12 保安林における立木伐採等許可制度 (森林法)

12 保安林における立木伐採等許可制度
(森林法)
制 度 の
保安林の区域で立木の伐採、立木の損傷、家畜の放牧、下草・落葉・落枝の採取、土石
要
点 ・樹根の採掘、開墾その他の土地の形質の変更をしようとする場合は、知事の許可を受け
なければならない。 (法第34条第1項、第2項)
なお、農地又は宅地の造成、林道を除く一般道路の新設(拡幅を含む。
)、建築物及びそ
の他の工作物の設置、廃棄物等の堆積など保安林の指定目的の達成に著しい支障を及ぼす
と認められる行為については、許可されない。
目
的
保安林に指定されている森林の所有者等に対して立木の伐採や土石の採取などの土地の
形質を変更する行為については、一定の制限や義務を課することにより、保安林として適
切に管理され、森林として保全されると同時に適切な森林施業が確保されることによって、
保安林が常にその指定目的に即して機能することを目的とする。
対象地域
県内の保安林及び保安施設地区
内容及び
必要手続
1)保安林内での許可対象行為は
①立木の伐採 (法第34条第1項)
(非常緊急時における立木の伐採の場合を除く。
)
②①以外の行為で立木の伐採、立木の損傷、家畜の放牧、下草・落葉・落枝の採取、
土石・樹根の採掘、開墾その他の土地の形質の変更 (法第34条第2項)
2)伐採等の許可を受けるには
①皆伐による立木の伐採許可の申請 (施行令第4条の2)
皆伐面積の限度の公表(年4回)の日から30日以内に知事に許可申請書
(2通)を提出する。
②択伐による立木の伐採許可の申請[人工林以外の森林] (施行令第4条の2)
伐採を開始する30日前までに知事に許可申請書(2通)を提出する。
③択伐による立木の伐採届出の申請[人工植栽した森林に限る] (法第34条の3)
伐採を開始する90∼20日前までに知事に届出書(1通)を提出する。
④間伐による立木の伐採届出の申請 (法第34条の3)
伐採を開始する90∼20日前までに知事に届出書(1通)を提出する。
⑤保安林内の作業許可の申請 (施行規則第22条の9)
立木の伐採、立木の損傷、家畜の放牧、土石・樹根の採掘などの一時的な土
地の形質変更をしようとする場合は、知事に許可申請書(2通)を提出する。
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許可等の
基
準
1)立木の伐採の許可基準とは
①伐採方法が、当該保安林の「指定施業要件」に適合していること。
【指定施業要件とは】
保安林指定の内容として定められる森林施業上の要件で、伐採方法及び限度、
並びに伐採跡地での植栽の方法、期間、樹種を定めたもの。
② 伐採の限度内の面積又は材積であること。
2)作業許可の許可基準とは
申請に係る行為が、保安林の指定目的の達成の支障とならないと認められること。
手 続き の
フロー図
申
申
請
地
域
農振
林興
部局
請
者
許可(不許可)
申請地が国有保安林の場合の意見徴収
意 見 回 答
所
轄
森
林
管
理
署
処理手続に
要する日数
①伐採許可の場合は、受付後30日以内(ただし、皆伐にあっては申請期間満了後)
②伐採届出の場合は、受付後20日以内
③作業許可の場合は、受付後20日以内
担当機関
県地域振興局農林部森づくり推進課
罰 則 等
備
考
無許可・無届けで立木の伐採等をした場合、許可の条件に違反した場合、監督処分に従
わない場合などは、罰則の適用がある。
手続きの詳細フロー図は、巻末資料(P94)を参照。
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4
保安林における制限手続きフロー図
立木の伐採制限
皆伐による伐採
伐採許可申請書
許可又は不許可の
提出
申請者
決定通知
伐採終了届
申請者
知事
知事
(申請期間満了後30日以内)
伐採面積の限定公表
の日から30日以内
(伐採終了後30日以内)
照査
申請書受付
伐 採 実 行
伐採木の年齢
適 否 判 定
2月1日・6月1日
9月1日・12月1日
(監督処分)
総面積の限度
伐採の 限度
必要に応じ縮減
1箇所の限度
択伐による伐採
伐採許可申請書
許可又は不許可の
提出
申請者
決定通知
伐採終了届
申請者
知事
知事
(申請受付後30日以内)
伐採開始日の30日
前まで
(伐採終了後30日以内)
照査
申請書受付
方法の 適否
適 否 判 定
伐採木の年齢
伐 採 実 行
単木・列状択伐
樹群伐採(0.05ha未満)
(監督処分)
伐 採 の 限 度 =伐採年度初日の材積 -前回の択伐後の材積→必要に応じ縮減
択伐による伐採
(人工植栽した森林に限る)
伐採届出書
受理又は変更命令
提出
届出者
知事
知事
(受付後20日以内)
伐採開始日の90∼
20日前まで
照査
届出書受付
方法の 適否
適 否 判 定
伐採木の年齢
伐 採 実 行
単木・列状択伐
樹群伐採(0.05ha未満)
(監督処分)
伐 採 の 限 度 =伐採年度初日の材積 -前回の択伐後の材積→必要に応じ縮減
間伐のための伐採
伐採届出書
受理又は変更命令
提出
届出者
知事
知事
(受付後20日以内)
伐採開始日の90∼
20日前まで
伐 採 実 行
照査
届出書受付
箇所の適否(樹冠疎密度10分の8以上)
適 否 判 定
材積の35%以内
伐採の 限度
必要に応じ縮減
おおむね5年後に樹冠疎密度が
10分の8以上に回復見込み
土地の形質変更等の制限
作業許可申請書
申請者
許可又は不許可の
提出
決定通知
申請者
知事
(随時提出)
知事
(受付後20日以内)
実 行
照査
申請書受付
(監督処分)
適 否 判 定 (保安林の指定目的達成上の支障の有無)
( 注)国有林を管理する国の機関が森林法施行規則第22条の8第1項第10号、同条第22条の11第5号によって行う場合は、
「許可申請書」は「協議書」、「許可又は不許可」は「同意又は不同意」となる。
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