理事長対談 2007年度岡山ブロック協議会 会長 (社)岡山青年会議所 第57代理事長 土師 誠×吉村武大 まちづくりについて語る 司会 : それでは土師ブロック会長、 吉村理事長の対談を始めさせ なりたくない、 「単独で四国州になりたい」 といった思いが強く感じら て頂きたいと思います。テーマは「岡山ブロック会長、 岡山青年会議 れます。 所理事長の考えるまちづくり」です。 吉村理事長 : 道州制の枠組みであれば、 個人の意見としては中四 最初に道州制について、 「もし岡山市が中四国州の州都になった場 国州での統合に賛成します。中四国州が良いと思う理由はいろいろ 合、 岡山の青年会議所としてどのようなまちづくり活動が必要になる 考え方があると思いますが、 州を作る理由はその中での経済界を作っ のか? 更には青年会議所として ていくことだと思います。昔のまち の役割は何なのか?」について話 は川沿いにあったということを考 して頂きたいと思います。まずは えてください、 川が有ると川から荷 土師会長からお話頂けますか。 物を引き上げるそこにまちが出来 土師会長 : 現在、 中四国の青年 ますよね。その後に鉄道が出来る。 会議所でいうと中国地区協議会 次は駅の前が発展していく。岡 と四国地区協議会の2つが有りま 山駅があるから岡山駅前がある すがお互いの地区同士で関わり ということです。 合いが全くない状態です。中四 近年は、 車時代になっているため 国州となるためにはまず。双方の まちが形成される要素には大規 地区同士が密接に情報交換を 模輸送がどこを拠点とするのかを 出来る状態にしないといけません。 考える事が必要となっています。 まちを良くしようではなくて、 そのま 中国地区内の5ブロック (岡山・広 島・山口・鳥取・島根)の会長と道州制についての話をした時に、 や ちがそこに存在していくためには大規模輸送の起点になる必要性 はりブロック毎に意識や認識、 取り組む姿勢に大きな差があります。 があるのです。今後、 もっとも重要になってくる大量物流の基本とな 中国地区内だけでも意見が分かれているという状態ですからね。 も るのは海なのです。中国大陸と結ばれている日本海側、 太平洋に向 しそうなれば横の繋がりを今より強固なものにしていき、 ブロック内に いている四国とが同一州となる事で、 経済界の活性化が図ることが ある青年会議所の持つ特質、 地域のブランド力をアピールして行く 出来ると考えられます。 事が必要となります。反対にデメリットの方が多くなる可能性も出てく 青年会議所という組織は「明るい豊かなまちをつくるため」に活動す ると思います。 る組織なので道州制で大きく活動が変化することは無いと考えてい 司会 : 道州制については中国地区協議会の会議などでも話題に ます。つまり青年会議所運動=市民意識変革運動といった定義付 出たりしているのですか? けであればLOMの活動には関係ないと思います。 土師会長 : あまりないですね。去年中国地区協議会における自立 今の青年会議所が出来る事は世界組織であるメリットを生かし海外 社会創造委員会において道州制についてブロックごとの取組みを での事業に参加した際その国の行政や制度を勉強してくる事です。 資料として提出していました。岡山以外のブロックでは関心が無いと 方法としてはワークショップ(研究会)、 海外視察などが有り青年会 いう印象を強く持ちました。 しかし道州制についての議論は戦前か 議所の関わり方としては現役の内に勉強しておくことが大切だと考 らある話で (1927年ごろに6つの州にするという話が出た)今に始まっ えます。 た議論ではないのです。 司会 : 海外で勉強したことはどのように発信するのが望ましいです 司会 : 岡山の関心が一番強く、 議論が多く出ているのは岡山が州 か? 都になりたい意識が一番高いからですか? 吉村理事長 : 現役のうちは発信する必要はありません。青年会議 土師会長 : そうですね、 私の印象では広島は少し構えている様に 所運動=市民意識変革運動であり、 変革を起こすためには我々メン 感じました。やはり岡山は州都になりたいという気持ちが強く、 岡山 バー自身が勉強しなければならないと思います。その勉強したことを 県として石井県知事も全国知事会の道州制検討委員会の委員長 いつ発信するかと言うとそれはOBになってからのことです。 としてものすごく力を入れています。四国においてはとにかく一緒に 自分達が勉強するための場を作ることが大切だと思います。自分達 ※LOM…Local Organization Menber の頭文字で、国家青年会議所に属する各地会員青年会議所 ※日本JC…(社) 日本青年会議所の略 ※ブロック…各県内にある青年会議所で構成される組織 JAYCEE…青年会議所会員の略 ※JAYCEE愛…07年度岡山ブロックのスローガン 2 Danryu 2007 Vol.2 理事長対談 が弱い分野を克服していくために市民の人たちと一緒になっていく 来る人を育成する団体です。その為には、 一人一人がリーダーでな べきだと思います。 ければ、 まちづくりには繋がりません。 まちづくりをいつするかと言えば、 司会 : 道州制になった場合LOM同士の連携のあり方についてお それは卒業してからだと思っています。以前に県外のある町で、 行政 聞かせください。 に不祥事が多く、 市長から何とかしてほしいと青年会議所の理事長 土師会長 : 市町村合併に伴いLOM同士も合併するべきだという に依頼がありました。その理事長は青年会議所のメンバーとして社 話を聞きますが、 私はLOMが合併することに対しては肯定的ではあ 会的タブーな問題にも正々堂々と立ち向かい、 自宅に投石までされた りません。その地域にいくつものLOMがあっていいと思います。自分 りしました。 しかし、 町はこうあるべきだという事に対して、 苦言、 提言 達の活動エリアの中で、我々の目的である「明るい豊かな社会」の を行ったのです。行政と青年会議所の繋がりは本来、 そうあるべきだ 実現をするために取り組む団体がいくつあってもいいし、 逆に数が増 と思います。行政が悪くなければ否定する必要はないわけだし、 考え えても良いと思います。道州制について、 岡山県もシンポジウムなどい が合致しているところは手を携えればよいと思います。私達はそれぞ ろいろやっていますが、 我々青年会議所メンバーが参加しているかと れの仕事をしながら青年会議所を愛して活動しています。 言えば参加出来ていないのが現状です。 司会 : そういう事が、 メンバーを増やす事に繋がっていく事になるの 今、 我々は勉強する時期だと思い でしょうか? ます。ブロックとしては事業計画 吉村理事長 : 岡山市長、 岡山商 の中に「道州制についての調査 工会議所の会頭、岡山市のPT 研究」を盛り込んでいます。出向 Aの会長も青年会議所のOBで したメンバーが勉強し、 LOMに持 あり、 卒業された後にまちづくり活 ち帰って輪を広げてもらうために 動を行っているわけです。入会の 事業計画にあげています。 2006 きっかけは何でも良いと思います。 年度に「岡山県」に提言書を出 青年会議所本来の意味と意義を そうと取り組んでみましたが、 「岡 活動しながら模索し、 岡山を愛す 山県」の方が膨大な資料を持っ るメンバーを増やしていかなけれ ていて、青年会議所が提言した ばならないと思います。 まちづくりの課題イコール青年会議所の課題である。青 事はその資料の何分の一でしかなくもう終っていると言われました。 司会:要は、 道州制という言葉だけでなく、 意味やメリット、 デメリット、 地域の力をど 年会議所の課題を解決しながら活動していけば、 会員が増える。会 う発展させていくのか出向してもらっているメンバーに勉強してもらう 員が増えれば行政とも連携していける・ ・ ・。そういった内容かと思い という形で当面進んで行きます。 ますが、 土師会長はどう思われますか? 司会:ブロック会長、 岡山青年会議所理事長ともに、 「まずはメンバー 土師会長 : 岡山青年会議所のHPで吉村理事長が書かれている 自身がもっと勉強し、 内部で話をして、 今後意識を高めた上で市民を 理事長日記の一番新しい内容で「我発の心その1」の内容は、 私も 巻き込んでいくという方向。今は道州制について学んでいく姿勢が 共感しました。ブロック会長をさせていただいて思うのは、 新会員は 大切である。」 との共通の意見が出ました。 宝だと思います。青年会議所は、 「修練」 「奉仕」 「友情」の三信条 それでは次に「現在のまちづくりに対しての課題」についてお話頂け の話がありますが、 やっぱり一番は修練だと思います。修練があって ますか。 こそメリットが生まれるものだと思います。 土師会長 : LOMのやっていることに対してのコメントなので難しい 今、 市民の意識変革ということを日本JCでも言っているしブロックでも ですが、 当然その特色を活かしたまちづくりを公式訪問・役員懇談会 やっていこうと思っています。青年会議所のための青年会議所運動 などを通して岡山ブロック協議会として勉強させてもらっています。 にならないように、 強くお願いしています。 司会 :「会員拡大」がまちづくりとリンクする部分が多いと思うので 会員を増やしていくことは大事で、 ある程度の人数がいないと影響 すが。 力が小さいと思います。昨年9名のLOMが人間力大賞を取りました。 吉村理事長:現在のまちづくりに対しての課題ですが、 岡山青年会 会員が減少している中で9名でもこれだけやれるということを見せたかっ 議所には、 「修練」 「奉仕」 「友情」 という三信条があります。修練・奉 仕・友情の順番には意味があって、 この順番が大切だと考えます。自 己啓発・自己開発「修練」があり、 その為のツールとして「奉仕」活動 があります。ここがまちづくり活動に繋がると思います。結果、 身銭を 切りながら寝る間を惜しみ、 まちづくりをしていれば、 自然に「友情」が 生まれます。だから、 「修練」 「奉仕」 「友情」の順番になっています。 このことが実践できていないことが現在の青年会議所の課題だと思 います。一見、 まちづくりに繋がらないと思われるかもしれませんが結 果的にはまちづくりに繋がっていきます。 司会 : 現在のまちづくりの課題は、 青年会議所の課題だと言う事で しょうか。 吉村理事長 : そういえると思います。青年会議所はまちづくりが出 Danryu 2007 Vol.2 3 理事長対談・新年定時総会・京都会議・歴代理事長会議 た事もあると思いますが、 何人であっても志を高く持たなければなりま が「愛」で、 そこに愛があるのか疑問を常に持とうということだったん せん。 ですよ。例えば、 この事業は青少年や子どもたちのためにやっていま 修練を通してメンバーのスキルアップをしてもらうことは、 理事長であり すという自己陶酔をするのではなくて、 本当に愛情を持ってやってい 執行部の役割であろうと思います。ブロックのテーマとしては意識を れば、 事業の意義や価値観が変わってくるであろうと思います。自分 高く持っていただけるように心掛けてやっていきます。 の奥さんや子どもを愛するような気持ちを持てば自然と良くなると思 司会 : ありがとうございました。本日のテーマの「道州制」 ・ 「まちづく います。 りの課題」について共通した部分としては、 もっとメンバーが本質の 土師会長 : 問いかけから始まると思います。 「家族を愛しています 部分で活動していく中でメンバー か?」と聞かれれば「はい」と答え そのものが変わっていかないと、 ると思います。 「会社を愛していま いい方向に転がっていかないとい すか?」「岡山を愛していますか?」 うことだったと思います。 「青年会議所を愛していますか?」 土師会長 : 今回の対談で「JAY と聞かれて「はい」と答える部分 CEE愛」の話は、 全く出てこなかっ には、率先して考えて動くことが たですね。 (笑) 出来ると思います。まず我々が家 吉村理事長 :この対談の根底に 族を愛し地域を愛する気持ちをも 「愛」があると思います。表面的 たなければ明るい豊かな社会の な話になってしまいましたからね。 実現はありえません。愛のある運 岡山青年会議所のスポンサーL 動を展開し、 心のつながるおかや OMである大阪JCに日本JCに出 まの実現に向けてまいりましょう。 向しているときの事業で訪中ミッショ ンのPRをしに行った時に例会でメディアコミュニケーション委員会が 各委員会の活動報告をする場に居合わせまして、 その時のテーマ 司会 :ありがとうございました。以 上で対談を終了させていただきます。
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