「おやこ一冊読書展」に応募いただいた 311 点の宝本エピソードの中から,いくつか紹介い たします。 鹿児島県立図書館 企画展示「おやこ一冊読書展」 (平成 23 年 9 月 16 日~11 月 24 日)より 【エピソード】 母 真由美 子 遥・ひかる 本屋さんの絵本コーナーで見つけたときに, 「そんなことができ るのかしら?」と思いながら手に取ってみました。岩井田治行さん の優しい絵とページをめくるごとにすすむお話に,二人の娘もすぐ に夢中になり,一日に何度も「もう一回読んで!」とお願いされま した。 「どうしたら空をさわれるんだろう?」 「お家の椅子を使って 書 名 『ぼくそらを さわってみたいんだ』 みる?」 「お父さんにだっこしてもらったら?」と空に近づく方法 著者名 佐藤和貴子 作 を真剣に考えた時期もありました。また, 「出てくる動物たちの背 出版社名 ポプラ社 岩井田治行 絵 中にも乗ってみたい!」と読み返すたびに,夢が次々に浮かんでく る,家族みんなが大好きな絵本です。 (日置市) (鹿児島市) 母 さち子 息子 みつき 【エピソード】 現在小学3年生の息子が2歳くらいの頃,初めて図書館で借りた のがこの絵本でした。返却期限がせまっても,繰り返し読みたがる 息子のために,本屋さんで購入することにしました。今では,3歳 の弟のお気に入りの本になり, 「いいか,むねをはれ。そらをみる 書 名 『とべ!ちいさいプロペラき』 んだ。よし,とぶぞ。それ!」と言いながら,みんなで庭を飛び回 著者名 小風さち 作 っています。 出版社名 山本忠敬 絵 福音館書店 (喜界町) 親 息子 【エピソード】 我が家の宝本は『めっきら もっきら どおんどん』です。中3と 小5の息子が小さい頃,毎晩何度も何度も「読んで,読んで」と持 って来た本です。怖がりだった息子たちが初めて出会った,ちょっ とおっかなくて楽しめる本です。特に3匹の妖怪が出てくるところ 書 名 『めっきらもっきらどおんどん』 では,顔を覆い,指のすき間から見ていました。不思議な呪文は, 著者名 長谷川摂子 作 ふりやなな 絵 中3の息子が今でもすぐに口にできるほどです。いつまでも心に残 出版社名 福音館書店 る我が家の大切な本です。 (志布志市) 【エピソード】 母 惠美子 息子 しょうえい いっぱいのお話が大好きで,一歳になる前からよく読んであげてい ました。やっと「パパ」が言えるようになった一歳三か月頃, 『は らぺこあおむし』を読み聞かせていると,いきなり「あおぶし!!あ 書 名 『はらぺこあおむし』 著者名 エリック・カール 作 もりひさし 訳 偕成社 出版社名 我が家の宝本は, 『はらぺこあおむし』です。カラフルな絵と夢 おぶし!!」 「すごい!!」感動!!でも…。なかなか「ママ」とは言っ てくれず, 「パパ」にも「あおむし」にも負けた感じで,ちょっぴ りさみしい「ママ」でした。 (枕崎市) 【エピソード】 両親 娘 ・ 息子 まだ娘が1才をすぎて,弟も生まれず大切に育てられている時, この本を持って来てちょこんと座ると,ニコッと笑って「とけいが なりますぼんぼんぼ∼ん。 」と,何回も指さして読んでとおねだり。 私が家事で忙しいと,仕事から帰った主人が私をまねて読んであげ 書 名 『ねないこだれだ』 著者名 せなけいこ 作・絵 出版社名 福音館書店 ます。「おばけのせかいへとんでいけ。」としめくくると,もう一回 と指さし何回も読んでとおねだり,とても幸せな時期でした。あれ から 15 年。弟も生まれ,現在高1の娘はとても好奇心のある前向き な女の子に成長しました。家族の大切なきずなの一冊です。 (日置市) 【エピソード】 親 春奈 娘 玲音 お風呂に入るのを嫌がるノンタンだけど,お風呂であわぶくぶく にして楽しむお友達の姿にそわそわしだし,最後には「ぼくもあわ ぶくぶくやってみよう!。 」と苦手だったお風呂に入るのです。子 どもたちが小さい頃,汗びっしょりになって遊んでもお風呂を嫌が り,入ってくれませんでした。でも,この絵本を読んで「あわぶく 書 名 『ノンタン あわぷくぷくぷぷぷう』 著者名 キヨノサチコ 作・絵 も「あわぶくぶくやってみよう。 」と,お風呂に楽しく入ってくれ 出版社名 偕成社 ました。おふろに入りながらも「あわぶくぶく」と本の一節を唱え ぶくぶくぷぷぷぷぷう」と楽しく言葉を出していると,子どもたち ながら入って,とても楽しかった…。そんな思い出のある絵本です。 (徳之島町) 親 しんいち・あさこ 子 【エピソード】 もえは・そらき 「バムとケロシリーズ」は,どれもわが家のお気に入りですが, その中でもこの本が,子どもたちは一番好きなようです。親子のよ うで,親友のような「バム」と「ケロ」のあたたかい関係は,私た ちの心までじんわりと温めてくれます。絵を見るだけでもおもしろ いです!かわいいです!ページをめくるたびにたくさんの個性豊 かなキャラクターたちが楽しませてくれます。ちなみにわが家で 書 名 『バムとケロのおかいもの』 著者名 島田ゆか 作・絵 もたちは普段の 2 倍は楽しんでいます。その笑い声をBGMにする 出版社名 文溪堂 と,食事の後片付けも楽しいものです。 は,このシリーズの読み聞かせ役は主人です。主人が読むと,子ど (徳之島町) 【エピソード】 母 ゆかり 息子 しょうた 息子の宝本は,2歳のクリスマスに祖父母からプレゼントされた 『うしろにいるのだあれ』という本です。 「○○のうしろにいるの はだあれ。 」と読みながらページをめくろうとすると, 「○○!」と 次に出てくる動物を誰かと競争しているかのように,慌てて言って いました。今でも読んであげる時は,小さい頃と同じように,慌て 書 名 『うしろにいるのだあれ』 著者名 accototo 著 出版社名 幻冬舎 (新風舎 2003 年刊ふくだとしお作の再刊) て言ってきます。可愛い思い出も詰まった大切な一冊です。 (鹿児島市) 母 直美 息子 真優 【エピソード】 私と真優の思いでの本は,親子の大切さを伝えてくれる『ファイ ンティング・ニモ』です。本を読む前に,水族館に行くと, 「カク レクマノミ」のコーナーに行っては動かないくらい魚好きで,この 本が出たときはニコニコしながら抱えてきて,読んでとしつこいく 書 名 『ファインティング・ニモ』 らいでした。もう4年生ともなると,親に甘えてくることもなくな 著者名 斎藤妙子 作 りましたが,いまだにこの本を読むときは,ぴったりとくっついて 出版社名 講談社 離れないので,私は嬉しいです。 (枕崎市) 母 佳代 息子 颯人 【エピソード】 我が家に7年ぶりにやってきた四人目の天使,颯人。首が座る前 から,姉と母が,赤ちゃん用の本を嬉々として読み聞かせていた。 颯人本人が自分からお気に入りになった初めての本が『はらぺこあ おむし』だ。穴に指をくぐらせて, 「ぺっこぺこ!」と大はしゃぎ。 書 名 『はらぺこあおむし』 大きなあおむしもさなぎもちょうちょも,何回見ても嬉しそうだっ 著者名 エリック=カール 作 もりひさし 訳 た。今では一緒に読む機会も減ってしまったけど,このエピソード 出版社名 偕成社 を書くにあたって本棚の本を一緒に見て,二人で懐かしいねえと言 い合いながら読めたことが,また一つ宝物になった。 (鹿児島市) 【エピソード】 母 福代 娘 梨子 久しぶりに遠くにいる娘に電話をしました。 「昔,読んであげた 本の中で心に残っている本ある?」 「 『いのちのあさがお』…。 」 「え っ!」その本は,私が涙をこらえながら娘に読み聞かせた,白血病 で亡くなった男の子の本当の話でした。娘は私が読み終えた後,黙 り込み,怒ったような顔で本棚にしまいました。その様子におもし 書 名 『いのちのあさがお』 ろい話が大好きなこの子には合わなかったのかなあ…。というのが 著者名 綾野まさる 作 松本恭子 画 たんごまみこ 監修 母親としての率直な感想でした。 「お母さんがいない時,一人で何 出版社名 ハート出版 度も読んで泣いたんだよ。 」 「いじめられた時もコウスケくんとコウ スケくんのお母さんのことを考えて頑張れた。 」10 年前の娘の気持 ちが長い時を経て今,私に届きました。 (阿久根市) 【エピソード】 娘 晴菜 母 理恵 私が子どもの頃よく読んでいた『おだんごぱん』 。ボロボロにな るまで何度も何度も父や母に読み聞かせしてもらったり,自分で読 んだり,大好きな一冊でした。本屋さんで偶然 30 年ほど前と変わ らない表紙と大きさのこの本を見つけ,つい声をあげ,娘に語ると 娘も気に入り,今では親子大好きな一冊となりました。パン作りの 書 名 著者名 出版社名 『おだんごぱん』 時に「おだんごぱんみたいだね。 」と言いながらパンを作っていま ロシア民話 脇田和 絵 福音館書店 す。本当にいい絵本って,時代を超え語り継がれるものですね。 瀬田貞二 訳 (鹿児島市) 【エピソード】 息子 俊 母 かをり 宝本は, 『恐竜』!!友人の子どもが使っていた図鑑をいただいた のは2才の時。不思議な身体に興味をもったのか?するどい歯が印 象に残ったのか?毎日欠かさずこれを読み,名前を覚え,動きも実 践。肉の食べ方,走り方,そして自分で箱に入り巣を作り,真似を しているうちにお昼寝。母子ともこの繰り返しで毎日楽しみ,そし 書 名 『恐竜』 て恐竜の本,おもちゃも増え,7∼8才頃までのめり込んでいたも 著者名 長谷川善和 監修 のです。 出版社名 学研 (龍郷町) 娘 海咲 父 慶一 【エピソード】 今では小学 3 年生の娘。幼稚園の年少の頃,園での読み聞かせで 読んでもらったのがきっかけで大好きな一冊に。娘が「自分で買 う!!」と,使わずにいたお年玉をバッグに入れて一人で本屋さんへ 行き,小さな声で「はじめてのおつかい,どこにありますか?」と 書 名 『はじめてのおつかい』 店員さんへ。後ろからこっそり見ていた私。絵本の中での「ぎゅう 著者名 筒井頼子 作 にゅうください。」のあの一言。本当にかわいらしさ,一生懸命な 出版社名 福音館書店 林明子 絵 姿が伝わってきました。今でも大切に読んでいます。 (鹿児島市) 【エピソード】 母 育代 長女 彩那 小学三年生の娘と,眠る前の読み聞かせで三日間かけて読みまし た。三日間,親子で何度も何度も涙を流しました。子どもたちが,今 生きづらい世の中を生きていくためのメッセージがたくさん込めら れていました。そして,私たち大人へのメッセージも・・・。これか らも,娘が生きていく中で,何かの壁にぶつかった時,つらくて悲し 書 名 『ハッピーバースデー』 くなった時,この本に勇気づけられながら,前を向いて生きていって 著者名 青木和雄・吉富多美 作 くれるような気がします。 「生まれてきてくれてありがとう。 」 「ママ, 出版社名 金の星社 産んでくれてありがとう」と,お互いの気持ちを素直に表現する機会 を,この本が与えてくれました。これからも子どもたちへの愛を込め て,親子読書を楽しんでいきたいと思います。 (薩摩川内市) 父 慎吾 息子 敢輝 【エピソード】 我が家では,毎年夏になると,夫と息子が長袖長ズボン,長靴 という怪しげないでたちで,早朝,夜中に出かけていく。もちろ ん大きなカブトムシ,クワガタムシに出会うためだ・・・。その 時必ず息子が持っていくのが,この本である。世界中のカブトム 書 名 『カブトムシ クワガタムシ』 著者名 須田孫七 監修 出版社名 成美堂出版 シを見ながら,日本にも巨大なカブトムシがいるのではないかと いう夢を抱きながら!! (枕崎市) 【エピソード】 娘 侑生 息子 新太朗 母 京子 我が家の宝本は『きょうはなんのひ?』です。特に娘は大のお気 に入りで,3歳頃から読んで聞かせ,10 歳になる現在は,弟に読ん であげています。主人公のまみこが隠した 10 枚の手紙を,お母さ んが次々と見つけていくというストーリーですが,挿絵を見ている だけでも楽しくて,ドキドキ,ワクワクします。娘が幼稚園児の頃 書 名 『きょうはなんのひ?』 には,このお話のように自分で手紙をいくつも書いて,家じゅうの 著者名 瀬田貞二 作 林明子 絵 あちこちに隠し,それを私が見つけて回る…という遊びを何回もし 出版社名 福音館書店 たことを懐かしく思い出します。 (龍郷町) 娘 咲奈 母 由美子 【エピソード】 小学校 2 年生の娘が『おへそのあな』を読んでいるのを聞くと, 現在妊娠 8 か月のお腹の赤ちゃんが必ず“ポコポコ”と動きます。 お姉ちゃんが絵本を読んでくれるのをお腹の中で喜んで「聞いてい るよ。 」 「おへそのあなから見ているよ。 」と言っているようで,と 書 名 『おへそのあな』 著者名 長谷川義史 作 出版社名 BL出版 ても幸せな気持ちになりました。 (鹿児島市) 【エピソード】 母 千恵美 長男 瑠星 長女 瑠美 次男 光瑠 子どもたちが 2,3 才の頃でした。夜寝る前の読み聞かせ。おもちゃの片 付け,お茶碗の片付けが残っていても, 「読んで読んで。 」と何度もせがま れました。一回読み, 「ふぅ∼。 」と安心していると, 「もう一回」と。 「こ れが最後ね。 」 とぶつぶつ言いながら読むと, 「これで最後だからもう一回。 」 と。3 回目はくたびれて寝てしまったことは数えきれません。小さいやぎ 書 名 『三びきのやぎの がらがらどん』 著者名 マーシャ・ブラウン 絵 せたていじ 訳 「こんなおばけが谷底に本当にいるの?」とか, 「でんがくざしって何?」 出版社名 福音館書店 とか,最後の「 『チョキン,パチン,ストン。 』ってどういう意味?」など, から大きいやぎに替わっていく様子を,とても喜んで聞いていましたし, 毎回同じところで受けてくれていました。印象深い書き方に,親子で楽し めていた夜は,やっぱり忘れられません。これこそ宝物なのでしょうね。 今もまだ続けています。読まないと寝てくれません。さすがに 3 冊はお願 いしてはきませんけど…。2 冊はまだしょっちゅうあります。 (南九州市) 母 れみ 娘 ことみ 【エピソード】 娘が2才になる頃,毎晩読んでいた絵本。一度読んでも必ず「も ういっかい!」とおねだり。何度も何度も読みました。きいちごつ みに行ったおばあちゃんたち,山で出会った子ぐまにきいちごをわ けてあげますが,そこにお母さんぐまが…!ハラハラ,ドキドキの 書 名 『きょうはちょうどよいひより』 展開に娘も私の手を握りしめて,真剣な表情。でも最後に出てくる 著者名 こいでやすこ 作 きいちごのジャムやパイを見て,おいしそうな笑顔に すっかりボロ 出版社名 福音館書店 ボロだけど宝本です。 (鹿児島市) 母 寿香 娘 碧寿 【エピソード】 親子 2 人で参加した読み聞かせの会で出会った本です。当時1歳だ った娘は,近所に住みついているネコの親子に大変興味があり,内 容というより,ネコが出てくる本ということで気に入った様子でし た。それから何度も読み聞かせ,今は自分でも読めるようになり, 書 名 『しろねこしろちゃん』 著者名 森佐智子 作 出版社名 福音館書店 MAYA MAXX 絵 私と娘の似ていることを探しては, 「しろねこちゃんと同じ。 」と言 います。親子のつながりを感じることのできるすてきな絵本です。 (鹿児島市) 【エピソード】 母 知恵美 娘 我が家の宝本は『じゃあじゃあびりびり』です。娘に一番初め 陽菜乃 に読み聞かせをした絵本です。読んで聞かせたら,音に合わせて 手足をバタバタさせてとても喜んでいました。その反応を見て, おもしろいのかな?楽しいのかな?と分からなかったのですが, 毎日のように読み聞かせました。娘の反応を見るたび自分もうれ 書 名 『じゃあじゃあびりびり』 しくなり,何度も何度も読んで聞かせたとても大切な絵本です。 著者名 まついのりこ 作・絵 この絵本は長女の時に初めて買って,陽菜乃に,三女と読み聞か 出版社名 偕成社 せ,ぼろぼろになりましたが,とても思い出のつまった大切な絵 本です。 (鹿児島市) 【エピソード】 娘は本が大好きです。おひざに座らせてあげて本を読んであげる と, 「もう一回,もう一回。 」と本当に嬉しそうです。この『まどの 母 美雪 娘 清香 おてがみ』は,女の子のちいちゃんという子がかぜをひいてしまっ た日のお話です。娘がかぜをひいて外で遊べない時に読んであげた のがきっかけでした。ちいちゃんの気持ち,なかなか寝付けなくて おもちゃで遊んだり,ごはんが少ししか食べられなかったりすると ころなど, 「自分とおなじ…。 」と思った様子で,物語に引き込まれ 書 名 『まどのおてがみ』 ていく娘を感じました。以来,かぜをひくとこの本を持って来て読 著者名 北川チハル 文 んであげます。そして,ちいちゃんと同じようなことをして,ぐっ 出版社名 文研出版 おおしまりえ 絵 すり寝ます。そんな娘を見ていて,子どもはいつだって本の主人公 になれるんだなあ…と思いました。これからも素敵な本をたくさん 読んで,多くのことを学び取りながら“主人公”になってほしいと 思います。 (姶良市) 【エピソード】 娘 結里 母 順子 娘がまだ6か月の時にいただいた絵本で,色鮮やかで見せるたび びっくりしていました。言葉を少しずつ理解してきた頃,ライオン のページでは必ず「ガオー。」とうなっています。今では読んで! と言わんばかりに持ってきては,ニコニコしながら聞いています。 1才5か月になって,自分でページをめくりながら一生懸命私にお 書 名 著者名 出版社名 『エルマーのともだち』 話をしてくれる姿を見ると,この絵本と共に大きくなったんだと感 デビット・マッキー 文・絵 きたむらさとし 訳 BL出版 じ,おやこの「宝本」になりました。 (伊佐市) 【エピソード】 息子 ゆうき 母 偶然にも「我が家の宝本」は,息子と私が同じ本を選びました。それは, 長男,次男ともに生まれて初めて出会った絵本『いないいないばあ』 。次 さなえ 男がつかまり立ちを始めた頃,何年かぶりに開きました。長男を無我夢中 で子育てしていた頃が懐かしく思い出されます。読み方もあの時と同じ 「にゃあにゃがほらほらいないいないばあ」 (ニャ∼オ) 「くまちゃんが∼」 (ガ 書 名 『いないいないばあ』 オー) 「こんどはだれだろう∼」 (チュウチュウねずみさんでした∼) (こんどはママがい 著者名 松谷みよこ 文 瀬川康男 画 ないいないばあ)(こんどはパパがいないいないばあ)(こんどはにいちゃんがいないいないば 出版社名 童心社 あ)と( )の中のようにアレンジを加えます。それぞれがおかしい顔を して見せるので大喜びです。長男の時と同じように,日に一度は本を片手 に「読んでえ。 」とエプロンをひっぱります。 (鹿児島市) 【エピソード】 母 幸子 娘 まだ文字の読み書きができないころ。 『じのないえほん』を真ん中 由子 に,母と絵を見ながら, 「これは,なにをしているところ?」 「あれ あれ?ないてるね。どうしたんだろう?」などと会話をしていた。 お互いの体温が感じられるほどくっついてじのないえを見ながら過 ごしたひととき。おそらくそのあと,母は家事か何かで絵本と私と 『じのないえほん』 を残してその場を離れた。少しのさみしさを感じながら,しかし, ディック・ブルーナ 絵 自分で絵本のストーリーを想像していた。それはそれでいい時間だ 福音館書店 ったと思う。絵本をはさんで思い出があるというのは幸せな体験だ。 (鹿屋市) 母 たえ子 息子 りょうへい 【エピソード】 我が家の宝本は『パパ,お月さまとって!』です。ろう学校の幼 稚部の時に,初めて先生に読んでもらった本です。1回読んでもら うと,お月さまを取り出して見たくて,何度も何度も繰り返し読ん できました。そこから月の様子に興味を持ち,月を見るたびに, 「今 日はこんなみたいな形をしているよ。 」と親子で話しています。 書 名 著者名 出版社名 『パパ、お月さまとって!』 エリック=カール 作 もりひさし 訳 偕成社 (枕崎市) (日置市) 息子 よう太 母 たまえ 【エピソード】 お母さんと本屋さんに行ったときに,この本を見つけました。そ の頃は,まだ一年生で漢字が読めなかったけど,どうしても読みた くて,お母さんと一緒に謎解きをしながら,一年間かけて読みまし た。 書 名 『レイトン教授と怪人ゴッド』 著者名 日野晃博 原作 出版社名 小学館 レベルファイブ 監修 柳原慧 著 (枕崎市) 【エピソード】 母 奈緒 息子 叶都 我が家の宝本は『ちょっとだけ』です。私たちにとって初めての子ど もである息子は,妹が生まれるまでパパとママの愛情を独り占めするこ とができました。しかし,妹が生まれたことで,絵本の主人公であるな っちゃんのように「お兄ちゃん」として頑張る姿が見られるようになり ました。そんな時この本を目にし,早速家で読み聞かせを行いました。 書 名 『ちょっとだけ』 そのうち自分から「絵本読んで!」と,うれしそうに話してくれ,お兄 著者名 たきむらゆうこ 作 鈴木永子 絵 ちゃんの成長を感じる絵本となりました。今では,4歳になる妹も一人 出版社名 福音館書店 でこの本が読めるようになり, 「こはるも○○できるよ!」と言いなが ら私にこの本を読んでくれるようになりました。親子の時間を共に楽し み,子どもの成長を感じさせてくれるこの本を,次は2人目の赤ちゃん が生まれてくる私の妹に薦めてみようと思います。 (鹿児島市) 【エピソード】 私の宝本は, 『ぐりとぐら』です。幼い頃に,よく母に読んでもらっ 母 富士子 娘 幸恵 ていたからです。仕事で疲れている母に,2冊は毎日読んでもらって いたのを覚えています。1冊だけと言われても,必ず2冊の本を選び, その中に『ぐりとぐら』を持っていっていたようです。内容も分かり やすいし,絵がかわいいので気に入っていたと思います。幼い頃から 読み聞かせを行うことは,本に触れる楽しみを養えると思います。私 書 名 『ぐりとぐらの おきゃくさま』 著者名 中川李枝子 作 山脇百合子 絵 ていきたいです。親子で楽しんで,思い出の本を子どもが持てるよう 出版社名 福音館書店 にもしてあげたいと思いました。 が親になったら,母にしてもらったように,子どもに読み聞かせをし (鹿児島市) (日置市) 【エピソード】 母 加代子 息子 尚可 我が家の宝本は, 『おどる 12 人のおひめさま』です。幼稚園の年 中のとき,毎日借りてくるので,先生に注文して取り寄せてもらっ た本です。読み聞かせをしても,当時まだ年中の娘には難しく理解 できていないようでしたが,表紙やお話に描かれているやさしい絵 書 名 著者名 出版社名 『おどる 12 人の おひめさま』グリム童話 エロール・ル・カイン 絵 やがわすみこ 訳 ほるぷ出版 を見ていつもご機嫌でした。成長とともに内容も理解するようにな り,ますます好きになったようです。私もこの本を見るたび,やさ しい眼差しで本を見つめる娘を思い出します。 (枕崎市) 母 まなみ 娘 あすか 【エピソード】 我が家の宝本は, 『だいじょうぶ だいじょうぶ』です。引越し の多い我が家にとって,行く先々で不安なことだらけ…。その度に 親子でこの本を読み, 「だいじょうぶ,だいじょうぶ。 」と自分に言 い聞かせながら乗り越えてきました。今は,この本の最後のように, 著者名 『だいじょうぶ だいじょうぶ』 おじいちゃんが病気だけど,娘は繰り返しおじいちゃんに語りかけ ます。 「だいじょうぶ,だいじょうぶ。 」だいじょうぶだよ,おじい いとうひろし 作・絵 出版社名 講談社 書 名 ちゃん。 (鹿児島市) 母 ちひろ 息子 りょうや 【エピソード】 わが家の宝本は, 『とうさんおはなしして』です。 お母さんが子どものころに,すごくすきだった本で,ぼくも読ん でもらって,すきになりました。ねる前に読むと,ふしぎなゆめの 中につれていってくれそうなおはなしでワクワクします。 書 名 『とうさんおはなしして』 著者名 アーノルド・ローベル 作 出版社名 文化出版局 三木卓 訳 (枕崎市) 【エピソード】 母 睦美 子 康平・幹太 我が家の宝本は, 『三びきのこぶた』です。この本は,私の妹,息子 たちの大好きなおばちゃんの本を譲り受けたものです。弟の幹太のお 気に入りで,これまで何度読んだことでしょうか。絵を見ながら,お 話から脱線することもしばしばです。おおかみになりきって,みんな で思いっきり「フゥーッ!!」とこぶたたちのお家をふき飛ばします。 書 名 『三びきのこぶた』 なまけ者の長男,食いしんぼうの次男,しっかり者の弟と,性格の違 著者名 イギリスの昔話 平田昭吾 作 大野豊 画 いがおもしろいようで,読んであげると毎回のように笑い転げていま 出版社名 ポプラ社 す。必ず3兄弟のどのお家に住みたいか選び,いつもみんなレンガの 家を選んでいます。 (徳之島町) 【エピソード】 母 美和 長女 悠紀 次女 美悠 長男 悠太郎 10 年前,わが家にやってきた大切な絵本。ところどころ破れていた り,落書きされていたり。見た目はボロボロですが,まだまだ活躍中。 穴に落ちた子犬を救出しようと,小学 1 年生が四苦八苦するストーリー は,40 を過ぎたわたしでも引き込まれてしまう。4歳の長男は,犬が 心配ではらはらどきどき。ぎゅっとわたしに抱きつきながらも,絵本の 書 名 『ろくべえまってろよ』 著者名 灰谷健次郎 作 長新太 絵 口出しする小 3 の次女は,主人公の大阪弁を真似てみながら,登場人物 文研出版 になりきっている。そして,幼い頃から何度も何度もこの絵本を読んで 出版社名 世界から離れようとはしない。 「わたしなら別の方法で助けるのに。 」と いる長女は,中学生になり,母親の代わりに,いえ,母親よりも上手に 読み聞かせをしてくれるようになった。一冊の宝本が家族をつないでく れる至福の時間がいつまでもいつまでも続きますように。そして将来, この子たちの未来の家族の宝本になりますように。 (奄美市)
© Copyright 2024 Paperzz