僕の最高の居場所 ~多様化する若者と 居場所づくりの「いま」~ 「青少年の居場所づくり」 全国フォーラム2014 報告書 主催:日本都市青年会議 (公財)よこはまユース 目 次 開催要項 ・・・・・・・・・・ 3 【1日目】 パネルディスカッション 「若者がつくる“場”と社会の接点」 ・・・・・・・・・ 4 分科会 第1分科会 若者にとっての「居場所」-世代間ギャップをこえてー ・・・・・・・・ 8 第2分科会 「居場所」のつくりかた ・・・・・・・・・ 10 第3分科会 居場所スタッフの関わり方 ・・・・・・・・ 13 第4分科会 若者と社会参加―居場所に必要なものー ・・・・・・・ 16 交流会 ・・・・・・・・・ 18 【2日目】 統括講演 い ま これから 「子ども・若者の『居場所』の現在と未 来 ―自己形成空間の変容と再生―」 ・・・・・・・ 20 全体会 ・・・・・・・・・・・・ 24 アンケート ・・・・・・・・・・・ 26 実行委員の声 ・・・・・・・・・・・ 31 「青少年の居場所づくり」フォーラム経緯 ・・・・・・・・・・ 32 ※報告書に記載している講師・パネリスト・助言者・スタッフ等の所属は、フォーラム開催時 の所属名です。 主催者からひとこと 日本都市青年会議 会長 廣井 久道 「青少年の居場所づくり」全国フォーラム2014の開催について、ご参 加いただきました皆様、またご尽力いただきましたすべての皆様に厚くお礼 申し上げます。 居場所づくりの全国フォーラムも今回で 9 回目を迎え、 毎年それぞれのテー マで取り組みを発展させてまいりました。今年は「僕の最高の居場所」をテー マに、多様化する若者と居場所づくりの「いま」について情報交換と討論を 行いました。 さていよいよ次回は 10 回目の節目となります。日本都市青年会議も時代のニーズをとらえ、ま た守るべきものをしっかり守っていけるように活動を展開していく所存ですので、今後ともなお 一層のご支援ご協力を賜りますようお願いいたします。 全国フォーラム 2014 実行委員会からひとこと 実行委員長 一戸 文崇 2014 年のテーマは、「僕の最高の居場所~多様化する若者と居場所づく りの『いま』~」でした。 価値観が多様化し、これまでの「当たり前」が「当たり前」でなくなり つつある現代において、世代や立場、価値観によって異なる「居場所」の あり方について一緒に考え、議論を深める機会として、全国からさまざま な世代、立場の方々にご参加いただき実施しました。また、今年度は新し く加わった若手の実行委員が中心となり、若者の視点から見た「居場所づ くり」に焦点をあてた企画・運営に取り組みました。 その中で、これまでのフォーラムの流れを引き継ぎながら一緒に作り上げてくださった実行委 員の皆様、助言者の方々、そして全国から集まってくださった参加者の皆様のご協力に感謝いた します。皆様との関わりの中でつくられた「青少年の居場所づくり」全国フォーラム 2014 の報 告をお届けいたします。 2 ≪開催要項≫ 日時:2014(平成 26)年 2 月 15 日(土)~2 月 16 日(日) 会場:横浜市青少年交流センター<愛称:ふりーふらっと野毛山> 横浜市西区老松町 25 番地 対象:青少年教育関係職員、青少年団体指導者、研究者(学生)、青少年活動に関心のある方 定員:100 人 参加費:無料 主催:日本都市青年会議、(公財)よこはまユース 日程・プログラム: 1日目:2月15日(土) パネルディスカッション 14:00~15:30 テーマ:「若者がつくる“場”と社会の接点」 コーディネーター:萩原 建次郎さん(駒澤大学 教授) パネリスト:大河内 基樹さん (若者の居場所づくり団体「ジュニア&ユースコミュニティ CoCo」代表) 加藤 貴嗣さん(元・小平市青少年委員) 櫻井 龍太郎さん(NPO法人せたがやっこ参画推進パートナーズ 理事長) 分科会 第1 分科会 第2 分科会 第3 分科会 第4 分科会 15:40~17:40 テーマ 助言者 若者にとっての「居場所」 萩原 建次郎さん ―世代間ギャップをこえて― (駒澤大学 教授) 「居場所」のつくりかた キーワード 世代間ギャップ 居場所スタッフの関わり方 居場所スタッフの理想と現 実 若者×社会貢献 スキル・ボランティア 若者と社会参加 ―居場所に必要なもの― 交流会パートⅠ 17:50~18:30 交流会パートⅡ 19:00~21:00 居場所の企画・運営 多世代間交流 2日目:2月16日(日) 統括講演 9:30~11:00 い ま これから テーマ:「子ども・若者の『居場所』の現在と未 来 ―自己形成空間の変容と再生―」 講演者:萩原 建次郎さん(駒澤大学 教授) 全体会 11:15~13:00 各分科会の発表 全体まとめ 3 【1日目】 開会式 主催者挨拶 日本都市青年会議 会長 廣井 久道、 (公財)よこはまユース 常務理事 安部 きみ子、 「青少年の居場所づくり」全国フォーラム 2014 実行委員会 委員長 一戸 文崇 パネルディスカッション 「若者がつくる“場”と社会の接点」 コーディネーター:萩原 建次郎さん(駒澤大学 教授) パネリスト:大河内 基樹さん (若者の居場所づくり団体「ジュニア&ユースコミュニティ CoCo」代表) 加藤 貴嗣さん(元・小平市青少年委員) 櫻井 龍太郎さん(NPO法人せたがやっこ参画推進パートナーズ 理事長) パネリスト紹介&活動報告 大河内 基樹さん(若者の居場所づくり団体「ジュニア&ユースコミュニティ CoCo」代表) 経歴:「子ども交流センター」でのボランティア経験から、大田区内に若 者が集まれる場をつくろうと「ジュニア&ユースコミュニティ CoCo」を立ち 上げる。今年で活動を始めて10年目。 ◆若者による自主的な居場所づくり 大田区にある中高生も利用できる児童館「子ども交流センター」でのボ ランティア活動を通して、区内に若者が集まることができる場が少ないこ とに気がついた。そこで、大田区内で若者の居場所をつくろうと団体を立 ち上げた。団体のコンセプトは「若い人の自主的な居場所づくりを支えていこう」というもので、 大人が敷いたレールの上で遊ぶのではなく、何がしたい、何が欲しいということを中高生自身が挙 げていって、みんなで場所をつくっていこう、ということを大事にしながら活動を続けてきた。 ◆居場所のない中高生世代 今の社会には、やる気はあるのに活躍の場がないユース世代もいれば、学校に行けない、やめて しまう子どももいる。彼らがやりたいことを自由にできる場をつくりたかった。今年で 10 年の節 目の年になったが、学校を中退した子や警察のお世話になった子が、笑顔で働いたり、子どもと遊 んだりできる場になっている。しゃべり場、模擬選挙、バンド、障害者団体や保育園とのイベント などを通して、ふだんは恥ずかしがりな子どもたちが積極的に活動している。一番問題を抱える子 どもたちは、学校という場で関わり合いの少ない子たちだと思う。そういう子たちが集まれる場所 をまずつくる必要がある。 ◆中高生世代が“なんとなく”集まれる場所を! どんなに立派な施設や場所でも、そこを引っ張るコーディネーターの育成がまだまだ弱いとい う問題がある。若者は、建物ではなく、そこにいる人間に懐いて集まってくる。学校をやめたよ うな子どもでもボランティア活動の場面で積極的に動けるのは、仲間がいるから。中高生世代を 受け入れる場所を社会の中で増やし、若い人の意見を柔軟に受け入れられるような場所、選挙な ど若者の関心が薄い物事についても興味を持ってもらえる仕掛けを今後つくっていかなければい けない。子どもたちがなんとなく集まれる場所を社会に根づかせていきたいという思いで活動を 続けている。 加藤 貴嗣さん(元・小平市青少年委員) 経歴:元・小平市青少年委員。青少年リーダー養成講座、青少年センター の運営、学生主体の成人式の企画・運営等さまざまな活動に携わってきた。 現在は国立青少年教育振興機構に勤務。 ◆青少年委員とは? 青少年委員とは、学校・地域・行政のパイプとなるのが役割。余暇教育 や地域活動に参画して、行政の情報を地域に伝えたり、放課後にPTAや 先生と連携して、いじめの問題を仲介する等の活動に取り組んできた。居 場所につながる活動としては、子育てを終えたお母さんたちに絵本の読み 聞かせをしてもらう活動や、定年退職した人をニュースポーツの指導員として養成するなど「大 人の居場所づくり」や、しゃべり場やライブの開催など「子どもの居場所づくり」も行ってきた。 4 ◆学校の外で活躍できる場所をつくる 青少年リーダー養成講座は、行政主導の取り組みだが、居場所という考え方とマッチする。そ こでは、市内在住の小学 5 年生から高校生を対象に、体験活動、世代間交流、地域文化体験など を実施。大学生以上のメンバーは準指導者としてサポート役に回る。私自身、農家の息子として 地域の人に声をかけてもらうことが多かった。学校での勉強や部活動ではなかなか評価されず、 もっと活躍したいと思って地域に出た。後輩たちにもそうした場をつくっていきたい。学校外で 活躍できる場をつくるためには、まず自分の得意分野を見つけることが大事。仲間と新しい物事 に挑戦できる場が必要になる。 ◆若者の居場所づくりの課題 若者の居場所づくりに関して共通する課題として感じているのは、運営面においてある一定の 世代に力が集中すると、前後の世代の力が弱くなるということ。また、団体が一定の人数規模に 達すると仲間集めをしなくなる傾向にある。 そうすると閉塞感が生じて逆に人数が減ってしまう。 あるいは、行政が主催する企画だと行政側が金銭管理を行うので、参加する若者は受け身になり がちという課題もある。 櫻井 龍太郎さん(NPO法人せたがやっこ参画推進パートナーズ 理事長) 経歴:中学時代より世田谷ジュニアリーダーズクラブ、児童館ボランティ アリーダー、RRRプロジェクト、ユースミーティング世田谷、世田谷リー ダースクールアウトリーダー等の活動を経て、現在はNPO法人せたがやっ こ参画推進パートナーズ(通称:せたさん)の理事長を務める。大学在学 中。 ◆社会との接点が希薄な中高生世代 子ども・若者の社会参画を進める学生中心の NPO の理事長を、自分自身 大学に通いながら務めている。今の中高生は社会との接点が薄い。そこをカバーするために、ま ずはなんでもいいから地域に出てみる。そのうえで、ボランティア活動などに参加する。次に、 自分たちで活動を起こして地域に参画する。そして、今度は自分たちでまちづくりを行っていく。 この 4 つのステップをもとに活動を展開している。 ◆烏山中高生世代応援スペース「オルパ」 具体的な活動としては、もともと貸金庫だった施設を中高生の居場所として活用する「オルパ」 というモデル事業を行っている。部屋の用途を子どもたちと一緒に考え、バンド練習やダーツの 部屋をつくった。中高生の運営委員会も設置している。地域活動に参加することを推進する事業 としては、世田谷区のご当地アイドルを昨年夏に結成した。アイドル活動をとおして世田谷区を PR している。また、ユースミーティング世田谷サポートは、いわゆる「子ども会議」として中高 生の意見を行政に届けている。子どもの自主企画支援としては、中高生自身による自主企画キャ ンプをサポート。オルパでの企画もすべて中高生による自主企画。地域の老若男女が集まるもち つき企画などを行ってきた。子どもへの理解を深めるための啓発活動としては、静岡大学の委員 会と一緒にスウェーデンを見学した報告会を開催した。また、地域ディスカッションを開催し、 区長や中高生をパネラーにした報告会と意見交換を行ってきた。 ◆地域とのつながりが「居場所」になる 自分自身が小学生のときに世田谷区ジュニアリーダークラブに所属していたことが現在の活動 の原点。自分自身の経験を踏まえても、中高生世代がおとなのパートナーとしてまちづくりに関 わっていくことが大切だと感じている。今の中高生は、学校・塾・家を行き来するだけで生活し ている子どもがとても多い。それではどこか一か所でトラブルが起きたときに居場所がなくなる リスクが高い。日頃から地域につながりがあれば、どこかで課題を抱えたときにそこに逃げるこ とができる。予防策としての逃げ場になることが大事と考えて、現在の活動に取り組んでいる。 5 ディスカッション 萩原)まずはお三方に活動の概要ときっかけをお話いただき、課題を紹介してもらった。共通し ているのは、中高生や大学生など若者世代が社会とつながれる場、活躍できる場が必要という視 点であるように思う。お三方自身、若者として活動しているからこそ、中高生の本音に近い部分 にタッチしていると思う。なかなか若い人からの発信を大人がとらえるチャンスも少ない。いま の若い人の声を聴かせていただきたい。 加藤)今の子どもたちの多くは学校と地域 の居場所とでは別人格。地域では発信しま くって頑張っている子を学校では誰が押さ えつけているのか。なぜ学校ではふさぎ込 んでしまうのか。ただ、地域で頑張ってい るから学校でも頑張れとは言いたくない。 彼らを肯定的に後押ししたいと活動してい る。 櫻井)おとなが始める活動には、おとなに よって設定された目的があり、それに沿っ て活動がつくられる。中高生からしてみれ ばおとなの論理などどうでもいい。中高生が求めているのは、楽しさ。それを満たしたいと現在 の活動している。学校と地域のギャップは自分も感じる。地域だと一番ストレスフリーでいられ るという感覚を持っている子どもが少なからずいるのだと思う。 大河内)子どもたちと関わっていると、 「聞いて聞いて」と言われることが多い。学校や家庭で問 題を抱えた子どもが話を聞いてもらいにやってくる。居場所と呼ばれる場所に来る子ども・若者 の多くは、話を聞いてくれる人間を求めているのではないかと思う。 萩原)地域の中の居場所では、学校や家庭とはちがう姿を子どもたちが見せていることを感じる。 居場所に来ることを通して子どもたちの変化を感じることはあるか。 櫻井)ある高校生は、学校には馴染めなかったが「オルパ」があったから引きこもりにならなかっ たと言ってくれた。学校や家庭でのストレスを発散できる場があることで、学校や家庭でも問題 なく過ごせる、という事例が地域の居場所には多くあるのではないかと感じている。地域には自 分たちのために動いてくれるおとながいるのだ、ということへの気づきや地域との関わりが子ど もたちの将来への志を変えるのだと思う。 大河内)CoCo で子どもと関わることを通して、 「子どもがかわいい」と保育士を目指すようになっ た若者もいる。学校をやめた子が 3 人でバンドを組んで、3 人とも定時制に入り直したケースも ある。居場所でやりがいを見つけて仲間と社会に復帰するかたちになった事例といえる。 6 加藤)学校では勉強も運動もできないといけない。 誰とでもある程度コミュニケ-ションを取れないと いけない。地域では、勉強はできなくていい。運動 もしたい人だけすればいい。友だちも好きな人と関 わればいい。そういう意味でストレスが少ないので はないかと思う。 萩原)居場所を通してそのような子どもたちと共に 活動しながら感じる、周りのおとなや地域との壁や 課題とは。子どもたちは楽しさを求めるが、行政や おとなは活動の成果を評価しようとする目線を向け てくる。目線のズレなどに対しても思うところがあ れば。 大河内)髪を染めていたり制服を着崩してい る中高生に対して、小さい子どもの保護者は 心配になるという。団体としては中高生にも 子どもと関わってやりがいを見つけてほしい が、難しさもある。 櫻井)おとなの目線というものが中高生には 嫌に思われている。子どもの意見をおとなは 聞いてくれないではないかという思いが沁み ついてしまっている。 加藤)たとえば若者が外でギターを弾くこと をさせない空気をおとなはつくっていたりする。中高生の視点から言えばやりたいことをさせな い空気をおとなが醸している。 櫻井)一方で、若者がボランティアな どで地域に出て行くと、地域の人は掌 を返したように若者の手助けを求めて くる。お互いにお互いを知らないだけ で、接点があればつながれるのではな いか。 加藤)最初はおとなに理解されがたい 若者の活動というものもある。若者が 一所懸命取り組んでいる姿を見ていな いと、若者と行政やおとなとのあいだ にズレが生じる。 大河内)第一印象でおとなに偏見を持たれたとしても、 イベントを一緒にやっていくなかで、若者への偏見は払 拭される。見た目の派手な子たちでも CoCo のメンバー だとわかってもらえると偏見は取り除ける。 萩原)子ども・若者とおとながお互いを知るきっかけを つくっていかなければならないと感じる。活動を見守っ てくれるおとなもいれば、積極的に活動をバックアップ したいというおとなもいる。様々な現場での取り組みや 苦労について、分科会のほうで深めていきたい。また、 地域や居場所にやってくる子どもたちの様子から見え隠 れするのは、学校や家が「居場所」になっていない、と いう問題でもある。なぜ学校や家は居場所にならないの か?についても考えてゆく必要がある。 7 第 1 分科会「僕の居場所、あなたの居場所―世代間ギャップをこえて―」 事例報告者:大河内基樹さん( 「ジュニア&ユースコミュニティ CoCo」代表) 加藤貴嗣さん(元小平市青少年委員) 櫻井龍太郎さん(「NPO 法人せたがやっこ参画推進パートナーズ」理事長) 助言者:萩原建次郎さん(駒澤大学教授) 担当スタッフ:大山宏、梶川朋、松本卓巳 1 概要 ね ら い 参加人数 場 所 プログラムの流れ 若者自身が「居場所」を作っている取り組みを紹介し、若者の居場所への 関わり方を考えることを通して、居場所を通して多様な世代がどのように 関わりあうことができるのかを考える。 15 人 横浜市青少年交流センター 501 号室 15:40 趣旨説明 参加者自己紹介 15:45 16:00 17:20 17:25 事例に対する質疑 参加者意見交換 ・世代間ギャップを感じる時とその対策 ・居場所における若者の役割 ・若者がつくる居場所の特徴 助言者による総括 報告者による感想・ふり返り 2 参加者意見交換 ○ギャップを感じるとき ・地域の人からの偏見(Ex.金髪、バンド…) ・やりたいことをやらせてくれず、なぜだめなのかもわからない ・子ども・若者の意見を聞く場が作られても、意見を言える雰囲気になっていなければ意味が ない ○若者の役割 ・世代が近いと対話の環境を作りやすいため、世代間ギャップを埋めるために子どもと大人の 世代の間に入る若者の役割が重要 ・ナナメの関係、多世代交流の潤滑油としての 役割 ○居場所への参画 ・大人も居場所が無い状態であり、各世代がそ れぞれつながっていくことがそれぞれの世代の 居場所づくりにも結び付いていく ・ 「楽しさ」を基盤に取り組みを始め、大人と子 どもが一緒に場を作ることが、参画につながっ ていくのではないか ・個人間のギャップは受け入れるものだが、全 体的なギャップは少なくするべき ・若者世代だけでなく、もっと小さな頃から居 場所を考え、継続して関わることが重要 3 助言者による総括 議論の大きな柱は、世代間のギャップをどう越えるのかということがテーマだった。 ギャップがあるのは当然で、そこをどう越えて協同し、パートナーシップを組んでいくのか。 そこには間に立つ存在が必要で、若者はその役割を担うことのできる存在でもある。 かつてのような世代間のつながりではない在り方を模索し始めている、その実践例を分かち合 えた時間だった。ここでいろいろな世代の人が一同に会して対等な立場から意見を交換している ということもまた画期的なことではないかと思う。 それぞれの参加者が地元に帰ったときに、こうした場を広げていくということも大事なのでは ないか。 8 4 報告者からの感想 櫻井 :今日気づいたことが一つあって、僕もこれから世代間ギャップを感じるようになってい くんだなということ。怖いなと思って。中高生からこれから年代が離れていく。今はす ごく恵まれている状況だったということに気がついた。これからどういうふうに、ナナ メの関係をつくっていくか、そこを目指して年をとっていかなければならない。 加藤 :間に立つ存在が必要だと改めて感じ た。これからも後輩を見つけて活動 していきたいがどう見つけていくか。 農家の倅で近所の人がたくさん声を かけてきてくれたが、次に後輩の誰 がやるのかということを考えると、 パワーはあっても長期的に続くのか という問題もある。後輩たちに役割 を与えてやっていけたらと思う。 大河内:ギャップということに関してこれま で真剣に考えたことはなかった。自 分自身口に出すことでまとめられた こともあった。これまでは僕が何か言うと反論ばかりだったが、フロアの方にあたたか く受け入れていただけてうれしかった。上の世代の人も葛藤を抱えているんだというこ とに気がつけた。ギャップのある世代の人々とどうかかわっていくかを模索していきた い。 9 第2分科会「居場所のつくりかた」 事例報告者:渡辺鴻樹さん、葛貫さやかさん(Joy Study Project) 担当スタッフ:深谷じゅん、川口博敏、藤巻慎太郎、本田明 1 概要 ね ら い 参加人数 会 場 プログラムの流れ 「居場所づくり」につながるような、組織のなりたちや事業運営、地域と のつながりについて新宿区都営アパート「さんさん広場」の実践事例から 考え合う。 16 人 横浜市青少年交流センター 201 号室 15:40 参加者確認・事務連絡 1 2 16:10 16:50 17:20 17:40 分科会の進め方とねらいについて(深谷) 参加者の自己紹介・・・ 「分科会で焦点化したいキーワード抽出」 3 事例報告 (渡辺鴻樹さん、葛貫さやかさん) (40 分) 4 事例報告を受けての質疑応答(40 分) 5 テーマについての協議 及び 感想発表(20 分) 終了・片付け・移動 2 事例報告 〇「さんさん広場」の活動について ① 発足の経緯と活動目的 広域避難者支援と地域コミュニティの活性 化 ② 活動内容とスタッフの役割 毎月第 2 土曜日に行っている「遊び支援」、 「学習支援」、「お話しする場の提供」とい う活動の他、さんさん夏祭り・冬まつりと いうイベントを実施。6~7 割が子どもの参 加。 ③ 組織と運営体制 学生ネットワーク組織で、代表者はいない。 メーリングリストや Facebook にて情報共有 をしている。活動日の役割分担はあるが、 担当制ではなく臨機応変にやっている。 地域の連合自治会との協力イベントも積極的に行っている。 ④ 現在の課題 活動の継続性―各団体のミッション。資金。人手。 運営体制―関わり方の多様化。トップを設けていない組織体制。 ⑤ 今後の方針 学生としてできる事、活動を維持できる体制作り、住民や社会福祉協議会との綿密なや りとりなど、今後の活動方針や体制づくりについて、合宿を行って議論していく予定。 〇事例分析 ◆東日本大震災を受けた被災者支援活動であり、関東圏で学生に出来る活動として始めた 学習支援から派生した居場所づくりである。 ◆活動場所の周辺地域の特徴や、スタッフとして関わっている報告者二人の実感を交えた 事例報告だった。 ◆特に運営体制の説明では、複数の大学サークルの連合体であり、上下関係をつくらない ために代表を設けないという組織形態に参加者の関心が集まっていた。 ◆活動の継続のためには、代表のいない特殊な形態からくる不安定な意思決定プロセスの 改善が重要な課題だという認識であることを説明していた。 10 3 質疑応答 ①「社会福祉協議会」との関係ではどのような協力を得ているのか。 →事務局機能と資金面で協力を得ている。発足当初は積極的な支援であったが、担当者 の変更などに伴い関係性も変化しつつある。 ②連合体による運営の際の複数団体によるネットワー クづくりで工夫していることは何か。 →一定期間の事業数を保つことで、構成員の参画機 会を増やすことによって、それぞれの自己有用感を満 たし、モチベーションの向上につながることがある。 目的意識の共有と意欲の維持が継続的な連携のために 必要であるようだ。 またメーリングリストや Facebook など SNS も必要に応じて特徴にあわせた活用をしてい る。 ③事務的に必要な業務はどのように分担しているか? →各団体の代表が集まり、都度役割の分担を決定して いる。 4 協議 ・継続性は大切だと感じた。若者が自分で「発見」していく力が必要だ。 ・ 「大人の居場所」を意図していないというのは良い。学生同士で向かっているところを社 会人なしでやっているのもいい。 ・作る側にも居場所になっている。社会人にとっての居場所も必要だ。社会福祉協議会や 行政も組織の論理を持っていて、このような活動の思いが反映されないところがある。 私の仕事でも考えていかなければならないところだ。 ・ 「注意事項」などを壁に貼りだしたりせずに利用者に説明できていることが必要なことだ。 子どもたちに楽しさを提供すること、大人の思惑は地域につなげること。学生はその中 間の役割になっている。 ・表向きに「代表がいない」という良さがある。多様な接し方がある。個人の参加が増え たとのことだが、個々人の思いをどう拾っていけるか。SNS で可能になっていくのか。 「そ こに誰がいるのか」「ソフトがどう用意されているのか」「場所としての機能」がそろっ て居場所活動なのだと思った。 ・居場所づくりというと分かり難いが、復興支援の後から居場所が出来てきたのだろうか。 11 ・自分は施設に勤務し、居場所を意図して活動している。学生でもない。 「さんさん広場」 の意図しない多世代の交流は非常に良い。子どもと大人の間の存在があるし、出番作り がなされている。 ・学生がなぜこういう活動をしたいのかを知りたい。学習支援のニーズはどうなっている のか。コミュニティの作り方や、目標に対する評価についてももっと聞きたい。 ・居場所の価値観は各々違う。保健室を居場所にする人、それはだめだという人、子ども の生きている世界は大変だなぁと思う。皆が理解して認め合わなければならないと思う。 ・活動の結果が居場所や交流の場になっている。ニーズに対してどう仕掛けていくかが課 題になると思う。220 人のスタッフが増えていく必要はあるが、限界があるのであれば 地域住民や避難者が考えていく必要もある。青少年委員や子ども団体につないだり、先 輩の出番や活用を広げていくと情報が入ってくる。 5 担当者所見 ●新宿区百人町を舞台にしたこの取り組みは2年を経過して、スタッフの世代交代や、協 力者との関係の変化など、様々な課題に直面しつつある。特に発表者からは、運営面に おいて代表を持たないという特徴から、意思決定プロセスや、活動の継続性において危 機感を抱いているように感じた。 ●当初「さんさん広場」の実施は月2回であったが、会場の利用条件の変化に伴い、月1 回に減り、そのこともスタッフのモチベーションの維持を難しくしているようだ。 (参加 機会が半減し、一度欠席したら次の機会が2か月先になってしまった。 ) ●居場所としての「さんさん広場」は広域避難者に限らず、近隣住民が集まる憩いの空間 として機能しているようだ。子どもはボランティアスタッフとの交流を求めており、親 世代にも交流の機会として定着しつつある様子がうかがえた。 ●地元自治組織との交流にも成果が見られ、イベント時の会合に呼ばれるなど、信頼関係 ができつつあると話していた。 6 ●参加者の発言に「居場所づくりは出番作り」とあったが、この活動そのものが大学生ス タッフの活躍機会として、彼らの居場所となり、JoyStudyProject という組織の地域で の役割をつくり、住民のコミュニティを支えているようだ。 記録・文責:本田、深谷 事例報告者より 私は今回の居場所づくりフォーラムに参加させていただき、自分の今行っている活動を居 場所という新しい視点で見ることで、もう一度今ある活動を見直し整理することが出来たよ うに思います。事例報告では、聞いてくださった皆様からたくさんのご質問をいただき、答 えるごとに自分の中でも今ある活動の整理できました。また、交流会や全体会などでは居場 所についてたくさんの人の意見を聞くことができ、大変有意義な時間を過ごさせていただき ました。前々から準備進めてきてくださった、そしてたくさんの刺激を与えてくださった参 加者の皆様ありがとうございました。 渡辺鴻樹(Joy Study Project) 12 第3分科会「居場所スタッフの関わり方」 居場所スタッフの理想と現実 ~利用者からの視点~ 助言者:北村 1 真さん(調布市青少年ステーション CAPS 職員) ファシリテーター:さかいかずえさん 担当スタッフ:石木田諒、寺口汐里、関さおり 概要 ね ら い 参加人数 場 所 「居場所」を利用している青少年の声から、居場所スタッフに求めら れる資質を読み解き、青少年にとって利用しやすい居場所を考える。 14 人 横浜市青少年交流センター 202 号室 15:40 挨拶、概要説明 15:45 15:55 プログラムの流れ 16:05 アイスブレイク 調布市青少年ステーション CAPS 紹介(形態、運営) ・事業の三本の柱 ・守るべき3つのルール ・スタッフのルール スタッフの関わりについて居場所施設利用者に聞く! ・調布市青少年ステーション CAPS の場合 ・横浜市青少年交流センターの場合 16:55 質疑応答 17:30 まとめ、確認 2 調布市青少年ステーション CAPS について 中・高校生世代特化児童館。公設民営の児童館。NPO 法人ちょうふこどもネットが運営している。 【事業の三本の柱】 ① 居場所づくり事業・・・健全な居場所 ② 活場所づくり事業・・・活動の場所 ③ 生場所づくり事業・・・主体性の確立 ・音楽・ダンスのスタジオ、バスケットができるスポーツエリアがある。 ・定期的に、臨床心理士のいる相談室も開設している。 【3つの事業】 ① 中高校生世代の居場所事業 ゆるい・強制されることがない自由な環境・なんとなくやってみるが可能。 ② 各種イベントや講座の実施 ③ 地域でのボランティア活動 地域主催のイベン ト、行政主催のイベントへの参加。 自然発生的にあがった声をいかした生場所の自 主的運営。 …スタッフと利用者は日ごろからコミュニケー ションを図り、声を拾いあげる 【守るべき3つのルール】 ① 挨拶をする ② 他の人の迷惑にならないように行動しよう ③ 法律を守ろう。(飲酒・喫煙) 【スタッフのルール】 ・注意するときは、なぜいけないのか?という理 由をしっかりと話し、理解と協力を求めている。 ・スタッフは、“メッセージを発しやすい大人”。各部屋・エリアにできるだけスタッフがいるよ うに心がけている。 ・スタッフとのコミュニケーション。スタッフは「情報はあたえ、判断は委ねる。 」 13 3.居場所施設利用者からの視点 〇調布市青少年ステーション CAPS の場合(利用者 佐藤さん) 北村:なぜ、CAPS にきたの? 佐藤:中学 1 年生のころ、友達に誘われて、中学 2 年 生からはパソコンゲームをしに来ていた。ボー ドゲームをしていたスタッフと話して、輪がひ ろがった。 北村:でも、人見知りなのに、どうしてスタッフに話 しかけられたの? 佐藤:ゲームがきっかけで。それまでは、日常会話も しなかった。 北村:スタッフは挨拶を必ずするけど、どう? 佐藤:大勢のスタッフが挨拶してくるので、最初は怖 かった。3人位がいい。でも挨拶がなかったら もっと怖い。 北村:仲良くなれるスタッフと仲良くなれないスタッ フの違いは? 佐藤:日常会話で言い合えるスタッフだと話しやすい。スタッフは、年上の友達って感じ。 北村:ゲーム大会の運営はなんでやろうと思ったの? 佐藤:新しい知り合いをつくろうと思ったから。何かやってみるのは、悪くない。 北村:CAPS で友達増えた? 佐藤:格段に増えました。マージャンで年上の友達も できた。友達の友達も友達になれた。 北村:外部イベントにも参加してるけど、なぜ? 佐藤:ひまだったから。疲れるけど、人と触れ合える から、いい。 北村:CAPS のいいところは?居易い? 佐藤:利用者が、自由にのびのびしている。 北村:相談しやすい?話しやすいスタッフはいる? 佐藤:いや、悩まないんで。親、先生、CAPS の順で 相談すると思う。CAPS の人まで来たら、相当切 羽詰っている悩み。 〇横浜市青少年交流センターの場合(利用者/青少年委員 石木田さん、寺口さん) さかい:青少年委員になったきっかけは?スタッフとのコミュニケーション? 石木田:バスケができるところを探していて、横浜市青少年交流センターを知った。スタッ フに委員への参加を誘われて。暇だしいいかと思って入った。子どもの相手をし ていればいいと言われて入ったら、その通りだった。交流センターに入ってきた とき、ほっとした。他の施設は、事務仕事に追われていて、(子どもに)構ってい られないという壁を見せているけど、ここはなかった。 寺 口:大学においてあった青少年委員のチラシを見てきた。実家が遠方。青少年委員は 固いイメージでいたのに、スタッフが軽い感じでメールをしてきて、居易かった。 1年目は、イベントしか来ていなかった。2年目に沢山来るようになって、子ど もも自分の名前を覚えてくれて、楽しい。 4.質疑応答 〇利用者参画を促すのがむずかしい。利用者からすると利用者参画なんて、求められていな いと思うことがある。また、スタッフのルールはあるのか。 北 村:日頃の関わりが大事だと思っている。ドタキャンされることもある。口をすっぱく して、せめて連絡をして!といい続けるしかないと思っている。イベントがあると、 いつもの利用者が来ないことがある。じゃあ、何もしないのがいいのじゃないか? という議論をしたこともある。 〇なぜ、活動が続かないのだろう?活動を続けている側はどう思っている? 14 佐 藤:みんなで遊ぼう。自分も皆も楽しんで ほしい。 石木田:人と会話するのが好き。子どもが好き。 そいつら(子どもたち)のためなら、 できるだけやってやりたい。 〇学校の姿と家庭の姿と施設の姿が違う。なぜ、こういう施設だと本当の姿がでてくるのか? お酒とか、たばことか、性のこととか、思っていることをなぜ居場所施設だと話してくれ るのか。居場所って、建物とか物理的なことじゃなくて、こころの居場所。 北 村:居場所が、学校の中にある必要はないと思う。居場所が、学校にもなくて、家庭に もなくて、社会にもないなら、本人にとって苦しい。そういう子たちに居場所をつ くりたいと思っている。 さかい:居場所不要論もあった。学校・家庭・地域のほかに居場所をつくる必要なんてない という議論もある。 〇なぜ、居場所施設だと本当の姿がでてくるのか? 佐 藤:親には迷惑をかけられない。先生には、変な詮索されたくないし、いい子を見せる。 寺 口:大学は自由な感じで、気楽にすごしている。同級生に見せる姿と違って、交流セン ターの青少年委員会では、自分が年上なので、しっかりしなくちゃと思っている。 石木田:自分の家は厳しくて、周りの友達より門限も早く、家には居場所がなかった。学校 では、見ているテレビとか友達に合わせないとはぶられるっていうストレスがあっ た。交流センターは、自分自身をのびのびだせる。周りが知らない人だからこそ、 本当の自分を出せる。 〇子どもが児童館ジプシー。ココは合わなかったな、とか、絶対ココにはいかない!という ことはありますか? 佐 藤:同じ学校が固まっていると居づらい。 参加者:子どもたちが子どもたち自身で場所を守っているように思う。やる気満々な子もこない。 きっとやる気のある子は、ジュニアリーダーに行ってる。また、やんちゃな子もこない。 北 村:居場所だからと言って、スタッフが引き止めてしまうのも違う。 石木田:受付の人たちの対応が冷たかった所。小学生への応対がつっけんどんだったので、 注意してみたら、うちはうちのルールがあるからと言われた嫌な思い出がある。 〇なんで、企画するほうにまわったの? 佐 藤:企画するゲーム自体が好きだから。いろんな人のいろんな考えが知りたいから。 5.感想 ・ 平和島公園(住宅地にない公園)にバスケットゴールをつくったら、青少年がいつも 利用している。適当なルールもできていて、自分たちでできるんだなと思った。 ・ ジュニアリーダーズクラブの世話人。ひとりひとりの若者と向き合うのは、そんなに 難しくないと思っている。団体やグループへの働きかけのほうが難しいと感じている。 ・ 児童館から社会参加へというのが、引っ越しちゃったとしても、他でできるきっかけ になると思った。 ・ 企画って、自分たちで自分たちのことを考えること。それが生活。若くなくても当た り前のことと思う。大人にも居場所が必要と思う。 ・ このような居場所施設があることを通信制高校の生徒にも伝えていきたい。どこかに 居場所があるというのが、大切だと思う。 ・ つながり。どういうことを意識して、スタッフは働きかけを行っているのか知りたかった。 7.まとめ 児童館で働いているが、社会教育としてはどうなのか?を知りたいと思っていた。 社会的な動きとして、児童館の必要性が問われてきていて、国の施設である「こどもの城」 も取り潰しが決定している。居場所とは、みんながいきいきとできる場所。 いまの小学生・中学生が将来大人になって、活動できるきっかけづくりと思っている。居 心地のいい場所が居場所になる。楽しいってことが基本。 (北村) 15 第4分科会「若者と社会参加―居場所に必要なものー」 事例報告者:高城 1 芳之さん(NPO法人アクションポート横浜 事務局長、YAP代表) 荒井 朝香さん、内藤 陽さん、石井 沙織さん(YAPメンバー) 担当スタッフ:早川 惟子、鎌田 淕、尾崎 万里奈 概要 ね ら い 参加人数 場 所 プログラムの流れ 社会人などの若者世代が中心となって、地域や社会とのつながりの中 で自分の力(スキル)を活かして活動している事例を取り上げ、これ からの「居場所」に必要なもの(視点)とはなにかを探る。 17 人 横浜市青少年交流センター 203 号室 15:40 ・趣旨説明 ・参加者自己紹介&アイスブレイキング 16:00 Yokohama Action Planner(YAP)事例報告 ・YAPの活動について ・YAP参加メンバーに聞く!(活動のきっかけ、求めるもの) 16:25 休憩 17:30 ・質疑応答&フリーディスカッション ・まとめ 17:40 終了 2 事例報告「Yokohama Action Planner(YAP)」について ①YAPの団体概要 ・「若者の力で横浜を盛り上げよう!」をキーワードとした「プロボノ」によるNPO支援 やネットワーク活動をしている若者団体。2010年7月設立。20代~30代の社会人・ 学生、約80人が参加。 ・「プロボノ」とは?――社会人がもっているスキルや知識を活かして社会参加する新しい ボランティア活動のカタチ。忙しい社会人でも参加できるプロジェクト型のボランティア。 ・NPO の広報支援やイベント・サポートなど、「若者らしさ」 、「関係性づくり」を重視した 活動を展開している。地産野菜のBBQなど若者同士の交流の機会づくり、地域交流にも 積極的に取り組んでいる。 ②活動の楽しさ/難しさ ・楽しさ:色々な人と出会い、刺激になる。会社で は気が付けない成長につながる。 ・難しさ:社会人は忙しく、時間が合わない。モチ ベーションを保つのが難しい。特定のメンバーへ の負担集中。 →プロジェクト型にすることで負担を分散。各々 のペースで取り組めるように! ③YAPが大切にしている価値観 ・ 「感動と共感をする場をどうつくるか」を大切にしている。活動を通して、自然に「心が動 瞬間」をつくっていきたい。 ・色々な試行錯誤とチャレンジの上で生まれてきたのがYAPの活動。活動の規模を広げる というよりは、価値観を伝えていくことを目指す。 3 YAP参加メンバーに聞く! 【①活動のきっかけ ②活動年数 ③活動内容 ④活動から得たもの】 ◆荒井 朝香さんの場合 ①出会い&新しい視野を求めて。学生時代にもボランティア活動を していた。 ②7カ月 ③地産地消プロジェクトなど地域活動支援 16 ④色々な世代の人とのつながり。仕事のリフレッシュの場。 ◆内藤 陽さんの場合 ①休日や仕事の後に活動できる場を探していた。仕事以外の 軸が欲しい。 ②1年3カ月 ③NPOサポートプロジェクト、 NPO支援 ④多世代・他分野とのつながり。心の平静。居 場所。 ◆石井 沙織さんの場合 ①傷心を癒す新しい出会いを求めて。②9カ月 ③だがしや楽校など子ども向けイベント・サポート ④出会い&視野の広がり。仕事面でも充実した。 4 フリーディスカッション&質疑応答 〇ボランティアの魅力とは? ・テニスのサークルでも活動している。どちらも楽しいのは同じだが、人が喜んでくれるの がYAPの魅力。新しい人とのつながりが生まれるのも、ボランティアだからこそ。 ・ボランティア活動でなくても良かった。仕事以外の活動や人とのつながりがあることが大 事。 ・お金とは違う対価がある。活動での出会いをきっかけに、自分の目標ややりたいことが見 つかった。 〇活動を続ける秘訣とは? ・無理をしない。責任はあるけど、あく までもボランティア。自分にできる範 囲で、金銭的な負担もなく活動できて いることが継続の理由。 ・仕事上の顔とは違う、「素」の自分を 出せる場所。 「ここに所属している」と いう安心感をもてる。 ・運営側の視点から言うと、人が集まる 場所には課題が生まれる。個人ではな くコミュニティとして解決方法を探っ ていくことが大切。腹を立てていても 解決しない。 5 参加者感想 ・インターネットで調べて、見つけた活動に飛び込んでいけることがすごい。ボランティア は「無理をしない」/「責任をもつ」の両立が難しいが、YAPの活動はとてもバランス がとれている。 ・社会人の「隙間」を埋める活動になっている。就職後2~3年で離職してしまう若者への 支援を考える上で参考になる。不純な動機で参加する人の方が、一生懸命になることが多 い。 ・場所も資金も必要ない、ネットワーク型の居場所の魅力がある。ただネット上でつながる だけでなく、そこでつながった人と丁寧に関わる「顔の見える関係づくり」の大切さを感 じた。 6 まとめ ・仕事があって充実した生活を送っているように見える人でも、人とのつながりを求めてい る。 ・YAPのような活動の場そのものだけではなく、そこから生まれる新しい人との繋がりや、 視野の広がりを若者は求めている。そういう「場」をつくっていく必要がある。 17 交流会 進行:児玉 慶太(実行委員) 交流会では、全国から集まった参加者がお互いを知るきっかけづくりとして、 「ペーパータワー」 を行いました。その後は、参加者の皆さんからのお土産やお茶をいただきながら、自由な意見交 換の場となり、短い時間でしたが有意義な時間を過ごすことができました。 ペーパータワーとは? 短い作戦会議の中、与えら れた紙のみで、どれだけ高 く作成できるか競うゲーム です。 18 その後の交流タイム♪ 交流会パートⅡ@ブリーズベイホテル 19 統括講演 「子ども・若者の『居場所』の現在と未来-自己形成空間の変容と再生-」 講演者:萩原 建次郎 氏(駒澤大学 教授) 1 日目のパネルディスカッションから見えてきたもの 中高生は傷ついている。 「大人はやりたいこと をやれというが、どうせやらせてくれない」 「見た目だけで判断されてしまう」 「ただ集 まってるだけで警察を呼ばれてしまう」 など、 大人に対する不信感を持っている。 今日のベースとなる本(参考図書) ・文明の岐路に立つ教育 (堀内守 著) ・原っぱとすみっこ-人間形成空間の構想(堀 内守 著) ・子ども・若者の自己形成空間(高橋勝 著) 自己形成空間とは ・野生的空間 祠や小道、雑木林など、ただ存在しているだけでなく、そこで関わる中で生まれてくる、意味空 間。子どもは自然や他者、物事に身体全身で関わりながら物語を作っている。祠や小道などは、 「怪しい」「楽しい」「怖い」「冒険したくなる」など、物語をつくる象徴的な場所である。 このような場所では予期せぬ事に巻き込まれ、 「私」が解体し溶け出し、否が応にも意識変容がも たらされる場所である。 ・秘儀的空間 秘密基地やアジトなど、何かをたくらんだり祈ったり、隠れたりする空間。「スタンドバイミー」 という映画で描かれていたような空間。こういった空間は平成の子ども達には分からないかもし れない。 農耕型社会(前近代社会)の自己形成空間 定住型の社会で、子ども・ 若者に役割があり、大人と 共に生きる「共同生活者」 である。地域とのつながり が強く、自然と「若者組み」 「若衆組」などに入り、そ こで一人前になるために必 自然・他者・事物と全心身的に関わりあいながら、物語を織 要な生活の技術や知恵を学 り上げる象徴的な場所(物理的等質的空間とは異なる)。 び取っていった。地域のお 予期せぬ出来事に直面し、状況に巻き込まれ、「私」が解体、 兄さん、お姉さんなど血縁 溶解し、不可避的に意識変容がもたらされる場所。 以外の様々な社会的関わり 高橋勝編著『子ども・若者の自己形成空間』東信堂、2011年 のある大人がいて、まねす る世界がたくさんあった。 大人になること・働くこと 野生的空間:いざなわれ、さすらい、探索し、冒険し、戯れ、 への道筋が用意されていた。 狩りをする世界 反面、固定化された文化が 秘儀的空間:籠り、隠れ、たくらみ、祈り、変貌する世界 あり、底に生まれるとその 文化の中に半強制的に入ら ex.「となりのトトロ」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」の世界 なければならなかった。そ のため「離脱したい」「息苦しい」と感じるものもいた。 自己形成空間とは 20 工業型社会(近代化社会)の自己形成空間 遊び場は児童公園、学び場は学校や塾のように、身近な生活空間の機能が分化され、すべてを効 率的・能率的にと推し進めてい く社会。働くことの意味も変わ り、社会を一緒に維持する「仕 事」から、「稼ぎ」へと変わっ た。そうした中でだんだんと働 定住型社会 く事と子どもを育てることが離 れていき、働くことが抽象化さ 大人と子ども・若者の共同社会 れていった。 ⇒子ども・若者も大人と共に生きる「共同生活者」 また、意図的・計画的な教育空 ⇒共同体における子ども・若者の必要・役割が明確 間が浸透・拡大し、子供を見る ⇒大人になること(一人前)・働くことへの道筋が明示 とき 「何年生?」と聞くように、 (=固定化された文化への参入) 抽象的人間観で観てしまうよう ⇒過去・現在・未来が折り重なった「重厚な現在(いま)」 になった。学びも受験戦争とい 多彩な模倣(ミメーシス)の世界 われるように、抽象的・系統的 ⇒学びが真似び:真似びの相手としての社会的親兄姉、自然 な知識学習へと変わり、成果主 ⇒仕事・楽しみ・遊び・学びの交じり合い 義へと変わった。そこでは常に 共同体の内外に広がる豊かな自己形成空間 未来志向で、現在は未来のため ⇒原っぱ、路地、井戸端、野山、小川、径、雑木林を舞台に の手段になる。今ここの「私」 顔の見える全心身的なかかわりあいに満ちた世界 は常に仮の姿となり、終わり無 き「自分探し」の前提が生まれ た。 農耕型社会(前近代社会)の 自己形成空間 高度情報消費社会(ハイパー近代社会)の自己形成空間 人・物・情報・経済の流れがグローバル化し、流動的な社会。子ども・若者の自己形成空間は物 理的な空間として写真で示すことが難しく、実態の世界から遊離してきている。モノの生産消費 から記号(情報)の消費に変わり、生活者としての児童生徒から消費者としての子ども・若者と なった。 また、メディアがなければ生活できないくらいメディアに依存した、メディアのサービスが構成 する社会。朝起きてからどれだけのサービスを受けているのか分からないくらい、できているも のを使って生活している。水道や電車なども公共サービスである。 メディアの世界はほとんど のことが自分でまかなえる。 コックピットの中で世界を 操っている感覚に近く、そ こで色々なものに触れるこ とができ、自分に抵抗する 機能主義・生産主義社会 ⇒働くことと衣食住・育のかい離 他者がいなくなる。また共 ⇒働くことの抽象化・部品化 同体の暑苦しい濃い人間関 ⇒共同体形成・維持の「仕事」から、「稼ぎ」中心の労働へ 係から解放され、個人(孤 意図的計画的な教育空間の浸透と拡大 人)となっていく。また、 ⇒子ども・若者は未熟で発達途上の「児童・生徒」へ 大人よりむしろ子どもに自 ⇒「一人前」から個体能力中心の抽象的人間観へ 己責任主義が求められ、不 ⇒学びは抽象的・系統的な知識学習へ 安と傷つきやすくなった。 ⇒目標達成志向・未来志向へ 「なんでこんなことで傷つ =「現在」は「未来」の手段でありつづけ、今ここの「私」は くの?」と子ども個人の資 常に仮の姿となる。終わりなき「自分探し」の前提が生まれる。 質の問題にするのではなく、 身近な生活空間の機能分化 大きな社会の展望、存在実 ⇒遊び場は児童公園、学び場は学校・塾 感の希薄化、未来展望の不 ⇒共同体の解体と自己形成空間(野生空間、秘儀的空間)の衰弱 確かさと見なければいけな い。 工業型社会(近代化社会)の 自己形成空間 21 高度情報消費社会(ハイパー近代社会) の自己形成空間 手すりと足場なき流動社会 ⇒人・物・情報・経済の流れのグローバル化と個人化 ⇒未来(目標達成)志向から今を尽きなく生きる(consummatory)志向へ モノの生産消費から記号(情報)の消費へ ⇒生活者・児童生徒から消費者としての子ども・若者へ メディアとサービスが構成する現実世界 ⇒身体感覚とコミュニケーション作法がメディアと連動 ⇒合理主義・効率主義の徹底とあいまいさの排除 ⇒他者なき欲望充足⇔コックピットの中から世界を操る「ボク」「ワタシ」 世代を超えて、共同体の支えなき(居場所なき)個人(孤人)へ ⇒あらゆる暮らしのサービス化とシステムへの寄生 ⇒交換可能な世界(均質的な機能主義の世界)に漂白される「私」 ⇒存在実感の希薄化・未来展望の不確かさ ⇒寄る辺なき個人化と自己責任主義が生む不安と傷つきやすさ 居場所の現在 ・かかわり、存在充足する居場 所 交流センターのような、自分達 で何かをやろうという意欲が生 まれてくる場所。活動的で、人 間的にかかわりあえる場を舞台 として、身をもって多様な他者 や生命とかかわり、出会い、交流し、生き生きと生命としての自己が開かれる場。関係の積み重 ねにおいて信頼・絆が生まれ未知の世界へ踏み出す勇気をもらえる。 ・一時避難場所としての居場所 スタバやマックなど、学校・会社 からの評価や世界からのまなざし を雑音でかき消して、疲れ傷つい た自分を自分で癒す。 居場所の現在 <かかわり><存在充足><生の躍動>に開かれる居場所 活動的で人間的にかかわりあえる場を舞台として、身を 居場所の未来 もって多様な他者や生命とかかわり、出会い、交流し、生き ・豊かにかかわりあえるお互い様 の世界をどうやって創造するか。 生きと生命としての自己が開かれる場。関係の積み重ねに 顔の見える小さな場と少し開かれ おいて信頼の絆が育まれ、未知の世界へ踏み出す足場。 た小さな世界。近代化の中で排除 <一時避難所>として籠る居場所 してきた「性」「老病死」「挫折」 都会の中のカフェ、フードコート、ファミレス、マック、 といった人間の弱さに寄り添える ライブハウス、ネット空間など、消費サービス空間を主な舞 空間。 台として、学校・会社からの評価や世間からのまなざしをノ ・多世代の問題へ イズでかき消し、一時的に休息を取り、疲れ傷ついた自己 o1 子ども・若者だけでなく、中高年 を自分で癒す一時避難の場。 も居場所がないと感じている。ま た、子ども・若者・大人のギャップ を埋めるために、間に入る人が必要。 青少年育成活動をしている人がコー ディネートしていく必要があるかも しれない。 豊かに関わり合える場(自己形成空間)の新たな創造へ ⇒豊かな共助の世界(縁側的な中間領域の重要さ) ⇒手間ひまかけてよい場(人が育つのは手間ひまかかる) ⇒顔の見える小さな場と少し開かれた小さな社会 ⇒性・老病死、挫折といった生の陰影に寄り添える場 ⇒自律的に探索し、さすらえる場 居場所の未来 子ども・若者問題から多世代の参加と共生の問題へ ⇒子ども・若者・大人の新しい共同性への模索 ⇒子ども・若者と共に社会をつくる 22 居場所の現在と未来 近代空間 ポスト近代空間 基本原理 機能性と生産性 ゆるさ、あいまいさ、良い加減 態度・価値 道具的(役に立つか使えるか) 存在充足・自己目的的 (consummatory) 関係性 サービス提供者/消費者 支援者/非支援者 パートナーシップ・共に生きる 評価 数量的成果(もの)の獲得 豊かな物語(こと)の生成 意識 目標達成・未来志向 現在充足志向・存在充足志向 世界 実体化制度化する世界 生成流転し、多様にひろがる世界 質疑 Q.居場所に関わる人の若返りをするにはどうすればよいか。 A.子ども達が本当に思っていることをキャッチするのに、若さは大きな武器となる。年が近いだ けで中高生は良く話す。この意味で、ユースワーカーといわれる人をどうやって育てていくかが 重要。そのためには、小さいときからジュニアリーダーなどのように育てていくことが重要にな る。大人につながる、コーディネートできる人を育てていくことが時間はかかるが大切である。 Q.中高生のいじめや自殺、ひきこもりについてどう考えるか。 A.大人にはそのつもりが無いかもしれないが、強い秩序を作り 道筋を作っている。子どもは本来野生的であるが、その秩序に 合わせようとしている。そのため、鬱憤がたまっているのでは ないか。ひきこもりもぎりぎりの選択で、目に見える敵がいれ ばそれに反発できるが、敵が見えなければ自己防衛のために引 きこもるしかないのではないか。 Q.現代の青年はなぜ保守なのか。 A.保守というのを今の社会を変えようとしないと置き換えると、 現状に満足しているなら保守になる。今が充足されていれば社 会全体を変えようという「うねり」にはなりにくい。また、子 ども達は大人を見ていて、自分の意見がつぶされるという経験をしている。今の社会を変えると して、どのように変えるのか、欠乏しているなら変えようとできるが、今は充足している。しか し、何か突破口があれば、何かしたいという気持ちは渦巻いていると思う。 23 全体会 司会: 児玉 全体会では分科会の報告とフォーラムで考えたことを 参加者間で共有する振り返りを行いました。 第1分科会発表 第3分科会発表 第3分科会発表 第2分科会発表 第 第4分科会発表 フリーセッション 24 慶太(実行委員) グループ・トーク 「僕の最高の居場所」をテーマにワールドカフェ形式でグループ・トークを行い、2日間を振り返りながら、 「居場所」について議論を深めました。 まとめ 25 青少年の「居場所づくり」全国フォーラム2014 アンケート集計結果 平成 26 年 2 月 15 日(土)~16 日(日)実施 【参加者数】 94 人(延べ 130 人) 【アンケート回収率】(回収 48 枚) 51 % ●参加者世代 ●参加者所属 10 代 0% 60 代以 20 上 代 18% 18% 50 代 18% 40 代 24% その他 21% 企業 4% 30 代 22% 民間団体 17% 青少年団 体・青年団 体 14% 青少年対象 施設職員 16% 青少年対象 施設ボラン ティア 6% 自治体教育 委員会職員 8% 自治体首長 部局職員 4% 公民館・社 会教育施設 職員 学校職員 生徒・学生 2% 2% 6% 【その他】・実行委員会 ・保育士 ・子ども会 ・市民有志 ・学習支援コーディネイター ・男女共同参画センター ●参加したプログラム パネルディスカッション 分科会 ( ① 5 ② 8 ③ 交流会 統括講演 全体会 9 24 27 ④ 6) 18 26 25 ●フォーラムで一番期待していたプログラム パネルディスカッション 16 交流会 7 分科会 21 ( ① 6 ② 3 ③ 5 ④ 4 ) 統括講演 19 全体会 12 フォーラム全体 10 その他 0 26 ●フォーラムの情報を何で知ったか 募集パンフレット 15 日都青 HP 1 よこはまユース HP 9 新聞、情報誌 0 インターネット 0 他団体発行の情報誌、機関紙 0 友人、知人 12 所属団体情報 5 実行委員 5 その他 7 【内訳】大田区、交流スタッフ、区役所職員 ●満足度 ☆フォーラム全体について ☆パネルディスカッションについて 0% 3% 10% 39% 4満足 51% 4満足 3やや満 足 2やや不 満 43% 3やや満足 54% 2やや不満 1不満 【満足】 ・今回のテーマを統括講演の中でフォローしてもらえた。 ・ 【満足】 ・パネラーからそれぞれ丁寧に説明があり、 わかりやすかっ 自分の中でテーマがぼやけてしまった。 ・とても楽しく参加できま た。パネルディスカッションで自分の団体以外の活動や考えに触 した。 ・自分の中の居場所づくりとしての価値など、変えた方が良 れて、新しい考えや自分で考えてもいなかったことに気付けた。 いことや、取り入れたいことが多かった。もっと早く知っておけ 基調講演はあってほしかった。 とても分かりやすく、 有意義であっ ばよかった。 ・テーマ設定の重要性。 ・あいにくの悪天候をものと た。若い実践者の話を聞けて良かった。とりたてて何かをする(さ もせず「参加」 。集客力有。内容充実していました。 ・土曜日、雪 せる)のではなく、何をしてもOKなストレス・フリーな場づく で参加できず残念。内容はとても有意義である。 りをどう形づくるかが大切と分かった。ハコよりヒト。 【やや満足】 ・プログラムの流れが例年と違った割には、上手く流 【やや満足】もう少し時間があるといい。社会との接点について れていたと思う。 の話が良かった。パワーポイントが小さくて見えずらかった。パ 【やや不満】 ・1日目欠席。全体を通していないため言えないが、 ワポの映像の文字が見づらい。紙を配布すべき。 2日目だけでいうならば「2」でした。 ☆統括講演について ☆交流会について 【満足】 ・今の人と昔の人の違いで居場所の意味とこれから求められることを知れま 【満足】 ・参加者の大半の方々と交流できる仕掛けで楽しく過ごさせ した。スクリーン映像で分かりやすかった。資料を配布していただき、ありがとう て頂きました。他地域での活動を知ることができ、自分の活動で生 ございました。大変わかりやすい話。課題もみえてきた。自己形成空間については かせる話を聞けた。良い方々ばかりでよかった。 理解できました。史的分析はよく理解できましたが、それと「居場所の未来」が現 【やや満足】 ・全体に参加者の紹介があっても良かった。積極的にい 実的に結び付きませんでした。少し言葉が難しい。少し言葉をくだいて頂けると分 けなかった。 かりやすいです。幅広い視点で居場所について考えさせられました。裾野の広い問 【やや不満】 ・もう少し時間があるといい。内容の工夫は良かった。 題だと再確認しました。 【不満】仕事で参加している。自由参加となると交流会の参加費が 【やや満足】 ・資料が用意されていて分かりやすかった。 「これからの」という内容 支給されず自己負担となる。それには料金が高いため参加を拒んで がおもしろかった。わかりやすい講演だったと思います。話は興味深かったが写真 しまう。もう少し低料金でれば参加できるのですが・・・夕食を兼 を出すテンポがあまり良くなかった。レジュメでの居場所の整理は参考になった。 ねなくても良いので。 【やや不満】 ・先生の答えが欠けていた。 27 ☆分科会について ●第1分科会 満足 3 やや満足 2 やや不満 1 不満 0 【意見】 小集団でのやりとりのため、 意見交換できてよかった。 テーマと内容の不一致 ●第2分科会 満足 1 やや満足 4 やや不満 2 不満 0 【意見】活動の継続の仕方について考えさせられました。時間 が足らなかった。もう少し時間があるといい。 】 ●第3分科会 満足 2 やや満足 1 やや不満 2 不満 1 【意見】 青少年の利用者とスタッフ両方の視点から見ることの 良さがあった。居場所事業の具体的な状況や課題など参考に なった。テーマに沿った話し合いをもっと深めたかった。テー マがぼやけてしまった。雪の中高校生が来てくれたのは◎。 【やや不満】もう少し参加者同士の意見交換をうながしても ●第4分科会 良いと思う。 満足 3 やや満足 2 やや不満 0 不満 0 【意見】大変勉強になりましたが、もう少し失敗例など悪い部 分のお話も聞きたかった。 ネットワークプロジェクト型の若者 の居場所。とても参考になりました。WS苦手ですが、YAP の方々はWEBSITEで拝見したイメージよりずっとかざら ぬ方々であった。Creaetivityすごいなと思います。 ☆全体会について ☆その他 ・交流形式の良さがあった。 「居場所」というテーマ設定 ・意見交換の場を2日目も、もっと設けた方が良い。先 が広く、 話があちこちに飛んでしまった。 机に案内人が残っ に各人の思う「最高の居場所」を出してもらってから、 ていると良かった。 初めてのケースで興味深く面白かった。 最終日にまとめると、もう少しすんなりしたかもしれな ・様々な意見が聞けて、有意義な時間となりました。参加 いと思いました。 主なターゲット (フォーラムの参加者) 者の意見、 考えを聞けて良かった。 良い方々ばかりで良かっ が見えないが、公共施設に勤務するものがターゲットで た。話し合いが難しかった。多くの方と話ができて理解が あれば、平日に開催してもらいたい。 深まりました。時間的に少し無理があるかな?色々な人の 話が聞けたけど、論点が絞りにくかったです。 ☆青少年への理解を深められるような情報を得ることができましたか? 28 ☆今後につながるような意見交換はできましたか? ☆開催時期 適切 適切でない 32 7 【適切でない】 ・災害があるから。雪で前日参加することが出来 なかった。 ・今年だけ雪がひどかったから。例年この時期で良い と思います。 ・雪の心配のない時にしてほしい。雪が降ったが、それは仕方 ない。 ・今回雪で交通機関麻痺。 ☆開催日程 適切 適切でない 36 3 【適切でない】土日開催より、平日に開催していただけると公共施設 に勤めるものにとっては参加しやすい。土日は休みを取れない。 ・2日間は参加が難しい。 。 ●このフォーラムについてのご意見やご要望、ご感想等をご自由にご記入ください。 ・今まで築き上げてきた実績を活かす方法を。 ・継続に感謝。 ・雪の中おつかれさまでした。 ・2日目のみの参加でしたがとても貴重なお話を聞くことができました。ありがとうござい ました。 ・中学生のいじめ自殺、引きこもり。 ・知り合いが出来るという触れ込みに魅力を感じていたが、年代が違いすぎて難しかった。 ・特にテーマ設定に問題はないと思いますが、集まる方々が居場所づくりに取り組んでいる 方々がほとんどであるならば、「とって」の方が良かったかもしれません。 ・雪のため1日目の参加ができず悲しかった。とても楽しみにしていた。 ・中高生センターのルールを説明する時に「自己責任」という言葉をよく使います。本日の お話の中で、自己責任主義が浸透していて、若者が「誰も支えてくれない」と感じている という話があり、今後考えていく必要を感じた。 ・雪で大変でしたが、来てよかったです。 ・中高生の10代の方も交えたらと思います。 ・「居場所」と職業としての「居場所づくり」とは違うのかな、と。「居場所づくり」がま だ理解できません。 ・ワールドカフェ方式の全体会は良かったです。時間があればもう一巡あっても良かったか なと思います。 ・実行委員の受付まわりの私語が大きく、不快であった。また実行委員の多くは学生なのか カジュアルな服装(特にパーカーやジーンズ)が気になった。スーツとは言わないが、場 をわきまえましょう。特に「じゅん」という名札をつけた短パン、サングラスの方がその 恰好を自慢気に話している姿が非常に不快であった。場をわきまえて欲しい。単なる参加 者であれば服装は自由であるが、スタッフならば・・・。少し実行委員の方に厳しい言葉 を書きましたが、大半の方は一生懸命行っていました。おつかれさまでした。ほんの一部 の方の行動でみなさんが築いたものが崩れます。 ・分科会はできれば少人数グループでワークショップ形式にして、さらに情報共有を図る形 式の方が議論が活発になるのではないでしょうか。 ・実行委員会のご苦労はとてもよく分かりました。おつかれさまです。しかし、今回は特別 に「運営側の自己満足」、「内輪受け」を感じました。最後の委員長の全体会まとめは、 実行委員のご苦労を台無しにしてしまったと思います。正直不快でした。 ・時間厳守。居場所は全世代に必要だと思う。駆け込み寺的な居場所を作ってから、自立す るプログラムが必要では? ・最後の交流会では、僕にとって最高の居場所というテーマだったが、居場所の支援者が多 かったので、居場所に関わる支援スタッフとして青少年にどう関わったらよいか、支援者 を増やすためにどうしたらよいか話し合ってほしかった。 ・テーマが絞り切れていないと思います。 ・パワポの内容を紙で配布すべき。 29 ●次回フォーラムのプログラムについてのご要望をお聞かせください。 1 基調講演などで話を聞きたい講師の方がいましたら、ご記入ください。 ・中学生のいじめ自殺、引きこもりについて。 ・平塚眞樹(法政大学) 2 シンポジウムで話を聞きたいテーマや講師の方がいましたら、ご記入ください。 ・IT社会と顔を合わせる関わり ・萩原建次郎、北見清直 3 取り上げてほしい分科会(ワークショップやフィールドワーク等)の内容がありました ら、ご記入ください。 ・当事者団体の活動報告。「支援者」から少し離れた視点。 ・昔からの居場所のあり方の変遷。 ・障害のある子ども・若者と社会のつながり。居場所。 ・生活の多様化。格差と子ども・若者(家庭・親との世界から居場所【外】へ行ったとき) 4 その他、次年度のフォーラムへのご意見やご要望をご自由にご記入ください。 ・10周年なので、一風変わったフォーラム。 ・早目のPR。 ・中学生のいじめ自殺、引きこもりについて。 ・様々な団体のパンフレットをもっとおいてほしい。 ・ありがとうございました。ご苦労さまでした。来年もよろしくお願いします。 ・実際に子ども・若者が関わってつくったものが見てみたい。Ex.)クラフト、ゲーム大会、 バンドのチラシ・ポスターなど。 ・年に2回程度にして頂けたらと思います。 ・雪の中、二日間おつかれさまでした。二日目のみの参加となってしまいましたが、主催者 のHPで雪の時に実施するのかしないのか、掲載されていなかった。 ・特別なことがない限り、時間はオンタイムで始めるべき!仲間内で行っている会合ならば よいが、全国フォーラムとして位置付けているならば、遠方から来ていたり、スケジュー ル管理が難しいので、しっかりすすめて欲しい。 ※参加者の感想は全てアンケートに記入されていたとおり掲載しました。 30 実行委員会の声 居場所フォーラム自体、実行委員としても参加者としても参加するのは初めてで何をどうすれば いいのか正直わからなかったですが、委員をやるにあたって他の実行委員の人がどうすればいい とかの手順なども教わっていくにあたり非常にやりやすくなりました。全体会・各分科会・交流 会・統括講など今までにないくらいのいい講演でした。 (石木田 諒) 居場所フォーラムを続けてきて9 年になりました。今回も含めて積み重ねてきた財産を大切に して“次” に活かして欲しいですね。これからもサポートして行ければと思っています。 (川口 博敏) 気づいたら巻き込まれていた全国フォーラムですが、 様々な出会いがありました。 皆さんのパワー を糧に、これからも青少年に携わっていきたいと思います! (北村 真) 「青少年の居場所づくり」全国フォーラム2014の中で実行委員として参加させてもらったの ですが、ミーティングでの意見の相違などがあり、スムーズに進まなかった時のほうが多かった のですが、当日の動き方や対応の仕方ひとつひとつがとても参考になりました。 「居場所」とい うテーマは大変難しいですが今後も考えていきたい奥深いテーマだと思いました。 (藤巻 慎太郎) 「居場所づくりフォーラム」なる学習会を行おうと、実行委員会を立ち上げてもう 9 年になるの か。感慨深い。この幾ばくかの歴史の中で、 「居場所」のなんたるかについて沢山の仲間と語り 合ってきた。議論は尽きず、波のように何度も満ちては引いて、初心に返ったり、時代の変化に 呼応したりしてきた。さまざまな実行委員、参加者が寄せ合っての実績だ。本当の現場を知って いたり、若者当事者だったりしている仲間には通じるだろう。 今後も変わらずに「居場所問題や若者問題を外から評論する」ような人間ではなく、しっかり と根を張った現場を持っている活動を積み重ねていきたい。 10 回目の変化がどう表れるかも楽しみだ。 (深谷じゅん) 「青少年の居場所づくり」全国フォーラム2014 実行委員会及び当日スタッフ 一戸 文崇 (実行委員長) 浅井 梶川 霜田 早川 正美 朋 和花 惟子 阿久津 強 鎌田 淕 関 さおり 深谷 じゅん 石木田 諒 川口 博敏 寺口 汐里 藤巻 慎太郎 大山 北村 中島 本田 31 宏 真 恒太 明 尾崎 万里奈 児玉 慶太 中野 啓一 松本 卓巳 小佐野 照久 さかい かずえ 七澤 淳子 村石 早紀 編集: 「青少年の居場所づくり」 全国フォーラム2014 実行委員会
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