第1・2・3

││.│ll llll,││││││'│││││││││││││││││││
│'││ ││││ ││││ │ llil l llll l ll ll l llJI I IIIII
II IIII I I II I I II,│ ││││ │ ││││││ │││lill l llll
l llll ll llllll:│ llil llllll l llll ll llll l l
シ リコ ンカ ー バ ド
(SiC)技 術 の発展
││:││,II:illl llll.lil llll,││ll,│││││││││││,││││││││1111111111,│││││││ll,││llll`│││││llllll、
│││││││││││││,il,││││!│││││││││,││llil l llll l l'││││lll l l11111 1111 1 1111 1 11111.l lll111 11 111111 1111 1 1l11,ll.II I I Illl l 111
先 史 時代
シリコンカーバ イ ド (Sic)は 天然 には存在 しない 化 合物 で あ り,1気 圧で
は融解せず,昇 華す る。結晶作 製 は 1892年 に考案 されて特許が出願 されてお
り,Acheson法 と命名 されて い る。大 きな炉内に Si02と コー クス (C)を 詰 め
,
中心部 の 電極 に大電流 を流 して発熱 させ ,2000℃ 以 卜の 高温 で 反応 させ る と
SKち が還 元されて sicが 合成 される方法 で ある。硬度が高 いこ とを利用す る研
磨材 や 高温炉壁 など,強 度や構造材料 と して実用 されて い た。結品 の 多 くは 6
H― SiCで
あ る。
電子 デ バ イス ら しい報告 は 1907年 に さか の はる。当時 ,点 接触型 の 鉱石検
波器開発 の 中で,各 種 の材料 のり
i接 触特性 が調 べ られた もの と推測 され,sic
との点接触 に電圧 をかけると発光する とい う現 象 が報告 されてい る。その後
,
1923年 に これ に関するか な り.Tし い報告が されて い る。加 える電 l■ の 大 きさ
によって発 光色力れヽ
ろい ろ変 わ ることが 示 され,同 体放電現象に起因するので
はないか と推論 されて い る。その後 は,sicに 関す る報告 は 見 られない。seitz
の教科書 (1940)“ Theow Of Sonds"に よれば,当 時 よ うや く半導体 とい う言
葉が 認識 され,Sicは 多分 Ht導 体 であろ う との.nL述 が ある。
1947年 にグ ルマニ ウム (Ge)を 用 い る点接触型 トラ ンジス タが発 IIllさ れ
,
続 い て,pll接 合 トラ ンジ ス タ (バ イポ ー ラ トランジス タ)が 提 案 されて,少
数 キ ヤリヤ注人現 象が 重要 であるこ とが 認識 された。sicか らの 発光が pn接
合における少数キ ャリヤの 注人 と再結 合 に よる現 象 で ある ことが 1953年 にり」
らかにされて い る。Bを 添加 した 6 H SiCの 黄色発光 ダ イオー ドがサ ンプ ル出
荷 された時期 が あ った。
1 シリコンカーバイド (SC)技 術の発展
研 究高 揚 期 と停 滞
195511に Lclyが 昇華法 を活用 して,高 純度 の Sic単 結晶 を製jと す る方法 を
報 ,rし てか ら,世 界的規模 でlll究
開発 が lllめ られ た。特 に,(leト ラ ン ジ ス
タでは使用温度 の「 限 が 60℃ ri度 とされ ることか ら,高 温 で ll用 す る,[子 デ
バ イス開発 の強 い動機付け を受 け,ア メリカ合衆 J政 イFが 強 い 支援 を始 めた。
う
第 1)1の Sic国 際会 ltが 1959年 に開1ヽ されている 。続 い て世 界が この 方向を
I「
4り
始 め ,オ ラ ンダ,イ ギ リスな どか らのfll究 報 告があ る。 Leし 法 は,自 然
核発 生 を利用する結晶成長技術 で あるために,形 の揃 わない単結晶 が作製 され
る。 また,こ の材料特有の結品多形 (ポ リタイプ)現 象 に起 」して ,各 種 の 多
形が )と 在す る問題があ り,技 術 として の
Jl・
展が見 えない まま実 │‖ されなか った。
Ceの 問題 rlを 克‖
はす るためにシリ コン
(Si)力 漱 討 され ,1060年 代 に入っ
て,そ の技 /trが 発展 して,接 合温度 125℃ の動作 が保証 されるようにな り, ト
]技 術 が
ラ ンジスタは Siで とい う方nlへ と発展 した。Siと 相性 の よい SiOJ活 ナ
Si界 面制
1路 へ とlll展 した。 方,SiO!′ ′
発展 して プ レー ナ14バ イポ ー ラ集積卜
御がで きる ようになって MOSFET(金 属/酸 化膜/半 導体 電 界効果 トラ ンジ
ス タ)が 実現 し,今 日の VLSI(大 規模集積口1路 )へ とつ なが る技 flJが 確 立 し
て い る。
この よ うな背 景の 中で ,高 温電子デ バ イ スヘ の 関心 は失われ,ア メ リカ政lll
主導 の支援 も 1970年 代始 め には終 止符 を打 つた。 1973年 の 第 3
Lulの
SiC国 際
会議!は その終幕 と も言 える もので あ り,世 界 における活動 も Lま った。それ
か らの 約 1011『 lは ,SiCに
Filす
る研 究発表 も数少 な く,ハ i期 的 な もの は なか
った。そ の 中で , iつ の研究 の流 れが続 い て いた。1970年 代 後 半,わ が 可に
おけるllk相 エ ビタキ シー法 による SiC青 色発 光 ダイオー ド,CVD(化 学気相J「
積 )法 による Si基 相 iへ のヘ テ ロエ ビタキ シー,な らびに │ソ 連引
種付け昇華再結品法 に関す る研究 で ある。
おけ る
`に
青色発光ダイ オー ドの実 用化
`
)
さ光 ダイオー ドは, イギリス, ドイツσ
)を 用 いる 高色づ
竹リ
ケ, SiCの pllオ をイ
民‖llり F究 所で研究 されつつあ つた。 グラフアイ トるつはの中で Siを 溶融 し
,
2
1 シリコンカーバイド (Sic)技 術の発展
基llt SiC(Acheson法 による 6 H SiC)上 にエ ピタキ シ ャ ル成長 させ る方法 で
あ ったが ,pn接 合作製後 にるつ はを切 って 中の pn接 合 を取 り出すな ど,実 用
性 は考 え られてい なか った。実用化 には,製 造 の容易 さが必 要 との発想 か ら
,
わ力lJで デ イップ法や回転デ イップ法 が生 まれた。発光機構や効率向上の研究
が進 み ,わ が FIlの 民間が 実用化 に踏 み込 んだのは 1980年 代 の 半ばで あ る。 間
接遷移廻 半導体であるために,発 光には ドナ ー
ア クセプ タ対発光な ど特別の
1用 せ ざるを得 なか ったが,室 内で高輝 度 の 青色発光が得 られた。GaP
機構 をお
系の赤 ,緑 とお1み 合 わせ て,フ ル カラー発光 (3色 l時 発光 による ドl色 発 光
f・
)
ダイオー ドが ,販 された。 これは,199o年 代 前 卜に直接遷移型 の Ⅲ族 ナ イ ト
ライ ド系 の 高輝度発光 ダイオー ドが 市販 される まで , lII― 市販 された 青色発光
ダイオー ドで あ った。
格 子不 整系 の ヘ テ ロエ ビタキ シー と
CVD法 による Si
ttlIA上
の siCの
1二
MOSFET
結品成長は, 互い の格子定数が 20%程 度
違 う格 r不 整 の 大きな系でのヘ テ ロエ ピタキシャル成長であるために,解 決 の
‖処が 立つ までに長期
を要 した。 1980年 代 初 め に,原 卜 の 炭化水 素 に よる
バ
の
Si基 板 炭化 ッファ層 (低 温形成バ ッファ層 )の 導 人によつて,そ の 上に SiC
HB」
の 単紺‖:が 再現性 よ く作製で きる方法 が確 立 された。基 板 に siを 用 い るため
にその融点以
l:に
は温度 を }1げ ら,tず ,1400℃ 以下での成 長の ため に低 汁t安
定型 の 3 C SiCの 成 長 となる.炭 化 の 基本的 な現 象 は,1970年 代 に高真 空下
での si表 面で研究 されて い たが ,実 りj的 な手法 である CVD法 によって再現性
よ く成長で きる方法力
'開
発 されたこ とに なる。改めて,si(〕 が ワイ ドギ ャ ップ
半導体羽料 と しての研究対象であるこ とを認識 させ ,ア メリカ合衆11で のり
「究
再開の道 をイ
」けた。わが 国 にお いて も研究対象とな り始 めた。
1%0年 代 後 11に は,こ う して成 長 させ た 3 C siCを 用 い た反 転 1l
が
ll」
MOS「 I]T
作す る こ とが 報告 され,電 rデ バ イ ス と して歩み始 め たも。今 日 (2∞ 2
年)で は,こ れ を発展 させ ,4イ ンチの Si暮 板
11で
の 3 C SiC MOSFETが キ
は告
されてい る。 11温 バ ッファ層 の 活用は,そ の 後 ,III― V族 半導体 の 格子不 幣系
ヘ テ ロェ ビタキシャル成長にも広 く使 われてい る。
1
シ リコンカーバ イ ド (SiC)技 術 の発 展
ステ ップ制御 エ ビタキ シー
3C― Sて ,の 反転型 MOSFETが 実現 したが ,そ の 特性 は飽和特性 を示す もの
の完 全な もの とはい えず ,格 子イく
整か ら くる 3C― SiC結 品 の イく
完全性 にあ るの
ではない か との推測 か ら,Acheson法 による 6 H SiC単 結品 卜へ のヘ テ ロエ ピ
タキ シ ャ ル 成 長 の 試 み が 始 ま っ た。結 品 多形 は 異 な る も の の ,6 H SiC
(0001)面 内 の原 千配 置 は 3 C SiC(Hl)面 と類似 して い るので,大 きな格子
不整 は生 じない であろうとの発想 である。基板 の溶融 を懸念することはないの
で ,基 板温度 を 15∞ ℃ 以 Lと して成 長 させ た結 晶 の表 面 には,常 に,モ ザ イ
ク模様 が 観測 される 3C― SiCの 双晶 で ,電 子 デバ イス用材 ││と して用 い られな
か った。
Acheson結 晶 は形が 不 Illい であ り,CVDに よる成長 前 に基 板 の 整形,研 磨
をltす 必 要 が ある。研磨 Iliで ,6H― SiC(0001)基 板 にオ フ角が導 人 され て
,
高 IIi質 の 6 H SiCの ホモエ ピ タキシャル成長が再現 よく実 IFIで きる こ とが判明
し,「 ス テ ップ制御 エ ピ タキ シーJと 名付 け られた
4。
ォ フ角 をつ ける こ とに
より,低 指 数面 (lXX11)に に数 多 くの ステ ンプが 導 入され ,ス テ ップフ ロー成
長 の lf用 によって複雑 な積層構造 を もつ 基板 6H― SiCと 同 じ積層順が再現 され
る こと,本 来 は 2000℃ 以 Lで しか成長 しない 6H― SiCが 1500℃ 程度 の低 温で
成 長で きる技術が開発 された ことになる。 こ う して作製 された pn接 合 の特性
は,従 来 ,液 相 エ ピタキ シャル法 や 18∞ ℃ 以上 の CVDで 作製 された もの とは
異な り,格 段 に高品質 の成 長が実現で きた ことを示す ものであった。
結晶成長機構 ,ス テ ップ構造 の解明 ,高 品質の伝導性制御 など,本 方法 に関
す る基 本事項 の確 立に数年 を要 したが ,学 問的な位置づ けは 1990年 代前 11に
はで きたい。今 日,1世 界 における高品 質エ ピ タキ シヤル成長 には 本方法 が広 く
使 われて いる。
SiC基 板結 晶 の実 用化
°
1980年 代前半 には種付 け昇華法が提案 された が ,当 時 は,東 西 の 問題 もあ
って,情 報伝達 は芳 しくな く,lL界 全体 の 共通 認・4tと は な らなか った。 19“
年代後 11に な って,ア メリカ合衆卜 で盛 り 11が る研究熱 を反映 して,SiC関 連
イ
1 シリコンカーバイ ド (SiC)技 術の発展
の 国際 会議 の 第 2ラ ウ ン ドが 始 ま り,情 報 伝 達 も よ くな り,sic基 板 結 晶成 長
法 の 確 [が 斯 界 の話 題 とな っ て きた。 力Πえて , 卜述 の 「 ス テ ップ制l御 エ ピ タキ
シー 法」 は 高品質
大 面積 の 基板結 品 の 必 要性 に拍 車 をか けた。
ア メリカ合衆国のベ ンチ ャー 企業 が 1988年 に 、
たち上が り,1991年 頃 には直
径 1イ ンチ 基板 の 市販 が始 まった。 直径 は 年 々 大き くな り,現 在 では,直 径 2,
3イ ンチ の SiC ttllAが 入手で き,4イ ンチ達成 の報告 が 本
H次 いでいる。 マ イク
ロバ イプ とIllば れる結晶欠陥 の低減 が 大きな課題であったが ,進 捗 が 見 られ
,
直径 2イ ンチで マ イクロパ イプのな い 基板結 品 の 報 告 も出て きて い る。高周
高出カ デバ イス側か ら要求 される半絶縁性 の Sic基 板 も人手で きる。
波
SiCシ ョッ トキ ー ダ イオ ー
ドと実 用化
「ステ ップ制l御 エ ピタキ シー法Jに よるエ ピタキシャル成長層 の高品質性 を
利用 して,1993年 に厚 さ 10′
`111程
度 で ml圧 l kVの 6 H SiCの シ ョッ トキー ダ
イオー ドが 試作 された。siで は絶縁破壊電 界が l
lll小
さいの で
17‐
さは 10倍 IT
度 とな り,そ のために導通時 には大 きな損 失 になるため実現 されなか った電圧
領域 であ り,低 損 失パ ワーエ レク トロニ クス用羽 料 としての認識が 大い に高 ま
つた。
続 い て,そ の 目的 のためには 4 H SiCが 適 して い る こ とが 辛
は告 され ,こ れ を
用 い た厚 さ 1311mで lll]:1 7kVの シ ョ ッ トキ ー ダ イオ ー ドが 1995年 に報 li
された'。 これ をきっかけに,パ ワー 半導体 としての 4H― Sicが 重要視 され る
ようになった。なお, この発表を基 に した 4H― Si()の ショッ トキ ー ダ イォー ド
が 200111ド イツか ら F販 され ,パ ワー デバ イスの実用化時代 に入っている。
高品1質 エ ビタキ シャル成長層 とこの ショッ トキ ー障壁 を用 い る,高 IJ波
│11カ
高
の MESFET(金 属/半 導体 電界効果 トラ ン ジス タ)が 報 告 され,` 卜絶縁
性 暴 llK開 発 の きっかけ となっている.‖ lも な く,本 地 lHJ用 高
│.・
l波
高 │││カ トラ
ンジス タが実用になるであろ う
`
SiCト ラ ンジス タ
199511の ショッ トキー ダイオー ドが きっかけ とな り,llt損 失パ ワー 半導体
1 シリコンカーバイト (SiC)技 術の発展
と して の 認識 が 始 まる につ れ て,ス イ ッチ ン グ素 Fと して の トラ ンジ ス タ開発
の 機 iEが 朧 り上 が った。比 較 的 高品 質 の Si03膜 が 形 成 で きる の で MOSFET試
作 の 報 響│が 相次 い だが ,SK〕 の物性 か ら期 待 され る性 能 力ヽ■成 され なか った 。
■る が , SiOJ′ ′
4H―
通 常 は , 4H― SiCの (0001)オ フ 面 卜に MOSFETが 作 製 さ力
SiC界 而 物性 が優 れ な い ため に ,反 転曙 の電 子 移 rlJ度 が極 端 に小 さい 。 1999年
に,(1120)面 上で の
MOSFETが 試 作 され ,電
チ移動 度 が これ まで の (0001)
4H― SiC界 ■1が
され た`
オ フ面 に比 べ て 15倍 以 11改 善 され る こ とが 報 1午
c SiO!′
本 質的 に 大 きな問題 を抱 えて い る もので は ない こ とが 判 りlし
,研 究
開発へ の
意 欲 を盛 り 立て る こ とに な っ た。4H― SiC(0001)オ フ 面 Lで も,酸 化 膜 形 成
H次
法 を変 える とか ,酸 化膜 形成 後 の 熱 処 理 に よって電 子移動 度改 善 の 報告 が オ
いで い る。
MOSFETが 抱 えて い る 問題 解 決 に は時 間 を要す るで あ ろ う との 判l断 か ら
JFET(接 合型電 界効 果 トラ ンジス タ)や SIT晰 電 誘 導 トラ ンジ ス タ),あ る
,
い は埋 め込 み チ ャネ ル電 界効 果 トラ ンジ ス タな どの研 究
」が 入れ られ
開発 にノ
,
例 えば ,.IFETと Si MosFETを 組 み 合 わせ た ハ イプ リ ッ ド構 造 で ノー マ リオ
フ型 の トラ ンジ ス タを達 成 す るな どの 試 みが され ,実 用 化 も間近 とな つてい る。
縦 梨構 造 の パ ワーデ バ イ ス実現 の ため ,プ ロセ ス面 で は イオ ン注 人技 術 力ヽ舌
用 され る。SK〕 で は化学結 合 力 が強 い ため に, イオ ン注 人 で結 品性 が 壊 され る
とアニ ー ル に よる い復 が lAl難 にな る な どの 問題 が あ るため に,高 温 イオ ン注 入
技 術 の 研 究 が 進 め られて い る。
SiCワ ー リレド
sicは エ ネル ギ ー ギ ヤ ップが 3 eV以 卜で, シリコ ンの 約 3倍 大 きい。 これ
に伴 って ,絶 縁破壊電界 が 約 1桁 大きいので,Siデ バ イ ス に比 べ て 寸法が
1
桁小 さくで きる。扱 える電流密度 も大 きくで きるので ,小 11化 がで きる。使 い
やす い MOSFETの laJ合 ,電 力変換時 に熱損 失を もた らす固有オ ン抵抗 は絶縁
破壊電 界の 3乗 に反比例す るので ,SK)を lllい る と Siの 同有 オ ンIIt抗 の 2桁 ■
大 きく現れる。 また,熱 伝
ほ ど小 さくてす む→特 に高 llサ 1:に なるほ どその
'1が
専度 が Slの 3倍 ほど大きいの で,熱 放散が よく,SiCパ ワー デバ イ スは機器 の
6
1
シ リコ ンカーバ イ ド (SiC)技 術 の発展
冷却 が 簡 │卜 化 され る。小 11,低 損 失 ,高 効 率 で ,冷 却 が 簡易化 され る とい う こ
とでそ の将 来が 大 い に期 待 され て い る.
現 在 ,SiCの シ ョッ トキ ー ダ イオ ー ドは 市販 され る よ うにな った。 ス イ ッチ
ン グ用 の 各種 トラ ンジス タの研 究
開発 が盛 ん にfiわ れ て い る。 あ と数 11で ト
ラ ンジス タ も市販 され る よ う になるで あ ろ う。 い ず れ も`
%初 は小 面積 で 電力容
量は小 さいが ,基 板結 品 も直 径 3イ ンチの もの が「 販 され る段 階 に きて い るの
で ,中 容 量 ,大 容 量 の 電 力変換 用 パ ワー デバ イ ス開発 へ の 基盤 は 整 った とい え
る。
電 気 エ ネ ルギ ー を有効 に利 用 す る こ とを通 して ,エ ネル ギ ー使 用 を節 減 し
,
環境 へ の 負荷 をllt減 して持続 あ る発 展 を遂 げ るオ
支術 をパ ワー テ ク ノロ ジ ー と名
付 け た い。 そ こでの 主役 は半 導 体 SiCで あ る。 どこで も,誰 で も,い つ で も高
品 質 の パ ワーユ ニ ッ トが 活 用 され る時 代 が 来 れ ば , まさに SiCワ ー ル ドとい え
る。
(参 考文献〉
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SiCの 特徴
l il'││││││,│││││││「
SiCは
│ll[│I Ilil l l ll「
││││l il l llllll ll「 │││「 ,II`lll.II I I IIII I I II l l:││l ll l l'│,│││,II I Iで
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││││││││││,││││,│││││││)│││llFI I I II I I IIII II I I「
21XXlヽ
「
││lill l l'illl l lllll l l'│││
2200℃ 以 11の 高温 で 昇 ■す る
とい う熱的安 定性 に加えて,化 学的,機 械的安定性 を有す る材 llで ある。 また
SiCは 広 い禁制帯幅 を もつ IV IV族 化合物 `
卜導体 として 占 くか ら力│ら れ,す で
,
に Sllockleyが SiCの 優 れた物1■ を認識 し,Siの 限界 を打破 す る高性 能 デ バ イ
ス実現 の 可能性がある こ とを予 言 して い た1。
SiCは
12%の イオ ン性 を有す る共有結 合結 晶であ り,結 晶学 的 には 同 の
剰l成 で c軸 方向に対 して 多様 な積増構造 をとる結 il[多 形 (ポ リタイプ)現 象 を
示す材本│と してイ
「名で ある。 この ポ リタイプ現象 は,Si,C tt f単 位層 の 最密
充填構造 を考 えた ときの原子 の 積 み 重な りの 違 い に よ り記述で きるt
SiCで
は 200種 類以上のポ リタイプが確認 されて い るが ,発 生確率 が 高 く応用上 章要
なのは,3C,4H,6H― ,15 R SiC(Ramsde川 の 表記法 )で あ る。 この 表記
法 で ,最 初 の 数字 は積
向 (c軸 方向 )の lЧ 期 中 に含 まれ る Si― C単 位層
の 数 を意味 し,後 の C,H,Rは 結品系 の 頭 文字 (C:立 方品 ,H:六 方‖
│・
71方
I,
R:菱 面体 )を 表 して い る。図 2.1に 3C,4H― ,6H
Si(う の 積層構造 の供 式
ズを示す。同図における “
A,3,C"の 衣記 は,大 方厳密充填構造 における 3
種類 の原子 の liイ「位 置を意味 している。 なお ,他 の 半導体で よく現れる閃 llll鉛
鉱 (zilcblendo)IF造 は 3C,ウ ル ッ鉱 (MJrtzite)構 造 は 2Hと 表「こで きる。
SiCは ポ リタイプによつて熱的安定性や発生確率 が異 な り,高 温 (約 2000℃
以
L)で は 6H― ,15卜 ,4 H SiCの 発 4i確 率 が・Jく
f・
では 3 C sicが 発 ′
Lし やす い。SiCは
,llt温 (約 1800℃ 以 卜
)
,各 ポ リタイプで 禁術」帯巾‖だけで な く移
動度や不純物準 lijな どの物性 が 異なるの で,基 礎物性 の分野で も興味深 い材料
として注 目されてい る。表 21に 代表的な Si(〕 月ξリタイプの i:な 物」
里的1■ 質 を
].sicで は S■ C坊 〔r間 距離力
′
Jtす
エ
jぃ
'0.189 nlnと 短 く,結 合 ネル ギーカギ
2 SCの 特徴
(約
巾
4 5eV)こ とに起因 して,禁 制― ‖,絶 縁破壊電界やフオノンのエ ネルギ
ーが大きい1れ を示す。 また,す べての SiCポ リタイプは,Siと 同様 に問接遷移
型のバ ン ド│ル 造をイ
fす る。
数多 くの SiCポ リタイプの中で,現 在最 もデバ イス応用にullし ていると考 え
C
C
B
B
A
A
C
B
B
C
A
B
A
6H― SiC
4H― SIC
3C― SiC
図 21
3C― ,4H一 、6H― SCの 積層構造 の模式図
21
代表 的 な SCポ リタイプの主 な物理 的性 質
表
積層構造
3C―SiC
4H― SiC
6H―SiC
ABC
ABCB
ABCACB
格子定数 (A)
α=309
α-309
c-10 08
c-1512
1000(■
450(■ c)
禁 制帯 幅 (ev)
〇
0
0
︲
絶縁 破 tl電 界
(MV/cm)
飽和 ドリフ ト速度
(cm/s)
熱伝 導率
(W/cmK)
比誘電率
c)
1200 (//c)
100 (//c)
一 0
5
正孔移動度 (cm2/vs)
電子移動度 (cm2/Vs)
120
15
100
3
2フ × 107
22× 107
1 9× 107
49
49
49
9 フ2
97(■ c)
97(■ c)
10 2 (//c)
102(〃 c)
2 SiCの 特徴
られ て い るの は 4H― SiCで あ る。 この 理 由 と して ,電 子移動 P.・ ,禁 制‖1幅 や絶
縁 破 壊電 界が 大 きい こ と,電 気伝 導 の 異 方性 が小 さい こ と, ドナ ーや ア クセ プ
タ準 位 が比 較 的浅 い こ と,良 質 の単結 晶 ウェーハ が 入手 で き,そ の上 に高品 質
エ ピ タキ シ ャル成 長層 を形成 で きる こ とな どが 挙 げ られ る。表
表 22
22に
4 H SiC,
4H― SiC,Sl,GaAs,GaN、 ダイヤモ ン ドの主 な物性値 ,性 能指標 ,お
よび技術の現状 (○ :容 易 あるいは入手可能,△ :可 能だが限定 される、
× :困 難)
4H―SiC
幅
帯 Ⅵ
e
制 <
禁
電子移動度
(cm2/vs)
1 21Xl
絶縁破壊電界
速度 (cm/s)
GaAs
112
1 42
13511
22X10'
織需 枷
1 0× 107
GaN
1 0× 107
24× 107
1
4400
1
13000
Ba‖ gaの
性能指標
r]^│
価電子制御
熱酸化
低 抵抗
○
O
○
△
△
。
C
○
〇
×
0
0
×
×
×
△
絶縁性
△
ウ ェーハ
(サ フ ァ イヤ )
ヘ テ ロ接 合
25× 107
1 5
性 能 指標
p型
2000
3
」ohnsonの
価電子制御
ダイヤモ ン ド
5 47
12111
03
(MV/om)
飽和 ドリフ ト
S
2 SiCの 特徴
Si,GaAs,GaN, ダイヤモ ン ドの 主な物性値 とそれを基 に計算 した 、
,ohnsOnの
1■
能指標
(高
応用 )を 示す
周波 デ バ イス応用 )お よび Balgaの 性 能指標
(そ
(パ
ワーデバ イス
れぞれ siの 値 で規格化 して い る)。 同表に は,デ バ イスを作
製す るときに重 要 となる技術的側面 の比較 も示 して い る。4H― Sicで ll筆 すべ
き物性 は,絶 縁破壊電 界 が Siや GaAsの 約 10倍 ,電 rの 飽和 ドリフ ト速度が
約 2倍 ,熱 伝導率が Slの 約 3倍 と高 い こ とであ る。CaNは 4 H SiCと 同様 の
優 れた物性値 を示 し,AIGaNや InCaNな どの 混品 を作 製す る こ とに よ つて ヘ
テ ロ接合構造 を活用 で きる こと,お よび直接遷移 11半 導体 であるので発光 デバ
イ スに適 して い るこ とがキ
十長 で あ るic
方,SiCは
,広 禁制帯幅 11導 体 の 中
では例外的に p,n両 伝導型の広範囲価電 ∫制御が容 易であるこ と,Slと 同様
に熱酸化 により良質の絶縁膜 (Sioz)が 形成で きる こと,お よび導電性 あるい
は絶縁性 ウエーハが「 販 されてぃ ることが特長である。
SiCが 広 い禁ll帯 中
語を有 し,熱 的に安定 な材 お であることか ら,当 初 は 高温
動作 デ バ イス用材料 と して研 究 l.l発 が進 め られた。i」 常 ,Siを 用 い たデバ イ
スでは ,最 高動作温度が 150ヽ
21X9℃
にml限 され るが ,SiCで は 別 ℃ の 高温
にお い て も真性 キ ャ リヤ密度 は 101し n3程 度 と低 く,Jl論 的 には 800℃ 以上
のimt度 で もデバ イス動作 は可能である。実際 ,650℃ で Sic MosFETの 動作 を
確認 した報 告や ,300ヽ 350℃ 動作 の SK)MOS集 積口1路 実tFaの 報 illが ある。 し
か しなが ら,現 在 .最 も産業 界か らの 期待 が高 いの は1[力 用パ ワーデ バ イスお
よび高周波 パ ワーデ バ イスヘ の応 サ
llで あ る。
11述
の よ うに,siCは Siの 約 101キ の 絶縁破壊電 界 を有す るので,Siの 理論
口 ヒである。
限 界を大幅 に凌駕す る1ヽ 性能 パ ワー デ バ イス を実現 す るこ とが 「市
Baligaら は ,sicの 高 耐 I「 シ ョ ッ トキ ー ダ イ オ ー ド と パ ワ ー
MoSFETは
極めて
優れたオン抵抗を示 し,パ ワー利1失 を大幅 に低減で きるので,高 耐l■ Siパ ワ
ーデバ イスを完全にllYlき 換えらオ
じるとヽヽ
うシミュレーションネ
占呆を幸
に,iし てい
出
る
.
S(〕
パ ワーデバ イスが Siよ り著しく小 さいオン抵抗 を/1Nす 理由を図 22を 用
いて,ヽ
lllに
説りJす る。サ
1側 階段接合に逆方Ⅲl lll:(埓 ″ を印加 したときの空乏
増内の,L界 分4jは 図のようになり,接 合界面の最大電界がいわゆる絶縁破壊電
′2
2 SiCの
特徴
SiCで は島 がSの lo倍
EB(SiC)
一
同耐圧 な らpllは 1/10
″Dは 100倍
電
界
強
度
―
直列抵抗 1/300以 下
ED(Si)
O
NM(SiC)
N、
(S)
接 合 か らの距離
図
界
(島
22 Si,SC片
側 階 段 接 合 の 絶 縁 破 壊 時 に お け る空 乏 層 内 の 電 界 分 布
,で あ り,こ の とき,窄 乏層幅
(喝 ″ も最 大 となる。 この ときの 耐 rt
は,電 界分 4,を 示すピJ線 を771に もつ 直角 三 角形 の 面積で表 される (71,=昴 町
v.′
2)。
SiCで は絶縁破壊電 界が Slの
101吉
であるので ,「 l
fllllの
する場合 に,同 F/1に /j.す よ うに 「縦長Jの 三角形で ll圧
で きる。 したが って,sicで は siの 場合 よ り空乏場幅
婿 叫 ,(ド リフ ト領域 )に 対応 )が
1‐
71iを
(パ
デ バ イスを作 製
維持す ることが
ワーデバ イスの活1■
10で す み , しか もこの f域 の ドー ビ ン グ
7‐
密 度 (電 界分布 の傾 きに対応 )を llXl倍 にで きる。 この結 果 ,同 耐圧 の デ バ イ
スで比 較す る と SiCで は ドリ フ ト領域 の抵 抗 を 1桁 か ら二桁 ri度 小 さ くで きる。
高耐 ltデ バ イスで は , ドリフ ト領域 のlll抗 が オ ン抵 lltを 支 配 す るの で ,siCを
月Jい る こ とに よつて ,オ ン抵抗 の 小 さい ,す なわ ちパ ヮー損 失 の小 さい デ バ イ
ス を実現 す る こ とが で きる。
こ こで ,空 乏層 の伸 び を決 め るの は ドー ビ ン グ (n rlで は ドナ ー )密 度 で あ
り,デ バ イ スの オ ン抵 抗 を決 め るの はキ ャ リヤ (n型 で は 自由電 ■)密 度 で あ
る (ド ー ビン グ密 度 で は な い )こ とに注 意 すべ きで あ る。 絶縁 破壊 電 界 が 高 い
材 rで あ って も, ドーバ ン トの 活性 化 エ ネル ギ ー が 大 きい ため に キ ャ リヤ 密度
が ドー ビン グ密 F7よ り小 さい場 合 には,オ ン抵抗 の 大幅 なllt減 は実 Jl■ で きな い。
現 在 ,Siパ ワー デ バ イ スの 性 能 は,そ の 材 料物 性 で 決 まる理 論 限 界 に近 づ
い てお り,ブ レー クス ルーが 強 く求 め られ て い る。特 に,各 種 の 汎 用 モ ー タや
2 S,Cの 特徴
イ ンバー タ制l御 ,電 気 自動車 ,高 速鉄道や ス イ ッチ ング電源な どの分野 で高性
能 パ ワー デバ イスの ニー ズが大 きい。SiCを パ ワーデバ イスに用 い ると,2tXl℃
以 Lの 高温動作 が 口
J能 であ るので ,冷 却装 置の 大幅 な小型化 (水 冷→ 空冷 な
ど)も 期待 で き,シ ステム レベ ルで 見て も SiCパ ワーデバ イスの イ ンパ ク トは
大 きい。
〈
参考文献〉
_4よヽ0た
ごο,`Crt,わ
1)ヽV Schockley,S,ι ′
2)A R Vernla and K Krlshi,a,Pο
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│で
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″rrr
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Sc,″ ,`ο ,`d″ c′ o,(Pergainon
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ヽ,S`〔 ′
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'C々
“
Verlag,Bellin,1991)
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4)ヽ . .i Choyke,H Matsu!lan11,an(l C PensI,cds,S'′ を
′レ
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c′ 17′
″
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ンヽ ∽∼∽
`
´∼ ヽ´∼´∼∽∼´∼∽ヘ
く 9iCこ ぼれ話
/‐
ア チ ソ ン結 晶 (日 本 に お け る SiC半 導 体 研 究 の 初 期 の 頃 )
「京都大学の廊 ドで,水 中限鏡 をlllけ ,金 槌 とたがねの ようなもの を使 って
アチ ツン結品 を1■ り出 してい たのを思 い出すな―。苦労 して取 り出 した 1セ ン
チfflに も満たない小 さな結品 を磨 くのが, また, 仕 事だった。今の学生諸君
にそれをや らせたら,逃 げ出す だろう」
京都 工芸繊維 大学の西野先生の部 には,ア チ ツン法で製造 された微結晶の
が見本 に置 い てあ る。
lhに 小 さなネ
品lが くっついている塊 '■
これ を眺め なが らの話。
Iイ
2
S
(
∫
ゝ
2
S
わ
ヽ
ヽ
″夕
。
メ
´∼´∼‐
“
半 導体 SiCデ バ イ ス実現 の ため に大 │[lllて 高品 質 のり
ヽIFx l■ 粘 品 が必 要 で あ る。
SiC単 結 ‖作 製法 には アチ ソン法 や レー リー 法 な ど 各liの 方法 が あ る。 こ こで
は ,大 きな前if貞 で 品 質 の よい基 I「t単 結 品作 製法 の確 rに 向 けて進 展 して い る技
術 の 中か ら,昇 羊法 に よる大 方品 と化学 気 本
H成 長 法 に よる ψ方品 SiC基 板 作 製
法 を取 り上 げ ,現 状技 術 を把 握 す る。
大方品
(4H,6H)ノ ウレク単結晶
SiCは 包品 反 1き 型 の 1人 態 斑を′ し,2830℃ で グラ フ ァ イ トと炭 素 (c)を
jξ
19%含 イ
「 した シリコ ン (Sl)融 液 に分解す る。 したが って 融液 と 体 の 化学
「
・r論 比が 致 した液相成 長 (collg■ lent nle■ gro、 ■h)は 原理的に適用1で きない。
また, シリコン融液中の 炭素溶解度が低 い ために, シリコン溶液 か らの 中結品
成長 も J難 である。 したがって sicの バ ル ク単Tn品 成長には常 に気‖成長が
FI」
い られて きたて
六方品 Si(〕
る 方法 で 人
i`l・
t
品 は,古 くか ら工業的 にはアチ ツン (Aches()]l)ll:と 呼 ばオ
1:合 成 されて きた。 この 方法 は,無 水 ケ イ酸 と炭素源 を 2000℃
l:の 高 ..で 加熱して研磨材を4i産
する方法である。またレーリー
(Lclい
以
法は
,
純 度 の 良 い結 品 成長法 と して初 め て 試 み られ た 昇華 再糸与品法 で あ つて , グラ フ
ァ イ トるつ ぼ 内 で 原料 の Sic粉 末 を昇 華 させ ,低 ll部 に再 ギi品 化 させ る方 法 で
ある
`し か しなが らこれ らの 方法 で は,lix大 で も 10ヽ
15 illltlぐ
らい の 結 晶 し
か 得 られ ず , ■導 体 デ バ イスlll途 の 4i産 に適 す る もの では なか った 。
現 在 ,大 型 の 六 方HH SK)単 結 品 の 成長 に用 い られ て い る 方法 は ,改 良 レー リ
IS
3 バルク単結晶の製作技術
―法 と呼 ばれ る種付 き昇 華 再結 品法 で あ る。 レー リー法 で は,成 長 速 度が 小 さ
い の に 加 え,成 長初期 の 核 生成過 程 が 制御 され て い な い こ とが大 きな問題 で あ
つた。そ こで,こ の問題 を解決す るために Tttrovら は,① 温度勾配 を設けた
成長系内を不活性 ガスで満たすことにより原料の輸送過程 を, さらに②種結晶
を使 うことによ り,結 品成長 の核生成過程 を制 御 す ることを試 みた■。図
311に 改良 レー リー法の原理図を示す。 この方法の基本的プロセスは,準
Fll
鎖空間内で,原 料から昇率 したシリコンと炭素 とからなる蒸気が,不 活性 ガス
中を拡散で輸送 されて,原 料 よ り温度の低 く設定された種結晶上に過飽和 とな
って凝結す るとい うものである。 したが って,結 lul成 長速度は,原 本
キの温度 と
系内の温度勾配,圧 ノ
」によって決まる。201111℃ 以 11と い う非常に高い プロセ
ス温度が この成長法の特徴であ り,ま た結品成長のプロセス制御,欠 陥制御を
難 しくしている。
最初にTarovら が成長した結晶は日径 18 mm φと小さなものであったが
最近では4イ ンチφまでの大型化が達成されている力"。 市販の結HRも 現在は
,
,
2イ ンチ ロ径が主流で ,3イ ンチの もの も販売 が開始 された。 パ ワー デ バ イス
の分野では,長 年 4イ ンチ ロ径 の ウエーハが一 つ の マ イルス トー ン とされてい
ただけに,改 良 レー リー法 とい う気相成長法 で 4イ ンチ「1径 まで の 単結晶が実
現 された ことは特筆 されるべ きもので ある。
0ノ ほ
図
16
311
原料
改良 レー リー法 (種 付 き昇華再結晶法 )の 模式図
31
六方晶 (4H.6H)′ ウレク単結晶
シ リコ ン,ガ リウム砒 素 (Caヽ s)と い った 液相 か らの パ ル ク単 結 晶 成 長 と
は,成 長 温度 も過 飽和 度 も大 き く異な り,こ の こ とが これ ら長年蓄積 され た半
導体 バ ル ク単結 晶成 長技術 の 適 用 を阻 んで きたが , こ こ数年 ,シ ミュ レー シ ョ
ンを初め とす る プ ロセ ス最適 化技 術 が SiCバ ル クFP結 晶成 長 に も適用 され 始 め
大 日径 化
,
高 品 質化 が加速 されて い る。特 に そ の場 観 察 が 極 め て 難 しい この 系
の結 ‖成長 にお い て は ,今 後 ます ます シ ミュ レー シ ョン技 術 の 重要性 が 増 す も
の と思 わ れ る。
図
31.2に 実 際 の 六方 晶 SiCバ ル ク単結 品成 長装 置 の一 例 を示 す。 水 冷 用 に
二 重 構 造 と した ri英 ガ ラ ス製 の 成 長槽 内 に単結 品成 長用 る つ ぼ (通 常 グ ラ フ ァ
イ ト製 )が 配 置 され る。 高周 波 コ イ ル とグラ フ アイ トるつ ぼの 相 対位 置 の 変化
に よ りるつ ぼ 内 の 温度 分布 を制l御 す るため ,る つ ぱ の 台 座 は 卜下移動 ■I能 とな
つて い る。 また ,温 度分 布 を均 一 にす る ため に,る つ ぼ を回 転 で きる機 構 がイ
│
ラされてぃ る。成 長槽 には,高 真 空排気用 の ターボ分 子ポ ンプと圧 力制御用 の
コンダクタンスパ ルプを介 した ロー タリー ボンプの ■系統 の排気系 が設け られ
ている。 前者 は成長開始 前 に残留 ガス を高真空排 気 するために使用 し,後 者は
精密 ガ ス流量
制御装置
`
。 成長槽
¨
´ 高周波 コイル
ターボ 分子 ボ ンプ
コンピュー タ
放射温度計
ロータ リーボ ンプ
ダイア フラム真空計
図
312
六方 晶
SCバ ル ク単 結 晶 成 長 装 置 の 一 例
′7
3 パルク単結晶の製作技術
成長 中 の 内部 FI力 制1御 用 に使 用 され る。 原料 の輸 送過 程 を制御 す るイく
活性 ガ ス
と して は ,通 常 ,高 純 度 の ア ル ゴ ン (Ar)ガ ス が 用 い られ る。 ガ ス ラ イ ン に
は この ア ル ゴ ンガスの ほか ,n型 ドー ピ ン グ用 と して 高純 度 窒 素 (N!)ガ ス ラ
イ ンが 用 意 されて い る。 それ ぞれ の ガ ス ラ イ ンは 精密 ガ ス流 量制 御 装 置 を 介 し
て ,成 長槽 に導 入 され る。 成 長槽 内 の │ギ カ は, ダ イア フ ラム 真空 ntで 随 時測 定
し,そ の llを 制御1用 コ ン ピュー タに取 り込 んで コ ンダ ク タンスバ ル プの 開度 を
調 整す る こ とに よ つて制 御 され る。 またるつ ばの温 度 は ,る つ は上 部あ るい は
ll度 計
下 部 か ら幅射 され る赤外 線 を断熱 音開 に設 け た 光路 か ら取 り出 し,放 射 ‖
コンピュー タに取 り込 み ,高 周波電 ノ
」
にて
「「測 される。 この値 を随時 .制 御用
を変化 させることによ り学結品成長中の温度制御が行 われる。
熱方式 の成長炉では,高 周波 コ イルの
Ⅸ 312に 示 した ような高周波誘導力Π
内側 に成長槽 を配置で きるため ,成 長装置 を抵抗加熱 方式 に比ベ コンパ ク トに
で きる。Talrovら が採用 した抵抗加熱方式 ではカーボ ンヒー ターの消耗 が問題
熱体 となるため この問題
となつたが ,高 周波加熱 方式 ではるつ はその ものが 力Π
はない。 しか し 般 に,抵 抗力Π
熱方式 に比 べ 成長系 の熱容量 が小 さい ため ,長
時間にわたる安定 した温度制御が難 しくなる。
高川波誘導電流 は伝導体
(る
つ は)の キ ャリアによる遮蔽効果のため 内部に
浸透す ることはで きず ,発 熱 は伝導体 の 表面 で起 こる (衣 皮効 果)。 この とき
i透 深 さは,高 lll波 周波数 ∼10 kHz,る つ ぼ (グ ラフ アイ ト)の 抵
表山│か らの ‐
,
抗イ ヽ1× 10 3Ω cm(203Э ℃ )を 仮定す ると,15∼ 20 111m fI度 と見積 られる。
このllは るつ ぼ設計 の際 に,る つ ぼ 肉厚 などの H安 となる。
高lnl波 誘導加
pll方
式 におけるfl達 温度 は,加 熱体 であるるつ ぼに発 41す る熱
量 と,伝 導 ,輻 射 な どに よつてるつ はか ら失 われる熱量 の 釣 り合い によつて決
Ч
定 される。2000℃ を超 える環境下で の SK〕 学結 晶成長 にお いては,温 度 の り
乗 に1ヒ 例 して失われる幅射熱 が大 きく,そ のためるつ ぼ周囲 を断熱材 で被 って
輛射 による熱損失 を極力減 らす ことが重要 となる。 この際 ,高 │」 波 が直接 るつ
ぼに作用 するように断熱材 としては導電性 の ない材料 か,誘 導電流 の発 41し に
くい構造 を採用lす る必要がある。到 達温度 は発熱量 と放射熱損失の釣 り合 いで
決 まるため ,同 じ高周波電流 で も断熱材 の使用 により到達温度 を大幅 に liげ る
J∂
31
(4H.6H)バ ル ク単結晶
六方 晶
ことがで きる。
実際 の成 反 プロセ スの ´
例 を次 に述べ る。は じめに ターボ分 Fポ ンプにより
成長槽内 を高真空 に排気 し,成 長槽内 の残留窒素を極力除去する。そ の 後るつ
ぼ加熱 を開始 した後,成 長槽内にアル ゴンガスを導 入 して成長槽内の│:力 を数
100 Torr程 度 までJ」 ずる。 こ力
しは, 低 i.l時 に 2000℃
)に ホli品 成長が 判始 さ,l
るの を防 l卜 するためで あ る (低 温時 に結品成長が開攻
fiさ れる と, しば しば 3(〕
SiCの 料i品 核 が発生 し,多 結品化 の原因 となる).数 Hキ 間 かけてるつ ぼ を所定
の温度 (2200ヽ 2400℃ )ま で 昇温 し,そ の後成長を開始 す るために,ア ルゴン
ガス│1カ を降下 させ る。降 ド時 間 は 5ヽ 60分 程度 で ,数 100 Torrか ら成 長 サ
li
(1ヽ 1()O Torr fT度 )ま
力
で 減 │[す る。 結 HH成 長中 は,ア ルゴンガス
1:力
およ
び温度 を 定 に保 ち,成 長終了後 は 昇温時 とFl程 度 の時泄lを かけて温 度 を降 ド
させ ,る つ ばが 1分 冷えてか ら,成 長結晶 を取 り出す。
大 方品 SiCバ ル クII結 品 の成長 には, 上記 の改良 レー リー法 以外 の 方法 も試
な られて い る。そ の一つ に溶液成長法 が ある。先に述べ た ように シリコン融 llk
中へ の炭素 の浴解度 は小 さく,実 用的な結品成長速度 を得 よ う とした場 合 には
かな りの 高ホl(≧ 200()℃ )が 必 要 になって くる。 ‐
方で
温 ではシリコン融
,
,高
液 の蒸発 が激 しく成長 を継続 す るのが 困雌 になるとい う
「1題 があった。最近
,
このFl題 解決 に向けて 努力が なされてい る。 ドイツ Enangen― Ntirnl〕 e増 大学 の
グルー プは,高 温 ,高
l]の 溶 lll成 長に取 りな
lん でいる。
「 l卜 での SiCバ ル ク単結ハ
′
201Xl℃ ,200 barと い う高温 ,高 圧 の 条件 の 卜,0 2 11lilヽ ′
h程 度 の 成 長速度 で
,
「l径 1イ ンチ l■ 度 の S,()単 結 品 を得 てい る 。彼 らによれば,強 制対流 によ り
物 質輸送過程 をさらに増強す れば,成 長速度 は改良 レー リー法 lf/み の l null h
程度 までに改 善で きるとしてい る。今後 , どこまで成長 jム 度を大 きくで きるか
,
さらに数 1時 間 とい う長‖
1惜 l成 長が可能になるかが技 術開発 のポ イ ン トとなる。
もう つ′)手 ,去 は, 高温化′
ド気本
H成 長 (CVD i Clleillical Vapor DepOsitk)n)
法 と呼 ばれる結晶成 IIt法 である。改良 レー リー法 での Sicバ ル ク単結晶成 長の
問題 の
つ に,準 閉鎖系 での成 長 であるがために,原 料の 炭化に よる成長条件
の経時変化 がある。 この ことは,SK〕 バ ル ク単結岬 の 長‖
│‖ l安 定成 Icを 大きく
阻害 して い る。 また,sK〕 成 長 で重 要なパ ラメー タの
つ であ る st′ c比 の 市1
3 バルク単結晶の製作技術
御 も,夕 │■ とい う現象 を利用 してい たのでは限界 がある。 この ことを解決す る
つ の 手法 として提 案 されたのが 高温 CVD法 であ る3。 原理 は開放 系 の 成長
システ ムで ,231Xl℃ lT度 に加熱 された種結晶 上 に薄膜 CVDと 同様 に外 部か ら
シラン (SiHl)と エチ レン (C2Hl)な どの炭 化水 素系 の ガスを導入 し結晶成長
を行 う。成長速度 は,2300℃ の 高i柿 下 では,0 8 mil1/hに も達す る。導入 され
たガスはいったん気相 で反応 しクラスタ状 となって成 長 ゾーンに導 入され,再
度分解 され,最 終的には Si,Sicゼ ,sLCと いつた改 良 レー リー法 と類似 の 反応
l]が 得
前駆体 とな り結品成長に寄与する。現在 までに日径 2イ ンチの Sic単 結 古
られてお り,得 られた結品 の品質,純 度共 に高 く,こ の 方法 のバル ク単結品製
作の
'I能
性 を示 して い る。オ
支術 の詳糸
Hに つい ては, ノウハ ウとされてい る部分
が 多いが ,成 長 の安定性 ,生 産性 などのオ
支術課題 が今 後検討 されるべ きであろ
う。 各種 SiC単 結品成長法 の比較 を表 3.11に 示 した。
最後 に,大 方品 Si(う の バ ル ク単結晶成長 におけるポ リタイプの問題 につい て
述 べ る。改 良 レー リー法 にお いては,所 望 のポ リタイプ種結晶を用 いて も,lnl
ポ リタイプの 単
ポ リタイプ結品 が成長で きる とは限 らないこ とが知 られて
い る。同一結‖]内 のポ リタイプ混在 は c軸 を共有 した形で起 こ り,そ の境 界 に
は結品欠陥 を伴 う。 また,各 ポ リタイプ結晶 の物性値が異 なるため ,デ バ イス
応用 の観点 か らも意図 した単一ポ リタイプ結品 の分離成長技術が必要 となる。
つで
種結品 の成長 面極性 はポ リタイプ制御 L最 も重 要 な成長パ ラメー タの ―
ある。SiC単 結品 は
軸性 の極性結 晶 であ り,sic{α 〕Dll面 には化学 的性 質
の 具な る (Of 01)Si iinと
表
311
(0001)C面 の :1つ の 面が存在 す る。 したが って
,
六方晶 SiCバ ル ク単結 晶各種 成長方法 の比較
種 付 き昇華再結晶法
マ イクロパ イプ低減
装置・ 材料 コス ト
高温
CVD法
△ △ × 〇 〇 〇 ×
プロセス制御性
ポ リタイプ制御性
× △ × ○ 0 0 ×
結 晶長 さ
0 0 △ × △ △ 〇
成長速度
結 晶口径
溶液成長法
31
六方晶
(4H 6H)バ ルク単結晶
llll1011面 上 に結 晶 を成 長す る場 合 ,こ の 二つ の 面 の どち らか を使 用 す る こ と
に な るが ,成 Icポ リ タ イ プ は こ の 面 極 性 に 大 き く依 存 す る。 こ の 様 を表
「
3.12に ま とめ た。 ЮЮ l)Si面 成長 の 場 合 ,15R型 の lFt rl:は み られ る もの の
種結 品 の ポ リ タ イプ に関 わ らず
6H型 が
ilに
得 られ る。4H型 の Sic nt結 品 の
発 71は 全 く起 こ らな い。 一 方,(∞ 01)C tt liの 成 長 で は 6H型 と 4HI_lの 発
生 が 共 にみ られ る。 両者 が 1と 在 して発 生 す る場 合 も多 い が ,(lX101)Si面 成 長
と異な り,(0001)C面 の 成 長 の 場 合 に は ,
11に 種 f■ 討 の ポ リ タ イプ をり き
継 ご う とす る lrl向 が み られ る。 つ ま り,6 H Itl種 結 f∵ ]Lで は 4H汚 1に 比 べ
右1の 発 生 率 が 高 く,4H型 種 結 晶 上 で は 6H型 に比 べ
る。オ
│に 4 H ll種
的 に なる。
llL謂
6H
4H型 の 発 41率 が 高 くな
ILの 成 長 にお い て この 傾 向 は 強 く,4 H llの 発 牛 が 支flL
12に 15R型 は どち らの 極性 而iLの 成 長 に お い て も発 ′Lが 観 察 さ
れ るが , 支配 的 なポ リ タ イプ とはな らな い。
不純物 の ポ リタイプ に 及 はす 影響 も古 くか ら議 論 され て い る。 イく
´t物 には ス
カ ンジ ウ ム (sc),セ リウ ム (ce)と い った 希土 lll系 の 不純 物 の よ うに結 品 中
には とん ど取 り込 まれず にポ リタイプ に影響 を及 ぼす もの と,窒 紫や ア ル ミニ
ウノ、の よ うに結 ‖ 中 に高 濃度 に取 り込 まれ もの の [1つ に分 類 され る。 前者 は成
長核 の 表面 エ ネルギ ー を変 化 させ る こ とに よ り,ポ リ タ イプ に影響 を及ぼ して
い る と考 え られ て い る。
成 長 ポ リタ イプは 卜記 以外 に も,過 飽 和 度 ,結 品 の 化学 星論 比 か ′
)の ず れ な
どに よ り変 化 す る こ とが 報告 され てお り, これ らの 成長 条件 を最適 化す る こ と
に よ り,4H型
,6H型 の 単
表 312
ポ リタ イプ結 占
l[が 1lJljl性 良 く成 Icで きる
(
改良 レー リー法による六方晶 SCバ ル ク単結晶成長 にお ける
ポ リタイプ発生の種結晶ポ リタイプおよび面極性依存性
種
ポ リタイプ
6H
4H
結
晶
成長結 晶
面極 性
ポ リタイプ
(0001)C
4H、
(0001)Si
6H(15Rし
(0001)C
(0001)Si
6H
ば しば混 在 )
4H(支 配 的
6H(15Rし
)
ば しば混在 )
2r
3
バ ル ク単結晶 の製作技術
参考文献)
〈
1)h】 M Tatrov and V F Tsvetkov,J Cwst Cro■ lh,43,209(1978)
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,ヽ
V Brixius,G Fcchko,R Class,D H()nshall,J Jenily,R
L(lonar(1, I) 04alta Si G ヽ
4tiller V Tsvetkov、 an(1(」 H ('art()r, Jr, Mater S(1
Forul:1,388-342.3 (21nl)
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Vahそ lb I P Borgnlan Y N Maka―
5, A Ellis()l]I Z1lal`J l'etcrson A Hen, Q ヽ
:orobcv A ヽcha1lcll,an(lE 」a]lz611,Matcr S(l EIlg B 61-62 113 (1999)
rov A ヽ
︱︱ ︱ ︱ I J
立方品
(3C)パ ル ク
3.2.1 3C― SiC内 の面欠陥を解消する新技術
3 CSiCを
lltと
して り
llい た 半導 体 デ バ イ スの l■q発 は ,4 H SiCや 6H SK〕
'ヽ
を基板 と した場 合 に比 べ て依 然 と して遅 れ て い る。そ の 理
の ヘ テ ロエ ビ タキ シ ャ ル 成 1こ 手段 と して
II」
の
つ は,3C― SiC
般 的 に用 い ら,tて い る VD'去 の 成
(〕
li速 度 が 数 μnl hr● ■と1ltく , デ バ イス製造 に必 要 とさ力しる フ リー ス タンデ イ
ング基 llt(デ バ イ ス製ilに 耐 え うる機械 的強度 を確 保 す る うえで ,板 厚 100″ nl
以 11が 望 ま しい )の 製 i上 が 困 難 で あ つ た こ とに あ る_こ れ に 加 え て ,Siり l
llA
Iに 3 CiSK)を 成 長す る場 合 には ,界 山iの 格
不 幣 合 に起 llNし て発 41す る 高密
「
│た の 油
i欠 陥1が 解消 で きなか っ た こ と もデ バ イス化 を同11キ して い る 大 きな 要 対で
ある
3 CSiC Si(∞ 1)界 niに お い て 発 ′
11す る llu欠 陥1は
こ とが で きる。そ の う ク
,の
ary)で あ り, もう
22
,大 き く 211類 に分 類 す る
つ は,反 位 相領域 境 界 山i(APBI An口
方は積層 欠陥 (SF:Stacking hu■
)で あ る │!
lЯ
lase boun(ト
32
立方 晶
(3C)バ ル ク
APBは 極性 面の配向方位が異 なる領 域 どう しの 界面 であ り,極 1■ 面 をイ∫さ
ない Si
tt llx卜
に極性 雨i(す な わち,Si面 と c面 )を 有 す る 3 C SiCを エ ピタ
キ シャル成長 させ る場 合 には必然的 に発′
liす る。APBは Iと して SI Si結 合 に
よって形成 されてい るが ,こ の よ うな極性界面は,こ れを横切 るキ ヤリアを散
す るため ,デ バ イスのオ
舌し
十性 を劣化 させ る。APBを 解消す るため には,何 ら
かの手段 で特定 の極性面 をll定 の 方位 に配向 させ る必 要がある。 この ような極
性 面のЛ己向方位 は,基 板 表面の法線軸 を
Si(001)り ふ板
オ フ Siツ !板
(オ
11に
[HO]方 位 へ とわずかに傾斜 させた
フ Si基 板 )を ‖lい る こ とによ りlll御 で きるも。そ の 半 面
,
お い ては,sFの 伝搬 方位が (Hl)漁 i内 に限定 され るため、
それ らの 会合消滅機構が消 失 して しまい,sFを 完全 に角
千消す るこ とは困蝉│と
なる I
APBと 同様 に SFの 完 全解消 をり〔Illす るためには,オ
現す る SF伝 搬 の
1隣
フ Si基 lK iで 発
4・
方向化 は[1避 しなければな らな い。 これ を言い かえると
,
接 する SFど うしの位置 川係 が鏡 漁i対 称 となるような操作 を行 えば,そ れ ら
の 会合消滅機構が発現 し,SF密 度 は SK)成 11に 伴 って 減少す る。LI己 の 要‖
1
をi両 たす 手段 として,3(:SiC成 長 に先 、
│ち ,Si(Ot11)ス t板 表I面 の
と [110]方 位 に,同 希
l度 の11合 で ,
lrl余 │を
[H01方 位
有す る 多数の 起伏 を設けることが
効 果的 であ る。本節 では,こ の ような Si(()()1)基 板 をア ンジ ュ レー シ ョン si
基 llAと 呼 ぶ .図
321に は,ア
ンジュ レー シ コン Si
吐罵
て
ttllk表
山iの 模式的 な前造
谷
、 卜ld
ア ンジュ レー ション Si 基板
図 321
H Nagasawa,K Yagi,T Kawahara,」 ournal of C″ stal
Grol″ th,
237-239,p1245,Fi9 1 (2002) (Elsevier Science B V)よ
│り
転載
23
3
バルク単結晶の製作技術
を示 した。
面 欠陥 解 消 に関 して ,ア ン ジュ レー シ ョン Si ttllAの 効 果 を最 大 限 に発揮 す
るため には ,(1)ア ン ジュ レー シ ョン Si基 板 表 面 に形 成 され る起 伏 ど う しが
連 続 して い る こ と,そ して
(2)起 伏 斜 面 の 斜 度 は ,オ
フ Si基 板 と 同様 の 2
ヽ4° 程 度 で あ る こ とが 望 ま しい 。 (1)の 理 由 は
,ア ン ジュ レー シ ョ ン Si基
板 衣 面 に 平 lu部 が あ る と,そ の 部 分 で は 極 性 面 の 配 向 方位 が 定 ま らず ,APB
が 発 41す るため で あ る。 (2)の 理 由 は ,傾 斜 角 度 が 小 さす ぎる場 合 ,SiC極
l■
面 の nd向 方位 が Si基 板 表面 の 平面 度 公 差 の 影 響 を受 け る こ と,そ して,傾
斜 角度 が 大 きす ぎる場 合 に は,成 長 表 面 の 平坦 性 が 損 な わ れ る こ と と、SFの
発生確 率 が 高 まる こ とで あ るコ。
︱
︱
︱
●●
︱
2.2
旧Ⅲ剛m円 剛田‖
低欠陥 3C― SiC製 造の具体例 ⅧⅧ剛則 剛Ⅲ‖
I
L
(1)基
板 カロエ法
こ こで は ,ア ンジ ュ レー シ ョン Si基 板 作 製 方 法 の
Si《 X)1)基
例 を示 す。 は じめ に
板 衣面 を 15″ m径 の ダ イヤ モ ン ドの ス ラ リー に 0
で押 し,%て
,[110]方 位 に往復 運動 させ る
(ス
ク ラ ッチ :程 )。 この よ うな ス
図 32.2 ア ンジュ レー ション Si基 板表 面 の AFM
2`
,
1kg/cmど の 荷 重
32
立方晶 (3C)バ ルク
「には
クラ ッチ 程 に よって ,Si衣 山
[110]方 1立 に はぼ 平行 な無 数 の 連続 した
「
傷 が 形成 され る。 そ の 後 ,ス ク ラ ッチ 程 に よって Si基 板 表 面 に 導 人 され た
「
るため
を除
結 lY:欠 陥
去す
,5時 FBU,1373Kで の 乾煤 酸 素酸 化 を実 施 し,欠 陥 を
合 ん だ 表 山iに 約 200 nn)の 厚 み を有す る酸化 膜 を形 成 す る。 そ して最 後 に,5%
の HF ttllt中 で 10分 間 の エ ッチ ン グ処 理 を施 す こ とに よ り酸 化 l莫 を完 全 に除
去 し,結 ‖ 欠 陥 を含 まな い ア ン ジ ュ レー シ ョン Si基 板 衣 」を露 出 させ る。図
32.2に は ,上 記
子 ‖l力 顕 微 鏡
1:程
を経 て 作 製 され た ア ン ジ ュ レー シ ョン Si基 板 表 面 の 原
(AFM)像
を′
Fす 。 図 か らは ,[110]方 位 に ほ ぼ 平行 な尾 根 を
有 す る連 続 した起 伏 が Si基 板 卜に形 成 され た こ とが 確 認 で きる。 また ,隣 接
す る尾根 どう しの 間隔 は 401Jヽ 700 nm,尾 根 ―谷 の 高低差 は 7ヽ 26 1ullで あ る こ
とが 分 か る.
(2)3C― SiC成 長
筆 者 らは ,ア ン ジ ュ レー シ ョン Si基 板 iへ の 高 速 3 C Sic成 長 を実 現 す る
ため , コール ドウ ォー ル型 の 減圧 気相 成 長装 置 を用 い て エ ビタキ シャ ル成 長 を
実 施 した。 以 ドは ,3C― Sic成 長 法 の 一例 で あ る。3C― SiC成 長 の 前 に ア ン ジ
ュ レー シ ョン Si ttlltの 衣 山i形 状 が サ ーマ ル ラ フエ ン グに よ り変 形 して しま う
こ と を 坊 ぐた め ,10 sccnlの CJHJお よ び loo sccnlの H!を 反 応 系 に 導 入 しつ
つ 基 板 ..度 を室 温 か ら 1623Kま で 昇 温 す る。 昇温 過 程 に お け る炭 化 に よ って
ア ンジ =Lレ ー シ ョン Si基 板 表 面 は約 10 nnlの 3 C SiC膜 で 複 わ れ る。次 い で
基 llt‖ l度 を保 ち つ つ ,50 scclnの
SiHι
C12,10 sccnlの
Cゼ
,
,
ル ,そ して 100 sccnl
の H」 を使 ‖lし て ,ア ンジ ュ レー シ ョン si基 板 上 に 3C― Sicを 成 長 す る.こ れ
ら 地 の 炭化
成 長 工 程 中 の 反応 系 内圧 力 は 13 3 Paで あ る。 上 記 成 長 条件 に
よつて,i成 され る 3 C SiCの 成 長速 度 は ,Vittilら に よって 報 告 され た 夕l ll法
の 値 (30/`In h).を
1lll lる
約 40″ m.hで あ り,5ロ キ間 の 成 長 に よ り,約 200/`nl
の
「Fみ をイ
「する 3 C SiC層 をア ンジュレーションSi
ttllK 11に
得 ることがで き
る。
25
3
バ ル ク単結 晶 の製作 技 術
3.2.3 ffifrffiAfi*
(1)モ フォロジー
図 323に はア ンジュ レー シ ョン Si基 板 上 に成長 した 3(〕
像 を示す。図か らは,Si(001)基 板
11に
SiC表 面 の AFM
成長 した 3C― SiC表 面 で 観察 されて い
るようなモザ イク状 の構造 1が 見l11さ れない こ とか ら,ア ンジュ レー ション Si
来板 を用 い ることにより APBは 完全 に解消す ることが分かる。
ア ン ジ ュ レー シ ョンSi基 板 Lに お い て も,炭 化 llVが 形成 さ′tた ll点 で は
APBは 存在 してい た と考 えられる。ただ し,sic成 長 に伴 って起伏斜 面 におけ
るわ
niの 配向 方位制御 が起 こ り,APBが 解消 される。 また,そ れぞれ の 起
│,オ フ Si
リ
t令 漁
iに お い ては,必 然的 にl■ 方向に Si由 iの ステ ップが 成長す るが
イ
`性
基 llKを サlい た場 合 とは具な り,こ こで は [110 ソ
ガ)に 成長する ステ ップ と
,
[1101方 位 にllx長 す る ステ ップが「1 の割 合で 存在 す る .し たが って,ア ン
ジュ レー シ ョン Siり !板
11に
お い ては,対 向 す る ステ ップ どう しが成 長 に伴 つ
て結 合 す る.そ の結 果 と して成 長 前 の ア ン ジ ュ レー シ ョン Si
322)よ
図
26
りも,成 長後 の 3(〕
323
SК ]衣
山i(Ⅸ
323)の
tt llx tt ni(図
方が 優 れ た鏡 山i性 を示
ア ン ジュ レー ション Si基 板上 に成長 した OC― SC表 面 の AFM像
32
立方晶 (3C)バ ルク
す よ うにな る。
(2)積
層 欠 陥の構 造
ア ンジ ュ レー シ ョン Si基 板 11に 成 長 した 3 C SiCの 断 面
に示 す。 図 324(a)は
324
を図
324
(110)断 出iの TEM lraで ぁ る が ,オ フ Si基 板 上 の 3
=,1彎9ロ
図
TEM像
ヨ
ロ
ロ
1層 ヨ
甲
ロ
竜
ア ン ジュ レ ー シ ョ ン SI基 板 上 に 成 長 した 3C― SiCの 断
面 TEM像
(a)(110)断 面
(b)(110)断 面
(a) H Nagasawa,K YagL T Kawahara,N Hatta,Mate面 as
Re‐
search Society 2002 Fa‖ Meeung P「 。c00d ngs K 1 6掲 載予定 よ り
転載
(b) H Nagasawa,T Kawahara, K Yagi, Matenals science Fo‐
rum Vols 38鮮 393 pp 320 Fig 3 (2002) (Trans Tech Pub‖ ca‐
ons)よ り転 載
“
27
3
バルク単結晶の製作技術
C― SiCと
は異 な り1「
,(111)」 に 平行 な SFと (Hl)面
視 野 内 にお い て 観 根1さ れ る. ‐
方 ,(110)断 山iの
同
に 平行 な SFの 両 方 が
TEM像
(Ⅸ
1324(b))
にお い て は ,sFは 横 長 の 台 形 の 続 状 パ ター ン と して の み 観 察 され ,(111)面
あ る い は (111)面 に 平行 な sFを 見出 す こ とが で きな い。したが っ て ,ア ンジ
ュ レー シ ョン si基 板 卜に成 長 した 3 C SiC内 に残 ‖ して い る 而 欠 陥 は ,(111)
面 また は (111)『 iに 整 合 界 山iを 配 向 させ た llA状 の sFで あ る。 この 板状 の SF
は,こ れ を ftり 四 む結 晶 格 ■に対 して [111]軸 ,ま たは [111]軸 を中心 と し
l・
て 60度 卜1転 した 領域 に相 当す る こ とか ら,本 来非 極性 で あ るべ き (001)衣 面
に極 1■ 屯iで あ る Si面 を露 出 させ て い る。
板状 の SFが 3 C SiCの
1111}面 に
'I′
行 に挿 入 され る と,そ の SF端 面 は必
然 的 に不 整 合界 面 を形 成 す る。 この よ うな不 整 合 界 面 は ,図
324(b)の
台
形 パ ター ンにお い て く1lo〉 方位 に 沿 っ た脚 と して見 出す こ とが で きる。そ し
て ,こ れ らイく
整合 界面 は ,表 面 にお け る SFの 切 片 と 3回 対称 の 等 flhな 面 で あ
る こ とか ら,si面 で 形 成 され て い るⅢ、 したが って ,ア ンジュ レー シ ョン si基
板 上 に成 長 され た 3C― siC内 に残留 して い る SFの 、
た体 構 造 を模 式 的 に 表 す と
,
図
325(a)に
示 した とお りとな る。 す な わ ち,残 留 した SFは
,整 合界面 を
(111)In,あ る い は (111)面 に配 向 させ ,Si面 か らな る不 整 介 界 籠i(El,E
2)を [101],[OH]方 位 ,あ る い は
[101〕
,[011]方
lilに
沿 わせ て い る。
(3)ア ンジュレーション Si基 板を用いた面欠陥解消機構
前述 の 議 論 か ら,ア ンジュ レー シ ョン si ttllx卜 にお け る山 欠 陥 の 解 ri機 構
は以 ドの とお りで あ る と結 論 イ
Jけ られ る。 は じめ に,3C― SiC成 長 の 初期 (炭
化 ■ 1)で 発 ′1し た AI'Bは
,オ フ si来 板 を用 い た場 合 と同様 ,ア ンジ ュ レー
シ ョン Si ttllkの 各起 伏 の 斜 山11に お け るわ
る。
APBの 解 消 と と もに,(111)疇 Tあ
ttl御
に よ っ て 解 消 され
示 され た S「 が 倒 ψ:し
る い は (111)籠 iに 平行 な SFも 自己消 滅
造 は 図 325(b)に 4ξ す よ う に,図
`
た構 造 に 相 %す る た め で あ る`.こ の 場 合 、
す る。 な ぜ な ら ば , こ れ ら の SFの
325(a)に
山iの 配「 J
`性
│‖
不 整 合界 面 は [011],[101]方 位 また は [1011, 1011]方 位 に沿 って伝播 す る
28
32
立方晶
(3C)バ ル ク
表面 方 向
[001]
と
m倒
[F"〕
E2
`
ヽ
[10
`
尾根方向
[110]
日
1ll^Jr01l
01
卜/
年十
整合界面
El,E2:不 整合界面
図 32.5 ア ンジュ レー ション Si基 板上 の 3C― SiC内 に おける積層 欠陥の立体
的構造 :(a)(11:)面 または (111)面 に平行 に伝播 する積層欠陥
(b)(111)面 または (111)面 に平行に伝播 する積層欠陥
:
H Nagasawa,T Kawahara,K Yagi,Matena!s science Forum Vols 389-393
pp 321 Fig 6(21X12) (Trans Toch Publlcations) よ
4蜃
載
`り
ため ,表 lalに おけ る SFの 切 片 は SiCの 膜厚 増 加 に伴 つて必 然 的 に縮 小 し,最
終 的 には消 滅 す る。
一 方,(lH)あ る い は (l11)面 に 平 行 な SFは ,イ く整 合 界 面 を [101],
[011]方 位 ,あ る い は [1011,[Oll]方 位 に沿 わせ て い るた め ,sicの 膜厚 増
加 に伴 って拡 大傾 向 を示 す。 しか し,そ れ らの SFど う しは常 に鏡 面 対 称 な位
置 関係 を保 って い る ため ,sic膜 厚 の 増 加 に よ って , ‐方 の SFが そ の 対 向 関
係 にあ る SFと 必 然 的 に 会 合す る。 この 際 ,ど ち らか
方 の SFが も う一 方 の
SFに よつ て伝搬 を さえ ぎられ るの で ,SF密 度 は S(〕 膜厚 の 増 加 に伴 って 減 少
傾 向 を示 す 。 この よ うな SFの 解 消 を具体 例 を用 い て 説 llIす る。 図 3.2.6は ア
ン ジ ュ レー シ ョン Si基 板 卜に成 長 した 3C― SiCの (110)へ きか い 面 を透 過 光
で 観 ‖1し た 光 学 顕 微 鏡 像 で あ る。 SFは りJる め の 斜 線 と して ljI濃 」され るが
,
(111)面 に平 行 な SF(Ll)が これ と対 向 関係 にあ る sF(I.2)に さえ ぎ られ
て,
'肖
減 して い る こ と力り)か る。
2,
3
パル ク単結晶の製作技術
図 3.26 アンジュレー ション上 に成長 した 3C― SiCの
(l:0)断 面の光学顕微鏡像
H Nagasawa,T Kawahara,K Yagi,Mate"a!s scionco
Forum Vois 389 393 pp 322 Fig 7(2002) (Trans Tech
PuЫ にations)よ り転載
本 節 で は ,ア ン ジュ レー シ ョン Si基 板 卜へ の 3 C SiCヘ テ ロエ ピ タキ シ ャ
ル成 長 に よる `パ ル ク 3 C SiC'製 造技 術 につ い て述 べ た。特 に,非 極性 で あ
る Si基 板 上 にお い て 3C― SiC極 性 面 の 配 向 方位 が 制 御 で きる こ と,そ れ と同
時 に積層 欠陥 の 自己消 滅 ,お よび 会 合消 滅機 構 が 発現 す るこ とが こ こで取 り 上
げ た技 術 の 特 長 で あ る。 た だ し,本 技 術 の 有 効 性 は Si基 板 上 の 3 CSiC成 長
のみ に限 られ る もの で は な く,面 方位 に よって 成長 速 度 に差異 を生 じさせ 得 る
限 り,他 の SiCポ リタイプや 化合物 結 晶 の 面 欠陥 解消 に も有効 な手段 にな り得
る。
〈
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4)H Nagasawa, K Yagi, and T Kawahara,
」
Cwst Gro、 vth, 287-289, 1244
(211k2)
5)K Shibahara,S Nishino,and H Matsuna:i、
30
1,Appl Phys Lott,301888 (1987)
32
立方晶
(3C)パ ル ク
6
B Virgil,F KonJit,alld M C Spencer,Appl Phys Lett.621919 (1993)
7 8
Q Wahab,
し Hutlnan, I P l■ /al■ ov,
M Mmander, and」 ―E Sundgre:1, Thl
Solid Filnls,261,317(1995)
H Nagasawa, T Kawahara, and K Yagi, Mater Sci Forurn, 389-393, 319
(21X12)
チ ョイケ 先生 (米 国 ピ ツツバ ー ク大 学 )
「先生は,ど んなきつかけで SiCを 始められたのですか ?J
「確 か 1954年 の ことだつたかな。 シ ヨックレー先 41が ね,わ れわれ学生 に
君達 は 半導体 をや るのだ った ら,Siや Ceで はな く, ダイアモ ン ド,Sで ,BN
などをや りたまえ,と おっ しゃってね,そ れて SiCを 選んだんだJ
199411,大 阪 のア ピオ大阪で 開催 された SiCの 講演会 に来 られた とき,奥
,
様 にlplつ た。
「ご主 人のご趣味 は何ですか ?J
「それがね,SiCな の。年か ら年中,SiC,SiCな の よ,暇 がある と,十 曜で
も日曜で も研究室 に向か うの」
懇 親会会場 の 大井 の 照明 は六 角形 だ つた。
「 奥様 .SiCの 結晶 は あれ と同 じ六 角形 です よね 」
「そ の よ うねJ
そ うす る と,大 角形 との お付 き合 い は,奥 様 よ りも長 く,か れ これ 5Cl年 以
上 ?そ ん なに SiCに は魅 力が ある のだろ うか。
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