「中小企業の東南アジア進出に関する比較研究」2014年度第1回研究会 「北九州モデル」による環境配慮型の都市輸出 北九州市アジア低炭素化センター 1 Ⅰ アジア低炭素化センターの概要 2 環境分野のトップランナーとしての北九州市 世界の環境首都を目指す北九州市 公害克服の経験と環境国際協力 優れた環境技術と社会システム アジア諸都市との環境都市外交 (副生成 物) 環境モデル都市 OECDグリーンシティプログラムのモデル都市 (2008年7月) グリーンアジア 国際戦略特区 パリ、シカゴ、ストックホルムと共に! (2011年12月) 環境未来都市 (2011年12月) イヴ・レテルメ・OECD事務次長から北九州レポート を受け取る北橋健治・北九州市長 3 アジア低炭素化センター 2010年6月 アジア低炭素化センター開設 公害克服やものづくりの過程で生まれてきた環境技術や これまでの国際協力で構築してきた都市間ネットワークの活用 北九州市、日本の環境技術を集約し、 環境ビジネスの手法で、アジアの低炭素化を推進 4 センターの組織と機能 センター長 センター構成 北九州国際技術協力 協会(KITA) 小宮山宏 センター長 (前東大総長) センター長 北九州市 環境局 環境国際戦略室 地球環境戦略研究 機関(IGES) 北九州アーバンセ ンター センター機能 技術輸出 の支援 地球環境問題 の第一人者 専門人材 の育成 調査研究 情報発信 5 センターの目指すもの 新興国のニーズ:単なる技術輸出にととまらず、グリーンな都市づくり 環境都市のトップランナーとしての総合力(北九州市) 公害克服の経験 + 先進的な社会システム (北九州エコタウン等) 優れた環境技術 + アジア諸都市や企業の多様なニーズに対応 「エコシティ」や「スマートシティ」など オーダメイド方式による 都市(街)輸出 温室効果ガス削減 二国間クレジット化 アジア地域の 実証実験・人材育成 の拠点化 アジア地域の環境ビジネスの拠点 6 技術輸出の重点分野 エネルギーマネージメント 水ビジネス 下水の膜処理と海水淡水化を 組合せた水再生実証プラント 市地域節電所を核に地域のエネルギーをマネジメント 配水管網の維持管理方法 北九州の技術がプノンペンへ ウォタープラザ 環境配慮型のまちづく りが進む八幡東田地区 下水からの造水量 海水からの造水量 北九州スマートコミュニティ リサイクル・廃棄物処理 1,000m3/日 400m3/日 ( 日明浄化センター) 官民連携 環境技術と社会 システムをパッ ケージにして 廃棄物処理の最先端施設 シャフト式ガス化溶融炉 家電リサイクル 移転 無収水量率が改善 72%(1993年)→8%(2006年) クリーナー・プロダクション及び汚染防止 クリーナープロダクション(CP)導入 ・原材料、燃料使用評価及び改善 ・生産工程の改善 ・維持管理の徹底 ・人材育成等 省エネ・省資源の実現 環境負荷低減+生産性の向上 北九州エコタウン 経済効果(25事業): ・直接投資額 約600億円 ・雇用創出 約1300人 CO₂削減:年間約20万トン 自動車リサイクル 新門司工場 安全で、ごみの再資源化と熱 エネルギーの有効利用を実現 終末処理対策 (EOP) Desulfurization equipment 排煙脱硫装置 Electric dust collector 電気集塵機 Wastewater treatment 排水処理装置 Saving electricity グリーンアジア国際戦略総合特区 Casting method “Cleaner Production" アジアの活力を取り込み、アジアから世界に向けて展開し、アジアと共に成長することを目指す Companies’ countermeasures 2020年までに約5兆円の追加売上高(国の目標『50兆円超』の約1割) 7 重点国及び重点都市 日本が掲げる環境を軸とした都市インフラ輸出について、次の国及び都市を 対象に重点的に「グリーンシティ輸出」を目指す 1 インドネシア(スラバヤ市グリーンシティプロジェクト) スラバヤ市は人口300万人を抱えるインドネシア第2の都市 ・マスタープランづくりから、エネルギーや廃棄物処理、排水処理などを総合的に推進 2 インド(デリー・ムンバイ産業大動脈構想の推進) マハラシュトラ州(ムンバイ市)やグジャラート州(ダヘジ地区)はインドを代表する工業地域 ・日本の優れた環境技術の導入のみならず、環境配慮型都市づくりを期待 3 ベトナム(ハイフォン市グリーン成長計画策定支援) ハイフォン市は人口190万人のベトナムを代表する港湾都市 ・グリーン成長計画策定を通じて、世界に開かれたグリーンポートシティを目指す 4 タイ(エコ・インダストリー・タウン構想の推進) 工業省工場局(DIW)及び工業団地公社(IEAT)はラヨン県をはじめ国内10箇所を指定 ・工業団地とコミュニティの連携のもとにリサイクルや省資源・省エネを推進 5 中国(大連・天津エコタウン協力、北京環境交易所との覚書締結など) 大連市は中国を代表する環境都市 ・最先端街区を目指す東港開発やリサイクル団地と住宅地の一体化したエコシティを推進 8 北九州モデルの概要 1 北九州モデルの目的 ■アジアで初めて公害問題に直面しそれを克服し、日本で最も先進的な環境都市となった北九州市 ■公害克服から環境都市に至る、本市の技術・ノウハウを体系的に整理した「北九州モデル」(支援ツール)を作成 ■北九州市は「北九州モデル」を活用して海外都市に「パッケージ型インフラの輸出」を推進し、アジアとともに成長 2 北九州モデルの活用方法 ■将来の目指す姿を、自分たちで手順に沿って検討するための支援ツール ■廃棄物、エネルギー、上下水、環境保全に係る管理システムを検討するための支援ツール ■廃棄物、エネルギー、上下水、環境保全を統合した、持続可能なマスタープランを作成するための支援ツール -北九州モデルの体系- 北九州 ストーリー ・公害克服 ・グリーンシティ の歴史 ・北九州モデル の背景 廃棄物管理 《 テ キ ス ト 》 持続可能な まちづくり (サステイナビリティ フレームワーク) エネルギー ②戦略の策定 ③具体的施策の策定 上下水 環境保全 《 事 例 》 ①現状把握 ④施策の検証と測定 ⑤発注と資金調達 北九州の事例 9 北九州市モデルを活用した総合的な都市ソリューションの提供 (新興国等における環境配慮型都市づくりに向けて) 「環境配慮型都市づくりの経験」+「最先端の民間技術」=「総合的な都市ソリューション」 ◎北九州モデルを活用して、総合的な都市ソリューションを提供 ◎官民が連携して都市環境インフラを整備し、環境配慮型都市を実現 <北九州モデルを活用した都市ソリューションの提供> 課 題 ○廃棄物問題 ○水不足 ○エネルギー不足 ○大気汚染など 調査・計画 ○現状把握 ○ステークホルダー調整 ○マスタープラン作成 事業化検討 事業化 ○運営主体の検討 ○政府機関との協議 ○事業化検証 ○資金 の検討 ○運営主体の設立 (SPC等) ○施設建設 ○事業開始 環境配慮型都市 ○検証体制の確立 ○環境、経済、社会 面での効果を検証 <北九州モデル> 北九州市 コンサルタント/専門家 民間企業 政府機関等 (都市づくりの経験を提供) (専門的ノウハウの提供) (現地での事業実施) (政府レベルでの協力) <北九州モデルの特徴> 北九州モデルは、世界的まちづくりコンサルであるArup 社の世界標準と北九州市の経験が融合したものであり、 とりわけアジアの産業地域における低炭素化と持続可能 な都市化のための方法論である。 そのアプローチは、ゾーニング政策を前提とする欧米モ デルでは対応できないアジアに特化したものである。 工場とまちの融合した北九州市 10 都市環境インフラ輸出の展開スキーム 政府間・都市間協力のプラットフォーム形成 政府間(G to G) 対話・合意等を通じた後方支援 国家プロジェクト として認定・支援 都市間 I国 S市 (City to City) 北九州市 案件協議 企業間 現地企業 総合的支援の調整窓口の一元化 日本国 官民連携によるビジネス展開 日本企業 総合的な財政支援 (分野横断、プロセス一貫) 【グリーンシティ・マスタープラン(総合まちづくり計画)策定】 北九州モデルの活用 水 エネルギー リサイクル 環境保全 ・・・・・ 市民・企業・行政など関係者との合意形成 ・外務省 ・経済産業省 ・環境省 ・国土交通省 ・JICA ・NEDO ・JBIC 等 (の拠 補 助支点 金援整 等 備 ) の人 拡材 大交 流 都市環境インフラの拠点 民間金融機関 アジア低炭素化センター(北九州市) 社会基盤づくり 案件発掘 案件形成 ファイナンス支援 (FS、実証) 事業化 (資金調達等含む) インフラ海外展開 公的ファイナンス支援 官民ファンドによる支援 アジア諸都市や企業の多様なニーズ に対応したグリーンな都市づくりを プロデュース 11 都市環境インフラ輸出におけるキーポイント 都市環境インフラ輸出の舞台は都市 都市間連携の枠組みを活用することにより、 上流フェーズからの包括的な案件形成が可能になる プロジェクト終了後も、長期的なフォローアップができる 相手都市政府の関係部署に直接アクセスできる 管理運営面の人材育成が可能 省庁横断的な支援が可能(経産省、環境省、外務省、NEDO、JICA等) 企業間協働による環境産業の開発 現地での連携を推進するためには、 参入障壁(法規制、社会システム等)を低くするため、二国間政府の対話 を行うプラットフォームを構築 環境産業分野における企業進出や提携を支援する機能を、国の関与の もと自治体ベースで整備 12 各種プロジェクトの展開図 FS調査及び事業化 中小企業アジア環境ビジネス展開支援事業 35 ㈱豊光社:タイにおける省エネ照明の普及事業 ロシア 36 ㈱フジコー:大韓民国における光触媒抗菌タイルの普及事業 37 小倉合成工業㈱:インドネシアにおけるヒマシ油精製事業 38 ㈱セパシグマ:韓国での半導体製造廃液リサイクル事業 39 ㈱リサイクルエナジー:マレーシアにおける廃プラスチック油化事業 40 ㈱ビートルマネージメント:インドネシアにおける廃棄物中間処理事業 41 北九州環境投資㈲:上海市における重金属汚染土壌の処理資材事業 42 日本プライスマネジメント㈱:中国における食品及び水中の残留 カドミウム計測事業 アジアの37都市で、日本 企業65社と連携して58の プロジェクトを実施 ② 42 北京市 ⑯ ⑰ 27 ①⑤ ● ●大連市 天津市 ● ● ●③ ④⑭ ⑮ 38 ● 36 浦項市 陝西省(西安市) 41 中 国 ● 上海市 ダヘジ ●⑬ インド ⑨⑩ ●ムンバイ カンボジアにおける上水道整備事業 43 シェムリアップ市浄水場基本設計補完業務 44 セン・モノロム市上水道整備事業 45 カンポット市/ケップ市の水道事業計画に 係る基礎調査 46バッタンバン市/コンポンチャム市における 上水道拡張整備計画準備調査 47 シェムリアップ市の下水道整備計画等策定業務 48 シェムリアップ市の水道施設管理能力の向 上事業 49 バッタンバン市/コンポンチャム市における 上水道拡張計画 50 プノンペン市のJCM案件形成可能性調査 51カンボジア国本邦下水道研修開催支援業務 ベトナムにおける上下水道整備事業 52 ハイフォン市のブロック配水システム調査 53 ハイフォン市の下水道人材育成業務 54 ハイフォン市U-BCF整備事業 55 ベトナム国8都市でのU-BCFニーズ調査 インドネシアにおける下水道整備事業 56 スラバヤ市下水道整備計画等策定業務 57 ジャカルタ特別州下水道整備事業に係る補完調査 ミャンマーにおける上水道事業 58 マンダレー市における浄水場運転管理能力向上事業 ミャンマー 58 ● マンダレー ハノイ⑪ ●● 33 52 53 54 ハイフォン タイ ベトナム パトゥムタニ県 47 48● 55 マニラ 12 35 ● ● シェムリアップ 43 51 46 セン・モノロム 44 49 バッタンバン●●●● カンポット ●●50 プノンペン ● ケップ 45 ● ●ホーチミン メトロセブ 28 カンボジア ⑥⑦ フィリピン 25 ● サイバージャヤ ● ⑱●●プトラジャヤ マレーシア 39 マサイ 32 ⑲● ● メダン 30 ⑧イスカンダル ● バリクパパン インドネシア 22 40 56 ジャカルタ 21 23 24 34 スンバワ県ブサル 26 29 ● ● 57 スラバヤ ⑳ 37 西ヌサトゥンガラ州 31 ①~④㈱安川電機:省エネ事業 ①JETRO(2008年度:大連市)/②経産省 (2010年度:北京市)/③環境省 (2011年度: 陝西省)/④第6回日中省エネ・フォーラム協力プロジェクト(2012 年度:天津市) ⑤、⑥TOTO㈱:節水型住宅設備機器の普及事業 ⑤環境省(2011年度:大連市)/⑥経産省 (2012年度:ホーチミン、ハノイ) ⑦ TOTO:節水機器普及によるJCM大規模案件形成可能性調査事業 ・環境省(2013年度~:ホーチミン市) ⑧ TOTO:節水機器普及によるJCM大規模案件形成のための環境整備事業 ・環境省(2013年度~:スラバヤ市、イスカンダル市) ⑨~⑫日本磁力選鉱㈱:電気電子機器廃棄物リサイクル事業 ⑨経産省(2012年度:ムンバイ市)/⑩NEDO実証(2012年度:ムンバイ市)/⑪経産省 (2012年度:ハノイ、ホーチミン、ハイフォン)/⑫経産省(2013年度:マニラ、メトロセブ) ⑬日立製作所㈱等:ダヘジ・エコシティ開発の支援 ・経産省(2010年度~:インド・ダヘジ地区) ⑭㈱エコマテリアル:廃プラスチックのリサイクル事業 ・環境省 (2011年 ~:天津市) ⑮九州メタル産業㈱:廃自動車リサイクル事業 ・経産省(2012年~:天津市) ⑯北九州大連市の連携による循環型都市協力推進事業 ・経産省(2009年度~2011年度:大連市) ⑰㈱松本光春商店:古紙リサイクルシステム構築事業 ・経産省(2012年~:大連市) ⑱日本総研㈱等:マレーシアの環境配慮型都市づくり ・NEDO(2011年度:プトラジャヤ市、サイバージャヤ市) ⑲日本総研㈱等:BEMSアグリゲーション事業 ・経産省(2012年~:プトラジャヤ市) ⑳東レグループ:インドネシアBOPプロジェクト ・JICA (2011年:スンバワ県等) 21~22 新日鉄住金エンジニアリング㈱等:SIER工業団地のコジェネ&省エネ事業 21 経産省(2012年度:スラバヤ市)/ 22 経産省(2013年度:スラバヤ市) 23 ㈱西原商事:リサイクル型中間廃棄物処理施設パイロット事業 ・外務省(2012年度:スラバヤ市) 24 ㈱西原商事:廃棄物のリサイクル型中間処理・堆肥化普及事業 ・JICA(2013年11月~:スラバヤ市) 25 ㈱新菱:マレーシア等における電子産業生産プロセスのトータルリサイクル事業 ・環境省(2012年 ~:マレーシア全土) 26 ㈱新菱:電機産業バリューチェーン全体にかかるリサイクルシステム構築事業 ・環境省(2013年度~:ジャカルタ等) 27 新日鐵化学㈱:硝酸性窒素除去技術のライセンス供与 28 ㈱西原商事:レジ袋等の軟質系廃プラスチック類マテリアルリサイクル事業 ・環境省(2013年度~:フィリピン・メトロセブ地域) 29 ㈱いしかわエンジニアリング:コミュニティのための安全安心な飲料水供給事業 ・JICA(2013年度~:インドネシア・スラバヤ市) 30 シャボン玉石けん:泥炭・森林火災の消化技術普及モデル事業 ・JICA(2013年度~:インドネシア・バリクパパン市) 31 小倉合成工業:ヒマ栽培を核とした農民生計向上に関する協力事業 ・JICA(2013年度~:インドネシア・西ヌサトゥンガラ州) 32 新菱:廃棄物管理の効率化~都市ごみの資源化とパーム産業の余剰バイオマス の有効利用~ ・JICA(2013年度~:インドネシア・メダン市) 33 北九州国際技術協力協会:中小企業振興~人材育成、技術力向上、販路拡大 などの支援~ ・JICA(2013年度~:ハイフォン市) 34 IGES:低炭素都市計画策定のための技術協力・環境省(2013年度:スラバヤ市) 13 世界各国の要人も北九州市を訪問 北九州市での取組みが国際的にも注目されている 習近平/中国国家主席 アミターブ・カント/インドDMIC開発公社CEO (2010年2月) (2009年12月) 「まちづくりの視点からの開 発が重要であり、北九州市 のエコタウンなど社会シス テムと環境技術が結び付い た開発を進めたい」 アーコム/タイ国家経済社会開発委員会長官 (2013年10月) 「北九州市は環境保護と先進的技術の発 展において豊富な経験を有している。これ は中国の現実に当てはめながら、お手本 として真剣に学ぶに値するものである。」 人民日報(2009年12月17日付) 「公害問題を早くから克服 し、環境ビジネスの発展に 力を入れている北九州市 に学びたい」 The Daily NNA(2013年10月25日付) 写真提供:㈱エヌ・エヌ・エー 14 Ⅱ 都市間連携によるグリーンシティ輸出 15 スラバヤ市における廃棄物管理事業の展開 廃棄物発生量の30%以上の削減を達成 人口300万人を抱えるインドネシア第2の都市で あるスラバヤ市を対象とする廃棄物管理事業を 2004年から開始。スラバヤ市内で発生する廃棄 物総量の半分以上を占める生ゴミのコンポスト化 を積極的に推進し、現在では、2万世帯以上の家 庭にコンポスト容器が普及すると同時にごみの分 別も進み、年間で30%以上の生活ごみが減量化 されている。 16 スラバヤ市との協力関係の構築 戦略的環境パートナーシップ 共同声明に署名 2011年3月 環境姉妹都市 (Green Sister City)を締結 2012年11月 17 グリーンシティ輸出 排水処理(下水道整備) 廃棄物処理 オープンダンピングからリサイクル型中間処理へ 簡易処理から現地の実態に合った下水道整備へ コジェネレーション&省エネ 効率的なエネルギーマネジメントシステムの導入 CO2削減の定量化手法調査 グリーンシティ輸出 スラバヤ市で行う各種事業に ついて、CO2削減量の定量化 スラバヤ工業団地 北九州スマートコミュニティ事業の輸出 水道水の浄化 飲用水供給事業 水道水(飲料は不可)を浄化できる給水機を コミュニティに設置し、安心安全な水を提供 北九州市 太陽光発電と浄水装置により飲用水を安価に供給 都市間連携 スラバヤ市 18 スラバヤ工業団地コジェネ&省エネ事業 北九州スマートコミュニティ創造事業の海外輸出第1号を目指す。 新日鐵住金エンジニアリング㈱、富士電機株㈱等 スラバヤ工業団地(SIER)に対し、次のエネルギー供給・省エネサービスを実施予定。 ・品質が高く高効率な電力及び熱を供給する熱電併給事業(コ・ジェネレーション事業) ・工業団地内の各工場へ熱電併給システムと省エネシステムを組み合わせたエネルギーマネジメントサービスの提供 ・工業団地を核として排水や廃棄物の高度処理サービスの展開 蒸気需要予測(平均20ton/h)及び事業採算性を踏まえ、70MW 級のコジェネレーションシステムを想定 投資規模85億円(JICAのPPP事業を活用予定) 北九州市 スラバヤ市との調整 都市設計支援 人材育成支援 等 ガ現 ス地 会天 社然 ガス スラバヤ市 (SIER運営会社他) 戦略的環境パートナーシップ構築 現地運営会社(SPC) 電力 現地電力 会社 (バックアップ) 電力 ●コジェネプラント等の設計・施工 (電力) ●コジェネプラント等の運営維持管理 工業団地 ●運営維持管理のための原料調達、 蒸気 熱電供給サービス提供 (SIER等) ●省エネサービス 等 省エネサービス スラバヤ市において成功モデルをつくり、同様の 課題(電力の供給不足、低品質な電力)を抱える アジア地域への普及拡大を図る。 (国営工業団地SIER) インドネシア政府50%、東ジャワ州25%、 スラバヤ市25%の出資による運営会社 ㈱SIERが設置。約300haの工業団地で 約300社が立地 (北九州スマートコミュニティ創造事業) 19 タイのSPP(Small Power Producer)型ビジネスをインドネシアで実現 タイ 背 景 ・ 現 状 • 国内の天然ガス資源の枯渇リスク • 限りある天然ガス資源を効率的に利用するため の施策が必要 インドネシア • 国内の貴重な天然ガス資源を効率的に使用す る必要性 • 電源開発にかかる民間参加の促進の必要性 • SPP( Small Power Producer)制度を導入 ア プ ロ ー チ 結 果 20 設備容量が10MW~90MWの小規模発電事業 者(SPP:Small Power Producer)が、再生可能 エネルギー、もしくはコージェネレーションによっ て発電した電力の購入について、電力公社 EGATに義務付けるプログラム SPPとして承認を受けた事業者は、90MWまで EGATによる長期間の電力の買い取りが保証さ れ、余剰電力と蒸気を需要家に販売する形で、 熱電併給事業の実施が可能 • EGATによる電力買い取り保証が安定的な収益 源となることから、熱電併給事業を行いやすい 事業環境が整備され、日系企業を含む多くの企 業が市場に参入 タイと同様のビジネス環境をインドネシアに 作れないか? (PLNとのSPPと同等の契約) ↓ オフテイカーとなるPLN、監督官庁の MEMR等との交渉が必要 • 熱電併給の事業環境が整うことを期待 20 スラバヤ市でのリサイクル型廃棄物中間処理事業 市中で回収された一般ごみを集め、有価物・有機物を分類と加工する廃棄物中間処理施設 (SUPERDEPO)を建設して、リサイクルとごみの減量化を推進 ㈱西原商事 スラバヤ市内で発生するごみは、最終処分場で オープンダンピングされ、その処分量は 1200t/日。 リサイクル型廃棄物中間処理施設を導入した場 合、最終処分場に持ち込まれる廃棄物のうち75% が削減可能。 すでにパイロット事業に着手。劣悪な労働環境で 廃棄物からプラスチックや金属等の有価物を回収し て生計を立てているウェストピッカーと協働で実施。 パイロット事業段階 日量15t規模 事業化第1段階 日量100t規模 事業化第2段階 市内全量 SUPERDEPO(第1ステップ) コンポストセンター(第2ステップ) コンポストセンター(日量100t)設置 「最終残さ25%」と「リサイクルできないプラスチック」から、代 替燃料を製造し、セメント工場などで石炭などの代わりに使用 することも検討。 生産されたコンポストを使用し、試験 的に作物を生産(トラワス村:400㎡)21 失敗から学ぶ社会基盤づくり(廃棄物分野)の重要性 1 スラバヤ市の失敗 スラバヤ市においては、かつてごみの不法投棄でまちの汚染が進むとともに、回収したごみは市内に1か所ある処 分場にオープンダンピングされ、廃棄物処理が課題であった。1991年にフランスのCGC社からストーカー・バッチ炉 (33.6t×6基)を導入したが、水分の多量に含まれた生ごみが多く、ディーゼル等の補助燃料を必要とし、コストが嵩む ほか、うまく焼却できずに黒煙や臭いが発生して周辺住民の反対にあって ほとんど使われず廃炉になっている。現在、CGC社とスラバヤ市は係争中。 2 北九州市の取り組みと経験 (1)生ゴミのコンポスト化事業(社会基盤づくり) 2004年度から北九州市の協力により、スラバヤ市内で発生する廃棄物 総量の半分以上を占める生ゴミのコンポスト化を積極的に推進した。その 結果、家庭用コンポストが約28万個普及し、廃棄物発生量30%以上の削減 を達成。同事業による住民のリサイクル意識の向上に加え、生ごみから作ったコンポストを利用した公園や街路の緑 化、コンポストセンターにおける雇用の創出、コミュニティの衛生状況や景観の改善など、様々な効果が得られている。 (2)リサイクル型の廃棄物中間処理事業 コンポスト事業だけでは限界もあり、現在は、ODAを活用した中小企業の海外展開支援事業に採択(2012年10月)さ れた市内企業の西原商事は、有価物が残されたまま運ばれている廃棄物を衛生的に管理された選別工場に運び、最 終処分場及び中継所のウェストピッカーとの協力のもと、効率よく資源廃棄物の選別を行うことで、リサイクルの推進 及び最終処分場の延命化を図ることを目指している。 (3)焼却処理施設の導入検討 こうした中間処理から出てくる残渣は、焼却処理しやすい状態になっており、焼却炉のスペックも下げることができ、 コストも低く抑えることが可能である。そこで、次のステップとして、中間処理から出てくる残渣について焼却処理する ための施設を建設して、焼却灰のみを最終処分場に持っていき、処分場のさらなる延命化を図るとともに、焼却の際 の熱を活用して発電を行うことも検討している。 22 スラバヤ市における飲料水供給事業 日本ブランドの安全・安心な飲料水を安価に提供 ㈱いしかわエンジニアリング 現地の水道水は一般的に飲用に適さないため、 多くの住民は安全な飲用水を得るために水道水を 煮沸するか、市販のパッケージ水等を購入。しか し、水道水煮沸では安全性を確保できず、また、 パッケージ水購入費用は家計を圧迫している。 飲料水供給システムのビジネスモデル 商品 (1)レフィル水(持ち運び用飲料水) 安価で、高品質かつおいしい飲料水 現地水道水を処理した日本ブランドの飲料水 (2)日本の浄水技術による飲料水供給装置 顧客ターゲット (1)レフィル水を購入しているスラバヤ市民 (2)工場、事務所、学校など 販売方法 レフィル水は地域コミュニティ(女性の会)が 組織する生協 (150か所)を通じて販売する メリット ○健康リスクの削減 ○雇用創出 ○飲料水に対する浪費の削減 環境姉妹都市 北九州市 スラバヤ市 生協局 地域生活協同組合 (女性の会) 工場 事務所 学校 ㈱いしかわエンジニアリング インドネシア現地法人 消費者 23 節水機器普及によるJCM大規模案件形成のための環境整備事業 節水を通じたCO₂削減に関するMRV(方法論)のアジア標準構築を目指す TOTO㈱ 水の利用とエネルギーの関係 大連市、ホーチミン市の調査を踏まえ、インドネシア・スラ バヤ市、マレーシア・イスカンダル開発区で、水使用行動モ デル等の調査を行い、節水機器(便器及びシャワー)導入 によるCO2削減効果を検証 <事業内容> アジア方法論構築(スラバヤ、イスカンダル) 節水クレジット基準構築 ミニマムインフラ新技術体系実現可能性調査 エアインシャワー 超節水便器 <実施体制> NTTデータ経営研究所 調査協力 TOTO アジア節水会議 北九州市 ベトナム省エネルギーセンター 下水処理場 下水を処理する エネルギーを消費 電気 電気 ポンプ 水の供給に エネルギーを消費. 電気 浄水場 浄水及び水供給に エネルギーを消費 節水機器の普及により、上流から下流までの水使用量を減らし、エネルギー(排出CO2)を削減 そ の 他 分 野 交 通 分 野 エネルギー分野 廃 棄 物 分 野 上下水分野 今後の展開 節水を切り口とした 低炭素化都市制度 設計支援 都市を丸ごと低炭素化 アジアの新興国で グリーンシティを実現 インドネシア・スラバヤ市 マレーシア・イスカンダル開発区 ベトナム・ホーチミン市 Etc.. 24 スラバヤ市における下水道整備事業 生活排水対策による河川の水質汚濁の改善 オリジナル設計㈱、北九州市上下水道局 下水道整備計画等策定業務 JICA草の根技術協力事業 人口約300万人を有するインドネシア第2の都市であるスラバヤ市 分散型排水処理施設整備事業 ○スラバヤ市の実績に適合した効率的な下水道整備手法 ○下水道事業を適切に運営するために必要な事項 ○下水道事業を円滑に進めるための市民啓発の方法 ○日本企業の参画や技術の活用 など JICA草の根技術協力事業(2011~2013年度)を活 用し、分散型排水処理施設整備事業として、 ・ジャンバンガン地区の小規模浄化施設 ・テンギリス地区の河川浄化施設 ・パビアン地区の魚市場排水処理施設 のマスタープランを作成中である。 下水道整備計画(2030年) スラバヤ市の課題 ①下水道が未整備で、生活排水は腐敗槽(セプティクタン ク)からの簡易処理放流または未処理のまま直接放流。 ②河川や水路にゴミなど廃棄物が不法投棄されている。 ③工場排水の流入が影響している。 ④市域は全体に平坦地であるため、通常一般水路ではほ とんど流下せず滞留による汚濁化が生じやすい。 ⑤河川の勾配が小さく流速が得られにくいため、底泥堆 積が生じやすい。 Biotop e PUMP PUMP ジャンバンガン地区の小規模浄化施設 25 スラバヤ市における低炭素都市計画策定事業 スラバヤ市で実施中の廃棄物、排水処理、上下水道などの各種プロジェクトによるCO₂排出削 減効果等を調査し、推奨施策を提言することを通して同市の低炭素都市づくりを支援 IGES北九州アーバンセンター、㈱松尾設計、㈱NTTデータ経営研究所、㈱アルメックVPI等 SIER工業団地へのコジェネ導入 38,000 t-CO2/年 建築物の省エネ 10,000 t-CO2/年 インドネシア側 カウンターパート 日本側プロジェクトチーム CO2 削減効果見込み: 年間 129,000 t-CO2 高速道路灯のLED化 630 t-CO2/年 公共交通への低公害車導入 26,000 t-CO2/年 廃棄物運搬車両への低公害車導入と運行管理改善 3,000 t-CO2/年 環境姉妹都市締結 (20012 年 11 月) 北九州市 スラバヤ市 各種協力事業の実施 本事業代表者 本事業の全体調整 IGES 北九州アジア 低炭素化センター エネルギー分野 (株)NTT データ経営研究所 スラバヤ市職員の 研修受入れ 分散型電源調査 光社、(株)筑紫環境保全センター コジェネ横展開 高速道路灯の LED 化 一般廃棄物の分別・リサイクル・生ごみ堆肥化 21,000 t-CO2/年 焼却発電 8,000 t-CO2/年 産業廃棄物の燃料化(セメントキルンの燃料代替) 12,000 t-CO2/年 浄水場(2ヶ所)・中継ポンプ場(12ヶ所)の省エネ 3,200~4,200 t-CO2/年 上水の漏水削減 3,800~7,700 t-CO2/年 SIER工業団地の汚水処理施設とケプティ汚泥処理場の省エネ 58 t-CO2/年 協力:日本エヌ・ユー・エス(株) 交通分野 (株)アルメック VPI 廃棄物分野 協力局 (Cooperation Div.) 建築物等省エネ、 (株)NTT ファシリティーズ、(株)豊 協力:富士電機(株)、新日鐵住 金エンジニアリング(株) 開発計画局(BAPPEKO) 省エネ 公共交通、廃棄物運 搬車両の運行管理 改善、低公害車化 IGES ごみ分別、リサイク ル、生ごみ堆肥化 協力:(株)西原商事、 (株)NTT データ経営研究所 焼却発電の検討 日立造船(株) 現地企業、市役所、大学、病 院、ショッピングモール、デ ータセンター等 PT SIER(工業団地運営会社) 、 企業、国営電力公社(PLN) 国営高速道路開発運営事業者 交通局、タクシー会社、事業 組合、廃棄物・公園管理局 廃棄物・公園管理局(DKP) 、 環境局(BLH) エネルギー鉱物資源省、公共 事業省、環境省 産廃の燃料化 アミタ(株) 水資源分野 (株)松尾設計、北九州市、 北九州市上下水道局 現地企業、セメント会社 浄水場、汚泥・汚水 処理場の省エネ 水供給公社(PDAM) 、ケプティ 分散型生活排水 処理の検討 協力:(株)TOTO 汚泥処理施設、PT SIER(工業 団地運営会社) コミュニティー、ホテル等 節水機器の導入 26 Ⅲ 上流からの下流までの総合的アプローチ 27 グリーンシティ・マスタープランづくり <第4ステップ> 企業の海外ビジネス展開 <第3ステップ> グリーンシティ・ マスタープラン 作成 <第2ステップ> 分野別案件形成 グリーンシティ・マスタープランに関与した 企業群⇒海外へビジネス展開! 【スラバヤ市(インドネシア)】 *JICA、外務省の資金を活用したソーシャルマスタープラン作成を働きかけ 【廃棄物管理】 西原商事、アミタ、日立造船㈱、NTTデータ経営研究所 【エネルギー】 豊光社、富士電機、新日鐵住金エンジニアリング、NTTデータ経営研究所、 NTTファシリティーズ 【水管理】 松尾設計、TOTO、北九州市上下水道局 【交通分野】 アルメックVPI 【ハイフォン市(ベトナム)】 *平成26年4月 姉妹都市協定締結 *北九州市海外水ビジネス推進協議会会員企業がU-BCF整備事業を受注 *平成26年度 環境省JCM事業「ハイフォン市グリーン成長計画支援事業」実施 【タイ国】 <第1ステップ> 基礎調査 *本市とタイ国工業省がMOU締結 *市長とタイ国家経済社会開発委員会長官が会談⇒タイ国との対話開始 *平成26年度「タイ・ラヨン県エコ・インダストリアル・タウン構想推進支援事 業」調査実施(市費) 【その他アジアの産業都市】 プラン策定 の手法 事業形成 の手法 基礎調査 の手法 基礎調査 の手法 グ リ ー ン シ テ ィ ・ マ ス タ ー プ ラ ン 作 成 支 援 = 北 九 州 モ デ ル の 活 用 28 グリーンシティ・マスタープラン策定 ソーシャル・マスタープラン策定 ハード中心の都市計画ではなく、まちづくりを支える人材の育成などのソフトを盛り込んだ総合的なまちづくり計画 まちづくの統一コンセプトの構築=グリーン&ローカーボン 分野 分野別 マスター プラン 廃棄物・ リサイクル 新規計画策定 上水 下水・排水処理 エネルギー 環境保全 新規計画策定 Wastewater Master Plan (既存計画レビュー) Sustainable Urban Energy Program (既存計画レビュー) 新規計画策定 交通対策 都市内立体交差事業調査 /都市鉄道建設計画調査 (既存計画レビュー) スラバヤ広域都市圏地域開発計画調査/Surabaya Vision Plan 2005-2025 短期、中期、長期の時間軸に沿った施策の検討 課題 ・1200tの廃棄物が 毎日最終処分場へ オープンダンピング ・非衛生的処理 パイロット ・リサイクル型中間処 プロジェクト 理施設の普及による の企画・ 最終処分量の大幅な 実行支援 削減 ・配水管が老朽化 ・飲料水として不適 ・下水道普及率ゼロ ・簡易処理又は未処 理の放流により河川 の汚染が進む ・水道水を浄化して、 ・生協の飲料水売上げ 生協(婦人会)を通 の一部を基金として、 じて安心・安全な飲 浄化槽の設置促進 料水を販売 ・電力が不安定及び 低品質 ・付加価値の高い産 業の誘致が困難 ・省エネが不十分 ・車両増加による大気 汚染が進む ・生活排水による河川 の汚染が著しい ・交通渋滞が著しい ・道路が狭い ・公共交通機関が未 整備 ・工業団地のコジェネ レーション導入 ・各工場へインバータ 導入 ・都市モノレール等の 整備検討 ・浄化槽の設置促進 ・土地高度利用による 道路拡張 ・都市モノレール等の 整備検討 ステークホルダーの参画/市民力・行政力・技術力の向上 北九州モデルの活用 JICA(経済基盤開発部)の支援のもと、2014年秋開始予定 29 グリーンシティのショールーム化 環境姉妹都市の活動により スラバヤ市におけるグリーンシティのショールーム化を目指す 1 グリーン&ローカーボンシティのモデル構築 既存の「Surabaya Vision Plan 2005-2025」(都市開発計画)や各分野別マスタープランを 活かしつつ、グリーンとローカーボンの視点から総合まちづくり計画を作成し、インドネシ アにおけるグリーン&ローカーボンシティのモデルを構築する。このモデルをインドネシア の各都市に普及させることで、2020年に26%のCO₂削減するというインドネシアの目標 達成にも貢献する。 2 計画から実行までの包括的支援 これまでの開発調査ではマスタープラン策定で終わり、その実行は各都市の自主性に 任されていたが、本事業はまちづくりの統一コンセプトの構築からパイロットプロジェクト の企画・実行支援、そのための人材育成まで包括的に実施することで、スラバヤ市のや る気を引き出し、マスタープランをより実現性の高いものとする。 3 官民連携(PPP)による行政コストの削減 各プロジェクトの実行にあたっては、これまでのように行政が全て経費負担するのでは なく、官民連携(PPP)により民間企業の参入を促進することで、より少ない行政コストで 目的の達成が可能となる。そのためには、民間企業の参入障壁となっている制度・規制 の改革を併せて推進する。 30 ベトナム国 のGreen Growth Strategy 1.観点と目的 ・グリーン成長は持続可能な経済発展にとって最も重要な方向性。 ・温室効果ガスの削減及び吸収能力の向上は、社会経済の発展に不可欠で重要な指標。 2.戦略的タスク 戦略的タスク ○温室効果ガス削減 ○クリーンエネルギー促進 2011~2020年 2030年まで 2050年まで ○温室効果ガスを8~10%削減 (2010年比) など ○温室効果ガスを年間1.5~2%削 減 など ○温室効果ガスを年間1.5~ 2%削減 ○環境配慮型生産 - ○先端技術、環境配慮型技術の金 額がGDPの42~45% など - ○環境配慮型生活様式 ○持続可能な消費促進 - ○基準に合った排水の集約・処理を 行うGradeⅢ都市60% など - 3.17の解決策 ① ④ ⑥ ⑦ ⑩ ⑫ ⑭ ⑯ コミュニケーション、意識向上 ② 有効かつ効率的なエネルギー利用 ③ 燃料構成の見直し 再生可能なエネルギー資源の開発 ⑤ 有機農業を通じた温室効果ガスの削減 生産分野のマスタープラン見直しと環境配慮型生産分野の条件整備 天然資源の有効活用 ⑧ 環境配慮型経済分野の開発促進 ⑨ 重要かつ持続可能な社会基盤の整備 クリーナープロダクションの技術革新と適用範囲の拡大 ⑪ 持続可能な都市化 環境と生活様式が調和した新しい田園モデルの開発 ⑬ 持続可能な消費と環境配慮型生活様式の確立 Green Growth Strategy の実施に必要な資金調達 ⑮ 人材育成・開発 情報と経済的・技術的基準を統合するシステムの研究 ⑰ 国際協力 4.実施計画 2011~2020年 ○意識向上、人材育成・開発 ○政策メカニズム開発、管理組織の確立 ○情報システム、管理ツール、基準の開発 ○重要なプロジェクトの特定(省、市レベル でのGreen Growth プラン作成など) 2021~2030年 ○モニタリングと評価に基づく、制度、方針、規 模の改善 ○パイロット規模、マスタープラン等の拡大 ○人材育成・開発の拡大 ○環境評価と環境報告の実施 など 2031~2050年 ○2030年までの実施結果、社会 経済状況、国際情勢を踏まえた、 目標、タスクを決定 31 ハイフォン市でのGreen Growth Action Plan策定支援 (1)現状把握 その他分野 主要分野 【検討項目】 廃棄物 エネルギー 交通 カットバ島 上水・下水 雨水排水 環境保全 グリーン 成長 • 適正な処 理・処分・ 資源化が なされて いない。 • 非効率な エネル ギー利用 の是正が 必要。 • 交通渋滞 による大 気汚染・ 騒音が問 題である。 • 動植物の 乱獲と環 境問題 • 実態把握 の不足 • 整備が遅 れている。 公衆衛生 の保全が 急務 • 満潮大雨 時の浸水 • 海面上昇 へ対応が 必要 • 水質汚 濁・大気 汚染・騒 音が深刻 である。 • 従来型か ら環境産 業への転 換が進ま ない 〈関連事項のチェック〉 既存マスター プラン 将来予測 法規制の 確認 市場構造の 把握 既存産業の 状況 各分野の課題抽出 ビジョン、分野別目標、数値目標、評価指標の設定 (2)戦略策定 主要分野 (3)具体的 施策 〈分野別の施策検討(例)〉 北九州モデル (ステークホルダー参画) 持続可能なまちづく りのノウハウ・海外 での実績 GGSとの整合を図る 北九州市 H25年度インフラ ビジネス展開に 係る案件調査 その他分野 廃棄物 エネルギー 交通 カットバ島 上水・下水 雨水排水 環境保全 グリーン 成長 • ごみ焼却 施設、中 間処理場 の整備。 • 省エネ法 に基づく 省エネ計 画作成運 用支援 • バス等公 共交通を 中心とし たまちづく り • 生態系モ ニタリング • 環境保全 対策 • 北九州方 式浄水施 設整備、 処理場の 整備 • 海面上昇 等気候変 動を考慮 した雨水 排水対策 • 水質保全 対策、工 場への排 ガス装置 設置 • 環境配慮 型産業誘 致のため のインフラ 整備 JCM大規模案件 形成可能性調査 事業の活用 GHG削減・環境等改善効果の検討、概算事業費の産出 (4)戦略・施策 の検証方法 施策の実現可能性・妥当性の検証、施策運用後の効果等検証方法の検討 (5)発注/資金 調達方法 事業実施リスク、資金調達、発注方法、事業実施スケジュールの検討 (6) 計画 とりまとめ GGSアクションプランの策定に資する低炭素都市計画 都市間連携事業 2014年4月 姉妹都市締結 予定 32 エコ・インダストリアル・タウン構想の支援 日本及びタイ政府間の合意のもと、都市間連携の枠組みを活用して、タイの工業省工場局 (DIW)及び工業団地公社(IEAT)の進めるエコ・インダストリアル・タウン構想を支援する。 タ イ 日 本 経済産業省 環境省 等 工業省工場局(DIW) 工業団地公社(IEAT) タイ工業省工場局と北九州市 との覚書締結 ラヨン県 対象工業団地(例) ・Map Ta Phut Industrial Estate(IEAT) 重化学工業を中心に1988年に開設された工業 団地で、日本の海外経済協力基金(OECF)より 巨額の円借款を受けた。立地もよく、マープター プット港やウタプオ国際空港などが近くにある。 ・IRPC Eco Industrial Zone(DIW) タイ国最大のエネルギー企業PTT社傘下の石 油精製・石油化学事業会社アイアールピーシー 社(IRPC Public Company Limited)が保有する東 南アジア最大の石油化学コンプレックス。 北九州市 (アジア低炭素化センター) ・北九州モデル 公害克服から環境先進都市に至るノウハウ・ 経験・技術を体系的に整理した支援ツール ・北九州エコタウン 日本を代表する最大規模の資源循環拠点。約 30のリサイクル事業が展開されている。 ・北九州スマートコミュニティ 工場のコジェネレーションを核として、工場と住 宅を結びつけるエネルギーの地産地消を実現。 33 エコ・インダストリアル・タウン構想の推進 工業団地と周辺コミュニティとの連携を考慮した 環境配慮型工業団地の整備を推進 工業団地のエコタウン化 電気・熱 廃棄物・下水 入居工場間の資源・ エネルギーの融通 ユーティリティ設備 の一元的な運営 電気・熱 廃棄物・下水 工業団地のスマート化 工場(工業団地)があるからまちが良くなる ・ゼロ・エミッション(ノー・ランドフィル) ・クリーナープロダクション 34 成長する北九州モデル (フィードバック) 北九州モデル (適用) (フィードバック) (フィードバック) インドネシア・スラバヤ市 スラバヤモデル (適用) ベトナム・ハイフォン市 ハイフォンモデル (適用) タイ・エコインダストリータウン エコインダストリータウンモデル アジアの国々と共に発展 アジアの グリーン成長 モデル 35 アジアの諸都市とWIN-WINの関係を構築 グリーンシティ輸出で アジアの低炭素化に貢献 36
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