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英語版 April 2011 に対応
QIAamp® UCP PurePathogen Blood
プロトコールとトラブルシューティング
全血からバクテリア、真菌、ウイルス、遊離核酸の
同時精製
目次
ページ
プロトコール
EDTA 処理した新鮮血 3 ∼ 8 ml からの遊離核酸および
ウイルス核酸を含む病原体核酸の精製
2
凍結・融解した EDTA 処理全血 3 ∼ 8 ml からの病原体 DNA の精製
6
トラブルシューティング
9
Sample & Assay Technologies
プロトコール:EDTA 処理した新鮮血 3 ∼ 8 ml からの
遊離核酸およびウイルス核酸を含む病原体核酸の精製
本プロトコールは、最高 8 ml の EDTA 処理した新鮮血からバクテリア、真菌、ウイ
ルス、遊離核酸の精製ならびにヒト DNA の除去を同時に行ないます。
実験開始前の準備事項
■■ サンプルを室温(15 ∼ 25℃)に戻します。
■■ QIAvac 24 Plus のセットアップに関しては英語版 Handbook 17 ∼ 20 ページ
を参照してください。
■■ ステップ 15 で 50 ml の遠心チューブを加熱するために、ウォーターバスまた
はヒートブロックを 60℃に加熱しておきます。
■■
ステップ 23 で 2 ml のコレクションチューブを加熱するために、ヒートブロック
を 56℃に加熱します。
■■ Buffer APR、Buffer APB1、Buffer APW1、Buffer APW2 を英語版 Handbook 14
ページの説明に従って調製したことを確認してください。
操作手順
1.
15 ml 遠心チューブ(別途準備)に 3 ∼ 8 ml の新鮮血を入れる。蓋を閉めて
5,000 x g で 10 分間遠心操作する。
このステップにより血液および微生物細胞から血漿を分離します。新鮮血では
およそ 50%の細胞画分と 50%の血漿画分に分かれます。
2.
蓋を開けて上層の血漿を 50 ml の無菌遠心チューブ(別途準備)に静かに移す。
血漿はステップ 11 の操作のために保存する。
注:血漿層を移す際に、白血球細胞層を崩さないでください。
3.
ステップ 1 で残っている細胞画分にほぼ等量の Buffer APL1 を添加し、ボルテッ
クスおよびピペッティングを 30 秒間行ない、ペレットを再懸濁する。
例えば 4 ml の残留細胞画分に 4 ml の Buffer APL1 を添加します(ステップ 1 で
使用した全血液量ではありません)
。
Buffer APL1 はヒト血液細胞を特異的に溶解しますが、微生物細胞は溶解しま
せん。
4.
チューブの蓋を閉め、細胞画分とバッファーのミックスを室温(15 ∼ 25℃)で
10 分間インキュベートする。
5.
細胞画分・バッファーのミックスを 5,000 x g で 10 分間遠心操作する。
2
QIAamp UCP PurePathogen Blood プロトコールとトラブルシューティング 04/2011
6.
上清を慎重に取り除き、微生物細胞ペレットを保存する。
注:上清を除去する際にチューブを強く振らないでください。少量の液体
(約 300 ∼ 500 µl)が残っても調製法に影響しません。強く振ったりデカント
すると微生物細胞をロスする原因になります。病原体の力価が低いために微生
物ペレットはほとんどの場合、目で確認はできません。チューブの底にペレッ
トが観察されない場合でも操作を続けてください。
注:ステップ 6a ∼ 6d はバックグランドのヒト DNA をさらに減らすための
オプション操作です。
6a. 500 µl の RNase フリー水を上記のチューブに入れ、ピペッティングにより微生
物細胞を再懸濁し、全容量を新しい遠心用チューブ(1.5 ml)に移す。
6b. 遠心用チューブ(1.5 ml)をマイクロ遠心機で 14,000 x g、5 分間遠心操作し、
上清を棄てる。
6c. 500 µl の RNase フリー水をチューブに入れ、ピペッティングにより微生物細胞
を再懸濁する。
6d. 250 µl の Buffer APR を添加し、ステップ 8 に進む。
7.
250 µl の Buffer APR を遠心用チューブに入れ、ピペッティングにより微生物
細胞を再懸濁する。
8.
細胞画分とバッファーのミックス(500 ∼ 800 µl)を新しい Pathogen Lysis
Tube L に移し、蓋を固く閉める。
9.
ステップ 9a あるいは 9b に従って Pathogen Lysis Tube L をボルテックスする。
9a. Pathogen Lysis Tube L を Microtube Foam Insert にセットし、最高スピードで
10 分間ボルテックスする。
9b. Pathogen Lysis Tube L を TissueLyser LT にセットして 50 Hz で 10 分間破砕する、
あるいは、FastPrep-24 instrument を使用し、6.5 m/s の速度で 2 x 45s を 5 分
間のインターバルで行なう。
10. ボルテックス終了後 Pathogen Lysis Tube L を取り出し、室温(15 ∼ 25℃)で
3 分間インキュベートして、チューブ中の気泡が消えるのを待つ。
遠心操作は行なわないでください。
11. Pathogen Lysis Tube L の上清を慎重にステップ 2 の血漿画分が入ったチューブ
に移す。血漿画分にガラスビーズが入らないように気をつける。
このステップは機械的に溶解した微生物細胞を遊離核酸やウイルスと一緒に
します。
12. 500 µl の RNase フリー水を Pathogen Lysis Tube L に添加してガラスビーズを
洗浄する。蓋を閉じる。ボルテックスして 500 µl の上清をステップ 11 の血漿
ミックスに添加する。Pathogen Lysis Tube L を捨てる。
QIAamp UCP PurePathogen Blood プロトコールとトラブルシューティング 04/2011
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13. 500 µl の Proteinase K をチューブに入れ、蓋を閉め、パルスボルテックスで
10 秒間混和する。
14. 4 ml の Buffer APL2 をチューブに入れ、蓋を閉めてパルスボルテックスで 10 秒
間混和する。
15. 60℃で 15 分間インキュベートする。
16. チューブをスピンダウンし、蓋の内側に付着した溶液を回収する。
17. 16 ml の Buffer APB1 をライセートに入れ、蓋を閉め、パルスボルテックスで
15 ∼ 30 秒間混和する。
18. ステップ 17 のライセートを QIAamp UCP Mini Column の Tube Extender にアプ
ライする。真空ポンプのスイッチを入れる。すべてのライセートがカラムから
完全に流出した後、真空ポンプのスイッチを切り、吸引力を 0 mbar にする。
19. 600 µl の Buffer APW1 を QIAamp UCP Mini Column に添加する。Tube Extender
を慎重に取り外し、廃棄する。真空ポンプのスイッチを入れる。すべての Buffer
APW1 が QIAamp UCP Mini Column から流出した後、真空ポンプのスイッチを
切り、吸引力を 0 mbar にする。
クロスコンタミを回避するために、Tube Extender を取り除く際に隣接する
QIAamp UCP Mini Column の上を通らないように注意します。
20. 750 µl の Buffer APW2 を QIAamp UCP Mini Column に添加する。カラムの蓋を
開 け た ま ま で 真 空 ポ ン プ の ス イ ッ チ を 入 れ る。 す べ て の Buffer APW2 が
QIAamp UCP Mini Column から流出した後、真空ポンプのスイッチを切り、吸
引力を 0 mbar にする。
21. 750 µl のエタノール(96 ∼ 100%)を QIAamp UCP Mini Column に添加する。
カラムの蓋を開けたままで真空ポンプのスイッチを入れる。すべてのエタノー
ルがスピンカラムから流出した後、真空ポンプのスイッチを切り、吸引力を
0 mbar にする。
22. QIAamp UCP Mini Column の蓋を閉め、吸引マニホールドから取り外し、VacConnector は 捨 て る。QIAamp UCP Mini Column を 新 し い 2 ml コ レ ク シ ョ ン
チューブに移し、最高速度(20,000 x g;14,000 rpm)で 3 分間遠心操作する。
23. QIAamp UCP Mini Column を新しい 2 ml コレクションチューブにセットし、
蓋を開き、56℃で 3 分間インキュベートしてメンブレンを完全に乾燥する。
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QIAamp UCP PurePathogen Blood プロトコールとトラブルシューティング 04/2011
24. QIAamp UCP Mini Column を新しい 1.5 ml 溶出用チューブに移し、コレクショ
ンチューブは捨てる。150 µl の Buffer AVE を QIAamp Mini メンブレンの中央に
慎重にアプライする。蓋を閉め、室温(15 ∼ 25℃)で 3 分間インキュベート
する。
重要:溶出用バッファーを室温に戻したことを確認します。溶出用バッファー
の量は、ダウンストリームのアプリケーションでの必要量に応じて調節可能で
す。回収される溶出液量は、カラムにアプライした溶出用バッファー量よりも
5 µl(最高)少なくなります。少量(100 µl 未満)で溶出を行なう場合は、溶
出用バッファーを必ずメンブレンの中央にアプライし、カラムに結合した
DNA が完全に溶出されるようにします。溶出液が少ないとダウンストリーム
の反応が阻害されることがあります。ダウンストリームの反応に最適な溶出液
の量と溶出用バッファー量の割合を決め、溶出用バッファー量を適宜調節し
ます。
25. 最高速度(20,000 x g;14,000 rpm)で 1 分間遠心操作し、DNA を溶出する。
QIAamp UCP PurePathogen Blood プロトコールとトラブルシューティング 04/2011
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プロトコール:凍結・融解した EDTA 処理全血 3 ∼ 8 ml
からの病原体 DNA の精製
本プロトコールは、最高 8 ml の解凍した EDTA 処理全血からバクテリアと真菌の
核酸精製ならびにヒト DNA の除去を同時に行ないます。
実験開始前の準備事項
■■ サンプルを室温(15 ∼ 25℃)に戻します。
■■ QIAvac 24 Plus のセットアップに関しては英語版 Handbook 17 ∼ 20 ページ
を参照してください。
■■ ステップ 15 で 15 ml の遠心チューブを加熱するために、ウォーターバスまた
はヒートブロックを 60℃に加熱しておきます。
■■
ステップ 23 で 2 ml のコレクションチューブを加熱するために、ヒートブロック
を 56℃に加熱します。
■■ Buffer APR、Buffer APB1、Buffer APW1、Buffer APW2 を英語版 Handbook 14
ページの説明に従って調製したことを確認してください。
操作手順
1.
解凍した 3 ∼ 8 ml の全血を 15 ml 遠心チューブ(別途準備)に入れる。蓋を
閉めて 5,000 x g で 10 分間遠心操作する。
2.
蓋を開けて上清をピペットで慎重に除去し、約 500 µl の細胞画分をチューブの
底に残す。
3.
4 ml の Buffer APL1 をステップ 2 の残りの細胞画分に入れ、パルスボルテックス
で 30 秒間混和する。
Buffer APL1 はヒト血液細胞を特異的に溶解しますが、微生物細胞は溶解しま
せん。場合によっては沈殿物が生じ、これらがボルテックス後に溶解しないこ
とがありますが、記載通りに操作を続けてください。
4.
細胞画分とバッファーのミックスを室温(15 ∼ 25℃)で 10 分間インキュベー
トする。
5.
蓋を閉め、細胞画分・バッファーのミックスを 5,000 x g で 10 分間遠心操作
する。
6.
上清を慎重に取り除き、微生物細胞ペレットを保存する。
注:上清を除去する際にチューブを強く振らないでください。少量の液体(約
300 ∼ 500 µl)が残っても調製法に影響しません。強く振ったりデカントす
ると微生物細胞がロスする原因になります。病原体の力価が低いために微生物
ペレットはほとんどの場合、目で確認はできません。チューブの底にペレット
が観察されない場合でも操作を続けてください。
注:ステップ 6a ∼ 6d はバックグランドのヒト DNA をさらに減らすための
オプション操作です。
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QIAamp UCP PurePathogen Blood プロトコールとトラブルシューティング 04/2011
6a. 500 µl の RNase フリー水を上記のチューブに入れ、ピペッティングにより
微生物細胞を再懸濁し、全容量を新しい遠心用チューブ(1.5 ml)に移す。
6b. 遠心用チューブ(1.5 ml)をマイクロ遠心機で 14,000 x g、5 分間遠心操作し、
上清を棄てる。
6c. 500 µl の RNase フリー水を入れ、ピペッティングにより微生物細胞を再懸濁
する。
6d. 250 µl の Buffer APR を添加し、ステップ 8 に進む。
7.
250 µl の Buffer APR を遠心用チューブに入れ、ピペッティングにより微生物
細胞を再懸濁する。
8.
細胞画分とバッファーのミックス(約 500 ∼ 800 µl)を新しい Pathogen Lysis
Tube L に移し、蓋を固く閉める。
9.
ステップ 9a あるいは 9b に従って Pathogen Lysis Tube L をボルテックスする。
9a. Pathogen Lysis Tube L を Microtube foam insert にセットし、最高スピードで
10 分間ボルテックスする。
9b. Pathogen Lysis Tube L を TissueLyser LT にセットして 50 Hz で 10 分間破砕する、
あるいは、FastPrep-24 instrument を使用し、6.5 m/s の速度で 2 x 45s を 5 分
間のインターバルで行なう。
10. ボルテックス終了後 Pathogen Lysis Tube L を取り出し、室温(15 ∼ 25℃)で
3 分間インキュベートして、チューブ中の気泡が消えるのを待つ。
遠心操作は行なわないでください。
11. Pathogen Lysis Tube L の上清を慎重に新しい 15 ml チューブに移す。チューブ
にガラスビーズが入らないように気をつける。
12. 500 µl の RNase フリー水を Pathogen Lysis Tube L に添加してガラスビーズを
洗浄する。蓋を閉じる。ボルテックスして蓋を開け、ステップ 11 のチューブ
に 500 µl の上清を移す。Pathogen Lysis Tube L を捨てる。
13. 100 µl の Proteinase K を上記の 15 ml チューブに入れ、蓋を閉めてパルスボル
テックスで 10 秒間混和する。
14. 800 µl の Buffer APL2 を添加後、蓋を閉めてパルスボルテックスで 10 秒間
混和する。
15. 60℃で 15 分間インキュベートする。
16. チューブをスピンダウンし、蓋の内側に付着した溶液を回収する。
17. 3.2 ml の Buffer APB1 をライセートに入れ、蓋を閉め、パルスボルテックスで
15 ∼ 30 秒間混和する。
18. ステップ 17 のライセートを QIAamp UCP Mini Column の Tube Extender にアプ
ライする。真空ポンプのスイッチを入れる。すべてのライセートがカラムから
完全に流出した後、真空ポンプのスイッチを切り、吸引力を 0 mbar にする。
QIAamp UCP PurePathogen Blood プロトコールとトラブルシューティング 04/2011
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19. 600 µl の Buffer APW1 を QIAamp UCP Mini Column に添加する。Tube Extender
を慎重に取り外し、廃棄する。真空ポンプのスイッチを入れる。すべての Buffer
APW1 が QIAamp UCP Mini Column から流出した後、真空ポンプのスイッチを
切り、吸引力を 0 mbar にする。
注:クロスコンタミを回避するために、Tube Extender を取り除く際に隣接する
QIAamp UCP Mini Column の上を通らないように注意します。
20. 750 µl の Buffer APW2 を QIAamp UCP Mini Column に添加する。カラムの蓋を
開 け た ま ま で 真 空 ポ ン プ の ス イ ッ チ を 入 れ る。 す べ て の Buffer APW2 が
QIAamp UCP Mini Column から流出した後、真空ポンプのスイッチを切り、吸
引力を 0 mbar にする。
21. 750 µl のエタノール(96 ∼ 100%)を QIAamp UCP Mini Column に添加する。
カラムの蓋を開けたままで真空ポンプのスイッチを入れる。すべてのエタノー
ルがスピンカラムから流出した後、真空ポンプのスイッチを切り、吸引力を
0 mbar にする。
22. QIAamp UCP Mini Column の蓋を閉め、吸引マニホールドから取り外し、VacConnector を捨てる。QIAamp UCP Mini Column を新しい 2 ml コレクション
チューブに移し、最高速度(20,000 x g;14,000 rpm)で 3 分間遠心操作する。
23. QIAamp UCP Mini Column を新しい 2 ml コレクションチューブにセットし、
蓋を開き、56℃で 3 分間インキュベートしてメンブレンを完全に乾燥する。
24. QIAamp UCP Mini Column を新しい 1.5 ml 溶出用チューブに移し、コレクショ
ンチューブは捨てる。150 µl の Buffer AVE を QIAamp Mini メンブレンの中央に
慎重にアプライする。蓋を閉め、室温(15 ∼ 25℃)で 3 分間インキュベート
する。
重要:溶出用バッファーを室温に戻したことを確認します。溶出用バッファー
の量はダウンストリームのアプリケーションでの必要量に応じて調節可能で
す。回収される溶出液量は、カラムにアプライした溶出用バッファー量よりも
5 µl(最高)少なくなります。少量(100 µl 未満)で溶出を行なう場合は、溶
出用バッファーを必ずメンブレンの中央にアプライし、カラムに結合した
DNA が完全に溶出されるようにします。溶出液が少ないとダウンストリーム
の反応が阻害されることがあります。ダウンストリームの反応に最適な溶出液
の量と溶出用バッファー量の割合を決め、溶出用バッファー量を適宜調節し
ます。
25. 最高速度(20,000 x g;14,000 rpm)で 1 分間遠心操作し、DNA を溶出する。
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QIAamp UCP PurePathogen Blood プロトコールとトラブルシューティング 04/2011
トラブルシューティング
コメント
溶出液中の病原体 DNA が少ないか皆無
a) 採血管に EDTA 以外の
抗凝固剤が入っている
EDTA 以外の抗凝固剤では血液中の DNA が急速に分
解する。新しいサンプルで精製操作を再度行なう。
b) 病原体細胞が上清と
一緒に廃棄されてし
まった
病原体細胞が、ヒト DNA の入った上清と一緒に廃棄
されてしまった。病原体細胞を廃棄しないように気
をつける。
c) 病原体の機械的な
溶解が不完全
Pathogen Lysis Tube L を Vortex-Genie の Microtube
foam insert を用いて 10 分間ボルテックスするか、
TissueLyser LT にセットして 50 Hz で 10 分間破砕する
か、または FastPrep-24 instrument を使用し、6.5 m/s
の速度で 2 x 45s を 5 分間のインターバルで行なった
ことを確認する。
d) 96 ∼ 100%ではなく
低濃度のエタノールを
使用
新しいサンプルと 96 ∼ 100%エタノールで精製操
作を繰り返す。メタノールやメチルエチルケトンの
ような物質を含んだ変性アルコールは使用しない。
e) Buffer APB1 が正しく
調製されていない
Buffer APB1 濃縮液を正確な量のイソプロパノールで
希釈したことを確認(エタノールを使用しない、英
語版 Handbook 14 ページ参照)
。
f) Buffer APW1 あるいは
Buffer APW2 の調製が
不正確
オリジナルの Buffer APW1 および Buffer APW2 濃縮
液をエタノ−ルで正確に希釈したか確認する(英語
版 Handbook 14 ページ参照)
。新しいサンプルで精
製操作を再度行なう。
g) Buffer APW1 あるいは
Buffer APW2 を 70%
エタノールで調製
オリジナルの Buffer APW1 および Buffer APW2 濃縮
液を 96 ∼ 100%エタノ−ルで正確に希釈したか確
認する(英語版 Handbook 14 ページ参照)
。新しい
サンプルで精製操作を再度行なう。
h) QIAamp UCP Mini
Column を室温
(15 ∼ 25℃)で
3 分間インキュベート
しなかった
Buffer AVE を添加後、QIAamp UCP Mini Column を室
温で 3 分間インキュベートする。
QIAamp UCP PurePathogen Blood プロトコールとトラブルシューティング 04/2011
9
コメント
ヒト DNA のバックグランドが高い
a) 採血後、血漿調製まで
サンプルを長時間放置
した
血液細胞が分解しゲノム DNA が血漿中に遊離するの
で、ターゲットとしている病原体核酸が希釈される。
解凍血液用のプロトコールを使用する。
b) 白血球の溶解が不完全
Buffer APL1 を用いた白血球の溶解後にヒト DNA を
廃棄する。室温で 10 分間インキュベーションした後、
上清を廃棄したことを確認する。
溶出した核酸を用いたダウンストリーム実験で良い結果がでない
a) 溶出液中に DNA が
少ないか皆無
“溶出液中の病原体 DNA が少ないか皆無”の項で溶
出液中に DNA が少ないか皆無の原因を調べる。可能
なら、反応液に添加する溶出液量を増やす。
b) 使用した溶出液量が
適切でない
ダウンストリームの反応に適した溶出液の最大量を
決める。それに応じて増幅反応液に添加する溶出液
量を調節する。溶出用バッファー量を比例して調節
する。
c) バッファー類を完全に
混和していない
洗浄用 Buffer APW2 の塩分およびエタノール成分が、
次の実験まで長期間放置されたために分離した。各
調製前に、いつもバッファーを完全に混和する。
d) ヒト DNA の
バックグランドが
高い
溶 出 液 中 の ヒ ト DNA 量 が 多 い と PCR を 阻 害 す る
可能性がある。
“ヒト DNA のバックグランドが高い”
を参照にして原因究明する。可能なら、反応液に添
加する溶出液量を減らす。
e) Buffer APW1 と
Buffer APW2 の順番を
間違えて使用
Buffer APW1 と Buffer APW2 をプロトコールの順序
に従って使用したか確認。新しいサンプルで再度精
製を行なう。
f) ダウンストリームの
反応の感度が低下
ダウンストリームの反応にテンプレートとして添加
する溶出液の量を調節する。
g) 溶出溶液中に
エタノールが残留
それぞれのプロトコールに記載されている乾燥ス
テップを行なう。
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QIAamp UCP PurePathogen Blood プロトコールとトラブルシューティング 04/2011
コメント
一般的な操作
a) 吸引力が 800 ∼
900 mbar に達して
いない
吸引マニホールドをしっかり閉じていない。QIAvac
システムのプラグを用いて QIAvac 24 Plus の出口を
閉じるかあるいは VacValves を閉じる。真空ポンプ
で吸引し、–800 ∼ –900 mbar で吸引が可能なこと
を確認する。QIAvac システムの操作の前に毎日これ
を行なう。
QIAvac 蓋のガスケットが劣化している。吸引マニ
ホールドのシールをチェックし、必要なら交換する。
VacValves が劣化している。VacValve をすべて取り外
し、VacConnector を直接 luer extension に挿入する。
QIAamp UCP Mini Column を VacConnector に挿入し、
カラムの蓋を閉じ、真空ポンプのスイッチを入れる。
吸引力が十分であるかチェックする。必要ならポン
プと吸引マニホールドの間の連結部を交換する。
上記全てをチェック後、吸引力が十分でない場合は、
強力な真空ポンプと交換する。
オプションで QIAvac Connecting System を使用する
際は説明書に従って装置を組み立てる。
b) タンパク質分解が
不完全
Proteinase K が長時間・高温度に曝される場合、活性
が低下することがある。新しいサンプルと新しく調
製した Proteinase K を用いて操作を繰り返す。
QIAamp UCP PurePathogen Blood プロトコールとトラブルシューティング 04/2011
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コメント
c) QIAamp UCP Mini
Column が目詰まり
VacValve(使用している場合)を閉じて、Tube Extender
の ラ イ セ ー ト が 漏 れ な い よ う に Tube Extender、
QIAamp UCP Mini Column、VacConnector、VacValve
を QIAvac 24 Plus マニホールドから取り外す。Tube
Extender に残っているサンプルライセートを新しい
50 ml チューブに慎重に移す。装置(上記参照)から
QIAamp UCP Mini Column を取り外し、2 ml のコレ
クションチューブにセットし、1 分間あるいはサンプ
ルが完全にメンブレンを完全に通過するまで最高速
度で遠心操作する。
QIAamp UCP Mini Column、Tube Extender、VacConnector およびオプションの VacValve をもう一度組み
立てる。残りのサンプルライセートを Tube Extender
に移し、吸引ポンプのスイッチを入れ、VacValve を
開き、残りのライセートを QIAamp UCP Mini Spin
Column に通過させる。
QIAamp UCP Mini Spin Column の目詰まりが続く場
合、上の操作を繰り返す。
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QIAamp UCP PurePathogen Blood プロトコールとトラブルシューティング 04/2011
Memo
QIAamp UCP PurePathogen Blood プロトコールとトラブルシューティング 04/2011
13
Memo
14
QIAamp UCP PurePathogen Blood プロトコールとトラブルシューティング 04/2011
Trademarks: QIAGEN®, QIAamp® (QIAGEN Group).
本文に記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。
記載の QIAGEN 製品は研究用です。疾病の診断、治療または予防の目的には使用することはできません。
© 2010–2011 QIAGEN, all rights reserved.
www.qiagen.co.jp
株式会社 キアゲン ■ 〒 104-0054 ■ 東京都中央区勝どき 3-13-1 ■ Forefront Tower II
Tel:03-6890-7300 ■ Fax:03-5547-0818 ■ E-mail:[email protected]
2301889 06/2011
Sample & Assay Technologies