海外安全対策情報第1四半期(平成28年4月―6月) (カンタベリー地域) 1. 治安情勢 (1)ニュージーランド国内 ニュージーランド国内では,これまで大きな治安上の問題は起きていません。 しかし,犯罪の発生率については,日本のそれと比較した場合,犯罪認知件数自体 はやや減少傾向ではあるものの依然として高く(2014年のNZ全土における犯 罪の発生率は日本の約8.6倍),防犯対策には十分な注意が必要です。 また, ニュージーランドでは, テロリストの目立った活動は確認されていませんが, 同国国軍がイラクにおいてイラク軍兵士の訓練を行う等,国際社会によるISIL との闘いに貢献していることもあり,今後とも十分な注意が必要です。なお,ニュー ジーランド政府は,2014年,NZ国内におけるテロの脅威度について,従来の 「とても低い」から「低い」に引き上げています。 (2)カンタベリー地域 良識ある行動をしている限り凶悪事件に巻き込まれる可能性は低いと考えられます が,例えば,夜間における窃盗・空き巣狙い等の被害(在留邦人を含む),飲酒運 転による事故被害,飲酒を伴うバーにおける暴力事案及び深夜路上での外国人等に 対する暴行事件は度々発生しておりますので,注意が必要です。また,車の運転に 不慣れな外国人旅行者による死亡事故等(対向車線はみ出し等,観光シーズンでは 特に注意が必要)が起きており,問題となっています。 住居においては,防犯ベルを設置するなどの自衛手段を講じる,日頃より隣人との 交流を図る等により,平素から安全対策を心掛けることが必要です。 2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向 (1)NZ警察が発表した2016年1月~5月のカンタベリー地域の犯罪発生件数報告 によれば,総犯罪発生件数は7,812件と前年同期と比較して1.4%の増加と なっています。主な犯罪種別の内訳は以下のとおりです。 殺人関連 10件(前期と同じ件数 ) 傷害関連 1.044件(前期比 4.2%増加) 性犯罪関連 87件(前期と同じ件数 ) 強盗関連 60件(前期比42.9%増加) 空き巣関連 267件(同 3.3%減少) 窃盗関連 1,125件(同 5.9%増加) (2) 最近の殺人・強盗等凶悪犯罪の事案 ・4月25日午前11時30分頃、クライストチャーチ市から40キロ程離れた郊 外の道路沿いの溝に、女性の遺体が遺棄されているのを車で通りがかったグルー プが発見し警察へ届け出た。後に犯人逮捕。 ・6月28日午後8時30分頃、クライストチャーチ市内のデイリーにライフルを 所持した男が押し入り、たばこと現金を奪い逃走した。 3.テロ・爆弾事件発生状況 なし。 4.誘拐・脅迫事件発生状況 警察当局の発表によれば,2016年1月~5月までのカンタベリー地域で発生した 誘拐・脅迫事件は261件(前年同期比1.1%減少)です。 5.日本企業の安全に関わる諸問題 特になし。 ※ ニュージーランドの治安情勢全般については,在ニュージーランド大使館及び在オークランド総領事館の 海外安全対策情報も御参照ください。 (了)
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