日常の生活空間における中心視と周辺視の役割の解明 中心視と周辺視、それぞれの視覚機能を抽出するための実験装 置の開発を行った(図) 。この実験装置では、広範囲の視野を確保 置の実用性と信頼性を確認した。歩行実験からは、階段歩行時に おける中心視と周辺視の強い協応関係の存在を示唆する実験結果 を得ることができた。 しながら任意の視野部分を制限することができる。特定の視野部 分を制限し、制限したことによって生じる行動の不具合を精査す ることで制限された視野部分が本来担っていた機能を導き出す。 これまで提案されてきた実験手法が概ね、被験者の能動的な行 動を拘束しなければ計測自体が不可能であったのに対し、新たに 開発した実験装置では、歩行や頭部運動など、被験者の行動を抑 制することなく視野機能の計測を実施できる。すなわち、この実 験装置を用いれば、日常的な行為に伴って能動的に発現している 視野機能や、それぞれの協応関係の抽出することができる。 各種計測と廊下・階段における簡易な歩行実験を行い、実験装 ○ 実験装置は、規則的に配列された複数の薄板(黒)と、それを頭部に固定す る調節治具(透明)から成る。調節治具上部には被験者の視野状態を記録する ための小型カメラが取付けられている。 図 中心視野を制限するために用いる実験装置の構造
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