チャンクセックス

実験2:実行のタイミングとチャンク
– 反応時間を選択時間(ChT)と運動時間(MvT)に
分けて分析
Sakai et al., 2003
• 学習の進行に伴い選択
時間が短縮する.運動時
間は変わらない
• 選択時間がグループに
分かれる
• グループの分かれ目は,
次のひとかたまりの動作
を想起するための時間と
考えられる
• 一連の動作→チャンク
– チャンクの大きさは,2か
ら5セット(4から10ボタ
ン)
– チャンク先頭のChTは長
い
– チャンク内のChTは短い
ChTの累積
MvTの累積
ChTの長短パターン→タイミング→サブグループ(チャンク)
ChTの長短パターン
2.8
2.6
Log(ChT)
2.4
2.2
2
1.8
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
面
チャンク2
チャンク1
8個のボタン押し
面1
面2
面3
6個のボタン押し
面4
面5
面6
面7
チャンク3
6個のボタン押し
面8
面9
面10
3つのチャンクにまとめて記憶していることがわかる
運動の再構成
単語
1.その日初めて練習する系列
2.ずっと練習してきた系列
4から10ボタンく
らいずつまとめ
中期的な学習 て押している
短期的な学習
1個ずつボタンを見て押している
リズム
チャンク
手続き記憶の
記憶構造を反
映していると
考えられる
長期的な学習
10個のボタンを一気に押している
タイミングの両手間転移
• 利き手で十分練習した後,非
利き手で実行,またはその逆
– ボタン押し順序は良く転移⇒空
間座標系の記憶
– 実行速度は,転移するがあまり
良くない⇒身体座標系の記憶
– タイミングの転移が非対称
左右の手と脳半球の関係
• 右手で学習した手の動かし方の記憶は、
右手を担当する脳半球(左大脳半球)に記
憶され、
• 左手で学習した手の動かし方は、左手を
担当する脳半球に記憶される
左脳
N
右脳
N
右手で学習
左手で学習
非対称性の理由
• タイミング転移の非対称性「非利き手から利
き手へは転移するが,利き手から非利き手へ
は転移しない」から導かれる2つの仮説
– 仮説1)非利き手で学習したタイミング(記憶の
チャンク構造を反映)は,利き手側半球にも蓄積
される「両半球蓄積説」
– 仮説2)利き手は,非利き手で学習したタイミング
(記憶のチャンク構造を反映)を引き出すことがで
きる「利き手優位説」
Sakai et al., 2003
両半球蓄積説
• 右手で学習すると,左大脳半球にタイミン
グが記憶される
• 左手で学習すると,左右の大脳半球にタイ
ミングが記憶されるからではないか
左脳
左手で実行できない
左脳 右脳
右手で学習
左手で学習すると,
右手で実行できる
利き手優位説
• 左手は右脳に記憶されたタイミングしか引
き出すことができないが、
• 右手はどちらの脳半球からもタイミングを
引き出すことができるからではないか
N
右脳
左脳 右脳
左脳 右脳
N
左手で実行しようとしても,
右手で練習
左手で練習
右手で実行できる
8)運動の記憶をどう引き出すか
• 道具に対して,どの内部モデルを選択するか,
ある場面で,どの系列的手続き(チャンク)を
想起して実行するか?
– 知覚により行動が引き出される:アフォーダンス
• 事物をどのように使うことができるかを決定する最も基
礎的な特徴がアフォーダンスである.
• アフォーダンスは経験に基づくが,そのものの基本的
性質として知覚されるものである.
• 「椅子は座ることをアフォードする」
• 誤った運動を想起する例
– 誤ったメンタルモデルを想定してしまう
– 乗っ取りがたエラー:熟練した単純な行動の中で
現れる,わずかな注意の欠如による
朝食
外出着に着替える
洗面所で歯磨き
夕食
パジャマに着替える
運動を手がかりに視覚情報を引き出す
• 空書:漢字を思い出そうとするとき,指先が動
く現象.
– 漢字圏の人々にのみ見られる
– 英単語の綴りを思い出そうとするときにも生じる
– アルファベットに比較して漢字の数が多いことや
形態が複雑であることが関係している
– 漢字の学習法にも関係している
• 空書が生じる理由
– 学習・想起一貫説:学んだように思い出す
• 手を動かして正しい筆順で学習するので,それを実行
することにより,より良く想起できる
– 運動成分認知促進説
• 運動することが,認知的能力,中でもイメージする能
力を補強する
「知覚心理学」講義のまとめ
• 知覚とその他の機能の密接な関係
– 注意機能との関係
– 記憶機能との関係
• 行動において,知覚がどう役に立っているか
– 適応的運動と連続的運動における知覚入力の役
割
– 運動学習による知覚入力の役割の変化
• 直ちに行動に表れないような高次の認知機
能における知覚の役割は扱われていない