歴史を感じさせる、 伝統と熟練の味 老舗の 愛され グルメ 各街の歴史とともに歩んできた老舗の、 肩肘はらず誰もが気軽に楽しめる ﹁愛されグルメ﹂ をご紹介。 老舗ならではの伝統と熟練の味は 何度も足を運びたくなる絶品ばかり。 年創業 戦後から変わらないという店内は、昭和の面 影を残す佇まい。1階のカウンター席では職人 が串を焼く様子を眺めながら、食事ができる。 2階の座敷席はランチ時も利用できる。 世代を超えて追求されてきた焼き鳥の味 京橋 伊勢廣本店 焼き鳥の味にとことんまでこだわった専門店。鶏肉の小売店として始まり、昭和初期 に焼き鳥屋に転業。鶏一羽を丸ごと仕入れ、店内でさばき、一切れの大きさまでこだわっ て串に刺す。火力の強いウバメガシの備長炭で焼くと旨味が凝縮され、柔らかく絶妙な 歯ごたえの焼き鳥に仕上がる。どの串もおいしいが一番の人気は「だんご」 (つくね) 。鶏 肉のおいしい部位のみを厳選してミンチ状にしてから、つなぎを一切使わずに成形した 一品だ。「焼鳥5本丼」1850円には透き通った鶏のスープとお新香が付く。 きょうばし いせひろほんてん_地下鉄銀座線京橋駅 7 番出口徒歩 3 分。11:30 ∼ 14:00 / 16:30 ∼ 21:00 (土曜は∼ 20:30) 、日・祝日休。中央区京橋 1-5-4 ☎ 03・3281・5864 0$33& 年 創業 ランチは1000円前後で、老舗の味を気軽 に楽しめる。入り口に掲げられた大江戸 料理番付には、「嶋村」の文字が中央左 側に大きく太字で書かれている。 幕末当時のレシピそのままに 再現した名物料理も 割烹 嶋村 コース料理中心の2 階席でもコースの締 めとしてラーメンを 提供(1階と営業時 間が異なる)。1階の ラーメンコーナーは、 食券制で立ち食い。 4人も入ればいっぱ いになる小ささ。 1850年(嘉永3)に『仕出しの嶋村』として創業。 江戸庶民のミシュラン的存在の「大江戸料理番付」で は「勧進元」という最高ランクに名を連ねた。土曜限 定ながら人気なのが、幕末の料理を会席料理に仕立 てた「幕末会席」4100円。鶏肉やシイタケの旨煮を 煮汁と卵とともに蒸し焼きにした「宝楽蒸し玉子」な ど当時のレシピを忠実に再現。ランチは大エビの天ぷ ら「金ぷら丼」1200円もおすすめ。 かっぽう しまむら_ JR 東京駅八重洲中央口徒歩 3 分。11:30 ∼ 14:00 / 16:30 ∼ 22:30(土曜は 16:30 ∼ 21:30) 、日・祝日休。 中央区八重洲 1-8-6 ☎ 03・3271・9963 0$33% 年 創業 オムライスが有名な洋食店の 「裏」メニューを楽しむ たいめいけん 三代続く洋食店で、名物「タンポポビーフオムライス」 2550円が有名だが、入り口から離れて店舗ビルの右側に回 れば「麺」と看板を掲げたラーメンコーナーが。ラーメンは 一杯750円。野菜のダシが利いた醤油ベースのスープに、黄 色い麺がからむ優しい味わいだ。ラーメンとともに「裏」メ ニューで知られるのがコールスローとボルシチで、どちらも 一品50円という衝撃価格だ(単品注文は不可) 。 たいめいけん_地下鉄日本橋駅 C2 出口徒歩1分。11:00 ∼ 20:30LO (1 階。日・祝日は∼ 20:00LO) 、無休。中央区日本橋 1-12-10 ☎ 03・3271・2463(1F) 0$33% 百年牛丼には赤だしの味噌 汁と香の物がつく。ランチ のすき焼きは3024円∼。客 席は2名席3卓と4名席2卓の 14席のみ。店内には浅草を 描いた錦絵が飾られている。 百余年の歴史を誇る すき焼きの名店 年 創業 浅草今半 東京駅グランルーフ店 厳選した黒毛和牛を使うすき焼き専 門店として、120年の歴史を誇る。ラン チメニューの「百年牛丼」1620円は、 浅草本店創業100周年を記念して作ら れた新名物。大きめに切られたロース 肉を割下でさっと煮込み、脂の旨味を 残して熱々のご飯の上へ。タマネギは、 肉の箸休めとしてあえてシャキシャキの 食感を残しているのだとか。本店では 20食限定だが、グランルーフ店ではラ ンチでいつも味わえる。持ち帰り用の 「百年牛丼弁当」1404円もおすすめだ。 「鯛茶漬け」単品1050円。 これにだし巻き玉子や、冷 や奴など、カウンターの小 鉢がサービスで付く。店内 はカウンター席もありひと りでも入りやすい。 あさくさいまはん_ JR 東京駅八重洲地下中央口 直結。10:00 ∼ 22:00LO(ランチは∼ 17:00) 、 無 休。千代田区丸の内 1-9-1 グランルーフ内 B1 ☎ 03・5220・2955 0$33% 年創業 とびきり新鮮な鯛を お茶漬けで味わう贅沢 築地 錦水 前身は大正時代に開業した料亭で、現在は四代目の女将 が切り盛りする。看板料理は「鯛茶漬け」。毎日築地から届 く新鮮な鯛を醤油味のタレで和え、お茶漬けにして食べる。 鮮度の良さが自慢だから「まずは刺身で召し上がってくださ い」と女将。甘辛いタレは料亭時代からのレシピで作ったも の。脂がのった刺身と絶妙にマッチしてご飯が進むと、界隈 の会社員諸氏から長年にわたり絶賛されている。 つきじ きんすい_地下鉄大手町駅 B3 出口徒歩1分。11:30 ∼ 13:45 LO / 17:00 ∼ 21:00LO、土・日・祝日休。千代田区大手町 2-2-1 新大 手町ビル B1 ☎ 03・3271・8767 0$33% 肉汁があふれ出す 重量感あるジャンボ餃子 泰興楼 一番人気のジャンボ餃子は12 cmを超える大きさ。店で一枚一枚 手作りしている皮は、外はパリッ と中はモチモチで、ひとくちほお ばれば、旨味が詰まった肉汁があ ふれ出す。創業時に初代店主が、 長年愛される名物を、と考案した 餃子で、近隣で働くサラリーマン の好みに合わせて味付けを考え、 ニンニクやきつい香辛料は入って いない。豚肉やキャベツ、白菜、ネ ギなど素材の味とシャキシャキの 食感が楽しめ、一皿でかなり満腹 になる。 たいこうろう_ JR 東京駅八重洲中央口徒 歩 3 分。11:00 ∼ 14:30LO / 17:30 ∼ 22:00LO( 土 曜 は 11:30 ∼ 15:00LO / 17:30 ∼ 21:00LO) 、日・祝日休。中央区 八重洲 1-9-7 ☎ 03・3271・9351 0$33% 写真の「ヤキギョウザ6個」のラ ンチセットは1150円。ご飯と杏 仁豆腐、ザーサイ、スープが付 く。「ヤキギョウザ4個」のセッ トは950円。1階のテーブル席は 明るく広々とした雰囲気。 板わさ、玉子焼き、焼き味 噌の「おつまみ定番三点盛 り」1029円。そば焼酎とと もに味わいたい。舟底天井 が特徴的な2階にテーブル 席、3階には座敷席がある。 年創業 年 創業 香り豊かで、切れにくいそばを 名物・カレー南蛮で堪能する 日本ばし やぶ久 創業当時から場所も変わらず、四代目が継ぐそばの 名店。昔ながらの製法を守った、喉ごしの良さが特徴 の外二そばがうまい。名物の「カレー南蛮」 (辛さふ つう)972円は、辛さを「ふつう」「辛口」「大辛」の3段 階から、具材を「豚肉とタマネギ」「鶏肉と長ネギ」の 2種類から選べる。鰹だしが香る“そば屋のカレー” ながら、スパイスのすっきりした辛さが際立つが、後 に残らない。辛口1080円、大辛1188円。 にほんばし やぶきゅう_地下鉄日本橋駅 B7 出口徒歩 1分。11:00 ∼ 15:30LO / 17:00 ∼ 22:30LO(土曜は 11:00 ∼ 15:30LO / 17:00 ∼ 21:00LO) 、日・祝日休。中央区日本橋 2-1-19 ☎ 03・3271・0829 0$33% 年 創業(丸 善) 丸善創業者に由来する 元祖ハヤシライス 0&&DI« 丸の内店 ハヤシライスは、西洋文化に親しんでいた丸善の創 業者、早矢仕有的が友人に振る舞った料理から命名 されたという。 「早矢仕ライス」は1030円。ライスを 玉子でふんわりと包みハヤシソースをかけた「早矢仕 オムライス」は1250円。丸善が舞台になった梶井基 次郎の小説にちなんだムース「檸檬」は750円。 エムシー カフェ_ JR 東 京 駅 丸 の内 北 口 徒 歩1分。9:00 ∼ 20:30LO、無休(1 月 1 日、2 月第 3 日曜を除く) 。千代田区丸の 内 1-6-4 丸の内オアゾ 4F ☎ 03・3214・1013 0$33% ピザトーストはドリンク付き セットで1250円。人気のスト ロ ベ リー パ イ( 写 真 左 )は 1050円。店内はアンティーク 調のランプや調度品に囲まれ、 シックな雰囲気。 丸の内オアゾに隣接する、丸善丸の内本 店ビル4階にあり、ガラス張りの窓からは 東京駅を発着する電車を眺められる。新 幹線も通る、絶好のビュースポットだ。 蜜たっぷりのぬれ甘なつとを まめかんやかき氷で 和カフェ あんと 新丸ビル店 名物「ぬれ甘なつと」で知られる、新宿・花園神社近く に本店を構える『花園饅頭』がプロデュースした新形態の カフェ。伊豆産天草の寒天を使った「まめかん」770円な ど、ぬれ甘なつとの製造過程でできる「釜出しぬれ甘なつ と」を使ったスイーツを供する。釜から糖蜜ごと取り出し た釜出しぬれ甘なつとは、艶やかで、とろけるような食感 が特徴。6月末頃から登場するかき氷もおすすめ。 わカフェ あんと_ JR 東京駅丸の内中央口徒歩 1 分(地下鉄東京駅 3 番出口直結) 。11:00 ∼ 20:30LO(日・祝日は∼ 19:30LO) 、無休。千 代田区丸の内 1-5-1 新丸ビル B1 ☎ 03・3218・1535 0$33% ゆったりした時間が流れる ピザトースト発祥の店 年創業 Café 紅鹿舎 今ではお馴染みになったピザトーストを初め て出した店。当初は洋食店だったが、1964年 頃、喫茶店になった。ピザトーストはその頃、 高価だったピザを気軽に味わって欲しいと オーナー夫妻が考案した。ゴーダチーズとサラ ミ、マッシュルームなど具材のボリュームに負 けないようにパンは3cmの厚みがある。 カフェ べにしか_地下鉄日比谷駅 A4 出口徒歩 1 分。 9:30 ∼ 23:45 (ピザトーストは 23:00 頃まで) 、 無休。千 代田区有楽町 1-6-8 松井ビル 1F ☎ 03・3502・0848 0$33& ﹃ 花園 饅 頭 ﹄の物販スペースでは ﹁ぬれ甘なつと﹂や季 節の和菓子 を販 売している。物販スペースの 奥のカフェは テーブル 席。 6 12 取材・文=新井 鏡子・千葉 香苗 (アドグリーン) 撮影=新井 鏡子 年 創業
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