情報倫理・法律に関する資料

情報倫理特別講義
内容
„
コンピュータソフトウェアの使用にかかる権利関係
… ソフトウェアの法的保護
… 著作権法,著作者人格権
„
ソフトウェアの利用許諾
… ライセンス、オープンソース・ライセンス
„
インターネットと法
… 猥褻罪(刑法175条)
… 電磁的記録不正作出罪(刑161の2)
… 電子計算機損壊等業務妨害罪(刑234の2)
… 不正アクセス行為の禁止等に関する法律
コンピュータソフトウェア
の使用にかかる権利関
係
著作物とは?
„
思想または感情の表現であること
… 具体的な表現にまで至っていない思想やアイデ
アは著作物ではない.
… 単なる事実やデータは著作物ではない.
… ただし,編集著作物,データベースの著作物はあ
る.
創作性
„ 文芸,学術,美術または音楽の範囲に属する
物であること
„
ソフトウェアの法的保護
ソフトウェアの法的保護の必要性
„ 知的・精神的産物に対する権利
„
… 特許権,実用新案権,意匠権,商標権
… 所有権が物(有体物)に対する支配権であるのに
対し,知的財産権は精神的産物に対する支配権
… 所有権と知的財産権は別個の権利
著作権
„
1985年の著作権法の改正で,コンピュータ・プログ
ラムが「著作物」として保護を受けることが明記され
た.
… 著作権法第10条第1項
„
この法律にいう著作物を例示すると,おおむね次の通りである.
・・・
九 プログラムの著作物
„
著作人格権と著作財産権を総称して、著作権とよぶ.
著作者人格権(著作権法第59条)
作者の人格的利益を保護する権利
一身専属性.譲渡不可能.
公表権(著作権法第18条)
„
„
1.
–
未発表の作品を、 いつ、どうやって発表するか
氏名表示権(著作権法第19条)
2.
–
どんな名前で発表するか
同一性保持権(著作権法第20条)
3.
–
どんなタイトル・内容で発表するか
著作財産権
„
著作物の利用を許諾したり禁止する権利.
複製権
2. 上演権・演奏権
3. 上映権
4. 公衆送信権・公衆送信可能化権等
5. 口述権
6. 展示権
7. 頒布権
8. 譲渡権
9. 貸与権
10. 翻訳権・翻案権等
11. 二次的著作物の利用に関する現著作者の権利
1.
著作者の権利(3)
„
著作権の制限
1.
2.
3.
4.
5.
私的利用のための複製
図書館などにおける複製
引用
教科用図書などへの掲載
学校教育番組の放送など
著作者の権利(4)
ソフトウェアの複製(コピー)
著作権法第30条
„
著作物は個人的または家庭内その他これに準ずる限られた範囲
内において使用することを目的とする場合は,公衆の使用に供す
ることを目的として設置されている自動複製機器を用いて複製す
る場合などを除き,使用者が複製することができる.
しかし,著作権法第47条の2
„
プログラムの著作物の複製物の所有者は,自ら当該著作物を電
子計算機において利用するために必要と認められる限度におい
て,当該著作物の複製又は翻案(中略)をすることができる.
ソフトウェアの利用許
諾
ソフトウェアライセンス
„
Windowsのライセンス
…
„
„
『本製品をインストール、 複製、または使用することによって、お客様
は本契約書の条項に拘束される ことに承諾されたものとします。本
契約書の条項に同意されない場合、マイ クロソフトは、お客様に本製
品のインストール、使用または複製のいずれも 許諾できません。そ
のような場合、未使用の本製品を直ちに購入店へご返品 いただけれ
ば、お支払いいただいた金額を全額払戻しいたします。 』
インストール作業の<同意>ボタンをクリックすることで、利用
許諾契約を結んだと見なす。
複製・ダウンロード・アクセス・使用によっても同意したことに
なる。
オープンソースライセンス
„
Microsoft製品(通常のライセンス)
… ではバイナリーコードの利用許諾をしています。バイナ
リーコードさえあればユーザーはプログラムを使えるので、
基本的にソースコードは公開されていないのです。
„
オープンソースライセンス
… 対象はソースコードで、ソースコードを使用・修正・配布す
るための利用許諾。
… それ以前の開発者の名前を削らないことを条件として、修
正したソースコードを再配布しても良い。
違法コピーの種類
„
組織内違法コピー
…
„
海賊版、偽造版
…
„
販売店が無許諾でソフトウェアをコンピュータにインストールして販売する。
インターネット・パイラシー
…
„
正規のパッケージの無断コピーや、それを真似た偽物である「海賊版・偽造版」を作成する。
販売店による違法インストール
…
„
企業や学校、病院など複数のコンピュータでソフトウェアを使う組織内における違法コピー。例えば、1 台のコン
ピュータでのみ使用することが許諾されたソフトウェアのパッケージを入手して複数のコンピュータにインストールす
るような場合がこれに該当します。
近年、インターネットへのソフトウェアのアップロードやネット・オークションを利用して海賊版などを郵送する行為。
ソフトウェアレンタル
…
ソフトウェアメーカーの許諾を得ずにソフトウェア・パッケージをレンタルする行為。
インターネットと法
インターネットを通じた名誉毀損,
プライバシー侵害
インターネットと犯罪
猥褻罪(刑法175条)
„ 電磁的記録不正作出罪(刑161の2)
„ 電子計算機損壊等業務妨害罪(刑234の2)
„ 不正アクセス行為の禁止等に関する法律
„
猥褻罪(刑法175条)
„
刑法第175条(わいせつ物頒布)
… わいせつな文書、図画その他の物を頒布し、販
売し、又は公然と陳列した者は、2年以下の懲役
又は250万円以下の罰金若しくは科料に処する。
販売の目的でこれらの物を所持した者も、同様と
する。
電磁的記録不正作出罪(刑161の2)
1.
2.
3.
人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の
用に供する権利、義務又は事実証明に関する電
磁的記録を不正に作った者は、五年以下の懲役
又は五十万円以下の罰金に処する。
前項の罪が公務所又は公務員により作られるべき
電磁的記録に係るときは、十年以下の懲役又は百
万円以下の罰金に処する。
不正に作られた権利、義務又は事実証明に関する
電磁的記録を、第一項の目的で、人の事務処理の
用に供した者は、その電磁的記録を不正に作った
者と同一の刑に処する。
電子計算機損壊等業務妨害罪(刑2
34の2)
„
威力業務妨害罪:
… 5年以下の懲役又は50万円以下の罰金(同、3年以下の
懲役又は50万円以下の罰金。)
„
人の業務に使用する電子計算機若しくはその用に
供する電磁的記録を損壊し、若しくは人の業務に使
用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指
令を与え、 又はその他の方法により、電子計算機
に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目
的に反する動作をさせて、人の業務を妨害した者は、
五年以下の懲役又は 百万円以下の罰金に処する。
不正アクセス行為の禁止等に関する
法
„
第三条の2:前項に規定する不正アクセス行為とは、次の各号の一に該当する行為をいう。
… アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制
御機能に係る他人の識別符号を入力して当該特定電子計算機を作動させ、当該アク
セス制御機能により制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為
… (略)・・・当該アクセス制御機能による特定利用の制限を免れることができる情報又は
指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ、その制限されている特定利用をし得
る状態にさせる行為
… (略)・・・特定利用を制限されている特定電子計算機に電気通信回線を通じてその制
限を免れることができる情報又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ、そ
の制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為
„
第四条
… 何人も、アクセス制御機能に係る他人の識別符号を、その識別符号がどの特定電子
計算機の特定利用に係るものであるかを明らかにして、又はこれを知っている者の求
めに応じて、当該アクセス制御機能に係るアクセス管理者及び当該識別符号に係る利
用権者以外の者に提供してはならない。ただし、当該アクセス管理者がする場合又は
当該アクセス管理者若しくは当該利用権者の承諾を得てする場合は、この限りでない。