クソかかとを成熟

1
平成 19 年度獣医師国家試験模擬試験 2008/01/28
学説試験
問 1.大食細胞として誤っているのはどれか。
問 5.卵巣に関する記述として正しいのはどれか。
1. 星細胞
1. 卵丘は卵母細胞、透明帯、放線冠からなる。
2. ゴルジ細胞
2. 黄体細胞は顆粒細胞と卵胞膜からできてくる。
3. 小膠細胞
3. 原始卵胞の卵細胞は減数分裂に突入している。
4. 破骨細胞
4. 透明帯が出現するのは二次卵胞からである。
5. ランゲルハンス細胞
5. 馬の卵巣は皮質が外側に髄質が内側にあり、独特の排
卵窩を有する。
問 2.胎盤形成、絨毛膜絨毛の分布、絨毛膜と子宮内膜の
結合様式、動物種の組合せとして正しいのはどれか。
問 6.内分泌腺に関する記述として正しいのはどれか。
a. 半胎盤− 汎毛− 上皮絨毛膜− ウマ
1. 視床下部と神経下垂体神経葉をむすぶ視床下部下垂体
b. 半胎盤− 叢毛− 上皮絨毛膜− ウシ、ブタ
路は隆起部である。
c. 真胎盤− 盤状− 血絨毛膜(絨毛性)− マウス、ラット
d. 真胎盤− 盤状− 血絨毛膜(迷路性)− ヒト
2. 馬、牛、豚の副腎皮質最外層は細胞の配列から弓状帯
ともいわれる。
e. 真胎盤− 帯状− 内皮絨毛膜− イヌ、ネコ
3. 豚の甲状腺の錐体葉は峡部が発達したもので、腺実質
がない。
1. a, b
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
4. 松果体(腺)は中脳蓋前丘の前位で大脳後壁にある。
5. 下垂体漏斗と主部の間にある下垂体門脈の形成に与る
問 3.次の記述の組合せとして正しいのはどれか。
血管は上下垂体動脈である。
a. 腹壁の筋は内側から腹横筋、腹直筋、内腹斜筋、外腹
斜筋の順である。
問 7.動物実験計画時に動物福祉の観点から研究者が決め
b. 胸腔と腹腔を隔てる横隔膜には貫通孔として大動脈裂
孔、大静脈裂孔、食道裂孔がある。
るべき事柄の組合せとして正しいのはどれか。
1. 最小必要動物数、投稿予定ジャーナル、空調機のバッ
c. 総踵骨腱はアキレス腱+大腿二頭筋、半腱様筋、半膜
様筋の筋(腱)膜からなる。
クアップ
2. 実験実施者の登録、屋外環境影響、実験の承認
d. 外肋間筋、肋骨挙筋は吸気の筋として、内肋間筋、胸
横筋、肋骨後引筋は呼気の筋としてはたらく。
e. 大腿管は縫工筋、恥骨筋、薄筋で囲まれた間隙である。
3. 苦痛の軽減方法、廃棄物処理、飼育技術者の指導
4. 危機管理、実験の承認、生きた動物の必要性
5. 生きた動物の必要性、最小必要動物数、苦痛の軽減方
法
1. a, b, c
2. a, c, e
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
問 8.あるラットコロニーで一過性に顔面、頸部の腫脹、
問 4.牛の乳房に分布する動脈の経路の組合せとして正し
眼球突出、紅涙を特徴とする疾患が大部分のラットに発
いのはどれか。
生したが、死亡する個体はなく数日で回復した。最も疑
1. 内腸骨動脈+内陰部動脈+臍動脈+外陰部動脈+乳腺
われる疾患はどれか。
動脈
1. センダイウイルス病
2. 内腸骨動脈+腸腰動脈+閉鎖動脈+外陰部動脈+乳腺
動脈
2. リンパ球性脈絡髄膜炎
3. 溶血レンサ球菌病
3. 外腸骨動脈+大腿動脈+外陰部動脈+乳腺動脈
4. 唾液腺涙腺炎
4. 外腸骨動脈+大腿深動脈+陰部腹壁動脈幹+外陰部動
5. マイコプラズマ肺炎
脈+乳腺動脈
5. 外腸骨動脈+大腿深動脈+閉鎖動脈+外陰部動脈+乳
腺動脈
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
2
問 9.実験用マウスで、汚染事例の多い病原微生物の組合
問 13.呼吸運動の調節の説明として正しいのはどれか。
せとして正しいのはどれか。
a. 呼吸中枢は中脳にある。
1. マウス肝炎ウイルス・センダイウイルス・Mycoplasma
b. 肺伸展受容器は気管や気管支の平滑筋層内にあるへー
pulmonis
リング・ブロイエル反射の受容器であり、呼吸リズム
2. センダイウイルス・エクトロメリアウイルス・
Salmonella typhimurium
形成には関与していない。
c. 末梢性化学受容器は頚動脈(小)体と大動脈(小)体
3. パルボウイルス・LCM ウイルス・Pasteurella
pneumotropica
で主に pH の低下(PaCO2 増加)を受容するが、PaO2
低下にも反応する。
4. Clostridium piliforme・Salmonella typhimurium・
Corynebacterium kutscheri
d. 中枢性化学感受領野は延髄腹側表層にあり、脳細胞外
液の[H+]や CO2 増加に反応する。
5. ハンタウイルス・CAR bacillus・Helicobacter
hepaticus
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
問 10.動物実験における 4R としての組合せとして適当
なのはどれか。
問 14.牛の発酵消化に関する記述として正しいのはどれ
1. Replacement, Reduction, Refinement,
か。
Responsibility
a. 主要な VFAs は酢酸,プロピオン酸,酪酸で、第4胃
2. Responsibility, Reproducibility, Regain, Reduction
3. Reliability, Reduction, Repeatability, Refinement
4. Reproducibility, Respect, Recognition,
Responsibility
上皮から直接吸収される。
b. プロピオン酸は、反芻類で最も豊富なエネルギー源で
ある。
c. 酢酸は、肝臓での糖新生に重要である。
5. Refinement, Reduction, Responsibility, Regain
d. 反芻動物のエネルギー要求量の 60∼80%は、VFAs
による。
問 11.感染動物飼育室と SPF 動物飼育室の気圧の調節の
組合せとして正しいのはどれか。
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
1. 感染動物室は陽圧、SPF 動物室も陽圧
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
2. 感染動物室は陽圧、SPF 動物室は陰圧
3. 感染動物室は陰圧、SPF 動物室は陽圧
問 15.骨格筋の収縮に関する記述として正しいのはどれ
4. 感染動物室は陰圧、SPF 動物室も陰圧
か。
5. 感染動物室は外気圧、SPF 動物室も外気圧
a. 細胞外(血液中)の Ca2+濃度が高いほど収縮力は強く
なる。
問 12.ジャームフリー(germfree)動物の定義として正し
いのはどれか。
b. 生理的な筋収縮を引き起こすためには、活動電位が反
復して発生する必要がある。
1. 持っている微生物叢のすべてが明確に知られている動
物
c. 死硬直は、ATP がなくなりクロスブリッジが離れなく
なった結果である。
2. 特に指定された微生物・寄生虫のいない動物
d. Ca2+が結合する収縮蛋白は、トロポミオシンである。
3. 検出しうるすべての微生物・寄生虫を持たない動物
4. 微生物学的コントロールをなんら受けていない動物
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
5.抗生物質等の使用により、腸内細菌叢が人為的に変え
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
られた動物
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
3. b, c のみ
3
問 16. 痛覚に関する記述として正しいのはどれか。
問 19.次の薬物について受容体で拮抗関係にある組合せ
a. 針が刺さった場合の痛みは速い痛みで C 線維が伝える。
として正しいのはどれか。
b. 内臓の痛みが他の体の部位の痛みとして認知される現
作動薬
拮抗薬
a. アセチルコリン
dツボクラリン
c. 痛みも順応する。
b. フェニレフリン
プロプラノロール
d. ウシの外傷性心外膜炎では馨甲部の刺激で痛覚反応が
c. ヒスタミン
シメチジン
d. アドレナリン
スピロノラクトン
e. ドパミン
ハロペリドール
象を投射痛という。
みられることがあり、関連痛の例である。
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
1. a, b, c
2. a, c, e
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
問 17. コレラ患者での下痢(分泌性下痢:コレラ毒素が
問 20.末梢神経系に作用する薬に関する記述として正し
AC を活性化し、細胞内 cAMP↑と Cl-チャネルの開孔に
いのはどれか。
より Cl- が流出して Na+ と水が受動的に拡散して下痢
1. カルバコールは、コリンエステラーゼによって分解
となる)の治療で経口投与すべきものはどれか。
a. 水
されないため持続的な作用を発揮する。
2. フィゾスチグミンは、血液−脳関門を通過できない
b. カルシウム
ので中枢神経への作用はない。
c. グルコース
3. アドレナリンの点眼は、瞳孔括約筋の弛緩により散
d. 食塩(NaCl)
瞳を起こす。
4. クロニジンは、中枢の交感神経活動を刺激して血圧
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
を上昇させる。
5. アトロピンは、消化管運動や気道分泌を促進する。
問 18. 薬の体内動態と代謝に関する記述として正しいの
問 21.筋弛緩薬、麻酔薬、鎮痛薬に関する記述の組合せ
はどれか。
として正しいのはどれか。
a. 一般に、皮下注射のほうが筋肉内注射より薬物の血中
a. スキサメトニウムは、終板のニコチン受容体へのアセ
への吸収が早い。
チルコリン結合に競合拮抗し筋弛緩作用を示す。
b. 酸性の薬では、溶液の pH が低いほど解離型の比率が
低くなり、細胞膜を通りやすくなる。
b. エステル型のリドカインは、血中・組織のエステラー
ゼにより容易に分解され作用時間が短い。
c. 酸性薬は、血漿中のアルブミンに結合しやすい。
d. 薬物代謝の第 I 相反応では、肝ミクロソーム酵素系の
チトクロム P450 による還元が重要である。
c. 吸入麻酔薬の血液/ガス分配係数が大きいと、導入と
覚醒に時間を要する。
d. ケタミンは解離性麻酔薬と呼ばれ、麻酔下ではカタレ
e. ネコは、硫酸抱合能がない。
プシー状態になるのが特徴である。
e. チオペンタールは、急速に肝臓で代謝されるため血中
1. a, b
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
濃度が速やかに低下する。
1. a, b
2. a, e
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
3. b, c
4. c, d
5. d, e
4
問 22.オータコイドとその拮抗薬に関する薬物に関する
問 25.化学療法薬に関する記述として誤っているのはど
記述の組合せとして正しいのはどれか。
れか。
a. ヒスタミンは、H1 受容体を刺激し胃酸分泌を促進す
1. サルファ薬の抗菌スペクトルは狭いが、その作用は殺
る。
菌的である。
b. アンギオテンシン変換酵素阻害薬は、ブラジキニンの
生成も阻害する。
2. トリメトプリムは葉酸(代謝)拮抗作用を有し、サル
ファ薬との併用で相乗効果を示す。
c. ロサルタンは、アンギオテンシン II 受容体拮抗薬で降
圧作用を示す。
3. エリスロマイシンは細菌のタンパク合成を阻害し、マ
イコプラズマにも有効である。
d. ブラジキニンの発痛作用は、プロスタグランジン E2
によって増強される。
4. アムホテリシン B は真菌細胞膜の透過性を亢進させ、
殺菌的に作用する。
e. インドメタシンは、シクロオキシゲナーゼを阻害しロ
5. ストレプトマイシンは消化管からの吸収が悪い。
イコトリエン類の産生を阻害する。
問 26.金属毒性に関する記述として誤っているのはどれ
1. a, b
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
か。
1. 鉛中毒は、野生の水鳥や猛禽類に見られることがあり、
問 23.循環器系に作用する薬に関する記述の組合せとし
異常行動を含む神経症状、体重減少、貧血、肝臓の黒
て正しいのはどれか。
緑色化、腺胃の拡張が観察される。
a. ジギトニンは
胞内の
Na+,
K+-ATPase
阻害を介して、心筋細
Ca2+濃度を上昇させ収縮力を増大させる。
b. キニジンは心筋の有効不応期を短縮し、興奮伝導速度
を増加する。
2. ヒ素は、SH 基に親和性が高く、SH 基を活性基とす
る chytochrome C や ATPase を阻害し、悪心、発熱、
皮膚色素沈着、肺浮腫、角化症、肝腫脹を起こす。
3. カドミウムは、腎皮質に作用し尿細管障害や糸球体変
c. リドカインは Na+チャネルを遮断して抗不整脈作用を
示し、主に心房性不整脈に用いられる。
化を起こす。また、骨に沈着し、イタイイタイ病で問
題となった。
d. ニフェジピンは Ca2+チャネル遮断薬であり、抗不整脈
薬として使用される。
4. 無機水銀は腎毒性を、また有機水銀は血液-脳関門や
血液-胎盤関門を容易に通過するため神経機能障害や
e. ニトログリセリンは、血管平滑筋細胞のグアニル酸シ
クラーゼを活性化し血管を弛緩させる。
胎児毒性を示す。
5. エデト酸カルシウム二ナトリウムやペニシラミンは鉛
中毒に無効であり、ジメルカプトールはメチル水銀中
1. a, b
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
毒に有効である。
問 24.血液に作用する薬に関する記述として正しいのは
問 27.物質と毒性発現に関する組合せとして正しいのは
どれか。
どれか。
a. ヘパリンは、アンチトロンビン III の作用に拮抗する
a.四塩化炭素 − 脂肪肝、リポゾーム消失
ことで血液凝固阻害作用を示す。
b.アミノグリコシド系抗生物質 − アレルギー反応
b. ウロキナーゼは、プラスミノーゲンをプラスミンに変
換し血液凝固を阻害する。
c.ペニシリン類 − 第 VIII 脳神経障害、腎障害
d.亜硝酸塩 −
c. チクロピジンは、血小板から放出されたトロンボキサ
メトヘモグロビン血症
e.エチレングリコール −
腎障害
ン A2 の作用を阻害する。
d. 悪性貧血は内因子不足に基づく貧血であり、ビタミン
1. a, b, c
2. a, c, e
B12 製剤が治療に用いられる。
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
5
問 28.変異原性物質に対する哺乳類動物細胞の感受性が
問 31.獣医師法の罰則についての記述として誤っている
最も高い時期はどれか。
のはどれか。
1. DNA 合成準備期
1. 獣医師でなくて飼育動物の診療を業務とした者は、2
2. DNA 合成期
年以下の懲役若しくは 100 万円以下の罰金に処され、
3. 分裂準備期
又はこれを併科される。
4. 分裂期前期
2. 虚偽又は不正の事実に基づいて、獣医師の免許を受け
5. 分裂期後期
た者は、2 年以下の懲役若しくは 100 万円以下の罰金
に処され、又はこれを併科される。
問 29.GLP(Good Laboratory Practice)省令として誤
3. 獣医師は、診療簿及び検案簿を少なくとも 1 年間保存
っているのはどれか。
しなければならないが、診療簿又は検案簿を保存しな
1. 職員及び組織、試験施設及び機器、操作、被験物質の
かつた者は、50 万円以下の罰金に処される。
取り扱い、試験計画書と実施、報告及び保存について
記載
4. 診療し、出産に立ち会い、又は検案をした獣医師は、
診断書、出生証明書、死産証明書又は検案書の交付を
2. 職員の教育訓練の必要性を記載
求められたとき、正当な理由がなく、これを拒んだ場
3. 医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施基準を記載
合、20 万円以下の罰金に処される。
4. 安全性に関するデータの信頼性を確保する目的
5. 安全性試験の標準的な実施方法を示し、適正な評価が
目的
5. 農林水産大臣又は都道府県知事は、必要と認めるとき
は、その職員に、獣医師について、診療簿及び検案簿
を検査させることができるが、その検査を拒み、妨げ、
又は忌避した者は、20 万円以下の罰金に処される。
問 30.毒性 A, B の用量反応曲線の傾きが平行であり、こ
れら毒物の相互作用が相加的である時、
毒物 A
(LD50=200
問 32.細菌とその分離増殖培地の組合せとして正しいの
mg/kg)を 75%、毒物 B(LD50=400 mg/kg)を 25%含む
はどれか。
混合物の LD50 として正しいのはどれか。
a. E. coli - DHL 寒天培地
1. 250 mg/kg
b. Campylobacter jujuni - ハーナーテトラチオン酸
2. 350 mg/kg
塩培地
3. 450 mg/kg
c. Taylorella equigenitalis - スキロー培地
4. 550 mg/kg
d. Actinomyces bovis - サブロー寒天培地
5. 650 mg/kg
e. Bordetella bronchiseptica - ボルデ・ジャング培地
1. a, b
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
問 33.感染症の伝播に関する記述として適当なのはどれ
か。
a. 哺乳動物で母乳を介する伝播は経口感染であり、水平
感染である。
b. カスバウイルスは、蚊の吸血により牛に伝播する。
c. 家畜伝染病発生の場合の移動禁止範囲は、ベクター昆
虫などの行動範囲も考慮され決定される。
d. 吸血性節足動物をベクターとするウイルスは、アルボ
ウイルスと呼ばれる。
e. 鶏のマレック病は、介卵感染することもしばしばある。
1. a, b
2. a, e
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
3. b, c
4. c, d
5. d, e
6
問 34.ピコルナウイルスによる感染症として誤っている
問 38.次のうち動物用医薬品に関する記述として正しい
のはどれか。
のはどれか。
a. 口蹄疫
a. 動物用医薬品は海外で市販されているものであれば、
b. 豚水泡病
国(動物検疫所)に届出ることのみで輸入できる。
c. 鶏脳脊髄炎
b. 動物用医薬品は、農場管理者であればだれでも販売業
d. オームの嘴・羽毛病
者から購入できる。ただし、いつどこでどのように使
e. 馬伝染性貧血
用したかの記録を 5 年間残さなければならない。
c. 動物用医薬品は、薬事法および動物用医薬品等取締規
1. a, b
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
則によって製造、輸入が規制されている。
d. 動物用医薬品として認められていないものを治験(野
問 35.西ナイルウイルスの記述として正しいのはどれか。
外試験)に使用する場合は、農場が存在する県の許可
a. 日本脳炎ウイルスに近いウイルスで、豚は自然感染宿
が必要である。
主となりえる。
e. 獣医師は市販の動物用医薬品であれば、自らの経験に
b. 鶏は感染するが、他の動物やヒトへの感染源にはなり
えない。
よって異なる医薬品を混合して家畜に注射することが
できる。
c. 馬は、感染し発症する終末宿主である。
1. a, b
d. ヌカカがベクターとして重要である。
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
e. わが国には既に野鳥を介して侵入し、抗体陽性の豚が
みつかっている。
問 39.監視伝染病の中で届出伝染病はどれか。
a. 牛肺疫
1. a, b
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
b. ブルータング
c. オーエスキー病
問 36.疾病と病原体の組合せとして正しいのはどれか。
d. 豚コレラ
a. 高病原性鳥インフルエンザ - Paramyxovirus
e. 腐疽病
b. 産卵低下症候群 - Orthoreovirus
c. 伝染性喉頭気管炎 - Coronavirus
1. a, b
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
d. 家禽コレラ - Pasteurella multocida
e. ひな白痢菌 - Salmonella Pullorum
問 40.ワクチンの説明として正しいのはどれか。
a. 弱毒生ワクチンは、抗原量が少ないためアジュバント
1. a, b
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
が必要である。
b. 不活化ワクチンは、細胞性免疫が誘導されるためワク
問 37.九州のある採卵鶏(褐色卵系)の農場で、4 月∼5
月にかけて、200∼250 日齢の鶏群で産卵低下が長期に認
められ、また退色卵(褐色卵が白色卵に)も多く産生さ
れた。しかし、農場管理者によると臨床症状は認められ
ないという。マレック病、ニューカッスル病、伝染性気
チン効果が高い。
c. 不活化ワクチンは、抗原量が多量なため接種回数は 1
回でよい。
d. 不活化ワクチンは、生ワクチンと比較し短時間に開発
が可能である。
管支炎、鶏脳脊髄炎、およびマイコプラズマ症のワクチ
ンは 120 日齢までに接種済みであった。産卵低下の原因
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
として最も疑わしいのはどれか。
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
1. Avibacterium paragallinarum
2. ND virus (Paramyxovirus)
3. ILT virus (Herpesvirus)
4. EDS virus (Atadenovirus)
5. Leucocytozoon caulleryi
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
3. b, c のみ
7
問 41.エンベロープを欠き、遺伝子に二本鎖 RNA を持
問 46.プラジカンテルが有効な寄生虫はどれか。
つウイルスはどれか。
a. 有棘顎口虫
1. アデノウイルス
b. メジナ虫
2. レオウイルス
c. アニサキス
3. パラミクソウイルス
d. マンソン裂頭条虫
4. コロナウイルス
5. ラブドウイルス
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
問 42.寄生卵の形態の説明として誤っているのはどれか。
a. 豚回虫卵
外側が蛋白膜で被われる。黄褐色
b. マンソン裂頭条虫 卵蓋を有し,内容はミラシジウム
問 47.疾病とその原因となる寄生虫の組合せとして正し
いのはどれか。
Strongyloides papillosus
を容れる。淡褐色
a. 血塞疝
c. 犬鉤虫卵
2∼3 つ折の幼虫を内蔵する。無色
b. 顆粒性皮膚炎 Habronema muscae
d. 馬蟯虫
カキの種子状,一端に小蓋を持つ。
c. 肝砂粒症
Strongylus edentatus
e. 胞状条虫
内容は六鉤幼虫を容れ,周囲放射
d. 黒頭病
Histomonas meleagridis
状の線状の被殻を有する。
e. 鼻鏡白斑症
Onchocerca gutturosa
3. b, c
1. a, b, c
1. a, b
2. a, e
4. c, d
5. d, e
2. a, c, e
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
問 43.馬に脊髄糸状虫症を引き起こす線虫の組合せとし
問 48. 封入体に関する記述の組合せとして正しいのはど
て正しいのはどれか。
れか。
a. 犬糸状虫
a.セキセイインコのフレンチモルトでは、50∼55nm の
b. 頸部糸状虫
ウイルス粒子が観察される CowdryA 型の核内封入体
c. 網状糸状虫
が形成される。
d. 指状糸状虫
b. 鉛中毒は散弾を誤飲した水鳥で発生し、尿細管上皮
細胞や肝細胞に好酸性のハローを有する CowdryA 型
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
様核内封入体が形成される。
c.ポックスウイルス感染症の感染初期には、好酸性で大
型不整形の Bollinger 小体(A 型封入体)が細胞質内封
問 44.ワクモに関する記述として誤っているのはどれか。
1. 主な宿主は鶏,ハトである。
入体として形成される。
d.狂犬病では、海馬(アンモン角)の大錐体細胞や小脳
2. 寄生するのは夜間だけである。
のプルキンエ細胞の細胞質内に好酸性で大型のネグリ
3. 成虫には1対の触覚と3対の脚がある。
小体と呼ばれる封入体が形成される。
4. 若虫と成虫が吸血する。
e.犬ジステンパーでは、肺胞上皮、膀胱上皮、星状膠細
5. 鶏痘を媒介することがある。
胞などの細胞質ならびに核内に好酸性封入体が形成さ
れ混合型封入体に分類される。
問 45.虫種同定に瓦培養が用いられる寄生虫はどれか。
1. 糸状虫類
1. a, b, c
2. a, c, e
2. 糞線虫類
3. 回虫類
4. 鉤虫類
5. 鞭虫類
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
8
問 49.石灰化(病的石灰沈着)に関する記述の組合せと
問 52.環境衛生の記述として正しいのはどれか。
して正しいのはどれか。
1. 水道水の塩素消毒は、給水管からの塩素ガス濃度とし
a.異栄養性石灰沈着は、血清カルシウム濃度と無関係に
て 0.1ppm 以上と規定されている。
2. 温度 0℃で、水銀柱 1000mm のときの大気圧の状態を
起こる全身的な石灰沈着である。
b.異栄養性石灰沈着は、細胞内においてはミトコンドリ
1 気圧という。
3. 気温 20℃、湿度 80%あれば、生活に快適な状態とい
アへのカルシウム塩沈着として始まる。
c.転移性石灰沈着は高カルシウム血症に続発し、原発性
あるいは続発性上皮小体機能亢進症は原因となる。
d.転移性石灰沈着は、動物ではカルシウムの多給やビタ
ミン D 剤の過剰投与による発生が知られている。
e.転移性石灰沈着は胃粘膜上皮や腎尿細管上皮でみられ、
える。
4. 一酸化炭素は猛毒であり、空気中の濃度が 0.05%以上
になると頭痛をおこす。
5. 紫外線は、ビタミン C の生成に関係しており保健衛生
上大切な要因である。
シッフ反応陽性である。
問 53.カンピロバクターについての記述の組合せとして
1. a, b, c
2. a, c, e
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
正しいのはどれか。
a. 人に常在している。
問 50.急性炎症の際にみられる血管反応(血流・血管径
b. 魚介類が多く保菌している。
の変化)の順序として正しいのはどれか。
c. 乾燥に弱い。
a. 血行静止
d. 微好気条件(酸素濃度 3∼15%)でよく発育する。
b. 細動脈の痙攣性収縮
e. pH4.0 以下でも発育する。
c. 炎症性充血
1. a, b
d. 白血球の舗床形成
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
e. 白血球の辺縁趨向
f. 微小循環系血管の透過性亢進
問 54.食品の汚染指標菌(衛生指標細菌ともいう)の説
g. 白血球の血管外間質への遊出
明として適当なのはどれか。
1. 大腸菌群が汚染指標菌に用いられるのは、大腸菌に
1. b→a→c→d→e→f→g
O157 などの病原菌が多いからである。
2. b→d→a→e→c→f→g
2. 大腸菌は、ヒトの腸内では最も菌数の多い細菌群であ
3. b→c→f→a→e→d→g
る。
4. c→b→a→f→e→d→g
3. グラム陰性無芽胞桿菌で、糖とガスを産生する好気性
5. c→a→e→d→f→b→g
または通性嫌気性細菌群を大腸菌群という。
4. 食品衛生法上の規定では、44.5℃で発育できる糞便系
問 51.手指の消毒に最も適した消毒薬はどれか。
1. クレゾール石鹸水(1∼3%溶液)
大腸菌は E. coli と表示されている。
5. 大腸菌群は、加熱食品では汚染指標菌にはならない。
2. 石炭酸水(3%溶液)
3. 逆性石けん(1%溶液)
4. オキシドール(3%溶液)
5. 次亜塩素酸(0.1%溶液)
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
9
問 55.ダイオキシン類に関する記述の組合せとして正し
問 59.犬の蛋白喪失性腸症に関する記述として誤ってい
いのはどれか。
るのはどれか。
a. ダイオキシン類は、200 を超える異性体を持つ塩素化
1. この症候群は、リンパ球や形質細胞が原因となりうる。
合物である。
2. 胃腸潰瘍が原因となりうる。
b. ダイオキシン類には食品ごとの残留基準値が設定され
ている。
3. 食事療法や内科的治療を行っても予後不良なことが多
い。
c. ダイオキシン類の排出量は廃棄物の焼却に由来するも
のが多い。
4. 罹患犬は、低蛋白血症を呈する。
5. 低脂肪食が有効である。
d. ダイオキシン類は、発ガン性や催奇形性がある。
問 60.7 歳齢、雄のジャーマンショートへアードポイン
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
ターが食物をくわえることができなくなった。この 5 日
間、下顎は下垂して開いている。咀嚼筋の萎縮が顕著で
あった。他の神経学的検査は正常であった。これらの所
問 56.ネコのクラミジア性結膜炎の局所療法に最も効果
見の原因として最も適当なのはどれか。
的な薬物はどれか。
1. 咀嚼筋炎
1. ゲンタマイシン
2. 肉芽腫性髄膜脳炎
2. ポリミキシン B
3. ジステンパーウイルス感染症
3. テトラサイクリン
4. 三叉神経麻痺
4. セファロスポリン
5. 多発性神経根炎
5. プレド二ゾロン
問 61.自己免疫性溶血性貧血の犬の血液塗抹上でしばし
問 57.子猫の小脳形成不全の原因となる感染を起こすウ
ば認められるものはどれか。
イルスとして最も疑われるのはどれか。
1. 連銭形成
1. パルボウイルス
2. 球状赤血球症
2. ヘルペスウイルス
3. ハインツ小体
3. カリシウイルス
4. 楕円赤血球症
4. コロナウイルス
5. 血色素減少症
5. ネコ白血病ウイルス
問 62.犬の副腎皮質機能亢進症のスクリーニング検査と
問 58.ネコの肥大型心筋症の治療で用いられるカルシウ
して適切な検査はどれか。
ムチャネル遮断薬はどれか。
1. ACTH 刺激試験
1. アテノロール
2. TSH 刺激試験
2. ジルチアゼム
3. 血中 ACTH 濃度の測定
3. ジゴキシン
4. 耐糖能試験
4. プロプラノロール
5. 血中遊離サイロキシン濃度の測定
5. プロカインアミド
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
10
問 63.牛の創傷性心外膜炎についての記述の組合せとし
問 67.牛の第四胃変位には左方変位と右方変位があるが、
て正しいのはどれか。
その診断には打聴診が有効である。第四胃変位が認めら
a. 原因のひとつに異嗜があり、金属片などの異物が第四
れる際に聴取される音として正しいのはどれか。
胃から穿孔することによる。
1. 満音
b. 重症例の心臓は絨毛心を呈する。
2. 半濁音
c. 腹膜炎、胸膜炎を併発することもある。
3. 不完全濁音
d. チアノーゼや頸静脈の怒張、胸垂の冷性浮腫が見られ
4. ピング音
る。
5. 完全濁音
e. 抗生物質と強心剤の投与により回復する。
問 68.反芻獣の尿石症に関する記述として適当なのはど
1. a, b, c
2. a, c, e
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
れか。
a. 雌よりも雄での発症が多い。
問 64.牛の肝膿瘍に関する記述として誤っているのはど
れか。
b. 結石の多くはリン酸塩であり、尿の pH が低下するこ
とにより形成が促進される。
1. 原因菌は主として Fusobacterium necrophorum であ
る。
c. 外陰部に顆粒状あるいは砂状の結石の付着が認められ
ることがある。
2. 原因菌の感染経路は門脈路および胆道からの上行性感
染がある。
d. 反芻獣の尿路は比較的径が大きいため、本症によって
尿路閉塞をきたすことは一般にまれである。
3. 肝臓の病変が小さくても劇的な症状を呈する。
e. 濃厚飼料の多給と粗飼料の不足が発症要因となる。
4. 肝臓は腫大して圧痛および打診痛を示すことがある。
5. 血液検査では肝酵素の上昇、A/G 比の低下、白血球数
1. a, b, c
2. a, c, e
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
の増加が認められる。
問 69.牛のグラステタニーに関する記述の組合せとして
問 65.牛の乳熱に関する記述の組合せとして正しいのは
正しいのはどれか。
どれか。
a. 原因はカリウム欠乏である。
a. 高熱を出し起立不能となる。
b. 原因はマグネシウム欠乏である。
b. 乳牛の分娩前後に見られることが多い。
c. 痙攣などの症状が認められることから、破傷風やケト
c. 低カルシウム血症が認められる。
ーシスとの鑑別が必要となる。
d. 治療にはボロクルコン酸カルシウム剤の投与が行われ
る。
d. 本症の発症には放牧地の土壌の様態も関連するため、
発症予防には放牧馴致を行う。
e. 低血糖が見られることがある。
e. 本症は慢性的に経過するため、飼料管理で対応可能で
ある。
1. a, b, c
2. a, c, e
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
1. a, b, c
2. a, c, e
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
問 66.ビタミンとそれらの過剰症および欠乏症の組合せ
として誤っているのはどれか。
問 70.馬の離断性骨軟骨炎(OCD)に関する記述として
1. ビタミン A 過剰症 – 牛のハイエナ病
誤っているのはどれか。
2. ビタミン D 欠乏症 – 仔牛のくる病
1. 発育期に発生しやすい疾患である。
3. ビタミン E 過剰症 – 白筋症
2. 変形性関節症に発展しやすい。
4. ビタミン K 欠乏症 – 血液凝固因子の生合成低下
3. 足根関節は好発部位である。
5. ビタミン B1 欠乏症 – 馬のワラビ中毒
4. 関節鏡手術による軟骨片除去が適切な治療法である。
5. 治療後は病変部には硝子軟骨が再生する。
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
11
問 71.競走馬の屈腱炎に関する記述として正しいのはど
問 75.膝蓋骨脱臼についての記述の組合せとして正しい
れか。
のはどれか。
1. 屈腱炎の原因は打撲である。
a. 小型犬では内方脱臼より外方脱臼の発生が多い。
2. 消炎鎮痛剤の塗布により治癒する。
b. 脛骨の前方引き出し兆候(ドロワーサイン)が特徴的
3. 超音波検査は有用な診断法である。
である。
c. 治療法は over-the-top 法や 3 点骨切り術などが実施さ
4. 深肢屈腱に生じやすい。
5. 一般的には外貌的な変化は伴わない。
れる。
d. 外方脱臼は大型犬と子牛に多い。
問 72.子牛の突然の後肢跛行の原因として疑われる疾患
の組合せとして最も適当なのはどれか。
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
a. 変形性関節炎
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
b. 大腿骨頭骨折
c. 膝蓋骨外方脱臼
問 76.慢性前肢跛行を示す 6 ヶ月齢の大型犬(外傷歴な
d. 前十字靭帯断裂
し)で疑われる疾患の組合せとして正しいのはどれか。
e. レッグペルテス病
a. 上腕骨外側上顆骨折
b. 肘突起癒合不全
1. a, b
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
c. 内側鈎状突起分離
d. 先天性肘関節脱臼
問 73.牛の蹄病に関する説明として誤っているのはどれ
e. 上腕二頭筋腱炎
か。
1. 蹄跛行は、肉牛よりも乳牛における生産性(乳量)の
1. a, b
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
損失につながる。
2. 蹄叉腐爛は、Fusobacterium などの腐敗菌により、底
問 77.次の組合せで正しいのはどれか。
叉中心溝と底叉旁溝に黒色浸出物を生じ、悪臭を放つ
a. 癒合不全 − 偽関節
蹄病である。
b. 前十字靭帯断裂 − 脛骨高平部水平骨切り術(TPLO)
3. 蹄底出血や蹄底潰瘍は、乳牛の慢性(潜在性)蹄葉炎
を伴う。
c. 尺骨遠位成長板早期閉鎖 − リング型創外固定
d. 肺性肥大性骨軟骨炎 − 肺癌
4. 蹄病は、出産やルーメン環境のような全身性の要因が
発生に関与する。
5. 趾皮膚炎では、後趾蹄球面の皮膚に乳頭腫様の病変が
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
形成され、強い痛みを伴う。
問 74.犬の大腿骨斜骨折の治療法に関する記述の組合せ
として誤っているのはどれか。
a. 髄内ピンとサクラージワイヤー
b. 創外固定
c. 圧迫プレートとラグスクリュー
d. テンションバンドワイヤー
e. ギプス固定
1. a, b, c
2. a, c, e
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
3. b, c のみ
12
問 78.吸入麻酔薬に関する記述の組合せとして正しいの
問 81.牛のケトーシスは生体内にケトン体が異常に増量
はどれか。
し、それにより臨床症状が発現する疾患とされている。
a. プロポフォールは、導入覚醒の速やかな静脈麻酔薬で
本症に関する記述の組合せとして正しいのはどれか。
ある。導入時の呼吸抑制が強いことと鎮痛作用が弱い
a. ケトン体は、アセト酢酸、β— ヒドロキシ酪酸、アセ
チル-CoA の総称である。
ことが短所である。
b. 解離性麻酔薬である塩酸ケタミンは、強い鎮痛作用を
b. 食欲不振、第一胃運動低下、泌乳量減少、ケトン尿を
有するが筋弛緩作用がないことが欠点である。
c. 笑気は気道刺激性と呼吸抑制のない吸入麻酔薬であ
り、強い鎮痛作用を示す。
共通症状とすることが多い。
c. 肝臓はケトン体を産生するが利用できない。
d. エネルギー給与不足時は、低血糖となり、体脂肪が動
d. バルビツレート系麻酔薬は、投与後の薬物の体内再分
布によって作用時間が決定する。再分布しやすい薬剤
員され、生体内のケトン体が増加する。
e. 分娩後の発症が多く、泌乳量の増減には関係しない。
は、作用時間が長くなる。
e. イソフルランは汎用される吸入麻酔薬であり、気道刺
1. a, b, c
2. a, c, e
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
激性と呼吸抑制がない。
問 82.症例:子牛,7 日齢,雄,体重 45kg
1. a, b, c
2. a, c, e
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
稟告:昨夕から下痢を発生し、今朝、吸乳反射が消失し
起立不能となった。臨床所見: 体温 36.5℃,心拍数 120
問 79.マイコトキシンとその障害の組合せとして正しい
回/分,呼吸数 30 回/分,吸乳反射消失、重度の血圧低下、
のはどれか。
眼球陥没、脱水スコア 12%、総合臨床スコア 15(眼球陥
マイコトキシン
障害
没:2,吸乳反射消失:3,触知反射なし:2,威嚇反射な
1. フモニシン
—
腎障害
し:2,口腔内温低下:2,四肢温低下:2,起立不能:2)
2. パツリン
—
神経障害
で昏睡症状を示している。便は灰白色水様で、腹囲は膨
3. ゼアラレノン
—
肝臓障害
満し、拍水音が聴取された。
4. アフラトキシン —
造血器障害
血液生化学的検査所見: Ht 47%、WBC 25,100/μl(Neut
5. トリコセテン
過発情
73.5,Lym 16.0%)
、血漿総蛋白量(TPP)9.0g/100ml、
—
血清総蛋白量(TSP)8.0mg/100ml(Al 3.57,αhGl 1.32,
問 80.健康成牛の聴診に関する記述として正しいのはど
βhGl 1.91,γhGl 1.20g/100ml,A/G 比 0.81)、血糖
れか。
228mg/100ml、BUN 106.1mg/100ml、Cre 2.1mg/100ml、
a. 第一胃の聴診は、左膁部の陥凹部を中心として、少な
総コレステロール量 58mg/100ml、Ca 11.9mg/100ml、iP
くとも 2∼3 分行う。
15.0mg/100ml、Na130mEq/l、K 6.1mEq/l、Cl 87mEq/l、
b. 心臓の第 I 音は動脈弁の閉鎖によって生じ、第 II 音よ
血漿浸透圧 311mOsm/l
血液ガス: 静脈血 pH 6.946、HCO3− 17.7 mEq/l、BE
り短く、高く、小さい。
c. 第四胃蠕動音は、左側 11∼12 肋間の上方 1/3 でグル
音として聴取できる。
*
−14.8 mEq、AG* 31.4mEq/l、SID* 49.1mEq/l、SIG
*
−18.3mEq/l
d. 肺胞呼吸音は、前胸部肺領域で聴取する。
*《略号説明:BE(過剰塩基;base excess)
,AG(アニ
e. 左胸壁での心音聴診は、聴診器の採音部を肘頭から腋
オンギャップ;anion gap)
,SID(強イオン差; strong ion
窩部に挿入し第 3∼第 4 肋間で行う。
difference)
,SIG(強イオンギャップ; strong ion gap)
》
以上の所見から、この下痢子牛の病態についての推測と
1. a, b
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
して誤っているのはどれか。
1. 高蛋白血症
2. 低ナトリウムおよび低クロール血症
3. 血液濃縮と腎不全
4. 腸管内における有機酸(乳酸)の産生増加
5. 代謝性アルカローシス
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
13
問 83.馬は他の家畜と比べて特異的な繁殖生理学的特徴
問 86.農家から分娩予定日を迎えた牛が疝痛症状と不安
を有している。その説明として誤っているのはどれか。
症状を呈しているとの報を受け、現場に急行した。陣痛
1. 馬の黄体退行の機構は、子宮静脈から卵巣動脈へと
はあるが分娩が進行している気配がなく、一次破水は起
PGF2α が対向流機構によって局所移行することによっ
こった形跡があった。一側の陰唇が顕著に腫大、外子宮
て同側の卵巣に運ばれ黄体退行を促すと考えられてい
口まで手が挿入できず胎子に触れることができなかった。
る。
直腸検査で子宮頸部の硬結、子宮広間膜の異常緊張を触
2. 発情開始後 2∼3 日後に発情徴候は最盛期を迎え、2
∼4 日間持続する。
知できた。この症状および臨床検査の結果から推定され
る疾患名と第一に試みる対処法の組合せとして最も適当
3. 分娩後の発情回帰が早く、通常分娩7∼10 日目には
発情が現れる。
なのはどれか。
疾患名
4. 精巣は生後 1∼3 週間後で陰嚢に下降する。
治療法
1. 子宮捻転
立位での整復あるいは
5. 馬の受胎産物は妊娠 10∼16 日まで子宮腔内を盛んに
母体回転法
移動して妊娠認識因子を産生し、PGF2α の産生を阻止
2. 胎子失位による難産
帝王切開
している。
3. 子宮捻転
帝王切開
4. 子宮破裂
開腹による胎子摘出
5. 羊膜水腫
人工流産
問 84.卵胞の発育に関する記述の組合せとして正しいの
はどれか。
a. 卵胞の発育の初期は LH に依存するが、最終ステージ
では FSH に依存する。
問 87.性の分化に関する記述の組合せとして正しいのは
どれか。
b. LH は FSH により発育を開始した卵胞に作用して、
卵胞をさらに発育・成熟させる。
a. 性染色体構成が XY の場合には、Y 染色体上の性決定
領域の存在により卵巣の発生(雌への分化)が始まる。
c. 1 つの発情周期の間に 1 回の卵胞波が出現して主席卵
胞が排卵に至る。
b. 胎子精巣のセルトリ細胞から分泌されるテストステロ
ンが中腎管の精細管、精巣上体、精管への分化を誘起
d. 排卵に必要な LH サージは、卵胞発育に伴うエストロ
ジェン濃度の上昇によって誘起される。
する。
c. 胎齢早期では両性の外生殖器は全く同じで、どちらの
e. 主席卵胞から分泌されるインヒビンは、他の中小卵胞
の発育を抑制する。
性へも分化できる能力を持っている。
d. 胎子期にテストステロンの影響を受けた雄の脳では、
雌のパターンを支配する中枢が消失する。
1. a, b, c
2. a, c, e
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
e. 間質細胞から分泌される中腎傍管抑制物質が中腎傍管
の退行を誘起する。
問 85.乳牛の各泌乳サイクルの生理的状態に関する記述
1. a, b
の組合せとして一般的なのはどれか。
2. a, e
a. 泌乳初期(分娩直後)には、泌乳量が増大するに伴い
乾物摂取量も増加するので BCS は維持される。
b. 泌乳中期には、乾物摂取量が回復しエネルギーバラン
スが正に転じるので BCS は回復する。
c. 泌乳後期には、泌乳量が低下するにも拘らず乾物摂取
量の低下割合が小さいので BCS は増加気味になる。
d. 乾乳期には、胎子の成長に伴い子宮が第一胃を圧迫す
るために乾物摂取量が低下するので BCS は低下する。
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
3. b, c
4. c, d
5. d, e
14
問 88.放射線障害に関する記述の組合せとして正しいの
問 90.放射線の診断や治療に関する記述の組合せとして
はどれか。
正しいのはどれか。
a. 放射線による障害は主に直接的および間接的な DNA
a. X 線 CT 検査では、1回の検査で動物が被ばくする線
量は単純 X 線撮影に比べて大きいことが多い。
障害により引き起こされる。
b. 胎児期に放射線を被ばくすると奇形を生じることがあ
るが、この放射線による影響は確率的影響に分類され
b. 単純 X 線撮影でブレンデ(グリッド)は、主に厚い部
位を撮影する場合に用いられる。
c. X 線検査において X 線管の管電圧を上げると、より透
る。
c. 放射線の確定的影響のしきい線量を超えて被ばくし
た場合、発癌の確率が急激に高くなる。
過性の強い X 線が発生する。
d. 体表の腫瘍に対する放射線治療では電子線が用いられ
d. 同じ吸収線量(Gy)を被ばくした場合、一般に X 線
ることがある。
よりもα線による被ばくの方が重大な障害を生じやす
い。
e. 放射線障害の防止上、法令により定められた線量限度
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
未満の被ばくでも発癌の確率は増加すると考える。
問 91.免疫に関する記述の組合せとして正しいのはどれ
1. a, b, c
2. a, c, e
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
か。
a. 腫瘍免疫には細胞傷害性T細胞やナチュラルキラー
問 89.放射線防護に関する記述の組合せとして正しいの
はどれか。
細胞などが働く。
b. 犬糸状虫感染における糸球体腎炎は、Ⅲ型アレルギー
a. あるγ線源からの線量当量率が 1.6mSv/時間であると
き、100 μSv/時間に減らすために必要な鉛の厚さは
4.0cm である(ただしこのγ線源に対する半価層を 1.0
cm とする)
。
である。
c. ツベルクリン反応は、感作された T 細胞によるⅣ型ア
レルギーである。
d. 犬の天疱瘡は、I 型アレルギーである。
b. 数 MeV 程度の髙エネルギーの X 線やγ線を遮蔽する
場合、1cm 程度のアクリル板を用いた遮蔽が有効であ
e. 狂犬病ワクチンによる脱髄性脳炎は、Ⅲ型アレルギー
により起こる。
る。
c. 放射性核種から放出されるα線の遮蔽は、ゴム手袋で
1. a, b, c
2. a, c, e
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
十分である。
d. 0.14MeV のγ線を放出するテクネシウム 99mTc の半減
問 92.補体に関する記述の組合せとして正しいのはどれ
期はおよそ6時間である。12 時間後このテクネシウム
か。
から放出されるγ線のエネルギーはおよそ 0.035MeV
a. 抗原抗体複合体に結合することがある。
である。
b. グラム陰性菌のリポ多糖類(LPS)に接触すると、別
e. 診断用 X 線撮影室から X 線漏洩検査を実施する場合、
測定器として電離箱を用いることができる。
経路が活性化し、アナフィラキシーを発現する。
c. 補体成分は食細胞の受容体に結合して貪食作用を促す。
d. 補体活性化経路にはレクチン経路があり、抗体存在下
1. a, b, c
2. a, c, e
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
で活性化される。
e. 感染時にのみ血液中に出現する蛋白質である。
1. a, b, c
2. a, c, e
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
15
問 93.血清診断のために発症期と発症後 2∼4 週目の回
問 96.大腸バランチジウムに関する記述の組合せとして
復期に血清を採取し、ペアー血清で血清診断を行った。
正しいのはどれか。
陽性と判定する個体はどれか。
a. 栄養型の体表は鞭毛でおおわれている。
b. 大核と小核を有する。
c. 感染はオーシストの経口摂取によって成立する。
抗体価
個体
発症期
d. まれに大腸粘膜に侵入し病原性を発揮する。
回復期
e. 豚だけでなく、ヒト、猿、犬にも感染性がある。
32
64
b
32
32
c
32
<2
d
<2
a
1. a, b, c
2. a, c, e
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
問 97.疾患、病原体およびベクターの組合せとして正し
32
いのはどれか。
疾患
病原体
ベクター
1. オウム病
Bartonella henselae
ノミ
2. ペスト
Yersinia pestis
シラミ
3. Q熱
Chlamydia psittaci
カ
問 94.家畜伝染病予防法により診断あるいは検案した獣
4. 牛肺疫
Anaplasma marginale
ダニ
医師が届出ることが義務付けられている家畜伝染病とそ
5. ライム病
Borrelia burugdorferi
ダニ
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
の対象動物の組合せとして正しいのはどれか。
伝染病
動物
問 98.わが国で用いられている免疫診断法と摘発・淘汰
a. 豚コレラ
豚、イノシシ
の対象となる牛の疾患の組合せとして正しいのはどれか。
b. サルモネラ感染症
ネズミ、サル
c. 狂犬病
犬、猫、キツネ
a. ELISA
ヨーネ病
d. ヨーネ病
牛、めん羊、山羊
b. 赤血球凝集抑制反応
牛肺疫
e. 高病原性鶏インフルエンザ
鶏、アヒル、ウズラ
c. ゲル内沈降反応
牛白血病
d. ツベルクリン反応
口蹄疫
e. 補体結合反応
ブルセラ病
1. a, b, c
2. a, c, e
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
問 95.コクシジウムの成熟オーシスト 1 個中に形成され
免疫診断法
1. a, b, c
2. a, c, e
疾患
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
る総スポロシスト数と総スポロゾイト数の組合せとして
正しいのはどれか。
問 99.家畜伝染病予防法に規定されている届出伝染病の
コクシジウム 総スポロシスト数 総スポロゾイト数
組合せとして正しいのはどれか。
a. Eimeria 属
4
8
a. 気腫疽
b. Isospora 属
4
4
b. リフトバレー熱
c. Cryptosporidium 属
2
4
c. 類鼻疽
d. Toxoplasma 属
2
8
d. 豚水疱病
e. Sarcosystis 属
2
8
e. 馬モルビリウイルス肺炎
5. b, d, e
1. a, b, c
1. a, b, c
2. a, c, e
3. a, d, e
4. b, c, d
2. a, c, e
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
16
問 100.細菌、リケッチア、クラミジアとウイルスの各性
問103.次の記述の組合せとして正しいのはどれか。
状に関する記述の組合せとして正しいのはどれか。
a. タンパク質は常に分解と合成が行われており、動的平
細菌
リケッチア
a. 核酸 DNA および DNA または
RNA
b. 分裂 2分裂
RNA
2分裂
クラミジア
ウイルス
DNA および DNA または
RNA
RNA
新たに合成 新たに合成
c. 細胞
内寄
b. アルブミンは血漿タンパク質の10∼20%を占めている。
c. ヘムは、広義にはポルフィリンと鉄(Fe)、狭義には
二価鉄(Fe2+)との錯体である。
d. ヘムは造血細胞や肝細胞でグルタミン酸とスクシニル
通性
偏性
偏性
偏性
生性
CoAを出発材料として合成される。
e.ヘムはヘムオキシゲナーゼにより分解されて、ビリベ
d. 抗生
物質
衡にある。
ルジンと一酸化炭素が生成する。
あり
あり
あり
感受性
なし
(一部を除く)
e.ベクターなし
あり
なし
1. a, b, c
2. a, c, e
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
あり
またはなし
問104.ビタミンに関する説明として誤っているのはどれ
か。
1. a, b
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
1. ビタミンB12の吸収には胃から分泌される内因子が必
要である。
問 101.ダニが媒介するアルボウイルス感染症の組合せと
2. 葉酸が欠乏すると壊血病となる。
して正しいのはどれか。
3. パントテン酸はコエンザイムAの構成成分である。
a. ロシア春夏脳炎
4. ビタミンC(アスコルビン酸)はコラーゲンの合成に
b. 跳躍病
関与している。
c. キャサヌール森林熱
5. ビオチンは二酸化炭素を固定化するピルビン酸カルボ
d. ウエストナイル熱
キシラーゼなどの補酵素である。
e. デング熱
問105.次のビタミンのうち摂取過剰が有害な物の組合せ
1. a, b, c
2. a, c, e
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
として正しいのはどれか。
a. ビタミンA
問102.代謝に関する記述として誤っているのはどれか。
b. ビオチン
1. アミノ酸の異化反応において各アミノ酸の窒素は主に
c. 葉酸
アミノ基転移反応によりアスパラギン酸やアラニンに
d. パントテン酸
集積する。
e. ビタミンD
2. アミノ基転移酵素の主要なものはアスパラギン酸アミ
ノ転移酵素とアラニンアミノ転移酵素で、ピリドキサー
1. a, b
2. a, e
ルリン酸を補酵素とする臨床診断上、大事な指標酵素で
ある。
3. 尿素回路は5つの酵素が直接触媒し、2分子のアミノ酸
由来の窒素をATPの消費のもとに尿素に変換する。
4. 尿素回路の反応は、肝臓のミトコンドリアと細胞質で
行われる。
5. 尿素回路のカルバモイルリン酸合成酵素 I は、ミトコ
ンドリアに局在している。
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
3. b, c
4. c, d
5. d, e
17
問106.内分泌に関する記述として正しいのはどれか。
問109.物質の化学構造に関する記述として正しいのはど
a. インスリンは肝細胞、筋肉細胞、脂肪細胞などに作用
れか。
して、グリコーゲン分解や糖新生を促進して血糖値を上
げる。
a. DリボースとD2デオキシリボースは、いずれも5
炭糖で核酸の構成成分である。
b. インスリンとグルカゴンは拮抗的に作用し、それぞれ
血糖値の上昇と低下に作用する。
b. ヒアルロン酸、へパリン、コンドロイチン硫酸は一般
にムコ多糖類とよばれ全て窒素を含む。
c. 甲状腺ホルモン(T3、T4)は、殆どの組織の代謝賦活
し、基礎代謝率をコントロールしている。
c. マルトース、スクロース、ラクトースは、グルコース
にそれぞれグルコース、ガラクトース、マンノースが結
d. アルドステロンの生産、分泌にはレニン−アンギオテ
合した二糖類である。
d. デンプンやグリコーゲンは、グルコースがα1,4結
ンシン系が関与している。
e. 副甲状腺から分泌されるパラトルモン(PTH)は、血
合および、β1,4結合した高分子化合物である。
清カルシウム濃度を低下させる作用を持つ。
1. a, b
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
3. b, c のみ
問107.
DNAとRNAに関する説明として誤っているのはど
問 110.代謝に関する記述として正しいのはどれか。
れか。
a. 嫌気的条件では電子伝達系が働かないため、グルコー
1. アデニン、グアニン等をプリン塩基、シトシン、ウラ
シル、チミン等をピリンジン塩基と呼ぶ。
2. DNAを構成する4塩基が、アデニン、グアニン、シト
シン、チミンであるのに対して、RNAはアデニン、グ
アニン、シトシン、ウラシルである。
3. RNAには伝令RNA(mRNA)、転移RNA(tRNA)、
リボソームRNA(rRNA)がある。
スから ATP は全く合成されない。
b. 筋肉細胞に貯蔵されたグリコーゲンの大半は、血中グ
ルコースの供給源となる。
c. 主としてATPを産生する経路は、クエン酸回路(TCA
回路)ではなく解糖系である。
d. 肝臓と筋肉間のグルコース・アラニン回路は血糖値維
持に重要な役割を果たす。
4. DNA上の遺伝情報はRNA ヘ転写された後、RNAの翻
訳により蛋白質が合成されて初めて表現型を示す。
5. DNA はデオキシリボースの 1’位と 5’位との間で O-
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
グルコシド結合により鎖状に延びている。
問111.コレステロールに関する記述として正しいのはど
問108.細胞に関する記述として正しいのはどれか。
れか。
a. 生体膜中の多価不飽和脂肪酸量が多くなると、膜の流
a. コレステロールは、肝臓でアセチルCoAから合成され
動性は増す。
る。
b. 生体膜への浸透は、水溶性物質よりも脂溶性物質の方
が容易に起こる。
b. コレステロールの生合成の律速酵素は、リポキシゲナ
ーゼである。
c. 核小体ではリボゾームRNAが合成され細胞質に輸送さ
れる。
c. 生体内のコレステロールから胆汁酸やステロイドホル
モンが合成される。
d. 細胞膜に存在するイオンチャネルは膜蛋白の一種であ
る。
d. 高密度リポたんぱく質(HDL)は、コレステロールを
体内の各組織から肝臓に逆輸送する。
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
3. b, c のみ
18
問112.脂肪酸とケトン体に関する記述として適当なのはど
問 115.前出症例(問 114)は開腹手術が必要となったが、手
れか。
術に際して必要とされる処置の組合せとして適当なのはどれ
a. 脂肪酸合成の初発反応は、マロニルCoAの脱炭酸によ
か。
るアセチルCoAの生成である。
a. 輸液による水和状態と電解質の補正。
b. 脂肪酸合成は、β酸化を逆行する反応である。
b. 抗生物質の術前および術後に亘る投与。
c. 飽和脂肪酸を不飽和化する代謝経路は、動物細胞内に存
c. 腸管切除し腸管吻合を行う際には腸管粘膜結合組織を
在しない。
含んではならない。
d. ケトン体は主に肝臓で生成され、筋肉組織等でエネル
ギー源として利用される。
d. 消化管手術は腹腔内で行わなくてはならない。
e. 閉腹の際には抜気が必要である。
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
1. a, b
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
問 116.雑種犬、8歳、雌。最近元気食欲がなく、体重が減少
問 113.アポトーシスに関する記述として適当なのはどれ
してきたとのことで来院した。身体検査の結果、重度の黄疸が
か。
認められた。最も疑われる疾患はどれか。
a. ミトコンドリア膜から細胞質へのチトクローム c 放出
a. 肝臓腫瘍
は、アポトーシスを誘導する。
b. 膵炎
b. アポトーシスを起こした細胞がマクロファージに取り
c. 肝硬変
込まれると、炎症性サイトカインの放出が起こり局所
d. 胆管炎
に炎症が起こる。
c. アポトーシスを起こした細胞は、核の凝縮と断片化が
認められる。
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
d. アポトーシスは、正常の発生過程に必須な生命現象で
ある。
問 117.検査の結果、肝外胆管閉塞が強く疑われた。診断を
下す際に必要とされる検査の組合せとして適当なのはどれ
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
か。
a. ALP、GGT 等の肝酵素
b. 凝固系検査
問 114.雑種犬、8歳、雌。2日前より元気食欲がなく、嘔吐が
c. 腹部超音波検査
続く。嘔吐は日に67回みられる。軽度の腹部膨満が認めら
d. 試験開腹
れる。血液検査ではヘマトクリット、血清総蛋白質濃度の上昇、
白血球数の増加および好中球の左方移動、低カリウム血症、
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
低クロル血症が認められた。また、腹部触診にて軟弾性の直
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
径3センチ大の腫瘤が触知された。最も疑われる疾患はどれ
か。
問 118.肝外胆管閉塞が強く疑われ外科的処置が必要と判
a. 腸内異物
断し、手術を行うこととなった。手術に際して必要と考えられる
b. 腸重責症
処置の組合せとして適当なのはどれか。
c. 腫瘍
a. 全身の水和状態を改善するために輸液を行う
d. 腸捻転
b. ビタミン K の投与
c. 抗生物質の投与
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
d. 血栓の形成を予防するためのヘパリンの投与
e. ビタミンDの投与
1. a, b, c
2. a, c, e
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
19
問 119.副腎を切除する際に必要とされる処置の組合せとし
問 122.心肺停止状態で運び込まれた犬に対する聴診で心
て正しいのはどれか。
音は聴取されず、また脈拍も触知されなかった。そこで以下
a. ヘパリンの投与
の処置を順に行った。処置の順序として最も適当なのはどれ
b. 術前から術後にかけてのステロイドの投与
か。
c. 電解質のモニター
a. 気道確保のための気管チュ−ブの挿管および人工換気
d. 大動脈の遮断
b. 胸部圧迫による心臓マッサージ
e. β遮断薬の投与
c. 心電図の評価
d. 血管を確保し強心剤の投与および輸液剤の投与(循環
1. a, b, c
2. a, c, e
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
の改善)
e. 心室細動がある場合には直流除細動
問 120.動脈管開存症と診断された犬における処置として一
般的なのはどれか。
1. a→e→c→b→d
a. 標準的処置は正中開胸による動脈管の結紮である。
2. e→a→c→d→b
b. 肺静脈からの動脈管のコイル塞栓術を行う。
3. c→e→a→b→d
c. 左右短絡の場合に動脈圧を下げる治療を行ってはなら
4. a→b→c→d→e
5. d→b→c→a→e
ない。
d. 右左短絡に至った動脈管開存症を外科的に処置すべき
ではない。
問 123.雌の生殖器の先天異常の中で、常染色体劣性遺伝
により中腎傍管の部分的形成不全に起因する疾患はどれ
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
か。
1. フリーマーチン
2. 間性
問 121.第三眼瞼腺突出の説明として正しいのはどれか。
3. 子宮蓄膿症
a. 先天的に腺を眼窩周囲組織に収めるべき結合組織帯を
4. ホワイトヘッファー病
欠いている。
5. トリソミー
b. 腺の突出は第三眼瞼縁上限部に見られ、炎症および肥
大を呈する。
問 124.卵巣疾患の中で、卵巣嚢腫に分類されるものはど
c. 腺を摘出した場合には乾性角結膜炎を生じる可能性が
ある。
れか。
a. 卵胞嚢腫
d. 細菌性結膜炎の結果生じる。
b. 黄体発育不全
e. 神経性の疾患が疑われる。
c. 卵巣炎
d. 嚢腫様黄体
1. a, b, c
2. a, c, e
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
e. 黄体嚢腫
1. a, b
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
問 125.陰睾の雄犬において、精巣の腫大、腹部の左右対
称性の脱毛、乳腺の腫大、血液中エストロゲン濃度の増
加、貧血が認められた。最も疑われる疾患はどれか。
1. 間質細胞腫
2. 精上皮腫
3. セルトリ細胞腫
4. 乳腺腫瘍
5. 汎骨髄勞
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
20
問 126.雌牛の早期妊娠診断法として誤っているのはどれ
問 129.豚における初乳に関する以下の文の(
)に該
か。
当する語句の組合せとして適当なのはどれか。
母豚の初乳には( a )が多く含まれ、これは母豚の( b )
1. ノンリターン法
2. 卵管通気検査
由来である。出生直後の新生子豚の小腸粘膜上皮細胞に
3. 頚管粘液検査法
は高分子をそのまま取り込む( c )と呼ばれる働きがあ
4. プロジェステロン注射法
り、これにより( a )は分解されることなく( d )から
5. エストロジェン注射法
吸収され、その後、静脈血に移行する。これにより新生
子豚は( e )感染症から守られる。一方、
( c )には( f )
問 127.家畜伝染病予防法で豚の法定伝染病の組合せとし
がないために、大腸菌も取り込まれる。このため初乳の
て正しいのはどれか。
摂取が遅れると、早発性大腸菌症も起こる。
1. 豚コレラ、口蹄疫、狂犬病、ブルセラ病、豚水胞病
2. 豚コレラ、レプトスピラ病、オーエスキー病(AD)
、
a
b
c
d
1. IgA 乳腺 ピノサイトーシス
e
f
毛細血管 局所 分解能
トキソプラズマ病、豚マイコプラズマ性肺炎(豚流行
2. IgA 血清 消化分解作用 毛細血管 局所 分解能
性肺炎)
3. IgG 乳腺 ピノサイトーシス
毛細血管 全身 選択性
4. IgG 血清 消化分解性
リンパ管 局所 選択性
5. IgG 血清 ピノサイトーシス
リンパ管 全身 選択性
3. アフリカ豚コレラ、豚丹毒、水胞性口炎、牛疫、伝染
性胃腸炎(TGE)
4. 豚流行性下痢、ニパウイルス感染症、出血性敗血症、
流行性脳炎(豚の日本脳炎)
、トキソプラズマ病
5. 豚コレラ、牛疫、出血性敗血症、口蹄疫、豚インフル
エンザ
問 130.豚におけるストレスに関する以下の文の(
)
に該当する語句の組合せとして適当なのはどれか。
豚では、離乳や新たな群編成などが、ストレッサーと
なり、神経・内分泌・免疫系が変化する。すなわち、
( a)
問 128.母豚の死流産の原因となる代表的な伝染病として
―下垂体−( b )軸が活性化され、
( b )からコルチゾ
見なされないのはどれか。
ールが分泌され血中濃度が高まる。このとき末梢血では、
1. 流行性脳炎(豚の日本脳炎)
白血球数が増加する。好中球数は( c )し単球数とリン
2. パルボウイルス感染症
パ球数は( d )する。好中球と単球の貪食機能、また、
3. ゲタウイルス感染症
リンパ球の機能も低下する。リンパ球機能は一般にリン
4. 豚萎縮性鼻炎
パ球( e )反応により検査される。以上の結果、ストレ
5. オーエスキー病(AD)
ス状態になった豚の免疫機能は低下し、病原微生物の感
染を受け易くなり発病する。これを( f )感染症という。
a
b
c
d
e
f
1. 視床下部 副腎皮質 減少 増加 幼若化 自然
2. 視床下部 副腎皮質 増加 減少 幼若化 自発性
(日和見)
3. 松果体
副腎髄質 増加 減少 幼若化 自発性
(日和見)
4. 松果体
副腎皮質 減少 増加 遊走
5. 視床下部 副腎髄質 増加 減少 遊走
自然
自発性
(日和見)
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
21
問 131.一般的に、法令に基づく行政指示に対して不利益
問 133.と畜場法に「と畜場以外の場所において、食用に
を被る当該者は行政不服審査法による不服申立てができ
供する目的で獣畜をと殺してはならない」とされ、その
るが、家畜伝染病予防法に基づく行政指示に対しては不
例外規定が定められているが、その組合せとして正しい
服申立てに制限が設けられている。家畜伝染病発生時に
のはどれか。
出された行政指示に対して家畜の所有者(または管理者)
a. 都道府県知事に届け出て、家畜の飼養者及びその同居
が不服申立てできない事項の組合せとして正しいのはど
者の食用に供する目的で、獣畜(生後一年以上の牛及
れか。
び馬を除く)をと殺する場合
a. 移動制限等の隔離の義務
b. 都道府県知事に届け出て、食肉販売業者が雇用者の食
b. 患畜をと殺する義務
用に供する目的で、獣畜(生後一年以上の牛及び馬を
c. 死体の焼却等の義務
除く)をと殺する場合
d. 畜舎等の消毒の義務
c. 獣畜が不慮の災害により、負傷し、又は救うことがで
きない状態に陥り、直ちにと殺することが必要である
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
場合
d. 獣畜が難産、産褥麻痺又は急性鼓張症その他厚生労働
省令で定める疾病にかかり、直ちにと殺することが必
問 132.家畜伝染病予防法において、伝染病のまん延を防
要である場合
止するため都道府県知事は家畜の所有者に期限を定めて
当該家畜を殺すべき旨を命ずることができるとされてい
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
るが、それに該当する伝染病の組合せとして正しいのは
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
どれか。
1. 流行性脳炎、結核病、出血性敗血症
問 134.と畜場法において定められた獣畜のと殺又は解体
2. 炭疽、豚コレラ、マレック病
の検査に関して、「都道府県知事及び厚生労働大臣が行
3. 伝達性海綿状脳症、トキソプラズマ病、家きんコレラ
う検査の結果については、行政不服審査法による不服申
4. イバラキ病、豚水胞病、高病原性鳥インフルエンザ
立てをすることができない」とされているが、それに該
5. 狂犬病、レプトスピラ症、ニユーカツスル病
当する項目はどれか。
a. 検査を経た獣畜以外の獣畜をとさつしてはならない。
b. 検査を経た獣畜以外の獣畜を解体してはならない。
c. 検査を経た後でなければ、と畜場外に持ち出してはな
らない。
d. 政令で定める疾病の有無についての検査は、都道府県
知事及び厚生労働大臣が行う。
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
問 135.狂犬病予防法によって輸入検疫が義務付けられて
いる動物種はどれか。
1. 犬、猫、あらいぐま、スカンク
2. 犬、猫、あらいぐま、きつね
3. 犬、猫、きつね、スカンク
4. 犬、猫、あらいぐま、きつね、スカンク
5. 犬、猫、あらいぐま、きつね、コウモリ
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
22
問 136.獣医師法において「獣医師でなければ、飼育動物
問 139.
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に
の診療を業務としてはならない」と定められているが、
関する法律」において獣医師の届出について規定されて
法でいう飼育動物には法で定めるものと政令で定めるオ
いるが、対象疾病と対象動物の組合せとして誤っている
ウム科、カエデチョウ科、アトリ科とがあるが、前者の
のはどれか。
動物種の組合せとして正しいのはどれか。
1. エボラ出血熱、マールブルグ病、細菌性赤痢、結核:
1. 牛、馬、めん羊、山羊、豚、鶏、うずら、養殖魚、犬、
猫
サル
2. ペスト:プレーリードッグ
2. 牛、馬、めん羊、山羊、豚、鶏、うずら、犬、猫
3. 牛、馬、めん羊、山羊、豚、イノシシ、鶏、うずら、
犬、猫
3. 重症急性呼吸器症候群:イタチアナグマ、タヌキ及び
ハクビシン
4. ウエストナイル熱:鳥類に属する動物
4. 牛、馬、めん羊、山羊、豚、兎、鶏、うずら、犬、猫
5. エキノコックス症:猫
5. 牛、馬、めん羊、山羊、豚、鶏、ダチョウ、うずら、
犬、猫
問 140.「水道法」に基づく水質基準の記述として誤って
いるのはどれか。
問 137.「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に
関する法律」において「一類感染症」とされているもの
1. 一般細菌: 1mL の検水で形成される集落数が 100 以
下であること
はどれか。
2. 大腸菌群:検出されないこと
1. エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、ペスト、
3. カドミウム及びその化合物:カドミウム量として
0.01mg/L 以下であること
マールブルグ病、ラッサ熱
2. エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、ペスト、
マールブルグ病、ラッサ熱、E型肝炎
3. エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、ペスト、
マールブルグ病、ラッサ熱、痘そう、南米出血熱
4. 水銀及びその化合物:水銀量として 0.0005mg/L 以下
であること
5. ヒ素及びその化合物:ヒ素量として 0.01mg/L 以下で
あること
4. エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、ペスト、
マールブルグ病、ラッサ熱、コレラ
問 141.検疫に関する記述として誤っているのはどれか。
5. エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、ペスト、
マールブルグ病、ラッサ熱、後天性免疫不全症候群
1. 国際法において検疫対象となる伝染病は、コレラ、ペ
スト、黄熱の 3 種であり、天然痘は 1980 年の撲滅宣言
に伴い削除された。
問 138.「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に
2. 国際法において直ちに WHO に報告すべき疾病は、天
関する法律」において特定地域から発送または経由した
然痘、急性灰白髄炎(野生型ポリオウイルスに限る)、
動物の輸入禁止が定められているが、それに含まれるも
新型ウイルスによるヒトインフルエンザ、重症急性呼
のはどれか。
吸器症候群(SARS)である。
3. 国際法において情況次第で WHO に報告すべき疾病は、
a. イタチアナグマ
b. コウモリ
コレラ、肺ペスト、黄熱、ウイルス性出血熱(エボ
c. プレーリードッグ
ラ、ラッサ、マールブルグ)、ウエストナイル熱、そ
d. ヤワゲネズミ(マストミス)
の他の特殊な地方病(デング熱、リフトバレー熱など)
である。
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
4. 「国際保健規則」が世界保健会議により改定され、そ
れに伴って日本の「検疫法」も改定された。
5. 日本が検疫対象としている伝染病は、「感染症の予防
及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に規定
する一類感染症と A 型インフルエンザ(H5N1 に限る)
である。
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
23
問 142.ノロウイルス感染症についての記述として正しい
問 145.人口動態や疾病統計に使われる用語の説明として
のはどれか。
正しいのはどれか。
a. 小型球形ウイルス(SRSV)等とともに夏場に多発す
a. 従属人口指数とは、年少人口と老年人口の和を生産年
る食中毒である。
齢人口で割った百分率である。
b. 伴侶動物や野生動物に感染して糞便中に排泄される。
c. 不顕性感染はないので、有症者の衛生管理を徹底する
ことで防げる。
b. 総再生産率とは、1 人の女子がその年次の年齢別出生
率で一生の間に生む平均女児数を表す。
c. 罹患率とは、特定の期間内に集団に新たに生じた疾病
d. 糞便や吐物中にウイルスが排出され、保育園や福祉施
設等で二次感染を起こし易い。
の症例数を割合として示すもので、すでに免疫のある
人は母集団から除外される。
e. 原因食品としは生カキ事故が多い。
d. 年齢調整死亡率とは、観察集団の年齢階級の死亡率を
基に基準人口における死亡率を計算したものである。
1. a, b
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
問 143.狂犬病についての記述として誤っているのはどれ
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
か。
1. 狂犬病は 4 類感染症全数把握疾患に定められている。
問 146.飲用水の衛生管理に関する記述として正しいのは
2. 感染はアジア、アフリカではイヌ、南米では吸血コウ
どれか。
モリによる例が多い。
a. クリプトスポリジウムは通常の塩素消毒では殺滅でき
3. 北米と欧州ではアライグマ、スカンク、キツネ、コウ
モリ等での流行がある。
ず、砂ろ過が行われていない簡易浄水を介した流行が
発生している。
4. 狂犬病予防法の施行により日本国内では 1975 年を最
期に犬の感染例はなくなった。
b. 塩素消毒によって発癌物質であるトリハロメタンが生
成することから、経口伝染病がなくなった現在、世界
5. 2000 年からイヌに加えて、ネコ、アライグマ、キツ
ネ、スカンクが検疫対象に加わり、2003 年からコウ
モリが輸入禁止とされた。
各国では塩素消毒を取りやめている。
c. 世界の大半の国において、コレラや赤痢等の経口伝染
病よりも環境汚染物質による健康障害が増えている。
d. 水道配管工事で断水があった後しばらくの間は、汚水
問 144.腎症候性出血熱の記述として誤っているのはどれ
か。
が含まれている危険性がある。
e. 特定時間帯に大量に使用する施設は、水道本管が陰圧
1. 流行性出血熱(中国)、韓国型出血熱(朝鮮半島)、
流行性腎症(スカンジナビア地方)、出血性腎症腎炎
とならないために、受水槽と高置水槽を設置しなけれ
ばならない。
(ウクライナ地方)等の風土病を総称した病名である。
2. ネズミの唾液や尿に排泄されたウイルスが塵埃ととも
1. a, b, c
2. a, c, e
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
に経気道感染する例が多いが、咬傷や創傷感染もあ
る。
問 147.泌尿器系疾患の記述として正しいのはどれか。
3. 我が国では動物実験施設での感染が発生し、作業員の
塵埃感染とともに注射針の誤操作による実験者の感染
も発生したことがある。
るため扁平上皮癌の発生が多い。
2. 腎疾患のない猫でも組織検査では近位曲尿細管上皮に
4. 原因ウイルス(Hantavirus)は 1970 年代後半になっ
て、韓国においてセスジアカネズミから検出・分離さ
れた。
脂肪小滴が多く観察される。
3. 腎性貧血は主に糸球体で合成されるエリスロポイエチ
ンの放出が減少して起こる。
5. 全数把握の対象となる 4 類感染症に分類されており、
流行地に入る際や患者と接触する際には予防接種を受
ける必要がある。
1. 犬と猫の正常な膀胱の粘膜は重層扁平上皮で構成され
4. 牛の腎臓は腎盂(腎盤)が広く,そのため牛では腎盂
腎炎の発生が多い。
5. periodic acid Schiff 染色はレプトスピラ症の組織学的
検査として特異性が高い。
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
24
問 148.昨年末、iPS 細胞(人工分化万能幹細胞)が京都
問 150.近年、世界的に乳牛の分娩後の受胎率が低下して
大学の山中教授らによって確立され、再生医療の進展に
いると言われています。これに関する記述の組合せとし
寄与すると期待されている。iPS 細胞の説明として適当
て適当なのはどれか。
でないのはどれか。
a. 人工授精技術の低下が主な原因と考えられている。
1. iPS 細胞は体細胞(線維芽細胞)に特定の遺伝子を導
b. 乳牛の高能力化が影響していると考えられている。
入することによって作り出された。
c. 発情持続時間の短縮化、発情の微弱化が直接の原因と
2. 胚盤胞の内細胞塊由来の ES 細胞(胚性幹細胞)と同
じ能力を有すると考えられている。
考えられている。
d. 農場の大規模化も要因と考えられている。
3. 細胞が分化万能性を有するとは、生体のあらゆる組織
e. 地球環境、飼料の影響は全く考えられない。
になる能力を有することと同義である。
4. iPS 細胞は癌化することが懸念されるので、この方面
1. a, b, c
2. a, c, e
の研究が重要である。
5. 胚を経ずに分化万能細胞が得られるので、倫理的問題
がクリアされる。
問 149.牛の栄養管理に関する以下の文の(
)に該当
する語句の組合せとして適当なのはどれか。
牛は第一胃という醗酵槽を持っており、その機能を正
常に保つことが牛の健康につながる。牛への給餌でまず
満たすべき要件は( a )であり、成育状態、体重、乳量
等に応じて変更する必要がある。その量を知るには例え
ば( b )などを参考にする。自給粗飼料の場合、飼料成
分表のブックデータと実際の値が大きく異なることがあ
るので、適宜( c )をする必要がある。併せて、BCS
チェックにより給餌量を増減する。日々、
( d)
、残飼量、
糞性状等のチェックも欠かさず行うことが疾病の早期発
見につながることを心得るべきである。
a
b
c
d
1. 窒素摂取量 日本飼養標準 血液分析 発情
2. 乾物摂取量 畜産大辞典
飼料分析 発情
3. 乾物摂取量 日本飼養標準 血液分析 食いつき
4. 窒素摂取量 畜産大辞典
飼料分析 食いつき
5. 乾物摂取量 日本飼養標準 飼料分析 食いつき
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
25
実地問題
問 5.若齢牛が元気消失、40℃前後の発熱、食欲減退、
問 1.写真 1 は脱毛と掻痒感があった犬(シー・ズー)
・
鼻汁漏出および発咳を呈した。その後、四肢麻痺、痙攣
8 歳齢の後肢皮膚の組織像である。最も疑われる疾患はど
を示し起立不能および昏睡状態に陥り、発症から 24 時間
れか。
以内に死亡した。剖検したところ、大脳に写真 5 に示す
1. 皮膚真菌症
ような化膿性病変を認めた。最も疑われる疾患はどれか。
2. 皮膚乳頭腫
1. レプトスピラ症
3. トリヒナ症
2. ブルセラ症
4. 毛包虫症
3. リステリア症
5. アレルギー性皮膚炎
4. ヘモフィルス・ソムナス感染症
5. 牛カンピロバクター症
問 2.写真 2 は削痩および呼吸困難がみられた育成豚のリ
ンパ節の組織像である。最も疑われる疾患はどれか。
問 6.写真 6 はラブラドールレトリーバーの腰部のX線像
1. 豚コレラ
である。読影として正しいのはどれか。
2. 豚丹毒
1. 股関節異形成がみられるが、変形性関節症は画像上み
3. 離乳後多臓器性発育不良症候群(PMWS)
られない。
4. 豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)
2. おそらく股関節異形成に伴うであろう変形性関節症
5. 豚抗酸菌症
がみられる。
3. 骨の腫瘍と思われる像がみられる。
問 3.
写真 3 は重度な下痢がみられた牛(ホルスタイン種・雌・
4. 股関節が両側とも脱臼している。
4 歳齢)のわらじ状に肥厚した空回腸における粘膜固有層の
5. 特に異常はみられない。
組織像である。なお、チール・ネルゼン染色では短桿状の細
菌が多数認められた。最も疑われる疾患はどれか。
問 7.写真 7 は犬の頸部の X 線ラテラル像である。読影
1. 牛ウイルス性下痢・粘膜病
として正しいのはどれか。
2. 牛コロナウイルス腸炎
1. C2-C3 の椎間板ヘルニアが疑われる。
3. 出血性壊死性腸炎
2. 環椎軸椎間の脱臼または亜脱臼が疑われる。
4. 悪性カタル熱
3. 環椎に骨吸収像がみられ腫瘍が疑われる。
5. ヨーネ病
4. C6 の椎体の骨腫瘍が疑われる。
5. 咽頭部に腫瘤状陰影がみられる。
問 4.ある酪農家で一部の牛に流涎、鼻汁の多量排泄が認
められた。次いで食欲不振とともに、下顎に写真 4 のよ
問 8.写真 8 は犬の心臓を右肋間からアプローチした短軸
うな腫瘤が発現した。発生群には発生の約 1 ヶ月前から
の M モード超音波画像である。所見として正しいのはど
輸入乾草が給与されており、乾草中には大豆大の尖鋭な
れか。
“のぎ”を有する種子が多量に含まれていた。疑われる
1. 心室の収縮率が著しく低下しており拡張型心筋症が
疾患の組合せとして正しいのはどれか。
疑われる。
a. イバラキ病
2. 心嚢への液体貯留がみられる。
b. 口蹄疫
3. 僧帽弁の閉鎖不全に起因すると思われる著しい鬱血
c. 出血性敗血症
が疑われる。
d. 牛のアクチノバチルス症
4. 三尖弁閉鎖不全による胸水貯留が疑われる。
e. 放線菌症
5. 心室中隔欠損が疑われる。
1. a, b
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
26
問 9.ミツバチが巣内で大量死した。死亡したミツバチを
問 2.分離した菌の性状の記述として正しいのはどれか。
剖検すると写真 9 に示す虫体が多数寄生しているのが認
a. CAMP 陽性
められた。この虫体として正しいのはどれか。
b. グラム陽性菌
1. クロバエの幼
c. グラム陰性菌
2. サルコシスト
d. 有効なワクチンがある
3. ミツバチヘギイタダニ
e. ゲル内沈降反応による検査が有効
4. アカリンダニ
5. 疥癬
1. a, b
問 10.写真 10 は、発情した雌牛に人工授精をしてから 7
課題 2.次の文を読み、問 3,4 に答えよ
日目の子宮内灌流によって回収された胚を示している
(直径約 110 μm)
。この胚の説明として正しいのはどれ
か。
1. 未受精で卵割していないが、借り腹牛の子宮へ移植可
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
妊娠 8 ヶ月の馬が前駆症状なしに流産を起こしたが、
その後の母馬に異常は認められなかった。流産した子馬
〔写真 13〕には、胸水や腹水の貯留、肺の水腫と点状出
血,肝臓の充血腫大と白色または黄色の壊死斑。細気管
能な胚である。
2. 未受精で卵割していないが、体外受精をすることで借
り腹牛の子宮へ移植可能な胚に発育する。
3. 8 細胞期胚で、借り腹牛の子宮へ移植可能な胚である。
4. 桑実胚で、借り腹牛の子宮へ移植可能な胚である。
5. 拡張胚盤胞期胚で、借り腹牛の子宮へ移植可能な胚で
支上皮細胞には封入体形成が認められた〔写真 14〕
。
問 3. 最も疑われる疾患はどれか。
1. 馬インフルエンザ
2. 馬パラチフス
3. 腺疫
4. 馬鼻肺炎
ある。
5. ウマウイルス性動脈炎
問 11.写真 11 は牛の難産時に使用する産科機器の一つ
問 4.原因病原体の特徴の記述として正しいのはどれか。
(約 20cm)であるが、その名称として正しいのはどれか。
a. 潜伏感染する。
1. ハムルス眼鈎
b. 慢性感染する。
2. 短産科鈎
c. グラム陽性菌
3. 中型産科鈎
d. グラム陰性菌
4. ショットラー複鈎
e. 有効なワクチンが存在しない
5. キューン産科挺
1. a, b
2. a, e
課題 1.次の文を読み、問 1,2 に答えよ。
馬、サラブレット、雄、38.5∼40.0℃の発熱,発咳,
聴診では乾性の粗励音が認められた。横臥姿勢と呼吸困
難もみられた。病理学的には、化膿性気管支肺炎。急性
例では赤色肝変化巣に微小膿瘍,慢性例では小豆大から
鶏卵大の様々の多発性膿瘍が認められた。写真 12 は、剖
検時の肺の病変である。
問 1.疑われる原因菌として正しいのはどれか。
1. Rhodococcus equi
2. Salmonella Abortusequi
3. Taylorella equigenitalis
4. Burkholideria mallei
5. Burkholideria pseudomallei
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
3. b, c
4. c, d
5. d, e
27
課題 3. 次の文を読み、問 5,6 に答えよ
課題 5.次の文を読み、問 9,10,11 に答えよ。
子犬(1 か月齢)が血液状の下痢便〔写真 15〕をして
急死した乳牛があって往診した際、便が写真 17 の様に
来院した。血液検査で、極度の白血球減少が認められた。
黒色を呈していた。法定伝染病を疑って速やかに家畜保
問 5.最も疑われる疾患はどれか。
健衛生所に通知し、係員が到着後慎重に剖検したところ、
1. イヌパルボウイルス感染症
脾臓が腫大し写真 18 の様に黒色を呈していた。
2. イヌジステンパーウイルス感染症
問 9.便と脾臓の塗抹標本のグラム染色で写真 19 の所見
3. イヌコロナウイルス感染症
が得られたが、最も疑われる細菌はどれか。
4. イヌ伝染性肝炎
1. Mycobacterium bovis
5. イヌヘルペスウイルス感染症
2. Brucella abortus
問 6.原因病原体の特徴の記述(事項)として正しいのは
3. Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis
どれか。
4. Bacillus anthracis
a. 70%エタノール抵抗性である。
5. Pasteurella multocida
b. 増殖は、宿主細胞分裂周期の G 期の細胞機能に依存。
問 10.ペニシリン添加培地で培養した後、顕微鏡で観察
c. エンベロープを持っている。
したところ写真 20 のように見えた。この所見を示す検
d. 2 本鎖 DNA ウイルスである。
査の名称はどれか。
e. 最小のウイルスの一つである。
1. ファージテスト
2. アスコリーテスト
1. a, b
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
3. パールテスト
4. リングテスト
課題 4.次の文を読み、問 7,8 に答えよ。
図 1 は牛のある法定伝染病の発生率を示したものであ
5. マキアベロテスト
問 11.家畜防疫対策要綱に従った処置として誤っている
り、写真 16 は剖検時の肉眼所見である。肉眼病変として
のはどれか。
腸管粘膜のワラジ状の肥厚、腸間膜リンパ節の腫大がみ
1. 当該家畜飼養施設において生産された生乳を出荷停止
られる。組織学的には腸間粘膜や腸間膜リンパ節のマク
とした。
ロファージ内に集塊状の菌が認められる類上皮細胞肉芽
2. 患畜及び疑似患畜は殺処分とし、死体は焼却した。
腫病巣や、多核巨細胞もみられる。
3. 不用の汚染物品及び床板等の木製品並びに価値の少な
問 7.最も疑われる疾患はどれか。
い汚染物品等は焼却した。
1. 結核
4. 発生畜舎の同居牛に抗菌性物質を直ちに投与した。
2. ブルセラ病
5. 当該家畜飼養施設の全ての牛に直ちに予防接種を実施
3. ヨーネ病
した。
4. 炭疽
5. 出血性敗血症
問 8.この病気に関する説明として誤っているのはどれか。
1. グラム陰性、通性細胞内寄生菌小桿菌で菌種毎に宿主
特異性が高い。
2. 発育にはマイコバクチンと呼ばれる特別な成分を必要
とし、寒天培地上のコロニー形成には 2 ヵ月以上を要
する遅発育菌である。
3. この病気の診断には、遅延型過敏反応を利用した皮内
反応が行われる。
4. 現在、実用的なワクチンはなく、化学療法も困難であ
る。
5. 感染経路は経口感染が主であり、感染母牛から子牛へ
の感染が伝播経路として重要である。
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
28
課題 6.次の文を読み、問 12,13 に答えよ。
課題 7.次の文を読み、問 14,15 に答えよ。
放牧牛が元気消失、食欲不振、外陰部・鼻部・歯肉の
近年、エンドファイト〔内生菌、写真 22〕による牛の
出血を示し、40℃前後の高熱を出し起立不能となった。
中毒〔写真 23〕が全国各地で発生し、増加傾向にある。
血液検査では、WBC、Ht、Hb 減少が顕著であった。鎮
問 14.エンドファイトに関する記述として誤っているの
痛解熱剤、止血剤、抗生物質、補液などの処置によって
はどれか。
も回復せず、数日∼2 週間で死亡した。剖検すると主要臓
a. エンドファイトは植物に寄生する菌であり、作物生産
器に出血がみられ、膀胱の肉眼所見を写真 21 に示した。
病理組織学的所見は下表の通りであった。
にとって有害菌である。
b. エンドファイトに感染した植物は、成長が旺盛になる
病理組織所見
場合がある。
c. エンドファイトの産生する生理活性物質の中には、害
臓器
肝臓
心臓
脾臓
肺
腎臓
膀胱
小腸・大腸
中枢神経
骨髄
所見
巣状出血
島状変性壊死、細菌塊
外・内膜下出血、変性
赤脾髄出血
出血、水腫、菌栓塞
弓状動脈周囲出血
粘膜下織出血
粘膜固有層出血
輪状出血
脂肪化、骨髄細胞消失
程度
+
++
+
+
+
+
+
+
+
++
虫を殺す活性を示すものがある。
d. エンドファイトの産生する生理活性物質の中には、植
物病原体を殺す活性を示すものがある。
e. エンドファイトの産生する生理活性物質は、哺乳動物
に有害作用を示さない。
1. a, b
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
問 15.エンドファイトに関する記述として正しいのはど
問 12.飼料中毒として最も疑われる有毒植物はどれか。
れか。
1. ソテツ
a. 牛の中毒原因となっているエンドファイトは、
Neotyphodium 属の真菌が産生する。
2. わらび
b. 牛の中毒原因となっているエンドファイトは、トール
3. アセビ
フェスクという芝草に感染している菌である。
4. イチイ
c. 蹄の壊疽を起こす物質は、末端部の血行障害を起す麦
5. ユズリハ
問 13.最も疑われる原因物質はどれか。
角アルカロイドの一種エルゴバリンとされている。
d. 蹄の壊疽を起こす物質は、Asperugillus parasiticus
1. サイカシン(cycasin)
2. グラヤノトキシン(grayanotoxin)
が産生するアフラトキシンとされている。
e. 蹄の壊疽を起こす物質は、Fusarium roseum が産生
3. タキシン(taxine)
するゼアラレノンとされている。
4. プタキロシド(ptaquiloside)
5. ダフニマクリン(daphnimacrin)
1. a, b, c
2. a, c, e
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
3. a, d, e
4. b, c, d
5. b, d, e
29
課題 8.次の文を読み、問 16,17,18 に答えよ。
課題 9.次の文を読み、問 19,20 に答えよ。
写真 24 は牛伝染病の肉眼所見であり、図 2 はその伝染
1999 年に突如としてニューヨークで 62 名の患者と 7
病の日本の牛における発生状況の推移を示したものであ
名の死亡者をもたらしたウイルス性感染症は数年にして
る。
米国全土に広まり〔図 3〕
、2006 年末までに 23,975 名が
問 16.本病に関する記述として誤っているのはどれか。
罹患し 962 名が死亡した(通算致命率 4.0%)
。図 4 に示
1. 検査によって患畜とされた個体は県知事が殺処分を命
すように現在でも終息の見通しは立っていない。
ずることにより、発生予防及びまん延防止が徹底され
問 19.本病に関する記述の組合せとして誤っているのは
てきた。
どれか。
2. 本病が発生した農場の同居牛については、まん延防止
のために県知事が殺処分を命ずることとされてきた。
3. 殺処分に際しては、剖検記録を作成し、病性鑑定材料
を採取して菌分離等の検査を行う必要がある。
4. 乳牛が罹患した場合、殺処分が完了し清浄化が確認さ
れるまで、当該農場で搾乳した生乳は全て廃棄処分と
a. この病気は、アフリカ、ヨーロッパ、中近東などのき
わめて広い地域に分布していたが、アメリカ大陸では
今回が始めてである。
b. 米国での発生は、罹患動物が密輸されたか媒介動物が
飛行機で運ばれた可能性が考えられるが、確定してい
ない。
c. ヒトの潜伏期は 3∼14 日であり、発症率は 20%、感
なる。
5. と畜場において本病が摘発された場合、当該患畜の出
荷元のすべての飼養牛についての検査を実施しなけれ
ばならない。
染者の 0.6∼0.7%(発症者の 3∼3.5%)が脳炎を起こ
して死に至ることがある。
d. 日本脳炎の流行地域と重なっているのは中国とインド
問 17.本病の病原体に関する記述として正しいのはどれ
の西部のみであり、当該ウイルスと近縁の日本脳炎ウ
か。
イルスとの干渉現象によるものである。
1. 通性嫌気性のグラム陰性桿菌である。
e. 発病者は激しい頭痛・高熱・嘔吐・精神錯乱を示し、
2. 好気性の芽胞を形成するグラム陽性桿菌である。
長期に亘ってウイルス血症に陥り、次への感染源とな
3. 通性嫌気性の運動性のないグラム陽性球菌である。
りうる。
4. 偏性嫌気性の芽胞を形成するグラム陽性桿菌である。
5. 芽胞、鞭毛、莢膜を持たないグラム染色で染まりにく
1. a, b
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
い好気性桿菌である。
問 18.本病に関する記述として正しいのはどれか。
問 20.本病の病原体に関する記述として誤っているのは
a. 肺及び各所のリンパ節に肉芽腫病巣を形成する。
どれか。
b. 伝搬はエロゾルの吸入による経気道感染が主である。
1. 病原体はフラビウイルス属の RNA ウイルスで、日本
c. 診断にはツベルクリン反応が用いられる。
d. 海外では野生動物が家畜への感染源となっている国も
多い。
脳炎ウイルス血清群に分類されている。
2. 鳥類と蚊で感染環ができており、主にイエカの種類の
蚊が媒介するが、ヤブカやハマダラカなどの種々の蚊
も媒介する。
1. a, c, d のみ
2. a, b のみ
3. b, c のみ
4. d のみ
5. a,b,c,d のすべて
3. 初めて感染した子豚はウイルス血症となり、蚊が吸血
の際に有毒化するため、増幅動物とされている。
4. 馬は終末宿主であり、一般的に他の哺乳類、鳥類又は
蚊を感染させる量の本ウイルスを血液中に産生するこ
とはない。
5. 馬の多くは不顕性感染に終わるが、発病すると、運動
失調に加え、旋回、起立不能、麻痺・痙攣、失明、口
唇下垂などの症状を示して急死することもある。
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
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課題 10.次の文を読み、問 21,22 に答えよ。
課題 11.次の文を読み、問 23,24 に答えよ。
図 5 はこの半世紀間におけるある伝染病の発生状態を
写真 25 は精液あるいはその遠心沈渣の塗抹標本にみ
示したものであり、図 6 は WHO が感染のリスクが存在
られた細胞を表している。
する国・地域として示したものである。この疾病は改正
問 23.この細胞の名称はどれか。
前の国際法では検疫伝染病とされていたものであり、日
1. セルトリ細胞
本では 4 類感染症に定められている。
2. メデュサ細胞
問 21.この疾病の病原体に関する記述として誤っている
3. 精嚢腺の腺細胞
のはどれか。
4. ライディヒ細胞
1. 病原体はフラビウイルス属のウイルスである。
5. 尿道球腺の腺細胞
2. 主要な脊椎動物の宿主はサルとヒトである。
問 24.この細胞に関する記述の組合せとして正しいのは
3. 蚊は媒介動物であり、また保有宿主でもある。
どれか。
4. 主たる媒介動物はダニであり、経卵感染する。
a. 精巣や精巣網に主に検出される
5. 媒介動物でのウイルスの増殖には 4∼10 日を要し、そ
b. 精巣発育不全牛では精子 10,000 個当たり 1 個程度認
れ以前は感染力がない。
められる
問 22.この疾病に関する記述として誤っているのはどれ
c. 精子減少症を呈する牛では、精子あるいは遊離頭部
100 に対して 1 個以上の割合で出現する
か。
a. 流行地域に海外渡航する前に予防接種する必要があ
る。
d. 精巣上体頭、体、尾で検出される
e. この細胞の母体は精細管上皮細胞である。
b. この病原体は野口英世博士が発見した。
c. ワクチンは発育鶏卵で作成され副作用が強いので接種
1. a, b
2. a, e
すべきでない。
d. 潜伏期は通常 3∼6 日であり、突然、発熱と頭痛に見
舞われる。
e. 治療としては対症療法のみであり、発病すれば致命率
は 20%と高い。
1. a, b
2. a, e
3. b, c
4. c, d
5. d, e
本模擬試験問題の二次利用については厳禁とする
3. b, c
4. c, d
5. d, e