169 当院の下肢静脈瘤ラジオ波焼灼術治療(RFA)における臨床検査技師の役割 ◎山内 一浩 1)、斉藤 直輝 1) 市立豊中病院 1) 【はじめに】本邦における下肢静脈瘤の血管内治療は、 カテーテルを挿入し、カテーテルの先端が SFJ より末梢側 2011 年に血管内レーザー治療(EVLA)が承認され、 2cm になるように長さを調節する。次にカテーテル周囲の 2014 年 6 月にはラジオ波治療(RFA)も承認された。当院 saphenous compartment 内に TLA 麻酔を十分量注入する。そ でも 2014 年 7 月より RFA を開始し、術中のエコー操作目 して中枢側のカテーテル先端を描出しプローブで軽度圧迫 的のため臨床検査技師も手術に参画し始めたので、術前評 固定を保持しながら焼灼を行う。一度の焼灼範囲は 7cm、 価から術中操作、術後のフォローアップまでを紹介する。 焼灼時間は 20 秒ほどで、焼灼が終わると末梢側に 7cm 移 【術前評価】当院での Varix 検査の大半は術前評価で、ま 動し順次焼灼していく。シース挿入部分まで焼灼が終了す ず DVT の有無をチェック後、下肢静脈瘤の原因検索を行う。 ると作業終了である。 SFJ のターミナルバルブの弁不全もしくは Dodd 穿通枝の不 【術後フォロー】術後 2 日目に EHIT 検索の目的で検査を 全が原因の場合、RFA の適応となる。その他、大腿部 行う。もし EHIT Class2 以上の場合は、医師に連絡して指 GSV の血管径や走行、瘤形成、血栓の有無、体表からの距 示を仰ぐような体制になっている。 離、穿刺部位などを観察し報告書に記載している。 【さいごに】下肢静脈瘤における血管内治療はエコーガイ 【術中操作】技師は手洗いし清潔となり、プローブを持っ ド下で行われるのが基本であり、医師が一人で行う場合も て GSV もしくは SSV の走行、穿刺部位の確認を行う。そ あるが、当院では医師一人で手術を施行しており、TLA 麻 して穿刺部を描出し、局所麻酔を行ってから医師が穿刺を 酔も手動で注入しているため、臨床検査技師が手術に参画 行う。その際プローブは体表面に直角にあてて血管を描出 しサポートしている。このように検査室だけでなく術中で する。穿刺後ガイドワイヤ、シースの順に血管内に挿入し、 のエコー操作も業務拡大の一環として必要と考えており紹 血管内にシースが留置されていることを確認する。続いて 介した。 連絡先 06(6858)3604
© Copyright 2024 Paperzz