カラフル炎 ! (固形 燃料 をつくろう)

ほのお
じっけん
カラフル 炎 !
こ け い ねんりょう
(固形燃料をつくろう)
じ っ け ん
て
つか
どうぐ
ざいりょう
実験で使う道具と 材 料
ポリビーカー(使い捨てコップ可) 1つ
ポリスポイト
2つ
アルミカップ
5個
プラスチックビーカー
ぼう
かくはん棒(マドラー)
び
1本
あるいは使い捨てコップ
たいねつせい
実験の手引き
耐熱性のタイル
1枚
チャッカマン
1つ
エタノール
(50ミリリットル)
さくさん
酢酸カルシウム
じっけん
かねつ
こけいねんりょう
つく
ねんりょう
さん
アルミカップ
じっけん
1)調理(加熱)でつかわれる固形燃料をつくろう。
じぶん
えんか
塩化ストロンチウム、塩化ナトリウム、ホウ酸 少々
実験の内容
ちょうり
(25 グラム)
えんか
ないよう
はなび
いろ
ひみつ
2)自分で作った 燃 料 をつかって花火の色の秘密をさぐ
ちゅういてん
実験の注意点
すいどう
しょうかき
*火をつかうため、水道や消火器のあるところで
じっけん
実験をすること。
じっけん
*必ず大人といっしょに実験しましょう。
ってみよう。
じっけん
ざいりょう
ぜったい
*実験の 材 料 は絶対に口にいれないようにしてく
ださい。
たいねつせい
耐熱性のタイル
つくりかた
め
も
① ビーカーの目盛り50ミリリットルのところまで水を入れる
(水道水でよい)。
じっけん び
実験日
へいせい
平成
ねん
年
がつ
月
にち
日
ほうわさくさん
すいようえき
さくさん
② 飽和酢酸カルシウム水溶液をつくる。酢酸カルシウム(25g)を①の
ぼう
ぜんぶ
と
ビーカーに入れて“かくはん棒”でまぜ、できるだけ全部を溶かし
な ま え
とうめい
名前
ほ う わ すいようえき
てみる。しばらくすると下の方が透明な飽和水溶液になる。
ようえき
とうめい
ぶぶん
さくさん
③ ポリスポイトで、さきほど作った溶液の下の方の透明な部分(酢酸カ
1
2
ほ う わ すいようえき
す
あ
ようごしゅう
ルシウム飽和水溶液)を吸い上げ、アルミカップの下から約三分の
あな
★ 用語集 ★
かくにん
一の高さまで入れる(アルミカップに穴があいていないかを確認し
ておこう)。
さくさん
と
もの
べつ
④別のビーカーにエタノールを入れ、③のアルミカップに、上から
ようす
せいしつ
た
酢酸カルシウム→水によく溶ける性質があります。国によっては食べ
み
様子を見ながら少しずつ注ぐ(スポイトをつかってもよい)。“かく
かた
あんていざい
ぞうねん ざい
物にいれる、安定剤や増粘剤(かたくずれしないようにする)などの
しょくひんてんかぶつ
食品添加物として広く使われています。
たし
はん棒(マドラー)
”でまぜて硬さを確かめる。
しょうどくえき
エタノール→お酒の成分や、消 毒 液 の成分としても知られていますが、
じっけん
ねんりょう
さいきんるい
この実験では 燃 料 として使います。ばい菌(細菌類など)にとってエ
かた
⑤だんだんと固まってゼリー状になってくる。こ
しょうどくえき
タノールは毒なので、死んでしまうことから消 毒 液 として使ったりも
こ け い ねんりょう
れが固形 燃 料 になる。4個ほど作ってみる。
こくもつ
げんりょう
こけいねんりょう
します。
“バイオエタノール”は、とうもろこしなどの穀物が 原 料 で、
固形燃料のできあがり!!
のできあがり!!
イースト菌(酵母)の発酵(原理はお酒づくりと同じ)によってつく
こ け い ねんりょう
こうぼ
できあがりイメージ
はっこう
ねんりょう
られる 燃 料 です。
たいねつせい
⑥一つ目の固形 燃 料 には何もふりかけないで、耐熱性タイルの上で
てんか
ほのお
かんさつ
チャッカマンで点火してみよう。 炎 の色をよく観察してみよう!
こ け い ねんりょう
えんか
さん
べつべつ
⑦あと3つの固形 燃 料 に、塩化ストロンチウム、ホウ酸、など別々
かんさつ
ほのお
ねんしょう
か が く はんのう
ほのお
ねつ
燃 焼 →化学反応によって、 炎 と熱がでること。
つづ
も
さんそ
かんさつ
いろ
ぶっしつ
しゅるい
はなび
メモ
げんり
炎 の色は物質の種類によって様々です!これが花火の原理です。
リチウム
ナトリウム
カリウム
ルビジウム セシウム カルシウム ストロンチウム
3
ねつ
ひつよう
燃え続けるためには 1)燃えるもの、2)酸素、3)熱、が必要です。
⑧燃えカスがどうなっているかも観察してみよう。
ほのお
も
燃 料 →よく燃えて、 炎 をだすためのもの
も
に少しふりかけて炎の色を観察してみよう。
も
ねんりょう
バリウム
銅
4
“打ち上げ花火”について
ちしき
★ミニ知識
ミニ知識こうざ★
こうざ★
水溶液がどうしてゼリー状になるの?
さくさん
す い よう え き
ま
さくさん
と
酢酸カルシウム水溶液にエタノールを混ぜると、酢酸カルシウムを溶かすの
と
うば
につかわれていた水がエタノールとよく溶け合うので、水はエタノールに奪
じょうたい
と
さくさん
われた状態 となります。すると、溶 けていた酢酸 カルシウムがだんだんと
こ た い
もど
ぎょうけつ
さくさん
けっしょう
固体に戻ろうと(凝結)します。そのときに酢酸カルシウムの結晶がエタノー
さんじげんてき
あ み め こう ぞ う
ルを含んで、三次元的につながった(網目構造の)ゼリーになるのです。
スターマインや一斉打ち上げ用の打ち上げ筒
1尺玉を打ち上げ筒に入れるところ
打上げ花火の色は何からくるの?
花火の構造:割物(左)では玉皮は粉々に
なり星を均等に遠くまで飛散させます。
ポカ物(右)では玉皮はほぼ張り合わせた
所から二つに割れ、中身を放出します。
火の塊を入れて発射薬が爆発することで
打ち上げられる
とちゅう
とくゆう
ぎじゅつ
花火が途中で色を変えるのは、日本の花火特有の技術でへんしょくぼし(変
か や く
ま
色星)といわれています。それぞれの色をきめているのは、火薬に混ぜるも
きんぞく
しゅるい
のにふくまれる金属の種類です。
たんさん
紅色(
紅色(べに)
べに)はストロンチウム(
ストロンチウム(炭酸ストロンチウム)
ストロンチウム)
しょうさん
緑色(
緑色(みどり)
みどり)はバリウム(
バリウム(硝酸バリウム)
バリウム)
黄色(
黄色(きいろ)
きいろ)はナトリウム(
ナトリウム(シュウ酸
シュウ酸ソーダ)
ソーダ)やカルシウム(
カルシウム(炭酸カルシウム
炭酸カルシウム)
カルシウム)
さ ん か どう
青色(
青色(あお)
あお)はどう(
はどう(酸化銅)
銀(白)色(ぎん)
ぎん)はアルミニウム
ごうきん
金(錦)色(きん)
きん)はチタン合金
チタン合金
かごうぶつ
などの
などの化合物がつかわれています。
がつかわれています。
打ち上げ花火の作り方
5
6
えどじょう
ちくじょう
おおたどうかん
えんしょく は ん の う
◆ 江戸城がつくられようとしていたころ、
がつくられようとしていたころ、築城のために太田道潅
のために太田道潅らが土
らが土を
実は身近な炎色反応
べていると、
よく調
調べていると
、燃えやすい土
えやすい土(煙土) を発見しました。
しました。こ の土の成分
よく
み ぢ か
み そ し る
しら
なべ
あお
だいどころよう
◆お味噌汁がお鍋からふきこぼれる・・・・青かった台所用 ガスの炎が、オ
み
も
か や く
そ
しょくえんちゅう
レンジ色に光ります。これはお味噌に含まれる、食塩中 のナトリウムによ
る色です。
え ん ど
せいぶん
はっけん
しょうせき
どうかん
は 、火薬の成分として使
として使われる硝石
われる 硝石 でありました。
でありました。その後
その 後、道潅は中国
へ
しょうせき
せい ぞ う ほ う
から京都
から京都を
京都を経て伝わってきた硝石
わってきた硝石の製造法をおぼえ、
をおぼえ、“のろし”
のろし”にこれを
混ぜることで花火
ぜることで花火のようなものができることを
花火のようなものができることを知
のようなものができることを知りました。
りました。太田道潅の
太田道潅の
え ん か
え ん か
え ん そ
も
みどりいろ
◆ラップ(ポリ塩化ビニリデンなど、“塩素”を含むもの)が燃えると緑色 の
ほのお
え ん そ
けんしゅつ
ぶん せき ほう
炎 が出ます。これは塩素を検出 する分析法でバイルシュタインテストと
はっせい
き け ん
ちゅうい
ひ つ よう
呼ばれます。ただし発生するガスが危険なので、注意が必要です。
え ん か
お しい れ よう
し っ け
◆塩化カルシウム(押入用の湿気とりの中の白い粉)が燃 えると、カルシ
しゅあかいろ
ほのお
かんさつ
ウムによる朱赤色の 炎 が観察できます。
ため
か
じ
<注意>おうちで炎色反応を試したい場合には、火傷、火事の起こらない
じゅんび
ひ つ よう
さん こう ぶんけん
かわびら
よ
ように十分な準備が必要です。参考文献をよく読んでから、大人といっし
え ん か
げんざい
は な び
大会にだんだんと
大会にだんだんと近
にだんだんと近いものになったと
いものになったと考
なったと考えられています。
えられています。
つた
てっぽう
ぎじゅつ
ご な が
◆ 種子島に 伝わった鉄砲
わった鉄砲 の 技術は 、 その後長
その後長 さ 30~
30 ~ 40cm
40 cm、
cm、 重さ 2 キロ
せい ど う せい
はってん
ごうおん
せん こう
おどろ
せ ん い
ほどの青銅製
ほどの青銅製のものにまで発展
のものにまで発展し、轟音と閃光で人馬を
人馬を 驚 かせ戦意
かせ戦意を
そうしつ
や け ど
りょうごくばし
れ川開き煙火が上げられるようになり
げられるようになり、
るようになり、年を重ねるごとに、
ねるごとに、現在の花火
たねがしま
も
すみだがわ
霊祭には
げられ、1659 年には隅田川
には隅田川に両国橋がかけら
霊祭には煙火
には煙火が打ち上げられ、
ぶ
き
か や く
喪失 させる武器
させる 武器 となっていきました
となってい きました。
きました 。 これが、
これが 、 火薬 の 力 で 高 いところに
と
せつ
飛び、また美
また美しい色
しい色と光を放つ花火になっていったという
花火になっていったという説
になっていったという説もあります。
もあります。
じ っ し
ょに実施してください。
花火の
花火の歴史(~いくつかの説
いくつかの説を紹介します
紹介します~
します~)
の ろ し
はったつ
べんきょう
◆ 狼煙から発達
から発達したという説
したという説があります。
があります。狼煙の中で烽燧(
烽燧(ほうすい)
ほうすい)とい
つうしん
がいてき
しんにゅう
う 、昔の通信システムがあり
システムがあり、
があり、外敵の 侵入 をいちはやく
をいちはやく城
ちはやく城に伝えるため
ほうすい
さきもり
に使われていました。
われていました。こののろし
こののろし(
のろし(烽燧)の任にあたっていた、
にあたっていた、防人たちが、
たちが、
あつか
じゅつ
火を 扱 う 術 を 身に付 け、のちに打
のちに打ち 上げ花火が
花火が作られるようになった
られるよう になった
と考えられています。
えられています。
か や く
ぎじゅつ
さ ん こう ぶんけん
じ だ い
● 「日本の
日本の花火」
花火」ホームページ、
ホームページ、http://japan-fireworks.com/
● 身の回りの化学、http://www3.u-toyama.ac.jp/kihara/chem/hanabi/iro.html
● 高橋、三次、 「化学と教育」51、220(2003)
● 三河花火史 『昭和44年9月25日発行 発行者愛知県煙火組合編集、三河煙火史
編集委員会 印刷所 (資)永田印刷所』より抜粋
● 花火屋.com のホームページ“煙火の起源”より引用、http://www.hanabiya.com/
おおかみ
◆ まだ、
のなかった 時代 には、
には 、 狼 など
まだ 、化学の
化学 の 力 によって火薬
によって 火薬を 作 る技術 のなかった時代
にくしょくどうぶつ
ふん
ち っ そ せいぶん
ちょうじかん
しょうさんえん
か や く
肉食動物の 糞 に 含 まれていた窒素
まれていた 窒素 成分 が 、 長時間 かけて硝酸塩
かけて 硝酸塩 ( 火薬
せいぶん
とお
よ
ふく
の成分に近いもの)
いもの)になり、
になり、遠くまで良
くまで良く光る火を含む“のろし”
のろし”として戦
として戦
せ い よう
しょうせき
か や く
国時代で
から 硝石 など火薬
など 火薬 の
国時代 で 活躍したそうです
活躍 したそうです。
したそうです 。 のちのちには、
のちのちには 、 西洋 から硝石
げんりょう
とど
てっぽう
はったつ
原料が届けられるようになり、
けられるようになり、これが鉄砲
これが鉄砲などにも発達
などにも発達していきました。
していきました。
せんごくじだい
もち
ぶ
き
き げ ん
せつ
◆ 戦国時代に用いられていた火煎
いられていた火煎(
火煎( かせん)
かせん) という武器
という 武器を起源とする説
とする説 も
とお
とど
ちょうほう
あります。
あります。遠くまで火
くまで火が届き、音や光が大げさであることから
げさであることから重宝
ことから 重宝 され
ていました。
ていました。
7
さ ん こう
もっと勉強
もっと 勉強 したいひとのために(
したいひとのために(参考文献、参考URL)
URL):
の ろ し
8