週刊ゴールド - のサンワード貿易株式会社

週刊ゴールド
金の投資判断に必要な情報がここに凝縮されていま
す。
毎週月夕方発行
NY金横ばいから下落中
発行日
: 2016/10/17
先週末10月14日のNY金12月限は▲2.1ドル安の1255.5ドル。米小売売上高の増加やドル高加速で値を消したあ
と、米インフレ沈静で反発したが、ドル高・株高の加速や米年内利上げ観測、原油の急反落で反落した。時間外取引
を1260.3~1251.9ドルのレンジで推移し、前日比5.4ドル安の1252.2ドルとなった。12月限は、高寄りした
が、ドル高や米株価指数先物の上昇が圧迫、原油上昇で下げ渋ったが、ドル高・株高の加速で前日安値(1254.7ド
ル)を下回った。12月の米利上げ確率は低下したものの65%を維持、株価上昇で逃避買いが解消された。
立会時間は、米小売売上高の増加を受けて米利上げ観測が強まったことやドル高加速が圧迫、時間外取引の安値を下
回って1246.9ドル(10.7ドル安:0.9%)まで値を消した。米国のインフレが落ち着いたことから時間外取引の高
値を上回り、1260.7ドル(3.1ドル高か:0.2%)まで反発したが、ドル高・株高の加速や原油の急反落でマイナス
サイドに転落した。週初の反発も尻すぼみとなり、来週は下値を探る展開となりそう。
引け後に米商品先物取引委員会(CFTC)が発表した10月11日現在の建玉明細によると、大口投機家の金の先物建
玉は19万5219枚の買い越しで、前週の24万5508枚の買い越しから縮小した。銀の先物建玉は6万2893枚の買い
越しで、前週の7万5803枚の買い越しから縮小した。
今日の材料
・9月の中国PPIは前年比0.1%上昇、予想は0.3%低下。2012年1月以来
初めて上昇。CPIは1.9%上昇、予想の1.6%上昇を上回る。
・中国上海総合指数は前日比2.46高(0.08%)の3063.80。
・8月の英建設部門生産は前月比1.5%減、予想外のマイナス。
・8月のユーロ圏貿易黒字は184億ユーロに拡大、予想の153億ユーロを上回る。
・9月の米小売売上高は前月比0.6%増加、予想と一致。自動車を除く売上高は前月
比0.5%増加、予想と一致。
・9月の米生産者物価指数(PPI)は前月比0.3%上昇、予想の0.2%上昇を上
回る。コア指数は0.2%上昇、予想の0.1%上昇を上回る。
・10月の米消費者信頼感指数は87.9に低下、予想の91.9を下回る。
・大口投機家の金の先物建玉は19万5219枚の買い越しに縮小。
・大口投機家の銀の先物建玉は6万2893枚の買い越しに縮小。
ドルインデックス上昇中
先週は過去7ヵ月で最もドル高
になった週だった
15年12月16日
FOMCによる利上げ
昨年のドルインデックスの動きと今年の動き
昨年と今年のドルインデックスの動きは良く似て
いる。このままいけば、12月の利上げまでドル高
利上げ
?
昨年と今年のNY金価格の動き
昨年のNY金の動き(紫色:上グラフは価格、下グラフは各年初を100とした指数)を見ると、昨年は総じて12月
に向けて金価格は下落している。今年もドルインデックスが同じような動きをしていることから、金価格も12月の利
上げまで下落基調が続く可能性が高いと思われる。
昨年と今年の日経平均
株価の動き
15年12月16日
FOMCによる利上
げ
昨年の12月の米国の利上げの影響を受けてドル安円高となり、日経平均株価は下落した。東京金価格は同じく円高
の影響を受けてNY金価格程は上昇しなかったが、それでも株安は金高を産んだ。
TOPICs
UBS銀行は来年1350ドルになると
★
★
★
★
FRBは急いで利上げをする理由はない。
また利上げがあれば、金は代替投資としてみなおされるだろう。
金は経済にスロレスがかかっている時はより安全な投資に資金は向かう。
従って、NY金価格は、来年+7%上昇して1350ドルになるだろう。
★
FRBは12月に利上げすると思われる。そのため短期的に金は下落する
。
?
TOPICs
UBS銀行は来年1350ドルになると
Goldmansachsは金価格は昨年12月の安値からの回復過程にあり、1211ドルが一つの下限ラインとなり、これを
切るかどうかが注目されるという。1303ドルを上回れば、価格は修正局面となるという。
TOPICs
インドの金需要
毎年秋のインドでは、ヒンズー教とジャイナ教徒はDiwali、灯の祭りを祝う。シーク教徒も仏教徒も休日を取る。
Diwariの祭りには金の贈り物をする風習がある。今年の祭礼は10月30日から始まる。この日をDhanteras
と呼ぶ。特に今年は金価格が下がっているので、インドの金の需要は多いだろうとアナリストのManisha Gupta女史
は言う。彼女は、インド宝石貿易協会は、今シーズンのインドの金の販売は数領で2割、金額では4割増kあすると見
込んでいるという。過去4年で最も良いDiwali時期の金宝飾品の売れ行きになると期待しているという。
インドの上半期の金輸入量は前年の半分ほどであった。しかし、今年のモンスーン気候は3年ぶりに農産物に最適であ
り、金の需要の3分の2を占める農家の収入は潤沢である。
TOPICsファンドの建て玉
までの週
取組高
8月2日
8月9日
8月16日
8月23日
8月30日
9月6日
9月13日
9月20日
10月4日
10月11日
前週比
2ヶ月前比
買い残
売り残
845,903枚 385,069枚
ネット買い残
増減
価格
58,805枚 326,264枚 +20,759枚
58,499枚 312,721枚 ▲13,543枚
$1,364.4
823,554枚 371,220枚
837,871枚 367,975枚
55,537枚 312,438枚
▲283枚
$1,350.5
832,258枚 373,298枚
50,599枚 322,699枚 +10,261枚
57,789枚 291,708枚 ▲30,991枚
$1,340.6
57,280枚 330,123枚 +38,415枚
57,625枚 302,326枚 ▲27,797枚
59,508枚 272,655枚 ▲29,671枚
67,611枚 261,646枚 ▲49,476枚
75,612枚 210,597枚 ▲51,049枚
+8,001枚 ▲51,049枚 ▲1,573枚
+20,075枚 ▲101,841枚 ▲50,766枚
$1,349.4
779,556枚 349,497枚
831,338枚 387,403枚
806,108枚
793,177枚
761,990枚
731,252枚
▲30,738枚
359,951枚
332,163枚
329,257枚
286,209枚
▲43,048枚
▲106,619枚 ▲81,766枚
NY金ファンドの建玉
(ネット買い残と価格相関係数0.93)
500,000枚
400,000枚
ネット買い残
買い残
売り残
価格
$1,339.0
10月11日までの週のNY金に対する
ファンドのネット買い残は、4週連続で
減少した。買い残も減少しており、ファ
ンドの建て玉からは先行きを見通し難い
状況となっている。
$1,311.7
$1,319.0
$1,313.7
$1,266.3
$1,253.0
▲$13.3
▲$97.5
NY金のファンドの売り残と価格
(相関係数▲0.84)
$1,400.0
0枚
$1,400
$1,300.0
$1,300
60,000枚
$1,200.0
300,000枚
$1,200
120,000枚
200,000枚
$1,100.0
$1,100
100,000枚
$1,000.0
9月6日
7月6日
5月6日
3月6日
価格
1月6日
9月6日
11月6日
7月6日
5月6日
売り残
3月6日
$1,000
1月6日
9月…
7月…
5月…
3月…
11…
1月…
9月…
7月…
5月…
3月…
1月…
180,000枚
0枚
NY金価格は、昨年12月16日米国で利上げがあった時が最も安かった。利上げまでの間にドル高となり、金
安と共に各国通貨が安くなり利上げの後ではドル安となり、各国の通貨安となると同時に株安が出現した。株安
は証券市場から逃避したマネーの行き場がなく、金利が付かない金に向かい、金のETFへの資金流入により金高
となった。こうした流れが今年の12月の利上げにおいてもなる可能性が高いと思われる。少なくともこれまで
のドルの動きは利上げを見込んだドル高になっており、金安がその結果となっている。それは利上げが成就した
ときにドル安に転じ金高になるものと想定できる。
つまり、12月14日の利上げまでがドル高金安で、利上げ後はドル安金高になるというものである。
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