資料番号:95-27 ゴルフボールの弾道シミュレータ 舟橋 舟橋 宗夫 -1- 宗夫 平成 20 年 3 月 5 日 資料番号:95-27 弾道計算の原理 横 浜 ゴ ム 1は ゴ ル フ ボ ー ル の 初 速 度 、 打 出 し 角 度 、 バ ッ ク ス ピ ン 量 な ど の 初期弾道、飛距離、および滞空時間を測定し、ゴルフボールの弾道を算出する システムを特許出願している。 弾道計算の原理は次のとおりである。 図に示すように、飛翔しているゴルフボール8には、抗力D、揚力L、重力 mg が 作 用 す る 。 横浜ゴムの公開特許説明図 こ の と き 、 水 平 (x)方 向 の ゴ ル フ ボ ー ル の 運 動 方 程 式 は 式 1 で 表 さ れ る 。 ま た 、 垂 直 (y)の ゴ ル フ ボ ー ル 8 の 運 動 方 程 式 は 式 2 で 表 さ れ る 。 m× d 2x = − D(t ) × cos θ (t ) − L(t ) × sin θ (t ) ------------------------1 dt 2 m× d2y = − D(t ) × sin θ (t ) + L(t ) × cos θ (t ) − mg -------------------2 dt 2 こ こ に m=ゴ ル フ ボ ー ル の 質 量 θ =飛 翔 角 度 飛翔角度(打出し角度)θ は、下記の式3で表される。 dy −1 dt θ = tan dx dt 1横 浜 ゴ ム 株 式 会 社 舟橋 宗夫 -------------------3 特 開 2005-278797 -2- 平成 20 年 3 月 5 日 資料番号:95-27 また、式1および式2における抗力Dは式4で表され、揚力Lは式5で表され る。 1 D = C D × A × × ρ × U 2 (t ) 2 -------------------4 1 L = C L × A × × ρ × U 2 (t ) 2 -------------------5 式 4 お よ び 式 5 に お け る C D は 抗 力 係 数 で あ り 、 CL は 揚 力 係 数 で あ り 、 ρ は 空 気 の 密 度 で あ る 。 ほ ぼ ρ =1.29 kg/m 3 で あ る 。 Uはゴルフボールの速度で、式6で表される。 2 dx dy U = + dt dt 2 -----------------------6 ゴ ル フ ボ ー ル 8 の 打 撃 直 後 の 初 速 度 、ゴ ル フ ボ ー ル 8 の 打 撃 直 後 の 打 出 し 角 度 、 およびゴルフボール8の打撃直後のバックスピン量(以下、ゴルフボール8の 打撃直後の初速度、ゴルフボール8の打撃直後の打出し角度、およびゴルフボ ー ル 8 の 打 撃 直 後 の バ ッ ク ス ピ ン 量 を ま と め て 、 単 に 初 期 弾 道 特 性 値 と い う )、 ゴルフボール8の飛距離、ならびにゴルフボール8の滞空時間を測定する。 そして、この測定結果に基づいて、上記数式1∼数式6を用い、ゴルフボール 8の飛距離、およびゴルフボール8の滞空時間が測定値と所定の誤差範囲内と なるように、ゴルフボール8の飛翔中の平均抗力係数、およびゴルフボール8 の飛翔中の平均揚力係数を算出して、ゴルフボール8の弾道を算出する。 打 撃 時 か ら 着 地 時 ま で の 抗 力 係 数 C D 、お よ び 揚 力 係 数 C L を そ れ ぞ れ 変 ら な い 一 定 の 定 数 と し て 扱 い 、平 均 抗 力 係 数 、お よ び 平 均 揚 力 係 数 と し て い る 。ま た 、 ゴルフボール8の投影面積A、および空気の密度 ρ も定数としている。 本発明により算出されたゴルフボール8の弾道が実測値に対して十分な誤差範 囲内のものであり、膨大な計算をすることなく、容易に精度が高いゴルフボー ル8の弾道を算出することができるとしている。 な お 、 筆 者 (舟 橋 宗 夫 )は 、 数 式 1 ∼ 数 式 4 を 逐 次 計 算 し 、 ゴ ル フ ボ ー ル 8 の 弾道を算出する計算ソフトを開発していることを付加えておきます。 舟橋 宗夫 -3- 平成 20 年 3 月 5 日
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