【173】当院における鼠径部ヘルニアの術前超音波診断と術後診断 三重

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当院における鼠径部ヘルニアの術前超音波診断と術後診断
◎佐藤 ひろみ 1)、井上 薫 1)、福田 千華子 1)、青木 由佳 1)、大島 啓司 1)、中西 正利 1)、伊藤 正隆 1)、蜂須賀 丈博 2)
市立四日市病院 中央検査室 1)、市立四日市病院 外科 2)
【はじめに】超音波検査にて、鼠径部ヘルニアの間接(外)
全て間接(外)ヘルニアを直接(内)ヘルニアと診断して
ヘルニアと直接(内)ヘルニアの鑑別診断を行うことで、
いた。
外科医が手術操作を行う際の参考になり得る。今回、
術前超音波診断と術後診断の不一致の原因として、下腹壁
我々は、鼠径部ヘルニアで手術が施行された症例に対し、
動脈が描出困難であった事、ヘルニア門の位置を同定する
術前超音波診断と術後診断の評価を行ったので報告する。
上で、ヘルニア嚢の一部をヘルニア門とした事が考えられ
【対象・方法】2014 年 5 月から 8 月に鼠径部ヘルニアの超
る。
音波術前検査が施行され、術後診断された 48 例。
【まとめ】術前超音波診断と術後診断の一致率は 81.2%と
使用機器は GE 社製 LOGIQ E9、東芝社製 Aplio500、探触子
良好な結果が得られた。今後、症例数を増やすとともに、
はリニアプローブ 6~15MHz を使用した。臥位にて下腹壁
下腹壁動脈の描出方法などの検討が必要である。
動脈の走行を把握し、立位にて下腹壁動脈の走行とヘルニ
ア門を描出、下腹壁動脈よりもヘルニア門が外側に位置す
るものを間接(外)ヘルニア、下腹壁動脈よりもヘルニア
門が内側に位置するものを直接(内)ヘルニアとした。
【結果・考察】術前超音波手術を施行した 48 例中、39 例
(81.2%)が術後診断と一致した。間接(外)ヘルニアと術
前診断した 25 例中 25 例(100%)が術後診断と一致した。
直接(内)ヘルニアと術前診断した 23 例中 13 例(56.5%)
は術後診断と一致した。術後診断と不一致であった 10 例は、
連絡先 059-354-1111(内線 6190)