中学校 第3学年 理科学習指導案

中学校
第3学年
理科学習指導案
日 時:
指導者:
場 所:理科室
1
オリジナル単元
化学変化における指示薬のはたらき
2
単元の目標
・ 指示薬の呈色反応に興味を持ち、積極的に観察・実験に取り組むことができる。
(自然事象への関心・意欲・態度)
・ 指示薬の特性を考えて、使用に適した指示薬を選択することができる。
(科学的な思考)
・ 指示薬を適切に使用することができる。
(観察・実験の技能・表現)
・ 指示薬の変化を通して、未知の溶液を同定することができる。
(自然現象についての知識・理解)
3
指導に当たって
(1) 教材観
これまでの学習において、様々な指示薬を活用し、観察・実験を行ってきた。
1 年生の「身のまわりの物質」の単元では「水溶液の性質」において、BTB 溶液やリトマ
ス紙を活用し、"酸とアルカリの中和"について学習した。2 年生の「化学変化と原子・分
子」の単元では「物質が分かれる変化」において、フェノールフタレイン溶液や塩化コバル
ト紙を活用し、"炭酸水素ナトリウムの分解"について学習した。また、「動物のくらしとな
かま」の単元では「動物の体のつくりと働き」において、ヨウ素溶液やベネジクト溶液を活
用し、"デンプンの消化"を学習した。これらの学習で使用された指示薬は、各実験での特
定物質を同定するための道具として取り扱われている。それぞれの指示薬の呈色反応は特有
のものであり、その性質を利用し、未知の物質を推定するために用いられている。そこに、
科学的な面白さが存在する。今学習では、これまでに学習してきた指示薬を用いて、各指示
薬の特性を振り返りながら、指示薬の有用性を気付かせたい。
(2)
生徒観
これまでの反復学習から理科用語は定着してきている。1 問 1 答式であれば理科用語を
ほぼ的確に扱うことができる。しかし、理科用語間の関連性を構築している生徒は少ない。
観察・実験に関わる理科用語が知識として身に付いていても、まだまだ実際の技能に結び
ついていない状況がみられる。指示薬に関しても、反応前後の色の変化については理解し
ているものの"この指示薬を使用して何が分かるのか"といった系統的な理解に至っていな
い。
(3)
指導観
観察・実験における色変化は、生徒が最も興味を抱く現象である。今学習ではすでに学習
してきた指示薬を使用し、中学校で学習する化学の単元の総まとめとして位置づけたい。
また、一人ひとりに実験器具を用意することで、主体性を図りたい。これまで学習してき
た指示薬の反応を振り返らせ、指示薬の活用方法を思考・判断させながら、指示薬を系統
的に理解させたい。更に指示薬を活用し未知な物質を同定する操作の面白さに気づかせた
い。
-1-
4 単元の指導・評価計画(総時数 2 時間)
次
小単元名
主な学習活動
評価規準
一 これまで学習し
た指示薬を振り
返ろう
指示薬の呈色反応を振り
返り、各指示薬の特性を
確認する。
指示薬の反応前後の色変
化について説明すること
ができ、色変化から化学
変化を説明することがで
きる。
二 未知の溶液を指
本 示薬を使って同
時 定しよう
指示薬の特性を活用し、
未知の溶液を同定する。
指示薬を適切に使用し、
観察・ 実験に取り組むこ
とができる。
関 思 技 知
心 考 能 識
○
○
5 本時の学習(第 2 時)
(1) 小単元名
未知の溶液(A ~ F)を指示薬を使って同定しよう
(2)
本時のねらい
指示薬の特性を振り返りながら、見通しを持って未知の溶液を同定することがで
(3)
準備・資料等
BTB 溶液、ベネジクト溶液、リトマス紙、塩化コバルト紙、ヨウ素溶液、
フェノールフタレイン溶液、ガスバーナー、マッチ、試験管(一人 5 本)、
試験管はさみ、ワークシート、ガラス棒、試験管、ビーカー
※
A
B
C
D
E
F
未知の溶液(無色透明)
炭酸飲料 → BTB 溶液
清涼飲料 → BTB 溶液・ベネジクト溶液
スポーツ飲料 → ベネジクト溶液
ゼロカロリースポーツ飲料 → ベネジクト溶液・BTB 溶液・色
スペシャルα(水+カロリーメイト)→ ヨウ素溶液・色
スペシャルβ(水) → 塩化コバルト紙
-2-
きる。
(4) 本時の展開
時間
学習活動
指導上の留意点
評価(観点,方法等)
指示薬を活用し無色透明な溶液(A ~ F)を同定しよう
↑
☆学習の目標を確認す
る
○観察・実験時の安全確認
○班別の個別学習であるこ
との確認
5
○指示薬の説明はしない
○無色透明な溶液の種類の
み紹介する
↓
実験から考察してみよう
↑
☆観察・実験を行う
↑
知識・技能を
活用する場面
35
↓
☆結果をもとに溶液の成
分を考察する
↑
○ワークシートにおおまかな
操作手順を書いてから活動に入
る
◇指示薬を適切に使用し、観
○安易にまわりに頼らないよう 察・ 実験に取り組むことがで
にする
きたか。
○指示薬の特性に関する質問に
は助言程度にとどめる
○各指示薬の特性を中心に考察
させる
思考力育成の場面
↓
○実験結果のみから考察しにく
い場合は各溶液の成分表を参考
に考察するように助言する。
↓
考察から溶液を同定してみよう
↑
☆溶液を同定した理由を
発表する
○指示薬の特性と色変化を関連
↑
させながら発表する
10
表現力育成の場面
↓
○各自の結果と照らし合わせな
がら発表を聴く態度をとらす
↓
-3-