福岡市ヨットハーバー検討委員会 提言書 より魅力ある施設へ生まれ変わるために ~多くの市民に親しまれる多機能なマリーナへ~ 平成25年4月 福岡市ヨットハーバー検討委員会 目次 はじめに 1 1. 検討委員会スケジュール 1 2. 方針と方策 2 方針 2 方策 3 3. 参考資料 はじめに 福岡市ヨットハーバーは,昭和49年に開催された高校総体を機に,海洋性スポーツの振興と海洋思想 の普及を目的とし,能古島,糸島半島に囲まれ,国内でも有数のセーリング条件を備えた西区小戸に,昭 和50年7月,市の管理運営する施設として開設された施設です。 施設の運営主体も,市の直営から,昭和51年の財団による管理を経て,平成18年4月より指定管理者に よる管理運営に移行しながら,運営の効率化を図ると同時に,当初の設置目的である海洋性スポーツの 振興と海洋思想の普及に努めてきました。 しかしながら,近年の経済状況の著しい変化や,海洋スポーツの多様化のため,施設利用者の減による 使用料収入の減少や,開設より30年を経過した施設の老朽化等による維持管理経費の増加等で,年々, 財政収支が悪化している現状をふまえ,市内部において運営方法等の改善について検討を進めていたと ころ,平成22年9月に実施された「福岡市事業仕分け」においても,「民間運営が適当」との評価がなされま した。 これを契機に,管理運営方法等の改善と,より魅力のある新しいヨットハーバーのあり方について,海洋 スポーツの普及・振興や,ウォーターフロント・企業経営の関係者等,外部委員を中心に組織した検討委員 会が,平成24年11月に設置され,ヨットハーバーの将来像について,意見を出し合い,協議を重ねてきまし た。 当委員会では,博多港のプレジャーボート対策と並行して,民間活力の導入を含めた効率的な管理運営 方法の検討や,施設運営の健全化を図るための収支改善策の検討,老朽化に対応した施設再整備の方 向性などについて検討を行い,検討結果を取りまとめましたので,ここに提言いたします。 1 検討委員会スケジュール ○委員会 ・・・ 第1回 11月 8日 第2回 1月28日 第3回 3月27日 項目 【検討委員会】 全3回 24年 10月 ○部会 ・・・ 第1回 第2回 11月 第 1 回 【提言】 12月 ○現状把握と課題の整理 ①これまでの検討経過の報告 ②現状把握と解決課題の抽出 ③他都市のマリーナ施設紹介 第 1 回 【部会】 全2回 【利用者アンケート調査】 全1回 ・ヨットハーバー検討の方向性 (民営化)に関する意見聴取 12月 6日 2月21日 ①利用者アンケート調査の 報告 ②意見交換会 ※利用者意見ヒアリング ○アンケート ・・・ 11月20日発送(12月6日〆切) 25年 1月 第 2 回 2月 3月 ○課題解決に向けた方向性の検討 ※実施方法・実施条件(費用等) ・導入効果について ①第1回委員会以降の活動経過等 の報告 ②施設老朽化対策についての検討 ③収支改善策の検討 ④収支計画案の検討 ⑤管理運営手法の検討 第 2 回 25年 4月 ○とりまとめ 第 ①第2回部会の報告 3 ②ヨットハーバーの管理運 回 営の方向性について ①報告事項 ・安全対策の検討 ・前回委員会における 確認事項 ・収支計画の再検討 ②管理運営手法の検討 アンケート 実施 提言 2 方針と方策 方針 方針1 ヨットハーバーの将来像 多くの市民に親しまれる多機能な「マリーナ」へ 今まで果たしてきた,「船舶保管・海洋スポーツの普及振興」という役割に加え,規制緩和を実施したう えで,隣接する小戸公園と一体的な活用,また,ヨット以外の新しい海洋スポーツやその他レクリエー ション機能を導入し,周辺環境を活かした,施設全体の魅力度の向上を目指す。 方針2 施設の管理運営 「一括貸付」又は「貸付・売却併用方式」により民間事業者が管理 ※民営化公募時に方式を決定 施設の管理運営については,「一括貸付方式」又は「貸付・売却併用方式」により,民間事業者に委ね る。 また,福岡市ヨットハーバー条例を廃止し,公の施設(行政財産)から普通財産へ切り替える。 方針3 海洋スポーツの普及振興 今までの機能+新しいスポーツレクリエーションを一体的に推進 海洋スポーツの普及振興については,今までの機能を残し,かつ他の新しいスポーツレクリエーションと 一体的に推進する。 方針4 収支改善 モーターボート導入・自由な収益事業の展開により新たな収入源を確保 収支改善策としては,博多湾のプレジャーボートの放置艇対策も兼ねて,モーターボートの導入を核とした 新規顧客を確保する。また,可能な限りの規制緩和を行い,民間事業者による経営自由度の高い収益 事業を展開させ,新たな収入と,多様な市民利用を増やしていく。 方策 方策1 民営化移行に向けた準備事業 利害関係者との協議・調整など,一定の時間をかけて準備事業を実施 円滑に民営化移行を実現し,また,移行後も,安定した基盤のもとで管理運営を行わせるため,一定の時 間をかけて,利害関係者との協議・調整や,施設整備等,民営化移行の準備事業を実施していく。 方策2 一定の施設整備 老朽化対策・増収策を実現するため,一定の範囲の施設整備を実施 施設整備の方向性としては,老朽化対策,また,モーターボート導入,船舶の大型化に対応する浮桟橋 のレイアウト変更等の増収策のために,一部リニューアルを含む,一定の範囲の施設整備を段階的に 実施する。 方策3 放置艇の受け皿としての位置づけ 福岡県等の関係機関と連携し,放置艇等の適正保管施設として 位置づける 博多湾・漁港・河川等の放置艇対策として,ヨットハーバーを放置艇等の適正保管施設として位置づ け,関係機関と連携し,またプレジャーボート保持者との協議・調整を実施する。
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