酸化しにくいエゴマの保存方法

平成24年度 研究成果選(一般課題) 5
酸化しにくいエゴマの保存方法
■研究の目的
エゴマは福 島 県 でも古 くから用 いられており、近 年 ではα-リノレン酸 の機 能 性 なども注 目 される作
物 ですが、保 存 中 に酸 化 して品 質 が低 下 しやすい難 点 があります。油 脂 の劣 化 は主 に「酸 価 」と「過
酸 化 物 価 」で評 価 されますが、本 試 験 ではこれらを変 化 させない保 存 方 法 を明 らかにしました。
■成果の概要
●「 酸 価 」はエゴマ中 の酵 素 の作 用 により上 昇 すると考 えられ、酸 素 を遮 断 するガスバリア性 のある
袋 を使 用 しても上 昇 します。酸 価 の上 昇 を抑 制 するためには、焙 煎 して保 存 するか、焙 煎 しない
場 合 は5℃での保 存 などが有 効 です。
●「 過 酸 化 物 価 」は紙 袋 保 存 では上 昇 しますが、ガスバリア性 のある袋 では上 昇 しません。また保 存
温 度 は影 響 しません。過 酸 化 物 価 の上 昇 を抑 制 するためには酸 素 を遮 断 することが重 要 です。
●酸 化 しにくいエゴマの保 存 方 法 は、次 のいずれかとなります。
① 酸 素 を遮 断 して5℃以 下 で保 存
② 焙 煎 後 に酸 素 を遮 断 して保 存
酸価
4
3
6
バリア袋+脱O2(5℃)
バリア袋+脱O2(30℃)
焙煎+バリア袋+脱O2(30℃)
バリア袋+脱O2+加熱(30℃)
紙袋(30℃)
過酸化物価
5
2
4
バリア袋+脱O2(5℃)
バリア袋+脱O2(30℃)
焙煎+バリア袋+脱O2(30℃)
バリア袋+脱O2+加熱(30℃)
紙袋(30℃)
2
1
0
0
開始時
3ヶ月
6ヶ月
9ヶ月
12ヶ月
図 1 酸 価 の推 移
酸
開始時
3ヶ月
6ヶ月
9ヶ月
12ヶ月
図 2 過 酸 化 物 価 の推 移
価:油脂中の遊離脂肪酸量。菓子での基準は 3 以下。
過酸化物価:油脂中の過酸化脂質量。菓子での基準は 30 以下。
■成果の利活用および留意点
●常温での保存については今後検討する予定です。
試 験 の様 子
※右上はエゴマの写真
連 絡 先 :生 産 環 境 部 流 通 加 工 科
TEL 024-958-1719 FAX 024-958-1727
郡 山 市 日 和 田 町 高 倉 字 下 中 道 116 番 地
URL:http://www4.pref.fukushima.jp/nougyou-centre/
平成25年9月発行