酸・アルカリとイオン

19 酸・アルカリとイオン
1 酸・アルカリとイオン
図 1 水素イオンの移動
うすい塩酸をしみこませたろ紙
赤色に変化➡
H+が酸性の性質を示す。
⑴ 酸 水溶液にしたとき,電離して水素
を生じる化合物。
イオン
(H +)
青色リトマス紙
①酸の電離
陰極
H
+
Cl
−
H
+
Cl
−
H
+
Cl
−
H
+
Cl
−
塩化水素 HCl → H++ Cl −
硫酸 H2SO4 → 2H++ SO42 −
陽極
②酸の水溶液の性質
青色リトマス紙を赤色に変える。
硫酸ナトリウム水溶液をしみこませたろ紙
緑色の BTB 溶液を黄色に変える。
図 2 水酸化物イオンの移動
鉄などの金属と反応して水素を発生。
うすい水酸化ナトリウム水溶液をしみこませたろ紙
⑵ アルカリ 水溶液にしたとき,水酸化
青色に変化➡ OH−が
アルカリ性の性質を示す。
青色リトマス紙
物イオン
(OH−)を生じる化合物。
①アルカリの電離
陰極
Na
+
OH
−
Na
+
OH
−
Na
+
OH
−
Na
+
OH
−
水酸化ナトリウム NaOH→ Na++OH−
水酸化カリウム KOH → K++ OH −
陽極
②アルカリの水溶液の性質
赤色リトマス紙を青色に変える。
硫酸ナトリウム水溶液をしみこませたろ紙
緑色の BTB 溶液を青色に変える。
図 3 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和
フェノールフタレイン溶液を赤色にする。
水酸化ナトリウム水溶液を加える。
Na
+
OH
−
Na
+
OH
−
Na
+
OH
−
⑶ 水素イオンと水酸化物イオンの移動
酸,アルカリの水溶液に電圧を加える
Cl
Cl
−
H
+
H
+
Cl
−
H
−
+
Na
Cl
+
−
H2O
一部が中和
H+が余る。
塩酸
酸性
Cl
−
Na
+
Na
+
Cl
−
H2O H2O
Cl
−
Na
+
Na
+
Cl
−
OH
−
Na
+
と,H+は陰極へ,OH−は陽極へ移動する。
2 酸とアルカリの反応
⑴ 中和 水素イオンと水酸化物イオンが
H2O H2O
結びついて,水ができる反応。
完全に中和
OH−が余る。
H+も OH−もない。
中性
アルカリ性
H ++ OH −→ H2O
⑵ 塩 酸の陰イオンとアルカリの陽イオ
ンが結びついてできる物質。
Na+
3
イオンの数
●
Cl−
2
OH−
1
0
94
H+
0
3 酸性とアルカリ性の強弱と p H
加えた水酸化ナトリウム水溶液の体積
酸性・アルカリ性の強弱は,pH の大小
(酸性)0 ≦ pH ≦ 14(アルカリ性)。
で表す。
(pH < 7 )
① H+の数> OH−の数⇨酸性
(pH = 7 )
② H+の数= OH−の数⇨中性
③ H+の数< OH−の数⇨アルカリ性(pH> 7 )
19 酸・アルカリとイオン
確認問題
1
次の①∼③の物質の水溶液には,共通の性質がある。
① 塩化水素 ② 酢酸 ③ 硝酸
⑴ ①∼③の水溶液を青色または赤色のリトマス紙につけるとどうなるか。
青色リトマス紙
[ ] 赤色リトマス紙
[ ]
⑵ ①∼③の水溶液に共通して含まれるイオンは何か。
2
[ ]
次の①∼③の物質の水溶液には,共通の性質がある。
① 水酸化ナトリウム ② 水酸化カリウム ③ 水酸化カルシウム
⑴ ①∼③の水溶液に緑色の BTB 溶液を加えると何色になるか。
[ ]
⑵ ①∼③の水溶液に共通して含まれるイオンは何か。
[ ]
3
水酸化ナトリウム水溶液をしみこませたろ紙
うすい水酸化ナトリウム水溶液をしみこませたろ紙
青色リトマス紙
と,青色・赤色のリトマス紙を図のように置き,
両端の電極にそれぞれ電圧を加えた。
a
b
陽極
[ ]
陰極
⑴ a ∼ d のうち,色が変化したものはどれか。
りゅうさん
硫酸ナトリウム水溶液をしみこませたろ紙
⑵ ⑴のような結果になったのは,何というイ
c
オンが移動したからか。イオン式で答えよ。
[ ]
4
d
赤色リトマス紙
うすい水酸化ナトリウム水溶液をしみこませたろ紙
酸とアルカリの反応について,次の問いに答えなさい。
⑴ 水素イオンと水酸化物イオンが結びついて,水ができるときの反応を何というか。
[ ]
⑵ 酸の陰イオンとアルカリの陽イオンが結びついてできる物質を何というか。
[ ]
5
うすい塩酸に BTB 溶液を少量加え,これにこまごめピペット
こまごめピペット
を使って水酸化ナトリウム水溶液を少しずつ加えていき,水溶液
の色の変化を調べた。
水酸化ナトリ
ウム水溶液
⑴ 水酸化ナトリウム水溶液を少しずつ加えていくと,混合液は
緑色に変化した。このとき,混合液の pH を次のア∼ウから選
び,記号で答えよ。
ガラス棒
[ ] うすい塩酸
ア pH < 7 イ pH = 7 ウ pH > 7
⑵ 水素イオンと水酸化物イオンが結びついて水ができる反応をイオン式を使って表せ。
[ ]
95
19 酸・アルカリとイオン
問 題 A
1
酸・アルカリについて,次の問いに答えなさい。
⑴ 酸性とアルカリ性の水溶液に共通して含まれるイオンは何か。イオン式でそれぞれ答え
なさい。
酸性[ ]
アルカリ性[ ]
⑵ 次の物質の電離のようすをイオン式を使って表しなさい。
① 塩化水素
[ ]
② 硫酸
[ ]
③ 水酸化ナトリウム
[ ]
④ 水酸化カリウム
[ ]
⑶ 次の①∼⑤の水溶液のうち,酸性の性質には A,アルカリ性の性質には B,中性の性質
には C,これだけでは判断できないものには×でそれぞれ答えなさい。
2
① 赤色リトマス紙を青色に変える水溶液。
[ ]
② BTB 溶液を加えると,緑色になる水溶液。
[ ]
③ pH を測定すると,pH > 7 を示す水溶液。
[ ]
④ フェノールフタレイン溶液を加えても無色のままである水溶液。
[ ]
⑤ 鉄やマグネシウムを溶かして,水素を発生する水溶液。
[ ]
うすい塩酸と水酸化ナトリウム水溶液があ
る。これらを表のような体積で混ぜ合わせて
A ∼ D の 4 種類の水溶液をつくった。A ∼ D
の水溶液を少量ずつ試験管にとって BTB 溶
液をそれぞれ加えると,C の水溶液だけが緑
A
B
C
D
うすい塩酸の体積
〔cm3 〕
40
40
40
40
水酸化ナトリウム
水溶液の体積〔cm3 〕
10
20
30
40
色になった。次の問いに答えなさい。
⑴ B と D の水溶液に BTB 溶液を加えたとき,それぞれ何色になったか。
B[ ] D
[ ]
⑵ C の水溶液中のイオンのようす
ア
をモデルで表すとどうなるか。右
Na
のア∼エから選び,記号で答えな
OH
さい。
[ ]
イ
+
Cl
Na
+
Cl
−
−
Na
−
+
Na
Cl
+
ウ
Cl
H
+
Cl
−
−
H
−
Na
+
Cl
エ
+
Cl
Na
+
Cl
−
−
Na
−
+
Na
OH
+
OH
Na
+
Cl
−
−
Na
−
+
⑶ C の水溶液をスライドガラスに 1 滴とり,右の図のようにして
水を蒸発させ,残ったものをルーペで調べた。このとき,スライ
ドガラスに残った物質は何か。化学式で答えなさい。
[ ]
3
⑷ 60cm のうすい塩酸に BTB 溶液を加えて,水酸化ナトリウム水溶液を少量ずつ加えて
いくと,何 cm3 の水酸化ナトリウム水溶液を加えたところで,水溶液の色が緑色になるか。
[ ]
96
19 酸・アルカリとイオン
問 題 B
水溶液中のイオンと酸・アルカリの関係を調べるため,図
陽極
A
B
C
D
のように,台紙
(ろ紙)の上にリトマス紙 A ∼ D を置いた装
青色リトマス紙
E
1
陰極
置をつくった。次の問いに答えなさい。
⑴ 図の台紙を,食塩水
(または硝酸カリウム水溶液)でしめ
らせた理由は何か。簡単に説明しなさい。
[ ]
⑵ うすい塩酸をしみこませた細いろ紙を台紙の中央 E に置
赤色リトマス紙 クリップ
台紙
食塩水または硝酸カリウム
水溶液でしめらせたろ紙
(
)
いて電圧を加えたとき,その細いろ紙から陽極・陰極に移動するイオンは何か。それぞれ
イオンの名称を答えなさい。
陽極
[ ]
陰極
[ ]
⑶ 水酸化ナトリウム水溶液をしみこませた細いろ紙を,台紙の中央 E に置いて電圧をかけ
たとき,色が変化するリトマス紙を A ∼ D から選び,記号で答えなさい。
2
[ ]
うすい水酸化ナトリウム水溶液とうすい塩酸を用意し,次の実験を行った。あとの問いに
答えなさい。
実験 1 〕
うすい水酸化ナトリウム水溶液を入れたビーカー 図1
ガラス棒
に,フェノールフタレイン溶液を数滴加えたところ,赤色
になった。次に,図 1 のように,うすい塩酸を少しずつ
うすい塩酸
加えながらガラス棒でかき混ぜたところ,①水溶液の色は, うすい水酸化
赤色から無色に変化し,②水溶液全体が中性になった。
ナトリウム
水溶液
実験 2 〕
図 2 のように,実験 1 で中性になった水溶液に, 図2
マグネシウムと銅の 2 枚の板を入れ,電子オルゴールをつ
ないだところ,電子オルゴールが鳴り出した。しばらくし
てから,水溶液中のマグネシウム板と銅板の表面を調べた
ところ,両方の板からは気体が発生していた。
マグネシ
ウム板
電子オルゴール
銅板
⑴ 下線部①のとき,水溶液中に含まれているイオンをイオン式ですべて答えなさい。
[ ]
⑵ 下線部②の水溶液に含まれる塩の質量を a,下線部②の水溶液にさらに塩酸を加えた水
溶液に含まれる塩の質量を b とするとき,a と b の大小関係を次のア∼ウから選び,記号
で答えなさい。
[ ]
ア a > b イ a = b ウ a < b
⑶ 実験で使ったうすい水酸化ナトリウム水溶液をうすい水酸化バリウム水溶液に変え,う
すい塩酸をうすい硫酸に変えて同様の実験を行った。このとき,中和した水溶液を使って,
実験 2 のように,2 枚の金属板を入れ,電子オルゴールにつないでも,電子オルゴールは
鳴り出さなかった。その理由を電離ということばを使って説明しなさい。
[ ]
97