2005 年度版 - 関西大学 ITセンター

2005 年度版
関西大学I
Tセンターフォーラム
目
次
巻頭言 ·················································· 東村 高 ················ 1
研究レポート
1.大教室での授業を少人数教育に
多人数講義科目に於ける Web 上での授業情報公開システム
··········································· 雑古 哲夫 ·············· 3
2.情報処理技術の進展と歴史学研究 ····················· 山本 千映 ············· 13
3.P2P ドロネーネットワークの LRC の分散生成法の提案と評価
··············· 大西 真晶、坪井 新治、平山 雅夫、上島 紳一 ····· 25
4.spam メールの問題点 ···························· 榎原 博之 ··········· 41
5.中国語教育における e-Learning の導入と展開
Learning Management System の構築に向かって
··········································· 氷野 善寛、沈 国威 ··· 53
開発レポート
6.電子出勤簿システムの開発について ················ 渕上 裕一 ·········· 65
2005 年度事業報告
1.ITセンター委員会活動 ····················································· 79
2.ITセンター活動報告 ······················································· 83
3.ITセンター利用実績 ······················································· 94
4.ITセンター主催行事 ······················································ 107
5.ITセンター訪問者一覧 ···················································· 109
資料編
1.ITセンターのホームページ ···········································
2.ソフトウェア体系 ····················································
3.ITセンターネットワーク構成図 ·······································
4.ITセンター組織図 ··················································
5.ITセンタースタッフ ················································
113
114
116
118
121
IT センター規程 ···························································· 122
編集後記 ············································· 上島
紳一 ·········· 126
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
巻 頭 言
ターニングポイント2005
社会学部 教授 東 村 高 良
今年度2005年度は、わが国の人口が初めて実際に減少に転じた負の歴史的なターニングポ
イントの年度でありました。このことの予測は、去る1972年の日中友好条約が結ばれる交渉
過程で当時の田中角栄総理が「日本の人口は300年もするとゼロになる予想である」との話
で有名ではありますが、とうとうその始まりの年を迎えてしまいました。
今後は、何事も人口減少社会を前提に話を進めてゆくことになると思われますが、そのよ
うな人口減少社会であっても、教育に IT(情報技術)を最大限に活用することによって、
また研究に IT を最大限に活用することによって、さらには産業界や社会のあらゆる面に IT
を最大限に活用して行く事によって、今までよりは更に幸福な社会を築いて行けるのではな
いかと希望を持っています。そのキーテクノロジーこそが IT だと思います。
さて、関西大学 IT センターの近況ですが、「スーパー SINET」の利用は昨年度から始まり
1 年が経過して順調に運用されており大いに成果を上げております。今後も益々、「スー
パー SINET」の利用が拡大して行き、研究・教育面に大いに成果をもたらせてくれるもの
と期待されております。
また、今年度で 2 年目となった、約 8 万人超の全受験生を対象とした「入試合否発表の
Web 化」、全在学生約 3 万人を対象とした「成績発表の Web 化」と、全学の全科目を対象と
した「シラバスの Web 化」、および「履修届けの Web 化」の本格利用、そして「 Web を用
いた総合的な授業支援システム」の運用、等々の運用面についても、IT センターとしては、
年々ノウハウが蓄積し円滑な運用が出来るようになって来ています。今後も全システムの円
滑な運用に全力を尽くして行きたいと思っています。
さて、2006年問題と言われる高校で「情報」を学習して来た新しい学習指導要領で学んだ
学生が大学へ入学して来ます。大学での受け入れ態勢の再検討も始められる時期だと思われ
ます。
さらには、2007年問題の一つとして、定年で退職して行く世代の情報技術の継承問題をど
う解決して行くかも重要な課題であります。
IT センターでは、次年度も、皆様方のご協力を得て、さらなるサービスの向上に向けて
努めて参りたいと思っております。
( IT センター 所長)
−1−
関西大学 I T センターフォーラム № 20(2005)抜刷
大教室での授業を少人数教育に
―― 多人数講義科目に於けるWeb上での授業情報公開システム ――
雑 古 哲 夫
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
研究レポート
大教室での授業を少人数教育に
――多人数講義科目に於けるWeb上での授業情報公開システム――
雑 古 哲 夫*
1 .はじめに
大学での授業には多くの形態があり、実技、実習などは、初等教育、中等教育と同じく、
教師と学生が向かい合った授業を実施することができる。特に受講生20名弱の演習などにお
いては、文献、資料の検索方法や論文作成の指導も加わり、よりきめ細かく指導され、教師
と学生が一対一で向かい合った授業をおこなうことができる。特に卒業演習は、大学での勉
強の集大成として、卒業論文を完成させる場となり、文字どおり初等、中等教育で、自らに
強いて勉めなければならなかった勉強から、自分の問いを学ぶ学問として学生が主体的に取
り組むものとなる。しかし、その授業に加え、大学では数百名の受講生を擁する講義科目も
多く提供されている。これは効率の良い教授法であると考えるが、人数が多くきめ細やかな
指導が出来ないのが原因し、少人数の授業とは異なり、教員から学生への一方通行の知識の
伝達に終わってしまいがちである。コミュニケーションをはかろうとしたところで、多人数
の講義ではせいぜい数人に声をかけるのが限度である。
講義において学生は、教授された内容を理解し、得た知識を基に考察・判断し、講義され
る事柄に対して主体的に一定の結論を導き出すこととなる。受講生が多人数の大教室の講義
であれば、授業中に指名される機会も殆どなく、従って学生は集団の中に埋没してしまうこ
とも可能である。それが積み重なれば、授業自体を欠席する学生も出始める。演習形式のゼ
ミなどの少人数の授業であれば、積極的に授業に参加する学生も多く、主体的な思考や結論
も導きやすいが、大教室でおこなわれる講義は、少人数教育の演習などとは異なり、学生と
教員の一対一のやりとりが殆どない。そのため学生への刺激も少なく、単に知識を伝達する
だけの授業となりがちであり、きめ細かな授業を展開させることは難しい。しかし、大教
室、大人数の授業でも、一人一人の学生と教員が向かい合う少人数クラスと同じような授業
ができれば、教育効果は大きく向上するものと考えられる。教員側から見れば数百名の学生
であるが、学生は紛れもなく 1 人 1 人の個人として授業に参加しているのである。学生の積
極的な授業参加を求めるには、いかに学生が耳を傾ける講義をするか、学生にどのように興
味を持たせて授業をおこなうか、本来授業で伝達すべき内容はもとより、身振り手振り、話
*文学部 教授
−3−
しかたの工夫も重要な鍵かもしれない。しかしその中で多くの学生が一番興味を持つことは
成績の評価法についてというのが現状である。
2 .多人数授業の問題点
文部科学省の2005年度学校基本調査 ⅰ) によると、高等学校(全日制課程・定時制課程)
卒業者の大学、短期大学への進学率は過去最高の47.3%(男子45.9%、女子48.6%)と、前
年より2.0%上昇し、専修学校(専門課程)への進学は19.0%となり「大学全入時代」が間
近なことをうかがい知ることのできる結果となった。
大学の教育において授業を通じて、いかに自立した情報収集能力や柔軟で論理的な思考力
と分析力、判断力や行動力を持った学生を養成するか、また、さまざまな物事に対して意欲
的に関わることができる学生を育成することができるかも、大学全入時代においては必要な
ことであると考える。
大学へ進学を希望する者、誰もが学ぶことの出来る時代へ映りつつある現在、大学は学問
的課題を探求するところという意識を持った学生がいる一方で、就職前の義務教育的な学歴
作りの場として大学を選択する学生もいる。このような状況を踏まえ、今後、人格形成面で
の指導も含めたよりきめ細かな教育が必要となってくると考えられる。大教室でおこなわれ
る授業も分割し、少人数クラスとすることができれば、教育効果も大きく向上すると考えら
れるが、それも簡単には解決できない問題である。大学での教育は、教授された事柄を理解
し、活用できる能力の養成が重視されるため、毎回授業に出席している学生であっても試験
の結果次第で不合格となることがある。
本来ならば、これは大学入学以前に修得すべき態度であるが、積極的且つ勤勉に学習する
姿勢を身につけさせることも、これからの大学教育において重要な事柄であると考えられ
る。大教室での授業の問題点のひとつは、正確な出席調査がほぼ不可能に近いことである。
用紙を配り回収するだけでも相当の時間がかかる。また、用紙を教壇の上に置いて自由にと
らせると複数枚持ち帰る学生もいる。氏名だけを書く出席用紙の場合、受講生の数より回収
した出席用紙の数が上回ることもある。その結果、出席をあまり考慮できなくなる。
大学での勉強を通じて培うべき事柄として、幅広い教養と専門性があるが、希望すれば誰
しも大学に入学できるという状況のもとでは、物事に対して誠実且つ積極的に打ち込むとい
う規範的な態度の育成も重視していかなければならない。従って、教員によって見解の分か
れるところであるが、出席と積極的な授業参加は評価の重要なポイントとするべきであると
考える。また、学生にとっては、成績の評価法の公開は学習意欲を向上させる大きな礎とも
なる。教員が学生の成績評価について、何を基準に評価しているのか明示することは容易で
あるが、大講義において一人一人の学生の意見を聴取することや、それをフィードバックし
て教員の意見を述べることは現実的には非常に難しい問題である。
−4−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
大教室での講義となると、きめ細かな指導は難しい。これは受講生の数があまりにも多
く、教員と学生のコミュニケーションが不足することに起因していると考えられる。講義中
に、一部の学生を指名し、意見を求めることもできるが、受講生全員を対象とした講義であ
り、一部の学生のみと会話を交わすことが全体の指導に繋がるとは言い難く、その他の学生
が取り残されてしまう。大講義におけるコミュニケーションには限界があるが、教員と学生
とのコミュニケーションが不足すれば、信頼関係を構築することができず、空間や時間を共
有して授業を受けているという学生側の意識も希薄になる。
3 .プレゼンテーションに関して
プレゼンテーションは 7 年前から実施しているが、その日におこなったプレゼンテーショ
ンを H.P. にアップロードすることにより、受講生の予習、復習が簡単にできるようになっ
た。一方で、授業への参加意欲の少ない学生は、授業内容がアップロードされているホーム
ページを見ればある程度の要点が分かり、授業に参加しなくても同様ではないかと考えるこ
とが懸念される。大学での教育が知識の伝達だけであるなら、それでも良いかもしれない
が、知識の伝達の他に大学教育において重要な事柄があるのは上述したとおりである。授業
で板書する場合は、教師が黒板に文字を書いている間に、それにあわせて学生がノートに写
す。説明などは板書後や板書と平行しておこなわれるため、スムーズな授業展開となる。プ
レゼンテーションを用いて授業を実施すると、授業の要点や内容がモニターに映し出され、
板書をする必要がなくなり、板書の時間が全て講義の時間として活用できる。詳しく説明し
ても、授業の進行は驚くほど効率的となる。加えて、図表や写真、映像を映すと視覚的な教
育効果も向上させることができる。大きな文字での丁寧な板書には、時間がかかるが、プレ
ゼンテーションではそれもワンクリックである。しかし、画面を全てノートに写すことを習
慣としている学生もいて、要点をまとめるように指導しても、画面に出た文字すべてを書き
写さなければ不安に陥るらしく、そのため授業が中断される場合もある。画面全ての説明を
終え、次のプレゼンテーションに移るときに書き写す時間を学生に与えると、その他の学生
にとっては授業中断となる。また、講義をする側にとっては、プレゼンテーションに映し出
される文字が多ければ多いほど問題の論点について説明しやすくなるのだが、次のプレゼン
テーションに移るまでの待ち時間(学生の書き写す時間)も必要となる。
板書からプレゼンテーションに移行することにより、授業を効率的に行うことはできる
が、情報量が多いため、学生側はノートの記述が追いつかないというのが現状である。それ
を解決するには、あらかじめプレゼンテーションを印刷したものを配布するか、その日に実
施するプレゼンテーションを数日前、もしくは毎授業終了後に H.P. に掲載し、学生が参照、
印刷できるようにすればよい。また、プレゼンテーションの文字数を少なくして、説明で補
うのも良いと考える。
−5−
4 .レポート用紙の工夫
大教室での講義は、徐々に受講者数が減っていく場合もあるが、出席カードを配ることに
よってそれはある程度改善できる。しかし、自分の学籍番号や姓名を間違えたカードもあ
り、残念ながら出席カードを配るだけでは、一時的に出席者を増やしているだけに過ぎず、
それが必ずしも実際の教育と結びつくとは限らない。対策として、出席カードを配るだけで
なく、授業の感想や要点をレポートに書かせると、学生は頑張って一生懸命にレポートを作
成するようになる。最近は、インターネットや、メールの使用が定着してきたので、その日
の授業のレポートを家に帰ってから作成し、大学のインフォメーションシステムを使い添付
ファイルにして送ってこさせるという試みもおこなった。この場合、同じ文章の中で、フォ
ントが異なるテキストが複数あった。これは複数の H.P. の文章などを切り貼りした場合によ
く見られる。レポートに書かれた情報の質はさておき、推薦できる方法ではない。結局は、
授業終了前15分ほどの時間でレポートを書かせることにしたが、レポート用紙に工夫をし
た。ほぼ全てのレポート用紙には、以前に配ったプリントの穴埋め式のテストが埋め込んで
ある。書けば覚えやすいので、覚えなければならないことは書かせる事にした。(図 1 .
参照)
ここで紹介するレポート用紙には学部、学科、学籍番号、氏名を記入する欄を設け、その
下に特記事項とある。これも一番下に配置していたこともあるが、上部に特記事項を書き込
む欄として 2 行ほどのスペースを空けておけば、授業に関する質問も記入しやすく、「来週
は……のためお休みさせていただきます。頑張ってきます」とか、「今日の授業の……のと
ころがよく理解できなかったのですが」などの、特記事項を記入することもできる。教員に
告げたいことを書くスペースとして作ったものであるが、授業への意見、質問など何を書い
ても良いことにしている。
成績評価は、多人数の講義の場合、学期末の試験で決められることが多いが、少人数の演
習や実技では、出席点を重視することが多い。学生を授業に参加させるには、出席を重視す
ることをシラバスに明記するか、授業中に口頭でそれを告げるだけで、出席率はある程度向
上する。
出席票の代わりに、レポートを短時間で作成させれば、その日の授業の要点整理に加え
て、出席確認と文章作成能力の向上に繋がり、単に出席票を配るより大きな効果が得られ
る。また、その評価や、評価に対する担当教員の意見を公表できれば、学生はより主体的に
授業に参加するようになる。
レポートを学生に作成させるにあたり、その日の課題を講義の初めに告げると、課題の題
目となる事柄のみに注目して受講する学生が多く出てくる。そのため、その日の課題は告げ
ずに、その日のポイントだけを告げておき、授業終了前にその日のレポートの課題を提示す
ることにしている。レポートの形式は記述式を主とし、穴埋め式の問題を副としたものを使
用している。
−6−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
図 1 .解答用紙
5 .成績の公表
出席簿一覧のH.P.は、エクセルで作成した出席簿をPDFファイルにしたものである(表 1 .
参照)。点数は、 1 回の授業を 8 点満点で点数化したものであり、単純合計が成績とはなら
ない。また、当初から予告しているとおり、欠席回数が 3 分の 1 を超えた者は、成績評価の
対象としない。/及び空白は欠席、「公」については事前に報告があり、やむを得ないと判
断した欠席である。欠席には変わりないが、欠席と同等の扱いはしない。
表 1 .参照、これは2004年度「スポーツ研究 2 (207名受講)」の H.P. に掲載していた出席
簿から、学籍番号を消したものである。掲載については学生に意見を聞き、承諾を得た上
で、氏名は載せずに学籍番号のみを載せていた。また事前に毎回の成績を載せることを希望
しない学生がいる場合は、レポート用紙の特記事項にその旨記入すれば、その学生の成績を
掲載しないことにしているが、現在まで掲載を希望しないことを申し出た学生は一人もいな
い。それはレポートがどのように評価されているのか、学生も知りたがっているからだと考
えられる。しかし、「個人情報保護に関する法律」 ⅱ) が平成17年 4 月 1 日から施行され、成
績や出席の情報開示に関して今後は更なる工夫が必要となる。
−7−
表 1 .2004年度スポーツ研究 2 (受講者207名)
・この出席簿にある点数は、 1 回のレポートを 8 点
満点で点数化したものであり、単純合計が成績に
はならない。
・/及び空白は欠席、
「公」については、事前に報
告のあった欠席である。欠席には変わりないが、
欠席と同等の扱いはしない。また、出席と同等の
扱いはできないが、それに近いと判断したもので
ある。
・出欠及び評価に意見がある場合は、次回の授業終
了時に申し出ること。
・平常点で評価するため、欠席回数が三分の一( 5
回)以上の者は評価の対象としない
学籍番号と成績に加えてコメントも入力し、受講生にしか教えていないパスワードで保護
したものをアップロードしていた。学生は、自分たちのレポートが正当に評価されたことを
知り、大教室の授業でも真面目に出席して、主体的に授業に参加するようになる。また出席
状況も含めた公平な評価やコメントを学生に提示し、学生から意見や質問がある場合には、
授業中のレポートに加えて、授業後に E-mail でも受け付けるようにする。このように H.P. と
E-mail を利用することによって、大教室での授業であっても個人に対するきめ細やかなアド
バイスが可能となる。加えて、レポートの作成時に、授業に関する質問や、授業方針に関す
る意見、その他諸々の事柄について自由記述する機会を与えれば、学生から授業改善に繋が
るいろいろな意見や情報を収集することもできる。
但し、学生は意見を書くが、授業でのフィードバックがなければ、それ以後は意見を書か
なくなる。学生の意見を、次の授業や H.P. に公開し、それに回答すれば、学生も授業やレ
ポートに対する手応えを感じて多くの意見を述べ、積極的に授業に参加するようになる。多
人数の講義では、参加している多くの
学生と個別に話す機会は持てないが、
H.P. や E-mail を用いれば、教員と学生
との間での情報交換が可能となり、信
頼関係も生まれる。またこれは学生の
講義内容の理解度を把握するのに、非
常に有効な手段でもある。
具体的な成績評価における 8 、 7 は
「優」相当、 6 5 4 であれば「良」に
相 当、 3 は「 可 」、 2 は 0 点( 出 席 し
図 2 .2005年度課題レポート論題一覧
て い な い の と 同 様 )、 1 な ら「 減 点 」
−8−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
表 2 .2005年度出席一覧
とした。講義内容を正確に聞いていなく
て書けない場合は、 減点となるのでレ
ポートを書かずに帰る方がよい。出欠及
び評価に意見がある場合は、次回の授業
終了時に申し出させることとした。それ
以降は受け付けない。この授業は平常点
で評価したため、欠席回数が三分の一で
ある 5 回(クラブや冠婚葬祭など全ての
欠席を含めて)以上の者は合格の対象と
しない。
やむを得ない欠席:「公」(表 1 .参照)
の 場 合、 全 欠 席 回 数 か ら 4 を 引 い た 数
の、欠席日と同日の手書きレポートの提
出をもって出席に準じた扱いとした。つ
まり 6 回欠席した場合は、最低でも 6
4 で、 2 つ以上の課題レポートの提出が
必要となる。締め切りは、最終の授業終
了時 。それ以後は受け付けない。レポート一題につき1600字以上としている。
個人の成績は関西大学のインフォメーションシステム ⅲ) を用い学生に公表するのがよい
と考えるが、個人に成績を返せば、自分の成績しかわからず、努力した学生と、あまり出来
ていない学生の間にどれくらいの成績の差があるのか知るすべもない。全体の成績を一覧で
きれば納得できるし、次は頑張ろう、次も頑張ろうという前向きな姿勢に繋がる。しかし、
個人を特定できる学籍番号や氏名を H.P. にアップロードした時点で、パスワードで保護して
ようとも個人情報保護に反することになる。そこで、Excel などで作った一覧表に学籍番号
の代わりに、各々の学生にランダムな数字を割り当てることにした。学籍番号順に並べるの
でなくランダムに割り振った数字を並べ替えることにより、個人情報を保護することが出来
るⅳ)。
表 2 に関して、この表は2005年度の生涯スポーツ論(受講者42名)の出席一覧である。個
人情報保護法で問題となる個人情報を削除したものである。これは氏名の代わりに 1 から42
の番号を打ってあるが、学籍番号順ではなく、ランダムに並べ替えた名簿の上から順に番号
をふったもので誰にも個人を特定することはできないため問題はなくなった。また、各個人
に割り当てた番号は大学のインフォメーションシステムなどを使い、学期最初に各個人に一
度だけ連絡すればよい。このことによりパスワードで保護する必要もなくなり、誰しもが自
由に見ることが出来るようになる。但しファイルをアップロードする際に Excel の場合では
−9−
幅を縮め学籍番号を隠しても H.P. 上で幅を広げれば見えてしまうので、学籍番号の列を削除
するか、学籍番号を見えなくしたファイルを PDF ファイルや画像ファイルに変換してアッ
プロードする必要がある。
多人数の講義において、授業終了時にレポートを作成させ、その成績をランダムな数字と
共に H.P. に公表し、授業に関する学生の意見や疑問点を聴取する。出てきた意見に関して
は、次の授業のはじめに回答する。学生の意見は何を書いても成績評価に入れることはしな
い。これは H.P. にアップロードされた成績一覧を見れば分かる。成績評価は授業毎に公表さ
れ、学生は自分の姿勢がどのように評価されているのかを知ることができ、結果によっては
努力が足りないと感じた者は、より頑張るようになり、高い評価の者はさらに意欲的に授業
に取り組むようになる。
皆出席の学生(表 1 .参照:左端に◎)、上から 5 、13、14番目など H.P. 上では青色の太字
で書いてある。下から 2 、 6 、 7 番目など(表 1 .参照:左端に×)H.P. 上で赤字で書いて
いるものは出席回数が足りない学生で、レポートの提出が必要となる。この表の中では下か
ら 6 番目以外の学生は自分の欠席回数に応じたレポートを提出し合格した。「公」と書かれ
ているのは前述のクラブにおける試合や、公式行事で欠席した学生だが、これも欠席にカウ
ントする。ただ、「公」と欠、全てを合計しても欠席が 5 回未満の場合は、「公」と認めた欠
席は出席に準じた点数を与えた。
6 .まとめ
「個人情報保護に関する法律」の施行により、個人情報を H.P. などに掲載する際には、学
生に対しそれらに関する趣旨説明をおこない本人の同意を得る必要がある。学生から見れば
教育サービスとしての利益が優先すると考えられるが、情報を必要とする理由、使用方法な
どを授業最初に口頭で説明し、欠席している受講生にもインフォメーションシステムで連絡
し、一定の期間を経て同意しない学生の申し出を受けるようにしなければならない。
Web を用い毎回のレポートの点数を公開することにより、積極的な学習態度が認められ
る学生が増加した。授業やレポートに関するコメントを公開し、一人の質問事項を全員で共
有、次週の授業時に回答し、レポートも丁寧に作成するように指導する試みにより、今回例
として挙げたクラスの学生は、207名中85名が皆出席、欠席回数 5 回以上は16名であった。
また欠席回数が増えてきた学生に連絡し、課題レポートを作成させるなどによって対応する
ことにより、以後、授業態度が改善された学生もあり、教育効果は高いものであると考えら
れる。
大教室の授業は、教師 1 対多数の学生だが、Web を利用し、成績や出席状況、個別の情
報交換を行うことにより、学生本人から見れば数百分の 1 の自分であったとしても、教員と
1 対 1 に類似した関係を持つことができる。これらの試みにより、大教室の授業であっても
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関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
少人数教育と同様のコミュニケーションが生まれ、学生と教員との良好な信頼関係を築くこ
とができるようになる。教員にとっては授業での説明不足や教授法の欠点も気づく機会とな
り、さらなる授業改革に繋がっていく。また、H.P. を利用した個別指導により学生の真面目
に努力する姿勢や、積極的に授業に参加する態度を育むことも可能である。
教 員 の 負 担 が 増 え る の は 事 実 で あ る が、 大 学 独 自 の イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン シ ス テ ム や
e-Learning シ ス テ ム を 活 用 し て い く こ と が 教 育 効 果 を 向 上 さ せ る の に は よ い と 考 え る。
H.P. と E-mail を有効に活用すれば、学生と授業以外にも交流を持ち教育することが可能とな
る。また、このような授業を継続することにより、学生が文字通り前向きに授業に集中する
ようになり、授業中に学生と視線が合うようになる。授業終了時に提出されるレポートは、
当初は、分量も少なく文字も丁寧とは言えないものも多かったが、回を重ねるごとに、丁寧
で内容も充実したものとなってくる。また、「学生による授業評価」の結果から見ても、学
生は自分の努力が評価されるシステムを望んでいることを伺い知ることができる。
ここで紹介した試みは、情報機器を有効に使用することにより学生と教員間で有機的な授
業展開を可能としたものであり、授業効果のみならず、副次的に学生の資質も向上させるこ
とができると考える。多人数の講義でも学生は、教員との個人的なパイプラインがある、と
いう意識を持つようになる。今後の課題としては、このシステムで、もう少し教員側の労力
が省けるようになれば、誰もが実施できる Web 上での授業情報公開システムが完成すると
考える。
この論文は2005年 7 月に東京でおこなわれた全国大学 IT 活用教育方法研究発表会におい
て発表したものに加筆したものである。
注
ⅰ) 文部科学省 H.P. http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/05122201/001/002/002.htm
ⅱ) 首相官邸 H.P. http://www.kantei.go.jp/jp/it/privacy/houseika/hourituan/kentou.html
堀部政男「教員による情報活用と個人情報保護法」Vol. 14,No. 1,pp. 2-21(2005)
佐藤哲彦「上智大学における『個人情報保護法』への対応と適正管理に向けて」大学教育と
情報,Vol. 14,No. 2,pp. 8-12(2005)
内藤岳司「学校法人明治大学における個人個人情報保護に関する取り組みについて」大学教
育と情報,Vol. 14,No. 2,pp. 13-15(2005)
松木三徳「東海大学における個人個人情報保護の取り組み」大学教育と情報,Vol. 14,No. 2,
pp. 16-18(2005)
徳常泰之「 IT 社会で求められるリスクマネジメント」関西大学 IT センターフォーラム2004,
pp. 15-25(2005)
ⅲ) 土橋良一「 Web を利用した教務システムについて」関西大学 IT センターフォーラム2004,pp.
71-77(2005)
ⅳ) 社団法人私立大学情報教育協会「教員による学生個人情報の活用に伴う留意点(第 1 次 案)」
−11−
大学教育と情報,Vol. 14,No. 2,pp. 2-7(2005)
−12−
関西大学 I T センターフォーラム № 20(2005)抜刷
情報処理技術の進展と歴史学研究
山 本 千 映
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
研究レポート
情報処理技術の進展と歴史学研究
山 本 千 映*
1 はじめに
歴史学研究という言葉から連想される一般的なイメージは、IT やインターネット、パー
ソナルコンピュータといった言葉からはほど遠い、埃をかぶった手書きの文書との格闘と
いったものではないだろうか。実際、筆者が専門とするイギリス経済史の例をとっても、何
はともあれ、現地の文書館に通い、一次史料を読みあさることから研究が始まるというの
が、正直なところである。しかし、パーソナルコンピュータの普及とインターネットの商用
利用の開始およびその爆発的な普及は、歴史学研究へもさまざまな影響を与えてきた。ここ
では、イギリス経済史を例に、歴史学研究において近年の情報処理技術の進展がどのように
応用されているかを紹介したい。
ところで、情報を処理するという行為自体は、コンピュータやインターネットとは直接的
には関係のない、きわめて日常的な行為である。大学に通う場合に、JR を使うか私鉄を使
うかは、それぞれ、最寄り駅が家から近いか、大学に到着するまでどれくらいの時間がかか
るか、家から大学までの運賃はいくらかといった情報を得た上で、それを比較するという加
工処理を行い、意志決定をしている。これは、情報処理に他ならない。現在では、ネット上
に多く存在する乗り換え案内などのサイトを利用して瞬時に比較することができるが、情報
を得る手段としては、電話で最寄り駅に問い合わせたり、直接駅に行って駅員に尋ねたり、
また、書店で時刻表を購入して調べるといった手段もある。実際に何度か乗ってみた上で時
間や運賃を確認してから定期券を買う人もいるかもしれない。
歴史学研究においても、文書史料や先行研究といった形で情報を獲得し、それにさまざま
な加工処理を施して論文という形でアウトプットするという研究の流れ自体は、コンピュー
タが発明されるずっと以前からまったく変わっていない。したがって、情報処理技術の進展
によって一連の作業のうち何が変わって何が変わっていないのかを分けて考えることが必要
となる。
情報処理技術の進展にもっとも影響を受けた部分として、以下では次の二点を考えたい。
一つは、情報の在処を探る検索作業である。これは、コンピュータの発展のみならず、イン
*経済学部 専任講師
−13−
ターネットの普及による変化という側面が非常に大きい。二つめは、情報そのものの電子
化・デジタル化である。これには、画像情報とテキスト情報という二つの側面がある。以
下、第二節で、ネット検索について紹介し、第三節で史料の画像情報に関するデジタル化
を、さらに第三節で画像情報からの全文テキスト化をとりあげ、最後に第五節でまとめる。
2 歴史史料のネット検索
筆者のように外国史を専門とする者にとって、インターネットの普及がもたらした恩恵を
もっとも強く感じるのは、史料渉猟においてである。実際に現地の文書館を訪ねて、壁面一
杯に並べられた史料のカタログ索引と格闘するという作業の大半が、今では自分の研究室の
パソコン上でできるようになった。これは、研究効率上、非常に大きな変化である。
我が国における外国史研究、とりわけヨーロッパ諸国の歴史に関する研究は、戦後1970年
代に至るくらいまでは、悪く言えば英語やドイツ語、フランス語で書かれた現地の研究者に
よる二次文献を切り貼りしたような研究も少なくなかった。しかし、近年においては、一次
史料を用いていない論文は実証研究としてはほとんど相手にされなくなっている。この背景
には、日本が経済大国として成長し、海外に行くことが以前よりもずっと気軽なものになっ
たという点が挙げられる。逆に言うと、現地に行きさえすれば、一次史料へのアクセスは比
較的容易なのである。
ヨーロッパの先進諸国では、歴史史料の収集・保存とその一般公開を促進するための文書
館が非常に良く整備されている。イギリスの場合、ロンドンに国立公文書館( the National
Archives)があり、各州には州の文書館( County Record Offices)がある。ロンドン市の文
書館であるギルドホール・ライブラリ( the Guildhall Library)やバーミンガム中央図書館
(Birmingham Central Library)のように、市が運営する文書館もある。これらの文書館では、
所定の手続きを経れば誰でも利用カードの申請ができ、個人情報や機密に属するものなど法
的に保護されているものを除き、所蔵されている文献・史料はなんでも閲覧ができる。とり
わけ人口関係の資料については充実しており、1801年以降10年ごとに行われている人口セン
サスのうち、1841年以降のものについて、100年以上経過したもの、つまり現時点では1901
年センサスのものまで、被調査者の氏名、年齢、職業などが記載された個票が公開されてい
る。また、1837年に始まった出生、死亡、婚姻に関する人口動態統計についても、センサス
同様100年ルールに則って、100年経過したものは公開されている。これらは、ロンドンにあ
る家族史資料センター( the Family Record Centre)に集められ、マイクロフィルムを見る
ことができる。実際、イギリスでは、これらの人口関連の史料を使って自分の祖父母、曾祖
父母などの職業や家族構成を調べる家族史研究が盛んで、趣味として広く認められているほ
どである。また、イギリス系のアメリカ人やカナダ人、オーストラリア人などが自らのルー
ツをたどるために家族史資料センターに来館するケースも多い。かつて、NHK で「大草原
−14−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
の小さな家」というアメリカのテレビドラマが放映されていたことを覚えておられる方も多
いと思う。原作は、ローラ・インガルス・ワイルダーで、彼女の子供時代、1870年代から
1880年代のアメリカを舞台にした物語である。その中に、主人公ローラが通う学校の宿題と
して、ファミリーツリーを書いてくるという逸話がある。物語の中では、インガルス一家で
育てられたマシューという孤児が辛い思いをするというシーンがあり、現代の日本の教育現
場でもなかなか取り入れられるテーマではないかもしれないが、こうした宿題が学校で出さ
れるほど、家族史が英米の社会ではきわめて馴染み深い話題であることを示すエピソードで
あろう。
さて、こうして集められ公開されている史料点数は膨大な数にのぼる。例えば、国立公文
書館のカタログエントリーは、950万点を上回る。これらの史料の中から、自分の研究に関
係するものを見つけ出すには、前述したように、これまた膨大な索引と格闘しなければなら
ない。
国立公文書館の場合は、政府の部署や国家の機能別に、巡回裁判( assize)関係の史料な
ら ASSI 、内閣( cabinet)関係の史料なら CAB 、内務省( Home Office)関連の史料なら HO
といった具合に整理記号が振られ、その下に数字が続く、といった形になっている。ちなみ
に、1841年と1851年のセンサス個票は内務省史料として HO に分類されており、HO 107/
2000といった番号が振られている。また、地方の文書館の場合はその文書館ごとに独自の整
理記号が使用されており、例えば史料の購入や寄託のあった順番にアルファベットが振られ
ていたり、寄贈者や寄託者の頭文字がつけられていたりといった場合もある。
文書館が用意している紙媒体の索引は、こうした整理記号順のものと同時に、地名別の索
引や事項索引、人名索引など複数用意されているのが普通である。ある特定の村落について
調べたい場合は地名索引を用い、歴史上の人物を知りたい場合は人名索引を使って目当ての
史料を探し出していく。しかし、この作業は意外なほど時間を取る。筆者が初めてイングラ
ンド中部にあるスタッフォードシャーという州の文書館を訪ねたときには、イギリス自体に
不慣れだったこともあるが、史料を特定して史料保管庫から出してきてもらうようリクエス
トを出すまでにまる一週間ほどかかったことを覚えている。さすがに今ではそれほどかかる
ことはないが、初めて訪ねる文書館の場合、収蔵されている史料の性格や整理記号の付け方
など、その文書館独自の癖のようなものを飲み込むには、やはり 2 - 3 日かかることが珍し
くない。
史料目録の電子化とオンライン化は、この作業を大きく変えた。変化の一つは、クロスリ
ファレンスが容易になったことであり、二つめは史料の特定作業が日本にいながらにしてで
きるようになった点である。
紙媒体の地名索引や事項索引では、個別の史料をピンポイントで特定せず、史料群を漠然
と示唆していることが多い。整理記号は非常に深い階層構造をもっていて、筆者が利用した
ことのある、スタッフォードシャーのある農場の賃金記録は、D593/ N / 2 / 3 /24という整
−15−
理記号をもっていた。この農場は、サザランド公爵家が所有する自営農場の記録で、サザラ
ンドコレクションと呼ばれる史料群の一部である。スタッフォードシャー州文書館に寄託さ
れているサザランドコレクションの本体部分には共通して D593という整理番号が振られて
いる。コレクションには、不動産の捺印証書、土地売買の記録、所領経営のための文書、一
族の成員による手紙など、さまざまなものが含まれているが、D593/ A /には中世から近代
初期の不動産権利証書が集められており、D593/ H /には全国や所領の地図や測量の結果図
が、といった形でアルファベットが振られ、D593/ N /には、主としてトレンタムという所
領の財政記録が集められている。事項索引で「賃金( wage)」という項目を探すと、サザラ
ンド公の所有する農場や鉱山などで働いていた人々の賃金台帳が数百も出てくるし、他の貴
族や地主がスタッフォードシャーで経営を行っていた農場の記録、教区管理の道路の補修作
業員への賃金支払い、教会の建設や補修のための大工や石工への給料等、数百から数千点の
史料「群」が出てくる。ここから、特定の村落について、特定の年代について、特定の個人
について、といった情報を目で追いながら史料の絞り込みを進めることになる。
資料目録の電子化によって、この絞り込み作業は格段に容易になった。上記の作業の最後
の部分である、地名情報や年代、個人名などによる絞り込みは、AND 検索をかけることに
よって、クロスリファレンスという形で実行できるようになったからである。電子化された
目録の検索画面では、単純なキーワード検索のための入力ボックスのみが表示され、AND
検索や OR 検索を用いて、フリーキーワードで検索するものが一般的だが、たいてい、この
他に詳細検索も備えていて、「 year range」や「 date」という形で、その史料が作成された
年代を特定することができたり、地名で絞り込みができるようになっていることが多い。国
立公文書館の史料検索画面では、キーワード検索の他、オプションとして年代と前述した
ASSI や CAB といった政府部署に対応したコードの入力ボックスが表示される。1 また、ス
タッフォードシャー州文書館の検索画面では、「 General Search」というフリーキーワード
検索画面の他に、寄贈者や寄託者がわかっている場合のための「 Collection Search」と、詳
細検索にあたる「 Archive Search」という画面が用意され、キーワードに加えて、史料の標
題、年代、整理記号、史料のタイプ(これには、会計簿、議会制定法、荘園関連文書、新
聞、地図などの分類がある)のための入力ボックスが用意され、史料の絞り込みができるよ
うになっている。2
こうした目録の電子化の恩恵は、それがオンライン化され、ネット上で検索できることに
よって、さらに威力を発揮する。最終的には、史料を保管庫から出してもらって初めて、具
体的な情報を得ることができ、その結果、期待はずれに終わる場合も多々ある。例えば、賃
1 http://www.nationalarchives.gov.uk/catalogue/search.asp (2006年 2 月28日)
。
2 http://www.archives.staffordshire.gov.uk/DServe/DServe.exe?dsqApp=Archive2&dsqCmd=Index.tcl (2006年 2 月28日)
。
−16−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
図− 1 国立公文書館ウェブサイトの検索画面
金台帳の場合だと、賃金を受け取った人の氏名が掲載されているかとか、毎日の出勤の様子
が書いてあるかとか、個人個人の受取額が別々に記載されているかといった情報は、実際に
見てみないことにはわからない。史料目録にはどちらも「 wage book」とされている史料二
点に絞り込んだとしても、○年○月に男性労働者にいくら、女性労働者にいくら、子供にい
くら支払った、といった月額合算値しか得られない場合もあるし、成人男性の氏名は別々に
記載されているが、女性は支払い額の合計値しか記載されていない、ということもある。こ
ういった部分は実際に文書館に足を運んだ上でしか確認できないけれども、ある程度の当た
りをつけるという作業を国内でできるようになった。実際にイギリスへ行くとなると、滞在
時間も限られ、安くなったとはいえ少なからぬ費用もかかることを考えれば、外国史を研究
する者にとっては、非常に大きな変化である。
3 史料のデジタル化:画像ファイル
他方で、「実際に見る」という作業自体も情報処理技術の進展によって、居ながらにして
の利用が可能になりつつある。筆者も参加している国立民族学博物館地域研究企画センター
の2004-2005年度連携研究「センサスの比較研究:欧米と日本を中心に」(研究代表者:押川
文子(国立民族学博物館地域研究企画センター)、安元稔(駒澤大学))では、 1 万冊を超え
る1801年以降のイギリス議会文書( British Parliamentary Papers)とその周辺史料を網羅し
−17−
た京セラ文庫『英国議会資料』から、1801年以降のセンサスの結果報告書をすべて抜粋し、
デジタルカメラで撮影した上で DVD-ROM 化するという作業も行った。3 イギリス史研究に
おいては、英国議会資料は基礎的な資料であり、これまでも多くの研究で利用されてきた。
特に、その 1 割程度を特定の編集方針にしたがってテーマ別にまとめたアイリッシュ・ユニ
バーシティ・プレスによる復刻版は、本学をはじめ、多くの大学に所蔵されており、比較的
容易に利用が可能となっている。しかし、19世紀中のセンサス報告書は原本で63冊にのぼる
のに対し、復刻されているのは38冊にすぎず、1801年から1821年の第一回から第三回センサ
スはまったく復刻がなされていない。4 英国議会資料については、センサス関連のものの他
にも、京セラ文庫をもとに CD-ROM や DVD-ROM という形でデジタル化が進められており、
将来的にはオンライン化も考えられている。現在は、CD-ROM などの電子媒体を購入する
という形で、資料を手元に置くことになるが、オンライン化が実現すれば、より手軽に実物
を閲覧することができるようになる。
同様の試みは、アイルランドのセンサスについても行われている。ベルファスト・クィー
ンズ大学のウェブサイト上では、各年次のセンサス報告書の巻頭に付された前書きがデジタ
ル化され、JPEG によるイメージ画像が利用可能である。5 センサス報告書には数百にもの
ぼる表が収録されている本文とは別に、前書きで全体の傾向について簡単な分析が行われて
おり、年次によってばらつきがあるが、数頁から数十頁にわたって解説が加えられている。
ベルファスト・クィーンズ大学では、報告書本文の表についてもスプレッドシートへの入力
作業を進めているが、今のところウェブ上で利用可能なのは、この前書き部分のみである。
ただし、前書きに付された表に関しては、JPEG ファイルとは別にエクセルファイルがダウ
ンロードできるようになっている(図− 2 参照)。
人口史関連資料を離れて、大英図書館( the British Library)による稀覯書のデジタル化
の試みについても紹介しておく。大英図書館に所蔵されている稀覯本の一部は、1998年に始
まった Turning the Pages プロジェクトによって、ウェブ上に公開されている。Shockwave
プラグインがインストール済みのウェブブラウザ上で、仮想的にページをめくれるような形
になっており、同時に、解説音声や文献の一部を拡大表示する機能等も搭載されていて、現
在のところ、レオナルド・ダ・ヴィンチのオリジナルスケッチや、ルイス・キャロルがアリ
ス・リドルに贈った自筆の挿絵入り『不思議の国のアリス』、ジェイン・オースティンが15
3
安元稔編『京セラ文庫「英国議会資料」資料集XI センサス(DVD-ROM)
』
(2003年)。京セラ文庫に
ついて詳しくは、http://www.minpaku.ac.jp/jcas/bpp/index.html (2006年 2 月28日)を参照。また映像
化については、安元稔、山本千映「英国議会資料(センサス)をめぐる諸問題」
『地域研究』第七巻第一
号(2005年)参照。
4 安元・山本(2005)
、175頁。
5 http://www.qub.ac.uk/cdda/iredb/pages.htm (2006年 2 月28日)。
−18−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
図− 2 ベルファスト・クィーンズ大学によってデジタル化された1841年センサス前書き
xviii 頁や xxi 頁、xxiii 頁には、エクセルによる表がついている。
歳の時に書いた『イングランドの歴史』のヘンリー 4 世からチャールズ 1 世の死までの部分
を後年彼女自身が書き写したものなど、15点の文献が利用可能である。6 このような稀覯書
が一般に公開される機会は限られており、公開されたとしても、たいてい特定のページを開
いて陳列用ガラスケースの中に置かれている場合がほとんどである。不特定多数の閲覧者に
むけて、実際に触ったりページをめくったりできるようにするということは、本の保存上も
好ましくない。多くの文書館では、そのような史料についてはマイクロフィッシュかマイク
ロフィルムを用意し、閲覧希望者はマイクロ版を見るのが普通である。しかし、研究者や図
書館などの学芸員ならいざ知らず、一般の人々がマイクロフィルムリーダを使ってまで閲覧
することはほとんどあり得ない。Turning the Pages プロジェクトは、研究者ではない普通
の人が、仮想的にではあるけれど、気軽に実物を閲覧できるようにすると同時に、原本の保
全を確保するという、非常に興味深い試みである。
6
http://www.bl.uk/onlinegallery/ttp/ttpbooks.html (2006年 2 月28日)。
−19−
図− 3 Turning the Pages プロジェクトによる『不思議の国のアリス』
4 史料のデジタル化:テキストファイル
以上のようなデジタル画像化とそのオンライン化は、原史料を身近なものにするという意
味で、歴史学研究に大きな影響を与えた。もちろん、デジタル化される史料はセンサスのよ
うな研究上の需要が大きい基本的な文献か、稀覯書のような一般の興味をひく可能性の高い
文献に限られているが、歴史家にとって、基本的な文献がデジタル化されたことの意味は研
究効率上非常に大きい。経済史の場合、特定の国や地域について大雑把な生産額や失業者
数、死亡者数などについては情報が得られるが、人口規模に関するデータが無いので生産性
や失業率、死亡率を計算することができないといった問題がしばしば起こる。実際、1960年
代から、イギリスにおける歴史人口学は長足の進歩を遂げるが、そうした研究が開始される
動機の一端は、教会史料から得られる洗礼、埋葬、婚姻が何件あったかという記録から出生
数、死亡数、結婚数はわかるものの、そうしたイベントが発生する母体となる人口規模がわ
からないので、出生率や死亡率、結婚率等が計算できなかったという事実から始まってい
る。また、食料輸入や原材料の輸入の急激な伸びが観察される場合、それが人口増によるも
のなのか、産業構造の変化にともなう需要構造の変化なのかの判断は、全体の人口や職業別
人口に関する情報があれば一目瞭然である。経済史研究では人口データはもっとも基礎的な
ものであり、それが気軽にいつでもどこでも利用できるようになったことの意義は計り知れ
ないものがある。
他方で、画像として扱われる情報は、それがマイクロフィルムを焼き付けた紙媒体であ
−20−
関西大学 I T センターフォーラム
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れ、デジタル化されたデータであれ、最終的にはエクセルなどの表計算ソフトに数値を入力
した上で処理することになる。実際、デジタル画像でも、モニタ上で見ながらエクセルに入
力するといったことはまずなく、一度プリントアウトした上で、ハードコピーを机上におい
て入力することがほとんどである。
しかし、近年では、画像としてのデジタル化のみならず、画像上に書かれた数値や文字の
情報をすべて文字コードとしてまるごとデジタル化する試みも行われている。先に紹介し
た、ベルファスト・クィーンズ大学におけるアイルランド・センサスのデジタル化では、前
書きに掲載された表については画像ファイルとは別にエクセルファイルが用意されていた。
これは、こうした試みの格好の例である。惜しむらくは、本文の表はエクセルファイルを
ネット上では利用できないことと、前書き部分も文章部分がテキスト化されていないことで
ある。
より大規模な試みとしては、ロンドンと周辺地域における刑事事件を裁いたオールド・ベ
イリー the Old Bailey と呼ばれる裁判所の訴訟記録( proceedings)をすべてデジタル化する
というプロジェクトがある。7 現代においても、凶悪犯罪や経済犯が新聞や週刊誌をにぎわ
せることはよくあるが、17世紀末に刊行が始まるこの訴訟記録も、当初はそうしたある種の
娯楽として、悪名高い犯罪者がどのような育ちをしてどのように罪を犯すにいたったのか
を、一般大衆に伝えることを目的とした商業的な出版物であった。現存する最初期のものは
1674年 4 月期のもので、1679年には出版のためにロンドン市長による承認が必要となり公的
な性格を帯びていく。18世紀も終わりに近くなると、娯楽的な要素は新聞に取って代わられ
ていくが、他方で、ロンドン市の公的記録という側面が次第に強くなっていく。当初は出版
社が出版する権利を得るためにロンドン市当局へお金を支払っていたのが、逆に出版社に市
当局から補助金を出す形で出版が続けられる。1834年の法改正で、オールド・ベイリーはよ
り広域の刑事事件を扱う the Central Criminal Court に改組され、訴訟記録もそれまでの、
the Proceedings of the Old Bailey と い う 呼 び 名 か ら、the Proceedings of the Central
Criminal Court に変わるが、出版自体は1913年まで続く。8
オールド・ベイリー・プロシーディングス・オンライン・プロジェクトでは、これまでの
ところ、1674年 4 月期から1834年10月期までの訴訟記録について、現存している原文 6 万
ページあまり、訴訟件数約10万件について、すべてがウェブ上で公開されている。特筆すべ
きなのは、画像ファイルのみならず、全文がテキスト化されていることである。したがっ
て、完全にフリーキーワードで、原文をすべて検索することが可能となった。
7
8
http://www.oldbaileyonline.org/ (2006年 2 月28日)。
Tim Hitchcock and Robert Shoemaker ,‘ Publishing History of the Proceedings’,
,http://www.oldbaileyonline.org/proceedings/publishinghistory.html (2006年 2 月28
日)。
−21−
図− 4 1674年 4 月期の裁判記録の例
図− 5 図− 4 で表示されたテキストの原史料の画像
一行目は「 The first thing I shall shew thee …」と始まっているが、first
や shall 、shew( show)の s の活字が現代とは異なっているのがわかる。
プロジェクトでは、まず、全文の画像ファイルを作成することから始まり、次に訴訟記録
の内容を手作業で入力し、最後に特定のキーワードについて XML タグが埋め込まれ、構造
−22−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
的な検索を可能とした。9 撮影段階では TIFF ファイルが作成されているが、ファイルサイ
ズが大きくなる傾向があるので、ウェブサイトで閲覧できる画像ファイルは、GIF 形式に
なっている。訴訟記録のテキスト化については、17世紀の出版物で用いられていた活字は
OCR での自動認識がほとんどできないため、手作業で行われた(図− 5 を参照)。採用され
たのは double rekeying という手法で、二人の異なる入力者が別々に原史料をタイプし、そ
れをコンピュータで比較して、異同があれば再入力を行う、というものである。それでも、
インクの色あせや、他ページのインクの写り込み、ページの破れ等で読めない部分もあるた
め、全体の精度は99.8%になっているとのことである。ここで威力を発揮するのが本文のイ
メージ画像を閲覧できる店である。ページ横に用意された本文のサムネイル画像をクリック
すると原史料の GIFF ファイルが閲覧できるので、タイプされたテキストに何らかの疑義が
ある場合には、実際に自分の目で確かめることができる。さらに、犯罪の種類(大分類 9 、
小分類55)、犯罪発生の日付、場所、被告や被害者の名前や職業など、18種類の情報につい
ては、先述したように XML によるタグ付けが行われていて構造的な検索が可能となってい
る。また、犯罪の種類、被告の性別、年齢、被害者の性別、評決(大分類 6 、小分類15)、
刑罰の種類(大分類13、小分類12)の 6 つの情報については、Statistical Search という機能
が用意され、円グラフ、棒グラフ、表の三種類の形で、犯罪件数や死刑判決数などが自動的
に計算されるようになっている。テキスト化されているため全文検索が可能であることに加
えて、原史料のイメージ画像を確認できること、また、ウェブ上で公開されていること、の
三点によって、近代ロンドン犯罪史に関しては、原史料が保存されているハーバード大学図
書館や、ロンドンのギルドホール・ライブラリ、大英図書館、オックスフォードのボードリ
アン図書館などを直接訪れることなく、世界中のどこにいてもかなり高度な研究を展開する
ことが可能となっている。
5 結びにかえて
以上述べてきたような、史料検索のオンライン化、歴史史料のデジタル化等により、歴史
学研究は、コンピュータやインターネットについての基本的な知識さえあれば、きわめて手
軽なものになりつつあるが、他方で、残された問題も数多い。デジタル化されている史料の
多くは、歴史家に広く利用されているメジャーなものに限られる。デジタル化には膨大な時
間とコストがかかるからである。また、歴史学では、他の研究者が利用していない史料を発
掘し、歴史上の事実に関して新たな知見を提供するということも重要な営みとなっている。
この場合、利用される史料は、将来的にはデジタル化されるかもしれないが、その時点では
9
Tim Hitchcock and Robert Shoemaker,
‘About This Project’
,
,http://
www.oldbaileyonline.org/about/ (2006年 2 月28日)。以下、プロジェクトの経過については同サイトによ
る。
−23−
デジタル化されていないのが普通である。加えて、地方レベルでいえば、所蔵資料の電子カ
タログ化も、完了はしておらず、現状では所蔵資料の 5 割とか 6 割がカタログ化されている
だけというケースも多い。カタログ化に関しては、近い将来には多くの文書館で電子化、オ
ンライン化が完了すると思われるが、史料そのもののデジタル化は、永久に完了することは
無いのではないかと思われる。年々新たな史料が寄贈・寄託されているが、デジタル化され
るのは、既存の史料も含めて、そのうちのごくわずかな部分だからである。前節で述べたよ
うに、活字を使った刊行物でさえ、OCR での読み取りには問題が多いことに加え、手書き
文書に関しては、入力を自動化するのはほぼ不可能である。さらに、手書き文書の場合、デ
ジタル画像にすることは容易なものの、キータイプによるテキスト化を行う場合、そうした
文書を読める人を確保するのも、なかなか難しい。筆者が専門としている時代は18世紀末か
ら19世紀であるが、正直なところ、17世紀に作成された文書を読むのには、書体が後の時代
とは異なっているので非常に時間がかかる。したがって、例えば、日本人であったら大学院
生をアルバイトとして動員しようとしても、実際に作業ができる人はかなり限られるし、英
語を母語とする国々の学部学生でも制約があるだろう。
とはいえ、歴史学研究が今後もますます身近なものになっていくことは間違いない。英米
における家族史研究のように、たくさんのアマチュア歴史家が現れて、我々職業的な歴史家
をも凌駕するような研究が出てくることで、歴史学がますます発展することを期待してやま
ない。
−24−
関西大学 I T センターフォーラム № 20(2005)抜刷
P2Pドロネーネットワークの
LRC の分散生成法の提案と評価
大 西 真 晶 坪 井 新 治
平 山 雅 夫 上 島 紳 一
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
研究レポート
P2Pドロネーネットワークの LRC の分散生成法の提案と評価
大 西 真 晶* ,坪 井 新 治**
平 山 雅 夫**,上 島 紳 一**
本稿では,構造型 P2P ネットワークのひとつである P2P ドロネーネットワークにおける遠
隔接続法( LRC)とその自律分散生成アルゴリズムを提案する.従来の P2P ドロネーネット
ワークでは,各ノードは近傍のノードと接続関係にある.この為,遠方のノードに対して通
信を行う際,経由するノード数が大きい.そこで離れたノード群とノード群同士が協調動作
する為には,他の接続手段が必要であり,P2P ドロネーネットワークの特徴である,位置に
則した情報検索,ノード検索を行うことができない.本稿で提案される LRC は,P2P ドロ
ネーネットワーク上で生成され,位置に則したルーティングによって利用される.提案手法
は,P2P ドロネーネットワークを前提として,各ノードが自律分散局所的に動作してボトム
アップに LRC が生成されるアルゴリズムである.LRC は遠方の目的ノードの位置に基づい
て,ノード毎にLRC利用用のルーティングを行うことで従来のルーティングよりも経由ノー
ド数を小さくしながら目的のノードに到達することができる.最後に数値シミュレーション
により,LRC生成過程及びLRCのノードの負荷を問い合わせ回数,被問い合わせ回数,ノー
ド次数の変化により検証し,更に LRC 生成後の利用によるネットワークに対する負荷を経
由ノード数(ホップ数)の変化により検証する.また,本 LRC の適用可能性についても議
論する.
1 .はじめに
近年,空間情報管理の為の構造型 P2P ネットワークの研究が盛んである.構造型 P2P ネッ
トワークでは,フラッディングを用いる非構造型ネットワークと違い,通信量を抑えること
ができるため,ネットワークのサイズを大きくできる特徴を持つ[1,2,3].将来的なユビキ
タスコンピュータ社会では,空間内に配置したセンサーと無線を備えた膨大な数のノードを
制御することが考えられ,これらが生成する実時間情報の蓄積や処理に構造型 P2P ネット
*総合情報学研究科 **総合情報学部
−25−
図 1 ドロネー図とボロノイ図
図 2 ボロノイ領域の生成
ワークを利用する事が期待されている[4].
著者らも平面で発生する情報を管理する目的で,構造型 P2P ネットワークの一つである,
P2P ドロネーネットワークを提案している[5,6,7].このネットワークは,緯度経度による
位置情報を与えたノード集合を,計算幾何の分野におけるドロネー図状に接続した P2P ネッ
トワークであり,双対関係にあるボロノイ図状の領域分割によって各ノードの管理領域を割
り当てている.
この様にノード集合をドロネー図状に接続することにより,
(ⅰ)位置的に近傍のノード間で接続が確立されネットワーク全体のノード数に関わらず,
各ノードの接続数が 6 前後となり,接続がノード全体に分散している.
(ⅱ)ドロネー図と双対関係にあるボロノイ図を各ノードで分散的に生成するアルゴリズム
を与えており,各ノードに対して平面空間をボロノイ分割して一意に割り当てることが
できる.
(ⅲ)あるノードからあるノードへ問合せのパケットを伝播する際に,ノードが受信パケッ
トを目的地により近いノードに転送を繰り返す事で,必ず目的地であるノードに到達さ
せることができる.
といったドロネー図の特性に基づく P2P ネットワークとしての特徴を持つ.
しかし,各ノードが近傍のノードのみと接続しているため遠方のノードに対してパケット
を伝播する際,経由するノード数が大きくなるという問題がある.そこで本稿では,P2P ド
ロネーネットワーク用の遠隔接続経路( Long Range Contact ,以下 LRC)とその自律分散
生成手法の提案を行う.
LRCは,オーバーレイネットワーク上での接続をすることにより,任意のノード間のホッ
プ数を小さくする為の経路である.また,LRC 生成後のノード毎の接続数が分散し,更に
ノード数 N に対して O(logN) 程度のホップ数で任意のノード間で到達可能な経路が利用しや
すい LRC の条件である[8,9,10]
本研究での LRC では,以下のような特徴がある.
平面上の任意のノードから任意のノードへ O(logN) のホップで到達する.
−26−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
平面上の連続領域に対する問合せの為のルーティングが可能である.
問合せ領域を管理するノードが未知であってもルーティング可能である.
総ノード数の増加に対し平均ノード次数の増加度が低い.
本稿では,LRC の自律分散生成アルゴリズムを与え,シミュレーションにより,遠隔接
続経路生成後の P2P ドロネーネットワークとその生成過程の両方についての性能評価を行
う. 2 章で準備と帯状 LRC 生成法の基本的な考え方について述べ, 3 章で帯状 LRC の生成
法について述べる. 4 章でシミュレーションによる性能評価, 5 章で関連研究と LRC の利
用について述べる.
2 .P2P ドロネーネットワークの特徴
本章では,P2P ドロネーネットワークの特徴とその遠隔接続経路に関係する基本的な考え
方についてまとめる.
2 .1 ドロネー図の特徴と P2P ドロネーネットワークでの意味
まず,図 1 にドロネー図とボロノイ図を示す.ここで,vi などの黒丸は母点であり,P2P
ドロネーネットワークにおいては,自身の位置情報を持つコンピュータノードなどの計算主
体を表す.そして,破線がボロノイ図,実線がドロネー図である.ドロネー図における各辺
は,P2P ドロネーネットワークおけるノード間の接続関係を示している.
一般に,P = {v1, v2, ... ,vN} を母点の集合とすると,ボロノイ図は,平面を N 個(母点数)
の領域に分割したものであり,vi ∈ P に対するボロノイ領域(破線で囲まれた領域)は,P
の他の点よりも vi が最も近い平面上のすべての点を含む(式 1 ).
V or (vi) = { x / d (vi, x) < d (vj , x), f or j
= i}(1)
図 3 1 次元上での LRC 生成過程
−27−
ここで d はユークリッド距離である.
点 vi のボロノイ領域を V or (vi) と表し,P に対するボロノイ図を V or (P) と表す.2 つのボロ
ノイ領域が一辺を共有するとき, 2 つの母点を辺で結んだグラフを平面に埋め込んだものを
ドロネー図,或いはドロネー三角形分割と呼び,Del (P) と表す.
ドロネー図が次の特徴を持つことはよく知られている[11].
(ⅰ)ボロノイ図は母点で平面を分割し,ドロネー図は領域を三角形分割して被覆する.
(ⅱ)ドロネー図の母点の次数の期待値は 6 以下となる.
(ⅲ)平面上の点集合のドロネー図は平面グラフである.すなわち,どの 2 辺も交差しない
ように平面に埋め込まれている.
(ⅳ)母点の移動や削除による同図の更新の影響がその点の近傍に留まる.
(ⅴ)ボロノイ図とドロネー図はノード数に関して線形時間で相互変換が可能である.
(ⅵ)平面上の任意の 2 母点の片方から他方へ,方向を基にドロネー辺を辿ることで到達で
きる.
P2P ドロネーネットワークにでは,各ノードの情報管理領域をそのノードのボロノイ領域
としている.これにより,平面上のある点 vj について問合せを行う際,各ノードが自身と接
続関係にあるノードの中で最も vj に近いノードに問合せパケットの転送を繰り返す事によっ
て,必ず vj を管理するノードへ問合せパケットを到達させるというルーティングが可能であ
る.本稿では,任意の 2 点,vi から vj への距離を,このルーティングを使用した時の経由
ノード数( = ホップ数)とし,dr (vi, vj) と記述する.例えば図 1 において,点 v1 から点 v5 に対
してパケットを転送する際の経路を示した.この時の経由ノードは,順に v2 ,v3 ,v4 ,v5 で
あり,dr (v1, v5) = 4 となる.また,同一の P2P ドロネーネットワーク上の任意の 2 点間の
ホップ数のうち,最大となるものを,その P2P ドロネーネットワークの直径と呼ぶ.
2 .2 ボロノイ領域の生成アルゴリズム
図 2 に,ノード v0 におけるボロノイ領域を求めるアルゴリズムを示す.ここでは,v0 はノ
ード v1 ,v2 ,v3 ,v4 ,v5 と隣接している.その中で相互に隣接するノードを 2 つずつ結ぶこ
とで自身を複数の三角形で囲むことができる.構成された各三角形の外心を並べた三角形の
図 4 1 次元で LRC を用いたルーティング
−28−
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順に結ぶ事により自身のボロノイ領域の境界線となる.この処理はノード v0 の内部だけで完
結している[5].
2 .3
1 次元集合に対する LRC 生成とホップ数
次に,平面上での LRC 生成法を与えるための準備として,ノードが 1 次元上に配置され
た場合の LRC の生成法と生成された LRC の特徴について述べる.
P2P ドロネーネットワーク上のノードは,通信可能なノードは隣接ノードのみであり,
ノードはそれぞれ自律的に動作する.これらの性質を考慮して 1 次元上のノードがボトム
アップ的に LRC を生成する過程を示す.
[ 1 次元 LRC の生成]
図 3 に, 1 次元上に配置されたノード間における LRC の生成過程を示す.以下に,v0 を例
にとりながら示す.
問合せ:ノードが隣接ノード以外の遠隔ノードとの通信経路と接続するため,隣接ノードに
遠隔ノードの問合せを行う.図上の例では,v0 が隣接ノード v1 にその先の隣接ノード v2 の情
報を問合せる.
応答:問合せを受けたノードは,問合せを送ったノード以外にも通信しているノードについ
ての情報を応答として返す.ここでは,v1v2 間においての通信により,v1 は v0 に v2 の情報を
送り,v0 に応答する.
通信経路の確立:ノードは応答により得たノードと通信を行い,通信経路を確立する.図上
では,v0 は v2 の情報を受けると,v2 との通信経路を確立させる.つまり,v0v2 間では,v1 を
経由しない通信経路の確立を行う.これは,隣接ノード間をホップした場合,2 1 ホップかか
るノードとの通信経路である.このような通信経路でのホップを LEVEL(1)と呼ぶ.また,
ノードは同期的に動くことによって,v1v3 間,v2v4 間など他のノードでも LEVEL(1)の通信
経路が確保される.同様に,2 i ホップ先ノードとの通信経路である LEVEL(i)の経路で問合
せ,応答,通信経路の確立を繰り返すことにより段階的に 2 i + 1 ホップ先ノードとの通信経路
である LEVEL(i+1)の経路を確立する.
終了条件 : ノードが LEVEL(k)の通信経路を用いて,LEVEL(k+1)の通信経路を作ることを
考える.ここで,ノードが 2 k ホップ先のノードに問合せを送り,2 k ホップ先のノードがさ
らに 2 k ホップ先ノードについての LRC を所有しない場合,応答を返せない.これは LEVEL
(k+1)の通信経路が全体ノード数よりも多くなる場合に起こり,LEVEL(k+1)の通信経路は
生成が不可能になる.ここで,そのノードに対する LRC の生成処理を終了する.
[例] 図 4 に 1 次元上にノードが150個配置された場合を考える. ここでは, 最も離れた
v0v150間で,v0 が v150 への問合せに LRC を用いてホップを行う.
v0 は,LRC で通信経路を確立したノードの中で v150 に最も近いノード v129 を選び,v129 に処
−29−
図 5 2 次元平面移動手順にもとづく LRC
理 を 委 譲 す る. こ の 時, ノ ー ド は 1 ホ ッ プ で 残 り ノ ー ド 数 の1/2以 上 を 進 む. 同 様 に,
v129v145 間や v145v149 間でもそれぞれ 1 ホップで残りノード数の1/2以上を進む.このように
LRC を用いたホップでは 1 ホップで必ず残りノード数の1/2以上進む.このため, 1 次元上
においての全体ノード数を N とし,ホップ数を x とすると N < 2 x より x < logN となり,logN
ホップ以下で問合せが到達する.
3 .P2P ドロネーネットワークにおける LRC
3 .1 平面での 2 段階移動による LRC 生成
図 5 に, 2 次元平面でのノード配置とボロノイ管理領域の例を示す.各ノードは,ボロノ
イ領域が隣接するノードと 1 ホップ隣接関係にあり,ネットワーク接続されているものとす
る.同図で,平面上の任意の母点 v0 を出発点とし、別の任意の母点 vp を目的地とする水平方
向,鉛直方向の 2 段階の移動について考える.ここでは,対象点の北東領域に対する移動に
ついてのみ考え,他の方向については同様に生成するものとする.
まず,vp より鉛直に,v0 より水平に 2 本の直線を引くと 2 直線は交差する.その交点を Q
とすれば,図 5 では,v5 のボロノイ領域に含まれている.従って図 5 で v0 から v5 へ水平方向
に移動できればよいことがわかる.これには,v0 ,v1 ,v2 ,v3 ,v4 ,v5 の順番に 1 ホップず
つ水平方向に移動し,同様にして v5 から vp へ鉛直方向に移動すればよい.つまり v0 を通る水
平の直線が通るボロノイ領域とその母点(ボロノイ領域の管理ノード)を辿ればよいことが
わかる.このようなボロノイ領域と母点は順に求めることができる.ここでは更にこの水平
方向移動についての P2P 方式での LRC の生成方法を考える.鉛直方向についても同様であ
る.
−30−
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まず,各ノードがすべての LEVEL の LRC に対応するために必要な隣接関係について考え
よう.LRCは各ノードから見れば左方向よりボロノイ領域上をホップしてくるため,各ノー
ドは自身のボロノイ領域を水平方向に通過するすべての水平線上のホップに対して次にホッ
プさせることのできる隣接関係を持てば十分である.つまり,図 5 で,例えば v0 が持つべき
隣接関係は,v0 のボロノイ領域 Vor (v0) の y 座標の最大値 Xmax と最小値 Xmin の間を通過する
水平線に対応すればよい.そこで,この Xmax と Xmin の間を v0 の水平帯として,そこを通過
する水平線すべてについての 1 次元 LRC を作成することを考える.
v0 について述べると,v0 は,任意の LEVEL のホップにも対応する為に,v0 の水平帯と共
通領域を持ち、かつ、2 x( x は自然数)ホップ先に当たるボロノイ領域の母点であるノード
と LRC 隣接しなければならない.つまり,v0 は,この条件を満たすボロノイ領域を持つノー
ドとの間で LRC を構成する必要がある.
このため帰納的に構成する.v0 の問合せるすべてのノードが自身の LEVEL(x)の LRC を生
成していることを仮定する,即ち,v0 が 2 x ホップ先のノード集合と隣接関係を持つと仮定す
る.そして,v0 は,その水平帯に含まれるすべての 2 x ホップ先のノードから 2 x + 1 ホップ先
の隣接関係を受け取り,その中から選択して最終的な 2 x + 1 ホップ先の LRC 隣接母点として
LEVEL(x+1)の LRC を生成する.
図 5 において 2 ホップ先の LRC 隣接母点を決定する際,v0 は,1 ホップ先の v1 ,v6 ,v9 に
対して隣接関係を問合せる.そして v1 ,v6 ,v9 の水平帯の内部の 1 ホップ先の隣接関係にあ
る v7 ,v8 ,v2 ,v10 を受け取る.その中で v0 の水平帯の内部に含まれるボロノイ領域を 2 ホッ
プ先の LRC 隣接母点とする.
以上の手順で v0 の水平帯についての LRC を作成することができる.
3 .2 提案アルゴリズム
任意の母点 v0 の水平帯においても全方向の 1 ホップ先の母点とは隣接関係にあるため,ま
ず LEVEL(1)の問合せに対して答えることができる.
そのため,すべての母点は 2 ホップ先の LRC 隣接母点を作ることができる. 1 ホップ先
の母点の領域を併せた領域の y 座標の最大値と最小値は,v0 の領域の y 座標の最大値と最小
値より大きい為,v0 の帯幅を横断する形での領域を作ることができる.
これにより,すべての母点はLEVEL(2)の問合せに答えることができ,同様にして 3 ホッ
プ先の LRC 隣接母点を各々の母点が作ることができる.これを繰り返せば 2 x ホップ先に母
点が存在しない場合に陥るまで LRC 隣接母点を増やしていくことができる.
また,問合せに対して返される母点の領域は,v0 の帯幅を横断する最低限の領域の他に余
分に返されている.そこで,v0 の領域の y 座標の最大値から最小値までの横断順に最小限の
領域を選び出して最終的な接続先とする.
以上の手順で v0 についての水平帯状の LRC を作成することができる.
−31−
図 6 LRC を生成したノード
図 7 帯型 LRC を用いたルーティング手順
( 総ノード数 N=2000)
同様にして,vp から引かれる鉛直な直線全てについても LRC を生成可能である.任意の
ノードの水平帯と任意のノードの鉛直帯は,ボロノイ管理領域のいずれかで交わっている.
そこで,その管理領域に到達するまで水平帯の LRC を使用して移動し,その後,鉛直帯の
LRC を使用して移動することにより,目的のノードまで到達することができる.
[非有界ボロノイ領域への対応]
以上の手順の例外としてボロノイ領域が非有界である場合は,帯幅を決定することができ
ない.ここでは,非有界の領域を持つノードに関しては LRC を生成を行っていない.しか
し,P2P ドロネーネットワーク上で問合せ転送の際に LRC が構成されていない場合は,ドロ
ネー状の接続を使って転送し,LRC が存在するノードに行き着いた時に再度 LRC を使って
転送するものとしている.
図 6 には,以上の手順により生成された LRC 接続の様子をシミュレータ画面図により示
した.縦横の帯の交差部分にあるボロノイ領域の母点から,十字方向の 2 x 先のボロノイ領
域の各母点に接続されており,その領域を色づけして示した.シミュレータの計算により,
隣接ノードが全て 1 HOP 先として色づけされており,その隣接領域で帯上の領域が 2 HOP
先として色づけされている.更に,一つほどの領域をあけた,帯上の領域を 4 HOP 先とし
て色づけされており,元のノードから 4 HOP 先の領域までの距離を倍ほどした距離の場所
の帯上の領域が, 8 HOP 先の領域として色付けされている.
3 .3 帯状 LRC 使用時の問合せ転送規則
図 7 に,帯状 LRC 使用時の問合せパケット転送ルールを示す.
[問合せ生成]
本稿で想定するネットワークに対する問合せについて説明する.問合せは,任意のノード
で発生し,平面空間上のある点についての情報を,その点を管理領域とするノードから取り
−32−
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図 8 LRC 生成前と生成後による
問合せ経路の比較(総ノード数 N=2000)
図 9 LRC 生成時のノード数に対する
問合せ,被問合せ回数の平均値
寄せるものとする.この時,生成される問合せパケットの内容は以下である.
(ⅰ)問合せ元ノードアドレス
(ⅱ)情報取得点座標
(ⅲ)パケット転送法
(ⅳ)移動中の帯状 LRC の帯幅情報
問合せ元ノードアドレスは,問合せが発生したノードのアドレスであり,最終的にこの問
合せに返答するノードは,この情報を元に直接返答する.問合せ先,点座標は,情報を得た
い点の座標である.パケット転送方向は,帯状 LRC の転送において X 軸,Y 軸いずれかの+
方向,−方向のどちらへ転送中かを示している.本転送では,初期の転送方向は,移動問合
せ 元 ノ ー ド の 座 標( x1 ,y1) と 情 報 取 得 点 座 標( x2 ,y2) が 存 在 す る 時 の, │ x2 - x1 │ と
│ y2 - y1 │の絶対値の大きい方の軸の帯状 LRC をより情報取得点座標に近くなる方向とする.
移動中の帯状 LRC の帯幅情報は,現在移動中の帯状 LRC の帯幅に関する情報である.帯状
LRC では帯の中のノードであれば,そのノード数 N に対して logN 程度のホップで移動できる
ことが帯状 LRC の作成方法により,保障されている.そこでパケット転送時に,その帯か
ら外れること無く転送を行えるように帯についての情報を問合せパケット内に記述してお
く.問合せパケットは生成後,まず問合せ元のノードに渡され問合せの内容判定を行うこと
により転送を開始する.
[問合せの再生成]
他のノードから問合せパケットを受け取った際に問合せの再生成要求が為されていた場
合,問合せ元ノードアドレスと情報取得点座標以外の情報について再度問合せの生成と同じ
処理を行う.
[問合せの受信]
他のノードから問合せパケットを受信した場合,そのまま問合せの内容判定に移る.
−33−
図10 LRC 生成時のノード数に対する
問合せ,被問合せ回数の分散値
図11 LRC 生成後のノード数に対する
接続数の平均値 [問合せの内容判定]
問合せパケットを受け取ったノードは以下の三つの判定を順に行い,判定の結果に基づき
問合せパケットの処理方法を変える.
[自己管理領域判定]
問合せパケットの情報取得点座標が自ノードの管理領域かチェックし,自ノードの管理領
域であった場合,その点の情報を問合せ元ノードアドレスを元に直接返答し,問合せパケッ
トを破棄する.
[管理領域有界判定]
自身が非有界の管理領域を持つノードであった場合,LRC が存在しない.そこで自身の
管理領域が非有界であった場合そこでドロネー図の凸包の内部の点に問合せを引き渡し,そ
の点の LRC を利用する.この時,問合せパケット転送方向と移動中の帯状 LRC の帯幅情報
については,引渡し先の情報に基づいて再生成するよう要求する.
[目的地方向判定]
ある方向に向けて転送されてきたバケットの目的地が自身の直交する帯状 LRC の内部に
含まれているかチェックする.もし含まれていた場合,問合せパケットの送信方向を目的地
の方向に書き換え,その方向の帯状 LRC の帯幅情報を問合せパケットにセットし転送を行
う.
[問合せの再生成要求]
管理領域有界判定において,他のノードに問合せパケットの引渡しが行われた場合,更に
そのノードに対して問合せを再生成する要求を出す.
[問合せの転送]
目的地方向判定の結果いかんに関わらず,自身の持つ問合せパケットの転送方向の帯状
LRC の中で,その情報取得点座標の問合せパケットの転送方向の座標の値について超えな
いノードの中で情報取得点座標に最も近いノードに転送する.
図 8 は,左上のボロノイ領域から右下のボロノイ領域への問合せの際の経由ノードを線で
繋いだシミュレータ画面のキャプチャ図である.中央を斜めに横断する経路は,LRC を使
−34−
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用しない場合の経路であり,右へ移動後,下へ移動する経路は LRC を使用した場合の経路
である.LRC を利用しない場合は,各ノードは隣接するノードの中から最も問合せ先の点
座標に近いノードを選び,そのノードに問合せを転送する.ドロネー図の特徴からこれを繰
り返す事により必ず目的地の点座標に最も近いノード,つまり目的地の点座標をボロノイ領
域に含むノードに到達する.LRC では,まず X 軸に水平に LRC 接続を利用して問合せの転
送を行い,目的地の点座標の y 座標の y 軸と平行な直線上を管理するノードまで移動し,そ
の後,Y 軸と平行に LRC 接続を利用して転送を行う.この図では LRC を使用しない場合36
ホップ,使用した場合 3 ホップとなっている.
4 .P2P ドロネーネットワークの LRC の生成過程と性能の評価
本章では,P2P ドロネーネットワークの LRC の生成過程と LRC 生成後における性能をシ
ミュレーションにより評価する.また,LRC 生成レベル毎の負荷の変化とホップ数の変化
について比較し,生成負荷と LRC 性能の関係についても検証する.
4 .1 .LRC 生成時のノードに対する負荷の評価
LRC の生成過程における各ノードにかかる負荷を計測する.この時に考えられる負荷の
計測内容は,LRC 生成時に各ノードから他のノードに問合せを行う回数,各ノードが他の
ノードから問合せを受ける回数,LRC 生成後の接続数を計測した.
[問合せ回数と被問合せ回数]
LRC 生成時の各ノードによる他のノードに対する問合せ回数と他のノードから問合せを
受ける被問合せ回数について,全ノード数 N を指数的に変化させた際の平均値と分散値の変
化を計測し,図 9 ,図10にそれぞれ示した.図 9 では,問合せ回数平均と被問合せ回数の平
均は,ほぼ同じであり,自身から接続するノードと他のノードから接続される数が平均にお
いては,ほぼ同じであることを示している.図10では,問合せ回数の分散が小さい値でノー
ド数に対して一定であるのに対して,被問合せ回数の分散は,ノード数の増加に対して次第
に大きくなっている.これは,被問合せノードの領域の大きさによって,他のノードの帯領
域にかかる場合が多く差がでるものと考えられる.
[ LRC 生成後の接続数]
LRC 生成前と生成後においてのノードの接続数(次数)について,全ノード数 N を指数的
に変化させた時の平均値と分散値の変化を計測して,図11,図12にそれぞれ示した.図11で
は,各ノードの LRC 生成前の次数は平均 6 に収まっている.一方,LRC 生成後はノード数
の指数的な増加に対し,各ノードの次数は 1 次的な増加となっている.また,図12では,
LRC 生成前の次数の分散は,ほぼ 0 であるが,LRC 生成後の次数の分散はノードが増加す
るに伴って大きくなっている.これは,非有界のノードは LRC を作成しないため,有界の
−35−
図12 LRC 生成後のノード数に対する
接続数の分散値 図13 LRC 生成後のノード数に対する
ホップ数の平均値 図14 LRC 生成後のノード数に対する
問合せ,ホップ数の分散値
図15 LEVEL 増加ごとの問合せ回数とホップ数
の平均値 ノードとの次数の差が大きくなること,各ノード毎に帯の幅が違い接続するノードが違うこ
とが原因と考えられる.
4 .2 .LRC 利用時の性能評価
LRC 生成後の P2P ドロネーネットワーク性能評価として,任意の 2 ノード間における問合
せパケットの送信時,経由ノード数(ホップ数)について計測した.
[ノード数と問合せにかかるホップ数]
LRC 生成前と生成後においての問合せにかかるホップ数について,全ノード数 N を指数的
に変化させた時の平均値と分散値の変化を計測して図13,14にそれぞれ示した.図13では,
ノード数に関わらずホップ数の平均値は低く,最大の8192の場合でも,LRC 生成後のホップ
数の平均値は5.9ホップで生成前と比較して小さなホップ数で問合せが可能であった.図14
では,ノード数が増加するに伴い,LRC 生成前の問合せホップ数の分散値も増加している.
これは,ノード数が増加するに従い,近傍ノードに対して問合せする際のホップ数と遠方
ノードに対して問合せする際のホップ数の差が大きくなるためである.一方,LRC を生成
した場合にはノード数に関わらず分散値は低く一定である.このことから,各ノードからの
遠隔ノードへの問合せであってもなくてもホップ数に差が生じず,一定のホップ数によって
−36−
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到達することが確認できた.
4 .3 .LRC の各 LEVEL 生成時の負荷とその性能の関係
図15に,LRC を生成する過程において,LRC の各 LEVEL 生成毎のノードの問合せ回数と
ホップ数についての平均値を全ノード N 数を指数的に変化させた場合について示した.低い
LEVEL の LRC のみが生成されている場合は,問合せ回数の平均値は低く,ホップ数の平均
値は高くなっている.生成されている LRC の LEVEL が高くなるに従って問合せ回数の平均
値が高くなり,ホップ数の平均値は高くなっている.また,一定の値に達するとそれ以上、
問合せ回数もホップ数も変化しなくなっている.
問合せ回数については,高い LEVEL の LRC を生成する際には,より問合せを行わなけれ
ばならない為,LEVEL に応じて比例的に増加している.また P2P ドロネーネットワークの
端のノードより遠いノードに対して LRC を生成しない為,一定以上の LEVEL では実際上
LRC は作られず,問合せ回数も増加しない.
ホップ数については,LEVEL の低い LRC が作られた状態でもホップ数が下がっており,
LEVEL の LRC が多用されていることを示している.逆に高い LEVEL の LRC もホップ数が
小さくなっているが,その下がり幅は低い LEVEL の LRC が生成された時ほどではなく,高
い LEVEL の LRC は,低い LEVEL の LRC ほど多用されてはいないことがわかる.
また問合せ回数とホップ数については,一方が大きい時は,もう一方は小さいというト
レードオフの関係となっていることがわかる.
5 .関連研究と LRC の利用
5 .1 .関連研究
P2P で空間を管理する手法として DHT を利用したツリー構造の構造型 P2P ネットワーク
の研究が盛んである[2].しかし,ツリー構造である為に範囲問合せや,ルートノードに対
する負荷の偏りがあり問題である.それに対して解決策として分散的に多重の経路を生成す
る手法が研究されている.例えば,JamesAspen らは,ノードの参加,脱退が頻繁なツリー
構造の P2P ネットワークにおける問合せの伝播用の新しい経路作成方法として SkipGraph を
提案している[12].この SkipGraph は,分散的な構造を持っており,それを利用したノー
ドの追加,脱退時における SkipGraph の復元の可能性について提示している.また,同様の
観点から Harvey らは SkipNet を提案している[10].
Shu らは,多次元空間に対して範囲問合せ可能な仕組みを P2P ネットワーク上で実現する
手法について提案している[13].ここでは,z 曲線を用いて空間を分割し,更にその上に
SkipNet によるオーバレイネットワークを構築するアプローチを取っている.z 曲線は,空
間充填曲線の 1 種であり,部分空間片の指定を 1 次元の索引付けに帰着できる.この 1 次元
−37−
の索引空間に対して SkipNet の構成法を適用することにより,O(logN) でのホップ数で検索を
可能としている.P2P ドロネーネットワークにおける LRC も SkipNet と同様,O(logN) での
ホップ数による検索を可能としている.また,分散的な構成をしているため特定のノードに
負荷を与えることはない.さらに,ノードの脱退,追加が行われた時に,それを検出し再構
成することも可能である.さらに各ノードの管理領域をボロノイ領域とすることにより,位
置による問合せを可能としている.P2P ドロネーネットワーク初期の構成時から分散的な生
成が可能であり,ノードの追加,脱退の際の再構成の影響がその近傍に止まる.しかし,z
曲線のような, 1 次元の曲線により P2P ドロネーネットワークのノードに対して索引づけを
行った場合,平面上の任意の点に対する問合せを行う際にルーティングが意図したように動
作するかは不明である.何故なら,Shu らのノードが格子状に並び,同様の配置の管理領域
を割り当てているのに対して,P2P ドロネーネットワークのノードを 1 次元に並べた際の近
接関係と管理領域を 1 次元に並べた時の近接関係が,格子のように整然と一致しておらず,
次の転送先のノードを決定するのが困難な為である.
また,Shu らの想定している平面空間は有限の平面空間と固定長のビットによる位置表現
を仮定しているが,P2P ドロネーネットワークでは平面空間の各軸が有限とも,固定長の
ビットによる位置表現を使用するとも仮定していない.この為,空間全体をトップダウンに
等分割して 1 次元の索引付けを行う方法を適用できない.
Araujo らは,オーバーレイネットワーク上においてのホップレベルの構成法と評価を提
案している[9,8].しかし,これも格子状にノードが配置されていることが前提となってお
り,P2P ドロネーネットワークのようにノード配置が整然としていない場合には適用できな
い.
P2P ドロネーネットワークに対して平面空間上の任意の点という明示的な検索だけでな
く, そ の 点 に 最 も 近 い 情 報 を 問 合 せ る と い う 使 い 方 が 考 え ら れ る. 例 え ば,Deng や,
Mohammad の研究では,K- 最近傍検索と,それを用いた空間データベース構造について述
べている[14,15].どちらも,連続した平面空間上においての問合せ領域を指定せずに,近
傍から任意の個数の情報を検索する為のデータ構造について述べており,双方共に,ボロノ
イ図とドロネー図に基づくデータ構造を利用している.P2P ドロネーネットワークの上位レ
イヤーに対して,このようなデータ構造のデータベースを分散的に構築し利用することが考
えられる.
5 .2 .P2P ドロネーネットワークにおける LRC の利用
本 LRC により P2P ドロネーネットワークは,遠方への問合せの際の経由ホップ数を下げ
ることができる.これにより,近傍だけではなく必要に応じて遠方にも問合せ可能なオー
バーレイネットワークとなる.遠方に対する問合せが行い易くなる為,より広範囲の矩形領
域に対する検索も行い易くなる.
−38−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
更に P2P ドロネーネットワークにおける新たなノードの追加の際の近傍ノード発見に LRC
を利用することにより,ノードの追加が高速に行うことが可能になる.
また,P2P ドロネーネットワークの利用方法として,無線ノードやセンサーノードのネッ
トワークとしての利用を想定している.これに LRC が加わる事により,近傍のノード同士
が協調し,近傍の実空間情報を取得し,それを遠方の別の協調ノード群と LRC を利用して
接続を確立して交換するような利用が考えられる.これは,空間と空間の通信であり,遠隔
の空間同士コミュニケーションシステムなどに利用可能であると考えられる.
6 .おわりに
本研究では,P2P ドロネーネットワークにおける LRC の提案とその生成法の提案を行っ
た.LRC 生成法は P2P ドロネーネットワークが想定するボトムアップな構築後の状況を想定
した生成法となっており,自律分散的に動作する.また LRC は,P2P ドロネーネットワーク
と同様に位置に則したルーティングを行うことにより利用する.シミュレーションでは,提
案構築負荷について,問合せ回数,被問合せ回数,ノード毎の接続数の計測を行い,その変
化を確認した.また,生成後のシミュレーションでは,ノード間の通信時の経由ノード数が
任意の 2 ノード間において低下する傾向にあることを確認した.
今後の課題として,本稿における問題であったノードの接続数のばらつきを抑え各ノード
にかかる負荷が一定となるように LRC の改良及び,生成法の改良が挙げられる.
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−40−
関西大学 I T センターフォーラム № 20(2005)抜刷
spam メールの問題点
榎 原 博 之
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
研究レポート
spam メールの問題点
榎 原 博 之*
1 .はじめに
本稿では、インターネットユーザに多大な悪影響を与えている、不特定多数のユーザに一
方的に送りつけられるメール、いわゆる spam メールについて議論する。
電子メールは、インターネットが始まった当初から利用されているアプリケーションのひ
とつで、現在でも WWW と並んで最も頻繁に利用されているアプリケーションである。多
くの人が毎日のように利用している電子メールであるが、メールボックスを開けるたびに届
く、「出会い系サイトやアダルトサイトの会員になりませんか?」、「勃起不全治療薬やダイ
エットの医薬品を買いませんか?」、「高級腕時計のレプリカを買いませんか?」、「ソフト
ウェアの CD を安く買いませんか?」、「あなたは宝くじに当たりましたよ」などの spam メー
ルの山にうんざりする1。アメリカ シマンテック社の調査によれば、2004年 7 月の時点で実
にメール総数の65%以上が spam メールだといわれている2。
電子メールは、良識ある研究者間での利用に限られていたインターネット黎明期に設計さ
れたものであるため、簡単に送信者を偽称できるなどのセキュリティ上の問題点を多くかか
えていることは事実であるが、やはり spam メール送信者に問題がある。インターネットが
普及し、不正アクセスやウィルスなどのセキュリティ問題が重要になってきた当初は、不正
アクセス者やウィルス作成者の多くは、愉快犯であって利益などを目的とすることはなかっ
た。ところが、この 2 ∼ 3 年、急激に利益を追求した者によるセキュリティ犯罪が増加して
いる。これはゆゆしき問題である。例えば、フィッシング詐欺3やキーロガー4を埋め込んだ
*工学部 助教授
1 世界で最も多くのspamメールを受け取っている人物は、マイクロソフト社会長のBill Gates氏であろう。
彼は 1 日に400万通の電子メールを受け取るという。もちろん、ほとんどがspamメールであり、フィルタ
リングや spamメール防止技術、そして人海戦術により、実際に Bill Gates 氏が目を通す電子メールは 1 日
に 2 、 3 通らしい。
2 http://www.symantec.com/region/jp/enterprise/articles/20040810.html
3 フィッシング(phishing)詐欺とは、金融機関やクレジットカード会社などからの正規のメールや Web
サイトを装い、暗証番号やクレジットカード番号などを搾取する詐欺のことである。
4 キーロガー(key logger)とは、キーボードからの入力を監視して記録する常駐型ソフトウェアのこと
である。
−41−
スパイウェア5は、インターネットの落とし穴を巧妙に利用した犯罪で、今はやりの振り込
め詐欺(オレオレ詐欺)と同様、利益を追求した犯罪である。spam メールに関しては、犯
罪であるか犯罪でないかは別として、spam メールを送ることを専門とした業者がおり、十
分な利益を上げていることは事実である。
現在では、フィルタリングソフトなどを使って spam メールを効率よく除去しているユー
ザも多く見受けられるが、この対策だけで十分であろうか。spam メールはそれを受け取る
ユーザにとっての問題だけでなく、その電子メールを運んできたネットワークやサーバにも
むだな投資を強いているのである。インターネットはたくさんのネットワークやサーバを経
由してデータを運ぶしくみとなっている。電子メール全体の半分以上が spam メールである
という現状を考えると、もし spam メールをすべてなくすことができたら、インターネット
上の電子メールシステム(メールサーバやネットワーク)を半分以下の性能にすることがで
きることになる。
本稿では、spam メールを定義したのち、spam メールを送る専門業者が利益を上げている
現状を明らかにする。さらに、spam メールによる経済的損失をユーザ側からだけではなく、
サーバやネットワークへの投資も含めて算出する。最後に、spam メールを送信させない、
あるいは、配送させないための技術的対策を紹介する。
2 .spam メールとは
ここで、本稿で扱う spam メールを定義しておく。一言で spam メールといっても定義はま
ちまちであり、個人的解釈も異なっている。日本語でも、spam メールと同義語として迷惑
メールがある。英語では、spam メールのことを UCE( Unsolicited Commercial Email)や
UBE( Unsolicited Bulk Email)と呼ぶこともある。本稿では、「受信者の同意なしに、無差
別かつ大量に一括して送信される、主に宣伝目的の電子メール」と定義する。迷惑メール
は、一般に「受信者の同意なしに、無差別かつ大量に一括して送信される、受信者が不快に
思う電子メール」と定義されることが多く、コンピュータウイルスによって無差別に送信さ
れるウイルスメールを含む場合が多い。本稿で扱う spam メールではウイルスメールを含ま
ない。また、携帯電話の迷惑メールも対象外とする。
「 SPAM」6とは、もともとアメリカ Hormel Foods 社のハムに似た味付け豚肉缶詰の商品
名のことである7。本稿では、「 SPAM」が Hormel Foods 社の登録商標であることから、文
5
スパイウェア(spyware)とは、ユーザに気づかれずに常駐して、ユーザの操作履歴や個人情報などを
収集する、あるいは、プロセッサの空き時間を借用して計算するソフトウェアの総称である。
6 「スパム」も「SPAM」もアメリカ Hormel Foods社の登録商標である。
7 イギリス BBCで放映されたコメディー番組「 Monty Python’s Flying Circus」で、客がメニューを選ん
でいると、周りの客や店員が「SPAM、SPAM、SPAM !」と連呼しだし、SPAMを注文せざるを得なく
なる、というコントがあった。このコントで執拗に連呼される「SPAM」と、ほしくもないのに大量に送
りつけられてくる広告メールが重なって「spam」と呼ぶようになった。
−42−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
献[6]と同様、小文字で「 spam」と表記することにする。
3 .spam メール問題の本質
前にも述べたように、多くの spam メールは専門の業者によって送信されている8。従来か
ら存在するダイレクトメールと同様である。ダイレクトメールと大きく違う点は、送信費用
がほとんどかからない点である。文献[2]によると、アメリカにおいてダイレクトメール
を送るのに 1 通あたりおよそ1.21ドルかかるのに対して、spam メールでは 1 通あたりおよ
そ0.0005ドルだそうだ。実に、2400倍以上の差がある。この差が spam メール問題の本質と
なっている。このため、メール送信に課金しようという考え方も存在する[6]
[4]。文献[2]
によると、ダイレクトメールの場合、 1 通あたり 1 ドル以上かかるため、 2 %程度の受信者
からの問い合わせが期待されるようであるが、spam メールの場合は0.001%で十分であるら
し い。 実 に10万 人 に ひ と り 商 品 を 購 入 し て も ら え れ ば、 十 分 採 算 が と れ る こ と に な る。
Rockbridge Associates の調査[4]では、この 1 年間で spam メールから商品を購入した人は、
全体の 4 %にのぼったと報告している。このデータはアメリカの調査結果であるが、これを
日本に当てはめると、文献[7]のデータより2004年度末のインターネットユーザ数は7948
万人で、そのうち spam メール受信者は86.6%である。7948万人×0.866×0.04 ≅ 275万人と
なる。実に巨大なマーケットを形成している。spam メール送信が商売として十分成り立つ
ことがわかる。
spam メール送信業者は、メールアドレスとメール送信サーバがあれば、あとはほとんど
自動的にお金をかけずに spam メールを送ることができる。つぎに、メールアドレスの取得
方法とメール送信サーバの確保方法について述べる。
メールアドレスの取得
最もよく使われているメールアドレス取得法は、メールアドレス収集ロボットを使っ
てインターネット上に存在するメールアドレスを集めてくる方法である9。ホームペー
ジに問い合わせ先等のメールアドレスを載せるのは一般的であるが、これが悪用されて
いる。最近では、spam メール対策として、問い合わせ用のメールアドレスを公開せず、
問い合わせ用フォームに記述する形式に変更しているホームページも多い。
つぎに考えられるのは、ランダムにあるいは辞書を使って架空のメールアドレスを作
り出し、spam メールを送信する。エラーメールが返信されなければ、有効なメールア
8
9
spam メール送信業者のことをスパマー(spamer)と呼ぶ。
ここで、ロボットと呼んでいるのは、産業用ロボットや人型ロボットのことではなく、ロボット型サー
チエンジンのことである。ロボット型サーチエンジンとは、インターネット(ウェブページ)上を自動的
に巡回して、情報やデータを収集するプログラムのことである。
−43−
ドレスとして今後も利用するという方法である。この方法は携帯メールで有効でよく利
用されているが、インターネットメールでは Hotmail や Yahoo !メールのような有名な
メールアドレスを除き、さほど利用されていないようである。
最後に紹介するのは、手っ取り早くメールアドレスを購入する方法である。上記の方
法で収集したメールアドレスは、インターネット上で10メールアドレスあたり数円程度
で公然と売買されているようである。
メール送信サーバの確保
もちろん、正規にメールサーバをたて spam メールを送信している業者もいるが、い
つも同じメールサーバから spam メールを送信していると、spam メール送信サーバとし
てブラックリストに載り、そこからの電子メールを受け付けなくしているメールサーバ
が増えてきたため、送信メールサーバを頻繁に変更する業者が多くなってきている。
電子メールの送信は、SMTP( Simple Mail Transfer Protocol)10 が使われているが、
従来このプロトコルには認証機能はなく、誰でも自由にメール送信できるようになって
いる。しかし、spam メールの送信に利用されることが多くなってきたため、現在では
ほとんどのメールサーバで認証などの規制をし、spam メールの送信に利用されないよ
うにしている。
それでは、spam メール送信業者はどのようにしてメールサーバを確保しているので
あろうか。多くの spam メール送信業者は、不正アクセスにより取得したゾンビ PC11や
ボットネット12を使っている。spam メール全体の40%以上はゾンビ PC からの送信であ
るといわれている[6]。ゾンビ PC やボットネットはセキュリティ上重大な社会問題で
あり、日本でも 1 万台以上のゾンビ PC があるといわれている。また、ゾンビ PC やボッ
トネットのレンタルが行われており、手軽に借りることができるようになっている。さ
らに、このことが不正アクセス者やウイルス作成者の手軽なこづかい稼ぎにもなっている。
こ の よ う に、 現 在 で は、 メ ー ル ア ド レ ス の 収 集 業 者、 メ ー ル サ ー バ の レ ン タ ル 業 者、
spam メールの送信業者と分業も進み、十分利益を産む土壌ができあがってしまっている。
このシステムを崩すためには、インターネットユーザ全員が絶対に spam メールから商品や
サービスを購入したり、spam メールに対応したりしないようにしなければならない。また、
10 SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)とは、インターネット上でメールサーバへ電子メールを送信
するためのプロトコルである。
11 ゾンビPC とは、不正アクセスにより遠隔操作ソフトが仕掛けられ、ユーザがそのことに気づかないま
ま、他のコンピュータやネットワークへの不正侵入のための踏み台やspamメールの送信に利用されている
パソコンのことである。
12 ボットネットとは、悪質なプログラムの一種である「ボット」を埋め込んで、攻撃者が自由に操作でき
るようにしたパソコンで構成されるネットワークのことである。spamメールの送信や、フィッシング詐欺
のための偽ウェブサイトの構築、DDoS(分散サービス妨害)攻撃などに使われている。 1 万台を超えるゾ
ンビ PC で構成されたボットネットが確認されている。
−44−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
自分のコンピュータがゾンビ PC にならないようにセキュリティ対策をしっかりとほどこす
必要がある。
4 .spam メールによる経済的損失
本節では、spam メールによる経済的損失を考察する。従来から spam メールによる経済的
損失について書かれた報告書がいくつか存在する。例えば、2002年の調査結果が[1]に紹
介されている。これによると、当時はまだ spam メールの量は全体の30%程度であったにも
かかわらず、すでにアメリカで年間89億ドル、ヨーロッパで年間25億ドルの経済損失があっ
たと試算している。また、Nucleus Research の2004年 5 月の調査[3]によると、米国企業
が spam メールで被る生産性の損失は従業員ひとりあたり年間1934ドルで、2003年 7 月の調
査に比べて倍増している。ひとりの従業員が 1 年間で受け取る spam メールの量は平均7500
通(前年3500通)で、年間3.1%(同1.4%)の生産性低下をもたらしている。最近の報告で
は、アメリカ メリーランド大学が2005年 2 月 3 日に発表した調査報告書が有名である[4]。
これによると、アメリカのインターネットユーザが spam メール削除に費やしている時間は、
アメリカ全体で週に2290万時間で、給料で換算すると年間215億8000万ドルの経済的損失と
なる。
本節では、Rockbridge Associates の調査結果[4]を中心に紹介し、それを日本の場合に
当てはめ、spam メールによる経済的損失を試算する。さらに、上記の報告書では議論され
ていなかった サーバやネットワークへの余剰な投資による経済的損失を算出する。
4 .1 .アメリカの労働における経済的損失(調査報告より)
本項では、Rockbridge Associates の調査報告[4]を紹介する。Rockbridge Associates の
調 査 報 告 は、 ア メ リ カ メ リ ー ラ ン ド 大 学 の ビ ジ ネ ス ス ク ー ル Robert H.Smith が
Rockbridge Associates ,Inc .に調査を依頼してまとめたもので、spam メールの調査だけで
はなく、M-commerce(移動体通信を利用した電子商取引)、E-government(コンピュータ
やインターネットを利用し、処理を電子化した行政機構)、E-services(コンピュータやイン
ターネットを利用したサービス)、E-health(コンピュータやインターネットを利用した健
康管理)、Consumer technology readiness(消費者の最新技術に対する準備状態)も含まれ
ている。調査は、ランダムに選ばれた18歳以上のアメリカ市民1000人を対象に、2004年11月
に電話により行われた。このうち、インターネットユーザの有効回答数は418人である。
1999年から今まで 5 回行われているが、2003年は行われていない。
調査結果によると、全体の78%が spam メールを受け取っており、 1 日に10通以上受け
取っている人が36%もいる。平均は 1 日あたり18.5通である。アメリカ全体では、総人口の
77%がインターネット利用していると考えて、インターネットユーザ数は全体で、 2 億2000
−45−
万人×0.77= 1 億6940万人 となる。アメリカ全体の 1 年間の spam メールの総数は、実に
18.5通× 1 億6940万人×365日 ≅ 1 兆1440億通に及ぶ。さらに、spam メールを受け取ってい
る人のうち、14%は中身を開いて読んでいる。また、この 1 年間に spam メールから商品や
サービスを購入した人は 4 %おり、これをアメリカ全体で考えると、インターネットユーザ
の70%が spam メールを受け取るとして、実に 1 億6940万人×0.7×0.04 ≅ 474万人が購入し
ていることになる。
spam メールの処理に関しては個人差が非常に大きいが、68%の人が少なくとも週に 1 回
はメールボックスから spam メールを消去している。27%の人はこの処理を毎日行っている。
一方、10%の人は spam メールの消去をまったく行わず、13%の人は 1 ヶ月に 1 回以下しか
行わない。平均すると、 1 週間に2.9日 spam メールの処理を行っていることとなる。spam
メールの消去に要する時間もまちまちである。 1 日あたりこの処理に 5 分以上かける人が
11%いるのに対して、まったく時間を費やさないという人も17%いる。平均では2.8分とな
る。2.8分×2.9日=8.12分となり、 1 週間に平均して8.12分間 spam メールの処理に費やし
ていることになる。
この時間を経済的損失としてアメリカ全体で考えると、インターネットユーザ総数はおよ
そ 1 億6940万人であるとして、8.12分× 1 億6940万人÷60分 ≅ 2290万時間となる。アメリカ
人の 1 週間(40時間)の平均賃金は724ドルであるので、年間で計算すると724ドル×2290万
時間÷40時間×52週 ≅ 215億8000万ドルとなる。
4 .2 .日本の労働における経済的損失
ここで、Rockbridge Associatesの調査報告によるアメリカの結果をもとに、日本での経済
的損失を算出してみる。文献[7]によると13、全体の86.6%がspamメールを受け取っている。
1 日あたり 1 通以下のユーザが半数近く(49.6%)を占めるが、11通以上受信しているユー
ザも15.4%存在する。また、経済産業省のアンケート調査によると14、2004年11月における
spam メール平均受信数は、 1 週間あたり34.0通で、 1 日あたり34.0通÷ 7 日 ≅ 4.86通とな
る。インターネットユーザ数は7948万人であるので、日本全体の 1 年間の spam メールの総
数は、4.86通×7948万人×365日 ≅ 1410億通となる。
アメリカでは spam メールの処理に費やされる時間の平均値は 1 週間あたり8.12分である
4.86通
ので、spam メールを受け取る数に比例させて考えると、日本では 8.12分×
≅ 2.13
18.5通
分となる。これを日本全体で考えると、インターネットユーザ総数はおよそ7948万人である
ので、2.13分×7948万人÷60分 ≅ 282万時間となる。日本人の 1 時間あたりの平均賃金は
1235円15であるので、年間で計算すると1235円×282万時間×52週 ≅ 1810億円となる。
13 2004年 1 年間についてのウェブによる調査である。
14 http://www.iajapan.org/anti_spam/event/2005/conf0510/pdf/3-2.pdf
15 厚生労働省統計表データベースシステムのウェブページ(http://wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/kouhyo/
indexk-roudou.html)より、2004年の「 1 時間当たりきまって支給する現金給与額」である 。
−46−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
アメリカに比べると、spam メールの数がまだ少ないこともあり、経済的損失も少ないが、
それでもかなりの額となっていることがわかる。2005年に入って spam メールの数は出会い
系を中心に確実に増えてきており、2005年においては大幅に増加しているものと考えられ
る。
4 .3 .ICT 投資における経済的損失
これまでは、労働力の観点からのみ spam メールによる経済的損失をみてきたが、spam
メールによる経済的損失はそれだけではない。インターネット・サービス・プロバイダやコ
ンピュータ業界は、spam メールを防ぐためのシステムやソフトウェアの開発に大きな投資
をしている。また、spam メールの配送にはインターネット上のネットワークやサーバが使
われており、もし spam メールがなければ、これらの設備を減らすことが可能である。言い
換えれば、現在のシステムは spam メールのために余分な投資を行っているということがで
きる。しかし、従来の調査報告書には ICT 資産のこの余分な投資による経済的損失は算出さ
れていない。そこで本稿では、spam メールが存在しないと仮定した場合の ICT 資産に対す
る最適な設備投資額に比べて、現在余分に投入されている額を全世界およびアメリカ、日本
において試算してみる。
電子メールにより使用される ICT 資産は主にネットワークとサーバである。まず、ネット
ワークに関して考察してみる。JPCERT コーディネーションセンター( Japan Computer
Emergency Response Team Coordination Center) の ホ ー ム ペ ー ジ( http://www.jpcert.
or.jp/)の「インターネット定点観測システム(ISDAS)」
(http://www.jpcert.or.jp/isdas/)に、
日本のある複数地点を流れるパケット16を観測し、その量の平均値をポート番号17ごとに測
定したデータがある。それをみると、電子メールの配送に使われる SMTP が使用している
ポート番号(TCP 25番)を流れるパケット量は 1 %にも満たないことがわかる。したがって、
電子メールの配送によるトラヒックはネットワークにほとんど影響していないと考えること
ができる。このため本稿では、spam メールによるネットワーク資産の余剰な投資は考慮し
ないものとする。
つぎに、サーバについて考える。シマンテック社の調査によりメール総数の65%以上が
spam メールだといわれているので、もし spam メールが存在しなければ、メールサーバの性
能を半分に落としても問題ないと仮定する。Internet Systems Consortium,Inc.
(ISC)のホー
ムページ(http://www.isc.org/ index.pl?/ops/ds/reports/2005-01/dist-bynum.php)によれば、
2005年 1 月の時点でのホストコンピュータ(サーバ)数は、全世界で 3 億1764万台、アメリ
16 パケットとは、コンピュータ通信において、送信先のアドレスなどの制御情報が付加された小さなデー
タのまとまりのことである。
17 ポート番号とは、サーバ上のサービスを特定するために使われるIP アドレスの下に設けられたサブアド
レスである。
−47−
カ( COM・NET・EDU・ORG・GOV・BIZ・MIL ド メ イ ン ) で は 2 億844万 台、 日 本( JP
ドメイン)では1954万台である。サーバ総数のうちメールサーバの割合は、インターネッ
ト・サービス・プロバイダに対するアンケート調査の結果からおよそ10%であることがわかっ
ているので、全サーバ数の10%がメールサーバであると仮定する。メールサーバ数はそれぞ
れ全世界で3176万台、アメリカで2084万台、日本で195万台と推定できる。日本でのメール
サ ー バ の 平 均 価 格 は、( 社 ) 電 子 情 報 技 術 産 業 協 会( JEITA : Japan Electronics and
Information Technology Industries Association) の2004年 度 の 統 計 デ ー タ( http://it.jeita.
or.jp/statistics/midws/h16/9-work.html#1.html)より、約36万円と想定する18。性能が半分
のもので処理できるので、24万円のもので十分だと仮定する19。 1 台あたり36万円−24万円
=12万円余剰な投資をしていることになる。コンピュータの価格には大きな地域差がないと
仮定して、全世界、アメリカ、日本国内の余剰な投資を計算すると、それぞれ全世界で12万
円×3176万台 ≅ 3 兆8000億円、アメリカで12万円×2084万台 ≅ 2 兆5000億円、日本国内で12
万円×195万台 ≅ 2300億円と算出される。これは、労働力の経済的損失額を上まわる額である。
4 .4 .経済的損失のまとめ
アメリカと日本を一概に比較することはできないが、表 1 にドルベースでまとめておく。
1 ドルは、104.9円(2004年11月の平均値)で換算している20。
表 1 において、「 spam メールの数」は、インターネットを利用しているユーザが 1 日に受
け取る spam メールの平均値である。「労働力の損失額」は、アメリカの場合、4.1節で算出
したアメリカ全体の損失額で、日本の場合、4.2節で算出した日本全体の損失額を 1 ドル
104.9円で US ドルに換算した額である。「 GDP あたりの労働力の損失額」は、アメリカと日
本の2004年の名目国内総生産に対する割合である。「 ICT 投資の損失額」は、4.3節で導出し
たアメリカおよび日本全体の損失額を 1 ドル104.9円で US ドルに換算した額である。「 GDP
あたりの ICT 投資の損失額」は、アメリカと日本の名目国内総生産に対する割合である。こ
こで、アメリカの名目国内総生産は 11兆7000億ドル、日本の名目国内総生産は 4 兆6000億
ドルである21。
18 メールサーバの価格はまちまちであるが、サーバ類のなかでは比較的能力が小さいものであるため、100
万円未満のワークステーションの金額と台数から算出した。
19 コンピュータの性能としては、CPUのクロック数と、メインメモリの容量、そして、ハードディスク容
量を考慮して、各コンピュータメーカーの製品価格表から 3 分の 2 から半分程度の価格となることを割り
出した。
20 日本銀行のホームページ(http://www.boj.or.jp/stat/tame/tame0411.htm)より、2004年11月の平均値
である。
21 The World Bankのホームページ(http://siteresources.worldbank.org/DATASTATISTICS/ Resources/
GDP.pdf)より。
−48−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
表 1 .spam メールによる経済的損失
国 名
spam メールの数( 1 日の平均)
労働力の損失額
GDP あたりの労働力の損失額
ICT 投資の損失額
GDP あたりの ICT 投資の損失額
アメリカ
日 本
18.5通
4.86通
216億ドル
17億ドル
0.18%
0.0037%
238億ドル
22億ドル
0.20%
0.048%
「労働力の損失額」と「 ICT 投資の損失額」を比べると、アメリカも日本も「 ICT 投資の
損失額」が上回っている。このことから、ICT 投資における経済的損失も重要で、ユーザサ
イドによる対策だけでは十分でないことが明らかとなっている。近年、大手インターネッ
ト・サービス・プロバイダが spam メール対策に力を入れているのは、メールサーバの無益
な増強を避けるためである。
経済的損失額をアメリカと日本で比べると、「 GDP あたりの労働力の損失額」はアメリカ
が日本のおよそ4.9倍、「 GDP あたりの ICT 投資の損失額」はアメリカが日本のおよそ4.2倍
である。「 spam メールの数」はアメリカが日本のおよそ3.8倍であることを考慮すると、損
失額はほぼ spam メールの数に比例していると考えることができる。この 1 年ほどで日本で
も、spam メールの数が大幅に増加している現状から2005年度の損失額は大幅に増加してい
るものと思われる。近い将来には GDP あたりの損失額は、アメリカと肩を並べるようにな
るだろう。
5 .spam メールに対する技術的対策
5 .1 .現在の spam メール対策
現在実際に使用されている spam メール対策は、メールサーバ、もしくはユーザのメール
ソフトにおいて、自動的に spam メールと判断して削除する方法である。これには大きく分
けて 3 点存在する。
送信メールアドレスの偽装のチェック
一 般 に、spam メ ー ル は 送 信 ア ド レ ス を 偽 装 し て い る。 そ こ で、 送 信 ア ド レ ス を
チェックし、実際に存在するドメイン(アドレス)かをチェックして、偽装しているも
のは spam メールと判断し削除する。しかし、現在の spam メールの多くは、実際に存在
するドメイン名を使って偽装し、このチェックを回避できるよう対策をとっている。そ
のためほとんど効果がない。
ブラックリストによる方法
前 に も 述 べ た よ う に、spam メ ー ル 送 信 者 の 多 く は ゾ ン ビ PC な ど を 使 っ て 大 量 の
−49−
spam メールを送信している。それに対抗するために、spam メール送信に利用された
メールサーバをブラックリストに登録し、そこから送られたメールはすべて削除する方
法がある。ブラックリストとしては、Distributed Server Boycott List( DSBL)などが
有名である。また、spam メール対策ソフトを作っているメーカでは、独自のブラック
リストを用意しているところも多い。しかし、spam メール送信者はブラックリストを
回避するため送信サーバを頻繁に変更している。したがって、効果がなかなか上がらな
い。
フィルタリングによる方法
ベイジアンフィルタ( Bayesian Filter)と呼ばれる spam メール判別ソフトウェアを
利用する方法が最もよく使われている。この方法は、電子メールに含まれる単語の出現
頻度を観測し、今まで spam メールだと判断したメールと比較して、spam メールかどう
かをベイズの定理( Bayes’Theorem)22 を使って自動的に推定する。この方法は今のと
ころ最も有効でよく利用されている。多くのメールソフトでもこの方法を採用してい
る。しかし、spam メール送信者もそれなりの対策を施しており、あまり精度を上げよ
うとすると spam メールでないメールまで削除される可能性があるため、どうしても取
りこぼしが出てしまう。
これらの方法には限界があり、また、前節で述べたようにユーザサイドでのフィルタリン
グでは ICT 投資のむだを防げないため、送信を防ぐようなより根本的な解決が必要である。
その対策としては、大手インターネット・サービス・プロバイダを中心に大量の架空アドレ
ス向けメールの送信元に対して受信を拒否したり、あえて宛先不明のエラーメールを返さな
い措置を講じている23。しかしながら、前にも述べたようにボットネットなどを使って、送
信メールサーバを分散して、 1 台のメールサーバから大量の spam メールを送信しないよう
になってきている。
5 .2 .今後の spam メール対策
今後の spam メール対策は、やはり根本的な解決をねらったものとなっている。これには
大きく分けてふたつ存在する。詳しくは「文献[6]の「2.5 送信者認証・課金」中村素典」
を参照されたい。
メール送信者の認証
そもそも電子メールの配送プロトコルである SMTP に認証機能がないのが問題であ
22 ベイズの定理(Bayes’
Theorem)とは、18世紀の数学者Thomas Bayes が提唱した「何かが起こる可能
性はその事柄の過去の発生頻度を使ってほぼ推測ができる」という確率理論の定理である。
23 3 節で述べた、架空のメールアドレスにspamメールを送信し、エラーメールの有無によって、有効な
メールアドレスを収集する方法に効果的である。
−50−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
る。認証機能があれば、送信者を偽装できなくなり spam メールは画期的に少なくなる
ものと思われる。認証方法には、IPアドレスに基づくドメイン認証と電子証明を利用し
た認証が考えられており、Microsoft や Yahoo !などもこれらのシステム開発に積極的
である。
課金制度の導入
課金制度を導入できれば、spam メールだけでも 1 年間でアメリカでは 1 兆1440億通、
日本でも1410億通あり、たとえ 1 通に 1 円を課金するとしても、それぞれアメリカでは
1 兆1440億円、日本でも1410億円の収入が見込めることになる。しかし、課金方法が問
題である。電子切手による方法や供託金による方法が提案されている。
いずれの方法にせよ、電子メールシステム全体に関わる変更が必要であり、標準化と普及
が課題である。世界的企業を中心とした今後の取り組みに期待したい。
6 .まとめ
本稿では、spam メール問題の本質は、spam メール業界が巨大なマーケットを形成してお
り、spam メール送信業者が十分な利益を上げることができるしくみになっていることを明
らかにした。さらに、spam メールによる経済的損失は労働力の損失だけでなく、ICT 資産、
特にメールサーバの余剰な投資が問題であることを示した。最後に、spam メールの技術的
対策を紹介し、まだ根本的対策に至っていない現状を明らかにした。
2002年に「特定電子メール送信適正化法」と「特定商取引法」が施行され、施行後は一時
的に spam メール数が減ったようであるが、現在また増加傾向にある[6]。さらなる法の改
正が必要であろう。そのためにも、送信者の特定が容易にできるしくみ作りが重要である。
また、外国のメールサーバを使った spam メール送信も多いことから、国際的な協力体制も
必要である。
最近では、電子メールによる spam だけでなく、SPIM( IMspam)と呼ばれる インスタン
トメッセンジャー( IM)24 のユーザに向かって営利目的のメッセージを無差別に大量配信す
るものや、SPIT と呼ばれる IP 電話25のユーザに向かって営利目的のメッセージを無差別に
大量配信するもの、そして、掲示板に営利目的のメッセージを書き込む「掲示板 spam」や、
ブログ(Blog)26 に営利目的のメッセージを書き込む「ブログ spam」、Wiki27に営利目的のメッ
24 インスタントメッセンジャー(IM)とは、インターネット上で同じソフトを利用している仲間がオンラ
インかどうかを調べ、オンラインであればチャットやファイル転送などを行うことができるアプリケー
ションソフトのことである。
25 IP電話とは、通信経路にIPネットワーク(インターネット)を利用した電話システムである。
26 ブログ(Blog)とは、更新が非常に簡単な日記風Web サイトの総称である。
27 Wiki とは、グループ共同でWeb サイトを構築していく利用法を想定した Webブラウザから簡単に Web
ページの発行・編集などが行えるWebコンテンツ管理システムである。
−51−
セージを書き込む「Wikispam」なども増えてきており、電子メールだけの問題ではなくなっ
てきている。
日本でのインターネットにおける spam メールは、今のところ英語を中心とする外国語に
よるものが主流である28。しかしながら、インターネット上でもこの 1 年ほどで急激に日本
語による spam メールが増えており、今後ますます大きな社会問題になっていくであろう。
spam メール問題を解決するためには、まず各自が十分 spam メールの問題点を理解して、
絶対に spam メールに対応しないことが一番重要である。そして、たとえメールソフトで防
げたからといっても根本的な解決にはなっていないことを理解し、spam メールは送信させ
ないようにすることが重要である。コンピュータ管理者にとっては、日常のセキュリティ管
理を怠らず、管理しているコンピュータがゾンビ PC などになってしまわないようにしなけ
ればならない。インターネットユーザおのおのが、技術的な解決策を期待するだけでなく、
spam メールをなくそうとする意識を忘れずに地道に努力していかなければならない。
参考文献
[1] Marten Nelson(2003),“ Spam Control : Problems and Opportunities”, Ferris Research, Jan.
2003.
( http://www.ferris.com/view_content.php?o=Spam+Control&id=105)
[2] Paul Judge(2003),“ The State of the Spam Problem”, EDUCAUSE review, pp .60 61, Sep./
Oct. 2003.
( http://www.educause.edu/ir/library/pdf/erm0357.pdf)
[3] Nucleus Research(2004),“ Spam : The Serial ROI Killer”, Nucleus Research, Inc. RESEARCH
NOTE E50, June 2004.
( http://www.nucleusresearch.com/research/e50.pdf)
[4] Rockbridge Associates(2005),“2004 National Technology Readiness Survey”, the Center for
Excellence in Service at the University of Maryland and Rockbridge Associates, Inc., Feb. 2005.
( http://www.rhsmith.umd.edu/ntrs/NTRS_2004.pdf)
[5] Thede Loder, Marshall Van Alstyne, and Rick Wash(2004),“ Information Asymmetry and
Thwarting Spam”,Social Science Research Network( SSRN),Jan. 2004.
( http://ssrn.com/abstract=488444)
[6] 山井成良・桝田秀夫 編(2005),『 spam メールの現状と対策の動向』情報処理学会誌 , Vol .46,
No .7, pp .739 791, Jul. 2005.
[7] 総務省 編(2005),『平成17年版情報通信白書』ぎょうせい .
[8] 財団法人インターネット協会 監修(2005),『インターネット白書2005』インプレス .
28 もちろん、携帯メールでは日本語による spamメールが主流で、最近では小中学生が spamメールに載っ
ているアドレスにアクセスしてしまい、大きな社会問題となっている。
−52−
関西大学 I T センターフォーラム № 20(2005)抜刷
中国語教育における e-Learningの導入と展開
― Learning Management System の構築に向かって ―
氷 野 善 寛 沈 国 威
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
研究レポート
中国語教育における e-Learning の導入と展開
―― Learning Management System の構築に向かって
氷 野 善 寛*
沈 国 威**
1 .はじめに
昨今、外国語教育には、LL 教材を用いた CALL や、パッケージ化された各種のパソコン
用学習ソフト、インターネット上の学習コンテンツ、携帯電話で利用できる単語帳などがあ
る。そして最も新しい事例としては、携帯ゲーム機を利用した英語学習ソフトなど、マルチ
メディアによる学習コンテンツが数多く存在している。学習とメディア、学習と遊びとの関
係がより緊密なものになりつつある。そもそも遊びも学びも創造性と反復性を必要とするも
のである。今後両者の融合が種々のメディアを通じて加速度的に進むものと思われる。
ただ学習手段が多岐化している中、それぞれメリット、デメリットがあることはしっかり
と認識しなければならない。たとえば CALL は対面式授業と関連付けて利用することによ
り、その学習効果を飛躍的に高めることができ、また、自己学習にも対応している。その一
方で、利用するにあたり、設備の充実した CALL 教室内の設置が不可欠なうえ、CALL 教室
内でしか学習できず、運用面では必ずしも経済的であるとは言えない。
逆にインターネットを利用した教材は、パソコン端末さえあれば時間に捉われず、どこで
も利用できるという手軽さを持っている。同時に、教材作成者にとっても開発アプリケー
ションの多様化により、利用しやすい環境が構築されつつある。また近年の急速なブロード
バンドの普及により、文字・音声・画像・動画を利用して作成された教材を、インターネッ
トを通じて容易に配信できるようになった。その点においても、メディア教材の作成と利用
は容易になり、パソコンにマイク、イヤホン、カメラを接続させればその使用方法は無限の
可能性を秘めている。これにより外国語教育として必要な「見る」「聞く」「話す」の三つの
行動を、簡単な設備で行うことができるようになる。
関西大学においても、第 2 外国語教育においてマルチメディアの導入が積極的に進められ
ている。 とりわけ工学部冬木研究室による e-Learning 環境 CEAS の開発と全学的展開は、
*アジア文化交流研究センター **外国語教育研究機構
−53−
LMS( Learning Management System)を用いた学習環境の構築と実現に大きく貢献した。
関西大学の中国語教育に携わる者として、過去 2 年間、教授者・学習者ともに易しい教学環
境をどのように構築し、運用していくかを課題に、学習コンテンツの制作とカリキュラムの
一環としての実験を行ってきた。本稿ではわたしたちのこれまでの取り組みと、今後の方向
性について報告する。
2 .これまでの取り組みについて
インターネットを利用する外国語メディア教材は、大きく汎用型と特化型に分けることが
できる。前者は、自己学習が可能で、特定の教材や授業環境に依存しないことが特徴であ
る。その反面、授業や教材との関連性が希薄で、個々の学習者の学習プロセスを組織化する
ことができない欠点がある。一方後者は、特定の教材を前提に製作するため相関性が高く、
学習効果も期待できる。しかし教材ごとにコンテンツを用意する必要があり、費用の面でも
障碍となる可能性がある。
関西大学では2004年度に中国語教育でのメディア教材の利用が始まった。第 1 ステップで
は、サイバーキャンパス整備事業の一環として、ネット教材の開発を試み、汎用型教材
「 Online China」を制作し、次年度の新入生を対象とした文学部プレスチューデントプログ
ラムの教材として使用した。
第 2 ステップでは、インターネットによる自己学習支援を前提とした教科書『中国語
@キャンパス』を編集し、専用のコンテンツを開発、補助教材として提供した。
そ し て 現 在、 第 3 ス テ ッ プ で は、2006年 度 よ り 正 式 運 用 を 目 指 す「 Chinese CEAS
Contents」を開発している。以上、 3 つのステップに分けられるが、ここでは第 1 、 2 ス
テップでの取り組みについて簡単に紹介する。
2
1 .汎用型教材= Online China
2003年関西大学ではサイバーキャン
パス整備事業が採択された。その一環と
して、文学部の中国語中国文学専攻の入
学者を対象に、インターネットを利用し
て、中国語の基礎学習や中国学に関する
講義をネット配信することを決定し、準
備を進めた。第 1 のコンセプトは、中国
語 の 基 礎 知 識、 発 音、 会 話 な ど を 中 心
に、学習課程において一環して利用でき
(図 1 Online China 学習画面)
るコンテンツを作成することである。さ
http://we.fl.kansai-u.ac.jp/on-china/ 参照
−54−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
らに第 2 のコンセプトとして入学事前授業で行われた講義をネット配信するなど、中国語の
基礎知識を得るためのレファレンス的な機能を持たせたことである。以上の 2 点をベースに
「 Online China」を作成した。以下、具体的な構成を紹介する。「 Online China」は FLASH と
HTML を用いて作成した汎用性のあるレファレンス型の教材である。概要編、音声編、会
話編、講義編の 4 つのカテゴリーから構成され、中国語学習の初期段階における補助教材で
ある。そのため「聞く」「見る」を重視し、音声をふんだんに使用しているのが特徴である。
概要編は中国語学に関する基礎知識に重点を置いている。発音編は、中国語の発音全般をま
とめている。会話編は、問答式の会話を収録している。最後の講義編はビデオ教材にプレゼ
ンテーションファイルを同期した、リッチメディア教材を採用している。
2
2 .特化型教材 =「中国語@キャンパス」
「 Online China」は、中国語の初級段階ではレファ
レンス的にくり返し利用できるという長所はあるもの
の、練習機能を備えておらず、反復的な練習には不向
きであった。この短所を克服すべく、2004年度に『中
国語@キャンパス』を作成した。『中国語@キャンパ
ス』は教室・自宅・外出先といった様々な状況での学
習を考慮して作成しており、ペーパー版・ネット版・
ポータル版の 3 種からなる。
ペーパー版は従来の教科書と同じ紙のテキストであ
るが、教材に関連した小テストを、ネットを通じて配
布することも行った。ネット版は、教科書の内容と学
習状況にマッチしたヒアリング、並べ替え、中文日
訳、日文中訳、書き取り等の数種の練習問題を用意し
て、教室での授業の後、各自、好きな時に自己学習を
(図 2 中国語@キャンパス)
行えるように作成した。また進捗状況を記録するモー
ドもあり、自分が実際どこまで習得したかを把握することができる。
一方ポータル版は、i-Pod を通じてコンテンツを配布している。i-Pod にはテキストビュー
ア機能がついており、音声のみならずテキストファイルを読むこともできる。i-Pod を利用
した教材については、RSS 機能を有効活用した Podcast サービスが開始されてから、その利
用価値を飛躍的に伸ばしている。さらに最新の端末では動画の閲覧も可能になったことか
ら、新しい語学学習用のデバイスとして注目されている。
−55−
3 .問題点と克服への道筋
前述の通り「 Online China」と「中国語@キャンパス」にはそれぞれ特徴がある。前者は
特定の教材や授業環境に依存せず、中国語初級者であればだれでも利用できるが、その反
面、個別の教科書に特化していないため、体系的な学習を行うことができず、授業との関連
性も希薄である。また自己学習機能も十分ではなかった。後者の「中国語@キャンパス」は、
一種類の教材にターゲットをしぼった結果、ターゲットにした教材に関しては効率的且つ体
系的な学習を行うことができた。また、作成したコンテンツが文法表現など、反復学習を目
的としたものであるため、他の教科書を使用していても、利用可能である。しかし、教材の
構成が必ずしも同じではないため、異なる教材で、コンテンツを利用するには若干の工夫が
必要であり汎用性には欠ける。さらにネット型教材は、CALL 教室で一番に利用するような
教材ではなく、集団的学習に拘束されないため、学生が利用する動機付けという点でも問題
があった。
さらに両方の教材に共通する問題点として、汎用型にせよ、特化型にせよ、各自の学習状
況の把握や成績管理の機能がないという点である。このような機能を持たせようとすれば、
製作費が数倍に跳ね上がり、メンテナンスも複雑になりがちである。
ただ、関西大学のような総合大学では第 2 外国語のクラスは200クラス以上ある。そのた
め、教材も自然と十数冊に及ぶ。こうなると各教材にあわせた特化型のコンテンツを作るの
は無理である。さらに自律にまかせたインターネット教材の利用では、教材利用の動機付け
に欠けることは前述した通りである。この動機付けの希薄さを解決するために、インター
ネット教材を CALL 教材のように授業の一環として組み込み、自然な形で強制力をもたせる
ことが必要である。そして、インターネット教材を用いて授業の予習と復習を行わせるため
には、なにより学習の組織化を図ることが不可欠であると考えた。
つまりネットをベースとした学習コンテンツを利用するためには、以下の 3 点を考慮しな
ければならない。
1 .学習の組織化
2 .ネットコンテンツ利用の動機付け
3 .現場の担当教員の負担軽減
以上の結論を踏まえ、これまでのような単独運用型のインターネット教材ではなく、対面
式の通常の授業と連携したインターネット教材の利用を目指した。そこで教材利用の核とな
る部分に学習支援型 ・ LMS(Learning Management System)を用い、より有機的にインター
ネット上の学習と対面式授業とを結びつけ、学習動機を形づくることができないか協議する
ことになった。そこで関西大学工学部の冬木研究室で開発中の LMS である CEAS を、教材
の開発と運用のプラットホームとして採用することは最も望ましいという結論に至った。
−56−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
4 .LMS としての CEAS の導入
LMS( Learning Management System)とは、e-Learning の根幹となる学習の管理システ
ムである。教員と学習者をインターネット上で有機的に結びつけ、学習履歴の管理、学習者
同士の交流、学習コンテンツの配信などができるシステムである。関西大学では LMS とし
て CEAS を開発し、運用を行っている。CEAS の特徴は、日本生まれの LMS として日本の大
学の授業形態に合致している点である。
そ こ で、 中 国 語 教 育 で の イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 の 第 3 ス テ ッ プ と し て、 学 習 支 援 型
e-Learning システム CEAS を LMS として利用することになった。これにより、インターネッ
ト上においてよりインタラクティブな学習コンテンツ運用が可能となった。
また、授業の拡張となる教室外での学習活動をネット上で行うことにより、授業の拡張と
して学習するための「場」と、学生と教員を結びつける「場」を、構築することで、これま
で CALL 教材や e-Learning 教育にはなかった学習スタイルと学習サイクルを構築することが
できる。
ただし LMS 自体は「空の箱」であり、それだけではせっかくの学生と教員を結びつける
「場」も空回りしてしまう。その「空の箱」に対して何らかの中味を提供することによって、
はじめて LMS を用いた学習は完遂するのである。第 1 、 2 ステップで開発したインター
ネット教材が基本的にその教材単体での動作をベースにしたものであったのに対して、
LMS 上で動作させるためのコンテンツを開発した。対面式授業と自己学習の間に CEAS と
CEAS 用学習コンテンツを組み合わせた。このことによって、e-Learning 教育ではあまり重
視されなかった、対面式授業と自己学習の関連性と、オフラインとオンラインをつなぐ学習
サイクルの構築を目指した。
運用とコンテンツの作成については、教員の負担を減少させることを目的として、TA を
配置することにした。教室での対面式授業と、インターネット上の LMS とコンテンツ、そ
して、オンラインとオフラインを結びつけるための教員、学生、TA 、これらがそろっては
じめて、ネット上に「場」の構築が行われる。
(図 3 :コンテンツの作成と運営のイメージ)
−57−
5 .LMS 適合コンテンツの制作
コンテンツとしては、これまでのような特化型タイプの教材を提供することもできるが、
新しく作成する LMS 用の中国語学習コンテンツでは、特定の教材に特化したコンテンツは
制作せず、各教科書の学習ポイントから共通項目を見つけ出し、どの教科書にも対応できる
ようなコンテンツの制作を考えた。そして各テーマや各ポイントに合わせた小さなコンテン
ツ群を制作しそれらを授業や教材のスタイルに合わせてインタラクティブにケースバイケー
スで運用していく方法を考案した。これまでの CALL 教材や特化型教材が、一つのパッケー
ジ化された、大きく静的なコンテンツであると考えるならば、「 CEAS 用コンテンツ」は、
インタラクティブな配置運用が可能な小さな動的なモジュールコンテンツであると考えられ
る。このモジュールコンテンツとは、クラス、教員の授業スタイルに合わせて、柔軟に対応
できる小さなコンテンツ群である。
このモジュールコンテンツにより、これまで一辺倒にしかできなかった教材の運用を、ク
ラスや教材のニーズにあわせて自由に運用することができるようになったのである。
次に CEAS 用に開発したモジュールコンテンツの詳細を紹介する。まず CEAS 用コンテン
ツの開発アプリケーションについては、すべて FLASH を用いた。これは近年、メディア教
材を作成するのに Macromedia の FLASH が動画や音声、画像の扱いに優れている点も評価
して使用した。しかし、それよりもコンテンツを配信される学習者側にとってどのパソコン
でも容易に表示できる点が最も評価される。
そこで、CEAS 用のコンテンツを作成するにあたり、できるだけ多くの教材で使用できる
よう、まず中国語初級授業で、実際に使用されている中国語教材を調査した。調査対象の教
科書は2006年度の開講科目である「中国語Ⅰ」「中国語Ⅱ」で用いられる計13冊である。そ
れぞれの教科書から表現、文法、語彙について共通項目を精査したうえ、以下の 3 つのカテ
ゴリーに分け、中国語学習コンテンツを作成することにした。1
A ムービーコンテンツ
B キーワードコンテンツ
C 文法コンテンツ
そして各コンテンツには、「授業前提示用」「反復練習用」「テスト用」の 3 つの段階を制
作する。ムービーコンテンツの制作は、初級教科書には実際の会話場面を想定したものが多
かった。そのため「功能大綱」に基づいて、コミュニケーションの項目を設定し、項目ごと
1
CEASコンテンツの開発は、中国語教材研究会の中国語メディア教材開発グループが担当している。開
発コンテンツの詳細な担当者、開発コンセプトについては中国語教材研究会ホームページ( http://we.fl.
kansai-u.ac.jp)を参照のこと。
−58−
関西大学 I T センターフォーラム
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に 1 分∼ 2 分のショートムービー群を製作した。
「群」としたのは、各会話場面における表現に複
数のバリエーションがあるためである。
キーワードコンテンツは、各項目に用いられる
語の中から発音、意味、用法、コロケーション等
において特徴的なものを選出、キーワード習得コ
ンテンツを制作した。動詞などの場合は動画を利
用して、理解しやすい工夫をした。制作に当た
(図 4 ムービーコンテンツの一例)
り、HSK語彙、 中国語検定の高頻度語を参考に
し、以下の 3 つの下位カテゴリーに分けた。
B 1 コロケーションコンテンツ
B 2 カテゴリーコンテンツ
B 3 基礎語彙コンテンツ
文法コンテンツは、基本的に授業終了後に理解を深めることを目的として用いる反復練習
用のコンテンツが多い。しかし、提示用コンテンツとしては「比較文」や「方向補語」のよ
うな中国語独特の文法項目を選択し、視覚的なコンテンツを制作した。そしてこれらの制作
したコンテンツを、コンテンツ配布サイトからダウンロードし、授業の進捗状況を考えなが
ら、授業の前後に CEAS へ設置するのである。
コンテンツの選択方法については、各コンテンツをひとつの項目ごとに細かく分け制作配
布している。そのため、授業や進捗状況、重点をおきたいポイントだけを捉えて、効果的に
配置できるのが特徴である。さらにこのコンテンツの開発と、運用に TA を配置することに
より、教員の負担削減と授業外でのサポートを行うことにした。
6 .LMS を基盤とした学習サイクルの確立
開発したコンテンツは授業の前後に、学習サイクルにあわせて配布していく。学習コンテ
ンツをe-Learning環境CEASの中に置き、いわば「強制」的に受講者の学習行為を組織化して、
学習の動機と目的を創出することを目指した。2005年度は2006年度の正式運用を前にコンテ
ンツを制作しながら試験的に一部のクラスで運用した。その点を踏まえながら、以下、順を
追って学習サイクルについて説明する。
−59−
(図 5 コンテンツを用いた学習サイクル)
6
1 .コンテンツの提示
まず中国語初級クラスには CEAS コンテンツを利用するにあたり、通常の教員の他に、イ
ンターネット上のサポートを行う TA を配置した。TA の役割は、以下の点がある。授業の
進捗状況を見つつ、担当の教員と協議しながら、コンテンツ配布サイトから提示用、練習用
コンテンツ、CEAS テストを CEAS に配置する役割、CEAS 上における学生へのフォロー
アップとフィードバックという役割、そして時には足りないコンテンツの開発の役割であ
る。今年度は試験運用ということで、コンテンツの開発担当者が中国語初級クラス計 4 クラ
スに TA として張り付き、教材の作成と割付を行った。このことは、教員の負担を削減する
だけではなく、教員と学生の橋渡しをする役割も期待していた。
6
2 .授業前の予習
授業前に、教員、或いは TA は、サーバーに蓄積されているコンテンツから所定の教科書
に合うものを選択し、CEASに割り付ける。学生は授業を受ける前に、CEASにログインし、
授業資料として割付けられたコンテンツを用いて、授業の予習を行わなければならない。
6
3 .対面式授業
教 室 で の 授 業 活 動 は、CEAS で の 予 習 を 踏 ま え て 行 う こ と を 期 待 す る。 し か し、 特 に
CEAS のコンテンツを意識する必要はない。
6
4 .授業後の復習と学習効果確認
CEAS には授業ごとに掲示板が設けられている。授業で不明確な点については、掲示板に
書き込むよう指示し、質問事項に対する回答は TA ならびに教員が行う。これらの回答やア
ドバイスについては、ポイントを整理し中国語全クラス共通に設置されたページへ情報を集
約することにより、学習者と教員のネット上での交流を促進できるだけでなく、情報を蓄積
−60−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
し、レファレンス的な機能を果たすことを期待した。同時に教室での授業が終了した後、受
講者は CEAS の上でテストを受ける必要がある。CEAS テストでは記号入力式テストを採用
した。問題部分については FLASH を用いて音声や画像などを用いた問題設計を行う。そし
て、インターネット上でのカンニング対策として、時間制限を設けたものもある。テストに
ついては、CEAS の予習コンテンツに即した内容のものと、教室での学習効果を確認するも
のの二種類がある。後者については、TA ならびに教員が授業の進捗状況にあわせながら自
ら作成配布していった。
6
5 .学習サイクルの構築の意義
このように対面式授業を中心として、学生の学習行動を前後で誘導することにより、学習
者は事前にこれから学ぶことを認知し、授業への導入を容易にする。そして授業後、あるい
は授業前に練習コンテンツとテストを配布することにより授業で覚えた内容を確実に次の授
業までに復習させる機会を作った。またコンテンツ設置のタイミングとして、授業終了後に
復習コンテンツを配布する時、同時に次のレッスンの予習用の提示コンテンツを配布する。
このことにより、学習者のネット教材を用いた学習サイクルの構築を誘発した。なお予習前
後ともに学生のネット上での学習時間は15分∼30分ほどになるよう、分量を調整している。
7 .これからのネット利用型外国語教育
これまで単独動作する特化型教材と汎用型教材から LMS を用いた学習コンテンツの運用
方法について述べてきた。LMS によって支えられている学習形態は、次のような利点があ
る。
7
1 .学習者の組織化
CEAS を利用することによりネット教材の入口と出口を作成する。同時に、教室での授業
活動からネットコンテンツ利用を含めた一連のサイクルを作り、学生の組織化を行う。
7
2 .学習者の動機付け
これまで、ネットコンテンツの利用方法については各教員に一任されていた。しかし、授
業とネットコンテンツの関連性の希薄さが、ネットコンテンツの位置付けの不明確さを示す
だけでなく、学習者の教材利用の動機付けを失わせていた。そこで CEAS 教材では、より
ネットコンテンツの位置づけを明確に、授業の流れの中に組み込むことにより、利用動機の
拡充を図った。
授業前に授業資料として CEAS コンテンツを配布し、各課の終了後に、授業の内容に即し
た CEAS テストと次回の課題を配布開始する。このことにより、実際の授業とネットでの予
−61−
習復習作業を結びつけた。同時に、この CEAS テストの結果を一定度成績に反映するように
した。
7
3 .教員の負担軽減
e-Leaning を導入すれば、教育のオートメーション化が進み、教員の負担が減るという意
識が存在するが、それは迷信である。e-Learning をすればするほど、その根幹を担う教員の
負担は、純粋に増加する。ただし e-Learning をすることにより、労力を費やさなくてはいけ
ない部分とそうではない部分はきっちりと区別できる。たとえば情報の蓄積については、蓄
積すればするほど、レファレンスページは充実し、次年度以降も使用できる。コンテンツに
ついても同様で、その蓄積が多ければ多いほど、作成に対する負担は軽減されていく。それ
だけでなく、CEAS を通じて、コンテンツを配布する側にとってもレパートリーが増え、教
育の幅が広がることになる。さらに効果的に TA を配置することにより、運用面における教
員の負担というものはある程度減らすことができる。
7
4 .オンラインとオフランインを連携させた学習サイクルの構築
これまでコンテンツを用いた e-Learning といえば、自己学習が中心であり、一種の閉鎖的
な要素しかもっていなかった。しかし、対面式授業と関連付けてコンテンツを配置すること
により、授業の拡張としての e-Learning 、e-Learning のさらなる拡張としての授業というよ
うに相乗効果を生み出し、より効果的に用いることができる。また授業前後にコンテンツを
配置することにより、学生の学習サイクルを誘導することもできる。
7
5 .ネット上における学生・教員・TA の場の構築
2005年度は運用の試験段階であったため、実証的な検証をそれほど行っていなかった。し
かし、CEAS を用いた教育は、インターネットを通じた学習者同士の関係構築を行うと同時
に、各クラスの幅を超えた交流と問題意識の共有化を行えると考える。このため、学習者共
通の場の構築を目的としている。
7
6 .CEAS によるネットコンテンツの共有化と蓄積
2006年度からはこの CEAS と CEAS 用コンテンツを用いた授業を正式に実施し、詳細な運
用データについて検証を行う予定である。
同時にこの CEAS 用コンテンツ以外にも、各教員や TA が作成したオリジナル教材や確認
テストも蓄積することにより、共有化することができる。このように教材を他の教員が汎用
的に再利用することが可能であるため、今後はこの機能を生かして、各授業担当者や、TA
による授業資料やテストの作成と再配布を行っていきたい。このことにより、幅広いニーズ
に合わせたコンテンツの利用が可能になると考える。
−62−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
さらに2006年度には、高校中国語教育の支援を視野に置き、無償で CEAS サーバーとコン
テンツの提供を行う。これにより各々の領域を越えた中国語学習コンテンツの蓄積と共有化
を目指す。
−63−
関西大学 I T センターフォーラム № 20(2005)抜刷
電子出勤簿システムの開発について
渕 上 裕 一
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
開発レポート
電子出勤簿システムの開発について
渕 上 裕 一*
1 .はじめに
本システム構築は、今を遡ること約 5 年前の2001年頃、当時第 2 部学部事務室で勤務して
いた妻の次のような一言がきっかけだった。本学の非常勤講師は千数百人もいて出講場所が
第 1 学舎から第 4 学舎をはじめ高槻キャンパスまで多数あるのに、毎月全場所に紙の出勤簿
を用意して押印してもらい、さらに毎月それを一つの集計台帳に転記してチェックする作業
をしている。それも場所が複数なので、その台帳を複数キャンパスにわたる全場所に持ち
回ってそれぞれの担当者が行っている。紙の出勤簿を毎月全場所に用意するだけでも莫大な
用紙の量であるし、持ちまわる台帳も全非常勤講師が記入されているのでとても分厚く、転
記とチェックという単純だが時間のかかる上に給与に関わる間違いの許されない神経を酷使
するルーチンワークを、一つの台帳を千里山だけならともかく高槻キャンパスを含む全場所
に持ち回って行うため、多くの人員だけでなく多くの時間も要する。IT の力で何とかなら
ないものか。このような妻の一言から本システムの着想を得ることができたのは、当時の私
が偶然にも経験していた次のような二つの事項があってこそだと思う。
その一つは、1999年頃に「メール転送が簡単」というソフトを構築したことである。当時
電子メールの利用が盛んになりはじめ、就職等で利用するため当時学内でしか利用できな
かった電子メールを自宅でも閲覧するために、本学のメールアドレスに来たメールをプロバ
イダのメールアドレスに自動転送したいという要望が増えつつあった。しかし、サーバに
Telnet で接続し Home 領域の .forward ファイルを作成するしか方法がなく、当時はそれを行
うフリーソフトも存在しなかったので、「サーバにTelnetでloginしてcatコマンドで.forward
ファイルを作成して logout する」という素人には非常に煩雑な一連の作業を A 4 一枚の紙に
印刷した説明書を、希望者に配布するしかなかった。しかし、UNIX の知識を持つ利用者は
皆無に等しく、自力で設定できない利用者からの質問が後を絶えなかった。そこで、当時
VisualC++5.0の知識を若干持っていた私は、自分の勉強も兼ねて Windows の GUI でサーバ
上の .forward を操作できるソフトを開発した。それが「メール転送が簡単」である。これは、
内部で FTP のテクニックを利用していることから、この経験で Windows のパソコンから
* IT センター システム管理課
−65−
サーバ上のファイルを FTP 操作するソフトウェア開発の知識を得ていた訳である。
二つ目は、就職課(現キャリアセンター)の先輩からセミナー等の出席管理に USB カー
ドリーダーを利用しているという話を聞くチャンスがあったことである。なんでも、学生証
を通して磁気ストライプのデータをテキストファイルに保存して、あとから Excel を使って
利用者 ID を抜き出して名簿とマッチングして出席簿にしているとのことだった。これで、
授業の合間にセミナーに出席する忙しい学生に対して、紙の出席簿にいちいち名前と学籍番
号を書かせる必要がなく、時間の短縮になりセミナーを速やかに開始できるということで、
なるほどよく考えたものだと感心した。
この二つの経験と妻の一言の三つが揃ったことで、紙の出勤簿の代わりにカードリーダー
の接続されたパソコンを電子出勤簿にして、押印の代わりに身分証をカードリーダーに通し
てデータを採取し、学内ネットワークを通してそのデータを自動的にサーバに転送し、さら
にそれを自動的に集計して人事服務システムに転送できる形式に変換するソフトを作れば、
大幅なペーパーレス化はもちろん、台帳の持ち回り、転記、チェック等の一連の作業が一切
必要なくなり、さらに人事課で行っていた台帳のデータの人事服務システムへの入力さえも
省力化できるのではないか、その上一連の流れに手作業が伴わないので入力ミスもなくなる
のではないかという発想がひらめいた。もしかしたら、そういったシステムは既に存在する
のではと思い調査してみたが、確かにタイムカードのようなシステムはあるのだが非常に高
額で、さらにネックになるのが最終的に本学の人事服務システムのようなホストコンピュー
タに転送できる形に特殊なカスタマイズをしなければならないという命題があり、なかなか
安価にそこまでやってくれそうなものは発見できなかった。工学部出身の私は、こういった
「人が便利になるものづくり」の発想をすることが至福の喜びであり、そのとき本システム
の実現は言わば私の夢となった。
2 .現行の業務分析と本システムの目的
人事課に非常勤講師の出勤簿に関する現行の業務の流れを問い合わせたところ、表 1 のよ
うな流れであるとの回答があった。
表 1 .現行の業務の流れ
担当者
業 務 内 容
1
人
事
課 毎年 1 月に非常勤講師出勤簿を業者に依頼し作成する。
2
人
事
課 毎年 3 月に部署別に非常勤講師出勤簿を送付する。
3
各 事 務 室 非常勤講師出勤簿の氏名欄に非常勤講師の名前を記入する。
4
非常勤講師 出講時、自分の出勤簿に押印してもらう。
5
人
事
毎月10日頃、前々月16日から前日15日までの非常勤講師の出講管理表を出力する。出
課 講管理表は、アイウエオ順で部署別とはなっていない。これは、非常勤講師が同一日
または別の日に複数の部署で勤務するためである。
−66−
関西大学 I T センターフォーラム
担当者
№ 20(2005)
業 務 内 容
6
出講管理表は、総合情報学部事務室、法学部事務室∼工学部事務室、 2 部事務室、大
各 事 務 室
学院事務室、法科大学院事務室、正課体育に「回覧」する。
7
非常勤講師が出勤簿に押印した日を見ながら出講管理表に○をつける。前に回覧され
各 事 務 室 た部署で同一日に○がつけられている場合、そのまま無視する。部署間で出講管理表
の転記・回覧を繰り返す。
8
人
事
課 翌月 1 日頃、出講管理表を人事課が回収する。
9
人
事
課 出講回数をエクセルの表に入力し交通費の計算を行う。
10
人
事
課 給与システムにデータを移行し、当月25日の給与で支給する。
そこから以下のような問題点が浮かび上がる。
1 .出講管理が紙ベースのため、人事課、事務室、非常勤講師の手間が甚大である。
2 .出講管理表が部署間を回覧するため、進行状況が把握できず、問い合わせが多い。
3 . 出講状況データがリアルタイムでないため、交通費の給与支給が最大 2 ヶ月遅れとな
る。そのため、新任の非常勤講師から、交通費が正しく支給されていないとのクレー
ムが頻発する。
本システムは、表 1 のような現行の10ステップの業務を、コンピュータ、ネットワーク等
の IT を駆使することで表 2 のような 4 ステップに簡略化して上記のような問題点を解決し、
省力化、効率化、ペーパーレス化、コスト削減を図るものである。
表 2 .本システム導入後の業務の流れ
担当部署
事
業 務 内 容
1
人
課 毎年 3 月に各部署非常勤講師室のパソコンに暗号化した名簿データを転送する。
2
非常勤講師
出講時、入退室カード(IDカード)をカードリーダーにスライドする。カードがない時
は画面からキーボードとマウスを利用して入力し、所定の出講手続確認書を記入する。
3
人
事
課
集計ソフトを起動して、非常勤講師室のパソコンから転送された出勤簿データを、自
動的に集計する。
4
人
事
課 給与システムにデータを移行し、翌月25日に交通費を支給する。
3 .提案までの流れ
しかし、私のような何の実績もない一介の事務職員が本システムのような夢物語を語って
も、説得力に欠け誰も耳を傾けてくれないであろうと考えた。そこで私の頭をよぎったの
は、私の担当である毎月の利用相談員(学生アルバイト)の出勤簿の作成、管理と人事服務
システムの入力と、そのチェックだった。利用相談員は40∼50名程度であるが、毎月月末に
次月の全員の IT センターとサテライトステーション用の出勤簿を作成して、月初めに前月
の出勤簿を回収して押印忘れをチェックする作業を煩雑に感じており、うっかり出勤簿の作
成を忘れていてたまたまその月の 1 日が私の第二休日で現場を混乱させてしまったことも
あった。また、人事服務システムへの入力は庶務担当者に任せていたが毎月丸一日かかって
おり、さらに私は入力結果を紙に印刷したものを利用して最終チェックをしていたが、それ
−67−
も二人がかりで休憩なしで 2 時間以上を要し、やはり人事服務システムへの入力は人間の手
作業なので、その最終チェックで毎月入力ミスを数件発見しているのが現状だった。非常勤
講師の出勤簿の現状は、まさに利用相談員でのそのような作業を単純に巨大化したようなも
のだなと感じた。そこで、まず私の仕事の範囲で利用相談員の電子出勤簿を構築して実績に
すれば、大きな説得材料になるはずだと考えた。そして、2004年に利用相談員の電子出勤簿
構築に着手し、目的通りの効率化、省力化、入力ミスゼロを実現して一年間の実績を作るこ
とに成功したので、本年度提案申し上げてご採用いただき、数年来の私の夢を実現させてい
ただいた次第である。
4 .システム概要
本システムの概念を、データの流れに注目した処理の流れで示したものを図 1 に示す。大
きく、電子出勤簿専用パソコン、中継サーバ、人事課のパソコンの 3 つのセクションで構成
されており、下線で示す合計 8 つのソフトで構成されている。
人事課のパソコン
非常勤講師職員番号
氏名ファイル
人事服務システム
(事務用ホストコンピュータ)へ
CSV
人事服務
利用者:人事課
システム用データ
非常勤講師 ID 氏名ファイル暗号化ソフト
外字
非常勤講師職員番号
氏名暗号化ファイル
ENC
CSV
利用者:人事課
非常勤講師月次服務データ作成ソフト
中継サーバ
外字
非常勤講師職員番号
氏名暗号化ファイル
ENC
月次出勤簿データ
日毎バックアップ
CSV
月次出勤簿データ
CSV
ファイル自動転送ソフト:タスクとログオフスクリプトに登録して、毎日月次出勤簿データを中継サーバにア
ップロードし、非常勤講師職員番号氏名暗号化ファイルをダウンロード。
利用者:各事務室
外字
確認・編集: 電子出勤簿確認・編集ソフト
日次確認 : 電子出勤簿出勤状況確認ソフト
非常勤講師職員番号
氏名暗号化ファイル
利用者:非常勤講師
ENC
場所定義
ファイル
TXT
場所定義
リスト
CSV
月次出勤簿
データ
CSV
押印: 電子出勤簿ソフト、
(電子出勤簿自動継続実行ソフト)により起動
確認: 電子出勤簿確認ソフト
電子出勤簿パソコン(場所:各講師控え室、全 12 箇所)
:自動、
図 1 .電子出勤簿システム概念図
−68−
:手動(FTP)
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
流れは、図 1 の左上から始まる。まず、人事課で用意するのは、毎年 3 月に次年度の全非
常勤講師の職員番号と氏名を登録した「非常勤講師職員番号・氏名ファイル」である。もし
新規追加があればその都度ファイルを更新する。このファイルを「非常勤講師職員番号・氏
名ファイル暗号化システム」を用いて暗号化ファイルに変換する。これは、万が一盗難に
あっても個人情報が漏洩しないための配慮である。それを FTP ソフトで中継サーバに転送
する。各講師控え室の電子出勤簿パソコンは WindowsXP Professional で、ログオンスクリ
プトや定期的なタスクによって自動的にそのファイルをダウンロードする「ファイル自動転
送ソフト」を起動するので、人事課で中継サーバのファイルを更新すれば毎日全端末に更新
が反映される。そして、電子出勤簿パソコンには USB カードリーダーが接続されており、
常に電子出勤簿ソフトが起動している状態で、入退室カードを通すだけでその磁気ストライ
プ中の職員番号の部分を認識して、通した年月日と職員番号がパソコン内に保存される。そ
れが職員番号・氏名ファイルと同様に、中継サーバに自動的にアップロードされるので、あ
とは人事課の担当者が毎月中継サーバから全ての場所の出勤簿データをダウンロードして、
「非常勤講師月次服務データ作成システム」を利用して人事服務システムに転送できる形式
に変換し、転送するだけで服務入力までが完了しているという流れである。この「ファイル
自動転送ソフト」によって、「非常勤講師職員番号・氏名ファイル」の更新や出勤簿データ
の採取などのデータメンテナンスのために遠隔地のパソコンに出向いたり現場の職員に作業
の負担をかけるという問題を解決している。また、本システムは氏名を表示するので外字の
対応も必須であり、外字ファイルも同様の方法で自動的に転送される仕組みである。
電子出勤簿専用パソコンは、非常勤講師が出講する講師控え室に各 1 台設置されており、
千里山キャンパスに 7 箇所、高槻キャンパスに 1 箇所、天六キャンパスに 1 箇所、中之島セ
ンターに 1 箇所、第一高等学校に 1 箇所、第一中学校に 1 箇所の合計12箇所存在する。それ
ら全てをネットワークに接続し、中継サーバと自動的にデータを転送し合うシステムを構築
したことで完全自動化を実現している。また、WindowsXP のパソコンを複数の利用者が使
ういわゆるキオスク端末にするために、多種のポリシー設定を行った。それらの詳細につい
て、次章以降に述べる。
5 .自作ソフトウェア
本システムは表 3 のような 8 つの自作ソフトウェアによって構成されている。 1 ∼ 6 は電
子出勤簿パソコン、 7 、 8 は人事課のパソコンにインストールする。また、電子出勤簿パソ
コンは WindowsXP のユーザーアカウントに「出勤簿」「管理」の二つを作成し、それぞれ
出勤簿モード、管理モードとした。そして、 1 、 2 は電子出勤簿の出勤簿モード、 3 、 4 は
管理者モードで利用する。これらのソフトウェアは、Microsoft VisualStudio .NETのVC++、
VC# を用いて開発した。次に、それぞれについて説明する。
−69−
表 3 .本システムを構成する自作ソフトウェア
ソ フ ト 名
利 用 者
1 電子出勤簿ソフト
非常勤講師
2 電子出勤簿確認ソフト
非常勤講師
3 電子出勤簿確認・編集ソフト
各講師控え室担当事務職員
4 電子出勤簿出勤状況確認ソフト
各講師控え室担当事務職員
5 ファイル自動転送ソフト
自動実行(タスク,ログオフ スクリプト)
6 電子出勤簿自動継続実行ソフト
自動実行( RUN レジストリ)
7 非常勤講師月次服務データ作成ソフト
人事課
8 非常勤講師職員番号・氏名ファイル暗号化ソフト
人事課
5 .1 .電子出勤簿ソフト
出勤簿の代わりになるソフトである。図 2 に初期画面を示す。基本的にカードリーダーに
入退室カードを通すことで押印とするが、入退室カードを忘れた場合はキーボードで職員番
号を入力して「手動入力」ボタンをクリックして利用する。すると図 3 のようなカレンダー
形式で、その日の部分にカードリーダーの場合は赤丸、手動入力の場合は赤四角が表示され
る。この画面は右上の「×」ボタンをクリックするか10秒経過すると閉じて、元の初期画面
に戻る。
図 2 .電子出勤簿ソフト初期画面
図 3 .電子出勤簿ソフト出勤簿画面
5 .2 .電子出勤簿確認ソフト
あとから過去の出勤簿を確認するためのソフトである。個人情報保護のため、入退室カー
ドを持たない場合は利用できない。12ヶ月遡って確認することができる。初期画面を図 4
に、確認画面を図 5 に示す。
−70−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
図 4 .電子出勤簿確認ソフト初期画面
図 5 .電子出勤簿確認ソフト確認画面
5 .3 .電子出勤簿確認・編集システム
過去の出勤忘れの対応や出勤状況の確認のために、各講師控え室の事務職員が利用する管
理用ソフトである。改竄等の不正利用を防ぐため、パスワードで保護されている。職員番号
かカナ検索で目的の非常勤講師を選択し、カレンダー形式で編集できる。初期画面を図 6
に、非常勤講師選択画面を図 7 に、編集画面を図 8 に示す。
図 6 .初期画面
図 7 .非常勤講師選択画面
図 8 .編集画面
図 9 .確認画面
−71−
5 .4 .電子出勤簿出勤状況確認ソフト
③同様、事務職員の利用するパスワードで保護されたソフトで、当日から過去にわたって
の日毎の出勤者リストを表示するソフトである。図 9 に確認画面を示す。
5 .5 .ファイル自動転送システム
例えば、いくら電子出勤簿ソフトによって押印を自動化しても、毎月出勤簿データを千里
山だけではなく、高槻や天六、中之島に存在する12台ものパソコンに足を運んで取りに行っ
ていては煩雑である。できるだけ省力化した手放しの運用を目指すには、各キャンパスに分
散している端末とのファイルのやり取りを自動化する必要がある。それを実現するのがこの
ソフトである。WindowsXP のタスク機能で毎日定時にこのソフトが自動実行され、「月次出
勤簿データ」が「中継サーバ」に FTP で転送される。また、障害発生時のデータ損失を少
しでも防ぐため、ログオフスクリプトにも登録することで、管理モードで編集後のデータを
出勤簿モードに戻る際に速やかに中継サーバに転送している。また、本ソフトは外字ファイ
ルの転送も行っており、もし新たに外字を登録する場合にも全端末に外字ファイルの更新に
行く必要はない。
5 .6 .電子出勤簿自動継続実行ソフト
本システムの電子出勤簿パソコンはいわゆる「キオスク端末」である。普通、どのような
パソコンでも一旦ソフトを終了すると手作業でソフトを起動しなおさなければならないの
で、利用者が誤ってソフトを終了してしまったり、不具合でソフトが強制終了した場合に次
の利用者が利用できないという問題が発生する。それを解決するには、ソフトを終了しても
自動的に再起動する仕組みが必須である。しかし、あまり知られていないが Windows には
そういうソフトが存在する。以前、Windows95の時代に ZAK( Zero Administration Kit)と
いう技術があったが、その中の「 runapp」というソフトがそれである。しかし、そのソフ
トをそのまま利用したところ OS 起動時に電子出勤簿ソフトがアクティブにならず、カード
リーダーのデータが受け付けられないという現象が発生した。よく調査すると、OS 起動時
にはウィルス対策ソフト等多くのソフトが自動実行され約40秒程度ハードディスクのアクセ
スランプが点滅し続けており、別のプロセスにタスクが奪われているようだった。そこで、
実行後60秒経過してから runapp によって電子出勤簿を自動的に起動するソフトを作成した。
またそもそもアクティブなソフトがタスクバーにフォーカスを奪われ最前面に出ない設定が
あ る よ う で、 こ こ で は 詳 細 は 割 愛 す る が あ る レ ジ ス ト リ の「 ForegroundLockTimeout」
「 ForegroundFlashCount」という値も変更し、ソフト作成とレジストリ変更の両者で問題を
解決した。
−72−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
5 .7 .非常勤講師月次服務データ作成ソフト
人事課で利用するソフトである。全12箇所の電子出勤簿パソコンから中継サーバに転送さ
れた12個の出勤簿データを毎月人事課のパソコンに FTP ソフトで転送するが、それらを元
に最終的な成果物である一つの人事服務システム用データを作成するソフトである。
5 .8 .非常勤講師職員番号・氏名ファイル暗号化ソフト
本システムは、入退室カードの磁気ストライプ上の職員番号を元に個人を判断する仕組み
だが、各ソフトで職員番号だけの表示だと例えばカードを忘れた場合の手動入力で入力ミス
をした場合判断しにくいが、氏名が表示されれば容易に判断できる。そこで、職員番号と氏
名を登録したファイルを各講師控え室の電子出勤簿パソコンに保存する必要があるが、万が
一盗難にあってもその個人情報が漏洩しないように暗号化するためのソフトである。暗号化
には Microsoft の CryptoAPI の MD5ハッシュを用いた RC4ストリーム暗号を利用した。
6 .その他技術的な特記事項
6 .1 .中之島センターからの VPN による学内 LAN 接続の自動化
電子出勤簿を設置する場所で、唯一学内 LAN に接続されていない中之島センターの端末
には、一工夫必要だった。商用ネットワークに接続されているので VPN で学内 LAN に接続
するという条件だったが、その接続にはブラウザで ID とパスワード入力し OK ボタンをク
リックするという一連の手作業が必要だった。しかし、毎日の中継サーバとのデータ転送は
タスクを使用した自動化したものなので、その接続に手作業が入ると問題である。そこで、
それらの作業を自動化するために図10のような WSH( Windows Script Host)を利用し、自
動転送の前に VPN 接続を自動実行する中之島センター特別の仕様にした。
var IE = WScript.CreateObject("InternetExplorer.Application");
IE.Visible = true;
IE.Width = 1000; IE.Height = 1000;
IE.Navigate("https://VPNのアドレス ");
while(IE.busy) ;
while(IE.Document.readyState != "complete") ;
IE.Document.all.username.value = "VPNユーザ名 ";
IE.Document.all.password.value = "VPN パスワード ";
IE.Document.e1.submit();
while(IE.busy) ;
while(IE.Document.readyState != "complete") ;
IE.Navigate("javascript:createVPNConnection(\"?Z=0,1\")");
図10.VPN 接続を自動化する WSH
6 .2 .Windows パソコンをキオスク端末にするテクニック
すでにソフトが不正終了した場合の対策については前述したが、Windows パソコンをキ
−73−
オスク端末にするには他にも注意すべきポイントがある。それは、ソフトの不正インストー
ルやファイルの持ち出し、システム破壊等の防止である。Windows にはそれらを防止する
ためのレジストリが存在する。それをまとめたものが表 4 である。本システムの電子出勤簿
パソコンがデータのやり取りをするのは、CD-R 、USB 端子、LAN の三つであるので、基本
的に出勤簿モードでユーザーがそれらを利用できなくしている。また、スタートメニューの
カスタマイズを行い必要最小限の表示にすることで、フールプルーフを実現している。
表 4 .Windows パソコンをキオスク端末にするためのレジストリ
機 能
レジストリキー
型
値
CD-ROM の自動実行の禁止
HKEY_LOCAL_MACHINE¥SYSTEM¥CurrentControl DWORD
Set¥Services¥Cdrom¥AutoRun
0
USB ストレージの使用禁止
HKEY_LOCAL_MACHINE¥SYSTEM¥CurrentControl DWORD
Set¥Services¥UsbStor¥Start
4
タスクバー上での右クリック HKEY_CURRENT_USER¥Software¥Microsoft¥Windo
の禁止
ws¥CurrentVersion¥Policies¥System¥NoTrayContext
Menu
DWORD
1
画面のプロパティの非表示
HKEY_CURRENT_USER¥Software¥Microsoft¥Windo
ws¥CurrentVersion¥Policies¥System¥NoDispCPL
DWORD
1
ファイル名を指定して実行の HKEY_CURRENT_USER¥Software¥Microsoft¥Windo
削除
ws¥CurrentVersion¥Policies¥Explorer¥NoRun
DWORD
1
コントロールパネルの非表示 HKEY_CURRENT_USER¥Software¥Microsoft¥Windo DWORD
ws¥CurrentVersion¥Policies¥Explorer¥NoControlPanel
1
フォルダオプションの非表示 HKEY_CURRENT_USER¥Software¥Microsoft¥Windo DWORD
ws¥CurrentVersion¥Policies¥Explorer¥NoFolderOptions
1
デスクトップのクリーンアッ HKEY_CURRENT_USER¥Software¥Microsoft¥Windo
プの非表示
ws¥CurrentVersion¥Policies¥Explorer¥NoDesktopCle
anupWizard
DWORD
1
指定ソフトの実行禁止
DWORD
1
文字列
n
DWORD
0
DWORD
0
HKEY_CURRENT_USER¥Software¥Microsoft¥Windo
(値 n は 1 からの数値。値のデー ws¥CurrentVersion¥Policies¥Explorer¥DisallowRun
タ:禁止するソフトの exe 名) HKEY_CURRENT_USER¥Software¥Microsoft¥Windo
ws¥CurrentVersion¥Policies¥Explorer¥DisallowRun¥
DisallowRun
タスクバーにフォーカスを奪 HKEY_CURRENT_USER¥ControlPanel¥Desktop¥For
われないようにする
egroundLockTimeout
HKEY_CURRENT_USER¥ControlPanel¥Desktop¥
ForegroundFlashCount
出勤簿モードの自動ログオン HKEY_LOCAL_MACHINE¥Software¥Microsoft¥Wind 文字列
owsNT¥CurrentVersion¥Winlogon¥AutoAdminLogon
HKEY_LOCAL_MACHINE¥Software¥Microsoft¥Wind 文字列
owsNT¥CurrentVersion¥Winlogon¥DefaultUserName
1
kous
hi
7 .おわりに
本システムは、一旦パソコンに出勤データを保存し毎日一度中継サーバに転送する方式を
採用しているが、この理由はサーバに直接出勤データを転送する場合、万が一ネットワーク
がダウンしているとせっかくの出勤データが消滅する危険を伴うからである。既存の紙ベー
−74−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
スの出勤簿の運用では全出講場所で出勤簿に押印することになっており、それをシステム化
しただけと捉えると問題ないが、うまく設計すれば複数の場所で出講する場合に一箇所で出
勤登録しさえすれば全箇所で自分の出勤状況を表示できるという省力化が図れるかもしれな
い。もし、そういった要望が出れば改造することも可能である。このような柔軟な対応が可
能になることが EUD( End User Development)の強みであり、アウトソーシングでは難し
い点である。何故なら、仕事の経験を通して知ったのだがアウトソーシングでは初期の要望
にない追加機能ほど高額だからだ。今回の場合、開発段階で人事課からの追加のご要望をい
ただき結果的には当初の倍のボリュームのソフトウェアを開発することになったが、全てご
要望通りの仕様を実現することができた。また、今回使用したプログラミング言語の一つ
C# は、痒いところに手の届く初心者にも分かりやすい言語であり、2005年に JIS に制定され
標準化までされたので、C# で構築したものについては私以外でも改造できるのではと期待
している。しかし、逆に EUD の弱みとして、特に今回のように開発者が私一人といった場
合いくら設計書や仕様書を用意しても、VC++ で構築したソフトウェアについては私以外に
改造が困難であろうということが挙げられる。そこで、出講場所の追加など現状で考えられ
る範囲での変更作業は、ソフトウェアを再構築しなくても全て外部設定テキストファイルの
書き換えだけで済むように配慮した設計とした。また、専用のインストール CD を作成し、
できるだけ簡単に端末を追加作成できるような配慮も行った。しかし、今後は身分証明書が
磁気カードから IC カードへ移行する予定であり、その際に磁気カードリーダーを非接触の
IC カードリーダーに変更する可能性があるので、その際の仕様変更はやむを得ないのでは
ないかと考えている。まずは、それまでの間に本システムに想定範囲を超えた事故が発生せ
ず当初の目的通りの効果を達成することと、私に不慮の不幸がないことを期待している。
謝辞
本システムは数多くの方々のご協力のお陰で実現いたしました。初めに人事課との間を取
り持っていただいた学事課の土橋課長、中川主任、システム開発課の大西氏、システム設計
やパソコンの導入では人事課の大淵氏、依藤氏、パソコンやカードリーダーの購入では管財
課岡村次長、北井氏、情報コンセント、電源コンセントの設置については施設課岡本氏、
ネットワーク接続ではシステム管理課中芝課長補佐、中継サーバでは藤井氏、入退室カード
についてはシステム開発課の内藤主任、また各講師控え室の担当者の方々に多大なるご協力
を頂戴いたしました。ここに謹んで感謝の意を表します。
−75−
事業報告
2005年度
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
2005年度活動報告
1 .IT センターにおける委員会活動
IT センターは、次のような委員会の審議を経て運営されている。
2005年度に開催されたセンター委員会、センター運営委員会、ジョイント・サテライト及び
マルチメディア教育・研究推進委員会、および所員会議の議事は、次のとおりである。
について
IT センター委員会
2 その他
(平成17年度)
2005年 6 月 1 日(第 1 回)
2005年 9 月 6 日(第 3 回)
〔Ⅰ〕審議事項
1 IT センター委員会委員の構成につい
〔Ⅰ〕審議事項
1 平成18年度予算について
て
2 IT センター運営委員会委員の構成に
〔Ⅱ〕報告事項
1 BSA からの申し出について
ついて
3 IT センター所員会議の構成について
2 関西大学 IT 化推進について
4 IT センタージョイント・サテライト
3 その他
及びマルチメディア教育・研究推進委
2006年 3 月23日(第 4 回)
員会委員の構成について
5 IT センター自己点検・評価委員会の
〔Ⅰ〕審議事項
1 情報セキュリティポリシーについて
構成について
6 平成18年度予算申請方針について
〔Ⅱ〕報告事項
1 平成18年度実施計画(案)
〔Ⅱ〕報告事項
2 平成17年度 IT センター所管の文部科
1 平成17年度 IT センター所管の文部科
学省補助金内示状況
学省補助金申請について(予定)
3 年度末スケジュール
2 その他
4 私情協コンテンツ
5 私情協著作権
2005年 7 月20日(第 2 回)
6 その他
〔Ⅰ〕審議事項
1 平成18年度予算について
〔Ⅱ〕報告事項
1 夏季休業期間中の IT センターの運用
−79−
2005年11月16日(第 4 回)
IT センター運営委員会
(平成17年度)
〔Ⅰ〕審議事項
1 セキュリティポリシーについて
2005年 5 月18日(第 1 回)
2 高度計算サーバの運用変更について
〔Ⅰ〕審議事項
3 研究用ログインサーバ利用資格につい
1 次期システムの検討について
て
2 サテライトステーション更新(案)に
4 2005年度フォーラムについて
ついて
5 利用者 ID 等の交付について
3 利用者 ID 等の交付について
〔Ⅱ〕報告事項
〔Ⅱ〕報告事項
1 その他
1 平成17年度における主な実施計画につ
いて
2006年 2 月23日(第 5 回)
2 平成17年度講習会について
3 その他
〔Ⅰ〕審議事項
1 利用者 ID 等の交付について
2005年 6 月20日(第 2 回)
〔Ⅱ〕報告事項
1 セキュリティポリシーについて
〔Ⅰ〕審議事項
1 平成18年度予算について
2 年度末作業スケジュールについて
2 業務利用申請書について
3 研究用 login サーバ利用申請 Web ペー
ジの概要について
3 利用者 ID 等の交付について
4 私情協コンテンツのオンデマンド配信
〔Ⅱ〕報告事項
への参加について(ご案内)
1 その他
5 その他
2005年 7 月14日(第 3 回)
〔Ⅰ〕審議事項
1 平成18年度予算について
2 研究用ログインサーバの運用について
3 WinYAT のサービス停止について
4 利用者 ID 等の交付について
〔Ⅱ〕報告事項
1 夏季休業期間中の IT センターの運用
について
2 その他
−80−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
IT センター所員会議
IT センタージョイント・サテライト及び
マルチメディア教育・研究推進委員会
(平成17年度)
2005年 5 月12日(第 1 回)
(平成17年度)
2005年 5 月30日(第 1 回)
〔Ⅰ〕審議事項
1 所員会議の構成について
〔Ⅰ〕審議事項
2 所員の役割分担について
1 平成18年度予算について
3 次期システムの検討について
〔Ⅱ〕報告事項
4 サテライトステーション更新(案)に
1 平成17年度 IT センター ジョイント・
ついて
サテライト及びマルチメディア教育・
5 その他
研究推進委員会委員の構成について
2 私情協「情報倫理教育 e 教材」につ
2005年 6 月15日(第 2 回)
いて
3 平成17年度実施計画について
〔Ⅰ〕審議事項
1 平成18年度予算について
4 その他
2 その他
2005年 7 月25日(第 2 回)
〔Ⅱ〕報告事項
1 その他
〔Ⅰ〕審議事項
1 平成17年度予算について
2005年 7 月 7 日(第 3 回)
2 その他
〔Ⅰ〕審議事項
1 平成18年度予算について
2 研究用ログインサーバの運用について
3 WinYAT のサービス停止について
〔Ⅱ〕報告事項
1 夏季休業期間中の IT センターの運用
について
2 その他
2005年11月11日(第 4 回)
〔Ⅰ〕審議事項
1 セキュリティポリシーについて
2 高度計算サーバの運用変更について
3 研究用ログインサーバ利用資格につい
て
4 2005年度フォーラムについて
−81−
〔Ⅱ〕報告事項
1 その他
2006年 2 月16日(第 5 回)
〔Ⅰ〕審議事項
1 セキュリティポリシーについて
〔Ⅱ〕報告事項
1 年度末作業スケジュールについて
2 研究用 login サーバ利用申請 Web ペー
ジの概要について
3 私情協コンテンツのオンデマンド配信
への参加について(ご案内)
4 その他
−82−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
2 .IT センター活動報告
1 システムの増強/改善
IT センターでは、著しい技術進歩に対応するため 3 年毎に機器の見直しを行っている。
平成15年度に全面的な更新を行ったため、前年度に引き続き、今年度も小規模な更新と利用
の充実を図った。
⑴ パソコン教室の更新
夏季休業期間を利用して、サテライトステーションのパソコン137台および関連サーバ
を最新の機種及びソフトウェアに更新し、 9 月21日からサービスを開始した。
今回の更新では、U SB メモリを記憶媒体として使用する利用者が増えたため、従来か
らパソコンに搭載していた MO(光磁気ディスク)ドライブを廃止した。補完措置として、
外付けの MO 装置を適宜貸し出している。
⑵ サーバの運用改善
研究用 login サーバにおける学外からのメール、telnet および FTP を利用する際のセキュ
リティ向上のため、サーバの認証強化と暗号化対応を行った。情報の盗み見や迷惑メール
(スパムメール)の防止に有効である。 9 月21日から従来の接続方法と併用運用を開始し、
11月 7 日からは新方式で全面運用を行っている。
2 ネットワークの増強/改善
ネットワーク関係では、次のように学内 LAN の充実と学外回線増強に対応した。
⑴ ネットワーク機器の向上
大学外から学内ネットワークへの攻撃による被害を防ぐため、不正侵入検知システムを
導入している。利用者の多い工学部のネットワークでも安定運用を図るため、不正侵入検
知システムを 8 月導入した。
⑵ 学内回線の増強
IT センターから工学部に接続するネットワークで、最大622MBps の ATM ネットワーク
が一部あったが、帯域増強と機器障害時の早期対応のため、ギガビットネットワークを導
−83−
入した。
3 センターサービス
⑴ 学生のインターネット利用について
関西大学に在籍する学部学生と大学院学生には入学と同時に利用者 ID が発行されてお
り、IT センター 4 階のオープン PC コーナーやデジタルメディア PC コーナーをはじめ、
サテライトステーション、各学部学舎のステーションのパソコンを利用することができ
る。大学からのお知らせや講義インフォメーション、Web 履修等で利用されているイン
フォメーションシステムでもこの利用者 ID を使用している。
さらに、IT センターのホームページ上で『電子メール・学外 Web 利用申請』の手続き
をすれば、電子メールと学外のホームページ( Web ページ)の閲覧ができるようになる。
平成17年度末で約 2 万 3 千人が利用登録をしている。
本学では、各種ホームページを公開しており、IT センターの利用ガイドの他、総合図
書館の蔵書検索システム( KOALA)、学生就職支援システム( KIPS)などが利用できる。
IT センターの開室時間やパソコン空席情報、大学からのお知らせ(インフォメーション
システム)、就職支援システムなどの一部では、携帯電話からのアクセスにも対応してい
る。
4 利用相談
⑴ 利用相談コーナーの開設
IT センター 4 階に「利用相談コーナー」を設け、サービスを行っている。常時 2 名の
利用相談員が「利用相談員」の腕章を付けて待機・巡回し、次のような利用者からの相談
に応対した。
ア センターに設置されているパソコンやプリンタなどの機器の利用に関する相談
イ インターネットの Web ページ閲覧や電子メールに関する相談
ウ 各種アプリケーションについての相談
エ パスワード忘却者の再設定処理
オ ソフトウェアの最新マニュアルの貸し出しサービス
サテライトステーションにも利用相談員が待機しており、同様のサービスを行ってい
る。利用相談コーナーは 1 年中開設している。高度な質問に対しては、システム管理課に
て相談を受け付けた。
−84−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
・相談時間
月曜日∼金曜日
土 曜 日
9 :00∼21:20
9 :00∼17:50
⑵ IT センターホームページ上の各種利用手引
毎年、IT センターの Web ページを更新し、利用者に分かりやすい構成に改善している。
これらのページは、① IT センターの紹介、②学内ユーザ向け利用ガイドなどで構成して
いる。携帯電話向けのページもあり、トピックスやセンターのサービス時間、空席情報等
を手軽に参照できる。
ディジタルライブラリ( VOD)には、パソコンソフトの入門ビデオ( Word 、Excel 、
Access 、PowerPoint)を登録しており、初めて利用する人や特定の操作だけ知りたい人
にとって非常に効果的である。同ページのアドレスは、http://www.ipcku.kansai-u.ac.jp/
である。
5 講習の開催
昨年度と同様、パソコン関連の講習をはじめとして、サーバ、ネットワーク関連の講習、
マルチメディア関連の講習を計38回開催し、251名の参加があった。パソコン関連の講習で
はスキルアップを目指して段階的に参加する受講者が増えてきた。また、掲示やホームペー
ジ、『関西大学通信』など、講習案内の方法を種々検討し、参加者の増加に勤めている。さ
らに、講習で配布した資料をホームページ上で公開し、講習会を撮影したビデオを VOD
サーバやデジタルコンテンツサーバで配信し、参加できなかった学生にも学習できるように
している。
※パソコン関連の講習
⑴ パソコン初心者コース
初めてパソコンを操作する利用者を対象に、 4 ∼ 6 ・ 9 月に 9 回開催した。
パソコン操作の基礎、利用のモラル、「電子メール・学外 Web 利用申請」など実習を含
めて説明をした。
⑵ パソコン基本コース
「電子メール・学外 Web 利用申請」に合格して大学内で初めて利用する者を対象に 4 ∼
6 ・ 9 月に 9 回開催した。
IT センターで使用しているメールシステム( Active! Mail)の利用方法とホームページ
−85−
閲覧方法の基本を説明した。
⑶ パソコン活用コース
基本コースを受講した利用者向けに 4 ∼ 6 ・ 9 月に 7 回開催した。
メールやホームページ閲覧方法の活用と印刷方法について説明した。
※サーバ、ネットワーク関連の講習
⑷ 授業での教育用 Web サーバ利用
授業(ゼミ)を支援するために教育用 Web サーバの運用を平成15年度に開始した。こ
れを利用する教育職員を対象として 4 月11日㈪に開催した。
⑸ 持込パソコン LAN 利用
IT センター 4 階の情報コンセントや学内無線 LAN について利用者を対象として 4 月22
日㈮と 5 月31日㈫に開催した。
⑹ 研究室ネットワーク接続
研究室などでネットワークを利用する教育職員・大学院生・事務職員を対象として 5 月
10日㈫と 5 月23日㈪に開催した。
IT センターでは、インターネットの普及に対応して、年次計画により学内 LAN の整備
を行い、各学部の研究室や個人研究室などへの情報コンセントの設置を完了した。研究室
のパソコンや UNIX ワークステーションのネットワークへの接続が簡単に行え、学内ネッ
トワークおよび Internet の利用が可能となっている。
ネットワークの運用方針および情報コンセントに接続する場合に必要な機器、申請手続
き、接続方法およびダイヤルアップ PPP 接続サービスなどについて説明した。
⑺ Windows サーバ管理
研究室などで Windows サーバ管理のみならず、クライアントパソコンとして Windows
OS を利用している教育職員・大学院生を対象として 6 月 9 日㈭に開催した。
Windows パソコンに WWW サーバなどを構築し、研究室等の情報コンセントに接続す
ることにより、学内外に向けて Internet サービスを提供することが簡単に行えるように
なった。しかし、Code Red 、Nimda や SQLSlammer ワームなどのコンピュータウィルス
が流行し、セキュリティ対策・ウイルス対策が大変重要となっている。
Windows NT /2000を利用する場合の OS 設定、セキュリティ管理、運用管理などの注
意点について説明した。
−86−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
⑻ UNIX サーバ管理
研究室などで UNIX サーバを管理する教育職員・大学院生を対象として 6 月29日㈬に開
催した。
学内の研究室などでは、情報コンセントにサーバマシンを接続することによって、学内
外に向けて Internet サービスを提供することが可能である。
IT センターでサービスしている Internet サーバの役割と運用方針について紹介し、学内
で自前の Internet サーバを立ち上げるための設定方法や制限事項、またシステムセキュリ
ティについて、Solaris や Linux など UNIX における設定を例に説明した。
⑼ 高度計算サーバ利用
高度計算サーバの概要やバッチジョブ実行依頼方法等の基本的な利用方法、プログラム
支援ツールの使用方法、デバッグ・チューニング方法を教育職員・大学院生・ゼミ生を対
象として 6 月24日㈮に開催した。
⑽ ネットワークセキュリティ
研究室や個人として学内でネットワークを利用している学部学生・大学院生・教育職員・
事務職員を対象として 6 月21日㈫に開催した。
インターネットを使ったサービスが日常的に行われる今日では、利用の増加に伴い、コ
ンピュータの不正利用やネットワーク犯罪等が頻繁に発生し、社会問題となっている。本
学においてもネットワークを経由した外部からの攻撃を受けており、防御しきれなかった
ものについては、少なからず被害が発生しているため、ネットワークセキュリティを高め
るための様々な対策を行っている。
ネットワークセキュリティに関する最新の情報や技術、及びセンターのセキュリティ対
策について説明した。
※マルチメディア関連の講習
⑾ 尚文館 1 階マルチメディア施設利用
尚文館 1 階にあるマルチメディア施設を利用する教員と大学院生を対象に 4 月26日㈫と
5 月20日㈮に開催した。
ここには、①マルチメディア AV 大教室( AV 講義、遠隔講義など)、②マルチメディア
編集室(ビデオ編集システム、録音ブースなど)、③マルチメディアスタジオ室(撮影シ
ステム)、④マルチメディア AV ブース(マルチメディアパソコンのオープン利用)があり、
最先端のマルチメディア機器を利用した授業や、マルチメディア教材の作成など、多彩な
教育・研究活動を行うための施設を整えている。
講習では、各施設での実演をまじえてマルチメディア施設の紹介を行った。
−87−
⑿ 通信衛星による遠隔授業利用
遠隔授業システム利用講習会を教員対象に随時実施している。本学では、文部科学省の
補助を受け、通信衛星を利用した遠隔授業システムであるSCS(スペース・コラボレーショ
ン・システム)をいち早く整備した。これ以外にも ISDN 回線を利用したビデオ会議シス
テムも導入するなど、その推進に努めている。この利用講習では、これらのシステムを活
用した遠隔授業の事例を紹介するとともに、それぞれのシステムの使用法を講習してい
る。
さらに、遠隔授業実施時の注意点、ノウハウなどについても解説を行っている。
⒀ リッチメディア作成
ビデオとスライドを組み合わせたプレゼンテーションコンテンツであるリッチメディア
の作成講習会を 6 月16日㈭に開催した。リッチメディアは、授業や講演会などを講師の姿
だけでなく、資料なども統合して扱うことができるので、記録用としても利用できる。
現在では Microsoft Producer などのように、無料でなおかつ簡単に利用できるソフトも
出現しており、誰でも作成できる。講習会当日は、受講者の要望に合わせ、ホームページ
上に公開するためのビデオコンテンツの収録・編集方法を、大がかりな装置を使わなくて
も簡便に高品質のものが作成できることを含めて解説した。
6 ジョイント・サテライト及びマルチメディア
⑴ SCS を用いたジョイント・サテライト事業の推進
他大学との合同研究会、及び各種フォーラム等の中継を衛星通信によるスペース・コラ
ボレーション・システム( SCS)を用いて実施した。
このシステムを利用した遠隔授業やセミナーが、独立行政法人メディア教育開発セン
ターなどから数多く企画されている。今年度は、e-ラーニングコンテンツに関するフォー
ラムや、個人情報保護や著作権に関する研修講座を中心に、要望のあったものを受信し
た。
本学の教職員・学生が参加できるプログラムについては、IT センターの Web ページ内、
「私立大学ジョイント・サテライト事業」(下記 URL 参照)で公開している。
http://www.ipcku.kansai-u.ac.jp/SCS/js_top.html
⑵ インターネットや ISDN 回線を利用したコラボレーション
SCS を利用していない国内の大学や海外の大学等とは、インターネットやテレビ会議シ
ステムを使用して講演会や合同ゼミ等を行った。ISDN テレビ会議システムを用いて千里
山キャンパスと高槻キャンパス間を結んで行った講演会やガイダンスでは、画像品質の落
−88−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
ちるパソコンの画面(パワーポイントでの資料)はインターネットで配信し、双方で同じ
画像品質を確保して行った。
⑶ 尚文館 1 階の AV 大教室
平成12年 7 月に竣工した尚文館には200名収容可能な AV 大教室を設置している。この
教室に導入したマルチメディア講義システムは、プロジェクタ表示システムを核に、パー
ソナルコミュニケーションターミナル、遠隔授業システム、同時通訳システムなど、最新
の技術を駆使して構築されている。
今年度は以下の設備を新規に設置してより効果的で快適な操作環境を実現した。
①操作卓に 4 連液晶モニタ TV を 2 台設置し、各種の入出力画像を一括でモニタできる
ようにした。
②演壇にマイク入力端子を 3 口設置し、講演会等での複数マイク使用に対応できるよう
にした。
③ビデオ収録卓にカメラ用14型液晶モニタ TV を設置。
⑷ 尚文館 1 階マルチメディア施設
尚文館 1 階のマルチメディア施設に、次のような機材やソフトウェアなどを新たに設
置・導入し、マルチメディア教材の作成環境を整備・充実させた。
①貸出用機材として「ミニ DV( DVCAM)カムコーダ(三脚付き)」を設置。
②映像機器ワゴンに「 DVD スーパマルチ/ VHS レコーダ」を設置。
⑸ デジタルライブラリ( VOD)
Windows Media と Real Video に対応した Real Networks 社の Helix サーバを利用し、 パソコンに導入している Microsoft Office シリーズの自習用教材ストリーミングコンテ
ンツの提供と、そのテキストの貸し出しも行っている。また、IT センター主催で行った
各種講習会のストリーミングコンテンツも PDF 化した資料と共に提供している。
( URL:http://www.ipcku.kansai-u.ac.jp/DigitalLibrary/)。
⑹ デジタルコンテンツ配信サービス
デジタルコンテンツサーバでは、インターネット上のコンテンツ配信方式のひとつであ
る Windows Media を使用して配信を行っている。Windows Media はネットワークへの負
荷が小さい上、次世代ハイビジョン用 DVD と同等の映像品質で配信することができる。
また、文字や静止画だけでなく、音声や動画などさまざまなメディアの情報を統合した
リッチメディアでのコンテンツの配信も行っている。コンテンツとしては、独学自習でき
るための教材、シンポジウム・講演会、授業等を収録している。講演会や学生向けガイダ
−89−
ンスの一部は学外向けに公開しており、自宅からも視聴することができる。
このほか、サーバと利用者間のネットワーク環境に順応して配信品質を自動的に変えら
れる特性をいかして、卒業式、入学式あるいは大学紹介ビデオである「関西大学ビジュア
ルガイド」もこのサーバから配信している。
7 セミナーの開催
今年度は不開講。
8 IT センターにおける利用申請の許可
平成17年度の申請数を以下に示す。
(2005年 4 月∼2006年 3 月)
第 1 種(電子メール) 第 3 種(Web 検索)
利用申請件数
利用申請件数
委
託
研
究
員
4
委
嘱
研
究
員
1
招
聘
研
究
者
9
P D 6
交
換
研
究
者
2
員
外
研
究
者
1
客
員
研
究
員
1
科
研
費
研
究
員
2
外
国
人
研
究
員
3
員
2
館
1
課
1
心
理
図
学
相
談
書
長
秘
書
職務用特別メール
申請件数
1
商
学
部
1
文
学
部
1
外国語教育研究機構
1
計
33
1
−90−
3
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
9 ネットワーク接続申請
平成17年度の学部毎の申請数を以下に示す。なお、高槻キャンパスについては、手続き業
務を高槻キャンパス事務室に移管しているので、対外接続に関連した申請数である。
ネットワーク
接続申請数
学 部 等
ネットワーク
接続申請台数
インターネット
接続申請台数
法
2
2
1
文
10
10
1
6
6
2
8
9
0
会
3
16
0
報
0
0
5
工
100
233
55
外国語教育研究機構
11
28
2
そ
24
50
4
164
354
70
経
済
商
社
総
合
情
の
他
計
10 事務システムについて
⑴ 事務情報利用環境の整備
平成15年度に構築した「アクティブディレクトリ環境」の導入以来、ユーザーのデータ
共有が活発になり、サーバのディスク容量不足が予測されるようになった。これに対処す
るため、サーバ 2 台を増設し、効率的な情報共有環境を整えた。
また、FNA サーバ( 4 台)のサーバソフトを WSMGR for Web にグレードアップし、
利用者のホストコンピュータ利用時における操作性の向上と異動時のスムーズな設定切替
及び管理工数の減少を図った。事務用パソコンについては、総台数約670台のうち、老朽
化が進む130台について更新を行った。
⑵ 業務システムの整備・充実
ア ホスト系業務システム
平成18年度の会計専門職大学院の新設と工学研究科博士課程前期課程の専攻再編成に
対応するため「大学院履修成績管理システム」、「大学院学籍管理システム」、「奨学金シ
−91−
ステム」の改訂を行った。「奨学金システム」では、関西大学奨学金の振込処理に関し、
ホストコンピュータから事前にサーバシステムに学生情報と口座情報を登録する方式を
開始した。
また入試関係では、「入学試験監督割当システム」、「入学試験査定業務システム(外
注)」において、D 日程入試に対応した。
イ オープン系業務システム
Web 教務システムの新たなサービス展開としては、まず「試験時間割編成システム」
の稼動が挙げられる。これは、学内試験に関して方法調査から時間割編成、監督動員、
学生・教員向けにパーソナライズされた時間割情報を周知するまでの一連のプロセスを、
総合的にサポートするシステムとして構築した。また、この他「授業支援システム」に
おける学生の最終評価をホスト側に採点データとして取り込む連携システムの拡張開
発、抽選・選抜機能の大幅な強化を実施した。
⑶ 事務用システム利用状況
ア ホストコンピュータ系システム
部 署 名
利 用 状 況
総
務
課
人
財
出
事
務
納
課
課
課
記 念 事 業・ 募 金 事 務 室
管
財
課
施
設
課
各 学 部 事 務 室 共 通
工
学
部
事
務
室
高槻キャンパス事務室
大 学 院 事 務 室
学
生
生
活
課
シ ス テ ム 開 発 課
保健管理センター事務室
国際交流センター事務室
全
部
署
迷惑駐車車両管理システムの運用
関大カードシステムの運用
人事情報システムの運用、教職員証の発行
財務情報システムの運用管理(経理サブシステム)
財務情報システムの運用管理(出納サブシステム)
募金業務システムの運用、寮諸費管理システムの運用
募金業務システムの運用
財務情報システムの運用管理(調達サブシステム)
固定資産管理システムの運用
財務情報システムの運用管理(調達サブシステム)
固定資産管理システムの運用
教務事務システムの運用(学生証、各種証明書の発行を含む)
入学試験査定業務
固定資産管理システムの運用
財務情報システムの運用管理(調達サブシステム)
就職業務システムのオンライン利用
教務事務システムの運用(学生証、各種証明書の発行を含む)
奨学金システム、寮諸費管理システムの運用
学内事務システムの開発・運用支援・保守管理
学生健康管理システム
学生証の発行(交換留学生)
人事情報システム(服務管理システム)のオンライン利用
会社情報検索(学生用就職活動支援システムを利用)
財務情報システムのオンライン利用
−92−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
イ オープン系システム
部 署 名
利 用 状 況
各 学 部 事 務 室 及 び
大 学 院 事 務 室
キャリアセンター事務室
保健管理センター事務室
運
営
課
閲
覧
参
考
課
学
術
資
料
課
全
部
署
Web 履修登録、Web シラバス、Web 授業支援システムの運用
証明書・学割証自動発行システムの運用
インターネット学生就職支援システム( KIPS)の運用
証明書自動発行システムの運用(健康診断証明書)
図書館システムの開発・運用支援・保守管理
閲覧貸出システム、各種オンラインサービスの運用
図書管理システム、雑誌管理システムの運用
インフォメーションシステム(電子掲示板)への掲示、照会
インターネット学生就職支援システム( KIPS)の利用
図書情報検索( KOALA)の利用
洋雑誌目次検索システムの利用
図書館各種オンラインサービスの利用
業務コミュニケーションシステム( J − net)の利用
インターネットの利用
ソフトウェア管理システム( QND 、WebManager)の利用
11 IT センターにおける自己点検・評価委員会の取り組み
今年度は、昨年度に検討した自己点検の基本的な方針と点検・評価項目に基づき、報告書
を作成し、関西大学の自己点検評価委員会に提出した。
−93−
3 .IT センター利用実績
⑴ 教育・研究用システム申請状況
ア 電子計算機の課題申請状況
研究利用(教育職員及び大学院生)
学部・研究科
経済
商学
社会
教育職員
法
1
文
11
11
17
16
総合情報
10
工
53
外国語教育研究機構 法務(法科大学院)
6
3
合計
128
大学院生
0
8
9
7
12
1
59
4
1
101
その他…研究員・研究者( 1 )
卒業研究利用(学部学生)
学部・研究科
法
文
経済
商学
社会
総合情報
工
合計
課題申請数
0
0
4
0
0
0
32
36
イ 研究用 login サーバ利用申請状況
学部・研究科
法
文
経済
商
社会
総合情報
工
外国語教育研究 法科大学院
合計
教育職員
29
108
41
39
45
38
175
36
14
525
大学院生
71
233
52
80
115
6
228
95
128
1,008
その他…特認外国語講師・研究員など(45)
ウ 電子メール・学外 Web 利用申請登録状況
学部・研究科
法
文
経済
商
社会
総合情報
工
外国語教育研究 法科大学院
合計
教育職員
31
106
38
39
46
32
167
31
13
503
大学院生
61
193
45
61
106
31
389
55
63
1,004
第1部学生
2,776
3,425
3,241
2,893
3,663
270
4,611
−
−
20,879
第2部学生
90
74
65
57
59
−
−
−
−
345
その他…非常勤講師・研究員など(207)
−94−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
⑵ 教育・研究用システムの利用状況
ア パソコン利用統計
利用回数(平成17年 4 月∼平成18年 3 月)
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利用時間(平成17年 4 月∼平成18年 3 月)
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イ Internet 電子メール利用統計
教職員
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ウ ITセンターホームページアクセス統計
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時間毎のアクセス回数
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関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
エ アプリケーションサーバ 教育用 Web キャッシュ利用状況
リクエスト回数および転送量(学部別)
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リクエスト回数および転送量(場所別)
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オ 高度計算サーバ 計算時間
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−101−
7 /25 13:45
8/1
8 /31 11:00
8 /31 12:30
9/8
9/9
9 /30 10:00
05−3
05−4
05−5
05−6
05−7
05−8
05−9
−102−
2:30:00 大学知的財産及び産学連携部門の事務職員のための知的財産セミナー 人事課
2:30:00 大学知的財産及び産学連携部門の事務職員のための知的財産セミナー 人事課
5:20:00 IT教育支援協議会 第4回フォーラム
05−12 10/19 14:45
05−13 10/28 14:45
05−14 12/ 2
H17年度利用時間総計
45:45:00
1:45:00 平成17年度SCS事業連絡協議会
05−16 3 / 6
10:00
5:30:00 IT 活用教育と著作権フォーラム
05−15 1 /18 10:00
事務局
事務局
事務局
2:30:00 大学知的財産及び産学連携部門の事務職員のための知的財産セミナー 人事課
12:30
NIME
NIME
NIME(車載)
NIME(車載)
NIME
NIME
NIME
NIME
議長局
NIME
NIME
NIME
NIME
NIME
NIME
NIME
鈴木(俊)関西大学
人事課
人事課
事務局
事務局
人事課
人事課
事務局
05−11 10/14 14:30
2:00:00 CSCセミナー
2:15:00 大学教職員のための個人情報セミナー
2:15:00 大学教職員のための個人情報セミナー
4:10:00 情報セキュリティセミナー
0:30:00 情報セキュリティセミナー 通信テスト
2:00:00 大学教職員のための個人情報保護セミナー
2:15:00 大学教職員のための個人情報保護セミナー
3:00:00 教育におけるメディア活用と著作権
事務局
本学
主担
2:45:00 大学知的財産及び産学連携部門の事務職員のための知的財産セミナー 人事課
15:00
15:00
15:15
内 容
4:30:00 教育におけるメディア活用と著作権
利用時間
14:30
05−10 10/ 7
7 /22
05−2
9:00
7 /21 12:45
開始
時刻
05−1
実施日
2005年度 SCS利用実績
113
34
25
89
87
86
82
2
101
102
76
76
94
93
50
55
4
4
1
2
1
1
2
45
10
16
4
1
8
17
3
3
参加
本学
局数 参加者数
カ ジョイントサテライト・システム利用実績
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
キ デジタルライブラリ( VOD サーバ)アクセス統計
1 .月毎
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2 .時間毎
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−103−
ク 利用相談
時間毎の相談数(2005/04/01∼2006/03/31)
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曜日毎の相談数(2005/04/01∼2006/03/31)
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−104−
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関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
相談内容毎の相談数(2005/04/01∼2006/03/31)
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−105−
21
6
1月
2月
3月
9,521
8,170
7,612
8,027
8,179
9,287
8,235
4,122
9,709
9,870
7,078
4,995
5,091
4,675
5,170
5,701
5,270
1,895
5,309
6,226
5,854
7,899
738
75
17
33
27
111
78
43
16
31
55
70
182
−106−
349
161
0:00 12:29 9:37
0:01 25:21 29:09 0:01
0:01 31:30 32:24 0:01
0:01 29:06 30:12 0:04
0:02 32:02 25:36 0:01
0:01 32:30 29:31 0:01
0:03 30:59 31:36 0:01
0:01 42:53 41:49 0:01
0:23 402:28 366:02 0:24
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
合計
注)分以下は四捨五入
0:02 30:00 30:17 0:01
0:01
0:02 47:30 32:46 0:01
7月
0:00
0:00
0:00
0:00
0:00
0:00
0:00
0:00
0:00
0:00
0:00
1:43
0:08
0:13
0:06
0:03
0:03
0:14
0:05
0:04
0:05
0:03
4:13
0:35
0:15
0:11
0:16
0:10
0:54
0:15
0:07
0:13
0:14
0:23
1:27
0:06
0:06
0:04
0:04
0:04
0:10
0:05
0:01
0:04
0:06
0:24
6月
0:12
0:35
0:07
0:00
0:20
0:02 44:23 30:23 0:02
0:00
0:02 43:40 42:36 0:06
2,218
126
366
467
77
66
166
177
40
197
110
265
5月
2,977
496
300
201
127
135
261
241
187
201
190
289
4月
1,548
132
307
93
32
62
202
139
87
107
57
99
231
経済
学部
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
経済
学部
年月 総務課 人事課 財務局 管財局 事業課 法学部 文学部
計算時間(時:分)
155 101,976 65,163
10
12月
合計
6
17
11月
7
2
8月
10
21
7月
9月
20
6月
10月
25
5月
9,089
10 10,155
4月
年月 総務課 人事課 財務局 管財局 事業課 法学部 文学部
JOB処理件数
1:14
0:08
0:06
0:04
0:06
0:04
0:09
0:07
0:02
0:05
0:03
0:04
0:11
商学部
1,471
126
174
98
94
106
108
111
99
159
121
101
174
商学部
2:04
0:12
0:12
0:05
0:05
0:06
0:19
0:08
0:04
0:05
0:08
0:11
0:22
社会
学部
2,314
188
282
210
57
113
120
138
148
161
177
167
553
社会
学部
408
2,951
504
312
140
72
139
383
362
166
164
128
173
269
1,950
181
374
236
72
58
78
215
74
141
81
171
334
2,006
270
180
146
95
78
139
254
36
202
138
134
9,317
4,125
9,280
8,285
6,780
6,232
7,082
8,214
49 105,663
8 11,758
2
2
2
2
4
6 11,607
1
1
1 10,061
4
16 12,922
733
1,765
1,518
1,368
1,338
1,495
1,613
1,684
624
1,618
1,674
1,207
543 16,637
53
26
46
21
67
40
41
20
30
28
57
114
0
1:23
0:04
0:04
0:02
0:02
0:04
0:16
0:16
0:01
0:02
0:03
0:05
0:18
2:53
0:24
0:09
0:06
0:02
0:06
0:24
0:29
0:04
0:13
0:09
0:10
0:33
1:43
0:07
0:09
0:05
0:02
0:08
0:11
0:07
0:03
0:07
0:06
0:17
0:16
0:43
0:04
0:03
0:03
0:01
0:02
0:03
0:04
0:01
0:03
0:04
0:02
0:09
7:59
5:48
8,228
6,533
5,710
5,326
5,321
6,165
6,540
2,232
5,431
5,660
5,163
5,911
0:00 25:15 3:20
0:00 10:51 1:27
1:15
1:09
1:16
1:09
1:16
1:43
1:06
0:35
1:51
1:02
1:03
1:03
0:00
0:00
0:00
0:00
0:00
0:00
0:00
0:00
0:00
0:00
0:00
0:00
0:08 1033:14 2:15 131:07 0:00 304:43 43:31 14:33 0:00
0:00 156:44 0:01 14:25 0:00 28:36 5:10
0:00 83:44 0:06 15:44 0:00 24:39 3:59
0:00 60:26 0:19 14:22 0:00 22:31 3:22
0:00 58:29 0:03 13:38 0:00 21:29 3:26
0:00 65:02 0:13 11:39 0:00 25:25 3:18
0:00 96:41 0:04 10:39 0:00 27:05 3:48
0:00 107:05 0:22 10:59 0:00 28:13 4:01
4:13
0:00 67:26 0:17 10:32 0:00 27:47 3:36
0:00 25:14 0:02
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
26 393,823
1 42,087
0 33,220
0 29,498
2 27,519
0 29,499
2 34,150
0 36,689
0 14,553
1 34,516
1 36,078
0 33,506
19 42,508
65:07
0:06 2316:28
0:00 292:56
0:00 193:25
0:00 165:16
0:00 156:46
0:00 167:13
0:00 206:47
0:00 208:06
0:00
0:00 172:52
0:00 197:53
0:00 188:21
0:00 301:40
システム 記念事 高槻 教育
合 計
管理課 業募金 キャンパス 後援会
0:00 34:33 3:55
保健
管理
5,006
377
352
398
433
381
566
399
243
740
413
351
353
340
31
27
25
25
30
30
30
23
30
30
29
30
システム 記念事 高槻 教育
合 計 日 数
管理課 業募金 キャンパス 後援会
0:00 72:03 0:03 11:03 0:00 28:15 4:03
0:00 73:26 0:29
0:01 166:47 0:09
1,084
889
775
747
852
939
987
369
932
972
875
1,406
保健
管理
0 10,827 68,220
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
キャリア
総合情
法科 システム
工学部 第2部 大学院
図書館
学生部
センター
報学部
大学院 開発課
1,385
110
117
82
46
76
74
233
67
81
95
95
309
総合情
法科 システム
キャリア
工学部 第2部 大学院
図書館
学生部
報学部
大学院 開発課
センター
⑶ 事務用計算サーバの利用状況
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
4 .IT センター主催行事
(2005年 4 月∼2006年 3 月)
月/日(曜日)
講 習 名
開 催 場 所
参加者数
4 月 7 日㈭
パソコン初心者コース①
サテライトステーション 2
16
4 月 8 日㈮
パソコン基本コース①
サテライトステーション 2
5
4 月11日㈪
授業での教育用 Web サーバ利用
I T セ ン タ ー 4 階
多 目 的 会 議 室
1
4 月12日㈫
パソコン初心者コース②
サテライトステーション 2
25
4 月13日㈬
パソコン基本コース②
サテライトステーション 2
11
4 月18日㈪
パソコン初心者コース③
サテライトステーション 2
17
4 月19日㈫
パソコン基本コース③
サテライトステーション 2
6
4 月20日㈬
パソコン活用コース①
サテライトステーション 2
12
4 月22日㈮
持込パソコン LAN 利用①
4 月26日㈫
尚文館 1 階
マルチメディア施設利用①
I T セ ン タ ー 4
多 目 的 会 議
尚
文
館
1
マ ル チ メ デ ィ ア 施
4 月27日㈬
パソコン初心者コース④
サテライトステーション 2
14
4 月28日㈭
パソコン基本コース④
サテライトステーション 2
11
5 月10日㈫
研究室ネットワーク接続①
I T セ ン タ ー 4 階
多 目 的 会 議 室
1
5 月11日㈬
パソコン初心者コース⑤
サテライトステーション 2
14
5 月12日㈭
パソコン基本コース⑤
サテライトステーション 2
7
5 月13日㈮
パソコン活用コース②
サテライトステーション 2
10
5 月17日㈫
パソコン初心者コース⑥
サテライトステーション 2
3
5 月18日㈬
パソコン基本コース⑥
サテライトステーション 2
7
5 月19日㈭
パソコン活用コース③
サテライトステーション 2
7
5 月20日㈮
尚文館 1 階
マルチメディア施設利用①
尚
文
館
1
階
マ ル チ メ デ ィ ア 施 設
1
−107−
階
室
階
設
4
2
月/日(曜日)
講 習 名
開 催 場 所
参加者数
5 月23日㈪
研究室ネットワーク接続①
I T セ ン タ ー 4 階
多 目 的 会 議 室
4
5 月26日㈬
パソコン初心者コース⑦
サテライトステーション 2
1
5 月27日㈮
パソコン基本コース⑦
サテライトステーション 2
5
5 月30日㈪
パソコン活用コース④
サテライトステーション 2
2
5 月31日㈫
持込パソコン LAN 利用②
I T セ ン タ ー 4 階
多 目 的 会 議 室
0
6 月 1 日㈬
パソコン初心者コース⑧
サテライトステーション 2
1
6 月 2 日㈭
パソコン基本コース⑧
サテライトステーション 2
4
6 月 3 日㈮
パソコン活用コース⑤
サテライトステーション 2
11
6 月 7 日㈫
パソコン活用コース⑥
サテライトステーション 2
2
6 月 9 日㈭
Windows サーバ管理
I T セ ン タ ー 4 階
多 目 的 会 議 室
6
6 月14日㈫
遠隔授業システム利用
サテライトステーション 2
0
6 月16日㈭
リッチメディア作成
6 月21日㈫
ネットワークセキュリティ
6 月24日㈮
高度計算サーバ利用
6 月29日㈬
UNIX サーバ管理
9 月28日㈬
パソコン初心者コース⑨
サテライトステーション 2
0
9 月29日㈭
パソコン基本コース⑨
サテライトステーション 2
3
9 月30日㈮
パソコン活用コース⑦
サテライトステーション 2
5
合 計
251
−108−
尚
文
館
1
階
マ ル チ メ デ ィ ア AV 大 教 室
I T セ ン タ ー 4 階
多 目 的 会 議 室
I T セ ン タ ー 4 階
多 目 的 会 議 室
I T セ ン タ ー 4 階
多 目 的 会 議 室
2
10
12
9
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
5 .IT センター訪問者一覧
(2005年 4 月∼2006年 3 月)
月 日
4月
日
訪 問 者
人数
内 容
AO コミュニケータ(入試広報から)
5
施設見学
5 月12日㈭
メキシコ モレロス州自治大学
レネー・サンベーニャ学長 他
11
施設見学
5 月18日㈬
メリック日本語学校
15
施設見学
5 月27日㈮
大阪桐蔭高等学校 PTA
30
施設見学
9 月14日㈬
日韓会計学会(国際交流センターから)
5
施設見学
11月 9 日㈬
千里第 2 小学校 3 年生(総合学習の一環) 133
施設見学・サテライト実習
11月10日㈭
慰霊祭関係者(総務から)
25
施設見学
20
施設見学・紹介
6
施設見学
1 月14日㈯
3 月31日㈮
文学部 伊藤誠宏先生の引率による高校生
(本学入学予定者)
中国上海 復旦大学教授 YAN Hua
−109−
資料編
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
1 .IT センターのホームページ
IT センターの各施設の紹介・利用方法をはじめ、講習会などのお知らせや PC 利用状況な
どをホームページに公開している。また、パソコンソフトの教材や講演会などのデジタルコ
ンテンツをストリーミングサーバにより提供している。
IT センターのホームページ
−113−
2 .ソフトウェア体系
関西大学 IT センターの主要コンピュータシステムに導入しているソフトウェアの機能別
一覧を表 1 および表 2 に示す。
⑴ Solaris のソフトウェア
共有メモリ型スカラ並列コンピュータ(高度計算サーバ)FUJITSU PRIMEPOER 1500を
制御するオペレーティング・システム Solaris で利用可能なソフトウェアの機能別一覧を次
に示す。※印のあるものは、富士通㈱以外のメーカ提供のアプリケーション・プログラムで
ある。
表 1 共有メモリ型スカラ並列コンピュータソフトウェア一覧
区分
基 本 制 御
言 語 処 理
プログラム
ソフトウェア名
機能概要
OS( Solaris)
オペレーティングシステム
NQS
ネットワークキューイングシステム
PVM
メッセージパッシングライブラリ
MPI
メッセージパッシングライブラリ
JSM
日本語処理機構
Parallelnavi
ジョブ管理
X-window
X- ウインドウ
Fortran
fortran コンパイラ
アナライザ
バッチ型チューニングツール
SSL II
並列科学技術計算ライブラリ
C 言語
C スカラコンパイラ
C++
C++ プリプロセッサ
MARC ,MENTAT ※
汎用有限要素法構造解析
SAS ※
汎用統計解析
GAUSSIAN03 ※
汎用
AVS / Express ,Vislink
AVS 連携
アプリケーション
−114−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
⑵ Linux のソフトウェア
Linux サーバ FUJITSU PRIMERGY BX300を制御するオペレーティング・システム RedHat
Linux8.0で利用可能なソフトウェアの機能別一覧を次に示す。
表 2 Linux サーバ( RedHat Linux8.0)ソフトウェア一覧
区分
ソフトウェア名
機能概要
kinput2-canna-wnn6
日本語入力支援ソフト
Emacs
エディタ
nvi
多言語エディタ
GNU C
C コンパイラ
GNU C++
C++ コンパイラ
GNU Fortran
Fortran コンパイラ
Perl
簡易言語
JDK
Java ツールキット
pLaTeX
文書整形ソフト
tgif
描画ソフト
xdvi
dvi 表示ソフト
Ghostscript
PostScript 処理ソフト
gnuplot
グラフ作成ソフト
Namazu
日本語全文検索ソフト
PostgreSQL
関係データベース
基 本 ・言 語
文 章 ・画 像
そ の 他
Mozilla
StarSuite6.0
ブラウザ(システム負荷が高いので利用はご
注意ください)
Office ソフト(システム負荷が高いので利用は
ご注意ください)
−115−
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3 .IT センターネットワーク構成図
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関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
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−117−
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4 .IT センター組織図
昭和57年 4 月 1 日に「関西大学情報処理センター」が設置され、平成16年 4 月 1 日、円神
館に移転するとともに「関西大学インフォメーションテクノロジーセンター(通称 IT セン
ター)」と名称変更された。学長直属の全学的な組織として、「 IT センター委員会」がコン
ピュータシステムの管理運営に当たっている。
同委員会の構成はセンター所長、所長代理、副学長(学部教育推進担当)及び法、文、経
済、商、社会、総合情報、工の各学部から各 2 名、外国語教育研究機構(注 1 )と大学院か
ら各 1 名、学長補佐、図書館長、就職部長、先端科学技術推進機構長及び事務職員 4 名の合
計26名で構成されている。
同委員会の目的はコンピュータシステムと学内 LAN を整備して研究・教育の充実及び事
務能率の向上に資することである。同委員会は IT センターの業務を効率的に処理するため
に運営委員会を、ジョイント・サテライト事業及びマルチメディア教育研究事業を円滑に推
進するためにジョイント・サテライト及びマルチメディア教育・研究推進委員会を、業務の
自己点検及び評価を行うための自己点検・評価委員会を設置している。また、所員 5 名がシ
ステムを有効利用するために技術的援助を行っている。
なお、事務組織として、教育・研究支援とネットワーク運用を行うシステム管理課、事務
処理支援と運用を行うシステム開発課がある。
(注 1 )所長代理は各学部及び外国語教育研究機構からの委員の内 1 名が兼ねる
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−118−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
IT センター運営委員会委員
IT センター委員会委員
2005年 4 月 1 日
所 属
資 格
氏 名
所 属
ITセンター
(社)教 授 東 村 高 良
所
長
ITセンター
(総情)教授 上 島 紳 一
所 長 代 理
副
学
長
(経)教 授 加勢田 博
(学部教育推進担当)
法
学
部 教
法
学
部 専 任 講 師 石 橋 章市朗
文
学
部 教
授 雑
古
哲
夫
文
学
部 教
授 新
谷
英
治
授 松
尾
精
彦
経
済
学
部 教
経
済
学
部 助
商
学
部 教
商
学
部 助
社
会
学
部 教
社
会
学
部 助
授 岡
教
教
徹
総合情報学部 教
資 格
氏 名
ITセンター
(社)教 授 東
所
長
ITセンター
(総情)教授 上
所 長 代 理
村
高
良
島
紳
一
法
学
部 専 任 講 師 石 橋 章市朗
文
学
部 教
経
済
商
社
学
学
会
工
学
学
授 雑
古
哲
夫
部 助
教
授 松 本 茂
部 助
教
授 矢
田
勝
俊
部 助
教
授 久
本
博
行
部 助教授・所員 榎
原
博
之
授 沈 国
威
授 松 本 茂
外 国 語 教 育
教
研 究 機 構
授 廣
田
俊
郎
法
学
部 教授・所員 山
本
慶
介
授 矢
田
勝
俊
文
学
部 助教授・所員 本
村
康
哲
鐘
経
部 教授・所員 谷
田
則
幸
行
商
部 助教授・所員 徳
常
泰
之
授 王
教
2005年 4 月 1 日
授 久
耀
本
博
授 久保田 賢 一
済
学
学
総 合 企 画 室 次
長 北
田
伸
治
工
学
部 助教授・所員 榎
原
博
之
財
務
課 課
長 重
田
勝
紀
工
学
部 助
川
嘉
延
施
設
課 課
長 弥
園
利
彦
威
学
事
課 課
長 土
橋
良
一
務
長 高
道
憲
治
務
長 吉
原
健
二
課 課
長 影
山
幸
子
ITセンター 次
長 水
野
浩
二
システム管理課 課
長 山
本
良
成
システム開発課 課
長 多賀谷 勝 敏
教
外 国 語 教 育
教
研 究 機 構
大
大
学
学
総
本
務
授 梶
授 沈 国
院 ( 外 ) 教 授 高
橋
秀
彰
部 本
長 小
西
靖
洋
長 西
岡
雅
史
長
馬
寿
秀
兼
道
幸
局 局
学術情報事務局 局
部
学
長
補
佐 (総情)教授 広
図
書
館
長 (文)教 授 田 中 登
キャリアセンター
(商)教 授 羽
所
長
先端科学技術
(工)教 授 大
推 進 機 構 長
ITセンター 次
長 水
原
敬
二
場
謙
吉
野
浩
二
高槻キャンパス
事
事
務
室
キャリアセンター
事
事
務
室
運
営
システム管理課 課 長 補 佐 中
委員の辞任
法
−119−
芝
義
之
2005年 9 月30日
所 属
資 格
学
部 教授・所員 山
氏 名
本
慶
介
IT センタージョイント・サテライト及び
マルチメディア教育・研究推進委員会委員
IT センター自己点検・評価委員会委員
2005年 4 月 1 日
所 属
資 格
氏 名
ITセンター
(社)教 授 東
所
長
ITセンター
(総情)教授 上
所 長 代 理
村
高
良
島
紳
一
倉
莞
爾
法
学
部 教
授 土
文
学
部 教
授 柴
田 一
本 茂
経
済
商
社
工
学
学
会
学
学
部 助
教
授 松
部 助
教
授 長谷川 伸
部 教
学
所 属
資 格
委
員
長 (総情)教授 上
法
学
部 専 任 講 師 石 橋 章市朗
文
学
部 教
経
済
商
社
学
学
会
学
授 矢
田
勝
俊
部 助
教
授 久
本
博
行
授 松
島
恭
治
工
授 近
藤
昌
夫
外 国 語 教 育
教
研 究 機 構
院 (総情)教授 青
山
千
彰
法
裕
之
経
部
威
田
則
幸
長 北
田
伸
治
長 吉
原
健
二
ITセンター 次
長 水
野
浩
二
システム管理課 課
長 山
本
良
成
システム開発課 課
長 多賀谷 勝 敏
俊
光
総 合 企 画 室 次
ITセンター 次
長 水
野
浩
二
システム管理課 課
長 山
本
良
成
キャリアセンター
事
事
務
室
済
学
務
2005年 9 月30日
所 属
資 格
部 助
教
氏 名
授 長谷川 伸
委員の辞任
法
委員の交替
学
国
部 教授・所員 谷
木
商
授 沈 介
授 鈴
所 属
之
慶
部 教
学
博
本
工
商
原
部 教授・所員 山
授 黒
委員の辞任
授 久保田 賢 一
助 教 授・所
榎
員
総合情報学部 教
学
夫
教
総合情報学部 教
学
哲
一
部 助
彦
学
古
紳
授 松 本 茂
俊
教
授 雑
島
教
宮
部 助
氏 名
部 助
授 雨
外 国 語 教 育
教
研 究 機 構
大
2005年 4 月 1 日
2005年10月 1 日
資 格
氏 名
部 専 任 講 師 田 村 香月子
−120−
2005年 9 月30日
所 属
資 格
学
部 教授・所員 山
氏 名
本
慶
介
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
5 .IT センタースタッフ
IT センター所員
2005年 4 月 1 日
所 属
資 格
法 学 部 教
IT センター
氏 名
授 山
本
慶
介
文 学 部 助教授 本
村
康
哲
経済学部 教
授 谷
田
則
幸
商 学 部 助教授 徳
常
泰
之
工 学 部 助教授 榎
原
博
之
委員の辞任
所 属
2005年10月 1 日
資 格
法 学 部 教
2005年 4 月 1 日
授 山
氏 名
本
慶
介
役 職
次
氏 名
長 水
野
浩
二
システム管理課
役 職
課
システム開発課
氏 名
役 職
氏 名
長 山
本
良
成 課
長 多賀谷 勝 敏
課 長 補 佐 中
芝
義
之 主
任 内
藤
郁
郎
(G − 4) 稲
葉
修
造 (E − 6) 大
西
貞
行
(E − 4) 片 岡 昇 (G − 6) 鎌
田
正
彦
(G − 4)
良
裕
司 (E − 4) 夏 田 望
(E − 4) 砂
田
吉
史
(G − 4) 徳
永
賢
太 (J − 2) 小野田 高 志
(J − 3) 柿
本
昌
範
〃
千代原 正 浩
〃
拝
加
北
尾
匡
史
〃
温
〃 藤
井
泰
彦
〃
三知矢 真 希
〃 渕
上
裕
一 定時事務職員 江 口 真知子
井 淳
定時事務職員 橋
〃 本
佳
代
長 畑 比奈子
−121−
章
孝
〃 (J − 1)
井
敏
文
関西大学インフォメーションテクノロジーセンター規程
制定 昭和57年 3 月12日
(設 置)
第 1 条 本大学に、関西大学インフォメーションテクノロジーセンター(以下「センター」
という。)を置く。
(センターの目的)
第 2 条 センターは、研究、教育及び業務(学校法人の業務を含む。)に関する情報並びに
計算を電子計算機システムによって処理することにより、研究及び教育の充実並びに事務
能率の向上に資することを目的とする。
(業 務)
第 3 条 センターは、前条に規定する目的を達成するため、次の業務を行う。
⑴ 情報処理教育の技術援助
⑵ 研究及び教育における電算機利用者に対する情報並びに数値計算の電算処理
⑶ 大学及び法人の業務の電算処理
⑷ 電算システムの保守及び管理
⑸ ソフトウェアの開発、指導及び保守
⑹ 情報ネットワークの整備及び管理
⑺ ジョイント・サテライト及びマルチメディア教育研究の実施支援
⑻ その他センターの目的達成に必要な業務
(センター委員会)
第 4 条 センターの適正な管理運営を図るために、センター委員会(以下「委員会」という。)
を設ける。
(委員会の構成)
第 5 条 委員会は、次の者をもって構成する。
⑴ センター所長(以下「所長」という。)
⑵ センター所長代理(第 4 号及び第 5 号に規定する委員のうち 1 名が兼任する。以下「所
長代理」という。)
⑶ 副学長(学部・教育推進担当)
⑷ 各学部から選出された者 各 2 名
⑸ 外国語教育研究機構から選出された者 2 名
⑹ 大学院から選出された者 1 名
⑺ 事務職員 2 名
⑻ 学術情報事務局長
⑼ センター次長(以下「次長」という。)
⑽ 委員会の議を経て学長が推薦した者
−122−
関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
2 前項第 4 号から第 7 号まで及び第10号に規定する委員の任期は 2 年とする。ただし、再
任を妨げない。
3 前項の委員に欠員が生じたときは、補充しなければならない。この場合において、後任
者の任期は、前任者の残任期間とする。
4 第 1 項第 4 号から第 6 号まで及び第10号に規定する委員は、学長の推薦により、同項第
7 号に規定する委員は、理事長の推薦により、理事会が任命する。
(委員会の審議事項)
第 6 条 委員会は、次の事項を審議する。
⑴ センターの管理運営に関する基本方針
⑵ 情報及び計算処理についての基本方針
⑶ 情報ネットワークについての基本方針
⑷ ジョイント・サテライト及びマルチメディア教育研究の実施支援についての基本方針
⑸ その他センターの業務に関する重要事項
(委員会の会議)
第 7 条 委員会は、所長が招集し、議長となる。この場合において、第 9 条第 2 項に規定す
る議を経るに当たり、委員会を招集し、議長の職務を行う者がいないときは、前所長が委
員会の招集を行い、副学長(学部・教育推進担当)が議長の職務を行う。
2 委員会は、委員の過半数の出席をもって成立する。
3 委員会の議事は、出席委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長が決する。
(職 員)
第 8 条 センターに次の職員を置く。
⑴ 所長
⑵ 所長代理
⑶ 所員
⑷ 次長
⑸ 課長
⑹ 事務職員
(所 長)
第 9 条 所長は、所務を統括する。
2 所長は、学長が専任教授のうちから委員会の議を経て理事会に推薦し、理事会が任命する。
3 所長の任期は 2 年とする。ただし、再任を妨げない。
4 所長が欠けたときは、補充しなければならない。この場合において、後任者の任期は、
前任者の残任期間とする。
(所長代理)
第10条 所長代理は、所長を補佐する。
2 所長代理は、所長が第 5 条第 1 項第 4 号及び第 5 号に規定する委員のうちから、委員会
の議を経て学長に推薦し、理事会が任命する。
−123−
3 所長代理の任期は、所長の在任期間とする。
4 所長に事故あるときは、所長代理が、所長の職務を代行する。
(所 員)
第11条 所員は、所長の命をうけ、情報処理教育の技術援助、システム計画並びにソフト
ウェアの開発及び指導の職務に従事する。
2 所員は、所長が専任職員のうちから委員会の議を経て学長に推薦し、理事会が任命する。
3 所員の任期は 2 年とする。ただし、再任を妨げない。
4 特に必要ある場合には、委嘱による所員を置くことができる。委嘱による所員は、第 2
項に規定する資格を有しない者のうちから、所長が委員会の議を経て学長に推薦し、理事
会が委嘱する。
(次 長)
第12条 次長は、所長の指示に従ってセンターの事務全般を統括する。
(運営委員会)
第13条 委員会の基本方針に基づき、センターの業務を効率的に処理するため、運営委員会
を置く。
2 運営委員会は、次の者をもって構成する。
⑴ 所長
⑵ 第 5 条第 1 項第 4 号及び第 5 号に規定する委員のうちから、各学部及び外国語教育研
究機構から各 1 名( 1 名は、所長代理を兼務する。)
⑶ 所員(第11条第 4 項に規定する所員を除く。)
⑷ 次長
⑸ センターの課長
⑹ 事務職員(関連部署の事務職員を含む。)若干名
3 前項第 2 号に規定する運営委員は、委員会において選出し、同項第 6 号に規定する運営
委員は、所長が所属長の承認を得て委嘱する。
4 運営委員会は、所長が招集し、議長となる。
(ジョイント・サテライト及びマルチメディア教育・研究推進委員会)
第13条の 2 委員会の基本方針に基づき、ジョイント・サテライト事業及びマルチメディア
教育研究事業を円滑に推進するため、関西大学インフォメーションテクノロジーセンター
ジョイント・サテライト及びマルチメディア教育・研究推進委員会を置く。
2 前項に規定する委員会の構成、運営等については、別に定める。
(自己点検・評価委員会)
第14条 委員会の基本方針に基づき、センターの業務を自己点検及び評価するために関西大
学インフォメーションテクノロジーセンター自己点検・評価委員会を置く。
2 前項に規定する委員会の構成、運営等については、別に定める。
(ステーション)
第15条 センターは、研究及び教育の利用に供するため、学部、大学院等にステーションを
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関西大学 I T センターフォーラム
№ 20(2005)
設置することができる。
2 ステーションの運営に関する事項は、センターと設置学部、大学院等との協議を経て、
別に定める。
(事 務)
第16条 委員会及び運営委員会の事務は、システム管理課が行う。
(補 則)
第17条 この規程に定めるもののほか、センターの運営に関し必要な事項は、委員会の議を
経て定める。
附 則
1 この規程は、昭和57年 4 月 1 日から施行する。
2 関西大学電子計算機室規程は、廃止する。
3 当分の間、センター所員の数は第11条第 4 項による所員を含めて約10名とする。
附 則
この規程(改正)は、昭和60年 4 月 1 日から施行する。
附 則
この規程(改正)は、昭和63年 4 月 1 日から施行する。
附 則
この規程(改正)は、平成 6 年 4 月 1 日から施行する。
附 則
この規程(改正)は、平成 8 年 4 月 1 日から施行する。
附 則
この規程(改正)は、平成 9 年11月28日から施行する。
附 則
1 この規程(改正)は、平成12年 4 月 1 日から施行する。
2 第 5 条第 1 項第 5 号に規定する外国語教育研究機構選出の委員の数は、当分の間、 1 名
とする。
附 則
この規程(改正)は、平成13年 4 月 1 日から施行する。
附 則
この規程(改正)は、平成14年 4 月 1 日から施行する。
附 則
この規程(改正)は、平成15年 4 月 1 日から施行する。
附 則
この規程(改正)は、平成15年10月 1 日から施行する。
附 則
この規程(改正)は、平成16年 4 月 1 日から施行する。
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編 集 後 記
IT センターとして生まれ変わって最初の 1 年が経過した。
情報環境が少しずつ整備され、学生や教職員の生活スタイルも少しずつ様変わりしつつあ
る。WEB 成績発表に WEB 履修が稼動し、日々の教室の中の講義や演習スタイルも変わっ
た。ネットワークを遠隔地との共同研究やゼミ交流、芝生横のベンチの学生のパソコン姿、
更には、セキュリティ技術の発展のお陰でネットワークはバーチャルに拡がって、家庭でも
キャンパスネットワークと同じ環境で使えるようになりつつある。
社会においても、政府施策により具体的な IT 化が進められ、コンピュータ技術のみなら
ず映像配信技術まで著作権の範囲が拡がろうとしている。
通信と放送の融合の実現も目の前だ。10年以上前に策定された構想が目に見える形となっ
て現れ、社会の繁栄が着実にネットワークの上へ築かれつつあるように見える。信じられな
いスピードで進化する情報技術は、私達の思い描く未来の姿よりももっと先へ連れて行って
くれるに違いない。
最後になりましたが、ご多忙中のところ、本フォーラムをご執筆賜りました諸先生方、職
員の皆様方に心より御礼を申し上げます。IT センターは、「 IT に強い関西大学」の実現に向
けて快適な情報環境を提供することをセンターの使命として努力する所存でございます。今
後とも皆様方の倍旧のご支援、ご協力を賜りますことを切にお願い申し上げます。
2006年 3 月
( IT センター所長代理 上島 紳一)
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