このプレスリリースはギブン・イメージング社 2010 年 10 月 18 日の発表を翻訳したものです。 Press Release 【最新情報】 小腸用カプセル内視鏡 PillCam® SB は炎症性腸疾患管理に 重要な役割を担うことが、米国消化器病学会(ACG)年次総会で報告される ― 2010 年 10 月 18 日、テキサス州サンアントニオ発 ― ギブン・イメージング社(NASDAQ: GIVN、イスラエル・ヨクネアム)は、疾患管理における PillCam® SB カプセル内 視鏡の臨床価値を強調する最新データを発表しました。この最新データは、2010 年 10 月 15 日から 20 日にテキ サス州サンアントニオで開催された米国消化器病学会(ACG)年次科学会議および大学院課程で発表されたもの です。ギブン・イメージング社はこの総会でブース番号 715 に出展しました。 「カプセル内視鏡に関する研究は増加の一途を辿っており、炎症性腸疾患(IBD)など、小腸に問題を抱える患者 の正確なケアにおいて、カプセル内視鏡には臨床医を支援する有用性があることを支持しています。私たちは、こ の重要な技術に関する研究成果を学習して、患者の転帰を最適化させる臨床知見を増やしていく必要があります」 と、ノースカロライナ大学チャペルヒル校の Dr. Hans Herfarth は述べています。 以下に、この会議で報告された内容のハイライトを紹介します。 ● ノースカロライナ大学チャペルヒル校の Dr. Millie Long と Dr. Hans Herfarth らによるポスター発表(P282)では、 カプセル内視鏡は IBD の総合的な管理に影響を与えると結論しています。この発表者らは、2003 年から 2009 年までにノースカロライナ大学病院でカプセル内視鏡検査を実施した 128 例のレトロスペクティブ研究を実施し、 カプセル内視鏡が IBD(クローン病、非定型的炎症性疾患(Indeterminate Colitis)、嚢炎)と確定診断された患者 の臨床管理を変えうるかを検討しました。カプセル内視鏡検査の結果、確定診断済みのクローン病患者の陽性 所見が最も多く、次に、非定型的炎症性疾患、嚢炎の順番でした。カプセル内視鏡による特異的な所見または IBD のサブタイプにかかわらず、カプセル内視鏡検査所見は、大多数の症例の疾患管理を変えうることが示され ました。 ● カプセル内視鏡の検査結果に及ぼす長期の抗凝固剤投与の影響に関する研究で、2010 年ポスター発表学会 長賞を受賞した、カリフォルニア州サクラメントのカリフォルニア大学デービス校の Dr. Surinder Mann らによるポ スター発表(P536)では、原因不明の消化管出血(OGIB)のためにカプセル内視鏡検査を受けた 250 例の患者 をレトロスペクティブにレビューしています。これによると、長期の抗凝固療法を受けている患者では、カプセル内 視鏡検査の診断率が有意に高いことが示されました。発表者らは、この患者集団に対するカプセル内視鏡の早 期検査は保証されたものであり、できるなら、診察の直前まで抗凝固療法を継続できることを示唆していると結 論しています。 ● カリフォルニア大学ロサンゼルス校の Dr. Rome Jutabha らによるポスター発表(P541)では、単施設で行われ た 882 例の小腸カプセル内視鏡症例をレトロスペクティブにレビューしています。最も多かったカプセル内視鏡 所見は、血管異形成(56.8%)、潰瘍(32.5%)、リンパ管拡張(26%)、腫瘤性病変(20.9%)でした。発表者らは、カプ セル内視鏡は、原因不明の消化管出血、クローン病の疑い、小腸腫瘍などの小腸の病変検出に安全で有効な 診断ツールであると結論しています。 炎症性腸疾患(IBD)について 炎症性腸疾患とは、特に潰瘍性大腸炎やクローン病といった消化管の慢性炎症を言います。米国では、IBD 患 者が 100 万人を超え、10 万人中 10 人の割合で新たな IBD 患者が診断されています。(1) IBD で一般的に見られ る症状は、下痢、直腸出血、急な便通、腹部痙攣、腹痛、発熱、体重減少です。潰瘍性大腸炎とクローン病の大き 1 な違いは、消化管の病変部位の違いです。潰瘍性大腸炎は大腸にしか起こらず、しかも腸壁内層に限られ、一方、 クローン病は消化管のあらゆる部位に発現することがあります。(2) 原因不明の潜在性消化管出血について 原因不明の潜在性消化管出血とは、目に見える明らかな出血の徴候がないにもかかわらず、消化管からの出血 が認められる臨床症状を言います。この症状は通常、便潜血で陽性または鉄欠乏性貧血の発見によって発覚し、 その原因はさまざまに考えられています。(3) Occult OGIB 患者の約半数が出血源を特定できません。(4) PillCam® SB について PillCam® SB カプセル内視鏡のサイズは 11mm x 26mm で、重量は 4 グラム未満です。現在の第二世代の PillCam® SB 2 は撮像カメラと光源を内蔵し、毎秒 2 枚の速度で画像を転送し、1 回の検査で 50,000 枚以上の画 像を撮影します。PillCam® SB カプセル内視鏡は、2001 年に米国食品医薬品局(FDA)より認可を得て、その臨床 適応は、1,200 件以上の権威ある医学専門誌での論文によって臨床的に実証されています。2 歳以上の患者の小 腸を可視化する非常に精度が高く、患者にやさしいツールです。鉄欠乏性貧血、クローン病疑い、小腸腫瘍疑いな どの原因不明の消化管出血を有する患者、ポリポーシス症候群患者の管理、疑診例または難治例に相当する吸 収不全性症候群(セリアック病など)の評価に使用されています。PillCam® SB は、小腸診断のゴールドスタンダー ドです。 <※脚注> (1) http://www.acg.gi.org/patients/gihealth/ibd.asp (2) http://www.mayoclinic.com/health/crohns-disease/DS00104 (3) http://www3.utsouthwestern.edu/endocrine/Rockey.htm (4) http://www.aafp.org/afp/20040215/875.html ギブン・イメージング社について ギブン・イメージング社は、2001 年から、PillCam® プラットフォームのコンセプトを基盤とした革新的で患者様に優 しい先進的な消化管診断ツールを提供しています。PillCam® SB は小腸、PillCam® ESO は食道、PillCam® COLON は大腸の自然のままの消化管画像を提供します。PillCam® カプセル内視鏡は、患者様が嚥下するカプセル型の小 型ビデオカメラです。ギブン・イメージング社では、他にもカプセル型製品を販売しております。PillCam® カプセル内 視鏡が消化管を通過できるかどうか、開通性をみるための AGILE、胃食道逆流症(GERD)の pH 検査に使用する 医療機器としては、カテーテルを使用しない唯一のワイヤレス 48 時間 pH 検査システムの Bravo® があります。ギ ブン・イメージング社の製品は、最先端のワイヤレス通信技術とソフトウェアを使用することにより、より正確な消化 管疾患の診断を可能とし、患者様には、より適切な治療を実現することができます。全てのギブン・イメージング社 の製品は低侵襲性で、かつ無拘束であり、患者様は検査中も日常生活を送ることが可能です。ギブン・イメージン グ社は、2010 年 4 月に、消化管の運動機能を評価する高解像度マノメトリのパイオニアであり、消化管診断ソ リューションの大手プロバイダーである Sierra Scientific Instruments 社を取得しました。これで、Sierra Scientific 社は、ギブン・イメージング社の完全子会社となりました。ギブン・イメージング社の本社、工場、研究開発施設は、 イスラエルのヨクネアムにあり、アメリカ、ドイツ、フランス、日本、オーストラリア、シンガポールに子会社があります。 さらに詳しい情報が知りたい方はこちらをご覧ください。http://www.givenimaging.com. 日本法人 ギブン・イメージング株式会社について ギブン・イメージング株式会社(東京都千代田区、社長:河上正三)は、世界で初めてカプセル内視鏡を開発し、 現在世界のカプセル内視鏡市場において豊富な経験を持つギブン・イメージング社(Given Imaging Ltd. 2001 年 NASDAQ 上場)の日本法人であり、日本におけるカプセル内視鏡の製造販売会社です。 <ホームページ> http://www.givenimaging.co.jp 注)日本では、PillCam® SB および PillCam® SB 2 カプセル内視鏡(小腸用)が承認されています。大腸用の PillCam® COLON、および PillCam® COLON 2、食道用の PillCam® ESO 2 はまだ承認されておりません。 2
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