ベーキングケーキのモデルシステムによる発生カルボニル化合物の検索

.A−74 ベ ー キ ン グ ケ ー キ の モ デ ル シ ス テ ム に よ
る 発 生 カ ルボ ニ ル化 合 物 の 検 索
実 践 女 大 ○ 阿 部 典 子
染 野 亮 子
1. ケ ー キ, ビ ス ケ ッ ト, ク ッ キ ー な ど の 加熱 調 理 に
よ る芳 香 性 成 分 の 発 生機 構 を 解 明 ナ る た め , モ デ ル シ ス
テ ム とし て 脂 肪, デ ンプ ン , ア ル ブ ミ ン の 配 合 に よ る 加
塾 調 理 時 に 発 生 す る カノ
レボ ユル 化 合 物 の 検 索 を 行 な っ
た。
2. バ タ ー , マ ー ガ リ ン , シ ョ ー ト ニ ン グ オ イ ル の 3
°
種 の 脂 肪 に , そ れ ぞ れ デ ン プ ン, ア ルブ ミ ン を 添 加 加 熱
し た場合の発生カルボニル化合物を検索するため,各材
料 の 単 独 ま た は 混 合 物 の 組 合 わせ15 種 に つ き , 内 部 温 度
を100 °C及 び150 °Cに 加 熱 し た 場 合 の 発 生 カ ル ボニ ル
北 合 物 を,2,4 −ジ ュ ト ロ フ ェ ニノ
レヒ ド ラ ジ ンリ
'中 で 捕 集し た。 こ れ ら を 薄 層 クロ マ ト グ ラ フ ィ ー に よ り
分 離し , そ れ ぞ れ の ス ポ ット のRf, 吸 光 曲線 を 標 準 カノ
レ
ボ ニ ル 化 合 物 の2,4 −ジ ニ ト ロ フ ェ ニ ル ヒ ド ラ ゾ ン と 比
敲 検 討 し た。
3. 官 能 試 験 の 結 果 は 加 熱 温 度lOOX
の 場合が 芳 香
が あ り,150 °Cで は 不快 臭 を帯 び る こ と が 多い 。 脂 肪 で
はバターの場合が快香が強く,アルブミン配合では卵焼
き 様 香 気, デ ン プ ン 配 合 で は キ ャ ラ メノ
レ様 香 気 を 発 生 し ,
三 者 混 合 の 場 合 は キ ャラ メル 様 香 気 が感 じ られ た 。 カル
ボ ニ ル 化 合 物 はC2,C3, C4−ア ル デ ヒ ド, ア セ トン な ど が
顕 著 に 発 生 し , ア セト イ ン , ジ ア セ チ ル , フ ル フ ラ ール
な どが 検 出 さ れ た 。 材 料 配 合 の 組 合 わせ に よ る 影 響 は,
カノ
レボニ ル 化 合 物 の種 類 に は あ ま り差 違 が み られ ず , 量
約 変 動 が み られ た 。 こ れ に 対し 加 熱 温 度 の 影 響 は い ちじ
る し く , 量 的 ま た 質 的 変 動 が み ら れ た。