すべてを被保険者としているため、制度発足
当時と比べ加入者の減少、高齢者や低所得の方の割合が増加しています。内子町では、
H22年度より単年度収支が赤字となり、繰越金と基金の取り崩しで補てんしていま
す。
後期高齢者保険料は2年ごとに見直されています。平成26・27年度保険料は高く
なりました。このため、高齢者の生活が圧迫されています。
特定健診受診率を上げることにより、疾病の予防及び早期発見によって医療費を抑
制することができます。特定健診の受診率アップの取り組みがますます重要となりま
す。
80
住民課
4 消費者行政事業
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
消費生活相談窓口については、平成21年度から3市町合同で開設し、平成25年度
から常勤の相談員による消費者トラブルの相談・斡旋等を行っています。
悪徳商法の手口は年々巧妙化し、相談件数も増加しています。被害に合った人の消
費者救済や詐欺やトラブルを未然に防止するため、消費生活啓発や教育活動を積極的
に行います。
●計画事業
1 相談・斡旋等事業
・相談者に対して迅速かつ適切な助言・救済を行い、関係機関と連携しながら被害
を最小限に止めるよう努力します。
2 消費生活啓発事業
・未然に詐欺被害や消費者トラブルを防げるよう、消費生活啓発活動を関係機関と
連携し積極的に行います。
3 消費者教育事業
・学校等教育機関と協力し、消費者教育を推進し、事故やトラブルに合わないよう教
育活動を行うとともに消費者であることの理解を深める活動を行います。
●数値目標
消費生活啓発活動・消費者教育を合わせて年間20回以上実施し、消費トラブルや詐欺など
の被害の未然防止を図る。
【現状と課題】
消費者契約に係るトラブルは、巧妙化・複雑化・多様化しています。それに伴い、
消費者と事業者間の情報量や交渉力の格差がより広がり、年代を問わず被害が発生し
ています。また、高齢者や障害者などの孤独感に乗じた深刻な被害が発生しています。
これらは情報を伝え、互いに見守りあえる環境を整えることで、早期発見・救済、未
然防止に繋げることが出来ます。
81
住民課 内子総合窓口センター
5 行政手続き等サービス向上
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
行政手続きの際の満足度を高めるため、正確、迅速、適正な業務に努めます。また、
接遇態度に注意し、迅速なサービス提供を行います。
あわせて、施設の環境改善に努めます。
●計画事業
1 受付業務
・正確かつ迅速な手続き業務を推進します。
・手続き漏れを防止します。
・移動の際の関連業務への適切かつ親切な案内をします。
2 戸籍業務
・戸籍に関する相談への対応を充実させます。
・届出の受理を適正、迅速に行うため知識を習得します。
3 国民年金業務
・資格取得、未加入期間及び保険料未納期間を防ぐための適切な指導を行います。
4 国民健康保険業務
・資格管理の徹底、高額療養費の貸付業務をします。
5 老人保健業務
・医療費の抑制をめざし、健診の重要性を町民に訴えるとともに、後期高齢者医療
制の定着をはかります。
6 エコオフィスづくり(庁舎管理業務)
・エコオフィスという視点からの庁舎内外の環境整備を進めます。
【現状と課題】
各種制度の理解のための自主学習(部署内学習会)等を実施しています。
窓口において、職員の誰もが対応できる体制を模索していますが、戸籍や税などは専門
的な知識が必要で、人材育成が大きな課題となっています。
来庁する住民数
(1日平均、H25 年)
約80名程度
82
税務課は、こんな仕事をします
―前期計画に対する税務課の方針―
町は、住民の「健康で豊かな生活」を実現するために、日々い
ろいろな仕事をしています。そして、町がこれらの仕事をするた
めには、多くの費用を必要とします。
1.税金は、わたしたちの暮らしと深く結びついており、大切な
ものです。適正な課税はもちろん、公正・公平に税を徴収す
るため、愛媛地方税滞納整理機構と連携し、滞納整理の強化
に努めます。
2.公債権(保育料、介護保険料、後期高齢者医療保険料他)の
管理について関係各課と連携し、適正な回収に取り組みます。
83
税務課
1 収納率の向上
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
自主納付の推進・・・納税本来の姿である自主納税を推進します。
滞納整理の強化・・・納税者の公平性の観点から、積極的かつ徹底した滞納整理を
進めます。
●取り組み
1 現年分の徴収強化(新規滞納者の抑止)
・電話や文書による早期納付勧奨と催告を行います。
・滞納整理の速やかな着手を徹底します。
2 滞納繰越分の圧縮
・財産調査と滞納処分を強化します。
3 納税環境の整備
・口座振替の加入を促進します。 (H27, 66.0% → H31, 70.0%)
4 課税客体の正確な把握
・居住不明者の実態調査を行います。
・税務調査と申告を指導します。
●数値目標
徴収率
(住民税・固定資産税・ 軽自動車税・たばこ税) (国民健康保険税)
H27年度
97.4%
H27年度
87.0%
H28年度
97.5%
H28年度
87.2%
H29年度
97.6%
H29年度
87.5%
H30 年度
97.7%
H30 年度
87.8%
H31 年度
97.8%
H31 年度
88..0%
【現状と課題】
地方財政は、長引く不況によって税収が伸び悩んでいます。景気対策や少子高齢化に
よる福祉対策の必要性から、支出が年々増大しています。特に当町においては、国民健
康保険税の滞納が依然として厳しい現状です。このため、徴収体制の強化整備を行うと
ともに、納税者への納税推進のPRによる収納率向上が課題です。
84
税務課
2 町債権管理対策
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
本町が保有する税以外の債権の徴収業務を強化することによって、さらなる収納率
の向上をめざし、納付者負担の公平性と財源を確保します。
●計画事業
1 債権の適正な管理
・債権管理は、時間の経過や状況の変化に合わせて、適正に行います。
2 法的措置等対応の強化
・強制徴収可能な債権は、悪質な滞納者を中心に差押を実施します。
3 数値目標の設定による収入率の向上
・各債権所管課は、収納実績を向上させるため、数値目標を設定し、目標達成に努
めます。
4 個人情報の保護及び滞納情報の共有
・町民の個人情報を取り扱う業務であることから、情報の保護に留意しつつ、庁内
での積極的な情報の共有をはかります。
5 人材の育成
・各所団体が主催する研修会等に積極的に参加をして、スキルアップをはかります。
6 体制の整備
・組織機構の改革、原課における滞納処分の実施、
「
(仮称)町債権滞納整理推進本
部」の設置に取り組みます。
【現状と課題】
町税をはじめとする債権の滞納額は減少傾向にありますが、債権管理のさらなる適正
化に向けた課題は、以下のとおりです。
保育料
5,093 千円
1 処理基準が統一されていない
介護保険料
10,454 千円
それぞれの原課において債権を管理していま
568 千円
すが、債権管理を行うため全庁的な基準があり 後期高齢者
ません。
下水道料
191 千円
2 債権回収のノウハウが不十分
住宅使用料
10,953 千円
多くの職員が他業務を兼任しながら債権回収 簡易水道料
101 千円
等を行なっているため、債権管理のための時間
が不足しています。また、回収手段のレベルも上がらず、そのノウハウも蓄積されて
いません。
そのため、債権管理・回収等をより効率的に実施するための組織的対応が必要です。
85
保健福祉課は、こんな仕事をします
―前期計画に対する保健福祉課の方針―
すべての住民が住み慣れた地域で、いつまでも健康で安心して
暮らすことができるよう保健・福祉・介護・医療の連携のとれた施
策を推進していきます。
1.障がい者が自立した日常生活・社会生活をするための相談・就
労支援の充実、子ども達が夢と希望を持って育つ地域社会づく
り、及び安心して子育てが出来る制度確立・環境整備・医療費
助成制度拡充等を行います。
2.高齢者が在宅で自立した生活を送れるよう予防介護を中心とし
た各種サービスの提供、災害時における避難行動要支援の仕組
みを整備していきます。
3.地域医療分野においては、地域における医療環境の充実や、そ
れぞれのライフステージに対応した生涯にわたる健康づくりを
めざします。
86
保健福祉課
1 児童福祉行政の推進
【前期計画】(平成27年度~31年度)
●基本方針
子どもたちは将来を担う宝であり希望です。豊かな自然環境やコミュニティを生か
し、子育て支援の充実をはかり、子育ての楽しさを実感できる環境と、子どもの育ち
や子育てを地域全体で支えあるネットワークづくりを推進していきます。
●計画事業
1 子ども医療費助成制度の拡充
★
・子育て世帯の医療費の助成制度である乳幼児医療費助成制度を、中学生の入院まで拡充し
ます。
2 大瀬保育園の施設整備
・老朽化している保育園を平成29年度に整備します。
3 放課後児童クラブの拡充・子ども教室の支援
★
・放課後児童クラブの対象児童を小学6年生まで拡充することを検討し、小田地区・大瀬地
区の子ども教室設置を支援します。
4 いのちの授業 ★
・中学生に赤ちゃんとその母親のふれあう機会を提供し、命の大切さを学び子どもを持ち育
てていくことの意義を考えるきっかけをつくります。
5 子育てコンシェルジュ(子育て支援センター)★
・子育て相談、親子教室、保育園等への入園相談、ベービーシッターの紹介など子育て支援
を行います。
6 子ども・子育て支援新制度により保育園サービスの拡充
★
・新制度では、保育園の開所を月曜から土曜の11時間となり、保育園と幼稚園の併用が可
能となります。保護者が安心して働きやすい環境づくりを提供します。
7 児童虐待・DV関係の相談・対応
【現状と課題】
子どもの数は、少子化や晩婚化等のため年々減少しています。その中でも、両親共
働き世帯は増加し、低年齢児の保育需要が高まっています。親が求める子育て環境が
多様化する中、子育てしやすい環境が強く求められています。
親が安心安全な環境で子育てができ、子育てしやすい環境づくりをしていくことが、
町の重要な課題です。
87
保健福祉課
2 高齢者福祉事業の推進
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
高齢者福祉支援事業や在宅福祉事業の充実をはかるとともに、高齢者、障がい者など
生活弱者に対するコミュニケーション・システムの構築や買い物弱者に対する支援シス
テムづくりを引き続き推進します。
●計画事業
1 高齢者福祉支援事業
・高齢者福祉団体と連携し、ボランティア活動や高齢者の生きがい活動を進めます。
2
在宅福祉事業
・生きがい活動、緊急通報体制を進め、見守り体制を確立します。
3
地域支え合い体制づくりの推進
・買い物弱者への支援活動を行います。
・高齢者等の徘徊、孤独死などの見守りネットワークを構築します。
4
避難行動要支援者名簿の作成
・避難行動要支援者の避難支援、安否の確認など災害から保護するための基礎となる
名簿を作成します。
【現状と課題】
少子高齢化の進行にともなって、高齢者等生活弱者対策として地域による支援体制を充
実させることが益々重要となっています。
高齢者等が健康で元気に、住みよい地域にするために、福祉施設やコミュニケーション・
システムを再検討する必要があります。
88
保健福祉課
3 障がい者福祉
【前期計画】
(平成 27 年度~31 年度)
●基本方針
障がい者が地域の中で自立した日常生活・社会生活を送れるよう必要なサービスの充実
をはかります。また障がい者の自立と社会参加にむけた施策を推進します。
そのため、「内子町障がい者福祉計画」(第4期)に沿って施策を推進し、障害者総合
支援法に規定される相談事業および自立支援協議会を充実します。
●計画事業
1 障がい者自立支援給付事業
・介護給付事業、訓練給付事業、自立支援医療、ほ装具補助などを進めます。
2 障がい者地域生活支援事業
・コミュニケーション支援事業、日常生活用具の給付または貸与、移動支援事業、訪
問入浴サービス、日常生活または社会生活支援事業を進めます。
3 相談支援事業の強化(窓口の明確化)
・総合的な相談支援、権利擁護、障がい者虐待防止、地域関係機関のネットワーク化
で包括的な相談支援を強化します。
4 地域活動支援センターかいとの利用促進
・障がい者の相談支援や社会参加の場としての役割を強化します。
【現状と課題】
社会構造の複雑化、高齢化にともない身体障がい者、心身障がい者、精神障がい者の
増加が顕著です。また「難病患者」
(法令で定める 130 疾患)も障害福祉サービスの対
象者です。
障がい者のニーズは、障がいの種別や重さ、障がい者の置かれている環境でさまざま
です。これらのニーズを充足していくために、相談支援を充実させる必要があります。
また障がい者だけの世帯の増加等もあり、権利擁護や福祉サービスにつなげるための仕
組みが必要です。
89
保健福祉課
4 介護保険事業
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据え、高齢者が住み慣れた地域
で安心した生活が送れるよう、地域ぐるみの健康づくり、介護予防の推進、適切
な介護サービスの提供など地域包括ケアを推進します。
●計画事業
1 介護保険事業の推進
・高齢者が安心して生活できるよう、要介護状態の軽減、適切な介護サービス
が提供できる体制づくりを推進します。
・要介護状態等の軽減又は悪化防止のための良質なサービスが提供されるよう
介護サービス事業者等のサービスの質の確保・向上を図るよう推進します。
・新しい介護予防、日常生活支援事業の実施により高齢者が必要な支援を受け
ながら自立した生活が送れる体制をつくります。
2 地域包括ケアの推進
・医療、介護の連携強化を図り、退院から在宅へ切れ目のない支援ができるよ
う取り組みます。
・地域のネットワークを強化し、地域課題やニーズを把握するための地域ケア
会議を行います。
3 認知症対策の推進
・認知症になってもできる限り住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる体
制づくりに取り組みます。
●数値目標
・認知症支援推進員の養成(平成31年までに5名)
・認知症サポーターの養成(平成31年までに新規200名)
・地域ケア会議の開催
(年間6回の開催)
【現状と課題】
人口の将来推計
単位:人
団塊の世代が後期高齢者となる 2025 年に
総人口
高齢者 認 定 者
は高齢化率は 42%を越えると見込まれます。
人口
数
また、ひとり暮らしの高齢者、高齢者のみの H27 17,524 6,465 1,338
世帯も増加しています。高齢者が要介護状態 H28 17,232 6,479 1,354
にならず、自立した生活を継続していくため H29 16,934 6,467 1,389
にも介護予防の推進と認知症対策、高齢者の H32 16,007 6,330 1,394
見守り体制の充実が重要です。
H37 14,464 6,011 1,326
また、介護保険法の改正によりサービスの
一部を従来の予防給付から地域支援事業に移行します。関係者のネットワークや既
存の取り組み、組織を活用し生活支援サービスの提供体制の構築が必要です。
90
保健福祉課
5 健康増進事業
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
町民一人ひとりが健康で自立した生活が送れるよう、地域における予防医療事業、各
種保健事業を展開します。特に、日頃から「自分の健康は自分で守る」という自覚と実
践を基本とし、より健康で充実した生活を送ることができる基盤を整えるため、それぞ
れのライフステージに応じた、生涯にわたる健康つくりを支援します。
●計画事業
1 子どもの健やかな発達及び育児支援
・不妊治療費助成事業(こうのとり事業★)の創設や、新生児訪問 100%実施により
個別課題を把握、乳児健診・育児相談等、的確な支援を行います。
2 特定健診・各種検診の受診促進と保健指導の充実強化
・メタボ健診の受診促進、各種検診の受診促進で生活習慣の改善や健康増進を進めます。
3 精神保健に関するボランティア育成及び地域自殺対策事業の推進
・自殺予防のために、原因の一つとされるうつ病に焦点をあてた精神保健事業を展開し、
心のバリアフリー、支え合う地域づくりをめざします。
4 食育計画の推進
・内子町食育計画に基づき、全てのライフステージでの食に関する的確な支援を行いま
す。
●数値目標
・新生児訪問の全戸訪問継続・特定健診受診率 H26 年度 27.3%→35%
・特定保健指導 H26 年度 62%→70%
・各種検診受診率対 H24年度比 5 ポイント増(H24年度実績 胃がん 12.4% 大腸が
ん 24.2% 肺がん 21.6% 前立腺がん 15.2% 子宮頸がん 18.9% 乳がん 26.9%)
【現状と課題】
出生は H25年に 99 人、死亡は 299 人と、人口の自然減が続いています。合計特殊出
生率(ベイズ推計値)は 1.56 と、全国(1.38)や県(1.5)をやや上回っています。
1歳 6 ヶ月児健診は受診率 97.2%、未受診者については訪問等で全数把握しています。
特定健診は H23―28.5%、H24―27.5%、H25―29.1%と伸び悩んでいます。メタ
ボの出現率は予備軍を合わせ、男性が 40.8%、女性が 15.8%であり、生活習慣の改善が
大きな課題です。
標準化死亡比は男性 103.2、女性 98.3 と、男性が 100 を上回っています。死因では
悪性新生物が 22.0%と県全体に比して 4.7 ポイント低く、がん検診では子宮頸がん検診
が県平均を下回っていますが、他の各種検診は県全体を 2.4 から 8.4 ポイント上回ってい
ます。近年は受診率が伸び悩んでいる状況です。
91
保健福祉課
7 地域医療体制の確立
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
地域の医療体制の維持強化をはかり、医療と保健、福祉の密接な連携体制を構築する
ことにで、町民の皆さんが地域で安心して暮らせる環境をつくります。
●計画事業
1 効率的な医療を提供するため、医療拠点となる病院と町内診療所の機能分担と連携
強化に取り組みます。
①病院や診療所との連携強化をはかる協議会や懇談会の組織化を進めます。
②地域住民と医療機関の相互理解を深める地域懇談会を開催します。
2.愛媛大学「寄附講座」の成果を有効活用し、地域医療や保健事業の体制強化をめざ
します。
①「寄附講座」と病院・診療所の連携強化をはかる意見交換会や勉強会を開催します。
②「寄附講座」教授による町保健・介護事業への助言指導体制を確立します。
③地域健康教室の小田全域開催と、内子、五十崎地域での開催に取り組みます。
3.大洲喜多地区の救急医療体制の維持・充実をはかります。
①喜多医師会、大洲市、県など関係機関との連携を強め、二次救急医療体制の維持強化
をはかります。
②かかりつけ医や急患センター、二次救急医療機関それぞれの機能に応じた受診となる
よう、啓発活動を展開します。
【現状と課題】
町内に病院が消滅したことを受け、病院の設置を最重要政策とした事業展開し、加戸病
院の誘致事業を完了しました。同病院は内子町での開院 10 年を目標に、社会医療法人化
をめざしています。
地域では今後さらに高齢化が進行すると予測されます。山間地域における地域医療のあ
り方が課題です。医師不足や、それに端を発する経営悪化で疲弊する医療体制の中で、効
率的な医療を提供するためには、医療機関相互の連携や機能分担、医療機関と地域住民と
の連携に対する行政の積極的関与が求められます。特に過疎化と高齢化が進行する小田地
域における医療体制の維持継続に注力する必要があります。
地域の医療資源
病院
有床診療所
無床診療所
1 (病床数 88 床)
1 (病床数 19 床)
11
92
保健福祉課 プロジェクト 10 事業
保健福祉課は、プロジェクト に掲げられている事業のうち、以下の事業を
担当します。
(これらは計画の中では★印をつけてあります。
)
子育て応援プロジェクト
(1)子ども医療費助成制度の拡充
(2)放課後児童クラブの拡充・子ども教室の支援
(3)いのちの授業
(4)子育てコンシェルジュ(子育て支援センター)
(5)子ども・子育て支援新制度により保育園サービスの拡充
(6)子ども手当の適切な支給
(7)不妊治療費助成事業(こうのとり事業)の創設
93
産業振興課は、こんな仕事をします
―前期計画に対する産業振興課の方針―
【農業】
農業は内子町の要となる産業です。安全安心な農産物の安定供
給と高付加価値型農業の推進に努めます。また、農産物流通・加
工・販売分野を総合産業と位置づけ、町内外への情報発信に努め、
農林産物売上高35億円をめざすため、攻めの農業を展開します。
1.高齢化や規模縮小によって減少傾向にある農業の担い手対策
として、法人化やIターン者等の就農支援を行い、中核的農
家の育成・確保に努めます。
2.農地の有効利用の継続や農業経営の効率化を進めるため、地
域の農地利用の再編が必要です。農地中間管理事業等を有効
的に利用し、担い手への農地集積・集約化を進めます。
3.基幹作物である落葉果樹等の品質向上のため、雨よけ施設や
ハウス栽培など施設整備への助成を充実させるとともに、え
ひめAI-1や竹チップ等の活用、技術指導支援により優良
な農作物を作り、地産地消の促進に努めます。
4.高齢化・集落機能の低下によって、農地や農業施設の適切な
保全管理が困難となっています。多面的機能支払交付金、中
山間地域等直接支払制度、経営所得安定対策を活用した、地
域ぐるみの共同活動を支援し、耕作放棄地の拡大を抑止する
とともに、農村景観保全に努めます。
94
5.農産物のトレーサビリティ・システムによって、安全性を確
保し、顧客満足度の追求や品質向上を図り、特別栽培農産物
の普及拡大を進め、青系ブドウをはじめ、内子のブランドイメ
ージを確立します。
6.空きオフィスや空き家、廃校舎を活用したクリエイティブ産
業の小規模事業者の誘致、個人の移住に力を入れます。また、
新事業展開のための支援策も拡充していきます。
7.内子産品の販路開拓、伝統工芸品や町産材のPR、観光客誘
致等を図り、人的・物的交流、情報発信に努め、町内企業等
と連携し国内外へのエリア拡大に取り組みます。
【林業】
内子町の面積の7割以上を森林が占めています。広大な森林の
整備を積極的に展開し、人工林を含む森全体を活かした地域経済
の活性化に取り組むとともに、森の持つ多面的機能の保全向上を
はかります。
1.計画的な森林整備と林業経営の確立をめざし、低コスト施業
や集約化施業を推進します。
2.木材の多様な利用方法を研究しながら、町産材の需要拡大を
進め、個人住宅、公共施設等への積極的な木材利用を推進し
ます。
3.林地残材等を活用した木質バイオマスの収集システムを確立
し、町産材を活かした新たな産業やビジネスの展開を支援し
95
ます。
4.イノシシ等の有害鳥獣を駆除し、農林産物の被害軽減に取り
組みます。
96
産業振興課
1 農業・農村の有する多面的機能の維持・発揮
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
農村が持つ多面的機能を維持し、一層発揮するため、地域資源の基礎的保全活動や
多面的機能の増進活動を推進するとともに、傾斜地における生産格差是正のため、中
山間地域等直接支払交付金を活用し、集落営農の改善と所得補償を行います。
また、経営所得安定対策および水田活用の直接支払交付金を推進し、水田農業にお
ける農家の所得向上をめざすとともに、平成30年に予定される米の生産調整の大幅
な見直しを見据え、農業団体等との相互協力を継続します。
●計画事業
1 多面的機能支払交付金活動組織への支援・指導・拡充(26 組織・対象農用地 76,447a)
2 中山間地域等直接支払集落協定への支援・指導・拡充(74 集落・対象農用地 81,949a)
3 経営所得安定対策および水田活用の直接支払交付金の推進
4 米の生産調整の推進
●数値目標
多面的機能支払交付金
中山間地域等直接支払交付金
水田活用直接支払交付金
H27年度
26,594 千円
H27年度
74,430 千円
H27年度
4,600 千円
H28年度
26,594 千円
H28年度
74,430 千円
H28年度
4,600 千円
H29年度
27,000 千円
H29年度
74,430 千円
H29年度
4,650 千円
H30 年度
27,000 千円
H30 年度
74,430 千円
H30 年度
4,650 千円
H31 年度
27,500 千円
H31 年度
74,430 千円
H31 年度
4,680 千円
【現状と課題】
農地・農業用水等の資源は、地域の共同活動によって保全管理されてきましたが、集
落機能の低下で適切な保全管理が困難となっています。この課題解決のため、農業者を
中心に集落営農組織、自治会、地域づくり団体等多様な組織の参加を促しながら、集落
総ぐるみで取り組む保全管理体制を構築する必要があります。
また、傾斜地においては平地と比べ生産コストが高く、厳しい現状がありますが、所
得補償だけではなく、環境整備や施設整備に加え交付金を資本にした地場産業など、現
状の農業経営の改善が必要です。
経営所得安定対等は、農業者自身が主体的な経営判断により参加・不参加を選択する
ものですが、参加者は微減傾向にあります。今後は認定農業者等への支援が強化される
ことから、担い手協議会等との連携をはかります。また米の生産調整は毎年達成してい
ますが、農業者の高齢化等による作付面積減少が見られます。酒米など非主食用米の生
産に取り組むほか、農業団体等関係機関との情報共有や相互協力が求められています。
97
産業振興課
2 新規作物への転換
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
耕作放棄地や放任園の拡大傾向に加え、鳥獣害被害が増える中、たばこの廃作に伴
う経営転換作物を、野菜、果樹、土地利用型作物、薬草の契約栽培を中心として、新
規作物への転換・普及に努めてきました。
平成22年度から「産地収益力向上支援事業」を実施し、落葉果樹(梨・ぶどう)
の新技術導入等による収益力向上の実証を行ってきましたが、今後はこれらの成果を
踏まえ、栽培面積を拡大するとともに、農業用施設等の助成制度を拡充し、生産体制
の強化を図るとともに、重点作物を設定し支援を行い農産物販売額の増加に努めます。
●計画事業
●数値目標
1 ぶどう新品種の推進
・高収益の見込める青系ぶどうを推
計画面積
新規作物
備 考
進めます。
H27
H28
H29
H30
2 高度技術導入
500a
550a
600a
700a 一部加工
・梨のジョイント栽培技術の普及を じゃばら
青系ブドウ
500a
550a
600a
700a 産地化を推進
します。
50a
50a
50a
50a 麺、パン加工
・カキ・モモ等他の落葉果樹に応用 モチムギ
柿(加工品)
50a
100a
150a
200a カキ酢加工
します。
3 加工作物の推奨
薬
草
30a
200a
400a
500a 産地化を推進
・内子町農畜産物加工施設を活用し、 ナ シ
20a
30a
50a
60a ジョイント
加工作物の栽培を進めます。
4 地産地消の普及定着
・ 「内子フレッシュパークからり」を中心に、トレーサビリティの推進や化学肥料・
・ 化学合成農薬低減の取り組みなどを町民に積極的にアピールします。
【現状と課題】
町内の耕地面積は、1,990ha で、平坦地での水稲、野菜、中山間地での落葉果樹、葉
たばこ等の複合経営が行われて来ました。たばこ廃作跡地へは、野菜(きゅうり、すい
か、はくさい、かぼちゃ、モロッコインゲン)
、果樹(キウイフルーツ、柿、栗、ぶどう)
、
土地利用型作物(麦、ソバ)
、契約栽培品目(薬草、ケール)等を中心に、経営転換作物
を推進しています。
今後は廃作跡地での生育状況を分析すると共に、えひめAI-1や竹チップ等の実証
も踏まえ、適地適作による収量増加に努めます。
98
産業振興課
3 担い手の育成と確保
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
内子町の農業の将来を支える認定農業者の確保と、新 た な 農 業 後 継 者 と し て 認
定 新 規 就 農 者 の 育 成・支 援 を 進 め 、地 場 産 業 の 活 性 化 及 び 定 住 者 の 増 加 を
めざします。
●計画事業
1 就農相談窓口を農村支援センターに置き、大洲農業指導班等関係機関と連携して、
就農支援にあたります。
2 Iターン者等に対しては、新規就農者研修滞在施設の機能を活用して、営農指導と
先進的農家での研修、青年就農給付金等の助成制度及び内子町独自の支援制度を創設
するとともに、地元農家との交流を促進し、就農に向けての支援を行います。
3 経営基盤の充実を志向する農業者や集落営農組織に対して、法人化に向けた相談
数値目標
や情報提供、支援を行います。
●数値目標
・首都圏での就農相談の機会を積極的に活用
し、1人でも多くの新規就農者を発掘しま
す。
年 度
認定農業者
H27 年度
251 人(17)
認定新規
就農者
7人
H28 年度
255 人(20)
8人
H29 年度
260 人(25)
9人
H30 年度
265 人(30)
10 人
H31 年度
270 人(35)
11 人
( )内は内数で法人数
【現状と課題】
認定農業者については、全国的に減少傾向に転じています。認定計画更新時に再認定
を促しても、高齢化や経営規模縮小の理由で再認定の申請をしない農家もいます。今後
は、掘り起こしにも重点を置きながら認定農業者の確保に努め、認定農業者協議会への
積極的な参加を進めます。
後継者やIターン者等に対しては、認定新規就農者への誘導を念頭に置いて、担い手
の育成・確保に努める必要があります。平成24年度から始まった国の青年就農給付金
は、平成25年度から新規就農・経営継承総合支援事業と名称を変更し実施されていま
す。これらの制度を組み合わせ、新規就農者の支援を行い、技術的指導と併せて、町内
での新規就農者間のネットワーク構築に努めます。
また、町内 11 地域の地域農業マスタープランに、5 年後の経営内容や規模の目標値
を定め、地域の担い手を位置づけています。新規就農者については、積極的にプランに位
置付けられるよう、集落への働きかけ等、行政側も支援していく必要があります。
99
産業振興課
4 担い手への農地集積・経営基盤整備の支援
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
農地の有効利用の継続や農業経営の効率化を進めるため、地域の農地利用の再編が
必要です。農地中間管理事業等を有効的に利用し、担い手への農地集積・集約化を進
めます。
人・農地プランにおける中心的な経営体など、地域の担い手の生産基盤を強化し、
効率的・安定的な経営体を育成します。
●計画事業
1.農地中間管理事業の推進
農地中間管理事業を有効に活用し、農地の有効利用の継続や、農業経営の効率化を
進めるため、集落営農組織、農業生産法人等の担い手へ農地利用の集積・集約化を進
めます。
2.農 業 経 営 基 盤 整 備 の 推 進
認定農業者等、担い手の安定した経営基盤を構築するため、農業機械等の整備に係る
支援を進めます。
●数値目標
年
度
H27年度
担い手への農地集積面積
96ha
H28年度
H29年度
H30 年度
H31 年度
100ha
102ha
105ha
107ha
【現状と課題】
平成24年度に策定した「人・農地プラン」の作成プロセスで「信頼できる農地の
中間的受け皿」の必要性が再認識されました。人・農地問題の解決を進めるためには、
担い手への農地集積が最重要課題です。耕作放棄地の解消、青年等の就農促進策の強
化、農業法人に対する投資の円滑化をはかるため、農地中間管理事業等を有効的に利
用し、集落営農組織、農業生産法人を中心とした担い手への農地集積を進めていく必
要があります。
100
産業振興課
5 からりの発展・支援
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
地元に根ざした経営体制を踏襲しながらも、顧客満足の追求や品質向上、自立
する経営が行えるよう、連携・支援をはかります。
●計画事業
1 からりブランドの確立
・農作物のトレーサビリティ・システムで安全性を確保し、それを基礎に「からり
ブランド」を確立します。
2 直売所機能の充実
・独自のIT技術を活用し効率化を図るとともに出荷者の高齢化に対応した集荷シ
ステムをつくります。
3 地産地消型レストラン
・地域食材を使った料理や伝統料理を提供することで地産地消を進めます。
4 農産加工品の充実
・6次産業化や農商工連携事業を活用し、内子産農畜産物を使用した加工品の品質
向上と開発を行います。
5 やすらぎ空間の創出
・施設内の美化や休憩施設の充実、農産加工体験等の受け入れによって来場者にや
すらぎ空間を提供します。
【現状と課題】
販売実績の推移
(単位:千円)
内子フレッシュパークからりは、創立以来
部 門
H23年度 H24年度 H25年度
順調に売上を伸ばしており、平成 25 年度の
直売所
427,465
436,114 405,065
販売額は約6億9千万円でした。
レストラン
78,775
77,618
72,516
近年は、競合施設の台頭や新たな道の駅の
34,066
40,982
42,154
開設等によって物直売所部門、レストラン部 シャーベット
パン工房
59,905
66,293
門が停滞しています。
67,461
同社では、直売所に軸足を置きつつ、加工 燻製工房
35,135
40,248
43,467
品製造に徐々に経営資源を傾注しており、シ
あぐり
32,893
34,115
31,651
ャーベット・パン・燻製工房、農産加工部門
農産加工
24,577
26,901
26,620
が販売額を伸ばしています。
合 計
692,816
722,271 688,934
入込客の増加をはかるため出荷量の確保や
施設の充実、接遇、他の施設の連携等につい
出典:
(株)内子フレッシュパークからり事業報告
て経営革新計画を策定し計画的に実践します。
書
101
産業振興課
6 攻めの農業を展開するための基盤整備の実施
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
県営土地改良事業の実施により、用水整備と老朽化した農業水利施設の更新(長寿命化)
の基盤整備事業を実施します。
●計画事業
1 『県営中山間地域総合整備事業(内子地区)
』の実施【平成 26~32 年度】
・農業用用排水施設整備事業 5工区
(門松・大登・230高地・下高屋・カナンボウ池)
・ほ場整備事業
1工区(富長)
・農道整備事業
1工区(椎ノ木)
・営農飲雑用水施設整備事業 1工区(満穂)
2 『県営農業水利施設保全合理化事業(龍宮堰地区)の実施【平成 27~29 年度】
●数値目標(予定事業費)
県営中山間地域総合整備事業
県営農業水利施設保全合理化事業
H27年度
80,000 千円
H27年度
30,000 千円
H28年度
110,000 千円
H28年度
60,000 千円
H29年度
220,000 千円
H29年度
60,000 千円
H30 年度
272,000 千円
H31 年度
150,000 千円
【現状と課題】
近年の葉たばこ大量廃作により、国営農地開発事業等で造成した優良農地等の耕作放棄
が懸念され、葉たばこから他の作物への転作が急務となっており、その為の用水施設の整
備が不可欠な状況です。
葉たばこ以外の農地では、頭首工・ため池・揚水機やパイプラインなどの農業水利施設
の老朽化が著しく、維持管理が農業後継者の大きな負担となっており、新規作物への転換
や担い手の確保の大きな支障となっています。さらには、高齢化による担い手の減少も伴
って、農業・農地の維持が極めて厳しい状況です。
また、農業水利施設の、降雨に対する洪水調整機能がある頭首工・貯水機能のため池の
老朽化が進んでおり、今後集中豪雨や大地震による被害が考えられ、その被害がもたらす、
下流域の農地や家屋に対する二次被害が懸念されています。
102
産業振興課
7 森林整備事業
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
森林の健全育成と保全のため、国が打ち出した『森林・林業再生プラン』に基づき、
内子町森林組合や林業事業体と連携をとって、さらなる集約化施業を推進し、低コス
トで計画的な施業計画を策定します。木材価格の安定化を支援し、町産材の安定供給
を進め、町内における森林整備を実施します。
●計画事業
1 森林環境保全直接支援事業及び町単独事業による森林整備の促進
2 森林経営計画の策定の支援と推進 ★
●数値目標
森林経営計画面積
H27年度
H28年度
H29年度
300ha
300ha
400ha
H30 年度
H31 年度
500ha
600ha
間伐され整備された森林
【現状と課題】
不在村地主の増加、林業従事者の高齢化等により、森林整備は思うように進まない
のが現状です。森林の持つ多面的機能を十分に発揮できない森林が増加しています。
併せて、長期にわたる木材価格の低迷により、木材の出荷意欲は低く、安定供給がで
きていません。製材をはじめとする2次産業では外国産材が占める割合が大きく、国
産材の需要が低下する悪循環に陥っています。
このような中、森林組合と町内の林業事業体が連携し、森林所有者の同意を得て、
集約化することで低コスト施業をより一層進めることが必要です。既に伐期を過ぎて
いる山林や管理不足の山林は、木材の出荷に対する助成を行い、高品質材から低品質
材まで、木材の安定供給のための仕組みづくりが必要です。
また、広葉樹(クヌギ・ナラ)や竹林についても整備を進め、椎茸原木や薪、タケノコや
炭などあらゆる活用方法を検討し、特用林産物の消費拡大に繋げていかなければなり
ません。山林の特徴を活かしながら、どのように町内の山林をデザインしていくかが
今後の課題です。
103
産業振興課
8 木材活用による森業の振興
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
内子町産材利用住宅補助目標数
●基本方針
町産材を使った個人住宅建設の際の補助や、従来、
H27年度
7件
山に放置していた未利用材を搬出し木質バイオマス
H28年度
7件
への利用、木材を使用した新たな産業の展開を支援す
H29年度
10件
るなど、地元産木材の需要拡大に取り組みます。
H30年度
10件
H31年度
12件
●計画事業
1 内子町産材利用木造住宅の建築促進事業補助金(町単独)の利用促進 ★
2 公共施設の建設や改修等におけるCLT等、新技術の利用研究及び促進 ★
3 森業振興に係る産業の支援や6次産業をめざした新たなビジネスの創出 ★
4 木質バイオマスの普及拡大と未利用材の搬出・利活用支援
町産材を活用し建設された小田小中学校
【現状と課題】
久万林業の影響を大きく受けた小田地区には、枝打ち材・桁丸太・銘木(床柱等)
等に利用できる優良材がまだ豊富に残っています。これらの優良材を最大限に生かし、
木造住宅建築を推進することで、地域産材の需要拡大、地元の建築関係業者(工務店、
左官、電気・水道、建具、板金)等の活性化につなげることが期待されています。し
かし、長引く不況の影響に加え、消費税増が追い打ちし、住宅の建築数は思うほど増
えていないのが現状です。また、地域材の利用は公共建築物や住宅建築だけでなく、
あらゆる木工製品、資材等に活かし、搬出された材を加工・製造・流通までのしくみ
づくりにも今後チャレンジしていく必要があります。
同時に搬出しても価格や利用価値が低く、そのまま山に放置されているいわゆる『林
地残材』については、今後木質バイオマスや二次利用品として新たな用途の研究も必
要です。
104
産業振興課
9 鳥獣害対策
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
町内全体で発生している有害鳥獣による農作物の被害を防止・減少させるため、引き
続き捕獲体制の維持をはかるとともに、地域における被害防止対策を行い、有害鳥獣を
近づけない環境整備を進めます。
●計画事業
1 鳥獣害防止施設整備
2 狩猟免許取得者の減少の歯止め
3 耕作放棄地対策
イノシシによる被害
●数値目標
有害鳥獣目標捕獲数 内山猟友会・会員数
年度/種類
カラス
イノシシ
ニホンジカ
会員数
H27年度
130
800
20
200
H28年度
130
800
20
200
H29年度
130
800
20
200
H30 年度
130
800
20
200
H31 年度
130
800
20
200
【現状と課題】
鳥獣被害対策は、猟友会による捕獲や集落や個々の農地での防護柵の設置等の対策を講
じてきましたが、まだまだ町内全体に大きな被害をもたらしています。農業者の生産意欲
を減退させ、耕作放棄地の拡大につながる原因になっています。
平成 24 年度から地域ぐるみでの防護柵の設置事業を行っており、被害低減効果が出て
います。引き続き広域的な防護柵の設置を推進するともに、研修会の開催等を通じて農業
者や地域住民の被害防止の知識の普及によって地域が一体となった被害防止対策を進めて
いくことが必要です。
また、捕獲体制は猟友会員の高齢化で狩猟者が減少し、捕獲活動意欲の低下が課題です。
農業従事者を中心に狩猟免許の取得を奨励し、自ら対策を講じることができる農業者の育
成が必要です。
105
産業振興課
10 創業・起業の支援
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
愛媛県と協力・連携して企業誘致の促進を努めているが、製造業等の工場の立地適地
が少ないことから、空きオフィスや空き家、廃校舎を活用した、クリエイティブ事業を
営む小規模事業者の誘致や個人の移住にも力を入れて取り組みます。
また、新事業展開のための支援策も拡充していきます。
●計画事業
1 クリエイティブ産業の誘致促進
2 創業・起業の支援拡充
3 首長のトップセールス
4 愛媛県が主催する、えひめ産業立地フェア及び東京・大阪ブランチネットワーク等
への参加
●数値目標
廃校舎
誘致活動計画
H27 年度
H28 年度
H29 年度
H30 年度
H31 年度
5回
7回
9回
10 回
15 回
【現状と課題】
全国的に企業を誘致することはハードルが高いのが現状です。工業用地の確保が困難で
あり、エコロジータウンうちこにふさわしく空きオフィス等を利活用したクリエイティブ
産業の誘致が課題です。そのためには首長のトップセールスを含め、あらゆる機会を捉え
て誘致のための PR 活動に取り組む必要があります。
106
産業振興課
11 内子産品の販路開拓
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
内子産品の販路開拓、伝統工芸品や町産材のPR、観光客誘致等を図り、人的・物
的交流、さらに情報発信に努め、町内企業等と連携し国内外へのエリア拡大に取り組
みます。
●計画事業
1 国内外バイヤー等商談会への参加
2 交流都市の豊島区主催イベント等への参加
●数値目標
商談会・フェア数
目 標
H27 年度
10回
H28 年度
13回
H29 年度
15回
H30 年度
18回
H31 年度
20回
成約(販売)額
10,000 千円
13,000 千円
15,000 千円
18,000 千円
20,000 千円
【現状と課題】
平成 22 年度から豊島区を中心とした観光物産展の参加を取り組んでいます。町の知
名度も序々に上がってきていますが、販路開拓の面ではあまり効果が出ていないことか
ら、引き続き豊島区主催のイベントにも参加しながら、町内企業等と連携し国内外バイ
ヤー等商談会の機会を設け販路開拓に取り組む必要があります。
107
産業振興課 プロジェクト 10 事業
産業振興課は、プロジェクト に掲げられている事業のうち、以下の事
業を担当します。
(これらは計画の中では★印をつけてあります。
)
うちこ森業プロジェクト
(1)森林経営計画の策定の支援と推進
(2)内子町産材利用木造住宅の建築促進事業補助金(町単独)の利用促進
(3)公共施設の建設や改修等におけるCLT等、新技術の利用研究及び促進
(4)森業振興に係る産業の支援や6次産業をめざした新たなビジネスの創出
108
農業委員会は、こんな仕事をします
―前期計画に対する農業委員会事務局の方針―
私たち農業委員会事務局の使命は、農家を代表する農業委員会
の補助機関です。
農地法に基づく許可の申請事務や関係諸案を合議制に基づき、
審議決定する行政機関として活動を活性化するため、委員会の機
能を十分発揮できるよう事務運営を迅速、慎重かつ丁寧に進める
とともに、農地の情報提供や遊休農地の解消に努めます。
109
農業委員会
1 農地台帳システムの活用・農地利用状況調査の実施
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
農地法に基づく、農地の有効利用、計画的利用のために農地台帳を活用し、農地情
報等を提供します。
また、関係機関との連携を図り研修会等に参加するなど農業委員会を活性化します。
●計画事業
1 農地の利用状況調査
・平成 26 年度実施した利用状況調査を基に産業振興課と連携し農地の利用状況調
査を実施します。また、事務局と農業委員による農地パトロールを実施します。
2 農地の情報提供
・農地の賃借情報を整備し、インターネットに掲載するなど情報提供を強化します。
3 農業委員会の活性化
・関係法令の研修等によって、活動の意識向上をはかるとともに、関係機関が実施
する研修等へ積極的に参加します。
●農業者年金の加入推進
愛媛県農業会議、村支援センター、
JA 職員と連携し制度の周知を行い、
新規加入促進を行います。
●家族経営協定普及推進
農業後継者や女性農業者の役割の明確化、
男女共同参画の推進を目的とする家族経営
締結者のつどいを開催し、協定締結を進め
ます。
H27 年度
2件
63 件
H28 年度
2件
65 件
H29 年度
2件
67 件
H30 年度
2件
69 件
H31 年度
2件
71 件
H27 年度
3件
107 件
H28 年度
3件
110 件
H29 年度
3件
113 件
H30 年度
3件
116 件
H31 年度
3件
119 件
【現状と課題】
農業者の高齢化農業後継者の減少に伴い、耕作放棄地が年々増加しています。認定農業者等へ
の集積をはかっていますが、後継者不足により受け入れるも限界にきている状態です。引続き耕
作放棄地の解消と対策が重要な課題となっています。
現在、農事組合法人、農業生産法人への貸付により優良農地だけでも荒廃しないよう取り組ん
でいるところですが、未相続農地や違反転用などもありますので今後整理していくことも大切に
なります。
110
建設デザイン課は、こんな仕事をします
―前期計画に対する建設デザイン課の方針―
建設デザイン課は、安心、安全で、いつまでも誰もが住み続け
たいまちづくりをめざします。
1.今後予想される巨大地震、温暖化の影響での台風の大型化や
集中豪雨による洪水、土砂崩れなどの自然災害に対し、ハー
ド・ソフト両面から耐震化及び土砂災害防止対策等、防災、
減災に取り組みます。
2.道路、橋梁、上下水道、公園、公営住宅などのインフラは、
計画的な点検・診断・修繕・更新等の長寿命化対策を実施し、
中長期的なトータルコストの削減を図りながら、安全で強靱
な維持管理に努めます。
3.ライフラインである上下水道は、安全・強靱・持続を基本に
地域とともに水道整備事業促進による未普及地の解消、また、
簡易水道の上水道への統合によって経営基盤の強化、下水
道・合併処理浄化槽普及による水洗化向上など将来に繋げる
上下水道事業を運営し、安全で快適な環境づくりを構築しま
す。
4.取り組む事業は以下のとおりです。
(1)防災対策事業の推進(木造住宅耐震改修・土砂災害防止対
策事業)
(2)地域再生に寄与する道路整備事業
111
(3)道路構造物の的確な維持管理の推進
(4)農業生産基盤・林業施設の整備
(5)公営住宅管理
(6)用地・管理、入札・契約事務
(7)都市公園の施設遊具等整備事業
(8)内子都市計画マスタープラン作成
(9)小田川リバーサイド・ふれあい事業
(10)地域とともに、信頼を未来につなぐ水道事業
(11)適正な管理運営による下水道事業の推進
(12)下水道及び合併処理浄化槽の普及率向上
112
建設デザイン課
1-1 防災対策事業の推進(木造住宅耐震改修事業)
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
巨大地震に備えて住民が安心して生活できるように木造住宅の耐震化を促進します。
●計画事業
1 建築物耐震診断事業の推進 ★
・町内木造住宅及び、緊急輸送道路沿道の建物の耐震性の有無を確認し、耐震改修工
事を進めます。また被災時の災害復旧活動の円滑化を進めます。
2 木造住宅耐震改修事業の推進 ★
・建物全体の耐震改修工事や部分補強工事
等を行うことによって、総合的な減災を
はかり人命と財産を保護します。
3 広報誌掲載等による住民意識啓発 ★
・広報誌への情報掲載や、出前講座・戸別
訪問をすることで、地震に対する住民の
意識向上をはかります。
【耐震診断・改修補助金実施目標】
(単位:千円)
実施年度
実施数
事業費
H27 年度
10 戸
11,800
H28 年度
10 戸
11,800
H29 年度
15 戸
17,700
H30 年度
15 戸
17,700
H31 年度
20 戸
23,600
【現状と課題】
南海トラフ巨大地震は、30年以内に発生する確率が70%と言われており、地震規
模は東日本大震災と同じ M9.0 と推定されています。昨年、愛媛県が発表した最終被
害想定では、内子町でも、震度6強の揺れが発生するとされ、多数の建物が倒壊するこ
とが危惧されています。
内子町内の住宅の耐震化率は 48%程度で、全国平均 79%を大幅に下回っており、
耐震性のない建物が約 4,000 戸程度あると推定されます。巨大地震に備え、耐震改修
補助事業を推進し、耐震化率の向上をはかることが重要な課題です。
113
建設デザイン課
1-2 防災対策事業の推進(土砂災害防止対策)
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
【県費補助がけ崩れ防災対策事業実施目標】
(単位:千円)
●基本方針
土砂災害から生命・財産を保全するための防災
対策を促進します。
実施年度
H27年度
H28年度
H29年度
対策箇所数
5 箇所
事業費
50,000
5 箇所
50,000
●計画事業
5 箇所
50,000
1 土砂災害防止施設の整備 ★
・県費補助事業並びに町単独の補助金制度を活用 H30年度
5 箇所
50,000
し、継続的にがけ崩れ危険箇所の対策工事を進 H31年度
5 箇所
50,000
めます。また、県営の砂防、地すべり、急傾斜
等の防災対策事業を促進するため、県への要望
活動を継続して行います。
【町単がけ崩れ防災対策補助金実施目標】
(単位:千円)
2 ソフト対策の推進 ★
・土砂災害の恐れがある区域を明らかにし、住民
に危険であることを知らせるために 2 期目の土
砂災害警戒区域指定を順次行います。また、危
険箇所の定期的なパトロ-ルや災害時要援護者
施設等の弱者施設への防災啓発活動を継続して
行います。
実施年度
対策箇所数
事業費
H27年度
H28年度
H29年度
H30年度
H31年度
4 箇所
4 箇所
4 箇所
4 箇所
4 箇所
6,000
6,000
6,000
6,000
6,000
●数値目標
・がけ崩れ防災対策を年9箇所程度継続して実施します。
(補助、単独を含む)
・第2期土砂災害警戒区域(土石流 19 箇所、急傾斜地 55 箇所)を計画期間内に指定し
ます。
・土砂災害危険箇所と災害時要援護者施設の巡回パトロ-ルを年1回継続して実施しま
す。
【現状と課題】
内子町内には、急傾斜地崩壊危険箇所等の土砂災害危険箇所が691箇所あります。危険
箇所として位置付けされていないものの、実際に土砂災害が懸念される箇所も多数存在して
います。
このため、これらの地域に住む住民の生命・財産を土砂災害から保全する取り組みが喫緊
の課題です。
抜本的な対策となるハ-ド事業は対策に長期を要するため、その間の生命を守るためのソ
フト事業の推進が極めて重要です。
114
建設デザイン課
2 地域再生に寄与する道路整備事業
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
山間地域の小規模高齢化集落支援のため、通行に支障が生じている町道の整備を進め
ます。
●計画事業
1 地域の暮らしや医療を支える道路整備
・離合困難箇所を重点的に整備し、離合困難によって起こる損失時間を解消し、救急搬
送時間の短縮に努めます。また、通行の安全性や走行性を高め、ドライバ-の運転労
力を低減させる道路整備を行います。
2 地域の防災力を高める道路整備 ★
・災害時の避難や緊急車両の進入が円滑に行えるように拡幅整備を行い、地域の防災力
を高める道路整備を行います。
3 地域の活力創出を図る道路整備
・都市部との交流施設等、地域活力創出拠点へのアクセス強化を図る道路整備を行いま
す。
4 県道の改良促進
・県道は未整備路線の改良促進のため、県への要望活動を継続して行います。
【町道の整備目標 (単位:千円)
】
●数値目標
1 地域の暮らしや医療を支援する道路整備
2路線
2 地域の防災力を高める道路整備 1路線
3 地域の活力創出を図る道路整備 1路線
実施年度
整備路線数
事業費
H27 年度
H28 年度
4 路線
3 路線
210,000
H29 年度
3 路線
180,000
H30 年度
3 路線
180,000
H31 年度
3 路線
180,000
190,000
【現状と課題】
町道は整備率が 42.7%と極めて低く、特に高齢化が進む山間地域では、離合できない未
整備路線が多数存在しています。
未整備路線では、通行の安全性や円滑な走行性が十分確保されておらず、地域活力の低下
を招いているだけでなく、救急搬送や災害時の避難などに支障が生じます。また、山間部の
県道についても未整備路線が多く、同じ課題があります。
このことから、関連する道路網を一体的に整備して効果を高め、地域の安全・安心を確保
するとともに、地域の元気を再生させる道路整備が課題です。
115
建設デザイン課
3 道路構造物の適確な維持管理の推進
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
町道における橋梁・トンネル等の道路構造物を適確に維持管理し、コストの縮減を図
りながら、計画的な修繕を行い、道路網の安全性と信頼性を確保します。
●計画事業
1 重要構造物の定期点検 ★
・橋梁やトンネル等の重要な構造物については、5年に1回のサイクルで近接目視点検
を行います。
2 その他の道路構造物の総点検 ★
・舗装や擁壁、盛土等の道路構造物は、総点検を行っていきます。
3 長寿命化修繕計画 ★
・道路構造物の点検や診断結果に基づき、修繕計画を策定し、予算の平準化を図りなが
ら、最適な補修時期に修繕を行います。
【道路構造物の点検・修繕目標】
●数値目標
1 重要構造物の定期点検 → 橋梁 253 橋、トンネル1本
2 その他の道路構造物点検 → 200km
※1級、2 級並びに重要度の高いその他町道の構造物を点検
3 長寿命化修繕計画策定 → 道路構造物全分野
4 橋梁修繕工事 → 4 橋/年 程度
(単位:千円)
実施年度
事業費
H27 年度
70,000
H28 年度
70,000
H29 年度
70,000
H30 年度
70,000
H31 年度
70,000
(内訳)修繕費 50,000+点検費 20,000
【現状と課題】
町道における橋梁・トンネル等の道路構造物は、高度経済成長期に建設されたものが多く、
老朽化・劣化が進んでいると考えられます。これらの老朽化構造物を従前のように悪くなっ
てから対応する管理を続ければ、維持更新のコストが増大するとともに、重大事故の発生が
懸念されます。
このことから、事後保全対応から予防保全対応に転換し、定期的な点検による損傷の把握
や計画的な修繕など、適確な維持管理を行っていくことが極めて重要です。
116
建設デザイン課
4-1 農業生産基盤の整備
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
農業生産基盤の整備によって生産コス
トの削減と生産意欲の向上、既存農地の維
持をはかるため、愛媛県単独土地改良事業
を導入するとともに、近自然工法等の採用
により、農村景観の保全を進めます。
また、農地防災対策として、県営地すべ
り対策事業を実施し、農村集落および農地
の防災・減災を図ります。
●計画事業
1 農道舗装事業
・農道舗装の実施により農産物輸送の効
率化を進めます。
2 用排水路整備事業
・用排水路の改修により施設の維持管理
の省力化を進めます。
3 県営地すべり対策事業
・地すべり対策工事の実施により、農村
集落・農地の保全を進めます。★
土地改良事業費
年 度
H27 年度
H28 年度
H29 年度
H30 年度
H31 年度
事 業 費
20,000 千円
20,000 千円
20,000 千円
10,000 千円
10,000 千円
県営地すべり対策事業
年 度
H27 年度
H28 年度
H29 年度
地区数
5 地区
5 地区
5 地区
【現状と課題】
農道や用排水路等の農業用施設の老朽
化や未整備によって、維持管理の労力(コス
ト)が増大し、高齢化や主要作物(葉たばこ)
の転作等とあいまって、耕作放棄する農家
が増えています。
このような状況を、景観に配慮した農業
用施設の整備によって少しでも食い止め
ることが必要です。
また、農地防災対策工事を積極的に推進
し防災機能の向上が課題です。
117
経営耕地面積の推移
年 度
耕作地面積
H17 年度
1,603ha
H22 年度
1,383ha
H27 年度
1,163ha
減少面積
189ha
220ha
220ha
建設デザイン課
4-2 林業施設の整備
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
林道を整備し、森とのアクセスを改善す
ることによって人工林だけに限らず、森を
活かした林業等、地域経済の活性化に取り
組み、森の持つ多面的機能の保全向上に取
り組みます。また、県営治山事業を実施し、
森の持つ防災機能の向上に努めます。
●計画事業
1 林道整備事業
・林道の開設によって生産コストの軽減
と輸送の効率化を進めます。
2 県営治山事業
・防災施設の適切な整備、森林整備を進
め、防災機能を向上させます。★
林道整備事業
年 度
H27 年度
H28 年度
H29 年度
H30 年度
H31 年度
整備路線
数
8 路線
6 路線
7 路線
7 路線
5 路線
事 業 費
232,440 千円
190,000 千円
230,000 千円
220,000 千円
150,000 千円
県営治山事業
年 度
H27 年度
H28 年度
H29 年度
地区数
9地区
8地区
8地区
【現状と課題】
林業基盤が未整備であるため生産コス
トが増大し、長期にわたる木材価格の低
迷、林業従事者の高齢化等により、森林整
備は思うように進まず、森林が持つ多面的
機能を十分に発揮できない森林が増えて
います。
このような状況を、林道を開設すること
で森林整備を進め、治山事業の実施によっ
て森林が持つ防災機能の向上をはかりま
す。
118
林道事業による間伐実績面積
年 度
H21 年度
H22 年度
H23 年度
H24 年度
間伐実施面積
414ha
481ha
537ha
281ha
建設デザイン課
5 公営住宅管理
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
「内子町公営住宅等長寿命化計画」に基づき、公営住宅等ストックの適切な維持管
理と時代のニーズに応じた公営住宅の整備及び管理を行います。
●計画事業
1 公営住宅等の改修 ★
・居住性や耐久性の向上をはかるため、屋根、外壁、給排水施設の改修を行います。
2 公営住宅等の建て替えと除去 ★
・管理戸数を適正化するために、耐用年数を超えた住宅について、ニーズに応じた
住宅の建て替え、集約、除去を行います。
3 滞納整理
・滞納整理を一層強化し、住宅使用料等の収納率の向上をめざします。
●数値目標
内子町公営住宅等長寿命化計画より
○計画目標(H24からH33まで)
目標管理戸数(戸) 用途廃止(戸) 新規建設(戸) 事業費(千円)
234
77
33
550,000
○年度別目標
年度
H27
H28
H29
H30
H31
管理戸数
265
271
258
258
258
用途廃止
0
13
0
0
8
新規建設
6
0
0
0
0
事業費
事業内容
97,000
新築工事
57,000 改修工事(外壁、屋根)
45,000
〃
45,000
〃
45,000
〃
【現状と課題】
管理年数の経過とともに、内子町が抱える公営住宅等のストックについては、全体的
に老朽化や劣化がみられます。
老朽化した住宅は、維持管理費用がかさむだけでなく、入居者の生活や安全にも大き
な影響を与えます。
安全安心な住宅の供給や、住宅の生涯費用削減をめざし、
「内子町公営住宅等長寿命化
計画」に基づき、適切な維持管理を行う必要があります。
また、社会情勢の変化、緊急の必要性が生じた場合など、計画を柔軟に見直し、対応
することが必要です。
119
建設デザイン課
6 用地・管理、入札・契約事務
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
町道等公共物等の適切な管理、入札・契約事務の適正な運用に努めます。
●計画事業
1 道路、河川、橋りょう台帳の管理、整理
2 公共用地の登記事務並びに公共事業に係る用地事務
3 道路占用、公共物占用、通行制限、境界確定事務
4 町道維持管理
5 サポーター制度事務(愛ロード・オレンジロード・愛リバー)
6 各種協議会事務(期成同盟会)
7 入札制度の適切な運用
8 公契約条例の検討
●数値目標
平成27年度 公契約条例制度の基礎調査
平成28年度 公契約条例制度の検討・調査
【現状と課題】
管理関係の課題としては、
①旧町時代の登記事務の積み残し
②改良計画はできているが地権者の同意が得られず事業が進んでいない箇所
③財政状況が厳しいため、地方道の整備がはかどっていない
などが挙げられます。
また、県と町が管理する道路や河川の草刈りや清掃は、地域住民の積極的な参加を推
進することが必要です。
入札制度は、平成 26 年度から導入している電子入札を進め、手続きの透明性確保、
競争性の向上、入札参加者の利便性の向上をはかるとともに、地元業者の保護、育成が
行える入札制度の運用に努めます。
また、労働者の賃金低下等を改善するため、公平かつ適切な入札と、労働者の適切な
労働条件を確保する「公契約条例」の制定の検討や、建設業団体に向けて技能労働者へ
の適切な賃金水準確保の要請を行う必要があります。
120
建設デザイン課
7 都市公園の施設遊具等整備事業
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
内子町の設置する都市公園は7か所(内子運動公園「自治・学習課管理」
、龍王公園、
知清公園、新川児童公園、平岡児童公園、上町児童公園、妙見公園)あり、一部の公
園を除き、施設遊具等の老朽化が進んでいます。
特に龍王公園は、砦、藤棚、梅園を備えた施設があり、町内外利用者の憩いの場で
す。整備計画にあたっては、経済性だけでなく、安全性を重視した施設遊具等の長寿
命化対策などを実施します。
●計画事業
1 公園施設遊具長寿命化における対応協議 ★
H25 公園施設の施設遊具等の劣化状況を把握するために、専門業者による施設点
検を実施します。
2 施設遊具の更新、撤去 ★
点検結果により、長寿命化が可能なものは更新し、使用禁止の判定を受けたものは
撤去します。
3 計画的な維持管理 ★
毎月の定期点検、簡易なものは担当係で対応し、大規模な修繕等については長寿命
化計に基づき、計画的な定期修繕を行い、公園施設を長持ちさせます。
●数値目標
施設数 6
(単位:千円)
H27年度
H28年度
H29年度
0
13,000
13,000
H30 年度
H31 年度
13,000
11,000
【現状と課題】
長寿命化計画の対象となる公園は、規模の小さい街区公園から 10ha を超える運動公
園まで多岐におよび、
町では昭和 50 年前後から 5 年間にわたり 4 都市公園が整備され、
日常的に維持管理されてきました。
設置後約40年を経た今では、著しい劣化や損傷の見えることから、長寿命化計画に
基づき、計画的な定期診断を行い、公園施設を長持ちさせることが課題です。
121
建設デザイン課
8 内子都市計画区域マスタープラン作成
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
愛媛県では、近い将来発生すると予想されている南海トラフによる巨大地震等に備
えた災害に強いまちづくりとしての、県都市計画マスタープランを作成しています。
内子町は、人口減少社会を迎えた中での都市計画区域マスタープランの見直しを含
めた計画を作成します。
●計画事業
1 都市計画基礎調査を受けた協議
・H26 都市計画基礎調査を実施しました。
2 内子町総合計画に即したまちづくり
・総合計画(平成 27 年度から平成 31 年度)に合わせた見直しを行います。
3 内子都市計画区域マスタープラン作成準備
●事業予定
H27年度
H28年度
H29年度
H30 年度
H31 年度
都市計画基礎調査を受けた協議
都市計画区域マスタープラン作成準備
内子町総合計画に即したまちづくり協議
内子都市計画区域マスタープラン作成準備
内子都市計画区域マスタープラン作成
【現状と課題】
旧内子町の都市計画マスタープランは、平成 9 年 3 月に策定されましたが、少子高齢
化が進行し、人口減少社会を迎えるなど社会経済情勢の変化が見られ、平成 17 年 1 月
1 日には内子町、五十崎町、小田町の3町が合併するなど、内子町を取り巻く環境は大
きく変化しました。
内子町総合計画に沿った内容で、新たな内子都市計画区域マスタープランを作成する
必要があります。
122
建設デザイン課
9 小田川リバーサイド・ふれあい事業 ★
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
いかざきの杜公園などふるさとの川整備区間の修景、再生によって住民と来訪者の
憩いと交流の場をつくります。
●計画事業
1 定期的な市やイベントの開催 ★
・軽トラ市、シクロクロス等のイベントを開催します。
2 オープンカフェをオープン ★
・自治会や NPO 法人の運営により外部との交流人口を増やします。
3 計画的な維持管理 ★
・はらっぱ基金を、河川敷内の支障木の伐採等に活用し、景観美化に努めます。
・ふるさとの川整備区間(延長 2.1km)の修景、再生に取り組みます。
●事業予定
H27年度
ふれあい事業整備計画作成
H28年度~
ふれあい事業整備計画実施
【現状と課題】
自然をテーマにした事業化は、画一的になりがちですが、内子町にしかないものを再
確認します。特に 5 月の旧五十崎地区の大凧合戦、7 月の元気わくわく川まつり以外に
冬場に、自転車イベントが定着しつつありますが、その他に住民が楽しめ、近くの安い
酒場に集まる感覚で、カフェを楽しむ場が必要です。そのためには、景観整備と人づく
りが緊急の課題です。
来訪者が小田川周辺を、ゆっくりと歩きながら、地域の自然や文化に触れ、地元の人々
との交流が深まれば、当町の地域性を強くアピールすることができます。また、周辺が
愛媛マルゴト自転車道のファミリーコースとなっていることから、のんびりと周辺散策
を家族で楽しむサイクリングコースとしても有望です。
加えて小田川を中心としたフィールド博物館構想による地域の歴史や文化に触れるこ
とのできる散策ルートを新たに検討します。
123
建設デザイン課 上下水道対策班
10 地域とともに、信頼を未来につなぐ水道事業
【前期計画】
(平成 27 年度~31 年度)
●基本方針
新水道ビジョン(平成 25 年 3 月 厚生労働
省)の3つの柱「安全」
・
「強靱」
・
「持続」を核
に、地域とともに将来へ繋げる水道事業の運
営をめざします。
内子町の水道施設
施設数
上水道
簡易水道
県条例水道
共同給水施設
1施設
14 施設
7 施設
17 施設
●計画事業
1 水道事業の総合的な経営指針となる「新
内子町水道ビジョン」の作成
2 満穂地区水道整備事業の実施
3 小規模施設等への維持管理支援
4 運営基盤強化のため内子町上水道への簡易水道事業統合
5 人材育成・職員体制の充実
●数値目標
平成28年度から簡易水道14施設を上水道へ統合します。
(内子・小田地区)
平成27年度、新内子町水道ビジョンを作成します。
【現状と課題】
安定した水道サービスの提供には、事業運営の健全性・安定性はもちろん、水道を支
える技術力の維持・向上が不可欠です。
内子町では、経営基盤の強化として簡易水道の上水道への統合を進めています。平成
24年度から五十崎簡易水道が上水道へ統合され、残り14簡易水道については平成2
8年度からの統合を目指しています。
水道事業は、企業会計原則に基づき、原則として独立採算方式で行われています。老
朽化した管路施設、浄水場等の適切な時期における更新や、耐震化の推進を図るための
費用の確保はこれからの課題の一つです。そのため適正な水道料金の収入は不可欠です。
また、水道事業を支える職員数は、これまでの組織人員の削減もあり、人員不足に直
面しています。職員一人当たりが受け持つ利用者の数は年々増加する一方で、経験豊富
な職員の空洞化が生じています。このような状況の下、人材確保が重要ですが、長期的
視点に立った抜本的な人材の確保・育成が急務となっています。
中小規模の事業体である当町としては、財政状況が厳しく、人材不足の状況も深刻な
ことから、今後の適正な事業規模を勘案した水道事業の施設計画・財政計画・人材計画
が必要となり、そうした事業運営による経営基盤の強化にかかる対策を講じる必要があ
ります。
124
建設デザイン課 上下水道対策班
11 適正な管理運営による下水道事業の推進
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
「内子町浄化センター長寿命化計画(第2期)
」を策定し、計画的な設備更新を進
めます。また、下水道事業における経営の健全化、財政状況の明確化をはかるため、
平成29年度から地方公営企業法を一部適用し企業会計方式を導入します。
●計画事業
1「長寿命化計画」に基づいた改築更新工事
① 実施設計(長寿命化計画) ★
・平成 27~30 年度に長寿命化計画(第2期)の策定、実施設計を行います。
② 電気機械設備の更新
★
・平成 31 年度から電気機械設備の更新を行います。
2 公営企業会計制度の導入
① 平成26年度~27年度
・資産の整理・評価・台帳作成・固定資産システムを導入します。
(外部委託)
・企業会計システムを整備します。
(外部委託)
・固定資産台帳と開始貸借対照表を作成します。
② 平成28年度
・下水道会計次年度予算編成を行います。
・設置条例、会計規則の作成と各条例案の議会に提出します。
③ 平成 29年度
・ 法適化(企業会計方式)の導入
●数値目標
1 「長寿命化計画」に基づいた改築更新工事
平成 28 年度
長寿命化計画策定
(5,000 千円)
平成 30 年度
詳細設計
(3,000 千円)
平成 31 年度~ 電気機械設備更新 (100,000 千円)
2 公営企業会計制度の導入
平成 27 年度 資産の整理・評価・台帳作成・固定資産システム導入
平成 28 年度 企業会計システム等の整備
【現状と課題】
浄化センター内に設置されている施設・設備については、経年等による機能の低下が発
現し始める時期にあります。今後、ライフラインとして重要な下水道について機能を維持
していくため、中長期的な期間にわたり計画的な維持管理を実施していく必要がありま
す。
また、下水道事業における経営健全化、財政状況の明確化をはかるため、企業会計方式
の導入が急務となっています。
125
建設デザイン課 上下水道対策班
12 下水道及び合併処理浄化槽の普及率向上
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
公共用水域の水質向上をはかるため、下水道区域
の水洗化率向上をはかります。
下水道区域外においては合併処理浄化槽を設置す
る住民に対して、補助金を交付します。
●計画事業
1 水洗化率の向上
・水洗化率の目標(89%、H31 年度)達成をめ
ざし、広報活動及び未接続世帯への個別訪問を
行います。
2 合併処理浄化槽の整備
・合併処理浄化槽の整備は単年度 60 基を整備しま
す。
3 内子町住環境整備促進補助事業
・内子町住環境整備促進補助事業を導入し、個人住
宅の下水道の接続、合併処理浄化槽の設置によっ
て普及率向上をめざします。
※ 平成 24 年度~28 年度の5年間事業
●数値目標
・水洗化率目標(89%、H31 年度達成)
。
・合併処理浄化槽単年度目標設置基数
(毎年60 基、
H31 年度までに普及率60%達成)
。
●数値目標
下水道水洗化率
H27 年度
H28 年度
H29 年度
H30 年度
H31 年度
合併浄化槽普及率
H27 年度
H28 年度
H29 年度
H30 年度
H31 年度
83.1%
84.6%
86.0%
87.4%
89.0%
53.8%
55.4%
56.0%
58.6%
60.0%
下水道及び合併浄化槽普及率
H27 年度
64.6%
H28 年度
66.8%
H29 年度
69.1%
H30 年度
71.5%
H31 年度
74.0%
【現状と課題】
近年、節水型家庭用電化製品の普及、単身世帯の増加で接続件数の増加が使用料の
増額に反映されていません。接続の不徹底は、下水道施設の遊休化や公共用水域の水
質への悪影響、下水道経営上の問題、接続済の者と未接続者との間の負担の公平など、
多くの問題が発生するため改善が必要です。
合併処理浄化槽は平成 18 年度の 107 基をピークに年々設置基数が減少していま
す。合併処理浄化槽は業者検査・法定検査・汚泥処理等、維持管理に経費がかかるた
め、設置者の負担が大きな問題となっています。
126
建設デザイン課 プロジェクト 10 事業
建設デザイン課は、プロジェクト に掲げられている事業のうち、以下
の事業を担当します。
(これらは計画の中では★印をつけてあります。
)
安全・安心まちづくりプロジェクト
(1)防災対策事業の推進(木造住宅耐震改修事業)
(2)防災対策事業の推進(土砂災害防止対策)
(3)土砂災害防止施設の整備
(4)地域の防災力を高める道路整備
(5)道路構造物の適確な維持管理の推進
(6)地すべり対策工事の推進
(7)治山事業の推進
(8)公営住宅管理
(9)都市公園の施設遊具等整備事業
(10)適正な管理運営による下水道事業の推進
いかざきワンダーランド・プロジェクト
(1)小田川リバーサイド・ふれあい事業
127
環境政策室は、こんな仕事をします
―前期計画に対する環境政策室の方針―
環境政策室は、第一期総合計画に掲げたエコエコプロジェクト
を引き続き推進するとともに、地域エネルギー(再生可能エネル
ギー)の普及拡大を図るため、環境基本計画、バイオマスタウン
構想に基づいた事業推進に積極的に取り組みます。
特に行政と事業者を中心としたこれまでの取り組みを、地域住
民に根ざした持続可能な取り組みとするための普及啓発を行い、
町のキャッチフレーズであるエコロジータウンにふさわしいま
ちづくりを目指し、次の施策に取り組みます。
1.地域エネルギー(再生可能エネルギー)の普及拡大に努め、
地域内でのエネルギー自給率の向上をはかります。
2.バイオマスタウン構想に基づいた取り組みを進め、化石燃料
の消費削減と二酸化炭素排出削減を進めます。
3.町内から出る一般廃棄物の削減を図るため、効果のある具体
的な施策に取り組みます。
4.環境関連団体や町民等との連携を進め、環境自治体としてふ
さわしい、持続可能な取り組みを行います。
128
環境政策室
1 再生可能エネルギーの導入事業
★
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
再生可能エネルギーの推進担当部署として、木質バイオマスをはじめとし、太陽光
や小水力、風力など、再生可能エネルギーの自家消費を主とした普及拡大を進め、地
域エネルギーの地域循環型社会構築に取り組みます。
●計画事業
1 町民や事業所との協働による取り組み
・公共施設等での再生可能エネルギーの普及拡大に向けた事業の実施に当たっては、
町民や団体、事業者等からの出資等、協働による管理運営体制をめざします。
2 再生可能エネルギーモデル地区の設置
・再生可能エネルギーの普及拡大を図るため、そのモデルとなる地区をつくり、実
証を進めながら、設置に向けた取り組みを行います。
3 再生可能エネルギー導入のための補助制度の検討
・再生可能エネルギー導入のため、補助制度を調査研究し、有効な補助金制度の制
定を行います。
●数値目標
1 再生可能エネルギーの導入により、現在の公共施設等における電気消費量の 5%
(平成 31 年度目標)を再生可能エネルギーによるものとします。
2 太陽光発電及び小水力発電のモデル地域をそれぞれ1ヶ所以上作ります。
3 自治会や各種団体に働きかけを行い、太陽光発電及び小水力発電事業に取り組む
実施主体を3箇所以上作ります。
【現状と課題】
東日本大震災以後、原発への依存度を下げるエネルギーとして、再生可能エネルギー
が重要視されています。内子町では、化石燃料の代替として地域バイオマスの利活用を
進めて来ました。地域内の再生可能エネルギーによる自立をはかるためには、太陽光や
小水力などの自然エネルギーの利活用が不可欠です。
今後、自治会や各種団体等と協議を進め、地域に合った再生可能エネルギーの普及拡
大に取り組む必要があります。
129
環境政策室
2 バイオマスの利活用事業
★
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
化石燃料に代わる熱源として、木質バイオマス、廃食油からできるBDFなどのバ
イオマス燃料の普及拡大を進めます。
●計画事業
1 木質バイオマスの普及拡大
・町内の林地残材等からできる木質ペレットの利活用を拡大するため、木質ペレッ
トを燃料とした機器(ボイラー、ストーブ)の普及拡大を進めます。
2 廃食油燃料(BDF)の利活用
・廃食油の回収を全町で進め、公共施設・公用車等でのBDFを利用した機器の普
及拡大を進めます。
3 えひめAI-1の普及拡大
・えひめAI-1を活用して土壌改良した田畑での農作物栽培や家庭排水の水質浄
化をはかるなど、利用の拡大を進めます。
●数値目標
木質ペレット、BDFの製造、利用目標
平成 25 年度
種
別
(実績)
製造量
1,900t
木質ペレット 利用量
1,800t
(内町内)
( 800t)
製造量
15,900 ㍑
BDF
利用量
15,011 ㍑
平成 31 年度
(目標)
2,500t
2,500t
(1,200t)
20,000 ㍑
20,000 ㍑
【現状と課題】
平成 22 年度に整備された木質ペレット製造施設は、順調にその製造量を伸ばしてい
ます。しかし、農業用ハウスなど暖房用での利用は、冬場のみに限られるため、夏場は
ペレット貯蔵場所が必要です。また年間を通して木質ペレットを利用する施設や夏場の
利用設備の拡充が求められています。
BDFの利活用は、廃食油の回収、製造、利用ともに計画以上の実績となっています。
今後は、廃食油の回収に全町民が協力するように啓発を行い、廃食油の回収量の拡大と
安定した回収ができる体制を図る必要があります。併せて、BDFを燃料としたボイラ
ーや車輌を拡充することが必要です。
130
環境政策室
3 ごみゼロのまちづくり事業
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
町民、各種関係機関、行政が協働して、エコロジータウンにふさわしい「ごみゼロ
のまち」をめざして、
「5つのR」活動に取り組みます。
●計画事業
1 バイオマスタウンの構築
・バイオマスタウン構想に基づき、生ごみ分別回収を行っています。堆肥化施設の受
入量が限界のため、1人当たり発生量を減らす具体的な取り組みを行います。
2 マイバック運動の展開
・スーパーを中心にマイバック運動を展開し、レジ袋を辞退する(リフューズ=5R
の①)町民を増やします。
3 フリーマーケットの定期開催
・再利用(リユース=5R の③)を促進するため、フリーマーケットの定期開催の仕
組みをつくります。
4 ごみゼロのまち啓発活動
・あらゆる場面や機会を通して「ごみゼロのまち」をつくる有効な取り組みと啓発
活動を行います。
1人・1日当たりのごみ排出目標量
●数値目標
・ごみ排出量を、平成 39年を目標に
600g/人・日以下にします。
・フリーマーケットを年 3 回以上定期
開催します。
・レジ袋辞退率50%をめざします。
25 年度
(実績)
ごみ発生量
(t)
人 口
(人)
ごみ発生量
g/人・日
4,453
31 年度
(目標)
3,592
17,987
15,720
678
626
※ごみ発生量は、一般廃棄物処理基本計画より推計
【現状と課題】
ごみの排出量は、平成 20 年度までは減少しましたが、近年は概ね横ばいで推移し
ています。また、住民1人当たりの一日平均排出量は、愛媛県内で最も低い水準であ
り、今後もこの水準を継続するとともに、生ごみの自家処理やレジ袋の辞退、フリー
マーケットの実施などにより、ごみを出さない取り組みや減らす取り組みを具体的に
進める必要があります。
131
環境政策室
4 環境自治体としてのレベルアップ事業
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
エコロジータウン内子をめざし、前期計画に引き続き各部署や環境関連団体、町民
と連携をとり、環境自治体としてふさわしい取り組みを実践します。
●計画事業
1 エコオフィスの推進
・エコオフィスを推進し、環境への負荷の低減をはかります。
2 LAS-E への継続した取り組み
・LAS-E に継続して取り組み、
「計画」〜「実行」〜「点検」〜「見直し」を繰り
返すことで、全体のレベルアップをはかります。
3 環境自治体会議や環境に関する関係団体との連携
・環境自治体会議や環境に関する関係団体との情報交換や連携をはかり、環境自治
体としての質の向上を進めます。
4 環境基本計画の推進
・新環境基本計画に基づいた取り組みを行います。
●数値目標
・LAS-E の第3ステージ(第2ステップ)
・LAS-E の第3ステージ(第3ステップ)
認証取得
認証取得
平成 27~28年度
平成 29~31年度
【現状と課題】
環境への配慮や環境に関する政策などの取り組みが環境自治体としてふさわしいか
どうかを判定する LAS-E の取り組みで、内子町は、平成 24年 12 月に LAS-E の第
3ステージ(第1ステップ)の認証を取得しました。全国的にも高いレベルとの評価を
もらっていますが、役場内部での点検・評価を行う仕組みが若干不十分との指摘があり
ます。
今後は、環境基本計画を各課・施設等で共有し、活動成果が独自目標の実績数値とど
のようにつながっているか、効果ある取り組みができているか、内外に見える形になる
検討を行う必要があります。
132
環境政策室 プロジェクト 10 事業
環境政策室は、プロジェクト に掲げられている事業のうち、以下の事
業を担当します。
(これらは計画の中では★印をつけてあります。
)
地域エネルギー・プロジェクト
(1)再生可能エネルギーの導入事業
(2)バイオマスの利活用事業
133
学校教育課は、こんな仕事をします
―前期計画に対する学校教育課の方針―
内子の未来を担う子どもたちが、これから直面するであろう様々
な困難に立ち向かい、自らの力で主体的に乗り越えていく力を培い、
思いやりのある子どもたちを育てるという視点を大切にしながら、
都市部にはない内子町の特色を活かした教育を探求します。
1.学力向上については、内子町教育研究所専門部により、学校間
の連携を強めながら
「チーム内子」
で学力向上に取り組みます。
また、小学校における外国語活動と中学校英語科と連携して国
際人教育を推進します。
2.環境教育は、平成 18 年度から開催している「環境子ども会議」
を充実させ、内子町環境教育副読本「ふるさと」を積極的に授
業で活用し、学校や家庭での環境教育を推進します。
3.優れた芸術やスポーツにふれあうことにより、感性豊かでたく
ましい心を持つ子どもの育成と支援に取り組みます。
134
学校教育課
1 ふるさと教育の推進
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
ふるさと教育は、内子町の良さを再発見することで,児童生徒が郷土愛を育むこと
を目的とします。
●計画事業
1 内子町を描こう写生展
2 小田深山集団宿泊体験活動
3 手漉き和紙を利用した卒業証書づくり
4 小田深山スキー教室・国体選手の育成
5 地域との交流事業
●数値目標
計画の実施回数
年度
実施回数
平成 27 年度
1~5 年1回以上
平成 28 年度
1~5 年1回以上
平成 29 年度
5 は年間 2 回以上、他は同上
平成 30 年度
5 は年間 2 回以上、他は同上
平成 31 年度
5 は年間 3 回以上、他は同上
【現状と課題】
幼少期に「ふるさと」の伝統、行事、風習に触れることは、子どもたちの健全な身体
や豊かな心を育むために必要不可欠です。現状では、核家族化などライフスタイルの変
化で子どもたちが日常生活で「ふるさと」を感じられる機会は少なくなっています。
こうした状況に対応するため、積極的に地域との交流を取り入れ、ふるさと教育を推
進します。
135
学校教育課
2 特色のある学校づくり
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
長期的視野に立って、望ましい内子教育のあり方を展望しつつ、地域住民、保護者、
教職員など関係者の意見を取り入れて、特色ある学校づくりに取り組みます。
●計画事業
1 授業評価システムの研究と実践による指導力の向上
2 学校評価(自己評価、学校関係者評価)によるPDCAサイクルの定着
3 学力向上の取り組み
●目標
1 小・中連携教育についてモデル校を設定し取り組んで行きます。
2 第 2 期内子町学力向上推進プラン【平成 27 年度~平成 29 年度計画】の
着実な実施により内子町全体の児童生徒の学力向上を推進します。
【現状と課題】
「内子町学力向上推進プラン」
(平成 23 年度策定)に基づいて、国語、算数(数学)
において概ね向こう 3 年を目途に、内子町児童生徒の学力向上をはかるという目標で行
ってきました。平成 25 年度に小学校は、県内平均以上、全国平均以上という目標を達
成できましたが、中学校では、努力が必要な状況です。
平成 26 年度の結果をしっかりと分析のうえ、平成 27 年度からは、新たな「第 2 期
内子町学力向上推進プラン」
(平成 26 年度策定)に基づいて、学力向上に取り組みま
す。
136
学校教育課
3 環境教育の推進
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
内子町の将来を担う児童生徒一人ひとりが,身近な環境問題から地球環境に至るま
で、様々な機会や場面において,環境に関心を持ち,環境に配慮した行動ができる人
間形成をめざします。
●計画事業
1 環境子ども会議の開催
2 環境副読本の活用
●数値目標
計画の実施回数
年度
実施回数
平成 27 年度
1 は年1回開催、2 は年 3 回以上
平成 28 年度
1 は年1回開催、2 は年 3 回以上
平成 29 年度
1 は年1回開催、2 は年 5 回以上
平成 30 年度
平成 31 年度
1 は年1回開催、2 は年 5 同以上
1 は年1回開催、2 は年 6 回以上
【現状と課題】
内子町環境副読本(平成 23・24 年度作成)を活用した授業を、平成 25 年度から実
施しています。この副読本は小学校 4 年生から中学校まで使用するようになっており、
環境子ども会議の開催等と併せて環境教育を推進するものです。
環境子ども会議は平成 26 年度で各小中学校の発表が一巡することとなり、新たな取
り組みや創意工夫が必要です。
137
学校教育課
4 国際人教育の推進
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
必修化された小学校外国語活動の更なる充実と、中学校英語教科との連携を深めな
がら、児童生徒のコミュニケーション能力の育成と学力向上をはかります。
●計画事業
1 小学校外国語活動支援事業
2 中学校英語弁論大会
●数値目標
英検3級以上の受験率(中学校卒業までに)
年度
受験率
平成 27 年度
25%以上
平成 28 年度
35%以上
平成 29 年度
40%以上
平成 30 年度
45%以上
平成 31 年度
50%以上
【現状と課題】
小学校外国語活動では、平成 25 年度で研究指定校が一巡し、教員の意識改革や指導
力の向上、学校間の格差解消に効果がありました。英語弁論大会の開催で出場者からの
刺激を受けて英語への関心が高まり、英語学習への意欲に繋がっています。修学旅行な
どで外国人とのコミュニケーションが積極的にとれるようになるなど成果が現れてい
ます。
今後の課題として、国が計画している英語教育改革に対応するためには、教員研修等
を充実させることが必要となります。
138
学校教育課 内子・小田学校給食センター
5 給食事業
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
児童生徒の心身の健全な発達のため、学校給食法に基づき、内子町に適した学校給
食を実施します。
●計画事業
1 適切な学校給食事業
・児童生徒の健康の増進、体位の向上のため、バランスのとれた栄養豊かな食事を
提供します。
2 学校給食の健全化
・費用対策効果なども考慮して、持続性のある安定した事業経営をめざします。
3 地産地消の推進
・地元食材の活用、郷土料理の開発など地域に根ざした給食の実施に努めます。
●数値目標 地域食材の使用割合
年度
使用割合
平成 27 年度
50%以上
平成 28 年度
50%以上
平成 29 年度
55%以上
平成 30 年度
55%以上
平成 31 年度
60%以上
【現状と課題】
平成 26 年度までは、五十崎地区は自校式給食でしたが、平成 27 年度より内子学校
給食センターへ統合します。これにより、内子町内は内子学校給食センターと小田学校
給食センターの 2 か所となります。
食材については、それぞれの地元産野菜や米を使用し、アレルギー対応食の提供など
安全で細かな給食事業を行います。食育教育を積極的に推進し、環境教育と関連した分
野についても取り組みます。
139
自治・学習課は、こんな仕事をします
- 前期計画に対する自治・学習課の方針 -
今日の社会は先行き不透明の時代です。
日本の人口減少は深刻な状況となり、特に地方の人口減は深刻
で待ったなしの状況です。また 2011 年3月 11 日の東日本大
震災以降、地域力、地域コミュニティや地域の絆の重要性や必要
性が求められています。
2002 年度から地域自治を念頭に推進している自治会制度は
10 数年が過ぎ、内子地区においては第 3 次の地域づくり計画書
を作成して推進中であり、五十崎と小田地区では第2次の地域づ
くり計画書の作成に取り組んでいます。
これらの計画を踏まえながら、町民ニーズをしっかりととらえ、
課と自治センターは次のような事業に取り組みます。
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
社会教育の推進
国際交流の推進
図書情報館事業
社会体育の推進
社会体育の推進
自治力の強化
内子自治センター
内子東自治センター
9. 大瀬自治センター
10. 五十崎自治センター
11. 小田自治センター
12. 小田自治センター
-新内子町誌編纂事業-(公財)国際交流協会の機能強化-木の香りの中で「出会いとつながり」を!-
-内子運動公園改修事業-えひめ国体の開催-コミュニティの再構築-持続発展可能な地域づくりの推進-活力あふれる地域づくりを柱に、住民自治
を推進-活気と潤いあふれる地域づくりをめざし
て-住民が集う自治センターをめざして-スバル及び城の台公園の利活用事業-自治会活動と地域活性化(廃校活用を含む)-
140
自治・学習課
1 社会教育の推進 ―新内子町誌編纂事業―
【前期計画】
(平成27年度~31年度)
●基本方針
合併から 10 年を経て、時代や社会環境の変化で地域の姿が大きく変わりゆく中、
内子、五十崎、小田、それぞれの歴史や文化をいま一度見つめ直すとともに、その誇
りや価値観を共有し、それらを背景にした「内子らしい、持続可能なまちづくり」を
進めるうえで、その礎となる新しい内子町誌を編纂します。
●計画事業
1 新内子町誌の編纂
・
「文化編」
「民俗編」
「歴史編」の3分冊とし、順次発刊します。また、より多くの
人に手にとってもらえ、内子に誇りを持って語ってもらえるよう写真や図版を活
用した分かりやすい誌面とし、従来のイメージとは異なる、親しみやすい町誌づ
くりに取り組みます。
2 歴史資料の収集・保存
・編纂事業を通して、古文書や民具など郷土の歴史をものがたる貴重な資料を収集
し、保存します。また、聞き取り調査による資料収集に取り組みます。
●数値目標
H28年度
「文化編」
「民俗編」
「歴史編」
H29 年度
「資料編」の作成
H26年度
H27年度
各 1,000 部発刊
【現状と課題】
これまで内子町のまちづくりは、地域の歴史や文化、環境を大切にしながら進められ
てきましたが、町の文化を前面に出した施策は、展開しませんでした。しかし、合併し
たことの影響も含め世相や世代が移り変わり、まちづくりの担い手が交代していく中、
このままでは、いつしか町の方向性が見失われ、
「内子らしさ」が失われることが懸念さ
れます。
内子町に暮らす一人ひとりが、それぞれの地域の歴史や文化に誇りと愛着を持ち、そ
の豊かさを次の世代へと守り伝えていくために、郷土への興味関心を高める取り組みが
求められています。
141
自治・学習課
2 国際交流の推進
―(公財)国際交流協会の機能強化-
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
世界に開かれたまちづくりの推進と町民の国際意識を高めるため、内子町国際交流協
会を中心に積極的な内子らしい国際交流事業を展開します。また、公益財団法人となり、
協会設立 20 周年を迎え、更なる機能強化をはかります。
●計画事業
1 (公財)内子町国際交流協会の機能強化
・積極的な協会運営を図るため有効な資金運用、他団体との国際交流分野での連携を強
化します。
・協会設立20周年記念事業に取り組みます。
・ 財源確保に向けた積極的な取り組みを行います。
2.ドイツ・ローテンブルク市との交流事業の推進
・姉妹都市としてのローテンブルク市との更なる交流事業を進めます。
・青少年海外派遣事業や文化交流事業、訪問使節団の受入事業などを進めます。
3.世界の国々等との交流
・タイ、中国、韓国等のアジア諸国も含めた世界の国々との国際交流活動を展開します。
●数値目標
・協会設立 20 周年記念事業の実施(平成 26.27 年度)
・青少年海外派遣事業の実施(毎年)
【現状と課題】
内子町は、平成6年10月に発足した内子町国際交流協会を中心に「世界に開かれた
内子町」を念頭に、青少年の健全育成、町民の国際交流意識の高揚など、積極的に国際
交流を推進してきました。また、平成23年度にドイツ・ローテンブルク市との姉妹都市
盟約を締結したことによって、町民の国際交流への気運が高まり、工芸や伝統芸能など
内子町の文化の担い手との交流も始まっています。また、平成25年度から公益財団法
人へ移行したことによって資金運用も含めた事業推進が求められています。さらに、協
会設立20周年を迎えることで記念事業への取り組みや、これまでの事業等の検証を行
い、今後の協会運営の改革が迫られています。
142
自治・学習課
3 図書情報館事業
-木の香りの中で『出会いとつながり』を!-
●数値目標
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
「木の香りの中で『出会いとつながり』を!」のスローガン
のもと、誰もが気軽に利用できる施設、積極的な情報発
信、サービスの向上に努めるとともに、
「
『静』から『動』
へとアクションを起こす「図書情報館運営」を行います。
●計画事業
1 読書活動の充実及び読書環境の整備
・子ども読書活動推進計画を推進・充実します。
・ブックスタート(7 ヶ月検診時の絵本配布)を行います。
・おはなし会(毎週土曜日)
、出前おはなし会を行います。
・夏休み読書マラソン、読書感想文募集と表彰、創作絵本募集
を行います。
2 サービス網の充実と情報発信による利用者の促進
・内子町の人・もの・自然等の郷土資料を整備します。
・読書活動研究集会や文学講座等、町民のニーズに合った学習
機会の提供、読書ボランティア指導者の育成による利用者の
増大をめざします。
・インターシップ職場体験、幼児の貸出体験、見学の受入及び
団体貸出等、柔軟なサービス網を拡大します。
・リクエスト、レファレンスサービスを充実します。
【利用登録者数】
H27 年度 7,700 人
H28 年度 7,800 人
H29 年度 7,900 人
H30 年度 8,000 人
H31 年度 8,100 人
【入館者数】
H27 年度 41,200 人
H28 年度 41,300 人
H29 年度 41,400 人
H30 年度 41,500 人
H31 年度 41,600 人
【一人当たりの貸出合計】
H27 年度 3.8 冊
H28 年度 4.0 冊
H29 年度 4.2 冊
H30 年度 4.4 冊
H31 年度 4.6 冊
【ブックトークの回数】
H27 年度 5 回
H28 年度 6 回
H29 年度 7 回
H30 年度 8 回
H31 年度 9 回
【読書マラソン参加人数】
H27 年度 小 230 人・中 10 人
H28 年度 小 240 人・中 12 人
H29 年度 小 250 人・中 14 人
H30 年度 小 260 人・中 16 人
H31 年度 小 270 人・中 18 人
【現状と課題】
内子町図書情報館は、木の香りの中で潤いのある生活文化を目指して 10 年が過ぎました。
この間、登録者数、入館者数、貸出冊数とも増加しています。特に、読書活動においては、
子どもを対象にした夏休み読書マラソンや毎週土曜日の「おはなし会」
、高齢者等を対象にし
た読み聞かせボランティアによる「出前おはなし会」等、創意工夫と「静」から「動」への
確かな取り組みが増え、年々充実した活動ができています。これらの子ども読書活動が評価
され、平成 26 年 4 月23日、文部科学大臣賞を受賞しました。
今後は、図書情報館と五十崎・小田分館が一体となり、読書活動の更なる充実と館内外図
書貸出サービスやコンピュータシステム活用をはかり、町民から親しまれ、魅力のある図書
情報館をめざします。
143
自治・学習課
4 社会体育の推進 -内子運動公園改修事業―
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
当公園は、緑と清流に囲まれた起伏のある場所に、静と動の施設が調和よく配置され、
昭和 51 年度の完成以来、子どもから大人までそれぞれの目的に応じた憩いとスポーツ
の拠点施設となっています。また、内子町地域防災計画で災害時の一時避難場所となっ
ていることから防災拠点としても重要な施設です。
しかしながら、完成後約 40 年が経過し、老朽化による施設損傷が著しいことから、
施設全体の改修による公園のリニューアルを行い、スポーツや町民の健康増進をめざし
た生涯スポーツの振興を図ります。そして基本構想のまちづくり戦略を推進するため、
園内を通る「四国のみち」をはじめ、町並保存地区や道の駅からり、観光農園といった
観光施設と連動させます。また、スポーツや観光活動を通しながら、来訪者の利便性や
交流人口増加、地域の活力や魅力を高めます。さらに、防災拠点機能も維持します。
●計画事業
1 内子運動公園長寿命化計画書の策定(平成 26 年度)
・公園施設の計画的な維持管理の方針や長寿命化対策を定め、公園施設の安全確保と
機能保全を進めつつ、維持管理予算の縮減や平準化を進めることを目的に策定しま
した。
2 改修工事実施設計・施工(平成 27 年度~30 年度)
・内子運動公園長寿命化計画書や内子運動公園改修工事基本計画策定委員会の提案に
基づき、緊急性や要望などを総合的に勘案し、改修計画を作成して計画的に施工を
行います。
3 社会資本整備総合交付金の活用(平成 26 年度~30 年度)
・町財源を補うため国の補助金を活用します。
●数値目標
H27年度 改修工事(テニスコート)の施工
51百万円
H28年度 改修工事(野球場・駐車場・広場)の施工
272百万円
H29年度 改修工事(プール)の施工
122百万円
H30 年度 改修工事(グランド・管理事務所棟等)の施工
204百万円
【現状と課題】
老朽化により施設全体の損傷が著しいことから、施設利用者や地域住民から施設改修の
要望が多くなっています。そのため体育協会役員、施設利用団体(一般・高校・中学)
、
地元自治会、愛護班、施設管理者等で組織する「内子運動公園改修工事基本計画策定委員
会」を立ち上げ、改修計画の方向性を確認し、改修基本計画書を平成 25 年度に作成しま
した。
町財政が厳しいことから、最低限の改修にとどめることを基本に長寿命化計画書を策定
し、国の補助金(社会資本整備総合交付金)も活用しながら計画的に施工します。
144
自治・学習課
5 社会体育の推進 -えひめ国体の開催―
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
平成 29 年に開催されるえひめ国体では、内子町は
ゴルフ競技(成年男子)とライフル射撃競技(50mライ
フル、エア・ライフル、エア・ピストル、ビーム・ラ
イフル、ビーム・ピストル)の会場となります。そのた
め、町民の英知と創造力を結集し、魅力と感動にあふ
れた国体をめざします。また、国体を国内最高レベル
のスポーツの祭典とするだけでなく、競技力の向上、
生涯スポーツの普及・振興を図るとともに、内子町の
魅力を広く紹介・発信します。
●計画事業
1 実行委員会組織の設置
2 ライフル射撃競技施設の建築・整備
3 国体選手(ジュニア)の育成
4 町民等への周知及び協力体制整備
5 宿泊施設の確保及び輸送体制の整備
●主な活動予定
H27 年度
○特設ライフル射撃場等の建
築
○各種専門委員会等の開催
○先催県への視察研修
○国体開催の啓発
○競技力の向上
H28 年度
○リハーサル大会(ライフル射
撃競技)の開催
○各種専門委員会等の開催
○先催県への視察研修
○国体開催の啓発
○競技力の向上
H29 年度
○えひめ国体(本番)の開催
○国体終了後、特設ライフル射
撃場の解体・撤去
○各種専門委員会等の解散
【現状と課題】
平成 29 年に開催されるえひめ国体では、内子町においてゴルフ競技(成年男子)、ラ
イフル射撃競技(50mライフル、エア・ライフル、エア・ピストル、ビーム・ライフル、
ビーム・ピストル)が開催されます。また、デモスポ行事では、神南山エリアを競技会
場とするハング・パラグライディングを開催します。
えひめ国体開催に向けて、競技施設の整備(特設ライフル射撃場)、競技会の準備・運
営、町民の関心と参加意識の高揚をはかるため、広報活動等に計画的に取り組む必要が
あります。
145
自治・学習課
6 コミュニティの再構築 -自治力強化-
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
人口減少社会を迎え少子・高齢化の進行、地域経済の停滞、防災意識の高揚など、地域
課題が多様化、深刻化するなかで、地域コミュニティ組織の必要性がますます高まってい
ます。行政としても、自治会をはじめとするコミュニティ組織に対して積極的な支援を行
うとともに、協働できる体制づくりが求められています。
住民自身が地域の将来を展望し、地域の抱える課題を的確に把握し、課題を解決する方
策を考えていくために、住民参加による地域づくり計画書の策定やその見直しを行い、自
治力の強化をめざします。また、地域経済の活性化など多様な地域づくり活動を担う人材
育成に努めます。
●計画事業
1 自治会における行政事務の見直し
・自治会独自の活動の活性化と特色ある地域づくり活動推進のため、行政が自治会へ依
頼する行政事務の見直し(軽減)をはかります。
2 自治力強化のための人材育成
・それぞれの地域課題解決のために実施している「自治センター研究大会」の内容充実
のため、発表や討論の仕方、参加者などを工夫します。
・地域住民や職員を対象とした内子町ならではの特色ある塾として「(仮)地域づくり実
践塾」を開催するなど、定着化をめざします。
3 自治会間、地域間等の連携推進
・複数の自治会が連携し、環境整備や農産物の販売活動、廃校活用などを検討します。
・自治会とNPO・企業・大学等が連携し、耕作放棄地対策や森林保全活動、伝統文化
の保存継承活動を検討します。
・地域出身者が地域の草刈や伝統行事に参加したり、地域情報を発信するなど地域を応
援する仕組みを検討します。
4 コミュニティビジネス事業の推進
・現在実施している事業や地域間交流イベントなどを開催し、地域資源を活かしたビジ
ネス創出のきっかけづくりにつとめます。
5 伝統文化の保存継承
・内子座などで開催している発表の場を通して、町内外へ内子の伝統文化の再認識をは
かり、学校教育と連携して後継者育成につとめます。
6 特色ある地域づくりの推進
・地域の将来像を描く地域づくり計画書の年次計画に沿った地域づくりを進めながら、
誇りをもって住み続けられるコミュニティを構築します。
・地域全体で、地域の特色や個性を再認識し、さらには共有しながら、住民自らが過去
の活動を検証し次年度計画に反映しながら、地域の夢や目標、地域づくりの方向性を
明らかにするため、住民及び職員が協働して地域に関わるよう配慮します。
146
【現状と課題】
これまで地縁組織である自治会を中心に自治力強化のための地域づくり活動を進めて
います。しかし、過疎化、少子・高齢化が進み、役員のなり手不足や活動意欲の低下など
が目立つようになりました。また、地域経済の低迷のなか、従来の事業を踏襲するのが精
いっぱいで、地域コミュニティ組織の維持が次第に難しくなっています。
地域コミュニティを維持していくためには、
「地域の未来は自分たちでつくる」とい
う意欲を持ち、新しい発想と行動力で住民自治を強化することが必要です。そのために
地域づくり活動を牽引するリーダーと支える多様な人材が求められています。しかし、
自治会役員が短期で交代するなど、地域づくりを担う人材がなかなか育たないのが現状
です。
内子町では、自治会を核とする住民自治の追求、それを支えるために自治センターや
地域づくり担当職員が大きな力を注いでいます。しかし、人口減や高齢化は待ったなし
で進み、少しでも手を抜くと、自治会の衰退・崩壊という厳しい状況下にあります。改
めて自治会のあり方、自治センターや担当職員の役割等について、徹底した議論を行い、
新たな改革に取り組むことが必要です。
147
自治・学習課
7 内子自治センター
-持続発展可能な地域づくりの推進-
【後期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
住民自治に基づいた自治会の運営と地域づくりの事業の実施によって、地域コミュ
ニティの形成と持続発展可能な地域をつくります。また、自治会、各種団体と各グル
ープ、サークルと連携し、生涯学習を推進するとともに施設の利用促進をはかります。
●計画事業
1 住民自治と持続発展可能な地域づくりの推進
・住民自治に基づいた自治会運営と地域コミュニティ活性化を支援します。
・地域づくり計画書に基づく地域づくり事業を進めます。
・内子自治センター研究大会を開催(隔年)します。
・コミュニティビジネス、交流ビジネスの取り組みを支援します。
2 生涯学習の推進
・各種講座や学級等、住民ニーズに沿った事業を実施します。
・青年、女性、高齢者など、それぞれの層を対象とした生涯学習の推進とともに活
動団体を育成します。
・
「うちこ自治センターだより」による情報発信を行います。
3 青少年健全育成
・世代間交流や異年齢交流事業を進めます。
(内の子ふれあい会など)
・青少年の体験学習・交流活動を進めます。
・愛護班活動を支援します。
4 人権教育の推進
・自治会、各種団体、グループによる学習会を開催します。
・パネル展等による啓発活動を実施します。
【現状と課題】
各自治会で、自立した自治会運営と様々な特色ある事業が実施され、地域コミュニテ
ィの活性化がはかられています。また、第3次地域づくり計画書(H24~33 年度)に
基づき、各自治会での地域づくり事業が推進されています。しかし、これまでも課題と
して挙げられている「地域づくり事業への参加者の固定化」
「役員任せ」等の課題をどう
克服するかが、事業推進の重要なカギとなっています。さらに、地域の過疎化、高齢化
が進んでいる現実のなかで、地域を持続し発展させるためのビジョンをあきらかにする
ことも課題です。
それらの課題克服にむけ、地域づくり事業に関する自治会の学習活動や、生涯学習推
進の核となる青少年、青年、女性、高齢者などの各層団体の育成など、重層的な地域力
向上が求められています。そのため、これまでの館事業のあり方や住民に対する情報発
信のあり方を検証する必要があります。
148
自治・学習課
8 内子東自治センター
-活力あふれる地域づくりを核に、住民自治を推進!!―
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
地域住民自治の高い理念に基づく内子町自治会制度の基本に立ち、各自治会の活動
と地域づくり事業を積極的に支援します。
地域それぞれの地理的条件、課題、特性などを把握し、身の丈に合った地域活動を
進めます。
●計画事業
1 地域づくり事業の推進
・地域の課題が年々多様化・深刻化する中で、コミュニティビジネス創出事業と広域
連携推進事業を積極的に支援します。
2 小規模・高齢化集落の対策
・各地域で開催している「生き生きサロン」に積極的に参加し、地域コミュニティの
絆を強化するとともに、集落の現状を把握し、その成果を自治センターの活動に反
映させます。
3 「米田吉盛」企画展の開催(平成 29 年開催)
・米田氏は、満穂村論田の出身で神奈川大学の創設に尽力され、初代学長や名誉理事
長に就任した人で、昭和 54 年には、内子町名誉町民に選ばれています。平成 29 年
には、没後30年の節目を迎えることから、大学、論田地区住民、町内の大学OBの
協力を得て企画展を開催します。
●数値目標
・生き生きサロンへの訪問を年間 15 回以上実施します。
・平成 29 年に米田吉盛企画展を開催します。
【現状と課題】
過疎化、少子超高齢化等で人口減少の激しい小規模・高齢化集落では、集落の維持存続
そのものが重要な課題です。
地域を維持する自治活動と地域づくりを推進していくためには、将来を見据えた地域組
織の再編やコミュニティの再構築を視野に入れ、地域活動を推進していかなければなりま
せん。
また、厳しい現状の中で、地域住民が生きがいを持ち、住んで良かったと思える地域
づくりや自治会づくりの機運・体制をつくることが当面の課題です。
149
自治・学習課
9 大瀬自治センター
-活気と潤いあふれる地域づくりをめざして-
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
第3次地域づくり計画書に基づき、各自治会と協働、事業推進をしながら自治力強
化に努めます。
また、自治センター主催事業を地域の実情に合わせ、見直しを進めながら事業内容
の質の向上を目指します。
●計画事業
1 住民自治の推進
・各自治会の第3次地域づくり計画書に基づく各種事業の実施を支援します。
・各自治会と連携を深め、生き生きサロンなどの訪問をしながら、地域住民の課題や
問題を洗い出し、その対応策を各課と協力しながら実施します。
・程内自治会と協議し、旧程内小学校の利活用について、公募も含めた取り組みを実
施します。
2 地域コミュニティ及びコミュニティビジネス・交流ビジネスの創出
・
「大瀬農業祭柿まつり」のミニ軽トラ市などをさらに拡大し、都市住民との交流を
広げるとともに、同日開催の他のイベント会場と結ぶ循環バスを運行し、町全体で
連携をはかりながら盛り上げます。
・
「大瀬の館」や「大瀬の米蔵」の利活用を大瀬自治会と協議しながら検討します。
3 人権同和教育の見直しによる人権意識の醸成
・
「大瀬地区人権まつり」での人権劇を担う中学生が減少しているため、内容を見直
し、一層の質の向上をめざします。
・生き生きサロンや女性部、老人クラブなど少人数での学習会を積極的に展開します。
4 生涯教育の推進
・青少年の健全育成を目的とした「大瀬エコセミナー」のさらなる充実をめざします。
・高齢者の生きがいづくり、健康づくりのため、「高齢者教室」
「高齢者大学」等を実施
します。
●数値目標
愛媛県公民館報コンクールでの連続入賞をめざします。
(H20~25 年度 連続受賞中)
【現状と課題】
大瀬自治センター管内は、少子高齢化の進行が著しく、自治会をはじめ各種団体の担い
手不足が深刻化しています。このため集落維持が難しい状況になりつつあります。
このような中、地域住民が、生きがいや幸福感をもって住み続けることのできる地域に
するには、最低限の機能を備えた拠点が必要です。そのため足腰の強い、自立した自治会
づくりが課題です。
150
自治・学習課
10 五十崎自治センター
-住民が集う自治センターをめざして-
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
自治力の向上とセンター内での広域連携をはかり、人権を尊重し、文化的で明るく住
みよい、心の通い合うコミュニティづくりを推進し、地域の活性化をはかります。
●計画事業
1 住民の連帯意識の醸成と自治力の向上の推進
・地域づくり計画に基づき、自治会活動を支援し、自治力強化に向けた事業を展開しま
す。
・コミュニティビジネス、交流ビジネスも含めた地域の活性化策を検討します。★
・五十崎地区にある伝統的・歴史的な建物や文化・自然などを活用した事業を展開しま
す。★
2 心の通い合う人づくり・地域づくりの推進
・あけぼの集会所事業との共催による人権学習を推進します。
・高齢者・女性・乳幼児教室開催、自然・環境教育を推進します。
・社会体育事業(各体育施設管理業務・各種スポーツイベント主催)を推進します。
3 小規模・高齢化集落対策の推進
・地域おこし協力隊との協力し、小規模・高齢化集落の活性化をめざします。
4 廃校跡地の利活用の検討 ★
・御祓小学校跡地の利活用について、地域づくり事業補助金等を活用して研修等を行い、
地域おこし協力隊等と連携して活用方法を検討します。場合によっては全国公募で新
たな活用を模索します。
●数値目標(主な活動予定)
・小田川コットントンなどに代表されるコミュニティビジネス ★(H27~ 31年度)
・住民の連帯意識醸成のための管内町民運動会の開催(H28 年度)
・通常事業(各種学習会・教室)の継続・実施(H27~31 年度)
・五十崎地区の資源を再発見、再評価していく事業を推進するとともに、魅力を町内外に
アピールするために、マップづくりを実施(H27~31 年度) ★
【現状と課題】
社会教育の分野においては、今後も特色ある社会教育活動を実践し、子どもから高齢者
まで幅広い年齢層が気軽に立ち寄り、利用できる自治センターが求められています。
合併後、自治会制度に取り組んで 10 年が過ぎ、自主、自立の精神が生まれています。
しかし、周辺部の人口減少に歯止めが効かないため、移住者の受け入れなどを地域と一緒
になって進めていく必要があります。
また、地域ブランドである凧や和紙、桐下駄 泉谷の棚田など地域の宝を地域住民と一
緒になって考え、行動しながら再認識していくことが課題です。
151
自治・学習課
11 小田自治センター
―スバル及び城の台公園の利活用事業―
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
県内でもコンサートホールとして評判の高い内子町文化交流センタースバルを活用
するため、NHK 公開収録や宝くじ助成事業など、財政や来場者への負担の少ない事業
を展開します。また、地域住民主体の活動を進めるため、スバル事業企画運営委員会に
よる企画事業に取り組みます。
城の台公園の多目的広場では四国アイランドリーグ公式戦が定着してきました。ま
た、高校生をはじめ、県内のクラブチームにも積極的に利用してもらっています。体育
館は構造用大断面集成材を用いた暖かみがある建物で、隣接するログハウス「交友館」
と共に、合宿等を推進します。
2017 年のえひめ国体ライフル射撃(CP 以外)開催地であり、城の台公園の周辺整
備につとめます。
●計画事業
【スバル】
1 テレビ番組の公開収録や、宝くじ助成を利用した財政負担の少ない事業の開催
(例:NHK 公開収録、宝くじ文化公演、よんでん文化振興財団)
2 事業企画運営委員会による、住民主体の施設利用促進
(例:愛媛県警音楽隊、落語公演)
3 学校と連携した利活用・学校教育支援
(例:内子町音楽発表会、小田小学校学芸会、小田中学校合唱コンクール)
【城の台公園】
4 四国アイランドリーグ公式戦を定期的に開催
5 えひめ国体ライフル射撃(CP 以外)の開催
6 交友館の準耐火構造への改修及び浴室増設 ★
・宿泊利用に向けて、スポーツ合宿等の利用を進めます。
●数値目標
利用者数
H27年度
H28年度
H29年度
H30 年度
H31 年度
【スバル】
【城の台公園】
20,000 人
6,500 人
25,000 人
7,000 人
35,000 人
7,500 人
21,000 人
7,700 人
21,500 人
8,000 人
152
【現状と課題】
文化交流センタースバルは、550名収容可能な大ホールを備える文化施設と、公民館機
能を持つ教育施設との2つの側面を持っており、文化交流・生涯学習・図書館・情報発信
拠点といった機能を持つ公共施設として利用されています。
会議室・図書室・大ホールなど、人口減とともに利用率が低迷しています。年間1,400
万円の維持管理費が生じており、経年による修繕費用も発生し、更に適正な維持管理が求
められています。
したがって、スバルの利用促進は、内子町全体にとって重要課題です。
平成 26 年度から住民主体の事業企画運営委員会を立ち上げ、大ホールを活用したイベ
ント等の運営を行い、施設の利用促進を図るとともに、住民を巻き込んだ施設運営を行っ
ています。
内子町城の台公園は、両翼 93m、センター120m の本格的な野球場(多目的広場)を
はじめ、大断面集成材を用いた体育館、人工芝を張ったテニスコート、木製複合大型遊具
や 50m のローラー滑り台を備えています。また併設して、地元産材を使用したログハウ
スの研修施設もあります。
これらの施設を有効に活用するため、住民はもとより学生をはじめ多くの利用者を確保
するため、各種大会の招致に努めます。
2017 年は、えひめ国体が開催され、城の台公園ではライフル射撃(CP 以外)の種目が
実施されます。全国各地から選手・関係者が訪れるため、施設周辺の整備をはじめ環境整
備を行います。
153
自治・学習課
12 小田自治センター
―自治会活動と地域活性化(廃校活用を含む)―
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
人口減少、少子高齢化が進む小田地区において、平成 26 年度に自治会が策定する
地域づくり計画書に基づき、自治会活動、地域づくり事業を積極的に推進します。ま
た、地域を元気にするための方策も検討します。
そのために、平成 22 年度に発足した小田地区元気アップ戦略会議や小田地区自治
会連絡会での情報交換や先進地研修など、新しい情報を得ることで地域に刺激を与え
るとともに、地域づくり担当職員が積極的に関わる研修会を開催し、町総合計画の理
解、担当自治会での取り組み紹介などの研修を行います。
さらに、平成 26 年度から就任した地域おこし協力隊による新たな取り組みも展開
しながら、廃校となった参川小学校、田渡小学校の跡地利用、地元で活用する方策の
検討を進める他、全国公募による利活用も検討します。
●計画事業
1 小田地区自治会連絡会の開催
・年 4 回開催。2 年に 1 度の研究大会、その間の年に行う先進地視察研修を通じ、
地域の意欲を喚起します。
2 小田地区元気アップ戦略会議の開催
・農協、森林組合、商工会、小田地区移住者、農林業従事者などさまざまな業種の
住民による戦略会議を開催し、地域の実情、課題を拾い上げ、活性化につながる
取り組みを検討します。
3 地域づくり担当職員研修会の実施
・小田地区地域づくり担当職員研修会を開催し、町と各自治会の連携、相互理解に
努め、お互いの施策、活動に活かせるよう努めます。
(例:内子町総合計画について学習を深め、各自治会地域づくり計画の取り組み状
況について情報交換を行い、それぞれの活動に活かします。
)
4 地域おこし協力隊による地域活性化の取り組み
・地域にずっといる者には気付きにくい地域の良さ、宝を掘り起こしてもらい、そ
れを活かす取り組みをします。小田地区の魅力をインターネットで全国にPRし
ます。
5 廃校跡地の利活用の検討 ★
・参川小学校、田渡小学校跡地の利活用について、地域づくり事業補助金等を活用
しながら研修、検討会を開催するなど活用方法を検討します。地元での活用希望
がない場合は、他の廃校施設とともに全国公募を行い、工房やキノコ工場など新
たな活用をはかります。
154
【現状と課題】
小田地区の人口は急激に減少し、活動の主体となる若者も少なくなり、高齢化率も高
くなっているため活動ができにくくなっている状況です。3つあった小学校も1つにな
るなど、地域の活力が失われつつあります。
地域の活性化のためには自治会活動が重要ですが、生産年齢人口の減少により、役員
選出にも困難を来す状況です。
今後は、地区全体の青壮年層を連携させる取り組みなど、異業種、異年齢の活動を展
開していく必要があります。
155
自治・学習課 プロジェクト 10 事業
自治・学習課は、プロジェクト に掲げられている事業のうち、以下の
事業を担当します。
(これらは計画の中では★印をつけてあります。
)
いかざきワンダーランド・プロジェクト
(1)小田川コットントンなどに代表されるコミュニティビジネスの推進
(2)五十崎地区にある伝統的・歴史的な建物や文化・自然などを活用した事業
(3)五十崎地区の資源・魅力を町内外にアピールするためのマップづくり
(4)廃校跡地(元御祓小学校)の利活用の検討
小田流ライフスタイル・プロジェクト
(1)廃校跡地(元参川小学校・元田渡小学校)の利活用の検討
(2)交友館の宿泊利用
156
小田支所は、こんな仕事をします
―前期計画に対する小田支所の方針―
小田地区全体の状況を絶えず視野に入れながら、住民の身近な
ニーズに対して迅速かつ適切な対応に努め、住民サービスの向上
に向け、支所機能を充実します。
また、小田深山に代表される豊かな自然や豊富な森林資源等の
小田地区独自の個性を生かしながら、小田地区らしいまちづくり
を目指し、次の事業に取り組みます。
1 支所機能の充実
2 小田深山保全活用の推進
3 小田ブランドづくり
4 小田流うちこんかいの推進
5 うちこ森の学校の推進
6 おだシンリナートの推進
157
小田支所
1 支所機能の充実
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
少子高齢化が急速に加速する小田地区では、住民が元気で明るく生きていくために、
住民ニーズの把握や適切な対応に努めます。また、過疎集落が多い小田地区では、そ
れぞれの集落が自立した営みができるよう、指導・助言及び支援を行います。
●計画事業
1 窓口業務の充実
・窓口業務全般にわたり、職員個々が専門知識の習得と住民対応の向上をめざし、
迅速で適切な業務の遂行に努めます。
2 福祉施策の充実
・少子化対策…本庁及び関係機関と連携した、子育て家庭の支援等を進めます。
・高齢者対策…地域で行われるサロン等に出向き、地域の課題や実情を把握し、高
齢者の皆さんが仲良く元気であり続ける地域社会づくりをめざしま
す。
3 小田高等学校の存続に向けた取り組み ★
・高校存続に向けた、生徒数確保のための活動支援を行います。
・地域資源(林業)を生かした、特色ある取り組みを行います。
4 地域防災力の強化
・消防団及び小田地区内の各自主防災会との連携強化を進め、安全・安心な地域づ
くりに努めます。
●数値目標
【現状と課題】
小田支所の窓口業務は、少ない職員体制の中で多岐にわたる業務に日々対応していま
す。
近年、住民の高齢化に伴い戸籍や福祉部門への相談が増加傾向にあり、諸制度の幅広
く詳しい知識の習得や、住民への適正な対応が職員に望まれています。
職員体制では戸籍・福祉の窓口担当職員が 3 名体制であり、職員間や福祉関係事業所
等との連携により、地域住民の情報収集と幅の広い対応が必要です。
一方で、防災に関しては、消防団員の慢性的な不足が生じており、団員の確保や部の
統合を視野に入れた取り組みが必要です。
安全・安心の確保のためにも、組織づくりや避難場所等の整備が望まれています。
158
小田支所
2 小田地区魅力拡大事業
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
小田地区の観光PR活動を各種媒体によって行い、交流人口の拡大を図るとともに、
移住促進のため関係各課と連携し、各種条件整備を行います。
●計画事業
1 小田地区の情報発信
・公共機関における各種イベントと民間イベント等の効果的発信のため、小田地区
内の情報共有を行うとともに、小田郷会等を含む仮称「小田ファンクラブ」を創
設し、広報宣伝活動を強化します。
2 小田ブランドづくりの推進 ★
・森に関わる体験型イベント、ツーリズム等の実施を行うとともに、道の駅「小田
の郷せせらぎ」等における特産品づくりを支援します。
3 小田流うちこんかい ★
・関係各課と共同し、小田地区への企業誘致活動及び既移住者からのヒアリング、
空き屋実態調査(森付き、農地付き住宅)を行い、ニーズに合わせた移住者の支
援を行います。
・
「もり婚イベント」
(森を利用した婚活事業)を企画・実施し地域の活性化を支援
します。
4 おだシンリナート[森林+アート(芸術)
]の推進 ★
・小田特有の資源(森など)を有効利用、アートによるまちづくりを研究し、企画・
実施します。
●数値目標
小田地区移住者(年間)
H27 年度
5戸
H28 年度
5戸
H29 年度
5戸
H30 年度
5戸
H31 年度
5戸
【現状と課題】
小田地区の人口減少は著しいですが、地域住民は小田燈籠まつりや寺村山の神火祭り
など他地域に誇れる勇壮なイベントを全戸挙げて実施するパワーを持っています。また、
小田出身者で構成される「小田郷会」は、故郷小田の地を忘れることはありません。小
田は地域愛が極めて高い地区であるといえます。
今、求められているものは若い人達への働く場の提供です。地域の資源を生かした産
業づくりの取り組みが急務になっています。
159
小田支所
3 せんの森プロジェクト事業★(小田深山保全活用・うちこ森の学校の推進、小田深山荘の改築)
【前期計画】
(平成 27 年度~31年度)
●基本方針
内子町の自然シンボルである「小田深山」を主現場として、様々な観点から「山と人との
関わり」をつくり「小田地域」また「内子町の山並」の活性化、ブランド化を進めます。
森林や自然と共に生きるライフスタイルや、小田深山の自然をいかした、独自の「いやし、
おもてなし」
、
「学習・研究」を広く発信し、小田深山ファンを多く獲得します。
小田深山の受入拠点を、小田深山荘として改築やソフトを充実します。
●計画事業
1 小田深山の自然環境保全活動
・小田深山渓谷をシンボルに、自然を守る(自然調査・植樹等)活動を実施します。
・自然を豊かにしていくための、取り組みの研究や規制等を検討します。
2 山を活用した産業(ブランド)づくりと人材育成
・自然ツアーや体験、研修等の受け入れ体制(スタッフの充実)をつくります。
・森の産物を活用した製品づくりを進めます。
(木材、野草や苗、石、水 等)
3 自然や山のファンづくり
・ホームページでの発信と直接町内外へ出向いて伝えていく活動を行います。
(キャンペー
ン)
。
・定期的な自然講座や林業研修、シンポジウムを開催します。
4 受入拠点施設の整備
・老朽化した「小田深山荘」の新築や、ネイチャーセンター(散策拠点、案内所)等の受け
入れを充実します。
・遊歩道等の付帯施設の活用検討や整備を進めます。
●数値目標
活動参加人数
H27 年度
H28 年度
H29 年度
H30 年度
H31 年度
その他
1,500 人
2,000 人 小田深山荘設計
4,000 人 小田深山荘改築
5,000 人
7,000 人
【現状と課題】
平成 21 年度からの活動により、
「小田深山」の知名度や活動力は上昇してきています。
「アウ
トドア」や「自然の癒し」を求める流れを、さらに「地域」へ引き込むために、独自の受入メニ
ューや、情報発信の充実が課題です。
また、地域全体での盛り上がりを作ることが事業継続の大きな力になります。日常的な、学習
や研修等の活動を充実させ、
「地域の山への愛」を増強します。
地域の活性化は、
「地域の豊かな自然環境」がなくては推進できません。自然との共生や自然保
全を主軸に事業を展開することが課題です。
160
小田支所 プロジェクト 10 事業
小田支所は、プロジェクト に掲げられている事業のうち、以下の
事業を担当します。
(これらは計画の中では★印をつけてあります。
)
小田流ライフスタイルプロジェクト
(1)小田高等学校の存続に向けた取り組み
(2)小田ブランドづくりの推進
(3)小田流うちこんかい
(4)おだシンリナート[森林+アート(芸術)
]の推進
(5)せんの森プロジェクト事業
うちこ森業プロジェクト
(1)せんの森プロジェクト事業
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