医療ツーリズムからサファリまで あらゆる旅行素材を擁するその魅力 1

India
Promotion &
Campaign
t
r
o
p
Re
1
医療ツーリズムからサファリまで
あらゆる旅行素材を擁するその魅力
インドを訪れる日本人観光客は
年間約10万6500人。
同じアジアにありながら、
インドはまだ日本人の
主要デスティネーションにはなりえていない。
だが、
その広大な国土には
医療ツーリズムからサファリまで、
あらゆる旅行素材が眠っている。
今年4月に日本・インド観光促
進委員会が発足し、業界内で注
目されるインド観光。タージマ
ハールやカレーなど、ありきたり
の素材だけでなく、さまざまな
切り口でツアー造成が可能だ。
まずは、インドについての知識を
増やしていくことから始めたい
経済の発展で、旅行環境も変化
れる国内旅行者の規模とは比べものに
ゴアではマリンスポーツが楽しめるほか、
ならないが、平均滞在日数が21日と長
南部にはスキューバダイビングのスポッ
中国と並んで、目覚ましい経済成長
く、現地での支出が多いことから、外
トもあり、国内に点在する野生動物保
を続けているインド。同国の GDP はこ
国 人の旅 行による収 益は07年で43億
護地区ではアフリカ同様にサファリツ
こ数年8〜9%の成長率を記録しており、
7600万 US ドルにものぼる。インドの旅
アーも体験できる。さらに、北東部で
エンジニアが世界一多い国といわれてい
行業界は、上昇気流に乗った状態とい
はトレッキングやヘリスキーもでき、ガ
る。
えるだろう。
ンジス川ではラフティングもできる。
経済発展を背景に、旅行業をとりま
く環境も大きな変化を遂げつつある。
まずは本当のインドを知ること
インド政府観光局の M. サダナ東アジ
ア地区総局長は、ヨガやアーユルヴェー
今年6月には日本とインドの航空当局間
日本人観光客数も順調に増えており、
ダに焦点を当てたヘルスツーリズム、医
協議が開催され、2010年夏ダイヤ以降、
07年には前年比19%増の10万6535人
療費が安く、高い医療技術を持つこと
日本、インド側ともに旅客便数を倍増
を記録した。だが、日本において、イ
から病気治療を目的とした医療ツーリ
できることが合意された。路線は現在
ンドがメジャーな旅行先とはなりえてい
ズムなども発展の可能性が高い分野と
の週21便から42便まで、乗り入れ地点
ないのも事実だ。
示唆する。また旅行のスタイルとしては、
も現在の3地点から6地点まで増やすこ
圧倒的な知名度を持つ国でありなが
海外の旅行者が田舎を訪ねて、地元の
とが可能だ。また、インド国内のイン
ら、日本人が抱くインドのイメージとい
人と触れ合う「ルーラル・ツーリズム」
フラも整備されつつある。
えば、ゾウとカレーとタージマハールに
が最近、話題になっているとのこと。
外国人旅行者数も毎年10%前後の伸
集約されるのではないだろうか。だが、
まずはインドの旅行素材を学び直し、
びを示している。現在の旅行者数は約
インドには実にバラエティーに富んだ旅
ニーズや旅行スタイルに合うものを探す
500万人で、4億人を優に超えるといわ
行素材がある。西部のビーチリゾート、
ことから始めてみては?
70
TRAVEL JOURNAL 2008.8.11-18
インドの魅力は、一晩では
語り尽くせないほど多彩です
ゾウ、トラなどが生息する地区もたく
さんあります。サファリツアーは日本で
あまり知られていないため、今後プロ
モーションに力を入れたい分野です。
さらに食文化も多彩です。インドで
は1日3食違うものを食べたとしても、1
インド政府観光局 東アジア地区総局長 M.サダナ氏
年は同じ料理を食べないで済むでしょ
日本人旅行者は滞在日数が1週間か
う。言語は公的に認められたものだけ
ら2週間と短いこともあり、デリー、ア
で22あり、宗教もイスラム教、仏教、
グラ、ジャイプールを巡る定番コースが
ジャイナ教、 シーク教、 キリスト教、
根強い人気を集めています。特にター
ゾロアスター教とさまざまですが、すべ
ジマハールは最も人気のある観光地と
ての人々が平和に暮らしているのがこの
いえるでしょう。しかし、決してタージ
国の特徴です。こうした多彩な魅力が
マハール、イコールインドではありませ
インドのファンを増やしていると思いま
ん。インドは5000年の歴史を持つ広大
す。インドは40%という高いリピート
な国で、モニュメントや遺跡、寺など
率を誇りますが、実際、一度インドに
をとってみても、南部と北部では建築
行くと、中毒にかかったように、イン
様式がまったく異なります。
ドに通い始める人が多い。当局のキャ
また国内には450を超える国立公園
ッチコピー「Incredible India」どおり、
や自然保護区があり、アジアライオンや
まさにインクレディブルな国なんです。
TRAVEL JOURNAL 2008.8.11-18
71