国会リポート

行革・公務員制度改革担当大臣
第139号 / 2008・11
国会リポート
総
覧
最近 NASA の会というものが随分マスコミの注目を集
めるようになりました。
1・2 年前、麻生太郎氏を囲んで中川昭一・菅義偉そして
私甘利明がホテルオークラのバーの一室でいろいろと意
見交換をした際、麻生氏がそれぞれの頭文字を取って
NASA の会と名付けようと言い出したのが発端です。この
会には安倍元総理も参加したことがあります。マスコミで言
われているような政局を操る様な意図はまったくなく、談笑
しながら忌憚ない意見を交換し、認識を共有しようとする会
で、麻生氏のストレス解消の場になればと思っています。
政治家にとって大切な事は判断を裏打ちする情報が偏
ってしまわないことであり、いろいろな視点から判断材料が
提供されることが重要です。このメンバーはそれぞれの視
点から考えていることを言い合い、より適切な方向性を共
有しようとうするものであります。気さくな会ですから頻繁
にやるということになっていましたが、政局がらみでこうも
騒がれるとかえって集まりづらくなってしまいました。
福田総理が突然の辞意を表明し、総裁選が行われると
なった際、私はいち早く菅義偉氏と連絡を取り、中川昭一
氏と三人で打ち合わせる事にしました。麻生氏が本命であ
ることは当然でしたが、前回のどんでん返しもあり、また麻
生派自身は勝つための戦いをすることに慣れていないと
いう懸念がありましたので、故に裏選対として我々が戦略
を組まねばならないと思っておりました。
この三人のメンバーに尾身幸次氏に参加を呼びかけ四
人で数回会合を行い、若手への展開、中堅以上への展開
の段取りをとり、若手への展開は田中和徳氏や、山口泰明
氏の協力を得、中堅以上への展開は各政策グループから
1 人ずつ代表を依頼し、6・7 名のメンバーで連日打合せ会
を開き、併せて表選対の構成もしていきました。終盤には、
麻生総裁候補にも顔を出して頂き、政策のすり合わせを行
いました。
この裏選対は、連日会合を行ったにもかかわらず、とう
とう最後までマスコミに察知されることはありませんでした。
「みんな口が堅いということが確認されたなぁ」「いや、全然
注目されていないのかも知れませんよ」一切表に出なかっ
た事に不思議な達成感がありました。『菊作り菊見るときは
陰の人』という思いで裏方に徹してきたつもりです。麻生内
閣はお友達内閣とか揶揄されますが、人事に関し私や鳩
山邦夫氏が麻生氏に進言したのはただ一点「派閥への配
慮をはじめとする一切の配慮は無視をして、これぞ麻生人
事というのをやってください。任期は長くないはずですし、
『This is ASO。文句あっか。』で良いではないですか。」とい
う事でした。その上での入閣ですから、在任中に私にしか
出来ない特命大臣としての実績を挙げる決意です。
さて、この号がリリースされる頃には、アメリカの新大統
領も決まっています。選挙の前に両候補がカメラの前で幾
度となく政策論を戦わし、国民の判断に資する環境を作っ
たのは至極当然の事であります。それに比べて選挙を控
えて未だ一度も党首討論が行われていない日本の状況は、
外国メディアには極めて異質に映るはずです。麻生総理の
再三の党首討論の提案を小沢一郎氏はそろそろ受けるべ
きです。選挙戦が党首討論そのものだ、との民主党の論
理は党首討論のシステムそのものを否定してしまいます。
今週の出来事 (表現の自由?)
本会議場の、雛壇ではない閣僚の自席は最後列になっ
ています。麻生総理の隣が鳩山総務大臣、その隣が私の
席です。
閣僚の失言が時に政局になることがありますが、同じ失
言をしても深刻な問題になってしまう人とそうでない人がい
て、それは政治家のキャラが関わっているように思われま
す。鳩山大臣は典型的な後者です。氏は麻生総理を囲む
「太郎会」の会長であり、余程気さくな関係で波長が合うの
か、我々ではとても言えないようなブラックユーモアを総理
にすら時々発します。先日の事。
鳩山大臣 「総理になられるとそのプレッシャーは想像を
絶するものなんでしょうね。でも、あれだけ色々とマスコミ
にバッシングされながら、めげないで元気でいられる能天
気さはどこからくるんでしょうか?」
総理 「ひでぇこと言うなぁ。(大笑い)」
甘利 「言い回しが間違っているんじゃないの。それは前
向きだと言うことですよ。」
総理 「いやぁ、いい表現だ。それで行こう。」
鳩山氏越しに二人でガッチリ握手!!
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