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6年生の道徳
32~35ページ
9 この手に命を受けて――国境なき医師団
●今日の道徳の授業のねらい
かけがえのない生命を大切にし、自他の生命を尊重しようとする心情を育てる。
●お話のあらすじ
助産師の田村美里さんは、国境なき医師団としてアフリカのブルンジで働いていた。あ
る日、病院に連れてこられた妊婦は、双子のうちの一人を出産したが、もう一人がお腹の
中に入ったままだった。しかし、お腹の中のもう一人の心音が聞こえてこない。そこへ、
急いで帝王切開をしなくてはならない妊婦が運び込まれてきた。帝王切開で無事赤ちゃん
を出産し、安心したのもつかの間、双子のもう一人の赤ちゃんの出産が始まった。赤ちゃ
んは生まれてきたが、産声を上げない。田村さんは必死に赤ちゃんの背中をこすり、命を
とりとめた。
●子供の様子と学校での指導
子供は、命はいちばん大切なものだと言います。しかし、「死ね」「死んでやる」などの
言葉を気軽に使うことがあります。また、ゲームの中でリセットキーを押せば主人公が蘇
るように、現実の世界でも人は一度死んでも蘇ると思っている子供もいます。人の生死に
直接かかわる場面に立ち会う機会も少ないでしょう。
このような子供たちに、一度死んだ命は二度と蘇らないこと、だからこそ、命は尊いこ
と、そしてその大切な命を支えるために多くの人々がかかわっていることを指導し、命の
すばらしさ、大切さに気付かせたいと思っています。
●家庭で話し合ってほしいこと
お子さんが生まれる前の期待、生まれてきたときの喜び、けがや病気で懸命に看病した
り心配したりしたことなど、ご家族の方が今日にいたるまでお子さんのことを大切に思い、
愛情を注いで育ててきたことを伝えてほしいと思います。
そして、命を大切にするにはどうしたらよいか、ご家族で話し合ってみてはいかがでし
ょうか。例えば、テレビでは、命を粗末にしているニュースが報道されます。そのことを
どう考えるか、自分はこれからどうしていこうと思うのか、一緒に視聴して考えていって
はいかがでしょうか。