リモセン用ハイパースペクトル - 一般財団法人宇宙システム開発利用

17先端−10
調査・研究報告書の要約
書名
平成17年度
衛星リモートセンシング用ハイパースペクトル技術高度化の調査研究報告書
発行機関名
社団法人 日本機械工業連合会
財団法人 資源探査用観測システム研究開発機構
発行年月
平成18年3月
頁数
136
判型
A4
[目次]
総論
1.調査目的
2.調査内容
3.調査結果
各論
1.ハイパースペクトルセンサについて
2.ハイパースペクトル高度化技術調査、検討
3.ハイパースペクトル利用技術調査
4.課題・問題点の抽出
[要約]
総論
1.調査目的
ハイパースペクトル技術はASTER、LANDSAT等のマルチスペクトルセンサと比較し波長分解
能が細かく、多くの情報を提供することが可能である。この特性を生かすことにより観測対象物の識
別能力が高く、植生の活性度測定、資源探査、汚染状況監視等多くの分野で期待されており、経
済産業省の宇宙分野での戦略マップにおいても重要項目として取り上げられている。しかし航空
機リモセンの分野では実用化が進んでいるものの衛星リモセンにおいては、これらの用途に必要
な情報を抽出するためのS/N比、波長精度等の性能面で利用者の要求に応えられていない。こ
のために衛星リモセンのハイパースペクトル技術はまだ実験的な利用にとどまっており、広汎な利
用までには広まっていない。この課題を解決するためにこれらの性能の向上を目的とした技術の調
査を、利用技術の調査と併せて行うことにより、利用者の要求に整合した性能を有する衛星リモセ
ン用のハイパースペクトル技術の調査を行う必要がある。
本調査研究ではS/N比向上、波長精度向上等の性能改善に関する可能性の調査、検討を行
い、その実現性を確認し、今後のハイパースペクトル技術の実用化を目指すことを目的とした。
1
2.調査内容
1)ハイパースペクトル高度化技術調査、検討
S/N比向上(光検出器の感度向上)、校正精度向上(波長測定値の安定性向上)等の技術課題
について、内外の研究動向、民生分野での実現性能等の開発動向を参考に調査、検討し、従来
技術での到達性能、新規技術採用による性能改善の可能性を検討した。調査、検討にあたっては
、複数の方式について調査検討を行い、トレードオフを行った。また2)項で調査した利用側からの
要求性能との整合性についても検討し、利用側の要求に合致し、ハイパースペクトルデータ普及
に必要な性能向上策の検討を行った。
・校正精度向上(波長測定値の安定性向上)
波長精度の向上、維持のための方策として波長校正の方式検討、複数の方式の比較検討を行
った(基準波長源採用、太陽光利用等々)。
また、打ち上げ前のデータ取得からオンボードでのデータ取得、評価までの作業の流れを明確
にした。
・S/N比向上(光検出器の感度向上)
CCDの高感度化(裏面入射型、IMPACTRON、冷却タイプ等々)およびTDI等データ取得方
式による高感度化等の各種方式を調査、比較検討を行った。
2) ハイパースペクトル利用技術調査
リモートセンシングにおけるハイパースペクトルデータを用いたデータ処理例および使用された画
像データの性能に関して、航空機搭載型センサとしてAVIRISを、衛星搭載型センサとしてHyper
ionの事例を中心として、ハイパースペクトルデータ処理技術の利用に必要な性能を調査した。
3) 課題・問題点抽出
1)、2)項の調査をもとに課題、問題点の抽出を行い、ハイパースペクトルセンサの実現に向けて
の課題、問題点を明確にし、今後の開発計画を検討した。
3.調査結果
1)ハイパースペクトル高度化技術調査、検討
波長校正精度向上の検討として、各種校正方式の検討、トレードオフを行った。基準波長源を有
する方式、太陽光のスペクトルを利用する方式があり、実現可能な精度は波長分解能10nmに対
し、10%程度である。また、S/N比の向上に関し、検出器の選択、衛星の運用での改善等の検
討を行い、CMOS型の検出器と、衛星の回転速度を変更することにより、可視波長域で200以上
のS/N比が確保できる見通しを得た。
2) ハイパースペクトル利用技術調査
航空機搭載センサAVIRISおよび衛星搭載センサHyperionのデータの実例を調査し、波長校
正精度が大気補正を正確に行うために必要であること、およびその必要精度についてまとめた。要
2
求は波長分解能10nmに対し、1%の精度が必要である。また、鉱物識別の実例におけるS/Nと
識別率との関係を調査し、S/N比が識別率に大きく関与していることを示した。
3) 課題・問題点抽出
利用調査の結果提示された要求性能に対し、性能向上策を採用しても要求を満たすことができ
ない項目があることが明らかになった。この解決のためには、地上での観測データの解析も併用し
て総合的な精度の向上を図る等機器だけではなく、運用も含めた性能向上策が必要であることを
示し、今後検討を進める必要のある項目を提示した。
各論
1.ハイパースペクトルセンサについて
ハイパースペクトルセンサは、マルチスペクトルセンサの多バンド化とし対象物のスペクトルパター
ンの特徴を識別できることを目的として発達してきたものであり、波長分解能が高く連続したスペク
トルを有した画像データを取得できる
連続したスペクトルが取得できることにより、鉱物の識別、植物の識別等、マルチスペクトルとは質
的に異なるデータを利用できるようになる。
このため、経済産業省の宇宙分野での戦略マップにおいても重要項目として取り上げられており、
今後の発展が期待されている(図 1)。
技術課題
マルチスペクトル(MS)センサ
ハイパースペクトル(HS)センサ
2005
H17
2006
H18
2007
H19
2008
H20
分解能:可視近赤外15m,短波長赤外30m,
熱赤外90m、観測幅:60km (ASTER)
分解能:可視近赤外:5m,短波長赤外15m,熱赤外60m
波長域:450∼520nm/1バンド追加、観測幅:90∼120km
分解能:可視∼短波長赤外30m、波長域/バンド数:
400∼2450nm/100∼150、ダウンリンク速度:500M∼1Gbps
2009
H21
2010
H22
2011
H23
2012
H24
2013
H25
2014
H26
2015
H27
2016
H28
2017
H29
2018
H30
2019
H31
分解能:熱赤外30m、観測幅:180km程度
分解能:S/N向上(短波長赤外∼熱赤外)
分解能:可視∼短波長赤外10m、波長域/バンド数:
400∼2450nm/200∼300、ダウンリンク速度:1G∼3Gbps
分解能:可視近赤外5m、短波長赤外10m、熱赤外60m、波長域/バンド数:400∼
2450nm/300,8∼12μm/20、ダウンリンク速度:3∼10Gbps
処理:6TB/日、保存:6.5PB/年、配布:観測後7∼10時間以内
高次プロダクツの種類・抽出情報量の増加(約10倍)
処理:8TB/日、保存:9PB、配布:観測後数時間以内
高次プロダクツの種類・抽出情報量の増加(数10倍)
石油等資源探査のためのデータ解析(石油資源遠隔探査)
MS/HS処理解析
処理:2.5TB/日、保存:2.6PB/年、配布:観測後1∼2日以内
高次プロダクツの種類・抽出情報量の増加(約5倍)
図 1 経 済 産 業 省
技 術 戦 略 マ ッ プ ( 分 野 別 技 術 ロ ー ド マ ッ プ )
( http://www.nedo.go.jp/roadmap/data/manu_rm3.xls )より抜粋
ハイパースペクトルセンサは、グレーティング、プリズム等連続的に波長を選択できる部品を用い
て、分光することにより連続的で波長分解能が高い画像データを得ることを可能としている(図 2)。
LANDSAT、ASTER 等マルチスペクトルセンサとはいハイパースペクトルセンサのスペクトルバンド
の違いを図 3 に示す。
3
2020
H32
空間分解方向
スリット部分にできる
ライン状の画像
画像の1画素
ハイパースペクトル用グレーティングを通過
後は2次元方向にスペクトル分光され
たライン像ができる
入射光
ハイパースペクトル
用グレーティング
ハイパー撮像時
1画素
ハイパー撮像時
各バンド対応画素
ハイパスペクトル用
結像点スリット
ハイパースペクトル
用検出器
スペクトル分解
方向
光学検出系構成
空間分解方向
ハイパースペクトルイメージ図
図2 ハイパースペクトルセンサ撮像概念図
LANDSAT TM
1 2
3
4
5
7
JERS-1 OPS
1
2
3/4
5
6
7
8
ASTER
1
2
3
4
567 8 9
Hyperspectral (210 Bands)
Spectral coverage : 0.4 ∼2.5 µm
FWHM & Sampling Interval : 10 nm
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
Wavelength (µm)
図3 マルチスペクトル(LANDSAT、JERS-1 OPS、ASTER)とハイパースペクトルセンサのスペク
トルバンド
ハイパースペクトルセンサは航空機搭載用センサしては AVIRIS、CASI 等すでに実用的に使用さ
れているが、衛星搭載センサとしては、2000 年に米国 NASA により打ち上げられた EO-1 に搭載さ
れた Hyperion および 2001 年に欧州 ESA により打ち上げられた PROBA に搭載された CHRIS が
ある(表 1)。
4
表 1 Hyperion、CHRIS 概要
Hyperion
CHRIS
実施機関
NASA(米国)
ESA(欧州)
打ち上げ
2000
2001
バンド数
0.4∼1.0μm、60 バンド
0.40∼1.05μm、61 バンド
1.0∼2.5μm、150 バンド
(バンド数、分解能の選択が可能)
センサ部概観
2.ハイパースペクトル高度化技術調査、検討
ハイパースペクトルセンサの場合には、マルチスペクトルセンサと比較し、波長分解能が高く、連
続的な分光を行い、波長の違いによる情報を有効に利用する必要があるため、波長精度を維持す
るため波長校正が必要となる。また、波長幅が狭いため相対的に受信光量が小さくなるとともに、
バンド間の光量の差異をデータ処理に利用するため、感度(S/N 比)の向上が必要となる。波長精
度向上を目的とした波長校正精度の向上および感度(S/N 比)向上を目的とした検出器の検討を行
った。
(1) 校正精度向上
ハイパースペクトルセンサは、
波長校正とは以下の2特性を校正するものである。
a.バンド間の相対感度
b.バンド内分光感度形状:中心波長、バンド幅
c. b.分光感度形状の画素方向変動(別称スマイル特性:イメージングスペクトルメータ
特有の特性)
波長校正方法の方法としては以下の方式がある。
a.バンド間の相対感度:既知の安定で広い分光輝度を有する光源を撮影し、出力を
評価する。基本的には感度校正についてバンド数を拡張した方式である。
b.バンド内分光感度:特定波長の光を撮影し、波長を変えて出力を評価する。分光
方式が分光器(回折格子等)の場合は分光器と検出器のアライメントまたは数点の波
長による確認で波長のずれはモニタ可能である。
c.スマイル特性は、b.のバンド内分光感度形状の測定を画素別に実施することで把握可
能である。
5
表 2.に校正方式(校正源)5種類についてのトレードオフ、図 4 に校正の概念図を示
す。校正方式としては表の左側が複雑な方法で右に行くほど校正装置としては簡単に
なる。右の2つは光源に固定の輝線または吸収線があるのでその位置で波長校正を行
うと言う方式である。ここでは総合的な優劣までは示していないが、感度校正と合わせ
て校正光源を選定する必要がある。
表 2. 機上波長校正方式トレードオフ
モノクロメータ
ランプ+フィ
LED、レーザ等
低圧水銀灯
太陽+拡散
(分光器)
ルタ変更機構
の狭波長光源
等(広い範囲
板または月を
を複数種類
に輝線)
直接観測
波長域
○
○
△
△
○
精度
○
○
△
△
○
安定度
△
○
△
△
○
校正容易性
△
△
○
○
△
実現性
×
△
○
○
○
寸法、重量
×
△
○
○
△
【地上の校正】
【軌道上の校正】
【月校正】
センサ
感度校正
【センサ出力値付け】
積分球
地上データと月
校正データとの
関係付け
水銀灯
センサ
太陽光校正データの
変化を補正する。
感度校正
【太陽光校正】
センサ
感度校正
波長校正
拡散板
地上試験で値付けした
値と内部光源校正デー
タとの関係付け
地上データと太陽光校正
データとの関係付け
【内部光源校正】
センサ
内部光源
波長校正
【内部光源校正】
内部光源校正は、
地上校正データと
軌道上校正データ
との関係を繋げる
手段
センサ
内部光源
感度校正
波長校正
図4 校正の概念図
校正精度についての機器開発側の実現可能性については、波長分解能が 10nm であること
を考慮すると、その 10%、約 1nm 程度の値となると推定される。
6
(2) S/N比向上の検討
S/N 比向上の方策として、以下の観点から検討を行った。
①検出素子の能力向上
②大口径光学系の採用
③その他
表4にそれぞれの方式のトレードオフを示す。
・検出素子の能力向上
検出素子の能力向上に関しては、CCD は動作速度の観点でハイパースペクトルセンサ
への採用は限界がある。ただし、IMC を併用する場合には、3 倍程度までの動作速度の差
であれば、採用の可能性が残される。
CMOS センサは近年高速のものができてきており、採用の可能性が高い。
近年、アバランシェ効果を利用した検出素子が開発されてきているが、衛星リモートセンシン
グ用には動作速度、波長特性等により現時点では採用は困難である。
・大口径の光学系の採用
大口径の光学系を採用することで、光量を稼ぐことが可能であるが、光学系そのものの実現
性に課題があり、得策ではない
・その他
その他の方策としては、IMC(Image Motion Compensation)の手法を用いることにより、
等価的に検出器の積分時間を長くすることが可能であり、SN 向上の方策としては有望であ
る。
表4 S/N 比向上方式比較
検出素子の能力向上
S/N 向上策
光学系口径
その他
大面積
大面積
TDI CCD
背面照
信号増
光増幅 大 形 望
大口径
素
素
(フィルタ
射 CCD
幅 CCD
CCD
望遠鏡
子
CCD
子
CMOS
遠鏡
IMC
分光)
低空間
低波長分
回路域
複数画
分
解能)
制限
像合成
解
能)
実現性
○
○
○
○
○
○
△
△
○
○
○
○
○
画質
○
○
×
△
△
△
○
○
○
×
×
△
△
動作速度
△
○
△
△
△
△
NA
NA
NA
NA
NA
NA
NA
寸法・重量
○
○
○
○
○
○
△
△
○
○
○
○
○
コスト
△
△
○
○
○
○
△
△
○
○
○
○
○
総合判定
△
○
×
△
△
△
△
△
○
×
×
△
△
S/N の機器側としての、実現可能値を ASTER VNIR の下記実績値をベースに推定した。望遠鏡
径を ASTER TIR の 240mmに大型化すると、望遠鏡径拡大の効果(×8.5)と、波長幅現象の効果
(×1/8)が相殺され、さらに IMC を併用することにより十分な S/N 確保が期待できる。
7
バンド1 波長幅 80nm、S/N500 以上
バンド2 波長幅 60nm、S/N300 以上
バンド3 波長幅 80nm、S/N250 以上
望遠鏡径 82.25mm
3.ハイパースペクトル利用技術調査
ハイパースペクトルイメージングデータのデータ解析は大きく2つのステップに分けられる。最
初が,観測される放射輝度から大気の影響を取り除き地表反射率を求めるステップである。そ
の次が求めた地表反射率を用いて対象となる地表構成物のマッピングを行うステップである。
最初のステップを大気補正処理と呼ぶ。
双方のステップともに波長精度、S/N のどちらも重要であるが、大気補正の場合は主として波長
精度が、マッピングにおいては主として S/N が重要である。
大気補正
太陽
マッピング
観測データ
センサ
大気
地表
地表反射率
観測値から大気の影響を取り除き地表の反射率
スペクトルを求める。
反射率スペクトルの持つ特徴(岩石鉱物・植生な
どの吸収帯)に基づきマッピングを行う。
図 4 ハイパースペクトルデータ解析の流れ
(1) 波長精度について
波長校正への要求事項として取り上げられている要素は,中心波長とスペクトル応答特性の半
値幅の誤差である。それらの誤差が,観測される放射輝度値に影響し,それは,大気補正の誤差
となり導出される地表反射率の誤差を生むことになる。
AVIRISやHyperionとほぼ同じ半値幅である10nmの評価結果では、誤差を与えた場合の観測放
射輝度の与えない場合に対する相対誤差による評価が行われており、与えた誤差は半値幅の10%,
5%,1%で,中心波長ではその波長位置に1.0nm,0.5nm,0.1nmのずれは生じた場合に相当する。
同様に,半値幅おいては,1.0nm,0.5nm,0.1nmの広がりが生じた場合を想定した結果が報告され
ている。
中心波長の結果をみると,大気の吸収帯に対応する波長で誤差が生じていることがわかる。中
8
心波長のずれが,1.0nm(10%の誤差に相当)あるとした場合には,940nmの水蒸気の吸収帯では,
放射輝度で15%ほどの誤差が生じている。この波長帯は,水蒸気量の推定に用いられる波長帯で
あることから,推定値に大きく影響を及ぼす誤差といえる。同じく,0.5nm(5%の誤差に相当)および
0.1nm(1%の誤差に相当)の場合には,それぞれ8%と1.5%である。この波長帯において,放射輝度を
1%程度の精度で取得するためには,中心波長の誤差は1%程度が必要となることを示している。一
方,半値幅の場合についても,同様に,大気の吸収帯に対応する波長で誤差が生じている,例え
ば,1120nmの水蒸気の吸収帯では,半値幅における1.0nm,0.5nm,0.1nmの誤差が,放射輝度で
11.3%,5.6%,1.1%ほどの誤差となって現れている。
(2) S/Nについて
ハイパースペクトルセンサでは、物質のスペクトル特性を元に識別を行っているため、S/N 比はそ
の識別率に影響を与える(ノイズが多いと他の物質と誤って判断する確率が増える)。
図 5 は S/N 比(Signal to Noise Ratio−SNR)の違いによる、鉱物分布解析結果の違いを示したも
ので、可視域で S/N 比約 1000 の 1995 年改造後の AVIRIS と、1990 年改造前で S/N 比約 200 の
AVIRIS の結果を比較したものである。
AVIRIS SNR
1000
1995
200
1990
図5 S/N の違いによる識別率の違い
このことから、少なくとも 200 以上の S/N は必要である。
4.課題・問題点の抽出
3項によるユーザ要求は、波長校正精度が 10nm の約 1%、0.1nm であり、S/N 比に関しては
200 以上できるだけ大きいほうがいいというものであった。
9
また、機器側の実現値は、S/N に関しては 200 以上が実現可能であるが、波長精度は 1nm
程度という結果であった。
機器側の実現性は必ずしもユーザ要求を満たしているとはいえない状況であり、今後実用に向
けて、機器側と利用側との調整により適切な仕様を設定する必要がある。
検討が必要な項目として以下を抽出し、今後の検討課題とした。
波長精度に関して
・機上校正の値と、取得した画像の地上での解析結果も合わせて評価することにより精度の向上
を図る。
・地上試験のデータと機上での変化分の評価
S/N 比に関して
・大口径光学系の採用
・衛星の姿勢精度向上による IMC 倍率の増大
以上
この事業は、競輪の補助金を受けて実施したものです。
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