人生はバイパスばかりではない

「引き出す・伸ばす・鍛える」~ あ い さ つ の ま ち 西 可 児 中 校 区 ~
可児市立西可児中学校
TEL(0574)65-6835
平成26年 12月1日
第 9 号
FAX(0574)69-0096
http://www.school.city.kani.gifu.jp/nishikani/index.html
人生はバイパスばかりではない
校長
矢島
祐史
今の世の中は、苦しいことや効率の悪いことは敬遠される時代なのかもしれません。いくつか例をあげ
てみます。昔の国道が市街地の中を走っているので、バイパスをつくって狭い市街地通過を回避できるよ
うになりました。高速道路網が発達し、早く目的地に着くようになりました。郊外には、大規模な大型店
舗が建ち、そこに行けばなんでも買うことができるようになりました。また、ネット社会が広まり、必要
な情報も必要な物も自宅にいながら手にいれることができるようになりました。等々。反面、車を運転し
ない人やネットをしない人にとっては、大変な社会になってきました。効率の悪いことは、無駄なことで
あり、切り捨てていく時代のように思えてなりません。世の中は、どんどん効率化が図られていきますが、
人が生きていくうえで、苦しいこと、一見無駄と思われることやわずらわしい、面倒と思われることが大
切であるような気がします。
11月8日(土)に26年度中体連最後の大会となる岐阜県駅伝大会が開催されました。本校は、男子
女子チームとも、県大会に出場しました。大会に臨むにあたり、たくさんの生徒たちがサポートしてくれ、
3年生を中心にたすきをつないでくれました。当日、各区を走った選手たちが全力で走り、力を出し切っ
た結果、女子チームは昨年とまったく同じタイムで県5位に入賞し、男子チームは、18位と健闘しまし
た。当日走った生徒もサポートしてくれた生徒も、本当に苦しく地道な努力を重ねてくれました。保護者
の皆様には、たくさん支えていただきました。ご支援本当にありがとうございました。
生徒たちの駅伝大会に向けての練習や部活動、毎日の学習や生活を見ていて、
「人生はバイパスばかりで
はない」と感じることが多かったように思います。このことを、
「日本人の掃除」から考えてみたいと思い
ます。海外では、サッカーのワールドカップでの出来事として、スタジアムを掃除する日本人サポーター
のことが話題になりましたし、日本の街や観光地がとてもきれいに保たれていることも賞賛されています。
早朝、いろいろな企業の方々が道路を清掃する姿も見かけますし、休日に会社全体で、地域や河川、公園
等を清掃する活動も盛んです。帷子花火のときも、翌朝、清掃活動が行われました。
学校での掃除はどうでしょうか。日本では、学校で掃除をするのは子どもたちです。幼稚園や保育園、
小学校や中学校、高等学校も自分たちで掃除をします。日本では当たり前の姿ですが、海外では職業とし
て大人が行っているのが通常です。しかし、最近、日本を真似て子どもたちが掃除をする国、地域が出て
きているそうです。こうしたことは、単に、
「学校がきれいになればよい」のではなく、掃除をすることで、
社会生活の大切さや感謝の心をもつこと等々を学ぶことが重要だと気づいたからではないでしょうか。
「生きる」ということは、バイパスや高速道路のような簡単に駆け抜ける道ばかりではありません。
「面
倒だからあいさつはしない。やりたくない勉強はやらない。掃除などは面倒だ。みんなで何かするのはわ
ずらわしい。
」では、人生のすばらしさを味わうことができないのではないかと思うのです。
自分の生きがいとするものを追い求めながら、一歩一歩着実に、誠実に努力し、「今をしっかり生きる」
ことが大切ではないかと思うのです。