演題番号:P06 歯科禁煙支援・指導および歯学禁煙教育の標準化の手順 福岡歯科大学口腔保健学講座 埴岡 隆・ 大阪大学大学院歯学研究科予防歯科学教室 小島美樹 ・ 井下英二 滋賀県大津健康福祉センター 【背景】 喫煙による口腔の健康被害は明らかである 法)に分類され、歯科医院の流れの中では簡易介入と が、歯科におけるタバコ対策は十分とは言えない。健 集中的介入が必要であることがわかった。討論結果に 康日本21中間評価(案)では、 「歯の健康」の重点 基づき歯科禁煙クリニカルパスが提案された(図1) 。 課題として禁煙支援体制の確立が挙げられた。 各班ともに活発に討議が行なわれ具体的な項目が提 【目的】 歯科での禁煙支援・指導や教育の標準化に 案されたが、まとまり程度は、臨床活動、歯学教育、 ついて、歯科専門家がワークショップ形式でその手順 公衆衛生活動の順であった。また、歯科各分野の活動 を検討した。 に基づいた経済効果検討資料が推定された(図2) 。 【方法】 2006 年日本口腔衛生学会総会で自由集会 【結論】 歯科活動推進には科学的根拠に基づいた歯 「健康日本 21 のたばこ対策の推進を考える」を開催 科禁煙診療の標準化は急務であり、活動の持続のため し、参加者 27 名が、①歯学教育、②公衆衛生活動、 の歯学教育、公衆衛生活動への参画が考えられた。 ③臨床活動の3班に分かれ、KJ法を用いて情報整理、 中間報告と質疑、作業の修正、全体討議の順に作業を 行った。作業に際しては、禁煙支援や指導の費用や現 行の制度にとらわれず、理想的な禁煙パスを追究する ことに留意した。 【結果】 ①歯学教育班では、シラバスに書かれてい ない、どの科目で講義されているかが不明、いろいろ な学年や教科で扱われる、歯学部教員・職員のマナー、 学内に喫煙場所がある、禁煙を希望する学生の禁煙支 図1.歯科禁煙クリニカルパスの提案 援体制が現状の問題点として挙げられ、歯科大学教授 協議会で歯学禁煙教育ワークショップの開催を提案す ることとなった。 ②公衆衛生活動班では、母子、啓発、保健活動、支 援(うり) 、医療、人事管理、販売、街づくり、教育 がキーワードとして挙げられた。 ③臨床活動班では、実践している禁煙活動を整理し たところ、効果的な問診、口腔の影響を見せて説明、 媒体(待合室・手渡し) 、カウンセリング(タバコへ の思いを聴く、禁煙のきっかけ作りと具体的禁煙方 図2.歯科禁煙対策の経済効果の推計資料
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