誌面サンプル

2.2.24
世界スマートハウス・ビル企業年鑑
2.2 スマートハウス・HEMS
ソニー
事業戦略: エネルギー領域から新しい事業の柱を創出しようとしており、同社の既存ビジネスを発
展させる形でのエネルギー・ソリューションを模索中。Li イオン 2 次電池モジュールを複数台リビン
グルームに置いてテレビやオーディオ機器に電力を供給したり、ホームエンターテインメント事業の
延長線上として HEMS によって各家電の消費電力を見える化・制御をしたり、といったコンセプトを展
示会などで示して意見交換する中で、同社ならではのエネルギー事業を生み出したい考え
利用シーン: スマートハウス
製品・サービス: Li イオン 2 次電池蓄電モジュール(サンプル出荷中)
、蓄電モジュールや HEMS を
活用したエネルギー関連製品・サービス(開発中)
実績・市場シェア: ――
顧客・アライアンス: ――
実証プロジェクト: ――
拠点: 本社:東京都港区港南 1-7-1
<製品・サービスの特徴>
・Li イオン 2 次電池モジュール
オリビン型リン酸鉄リチウムを正極材料に用いた Li イオン2次電池の蓄電モジュールを開発し、
2010 年 6 月よりサンプル出荷を開始した。1 モジュールの容量は 1.2kWh だが、ニーズに合わせて同モ
ジュールを複数、直列または並列で接続することで、高電圧・高容量化への拡張が容易という特徴を
持っている。データサーバー用バックアップ電源や携帯電話の無線基地局用バックアップ電源などの
定置型電源用途などのほか、スマートハウスやスマートグリッドにおける蓄電用途としてもソリュー
ションを企画・提案している。
・
「エネルギー・ストレージ・サーバー」
Li イオン 2 次電池モジュールのソリューションの一つとして、2011 年 1 月に米国で開催された
「2011International CES」でコンセプト展示された。1.2kWh の Li イオン 2 次電池モジュールに通信
機能や電源としての機能などを搭載したもの。リビングルームに置くことによって、テレビや照明な
どの家電製品に電力を供給すると共に、各家電機器の電力消費量のデータを無線通信によって集めて
テレビなどに見える化するホームゲートウェイとしての機能を備えている。さらに、外部のサーバー
と通信して、電池残量などをモニターしたり、各種のサービスを提供することを想定している。今回
の展示では、3 台の同サーバーを設置し、並列で接続した。この 3 台の間は電力を融通できるように
制御されており、集合住宅などで各部屋に同サーバーを設置して電力を融通するといったスマートグ
リッド的な用途も想定されている。
・ホームオートメーションとしての HEMS
米国市場でホームエンターテインメントに強い同社が、その延長線上としてのホームオートメーシ
ョンの一種という位置づけで、家電製品をエネルギー面で制御したり、見える化できる HEMS を
「2011International CES」でコンセプト展示した。
一つは、テレビ、オーディオ機器、照明、ノートパソコン、小型扇風機などの家電製品を無線通信
を使って制御できるシステム。一つのコントローラーで、各家電製品のオン/オフやオーディオ機器
の音量を変えたりといった操作ができる。
もう一つは、スマートタップを使って、家電製品の消費電力量を計測して、そのデータをホーム・
ゲートウェイ経由で外部のクラウドにインターネット経由でデータを送り、集めたデータを解析して
見える化し、再度送り返して、テレビや携帯電話で閲覧できるようにしている。
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