一斉防災訓練「安全行動」ハンドブック

一斉防災訓練「安全行動」ハンドブック
「杉並区 自主参加型一斉防災訓練」は、今までにない新しい考え方の防災
訓練です。
2013 年3月11日(月)午前11時00分に杉並区で
一斉に実施します。
この訓練の目的は、ある日、ある時刻に杉並区内で震度6強の地震が
発生したとの想定で、生活している人(家庩・職場・学校・.買い物・通
院・介護・・・)全員が「いっせい」に大きな地震から身を守る行動をとるための訓練です。
訓練の会場は、「そのときあなたがいる場所」であり、訓練に使われる時間は「約3分間程
度」だけです。
訓練参加者がとる行動は、「図 1」の『 DROP ⇒ COVER ⇒ HOLD ON 』です。大
地震のとき、何よりも大切なことは「自分自身の身体を守る」ことです。
あなたが、怪我をしない、命を失わなけれ
ばそれだけ周囲に負担をかけないだけではな
く、あなた自身が「人を助ける」ことができま
す。緊急地震速報が鳴ったとき、「おや? お
かしいな」と感じたときには直ちに「身を守る
行動」をとってください。
地震から身を守る安全行動ということで、
日常の生活の中で想定されるシーン(学校で
勉強しているとき、家の中で生活をしている
ときなど… )主な生活場面に分けて説明をし
ます。
図1
被害を最小限に抑えるためには、日頃からの減災行動の実践が大切です。
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1 そのとき自宅にいた
(1) 基本行動
固定されていない家具・棚、家電製品などの転倒、移動や照明等高いところから物
が落ちてくる、また割れ防止フィルムの張られていない窓ガラス、食器棚のガラスの
飛散があります。
緊急地震速報が流れたり、おかしいなと感じたりした
場合には、「図1」 の『 DROP ⇒ COVER ⇒ HOLD
ON 』の行動をとるほかに、座布団等で頭や身体を守り
ましょう。
また避難するための出入り口の確保をしましょう。屋
外の落下物などの安全の確認が難しいことから、安易に
慌てて屋外に飛び出さないようにしましょう。
(2) 寝ているとき
寝具にもぐりこんだり、ベッドの下に入ったりして、身の安全を確保しましょう。
(3) トイレ・お風呂
揺れを感じたらまずドアを開け、避難路を確保しましょう。また浴槽の中ではお風
呂のふたをかぶる等により、頭を保護しましょう。
ここで注意すべき代表的なことは次のとおりです。
●窓ガラスの飛散の可能性
●お風呂場でのタイルや鏡の破損の可能性
●トイレでは水洗用タンクの転倒等の可能性 など
(4) 台所
身近なものを使い、頭や体を守りましょう。無理をし
て火を消そうとすると、調理器具等でやけどをすること
があります。火から離れることが原則です。火元の始末
は揺れが収まるまで待ちましょう。
●食器棚や冷蔵庨の転倒の可能性
●食器棚や冷蔵庨の中身の飛び出し等の可能性 など
2 そのとき学校にいた
(1) 教室などの室内にいるとき
教室で、人数分の机があるときは、各自机の下に潜り「図1」の『 DROP ⇒ COVER
⇒ HOLD ON 』により身の安全を確保します。全ての
人数が潜りきれない時も、身近なものを使い、頭や体を
守る行動をとります。
注意すべき代表的なことは次のとおりです。
●窓ガラスが割れ散乱する可能性
●天井の照明が落下する可能性
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●テレビ等のラックが移動、転倒する可能性
●掃除用具入れ等の背の高い物品が倒れる可能性 など
実験室等で薬品等の扱いがあるときは、容器破損による二次災害の可能性などが考
えられますので、普段から「減災行動」の実践を行ってください。
(2) 体育館にいるとき
教室のようこ潜る場所がないため、退避する場所がない状況にあることが予想され
ますが、そばにあるものなどで手や腕で頭や体を守ることを工夫して、基本的には中
央部に集まり、しゃがみましょう。区内の学校の体育館は、耐震化工事が終わってい
ますので建物が倒壊する危険性は低いと想定されています。したがって、慌てて外へ
逃げる行動はしないでください。
注意すべきことがらとしては次のとおりです。
●照明、窓ガラス、スピーカー、バスケットゴールなど高所に取り付けられている物
品の落下の可能性 など
(3) 校庩にいるとき
落下物等の危険は室内より少ないですが、危険がない訳ではありません。基本的に
は校舎から離れ、しゃがみましょう。
ここで注意すべき代表的なことは次のとおりです。
●看板やフェンス等が倒れる可能性
●校舎のガラスが飛散する可能性
●校舎の屋根やスピーカー等の落下の可能性
●電線や電柱の転倒や付属物の落下の可能性 など
普段から校庩の周辺の安全確認と、危険箇所の明示をしておくことが大切です。
3 そのとき事務所などで作業をしていた
事務所で、机があるときは、「図1」の『 DROP ⇒ COVER ⇒ HOLD ON 』によ
り各自机に潜り、身の安全を確保します。ここで注意すべき代表的なことしては次のと
おりです。
●キャビネットや棚の転倒の可能性
●コピー機等キャスター付の機器が事務所内を走り
回る可能性
●窓ガラスやガラスドアの破損する可能性
●壁に掛かっている物の落下や散乱の可能性
●自身の身の安全と共に、来客等の安全確保 など
4 そのとき店舗などで買い物をしていた
店舗にはショーケースや商品の陳列棚等が多数あるので、エレベーターホールや比較
的商品の少ない場所、また柱付近に身を寄せ、カバン等の身近なもので頭や体を守るこ
とに留意します。ここで注意すべき代表的なことは次のとおりです。
●ガラス製品や瀬戸物等の飛散の可能性
●商品陳列棚の転倒の可能性
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●ショーケース破損に伴うガラス飛散の可能性
●自身の身の安全と共に、来客等の安全確保 など
5 そのとき工場などで作業をしていた
工場には多くの機械などがあり、それらの転倒や落下、またキャスター付きのものは、
走り回る可能性があります。また、大きな開口部に設置しているガラスの破損や飛散に
注意し、頭や体を守ることに留意します。また、設備の緊急停止などの機械類の対処方
法などについても、事前確認が必要です。
6 そのとき屋外で活動をしていた
(1) 住宅地など
住宅地の路上には落下物や倒壊家屋が広がり行き来ができなくなる危険性がありま
す。
カバン等の身近なもので頭や体を守ることに全力をあげましょう。注意すべき代表
的なことは次のとおりです。
●ブロック塀や石塀の倒壊の可能性
●看板、広告塔、アンテナ類の落下
●自動販売機やトランス搭載電柱等の転倒や電線の垂れ下が
りの可能性
●屋根瓦やエアコンの室外機、ガラス及びガーデニング用のプ
ランターの落下の可能性
●大きな木などが倒れる可能性
●道路の陥没・路肩の崩壊
●液状化による土砂・汚水の噴出、路盤の脆弱化(よわくなる
こと) など
(2) オフィス街など
オフィス街では窓ガラスや外壁、看板等の落下物が考えられますので、カバン等身
近なもので頭や体を守ることに全力をあげましょう。
これらは、一般的に考えられることです。過去の地震被害を見ると、「本震」での被害の
ほか、その後、必ず襲ってくる「余震」でもより大きな被害が出ている例もあります。
杉並区で特に注意することは、家屋倒壊などにより避難路がなくなること、火災が発生
し初期消火への取り組みが丌十分だと延焼し火災による被害が広がることです。
ここに書かれた項目を参考にし、地震発生時を想像(イメージ)し、あなた自身の身の安
全の確保について、それぞれの生活場面ごとに考え、常日頃から備えてください。
頭の中にある「防災知識」は、訓練などで具体的な行動を実践しないと「知識」で終わり、
いざという時に行動できません。
杉並区では、この訓練を通じて、区民の皆さんと一緒に実践していただける場を計画致
しました。安全を確保する基本行動の他に、避難、安否確認及び情報収集等の訓練を、自
主訓練と併せて実施することをお勧めいたします。
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≪「一斉防災訓練」ShakeOutとは≫
ShakeOutは、アメリカ西部の南カリフォルニアのサンアンドレアス断層による地震被
害の科学的な推定結果を広く社会に周知するために、ロサンゼルスを中心として2008年
に始まった新しい形の地震防災訓練です。毎年10月の第3木曜日に実施されています。
この訓練の特徴
①統一した地震シナリオにもとづき ②訓練日時を指定し ③『 DROP ⇒ COVER
⇒ HOLD ON 』という「身の安全を守る」ための短時間の統一行動への一斉参加を住民
に呼びかけていることにあります。
この呼びかけに応え、2008年の第1回訓練には学校等を中心に570万人が参加しま
した。
その後、訓練は参加者の口コミ等を通じて年々参加者を増やし、2011年の第4回訓
練には950万人が参加するまでに急成長しています。今やShakeOutは、たんなる防災
訓練ではなく、新たな国民運動ともよべる社会活動に発展してきています。
「 The Great Tokyo Shake Out 」より加筆抜粋
杉並区では、今回が始めての実施となります。
ロゴ等については、「効果的な防災訓練と防災啓発提唱会議」(略称:ShakeOut 提唱
会議)(http://www.shakeout.jp/)の承認を受けて使用しています。
この「自主参加型一斉防災訓練」についての問い合わせ先
杉並区危機管理室防災課 電話:03-3312-2111(代表)
平成25年2月作成
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