1.道路の老朽化を取り巻く現状

2
目
次
1.道路の老朽化を取り巻く状況
道路橋の維持管理に関する最近の話題
2.道路法改正・インフラ長寿命化の計画体系
3.道路の老朽化対策の本格実施に関する提言
4.道路メンテナンスサイクルの本格実施に関する取組み状況
平成27年 5月
5.点検のポイント
国土交通省
中部地方整備局
1
2
中央自動車道
笹子トンネル天井板落下事故
1.道路の老朽化を取り巻く現状
3
出典:社会資本整備審議会基本政策部会第44回資料
4
高度成長期の社会資本
日本の道路整備の展開
国道・都道府県道の改良済み延長の推移
(千km)
160
オイルショック
1977
第1次 1973(S48)
第2次 1979(S54)
第3次 2004(H16)
140
120
100
高度成長期
バブル景気
(1986~1991)
80
S61
H3
2011
60
40
20
2012
2009
2006
2003
2000
1997
1994
1991
1988
1985
1982
1979
1976
1973
1970
1967
1964
1961
1958
1955
1952
-0
高
度
経 済
成 長
5
7
日本の橋梁建設年度別施設数
6
橋梁の高齢化
人と同じく橋も高齢化し、10年後には50歳以上の橋梁が全体の4割以上を構成
オイルショック
高度成長期
バブル景気
43%(10年後)
※道路局調べ
7
8
アメリカの事例
相次ぐ橋梁の崩壊
1983年~2005年
日本より30年早く高齢化
(築50年)
▲オクラホマ州無名橋重車両によ
る落橋(2005)
米国は
▲ミルウォーキー州ホーン橋の鋼主桁の亀裂による路
面沈下・・・11か月の全面通行止め(2000年)
日本は
9
▲ペンシルベニア州 跨道橋の落橋
・・・凍結防止剤の散布による鉄筋腐食
(2005)
▲コネチカット州 マイアナス橋の落橋
(1983)
10
荒廃するアメリカと予算の推移
ミネアポリス橋の崩壊(築40年)
・ 2007年8月1日 米国ミネアポリス ミシシッピ川に架かる橋梁(I-35W)が鋼トラス橋を中心に、約300mに
わたり崩壊する事故が発生。50台以上の車が巻き込まれて13人の死亡が確認
・ これまでの点検結果:部分的な腐食、溶接欠陥、疲労亀裂を確認
・当面の対応: トラス部材の板補強、溶接部欠陥調査の必要性が提言
・ 崩壊原因:鋼材のつなぎ目に使われる補強板の設計ミスで必要な厚さの半分しかなかったと発表
米国州道路管理事業費の推移
【橋梁諸元】
供用:1967年
形式:鋼上路トラス橋
橋長:581m
交通量:約14万台/日
(I-35W)鋼トラス橋崩壊の状況
11
11
12
管理者別の道路延長と橋梁数
通行規制橋梁の増加
地方公共団体管理橋梁では最近5年間で通行規制等が2倍以上に増加
日本では、全橋梁約70万橋のうち約50万橋が市町村道
■地方公共団体管理橋梁の通行規制等の推移(2m以上)
【日本の道路種別と延長割合】
【道路種別別橋梁数】
(橋)
2倍以上に増加
約70万橋
(2m以上)
H20
※道路局調べ(H25.4) 13
H25
※道路局調べ( H25.4 )
※東日本大震災の被災地域は一部含まず
都道府県・政令市は、地方道路公社を含む
※メインケーブルの破
損、主桁の腐食やコン
クリート床版の剥離によ
り通行規制を実施して
14
いる事例
メンテナンスの取組み
本格的にメンテナンスサイクルを回すための取組みに着手
当面講ずべき措置を工程表としてとりまとめ(平成25年3月)
「社会資本の老朽化対策会議(議長:国土交通大臣)」にて、今後3年間にわたる当面講ずべき措置
の具体的な取組みを工程表としてとりまとめ
道路法の改正(平成25年6月5日公布、9月2日一部施行)
【道路の維持・修繕の充実(ハード対策)】
・点検基準の法定化
・国による修繕等の代行制度の創設
2.道路法改正・
インフラ長寿命化の計画体系
【大型車両の通行の適正化(ソフト施策)】
・制限違反を繰り返す車両の使用者等に対する監督強化(立ち入り検査の実施)等
インフラ長寿命化基本計画の策定(平成25年11月)
「インフラ老朽化対策の推進に関する関係省庁連絡会議(議長:内閣官房副長官補)」にて、戦略的な
維持管理・更新等を推進するため、数値目標やロードマップを明確にしたインフラの長寿命化に関する
基本方針をとりまとめ
15
国土交通省インフラ長寿命化計画(行動計画)(平成26年5月)
出典:社会資本整備審議会基本政策部会第44回資料
16
道路法の一部を改正する法律の概要(6月5日公布、9月2日一部施行)
道路法改正
省令・告示、定期点検要領の体系
① 省令・告示で 、5年に1回、近接目視を基本とする点検を規定、健全性の診断結果を4つに区分。
(トンネル、橋などの構造物で共通)
② 市町村における円滑な点検の実施のため、点検方法を具体的に示し、主な変状の着目箇所、判定事
例写真等を加えたものを定期点検要領としてとりまとめ。 (トンネル、橋などの構造物毎)
法令・定期点検要領の体系
道路法
H25.9.2施行
政令
(道路法施行令)
省令(国土交通省
令)・告示
H26.3.31公布
H26.7. 1施行
定期点検要領
・維持、点検、措置を講ずることを規定
・トンネル、橋及び、損傷、腐食その他の劣化その他の
健全性の診断結果を、4段階に区分
異状が生じた場合に道路の構造又は交通に大きな支
障を及ぼすおそれのあるものについて定期点検を規定
・5年に1回、近接目視を基本として実施
・健全性の診断結果を、4段階に区分
・構造物の特性に応じ省令・告示に沿った具体的な点
検方法
・主な変状の着目箇所、判定事例写真等
道路法の改正
(トンネル、橋などの
構造物)
構造物に共通の規
定
(トンネル、橋などの
構造物)
各構造物毎に策定
17
(H25.9.2施行)
出典:社会資本整備審議会基本政策部会第44回資料
道路法等の改正に伴う政令
18
(H25.9.2施行)
<道路法施行令>
<道路法>
■ 道路の維持又は修繕を定める。
第四十二条 道路管理者は、道路を常時良好な状態に保つように維持し、修繕し、
もつて一般交通に支障を及ぼさないように努めなければならない。
2 道路の維持又は修繕に関する技術的基準その他必要な事項は、政令で定め
る。
3 前項の技術的基準は、道路の修繕を効率的に行うための点検に関する基準を
含むものでなければならない。
19
■ 道路の維持又は修繕に関する技術的基準等を定める。
第三十五条の二 法第四十二条第二項の政令で定める道路の維持又は修繕に
関する技術的基準その他必要な事項は、次のとおりとする。
一 道路の構造、交通状況又は維持若しくは修繕の状況、道路の存する地域の地
形、地質又は気象の状況その他の状況(次号において「道路構造等」という。)を勘
案して、適切な時期に、道路の巡視を行い、及び清掃、除草、除雪その他の道路
の機能を維持するために必要な措置を講ずること。
二 道路の点検は、トンネル、橋その他の道路を構成する施設若しくは工作物又
は道路の附属物について、道路構造等を勘案して、適切な時期に、目視その他適
切な方法により行うこと。
三 前号の点検その他の方法により道路の損傷、腐食その他の劣化その他の異
状があることを把握したときは、道路の効率的な維持及び修繕が図られるよう、必
要な措置を講ずること。
2 前項に規定するもののほか、道路の維持又は修繕に関する技術的基準その他
必要な事項は、国土交通省令で定める。
20
道路法施行規則の一部を改正する省令
健全性の診断結果の分類に関する告示
<維持管理に係る省令の規定>
■ トンネル等の健全性の診断結果の分類に関する告示等を定める。
■ 道路の維持又は修繕に関する技術的基準等を定める。
トンネル等の健全性の診断結果については、次の表に掲げるトンネル等の
第四条の五の二 令第三十五条の二第二項の国土交通省令で定める道路の維
持又は修繕に関する技術的基準その他必要な事項は、次のとおりとする。
状態に応じ、次の表に掲げる区分に分類すること。※橋梁も下記分類にて区分
一 トンネル、橋その他道路を構成する施設若しくは工作物又は道路の附属物の
うち、損傷、腐食その他の劣化その他の異状が生じた場合に道路の構造又は交
通に大きな支障を及ぼすおそれがあるもの(以下この条において「トンネル等」とい
う。)の点検は、トンネル等の点検を適正に行うために必要な知識及び技能を有す
る者が行うこととし、近接目視により、五年に一回の頻度で行うことを基本とするこ
と。
二 前号の点検を行つたときは、当該トンネル等について健全性の診断を行い、そ
の結果を国土交通大臣が定めるところにより分類すること。
三 第一号の点検及び前号の診断の結果並びにトンネル等について令三十五条
の二第一項第三号の措置を講じたときは、その内容を記録し、当該トンネル等が
利用されている期間中は、これを保存すること。
21
定期点検要領の通知
区 分
状態
Ⅰ
健 全
構造物の機能に支障が生じていない状態。
Ⅱ
予防保全段階
構造物の機能に支障が生じていないが、予防保全
の観点から措置を講ずることが望ましい状態。
従前でいうC判定
Ⅲ
早期措置段階
構造物の機能に支障が生じる可能性があり、早期に
措置を講ずべき状態。
Ⅳ
緊急措置段階
構造物の機能に支障が生じている、又は生じる可能
性が著しく高く、緊急に措置を講ずべき状態。
22
インフラ長寿命化の計画体系
■基本計画
H25.11.29インフラ老朽化対
策の推進に関する関係省庁
連絡会議にて決定
平成26年6月 定期点検要領を通知
インフラ長寿命化基本計画
(国)
出典:社会資本整備審議会
基本政策部会第44回資料
○インフラの長寿命化に関する基本方針
・目標とロードマップ
・基本的な考え方
・インフラ長寿命化計画の基本的事項
・必要施策の方向性
・国と地方の役割
・産学界の役割 等
■行動計画
2016年度までに策定
インフラ長寿命化計画
(国)
公共施設等総合管理計画
(自治体)
○基本計画の目標達成に向けた行動計画
※省庁毎に策定
■個別施設計画
(個別施設毎の長寿命化計画)
2020年度までに策定
●中部地整管内の自治体職員を対象に、
『定期点検要領説明会』を開催(H26年度)
道路
23
※自治体毎に策定
・対象施設
・計画期間
・所管インフラの現状と課題
・中長期的な維持管理・更新コストの見通し
・必要施策の具体的な取組内容と工程
・フォローアップ計画
※施設特性に応じて必要施策を具体化
河川
公共建築物
道路
河川
公共建築物
○施設の状態に応じた詳細な点検・修繕・更新の計画
24
公共施設等総合管理計画策定指針の概要
国土交通省インフラ長寿命化計画(行動計画)概要(H26.5.21)
25
~平成 年度
今回策定を依頼する「点検計画」
は
平成27年度以降は「個別施設計
画」に包含される。
平成 年度
7/1
省令
施行
平成 年度
平成 年度
28
基本計画
点検計画の策定
・H26年内を目途に橋梁、トンネル、大型
の構造物の点検計画(5年間)を策定
個別施設計画の策定
・上記の点検計画をベースに、H26点検
結果、H31以降5年間の点検計画、
H26以降10年間の修繕計画の追加・
見直しを行い、個別施設計画を策定
個別施設計画の追加・修正
・点検結果の追加及び
それを踏まえた修繕計画の追加・見直
し
社会資本整備重点
計画(H24.8閣議決定)
(H25.11関係省庁連絡会議策定)
※
「各インフラの管理者は、……
個別施設計画をできるだけ
早期に策定する」
一部 ※
策定済
策定済
点検計画策定依頼
個別施設計画策定依頼
27
26
個別施設計画について
25
26
出典:総務省HP
「全国道路橋の長寿命
化修繕計画策定率
H28年度末で100%」
※長寿命化修繕計画
行動計画(H26.5国土交通省策定)
個別施設計画の策定施設、スケジュールを明記
【国土交通省管理】
橋梁
トンネル
点
※既存の橋梁長寿命
検
化修繕計画をもって 計
個別施設計画とする 画
H
3
1
以
降
の
点
検
計
画
【自治体等管理】
大型の
構造物
橋梁
(橋長15m以
上)
点
検
計
画
修
繕
計
画
H
3
1
以
降
の
点
検
計
画
橋梁(橋長15m未
満)・
トンネル・大型の構
造物
点
検
計
画
H
3
1
以
降
の
点
検
計
画
修
繕
計
画
3.道路の老朽化対策の
点
検
計
画
H
3
1
以
降
の
点
検
計
画
修
繕
計
画
修
繕
計
画
本格実施に関する提言
~H27
策定
~H28
策定
~H28
策定
~H32
策定
27
28
道路の老朽化対策の本格実施に関する提言 概要
道路の老朽化対策の本格実施に関する提言
【1.道路インフラを取り巻く現状】
Ⅰ.最後の警告
今すぐ本格的なメンテナンスに舵を切れ
【2.国土交通省の取組みと目指すべき方向性】
社会資本整備審議会 道路分科会建議
平成26年4月14日
29
30
【3.具体的な取り組み】
31
32
道路のメンテナンスについて
現状の問題点(背景)
○道路法の改正(H25.9)により、点検が法律で義務化
○地方公共団体では、三つの課題(人不足、技術力不足、予算不足)により、
点検が進まない、点検結果の妥当性確認ができない、適切な修繕等が実施できない
【道路メンテナンス会議の様子】
メンテナンスサイクル(点検⇒診断⇒措置⇒記録⇒)を回す仕組みと
して、各県毎に『道路メンテナンス会議』を設置
【内容】・全ての道路管理者が参加し、連携・協力して点検計画を策定
4.道路メンテナンスサイクルの
・メンテナンス業務の地域一括発注を実施
・自治体職員を対象にしたメンテナンス技術者育成のための研修や現地講習会を実施
【開催状況】 平成26年度
本格実施に関する取組み状況
設立(第1回)
第2回
第3回
岐阜県
静岡県
愛知県
三重県
長野県
4月25日
10月7日
1月8日
6月4日
10月10日(部会)
12月24日
4月28日
9月29日
1月9日
3月18日
10月3日
12月19日
5月28日
10月20日
12月25日
【橋梁初級Ⅰ研修(4日間、5回):約200名が参加】
【現地点検講習会(約半日、35回):約560名が参加)】
33
点検計画の策定(1)
点検計画の策定(2)
・平成26年7月から「点検は5年に一度、近接目視で行う」を本格実施
・平成26年12月~平成27年1月に実施した「第3回道路メンテナンス
会議」で、国、中日本高速、地方公共団体等が管理する道路橋等
(約11万施設)について、平成26年度~30年度の点検計画を策定
・点検を最優先する高速道路を跨ぐ跨道橋、及び跨線橋については、
特に鉄道事業者との調整が課題
【道路橋】
単位:橋
県 名
岐阜県
静岡県
愛知県
三重県
4県計
管理
施設数
26,234
30,527
25,419
20,034
道路橋点検計画
H26
34
H27
H28
県 名
岐阜県
静岡県
愛知県
三重県
4県計
( )内は点検率%
H29
H30
( )内は点検率%
トンネル点検計画
管理
施設数 H26(点検率) H27(点検率) H28(点検率) H29(点検率) H30(点検率)
365
34 (9)
78 (21)
83 (23)
79 (22)
91 (25)
464
22 (5)
96 (21)
97 (21)
86 (19)
163 (35)
116
22 (19)
25 (22)
22 (19)
14 (12)
33 (28)
231
113 (49)
22 (10)
22 (10)
21 (9)
53 (23)
1,176
191 (16)
221 (19)
224 (19)
200 (17)
340 (29)
※ 施設数は、第3回メンテ会議時の国・中日本高速・県・政令市・市町村・道路公社管理の合計
【その他施設(シェッド、大型カルバート、横断歩道橋、門型標識)】
2,989 (11)
6,346 (24)
6,318 (24)
5,799 (22)
4,775 (18)
2,493 (8)
7,286 (24)
6,735 (22)
6,964 (23)
7,049 (23)
県 名
4,053 (16)
4,733 (19)
5,204 (20)
5,550 (22)
5,879 (23)
2,041 (10)
4,189 (21)
5,224 (26)
4,721 (24)
3,859 (19)
岐阜県
静岡県
愛知県
三重県
4県計
102,214 11,576 (11) 22,554 (22) 23,481 (23) 23,034 (23) 21,562 (21)
※ 施設数は、第3回メンテ会議時の国・中日本高速・県・政令市・市町村・道路公社管理の合計
単位:本、(%)
【トンネル】
35
単位:箇所、(%)
( )内は点検率%
その他施設点検計画
管理
施設数 H26(点検率) H27(点検率) H28(点検率) H29(点検率) H30(点検率)
1,100
96 (9)
178 (16)
232 (21)
271 (25)
323 (29)
1,645
229 (14)
417 (25)
390 (24)
351 (21)
258 (16)
2,799
411 (15)
411 (15)
525 (19)
508 (18)
944 (34)
1,100
96 (9)
178 (16)
232 (21)
271 (25)
323 (29)
6,644
832 (13) 1,184 (18) 1,379 (21) 1,401 (21) 1,848 (28)
※ 施設数は、第3回メンテ会議時の国・中日本高速・県・政令市・市町村・道路公社管理の合計
36
今後の予定
橋梁定期点検の優先順位の考え方(案)
□平成26年度の点検結果
・自治体の点検結果は、4月末までに各メンテナンス会議に提出
・自治体の点検・診断結果のうち、判定区分Ⅳの橋梁等は、「通行
止め」「通行規制」の緊急対応を実施し、「緊急修繕」「更新」「撤去」
のいずれかの措置方針を速やかに決定
区
分
状
対 象
・緊急輸送道路を跨ぐ跨道橋 / 跨線橋
最優先
建設後年数や点
検記録の有無に
よらず、直ちに
点検に着手すべ
きもの
態
Ⅰ 健全
構造物の機能に支障が生じていない状態
Ⅱ 予防保全段階
構造物の機能に支障が生じていないが、予防保全の観点から措置を講
ずることが望ましい状態
Ⅲ 早期措置段階
構造物の機能に支障が生じる可能性があり、早期に措置を講ずべき状
態
Ⅳ 緊急措置段階
構造物の機能に支障が生じている、又は生じる可能性が著しく高く、緊
急に措置を講ずべき状態
-
◆道路構造物管理実務者研修【橋梁初級Ⅰ】
平成27年度の『道路構造物管理実務者研修』(橋梁初
級Ⅰ)については、平成26年度と同様に5回開催予定。
実施期間(予定)は以下の通り。
市町村職員がメイン!中部地整としても初めての取組
2期
回 数
大庭部長の講義で5期に亘る研修がスタート! マスコミ取材もありました
【カリキュラム概要】
カリキュラム概要
カリキュラム
2/2~2/5
1日目
概論・点検一般(橋の構造の基本、点検法令体系等)
3期
2/9~2/13
2日目
損傷・診断(鋼部材、コンクリート部材、下部構造等)
4期
2/16~2/19
3日目
付属物(標識、照明施設等)、横断歩道橋の点検要領概論
土工構造物(シェッド、大型カルバート等)の点検要領概論
5期
2/23~2/26
4日目
現地実習(橋梁、函渠)
国総研玉越室長の熱のこもった講義
現地実習で説明する講師
期
間
1 期
平成27年5月18日(月)~5月21日(木)
2 期
平成27年6月22日(月)~6月25日(木)
3 期
平成27年7月21日(火)~7月24日(金)
4 期
平成27年9月28日(月)~10月1日(木)
5 期
平成28年1月25日(月)~1月28日(木)
現在、平成27年度の参加者募集中!
熱心に受講する参加者
平成27年度の研修参加者については、各県の道路メン
テナンス会議を通じて、各自治体に参加希望を募集して
いるところ。
当面、1期~3期の参加希望について3月末までに集約
済み。
※ 別途、『道路構造物管理実務者研修』【トンネル】につ
いて、平成28年1月18日(月)~1月20日(水)に開催。
参加者の約9割 が満足と回答
研修には、地整管内の4県160市町村(全市町 ■研修全体の満足度について
村の85%)から203名が参加しました。
講義では、参加者からの質問も多く、また、現地
自習では参加者が自主的に点検ハンマーで叩い
たり、写真やメモをとったりする等、本研修に熱心
に取り組んでいる事が伺えました。
終了後のアンケート調査で、約9割の参加者が
研修全体に満足していることがわかました。
また、今後も是非継続をしてほしい等の声も多く
頂きました。
・その他上記以外の道路
(注)主として、地方生活圏および主要な都市圏域の骨格を構成する道路、地方生活圏相互を連絡する道路や主
要地方道(緊急輸送道路を除く)など、道路管理者の判断による
38
道路メンテナンス関係研修 平成27年度の予定
~ 自治体職員約200人に点検技術を養成 ~
1/26~1/29
・市町村は緊急輸送道路を構成する
橋梁の点検に初年度から着手する
優先度高 ・建設年次不明および建設後一度も点検
していない橋梁
地域の実情に応
じて優先的に点 ・重交通が多いことや環境状況が厳しい
検に着手すべき
等早期に点検が必要な橋梁
もの
道路構造物管理実務者研修(橋梁初級Ⅰ) 開催報告
1期
・既往損傷がある、著しい損傷がある等、
緊急的に点検が必要な橋梁
・高速道路を跨ぐ跨道橋及び跨線橋
については、高速道路会社及び鉄
道事業者との調整が必要なことか
ら、直ちに協議等に着手する
・建設後相当年数(築約50年以上)
経過している橋梁
37
【開催期間】
・緊急輸送道路を構成する橋梁
考
・主要幹線道路(注)を構成する橋梁
□見える化の取り組み
・5年間の点検計画は、基本的にデータベースとして公開
・平成26年度点検結果、判定区分Ⅳリスト(措置方針含む)も公表
中部地方整備局では、メンテナンス技術者不足が指摘されている地方自治体
への技術的支援の一環として、『道路構造物管理実務者研修』(橋梁初級Ⅰ)
を1月26日より開始。
研修は、 『道路構造物の定期点検に関して、最低限必要な知識と技能を習
得すること』を目的。
研修期間は4日間で、1期~5期の5回に亘って開催。
※H27年度以降も引き続き開催
備
クラックゲージによる捕捉
民間技術者向け講習会の支援
以下研修について、
講師協力及び実習現場を提供
主催:全国建設研修センター、建設コンサルタンツ協会
の共催
目的:民間企業の技術者を対象に道路橋等の道路構造
物について、国土交通省が定めた法定点検に必要
なメンテナンス技術を習得させる。
(橋梁初級Ⅰ研修と同質の研修)
場所:座学=東京及び地方サテライト会場
現場=地方整備局の現場
時期:6月2日(火)~5日(金)
現場は、5日23号名南橋を予定
◆各県メンテナンス会議主催現地講習会
メンテンス会議の研修部会などを活用し、年間計画を策
定し、適宜開催予定。
桁端部の損傷状況の確認
打音検査の様子(函渠)
39
2
H26 メンテナンス会議主催現地講習会の様子
40
地域単位の一括発注の例
技術センター等を活用し発注の場合
市町村に対して発注事務の支援調査を
実施し、市町村のニーズに応じて、点検
業務の包括発注を実施
県が直接発注の場合
市町村からの技術支援要望を受け、橋梁の
点検、長寿命化計画策定を管轄の土木事
務所、県庁でとりまとめ実施(垂直補完)
■橋梁点検の場合
市町
村
・・・
市町
村
・・・
G土木事務所
市町
村
受委託
(点検・監理業務)
自ら
発注
5.点検のポイント
A市
B町
C村
■計画策定の場合
県建設研究センター
県庁
点検業務を外部委託
点検業者
D市
中部の例:岐阜県(委託)、愛知県(委託)、三重県(直営)
E町
F村
中部の例:静岡県
42
41
道路のメンテナンスサイクルの構築について
重大な損傷の事例(橋梁)
○橋梁の点検は、維持管理を行う上で、重要な第一歩
○定期的な点検に基づき、計画的かつ、効率的な補修を進めることが重要
緊急的に整備された箇所や水中部など立地環境の厳しい場所などの一部の構造
物で老朽化による変状が顕在化
めいはん
■名阪国道(国道25号)の奈良県区間において、40
橋中22橋に最近5年間で損傷を発見
みはらし はし
しんやました
■見晴橋(市道 新山下第8号線)は、37歳で損
傷を発見(横浜市中区)
奈良県区間の例
⑤神波多橋
点 検
橋梁を定期的に点検し、損
傷状況を把握、診断
④山添橋
診 断
道路管理者の決定
メンテナンスサイクル
各種点検結果や補修等
の履歴を記録保存
定期点検結果に基づき、専
門家で損傷原因に関する所
見をまとめ、対策区分を判
定し、補修等の計画を策定
①中畑橋
②薬師橋
奈良県
③桜橋
⑤神波多橋
(H24.1) 46歳
補修等の計画に基づき、効
率的に補修等を行う
記 録
①中畑橋
(H24.2)39歳
措 置
③桜橋
(H23.12)
46歳
②薬師橋
(H23.10)
46歳
④山添橋
(H18.10)
35歳
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鋼製杭橋脚腐食
※水中部から調査を実施したところ鋼製杭橋脚に著
※名阪国道(国道25号)は大阪万博に合わせて緊急的に整備され、
44
しい腐食が確認
「千日道路」と呼ばれている
国の橋梁点検の取組み
国道152号跨ぐ第一弁天橋(浜松市天竜区)のメインケーブルの破断
○2013年(平成25年)2月、国道152号を跨ぐ市道水窪新道向島線・第一弁天橋の
メインケーブルの損傷により、国道152号が 全面通行止めに。
○発生した橋梁損傷事例の概要
平成16年~
・5年に1回の近接目視点検(全ての橋梁)
第一弁天橋
平成25年~ 道路法改正(全道路管理者に対して)
・ 5年に1回の近接目視点検
・ 健全性の診断結果を、4段階に区分
現地2月10日時点の現地状況
【損傷概要】
・損傷場所:静岡県浜松市天竜区水窪町奥領家
・損傷日時:平成25年2月10日(日) 10:30頃
・橋梁諸元:吊り橋形式(歩行者専用橋)
・損傷原因:メインケーブル2本のうち1本のターンバックル部で破断
・被 害 :事故時通過していた高校生6名負傷(軽傷)
ターンバックルの破断
46
点検について
近接目視の必要性(その1)
■遠望目視では死角が生じてしまう
「点検」とは、健全性の診断を行うことである
道路橋の定期点検の実施フロー
○「必要な知識及
び技能を有するも 【誤った理解】
の者」が現地に出
向き、自ら近接目
視して診断するこ
点検
とが「点検」です
○「点検を行って
診断する」行為は
一連のものです
(書面のみで診断
を行うことはでき
ません)
定期点検計画
●5年に1回の頻度で実施
損傷、劣化、その他の
異常の捕捉あるいは把握
●近接目視を基本とした方法による
部材毎の健全性の診断
診断
【正しい理解】
(橋の機能・耐荷性能に与える影響を診
断)
●部材単位の診断による
遠望目視での死角
○
死角となっている箇所で損傷発見
死角となっている箇所で損傷発見
■ボルトのゆるみ・脱落は遠望目視では発見不可能
診断
橋毎の健全性の診断
(分類による評価の付加)
●道路橋毎の診断による分類(Ⅰ~Ⅳ)
定期点検結果の記録・保存
●診断(分類)結果の記録
●該当道路橋の利用期間中は保存
注)現地で診断した日が
点検実施日となります
47
高力ボルトの抜け落ち
支承のアンカーボルトや
取り付けボルトのゆるみ
7.22 定期点検要領等説明会(於:国土交通省)資料
48
近接目視の必要性(その2)
全数点検を行う必要性
■遠望目視では変色部は確認できるが、
うき等の有無を確認することは困難
■旭高架橋ランプ部(国道6号茨城県日立市)
架設:2008(平成20)年 損傷確認:2010(平成22)年 (2歳)
箱桁ウェブ面のひびわれ
変色部の
打音検査
変色部を確認した際、近接目視で
あれば、触診や打音検査を併用す
ることによって正確な診断を行うこ
とが可能
PCケーブル下面の空隙発見
(PCケーブルの腐食が要因)
7.22 定期点検要領等説明会(於:国土交通省)資料
49
人
箱桁内主桁の防食機能の劣化
7.22 定期点検要領等説明会(於:国土交通省)資料
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中部技術事務所HP「橋梁点検のポイント」
点検の概念と必要性
【
■石田大橋(上り)(国道20号東京都国立市)
架設:2007(平成19)年 損傷確認:2008(平成20)年 (1歳)
間 】
【
橋
中部技術事務所ホームペー
ジ
http://www.cbr.mlit.go.j
p/chugi/
】
人間も橋も
適切な点検・保全を
継続して行うことが
重要
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