Small Voice 細き 聲 聖書研究

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ほ そ き こえ
Small Voice
細き聲
聖書研究
大いなる強き風山を裂き岩石を砕きしが風の中にはエホバ在さざりき、風の後に地震ありしが地震の中にはエホバ在さざりき。
又地震の後に火ありしが、火の中にはエホバ在さざりき、火の後に静なる細微き声ありき。
列王記略上19:11、12 明治元訳聖書
日本学生宣教会
マタイによる福音書
8章24節
福音書縦観
「暴風を静める」 マタイ8:23~27
マタイ8:23~27
マルコ4:35~41
ルカ8:22~25
Matt.8:24 すると突然、海上に激しい暴風が起って、舟は波にのまれそうになった。
(すると、激しい突風が起り、
波が舟の中に打ち込んできて、舟に満ちそうになった。 マルコ 4:3
すると突風が湖に吹きおろしてきたの
で、彼らは水をかぶって危険になった。 ルカ 8:23)ところが、イエスは眠っておられた。 (ところがイエス
自身は、舳の方でまくらをして、眠っておられた。 マルコ 4:38
渡って行く間に、イエスは眠ってしまわれ
た。 ルカ 8:23)口語訳聖書
†
日本語訳聖書 マタイ8:24
【漢訳聖書】
Matt. 8:24 海上颶風大作、甚至舟爲浪所蔽、惟耶穌寢焉、
【明治元訳】
Matt. 8:24 此(この)とき大(おほい)なる颶風(はやて)おこりて舟を蔽(おほふ)ばかりなる浪(なみ)たちしにイエス
は寢(いね)たり
【大正文語訳】
Matt. 8:24 視よ、海に大なる暴風おこりて、舟波に蔽はるるばかりなるに、イエスは眠りゐ給ふ。
【ラゲ訳】
Matt. 8:24 折しも湖に大なる暴嵐起りて、小舟涛に蔽はるる程なるに、イエズスは眠り居給へり。
【口語訳】
Matt. 8:24 すると突然、海上に激しい暴風が起って、舟は波にのまれそうになった。ところが、イエスは眠っ
ておられた。
【新改訳改訂3】
Matt. 8:24 すると、見よ、湖に大暴風が起こって、舟は大波をかぶった。ところが、イエスは眠っておられた。
【新共同訳】
Matt. 8:24 そのとき、湖に激しい嵐が起こり、舟は波にのまれそうになった。イエスは眠っておられた。
【バルバロ訳】
Matt. 8:24 すると突然海が荒れだし、舟は波にのまれそうになったのにイエズスは眠っておられた。
【フランシスコ会訳】
Matt. 8:24 ところが突然、湖にあらしが起こり、舟は波にのまれそうになった。しかし、イエズスは眠ってお
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られた。
【日本正教会訳】
Matt. 8:24 視よ、大なる颶風(はなて)海に作(おこ)りて、舟浪に蔽はるゝに至れり、彼適(たまたま)寢
ねたり。
【塚本虎二訳】
Matt. 8:24 するとにわかに湖に激しい嵐がおこって、ついに舟は波をかぶった。しかしイエスは眠っておられ
た。
【前田護郎訳】
Matt. 8:24 すると見よ、大嵐が海におこり、舟は波をかぶるに至った。しかし彼は眠っておられた。
【永井直治訳】
Matt. 8:24 然るに見よ、海に大いなる震動(しんどう)發(おこ)れり。されば船は波にて蔽われたり。されど彼
は寝(い)ねておはせり。
【詳訳聖書】
Matt. 8:24 すると見よ、突然海[湖]上にひどい暴風が起こって、舟は波をかぶり続けた。けれども彼は眠っ
ておられた。
†
Interlinear
ギリシャ語聖書
Matt. 8:24 kai. ivdou. seismo.j me,gaj evge,neto evn th/| qala,ssh|( w[ste to. ploi/on kalu,ptesqai u`po. tw/n kuma,twn( auvto.j de.
evka,qeudenÅ
†
kai.
ivdou.
seismo.j
And
behold
storm
w[ste
to.
so as
the
ploi/on
ship
me,gaj
evge,neto
a great
there was
evn
th/|
in the
kalu,ptesqai
u`po.
tw/n
to be enveloped
by
the
qala,ssh|(
sea,
kuma,twn(
waves;
auvto.j de.
but he
evka,qeudenÅ
was sleeping.
私訳(詳訳)
【私訳】 「すると見よ驚くことに、湖にこの上なく激しい振動(地震、暴風雨)がふりかかり(おこり)、
それで船は波に覆われ(隠れ)た。しかし、彼(イエス)は眠っておられた」
†
新約聖書ギリシャ語語句研究
【そして】 kai. kai, カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)
1)そして 2)~さえ 3)しかし 4)しかも 5)それでは 6)そうすれば
【そのとき】 ivdou.
ivdou, イドゥ idou {id-oo‘} (qs 不変詞)
1)そら、ほら、さあ
2)見よ
注意を喚起する言葉「見よ、驚くことに」
【湖】 qala,ssh| qa,lassa タラスサ
thalassa {thal‘-as-sah}
(n-df-s 名詞・与女単)
1)海、湖 2)海洋、湖水 3)紅海 4)地中海
【に】 evn e;n エン en {en}
(pd 前置詞・属)
1)中に、間に 2)で 3)よって 4)に
【激しい嵐が】 ivdou. seismo.j me,gaj
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【激しい】 me,gaj me,gaj メガス megas {meg‘-as} (a--nm-s 形容詞・主男単)
1)(大きさ、長さ、高さ、強さ、程度が)大きい 2)驚くべき 3)壮大な、広大な、偉大な
名高い 5)重要な
【嵐が】 seismo.j seismo,j セイスモス
seismos {sice-mos‘} (n-nm-s 名詞・主男単)
< sei,w 揺らす
1)(振動)地震 2)暴風雨
4)
【おこり】 evge,neto gi,nomai ギノマイ ginomai {ghin‘-om-ahee}
(viad--3s 動詞・直・2アオ・能欠・3
単)
1)存在するようになる、存在するにいたる、存在を始める 2)生じる、生ずる、生まれる 3)
現れる、おこる、発生する、始まる、になる、ふりかかる、成る 4)~とされる
【それで】 w[ste w[ste ホーステ
hōste {hoce‘-the} (ch 接)完等)
1)それゆえ 2)それで 3)~するため
【舟は】 ploi/on ploi/on プロイオン ploion {ploy‘-on}
(n-an-s 名詞・対中単)
1)舟 2)漁船
【波】 kuma,twn ku/ma クウマ kuma {koo‘-mah} (n-gn-p 名詞・属中複)
1)波
【に】 u`po. u`po,
ヒュポ hupo {hoop-o‘} (pg 前置詞・属)
1) 下に、~の下から 2)~の下に 3)によって 4)~の故に 5)と共に
【のまれそうになった】 kalu,ptesqai kalu,ptw カルプトー kaluptō {kal-oop‘-to} (vnpp
1)おおいをする 2)隠す、包む 3)ふたをする、覆う、かぶせる
【しかし】 de. de, デ de {deh} (cc/ch 接続詞・等位/完等)
1)ところで、しかし 2)そしてまた、 さて 3)次に、さらに
【彼は】 auvto.j auvto,j アウトス autos {ow-tos‘} (npnm3s 代名詞・主男3)
1) 彼・それ(三人称の代名詞) 2)自身(強調用法) 3)同じ 4)まさに
【眠っておられた】 evka,qeuden kaqeu,dw カテウドー
katheudō {kath-yoo‘-do} (viia--3s
完能・3単)
1)知らず知らず眠る、居眠りする 2)眠る、眠っている、寝ている、睡眠中である
†
不定詞・現受)
動詞・直・未・
英語訳聖書
Latin Vulgate
8:24 et ecce motus magnus factus est in mari ita ut navicula operiretur fluctibus ipse vero dormiebat
King James Version
8:24 And, behold, there arose a great tempest in the sea, insomuch that the ship was covered with the waves:
but he was asleep.
American Standard Version
8:24 And behold, there arose a great tempest in the sea, insomuch that the boat was covered with the waves:
but he was asleep.
New International Version
8:24 Without warning, a furious storm came up on the lake, so that the waves swept over the boat. But Jesus
was sleeping.
Bible in Basic English
8:24 And there came up a great storm in the sea, so that the boat was covered with the waves: but he was
sleeping.
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Darby's English Translation
8:24 and behold, the water became very agitated on the sea, so that the ship was covered by the waves; but
he slept.
Douay Rheims
8:24 And behold a great tempest arose in the sea, so that the boat was covered with waves, but he was asleep.
Noah Webster Bible
8:24 And behold, there arose a great tempest in the sea, insomuch that the boat was covered with the waves:
but he was asleep.
Weymouth New Testament
8:24 But suddenly there arose a great storm on the Lake, so that the waves threatened to engulf the boat; but
He was asleep.
World English Bible
8:24 Behold, a great tempest arose in the sea, so much that the boat was covered with the waves, but he was
asleep.
Young's Literal Translation
8:24 and lo, a great tempest arose in the sea, so that the boat was being covered by the waves, but he was
sleeping,
†
細き聲 聖書研究ノート
<突然、海上に激しい暴風が起って>
「激しい暴風」はマルコは「激しい突風」
(マルコ4:3)
、ルカは「突風」
(ルカ8:23)と表現する。
「激しい嵐風 ivdou. seismo.j me,gaj」は「見よ! 激しい(驚くべき)暴風雨(振動)!」
。
マルコ「激しい突風 lai/lay mega,lh avne,mou」
。lai/lay は「旋風、突風」である。
「激しい暴風」は「湖に吹きおろしてきた」
(ルカ8:23)
。ガリラヤ湖ではしばしば周囲の山から突風が吹き、舟
を覆した。
漢訳聖書は「颶風」とあり、明治元訳は「はやて」と読ませる。中国では四方から吹く激しい風が「颶風」であ
っり、日本でも台風など熱帯低気圧を「颶風 ぐふう」と呼んだ。
<舟は波にのまれそうになった>
「激しい突風」は湖を掻き回し、「波が舟の中に打ち込んできて、舟に満ちそうになった。マルコ4:3」、
「舟は波
をかぶり続けた 詳訳聖書」、それで弟子たちの舟は「彼らは水をかぶって危険になった。ルカ8:23」
。
<イエスは眠りゐ給ふ>
ところが、イエスは眠っておられた。 (ところがイエス自身は、舳の方でまくらをして、眠っておられた。 マ
ルコ 4:38
渡って行く間に、イエスは眠ってしまわれた。 ルカ 8:23)
)
†
心のデボーション
「視よ、海に大なる暴風おこりて、舟波に蔽はるるばかりなるに、イエスは眠りゐ給ふ」 マタイ8:24
正文語訳聖書
大
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「然るに見よ、海に大いなる震動おこれり。されば船は波にて覆われたり」
永井直治訳
「激しい嵐が」は「驚くべき震動」である。海に「驚くべき震動(メガ地震)」がおこったかのように、海はふ
くれ上がって舟を襲った。イエスが乗り込まれた「私」という舟にも、かかる震動は発生し、災いの波は舟を「お
おう」であろう。だが、イエスが乗り込まれた「私」という舟を転覆させるほどの「災い」はない。
†
心のデボーション
「視よ、海に大なる暴風おこりて、舟波に蔽はるるばかりなるに、イエスは眠りゐ給ふ」 マタイ8:24
正文語訳聖書
大
マタイ8:23~27 「ガリラヤ湖の嵐の中のキリスト」は多くの画家によって描かれている。
レンブラントの「ガリラヤ湖の嵐の中のキリスト」(1633年)は、一本の帆柱をもつ小舟は大波に襲われて
大きく傾き、懸命に舟を操ろうとしている弟子たちと、もはや櫓を引き上げて神に祈る弟子たち、そして帆柱の
近くで眠るイエスを描いている。
ウジェーヌ・ドラクロワの「嵐の中で眠るキリスト」(1853年、メトロポリタン美術館)では、帆柱のない
小舟の中で、一人は櫓を流され、ある者は懸命に舵を握り、ある者は船首にしがみつき、ある者は天を仰いでい
のっている。イエスは艫で眠っておられる。
†
心のデボーション
「視よ、海に大なる暴風おこりて、舟波に蔽はるるばかりなるに、イエスは眠りゐ給ふ」 マタイ8:24
正文語訳聖書
大
三浦哲郎の短編小説『オーリョ・デ・ボーイ』に、快晴無風の午後、船乗りが喜望峰の手前で、突然真西の水平
線を指さして「オーリョ・デ・ボーイ Olho do Boi」と叫ぶ。船乗訛りのポルトガル語で「牡牛の目玉」という
意味で、拳大の黒雲で、嵐の前触れで、黒雲は見る見る膨らみ、嵐になるのだという。
(三浦哲郎『オーリョ・デ・
ボーイ』
)
イエスの弟子たちはガリラヤ湖で「牡牛の目玉」を見ただろうか。これを見たら直ちに帆を下ろし、船室に戻っ
て窓を閉め、寝台が走り回らぬようロープで固定しなければならない。
†
心のデボーション
「視よ、海に大なる暴風おこりて、舟波に蔽はるるばかりなるに、イエスは眠りゐ給ふ」 マタイ8:24
正文語訳聖書
大
「イエスは眠りゐ給ふ」
。昼間の激しい働きから疲労をおぼえ、激しく揺れる舟の中で、イエスは眠っておられる。
イエスは人と同じ弱さを身にまとわれている。
肉体の疲労を感じても、我が身の弱さを嘆くことはすまい。イエスはそれと同じ弱さを知っておられるのだから。
†
細き聲 説教
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