注文コード No. N A 1 6 7 7 LV8104V Bi-CMOS集積回路 可変速制御用 3相ブラシレス モータプリドライバ http://onsemi.jp 概要 LV8104Vは、3相ブラシレスモータの可変速制御用に適したプリドライバICである。チャージポンプ 回路内蔵により、上下出力NchパワーFETの駆動回路を構成できる。ダイレクトPWMと同期整流によ り、高効率駆動が可能である。 機能 ・速度ディスクリ+PLL速度制御方式 ・速度ディスクリの基準信号発生用VCO回路内蔵 ・速度ロック検知出力 ・正逆転切り替え回路内蔵 ・ショートブレーキ回路内蔵 ・電流制限回路,拘束保護回路等の各種保護回路内蔵 絶対最大定格/Ta=25℃ 項目 記号 条件 定格値 unit 電源電圧 VCC max VCC=VG 42 V チャージポンプ出力電圧 VG max VG端子 42 V 出力電流 IO max1 UL,VL,WL端子 -15~15 mA IO max2 UH,VH,WH,UOUT,VOUT,WOUT端子 -15~15 mA Pd max1 IC単体 0.65 W Pd max2 基板実装 ※ 1.70 W 許容消費電力 動作周囲温度 Topr -20~+80 ℃ 保存周囲温度 Tstg -55~+150 ℃ ※ 指定基板:114.3mm×76.1mm×1.6mm,ガラスエポキシ基板 最大定格を超えるストレスは、デバイスにダメージを与える危険性があります。最大定格は、ストレス印加に対してのみであり、推奨動作条件を超えての機能 的動作に関して意図するものではありません。推奨動作条件を超えてのストレス印加は、デバイスの信頼性に影響を与える危険性があります。 Semiconductor Components Industries, LLC, 2013 August, 2013 31710 SY 20100219-S00001 No.A1677-1/19 LV8104V 許容動作範囲/Ta=25℃ 項目 記号 条件 unit 電源電圧範囲 VCC 16~28 V 5V定電圧出力電流 IREG 0~-10 mA LD端子印加電圧 VLD 0~6 V LD端子出力電流 ILD 0~5 mA FGS端子印加電圧 VFGS 0~6 V FGS端子出力電流 IFGS 0~5 mA max unit 電気的特性/Ta=25℃,VCC=24V 項目 記号 条件 電源電流1 ICC1 電源電流2 ICC2 ストップ時 出力電圧 VREG IO=-5mA 電圧変動 ΔV(REG1) 負荷変動 ΔV(REG2) min typ 6.5 8.2 mA 3 3.8 mA 5.6 6.0 V VCC=16~28V 10 50 mV IO=-5~-10mA 10 50 mV VREG-0.35 VREG-0.22 V 5V定電圧出力(VREG端子) 5.2 出力部/条件:VG=33Vを印加 出力Hレベル電圧1 VOH1 UL,VL,WL端子 IOH=-2mA 出力Lレベル電圧1 VOL1 UL,VL,WL端子 IOL=2mA 出力Hレベル電圧2 VOH2 UH,VH,WH端子 IOH=-2mA 出力Lレベル電圧2 VOL2 UH,VH,WH端子 IOL=2mA PWM周波数 VREG-0.48 0.19 0.30 0.41 V VG-0.65 VG-0.5 VG-0.35 V 0.45 0.6 0.8 V f(PWM) 16 20 24 kHz f(REF) 1.79 2.24 2.69 MHz 内部発振器 発振周波数 チャージポンプ出力(VG端子) 出力電圧 VGOUT VCC+7.9 VCC+9.0 VCC+10.0 V CP1端子 出力Hレベル電圧 VOH(CP1) ICP1=-2mA VCC-1.45 VCC-1.1 VCC-0.8 V 出力Lレベル電圧 VOL(CP1) ICP1=2mA 0.5 0.65 0.8 V チャージポンプ周波数 f(CP1) 112 140 168 kHz 入力バイアス電流 IB(HA) -2 -0.1 同相入力電圧範囲1 VICM1 同相入力電圧範囲2 VICM2 ホールアンプ ホール素子使用時 入力片側バイアス時 μA 0.3 3.5 V 0 VREG V (ホールIC応用) ホール入力感度 SIN波 50 mVp-p ヒステリシス幅 ΔVIN(HA) 5 13 24 mV 入力電圧L→H VSLH 2 7 12 mV 入力電圧H→L VSHL -12 -6 -2 mV 入力オフセット電圧 VIO(FG) -10 10 mV 入力バイアス電流 IB(FG) -1 1 μA 基準電圧 VB(FG) -5% VREG/2 5% V 出力Hレベル電圧 VOH(FG) 3.95 4.4 4.85 V FGアンプ IFGI=-0.1mA,無負荷 次ページへ続く。 No.A1677-2/19 LV8104V 前ページより続く。 項目 出力Lレベル電圧 記号 VOL(FG) FG入力感度 条件 IFGI=0.1mA,無負荷 GAIN 100倍 次段のシュミット幅 片側ヒステリシス min typ 0.75 max 1.2 unit 1.65 3 120 V mV 200 280 mV 3 kHz コンパレータ 動作周波数範囲 オープンループGAIN fFG=2kHz 45 48 dB FGS出力 出力飽和電圧 VOL(FGS) IFGS=2mA 出力リーク電流 IL(FGS) VO=6V 0.2 0.4 V 10 μA CSD発振回路 出力Hレベル電圧 VOH(CSD) 2.9 3.4 3.9 V 出力Lレベル電圧 VOL(CSD) 1.6 2.0 2.4 V 振幅 V(CSD) 1.15 1.4 1.65 Vp-p 外付けC充電電流 ICHG1 -13 -10 -7 μA 外付けC放電電流 ICHG2 7.5 10.5 13.5 μA 発振周波数 f(CSD) C=0.047μF 78 Hz 速度ディスクリ出力 出力Hレベル電圧 VOH(D) VREG-1.25 出力Lレベル電圧 VOL(D) 0.65 カウント数 VREG-1.0 VREG-0.75 0.9 V 1.15 V 0.4 V 10 μA +6.25 % 512 LD出力 出力飽和電圧 VOL(LD) ILD=2mA 出力リーク電流 IL(LD) VO=6V ロック範囲 0.2 -6.25 PLL出力 出力Hレベル電圧 VOH(P) VREG-2.0 VREG-1.7 VREG-1.4 V 出力Lレベル電圧 VOL(P) 1.3 1.6 1.9 V GDF 0.20 0.25 0.32 倍 VRF 0.225 0.25 0.27 V 電流制御回路 駆動ゲイン 電流制限動作 リミッタ電圧 積分器 入力オフセット電圧 VIO(INT) -10 10 mV 入力バイアス電流 IB(INT) -1 1 μA 基準電圧 VB(INT) -5% VREG/2 5% V 出力Hレベル電圧 VOH(INT) IINTI=-0.1mA,無負荷 3.95 4.4 4.85 V 出力Lレベル電圧 VOL(INT) IINTI=0.1mA,無負荷 0.75 1.2 1.65 V 45 48 オープンループGAIN fINT=2kHz dB VCO発振器(C端子) 発振周波数範囲 f(C) C=120pF,R=24kΩ 0.15 1.54 MHz 出力Hレベル電圧 VOH(C) FIL=2.5V 2.71 3.16 3.61 V 出力Lレベル電圧 VOL(C) FIL=2.5V 2.20 2.60 3.00 V 振幅 V(C) FIL=2.5V 0.44 0.56 0.68 Vp-p 次ページへ続く。 No.A1677-3/19 LV8104V 前ページより続く。 項目 記号 条件 min typ max unit FIL端子 出力ソース電流 IOH(FIL) -15 -11 -6 μA 出力シンク電流 IOL(FIL) 6 10 15 μA 低電圧保護回路 動作電圧 VLVSD 10.0 10.7 11.4 V ヒステリシス幅 ΔVLVSD 0.72 0.97 1.22 V 150 175 ℃ 30 ℃ 熱しゃ断動作 熱しゃ断動作温度 TSD 設計目標値 ヒステリシス幅 ΔTSD 設計目標値 CLK端子 入力周波数 fI(CLK) 3 kHz Hレベル入力電圧範囲 VIH(CLK) 2.0 VREG V Lレベル入力電圧範囲 VIL(CLK) 0 1.0 V 入力オープン電圧 VIO(CLK) VREG-0.5 VREG V ヒステリシス幅 VIS(CLK) 設計目標値 0.18 0.27 0.36 V Hレベル入力電流 IIH(CLK) VCLK=5V -22 -10 -3 μA Lレベル入力電流 IIL(CLK) VCLK=0V -133 -93 -70 μA プルアップ抵抗 RU(CLK) 45 60 75 kΩ Hレベル入力電圧範囲 VIH(S/S) 2.0 VREG V Lレベル入力電圧範囲 VIL(S/S) 0 1.0 V 入力オープン電圧 VIO(S/S) VREG-0.5 VREG V ヒステリシス幅 VIS(S/S) 0.18 0.27 0.36 V Hレベル入力電流 IIH(S/S) VS/S=5V -22 -10 -3 μA Lレベル入力電流 IIL(S/S) VS/S=0V -133 -93 -70 μA プルアップ抵抗 RU(S/S) 45 60 75 kΩ Hレベル入力電圧範囲 VIH(F/R) 2.0 VREG V Lレベル入力電圧範囲 VIL(F/R) 0 1.0 V 入力オープン電圧 VIO(F/R) VREG-0.5 VREG V ヒステリシス幅 VIS(F/R) 0.18 0.27 0.36 V Hレベル入力電流 IIH(F/R) VF/R=5V -22 -10 -3 μA Lレベル入力電流 IIL(F/R) VF/R=0V -133 -93 -70 μA プルアップ抵抗 RU(F/R) 45 60 75 kΩ Hレベル入力電圧範囲 VIH(BR) 2.0 VREG V Lレベル入力電圧範囲 VIL(BR) 0 1.0 V 入力オープン電圧 VIO(BR) VREG-0.5 VREG V ヒステリシス幅 VIS(BR) 0.18 0.27 0.36 V Hレベル入力電流 IIH(BR) VBR=5V -22 -10 -3 μA Lレベル入力電流 IIL(BR) VBR=0V -133 -93 -70 μA プルアップ抵抗 RU(BR) 45 60 75 kΩ S/S端子 F/R端子 BR端子 No.A1677-4/19 LV8104V 外形図 unit:mm (typ) 3277 15.0 0.5 5.6 7.6 23 44 22 1 0.65 0.2 0.22 0.1 (1.5) 1.7max (0.68) SANYO : SSOP44(275mil) Pd max - Ta 2.0 1.7 1.5 1.0 0.95 0.65 0.5 0.36 0 —20 0 20 40 60 80 100 RFGND IN3+ IN3- IN2+ IN2IN1+ 33 32 31 30 29 28 27 26 25 24 23 16 17 18 19 20 21 22 LD 35 34 RF 36 BR VH 37 FGS WL 38 UL WOUT 39 UOUT WH 40 VL NC 41 UH VCC 42 VOUT VG 44 43 NC CP2 CP1 ピン配置図 12 13 14 15 POUT S/S FGIN+ IN1- 11 FGOUT FGIN- 10 F/R 9 CLK 8 DOUT C 7 INTREF GND1 6 INTIN GND2 5 CSD 4 INTOUT 3 R 2 FIL 1 VREG LV8104 No.A1677-5/19 LV8104V 3相ロジック真理値表(H入力とは、IN+>IN-の状態を示す) F/R=「L」 F/R=「H」 駆動出力 IN1 IN2 IN3 IN1 IN2 IN3 上側ゲート 下側ゲート 1 H L H L H L VH UL 2 H L L L H H WH UL 3 H H L L L H WH VL 4 L H L H L H UH VL 5 L H H H L L UH WL 6 L L H H H L VH WL S/S入力 BR入力 入力 状態 入力 状態 Hまたはオープン ストップ Hまたはオープン ブレーキ L スタート L 解除 電流制御特性 0.3 0.25 GAIN = 0.25 RF – V 0.2 0.1 0 1.5 2.0 2.2 2.5 3.0 3.2 3.5 4.0 INTOUT – V No.A1677-6/19 ±5% 120pF CLK FIL C R FGIN+ FGIN- FGOUT 150pF LD FGS VREG VREG CLK VCO VCO PLL 1/512 + SPEED DISCRI SPEED PLL VREG + FGS LD FG FIL DOUT POUT DOUT POUT INT REF VREG INT IN BR F/R BR F/R CONTROL AMP RST CSD CSD OSC + INT OUT RF CURR COMP LATCH S/S RFGND S/S DRIVE LOGIC HALL FIL INT OSC 1/112 1/16 WH WOUT WL VH VOUT VL UH UOUT UL VG CP2 CP1 VREG VCC GND1 PRE DRIVER CHARGE PUMP VREG GND2 LVSD HALL HYS COMP 4700pF 4700pF 4700pF IN1+ IN1- IN2+ IN2- IN3+ IN3- 680pF 680pF 680pF 680pF 680pF 680pF + FW217 × 3 24V LV8104V ブロック図 (参考定数) No.A1677-7/19 LV8104V ホール入力と駆動出力の関係 (1)F/R=⎡L⎦ IN1 IN2 IN3 UH VH WH UL VL WL (2)F/R=「H」 IN1 IN2 IN3 UH VH WH UL VL WL No.A1677-8/19 LV8104V (3)F/R=⎡L⎦、ホール入力が(2)と逆位相の場合 IN1 IN2 IN3 UH VH WH UL VL WL (4)F/R=⎡H⎦、ホール入力が(1)と逆位相の場合 IN1 IN2 IN3 UH VH WH UL VL WL No.A1677-9/19 LV8104V 端子説明 端子 番号 1 端子名 VREG 等価回路図 端子説明 5V定電圧出力端子(5.6V)。 VCC GND間にコンデンサを接続する。 1 2 GND2 GND端子。 3 GND1 GND1とGND2はIC内部で接続されてい 4 C る。 VCO発振端子。 VREG GND間にコンデンサを接続する。 4 5 R VCO回路の充放電電流設定端子。 VREG GND間に抵抗を接続する。 5 6 FIL VCO PLL出力フィルタ端子。 VREG 6 次ページへ続く。 No.A1677-10/19 LV8104V 前ページより続く。 端子 番号 7 端子名 CSD 等価回路図 端子説明 拘束保護の動作時間を設定する端 VREG 子。 GND間にコンデンサを接続するこ と。 ロジック回路部の初期リセット端子 7 と兼用している。 8 INT 積分アンプ出力端子。 VREG OUT 8 9 INT 積分アンプ反転入力端子。 IN 10 INT REF VREG INTOUT 積分アンプ非反転入力端子。 1/2VREG電位。 GND間にコンデンサを接続する。 10 11 DOUT 速度ディスクリ出力端子。 9 VREG 加速→「H」、減速→「L」 11 次ページへ続く。 No.A1677-11/19 LV8104V 前ページより続く。 端子 番号 12 端子名 POUT 等価回路図 端子説明 速度制御系PLL出力端子。 VREG CLKとFGの位相差を出力する。 12 13 S/S スタート/ストップ制御端子。 VREG 「L」:0V~1.0V 「H」:2.0V~VREG オープン時、「H」レベルとなる。 「L」でスタート。 ヒステリシス幅 14 CLK 13 約0.27V。 外部クロック信号入力端子。 VREG 「L」:0V~1.0V 「H」:2.0V~VREG オープン時、「H」レベルとなる。 ヒステリシス幅 約0.27V。 14 f=3kHz max 15 F/R 正転/逆転制御端子。 VREG 「L」:0V~1.0V 「H」:2.0V~VREG オープン時、「H」レベルとなる。 「L」で正転。 ヒステリシス幅 約0.27V。 15 次ページへ続く。 No.A1677-12/19 LV8104V 前ページより続く。 端子 番号 16 端子名 BR 等価回路図 端子説明 ブレーキ端子(ショートブレーキ動 VREG 作)。 「L」:0V~1.0V 「H」:2.0V~VREG オープン時、「H」レベルとなる。 16 「H」またはオープンでブレーキ。 ヒステリシス幅 17 FGS 約0.27V。 FGアンプシュミット出力端子。 VREG オープンコレクタ出力。 17 18 LD 速度ロック検知出力端子。 VREG オープンコレクタ出力。 モータの回転数が速度ロック範囲内 18 (±6.25%)にある時、「L」となる。 19 FGOUT FGアンプ出力端子。 VREG IC内部でFGシュミットコンパレータ 入力と接続される。 19 20 FGIN- FGアンプ反転入力端子。 VREG 21 FGIN+ FGOUT FGアンプ非反転入力端子。 1/2VREG電位。 GND間にコンデンサを接続する。 21 20 次ページへ続く。 No.A1677-13/19 LV8104V 前ページより続く。 端子 番号 端子名 等価回路図 端子説明 22 IN1- ホール入力端子。 23 IN1+ IN+>IN-で「H」、逆は「L」とする。 24 IN2- ホール信号のノイズが問題となる場 25 IN2+ 合はIN+、IN-間にコンデンサを接続 26 IN3- する。 27 IN3+ 28 RFGND VREG 22 24 26 出力電流検出基準端子。 23 25 27 VREG 電流検出抵抗RfのGND部に接続す る。 28 29 RF 出力電流検出端子。 VREG 電流検出抵抗Rfに接続する。 最大出力電流をIOUT=0.25/Rfで設定 する。 29 30 UL 下側NチャネルパワーFETのゲート駆 33 VL 動用出力端子。 36 WL VREG 30 33 36 次ページへ続く。 No.A1677-14/19 LV8104V 前ページより続く。 端子 番号 端子名 等価回路図 端子説明 32 UH 上側NチャネルパワーFETのゲート駆 35 VH 動用出力端子。 38 WH VG 32 35 38 31 UOUT 上側NチャネルパワーFETのソース電 34 VOUT 圧検出端子。 37 WOUT 31 34 37 40 VCC 電源端子。 安定化のため、GND間にコンデンサ を接続する。 42 VG チャージポンプ出力端子。 VCC VCC間にコンデンサを接続する。 43 CP2 チャージポンプ用コンデンサ接続端 子。 CP1との間にコンデンサを接続す る。 42 44 CP1 チャージポンプ用コンデンサ接続端 43 VCC 子。 CP2との間にコンデンサを接続す る。 44 39 NC NC端子。 41 No.A1677-15/19 LV8104V LV8104Vの説明 1.速度制御回路 本ICは、速度ディスクリ回路とPLL回路の併用により速度制御を行っている。これにより、負荷変 動の大きいモータに使用した場合、速度ディスクリのみの速度制御方式に比べて回転変動を抑え ることができる。速度ディスクリ回路およびPLL回路は、FGの1周期に1回誤差信号を出力する。 FGサーボ周波数(fFG)は、CLK端子から入力するクロック信号(fCLK)と同一周波数で制御される。 fFG=fCLK 2.VCO回路 速度ディスクリ回路の基準信号を発生するため、VCO回路を内蔵している。基準信号の周波数は、 次式のようになる。 fVCO=fCLK×512 fVCO:基準信号周波数,fCLK:クロック信号周波数 R端子,C端子,FIL端子に接続する部品は、ノイズの影響を受けにくいようにできるだけ短い配線で GND1端子(3ピン)に接続すること。 3.出力駆動回路 本ICは、チャージポンプ回路を内蔵しており、上下出力NchパワーFETの駆動回路を構成できる。 上側ゲート電位はVCC+9Vとなり、下側ゲート電位はVREG(5.6V)になっている。 PWMスイッチングはUL、VL、WL出力側であるため、下側NchパワーFETのスイッチングを行う。モー タの駆動力はオンデューティを変化させることによって調整される。PWM周波数は、IC内部で決め られており、20kHz(typ)になっている。 PWMスイッチングのオフでは、上側NchパワーFETをオンとする同期整流を行うことにより、上側 NchパワーFETの発熱を低減している。同期整流動作時の上下オフ時間はIC内部で決められており、 1.7μS~3.7μSのばらつきがある。 4. 速度ロックの範囲 速度ロックの範囲は定速の±6.25%以内であり、モータの回転数がロック範囲内となると、LD端子 が「L」となる(オープンコレクタ出力)。モータの回転数がロック範囲を外れた場合、速度の誤差に 応じてPWM出力のオンデューティが変化し、モータの回転数がロック範囲内となるように制御がか かる。 5. ホール入力信号 ホール入力は、100mVp-p以上(差動)の入力振幅が望ましい。入力波形が矩形波に近い程、入力振幅 は小さくても良いが、三角波に近い程、入力振幅を大きくする必要がある。また、入力のDC電圧は、 同相入力電圧範囲内に設定すること。 ホールIC出力を入力する場合は、入力片側(+,-いずれか)をホール素子使用時の同相入力範囲内 の電圧に固定することにより、別の片側入力は0~VREGまで入力することができる。 ホール入力にノイズの影響がある場合は、入力間のできるだけピン近傍にコンデンサを付け、ノイ ズを除去すること。 ホール入力が3相ともに同入力状態となると、出力は全オフとなる。 6. 電流制限回路 電流制限回路は、I=VRF/Rf(VRF=0.25Vtyp,Rf:電流検出抵抗)で決まる電流で制限する(ピーク電流 を制限)。制限動作としては、PWM出力のオンデューティが小さくなり、電流を抑える。RFおよび RFGND端子の配線を電流検出抵抗(Rf)の両端近傍で接続することによって精度良い検出が可能であ る。 7. S/S切替え回路 S/S端子を「L」にするとスタート入力、「H」または「オープン」でストップ入力になる。ストップ入力 では、消費電流を減少させるパワーセーブ状態となる。パワーセーブ状態では大部分の回路のバイ アス電流をカットしている。パワーセーブ状態において動作する回路は、S/S切替え、5V定電圧出 力、FGアンプ及びFGS出力に限定されている。その他の回路は動作しない。上側出力Tr(UH,VH,WH 側)と下側出力Tr(UL,VL,WL側)は全相オフとなる。 No.A1677-16/19 LV8104V 8. ブレーキ回路 BR端子を「H」または「オープン」でブレーキ、「L」にするとブレーキ解除になる。ブレーキは、上側出 力Tr(UH,VH,WH側)を全相オンさせるショートブレーキとなっている。下側出力Tr(UL,VL,WL側)は 全相オフとなる。ブレーキ時には、電流制限が動作しないので注意が必要である。ブレーキ時に出 力Trに流れる電流は、モータ起電圧およびコイル抵抗で決まる電流が流れる。この電流が使用する 出力Trの定格を超えないようにする必要がある(高い回転数でのブレーキ時ほど、注意が必要であ る)。 BR端子の切替えは、S/S端子がスタート入力の時に行っても問題ない(切替え時のスルー電流に関し ては回路的に対策している)。したがって、S/S端子を「L」(スタート入力)にしておき、BR端子によ ってモータの起動/停止を制御することができる。モータの起動時間が厳しい場合は、S/S端子で起 動/停止を制御するより、BR端子で制御した方が起動時間を早くすることができる(S/S端子がスト ップ入力時はパワーセーブ状態になるため、スタート初期にVCO回路が安定するための時間が必要 となる)。 9. F/R切り替え回路 モータの回転方向の切り替えは、F/R端子で行うことができる。ただし、F/Rの切り替えをモータ回 転状態で行う場合は、次のような注意が必要である。 ・切り替え時のスルー電流に関しては、回路的に対策を行っている。ただし、切り替え時のモータ 電源電圧の持ち上がり(モータ電流が瞬時的に電源に戻るため)には、注意が必要である。問題と なる場合は、電源-GND間のコンデンサ容量を大きくすること。 ・切り替わり後のモータ電流が電流制限値以上の場合、PWM駆動側の出力はオフするが、逆側の出 力ではショートブレーキ状態となり、モータ起電圧およびコイル抵抗で決まる電流が流れる。こ の電流が使用する出力Trの定格を超えないようにする必要がある(高い回転数でのF/R切り替え時 ほど、注意が必要である)。 10. 拘束保護回路 モータ拘束時の出力Trおよびモータを保護するため、拘束保護回路を内蔵している。モータ駆動状 態(S/S端子はスタート、BR端子はブレーキ解除)で、LD出力が一定時間「H」(アンロック)であると、 下側出力Tr(UL,VL,WL側)をオフにする。この時間は、CSD端子の発振周波数を外付けのコンデンサ で調整することによって設定可能である。CSD端子にコンデンサCを接続すると、設定時間は以下の 式で計算される。 設定時間(sec)=60.8×C(μF) 0.047μFのコンデンサを接続した場合の設定時間は約2.9秒となる。 ICのばらつきにより、上式の60.8は40.8~80.8のばらつきがある。 拘束保護を解除してモータを再起動するには、次のいずれかの操作が必要である。 ・S/S端子をストップ入力(約1ms以上)にした後、再度スタート入力にする。 ・BR端子をブレーキ(約1ms以上)にした後、再度ブレーキ解除にする。 ・電源を再投入する。 クロック断線保護、過熱保護および低電圧保護の動作時については、モータ停止状態が続いても拘 束保護は動作しない。 CSD端子の発振波形は、拘束保護以外の回路の基準信号としても使用している。したがって、拘束 保護機能が必要ない場合であっても、CSD端子は発振させておくことが望ましい。 拘束保護を動作させたくない時は、CSD端子-GND間に220kΩと0.01μFを並列に接続し、CSD端子の発 振を止める。ただし、拘束保護回路だけでなく、クロック断線保護回路も動作しなくなる。さらに、 同期整流についても以下の場合は動作しなくなる。 ・S/S入力あるいはBR入力によるモータの起動時からモータ拘束状態であり、モータが回転しない 場合、電流制限回路によってPWMスイッチングが行われるが、CSD端子の発振を止めていると同期 整流は動作しない。 CSD端子は、初期リセット端子としての機能も兼用している。CSD端子の電圧が約1.25Vに充電され るまでの時間を初期リセットとしている。初期リセットでは、出力は全オフとなる。 No.A1677-17/19 LV8104V 11. クロック断線保護回路 モータ駆動状態(S/S端子はスタート、BR端子はブレーキ解除)で、CLK端子にクロックが無入力であ ると、下側出力Tr(UL,VL,WL側)をオフにする。クロックが再入力されるとクロック断線保護は解除 される。 クロックの周期が拘束保護設定時間の約1/34より長くなると、無入力であると判定してクロック断 線保護が動作する。 12. 過熱保護回路 モータ駆動状態(S/S端子はスタート、BR端子はブレーキ解除)で、接合部の温度が規定の温度(TSD) に上昇すると、下側出力Tr(UL,VL,WL側)をオフにする。ヒステリシス幅(ΔTSD)以上の温度下降に よって過熱保護は解除される。 13. 低電圧保護回路 VCCの投入時および電圧低下時の誤動作を防止するため、低電圧保護回路を内蔵している。VCCの電 圧が規定電圧(VLVSD)以下であると出力は全オフとなる。ヒステリシス幅(ΔVLVSD)以上の電圧上昇 により低電圧保護は解除される。 14. 電源安定化 本ICは出力電流が大きい応用に使用されるため、電源ラインが振られやすい。よって、VCCラインGND間には、安定化のために十分な容量のコンデンサを接続する必要がある。電源の逆接続による 破壊防止の目的で、電源ラインにダイオードを挿入する場合は、電源ラインが特に振られやすくな るため、より大きな容量を選択する必要がある。 15. GNDの引き回しについて 信号系GNDと出力系GNDは分離し、配線はコネクタ部で一点GNDとすること。出力系GNDには大電流が 流れるため、引き回しはできるだけ短くすること。 出力系GND --- RfのGND、VCCラインのコンデンサのGND 信号系GND --- ICのGND、外付け部品のGND 16. 積分アンプ 積分アンプは、速度誤差パルス及び位相誤差パルスを積分し、速度指令電圧へ変換するとともに制 御ループのゲイン及び周波数特性を設定する。 積分アンプの外付け部品は、ノイズの影響を受けにくいようにできるだけIC近傍に配置すること。 17. FGアンプ FGアンプは、通常、ノイズをリジェクトするためにフィルタアンプを構成する。FGアンプ出力には、 クランプ回路が付加されているため、増幅度を上げても約3.2Vp-pの振幅でクランプされる。 FGアンプ後には、片側ヒステリシスのシュミットコンパレータ(シュミット幅200mV typ)が接続さ れている。シュミットコンパレータの出力(FGS出力)は、FGアンプ出力がFGIN+電圧より低くなると 「H」となり、FGアンプ出力がFGIN+電圧よりシュミット幅だけ高くなると「L」になる。したがって、 FGアンプの出力振幅は、使用する最低の制御回転数で約1.0Vp-p以上となるように増幅度を設定す ることが望ましい。 FGIN+端子-GND間に接続するコンデンサは、バイアス電圧安定化のために必要となる。接続するコ ンデンサは、ノイズの影響を受けにくいようにできるだけ短い配線で、GND1端子(3ピン)に接続す ること。 FGアンプおよびFGS出力は、S/S端子をストップ入力にしている時も動作しているため、常にモータ の回転状態をFGS出力でモニターすることができる。 No.A1677-18/19 LV8104V ON Semiconductor and the ON logo are registered trademarks of Semiconductor Components Industries, LLC (SCILLC). SCILLC owns the rights to a number of patents, trademarks, copyrights, trade secrets, and other intellectual property. A listing of SCILLC’s product/patent coverage may be accessed at www.onsemi.com/site/pdf/Patent-Marking.pdf. SCILLC reserves the right to make changes without further notice to any products herein. SCILLC makes no warranty, representation or guarantee regarding the suitability of its products for any particular purpose, nor does SCILLC assume any liability arising out of the application or use of any product or circuit, and specifically disclaims any and all liability, including without limitation special, consequential or incidental damages. “Typical” parameters which may be provided in SCILLC data sheets and/or specifications can and do vary in different applications and actual performance may vary over time. All operating parameters, including “Typicals” must be validated for each customer application by customer’s technical experts. SCILLC does not convey any license under its patent rights nor the rights of others. SCILLC products are not designed, intended, or authorized for use as components in systems intended for surgical implant into the body, or other applications intended to support or sustain life, or for any other application in which the failure of the SCILLC product could create a situation where personal injury or death may occur. Should Buyer purchase or use SCILLC products for any such unintended or unauthorized application, Buyer shall indemnify and hold SCILLC and its officers, employees, subsidiaries, affiliates, and distributors harmless against all claims, costs, damages, and expenses, and reasonable attorney fees arising out of, directly or indirectly, any claim of personal injury or death associated with such unintended or unauthorized use, even if such claim alleges that SCILLC was negligent regarding the design or manufacture of the part. SCILLC is an Equal Opportunity/Affirmative Action Employer. This literature is subject to all applicable copyright laws and is not for resale in any manner. (参考訳) ON Semiconductor及びONのロゴはSemiconductor Components Industries, LLC (SCILLC)の登録商標です。SCILLCは特許、商標、著作権、トレードシークレット(営業秘密)と他の知 的所有権に対する権利を保有します。SCILLCの製品/特許の適用対象リストについては、以下のリンクからご覧いただけます。www.onsemi.com/site/pdf/Patent-Marking.pdf. SCILLCは通告なしで、本書記載の製品の変更を行うことがあります。SCILLCは、いかなる特定の目的での製品の適合性について保証しておらず、また、お客様 の製品において回路の応用や使用から生じた責任、特に、直接的、間接的、偶発的な損害に対して、いかなる責任も負うことはできません。SCILLCデータシー トや仕様書に示される可能性のある「標準的」パラメータは、アプリケーションによっては異なることもあり、実際の性能も時間の経過により変化する可能性がありま す。「標準的」パラメータを含むすべての動作パラメータは、ご使用になるアプリケーションに応じて、お客様の専門技術者において十分検証されるようお願い致しま す。SCILLCは、その特許権やその他の権利の下、いかなるライセンスも許諾しません。SCILLC製品は、人体への外科的移植を目的とするシステムへの使用、生命維持を 目的としたアプリケーション、また、SCILLC製品の不具合による死傷等の事故が起こり得るようなアプリケーションなどへの使用を意図した設計はされておらず、また、 これらを使用対象としておりません。お客様が、 このような意図されたものではない、 許可されていないアプリケーション用にSCILLC製品を購入または使用した場合 、 たとえ、SCILLCがその部品の設計または製造に関して過失があったと主張されたとしても、 そのような意図せぬ使用、 また未許可の使用に関連した死傷等から、直接 、 又は間接的に生じるすべてのクレーム、費用、損害、経費、および弁護士料などを、お客様の責任において補償をお願いいたします。また、SCILLCとその役員、従業員、 子会社、関連会社、代理店に対して、いかなる損害も与えないものとします。 SCILLCは雇用機会均等/差別撤廃雇用主です。この資料は適用されるあらゆる著作権法の対象となっており、いかなる方法によっても再販することはできません。 PS No.A1677-19/19
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