当社業務に関連する環境法規制の手引き

当社業務に関連する環境法規制の手引き
1.大気汚染防止法
2.水質汚濁防止法
3.下水道法
4.悪臭防止法
5.騒音規制法
6.廃棄物の処理及び清掃に関する法律
7.毒物及び劇物取締法
8.消防法(危険物関連)
9.土壌汚染対策法
10.PRTR法(化学物質把握管理促進法)
11.労働安全衛生法
平成18年 5月16日(初版)
平成26年 7月28日(改訂)
日本パーカライジング株式会社
管理本部 環境安全部
大気汚染防止法/当社業務に関連するものを抜粋
項目
主な内容
1.目的
・工場等の事業活動に伴うばい煙、揮発性有機化合物(VOC)等の排出を
規制し、有害大気汚染物質対策の実施を推進する事により、大気の汚染
に関して国民の健康を保護すると共に生活環境を保全する。
2.適用条件
・下記の施設を設置し、ばい煙等を排出する事業所
*ばい煙:SOx・NOx・ばいじん、有害物質(カドミウム、塩化水素、弗素、
弗化水素、鉛化合物、NOx)
①ばい煙発生施設:ボイラー(伝熱面積 10m2 以上 or 燃焼能力:液体 50L/h
ガス 80m3/h 以上)
、熱処理炉・乾燥炉(火格子面積 1m2 以上 or 燃焼
能力 50L/h、変圧器容量 200KVA 以上)
*ボイラーの適用目安:油焚 1t・都市ガス焚 1.5t・LPG 焚 3.5t 以上
乾燥炉/宇都宮工場、熱処理炉/伊丹工場が適用
②VOC 発生施設:吹付塗装施設(排風機能力 10 万 m3/h 以上)
、
洗浄施設(液面面積 5m2 以上)
*適用施設なし(前橋工場塗装ブース 17,000 m3/h など)
*県条例の
上乗せ規制
愛知・福岡:ばい煙発生施設/ボイラー伝熱面積:愛知 8m2・福岡 5m2 以上
群馬:粉じん特定施設/乾式塗装ブース、新潟:トリクロロエチレン洗浄施設
茨城:ばい煙特定施設/シアン化合物を用いる金属の熱処理施設
神奈川:アンモニア、シアン化水素の排ガス規制(廃ガス洗浄塔)
3.事前届出
・ばい煙発生施設の設置及び変更時は、予め都道府県知事に届出が必要
・届出受理後 60 日以内の設置等禁止
・新たにばい煙発生施設となり現在設置している場合、30 日以内に届出
その他届出
代表者、事業場の名前の変更、30 日以内に届出
ばい煙発生施設等の廃止、譲受、30 日以内に届出
4.ばい煙量の
測定義務
・ばい煙発生施設に係るばい煙量・ばい煙濃度を測定、記録。3 年間保存
*ばい煙発生施設の測定回数と測定内容
排出量 4 万 m3/h 未満→2 回/年以上、ばい煙濃度(ばいじん、NOx)
「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律」関連事項
1.特定工場
適用条件
・対象:ばい煙発生施設を設置している工場で、排出ガス量が合計で 1 万
m3/h 以上(当社は宇都宮工場が該当)
2. 公 害 防 止 管 ・特定工場は次の者を選任し、都道府県知事へ届出なければならない。
理者等の選任
と届出
①公害防止統括者:事由から 30 日以内選任/選任から 30 日以内届出
*従業員 20 名以下の事業場は適用外
②公害防止管理者・同代理者:60 日以内選任/30 日以内届出
水質汚濁防止法/当社業務に関連するものを抜粋
項目
主な内容
1.目的
・事業場等から公共用水域に排出される水及び地下浸透水を規制すると共
に、生活排水対策の実施等により、公共用水域・地下水の汚濁防止を図
り、国民の健康保護・生活環境の保全を図る。
2.適用条件
・下記の特定施設を設置し、公共用水域に排水を排出する事業場
*特定施設:有害物質を含む汚水や水素イオン濃度など生活環境に被害を生
じる恐れのある汚水を排出する施設で政令で定めるもの。
*公共用水域:海域、河川、湖沼
・当社の特定施設と該当事業場
①無機化学工業製品製造施設の湿式集じん施設/製造工場
②金属製品製造施設の焼入れ施設、③廃ガス洗浄施設/熱処理工場
④酸又はアルカリによる表面処理施設/防錆工場、総研、技術センター
⑤電気めっき施設/伊丹工場の NCC
⑥科学技術に関する研究試験施設の洗浄施設/総研、技術センター
*実験用流し台
⑦トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン又はジクロロメタンによる洗浄施設/新潟・古河工場
3.事前届出
・特定施設の設置、構造の変更時は予め都道府県知事に届出が必要
・届出受理後 60 日以内の設置等禁止
その他届出
・新たに特定施設になり現在設置している場合、30 日以内に届出
代表者、事業場の名前の変更、30 日以内に届出
特定施設の廃止、譲受、30 日以内に届出
4. 地 下 浸 透 水 ・有害物質を含む地下浸透水を浸透させてはならない。
の浸透制限
5.排水基準
・国の一律基準
*公共用水域
①有害物質の許容限度(mg/L)
の水質汚濁に
*排水量に係らず全ての事業場に適用
係る環境基準
六価クロム:0.5、シアン:1、フッ素:海域以外 8/海域 15、ホウ素:海域以外 10/
の 10 倍を設定
海域 230、アンモニア性窒素・亜硝酸性窒素・硝酸性窒素:100 など
(アンモニア性窒素×0.4+亜硝酸性窒素+硝酸性窒素=100)
*アンモニア性窒素の係数:公共用水域に排出されたアンモニアの 40%しか硝酸性
窒素に酸化されない。
(60%はアンモニアと窒素)
②生活環境項目の許容限度(mg/L)
*排水量 50m3/日以上の事業場に適用
pH:海域以外 5.8∼8.6/海域 5.0∼9.0、全クロム:2、銅:3、亜鉛:2、
n-Hex:鉱油 5/動植物油 30、マンガン:10、鉄:10、燐:16/日間平均 8、
窒素:120/日間平均 60、COD:160/日間平均 120、
BOD:160/日間平均 120、SS:200/日間平均 150 など
*COD:化学的酸素要求量→海域、湖沼に適用
*BOD:生物化学的酸素要求量→河川に適用
6.排出水等の
測定義務
・排水を排出させる者は、汚染状態を測定し、記録する。3 年間保存
*測定は JIS 法で OK(計量証明は必要なし)
7.総量規制
・規制地域:東京湾、伊勢湾、瀬戸内海(瀬戸内海は瀬戸内法)
COD・N・P
・適 用 :排出量 50m3/日以上の事業場
・測定義務:日平均排水量 400m3 以上/排水の期間中毎日、
200∼400m3/7 日毎、100∼200m3/14 日毎、50∼100m3/30 日毎
「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律」関連事項
1.特定工場
適用条件
・対象:特定施設を設置し、公共用水域に排水を排出している工場
*研究所、技術センターは、工場ではないので対象外
*下水道を使用している工場の適用可否判断(環境省の公式見解)
下水道を使用していても雨水を公共用水域に排出する場合、雨水と言
えど排出水であり適用を受ける。雨水を含む工場の排出水の全てが下
水道に繋がっている場合は適用外。
2. 公 害 防 止 管 ・特定工場は次の者を選任し、都道府県知事へ届出なければならない。
理者等の選任 ①公害防止統括者 事由発生から 30 日以内選任 選任から 30 日以内届出
*従業員 20 名以下の事業場は適用外
と届出
②公害防止管理者/同代理者
60 日以内選任
30 日以内届出
3. 必 要 と さ れ ①水質関係公害防止管理者 1 種 排水量≧1 万 m3/日
有害物質:有り
る公害防止管 ②
1 種又は 2 種 排水量<1万 m3/日
有り
理者の種類
1 種又は 3 種 排水量≧1 万 m3/日
無し
③
④1 種又は 2 種又は 3 種又は 4 種 1 千≦排水量<1 万 m3/日
*当社事業場で必要な資格は 1 種又は 2 種
*下水道条例でも管理者選任を規定しているが資格要件はない:吹田市、平塚市など
「瀬戸内海環境保全特別措置法」関連事項
第 5 条(特定施設の設置の許可)
・適用:瀬戸内海(下水道除く)への排水量 50m3/日以上
*瀬戸内海;紀伊水道・大阪湾・播磨灘∼豊後水道・伊予灘・周防灘・響灘
・設置要件:水質汚濁防止法の要件に加えて、環境影響調査が義務付けられている。
①排水口の位置及び数、②周辺公共用水域の環境基準に係る目標、
③周辺公共用水域の水質の現況、④排水量・水質の通常値及び最大値、
⑤周辺公共用水域の水質の変化及びその予測方法
⑥その他の影響
無し
改正水質汚濁防止法の概要(平成 24 年 6 月施行)
1.目的
・地下水汚染の未然防止のための措置
2.主な改正点
①対象施設の拡大、②構造基準の順守義務、③定期点検の実施・記録保存
④既存施設の猶予期間:3 年間
3.対象施設の
・有害物質を貯蔵する施設
*生産工程に一体として組み込まれているものは特定施設として扱う
拡大
・下水道に放流している有害物質使用特定施設(都道府県知事へ未届出)
*有害物質を処理しても排水処理施設は適用しない
*事前の届出
・設置者は、施設の構造・設備・使用の方法などについて、都道府県知事
に事前に届出なければならない。*既に届出済みの特定施設は不要
4.構造基準と
・基本的な考え方として、実施可能性に配慮して 3 段階の措置を設定
A 基準:新設、B 基準:既設、C 基準:既設の 3 年間経過措置
点検基準
・構造基準とそれに対応した点検基準を組み合わせているのが特徴
*例
設備
基準
構造基準
床面
A
①漏洩防止できる材質・構造で、且つ 1 回/年以上
及び
周囲
点検基準
②漏洩を容易に確認できる構造
B
床面に直置きで点検できない場合
1 回/年以上
①漏洩検知設備の配置など
C
−
1 回/月以上
*点検は下記事項を記録し、3 年間保存
①特定施設等の名称、②点検方法及び結果、③点検結果に基づく措置、
④実施年月日、⑤実施責任者及び点検者
*Q&A
[質問1]下水道に全量を放流している研究施設の洗浄施設(特定施設)について、放流水が
検出限界未満であれば、有害物質使用特定施設に該当しないか。
⇒ 有害物質を洗浄していれば、放流水が検出限界未満であっても有害物質使用特定施
設となり届出が必要。但し、放流水の有害物質が検出限界未満の場合は、有害物質を
含む水とはならず、施設に附帯する排水溝等には構造基準は適用されない。
[質問2]既設の届出済みの有害物質使用特定施設について、届出は必要か。
⇒ 届出は不要。一方、排水の全量を下水道に放流し、公共用水域に排出していない事
業場は、水濁法による届出はされていないため届出が必要。
[質問3]有害物質使用特定施設に附帯する排水溝について、排水溝を流れる水の有害物質の
濃度が排水基準以下の場合でも構造基準が適用されるのか。
⇒ 適用される。対象となる有害物質を含む水とは、検出限界以上の水を言う。
下水道法/当社業務に関連するものを抜粋
項目
主な内容
1.目的
・流域別下水道整備総合計画の策定事項、公共下水道等の設置その他の管
理の基準等を定めて下水道の整備を図る事によって都市の健全な発達及
び公衆衛生の向上に寄与し、併せて公共用水域の水質の保全に資する。
2.適用条件
・公共下水道を使用して、下記の何れかを継続的に排出する者(重複含む)
①特定施設(水質汚濁防止法で規程)を設置した事業場からの下水
②上記以外の事業場からの下水で、政令で定める 7 項目の水質の下水
③50m3/日以上の汚水
*政令で定める 7 項目(濃度単位 mg/L)
温度 40℃以上、pH5.7 以下 8.7 以上、BOD300 以上、SS300 以上、
ヨウ素消費量 220 以上、n-Hex 鉱油 5/動植物油 30
3. 使 用 開 始 等 ・下記事項を予め公共下水道管理者に届出なければならない。
の届出
下水量、水質及び使用開始時期
*届出に係る下水の量又は水質を変更しようとする時も同様
4.事前届出
・工場等から継続して公共下水道に下水を排出する場合、特定施設の設置、
構造の変更時は予め公共下水道管理者に届出が必要
・届出受理後 60 日以内の設置等禁止
その他届出
・新たに特定施設になり現在設置している場合、30 日以内に届出
代表者、事業場の名前の変更、30 日以内に届出
特定施設の廃止、譲受、30 日以内に届出
5.排除基準
*排水量に
関係しない
・国の一律基準/33 項目の抜粋(mg/L)
Cr6+:0.5、CN:1、Cr:2、Cu:3、Zn:2、Mn:10、Fe:10、B:10
終末処理後河川へ/230 同海域へ、F:8 終末処理後河川へ/15 同海域へ
・条例で定められる最も厳しい基準(mg/L)
pH:5∼9、SS:600、n-Hex 鉱油 5/動植物油 30、窒素:240、燐:32
アンモニア性窒素・亜硝酸性窒素・硝酸性窒素:380(単純合計)
*アンモニア性窒素は終末処理場の好気処理で 100%硝酸性窒素に酸化される
・条例で定める希釈が認められない場合の基準(mg/L)
*製造業の汚水合計量が下水道施設処理量の 1/4 以上で希釈効果がない
pH:5.7∼8.7、BOD:300、SS:300、窒素:150、燐:20、
アンモニア性窒素・亜硝酸性窒素・硝酸性窒素:125(単純合計)
6.水質の測定
義務等
・特定施設の設置者は、下水の水質を測定し、記録する。5 年間保存
①温度又は pH:1 回/日、②BOD:1 回/14 日、③その他項目:1 回/7 日
*公共下水道管理者は、終末処理場の能力、排水量又は水質等を勘案し、
測定項目の測定の回数につき別の定めをすることができる。
悪臭防止法/当社業務に関連するものを抜粋
項目
主な内容
1.目的
・工場等の事業活動に伴って発生する悪臭に対して必要な規制や防止対策
を推進する事により、生活環境を保全し、国民の健康の保護に資する。
2.適用条件
・都道府県知事が指定する規制地域内の工場等で、事業活動に伴って悪臭
物質を発生させるもの。
3.定義
*規制地域:知事が悪臭を防止する必要があると認める住居が集合してい
る地域等を、悪臭原因物排出の規制地域として指定する。
*特定悪臭物質:不快な臭いの原因となり、生活環境を損なう恐れのある
22 物質。硫化水素、アンモニア、キシレン、MIBK、トルエンなど
*濃度規制:事業場における事業活動に伴って発生する特定悪臭物質の許
容限度として定める。
*臭気指数:人の嗅覚を用いた測定法で、嗅覚の正常な者 6 人以上で臭い
のする試料を何倍に薄めた時に臭いがしなくなるかを測定
し、その結果を数値化した臭いの濃さを表す指標
臭気指数=10×log(臭気濃度:何倍にしたら臭わなくなる)
臭気指数 20 とは、100 倍希釈で臭わなくなる状態
4.事前届出
・本法では施設、工場等の届出制はとっておらず、規制地域内の工場等は
自動的に規制の対象とされる。
5. 公 害 防 止 管 ・悪臭については、その発生源が多種多様で、その発生施設を明確に特定
理者等の選任
することが困難であることにより、
「特定工場における公害防止組織の整
と届出
備に関する法律」の適用除外となっている。
6.悪臭の測定
・市町村長は、規制地域における大気中の悪臭物質の濃度又は大気の臭気
指数について必要な測定を行わなければならない。
*特に工場での測定義務はないが、近隣からの苦情等問題が発生した場
合には測定等の対応が必要
7.規制基準
・知事は必要に応じ当該地域を区分し特定悪臭物質の種類毎に、下記環境
省令の基準の範囲内で、地域の実情に応じ規制基準を定める。
*濃度規制/事業場全体から漏出している場合
敷地境界線における許容濃度(ppm)
アンモニア:1∼5、キシレン:1∼5、MIBK:1∼6、トルエン:10∼60 など
*臭気指数による規制/事業場全体から漏出している場合
敷地境界線における臭気指数を 10∼21 の範囲で設定する
工業地帯等:14∼21、その他の地域:10∼15 など
騒音規制法/当社業務に関連するものを抜粋
項目
主な内容
1.目的
・事業場等における事業活動に伴って発生する相当範囲に渡る騒音につい
て必要な規制を行うこと等により、生活環境を保全し、国民の健康の保
護に資する。
2.適用条件
・指定地域内の特定施設を設置する工場等
*指定地域:知事が関係市町村の意見を聞き、指定地域を定める
*特定施設:工場等で著しい騒音を発生する施設で政令で定めた 11 種類
の一定規模以上のもの
例.
圧延機械
(22.5kw 以上)
、
機械プレス
(30 トン以上)
、
せん断機
(3.75kw
以上)
、鍛造機、空気圧縮機及び送風機(7.5kw 以上)
3.規制基準の
設定
・知事は、指定地域を定めるときは、環境大臣が定める基準の範囲内にお
いて、当該地域について区分に対応する時間及び区域の区分毎の規制基
準を定めなければならない。
国の基準(dB)
「特定工場等において発生する騒音の規制に関する基準」
区域
昼間
朝夕
夜間
該当地域
第 1 種 45-50 40-45 40-45 住居専用地域
第 2 種 50-60 45-50 40-50 住居地域、準住居地域、市街化調整区域
第 3 種 60-65 55-65 50-55 近隣商業地域、商業地域、準工業地域
第 4 種 65-70 60-70 55-65 工業地域
注)第 2∼4 種区域にある学校、病院等の敷地周囲 50m 区域内では該当値
から 5dB を減じた値とすることができる。
4.事前届出
・指定地域内の工場等に特定施設を設置あるいは変更する時は、設置工事
開始の 30 日前までに市町村長に届出が必要
その他届出
・代表者、事業場の名前を変更又は廃止した時は、30 日以内に届出
・特定施設の廃止、譲受、30 日以内に届出
5.騒音の測定
・市町村長は、指定区域について、騒音の大きさを測定するものとする。
*特に工場での測定義務はないが、近隣からの苦情等問題が発生した場
合には測定等の対応が必要
「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律」関連事項
1.特定工場
・対象:下記の騒音発生施設を設置している工場
適用条件
①機械プレス(100 トン以上のものに限る)
②鍛造機(落下部分の重量 1 トン以上のハンマーに限る)
2.必要な公害
防止管理者
・騒音・振動関係公害防止管理者
廃棄物の処理及び清掃に関する法律/当社業務に関連するものを抜粋
項目
主な内容
1.目的
・廃棄物の排出を抑制し、廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、
処分等の処理をし、また生活環境を清潔にすることにより、生活環境の
保全及び公衆衛生の向上を図る。
2.適用条件
・事業活動に伴う産業廃棄物及び一般廃棄物に対して規制を受ける。
*廃棄物とは無価物で、有価物は廃棄物ではない。
・事業者の
責務
・事業活動に伴って生じた廃棄物は、自らの責任において適正に処理しな
ければならない。委託した場合でも適正な処理が行われる迄責任がある。
・廃棄物の再生利用等により減量化に努める。
・製品、容器等が廃棄物となった時の処理の困難性について予め評価し、
製品等を開発する。
・その製品、容器等の処理の方法についての情報を提供すること等により、
その適正な処理が困難になることがないようにしなければならない。
3.廃棄物の
種類
・一般廃棄物:産業廃棄物以外の廃棄物
*当社は、⑦紙屑、⑨繊維屑、⑩動植物性残渣、⑪家畜糞尿・死体は一般廃棄物
・産業廃棄物:法と政令で定められた 20 種類の廃棄物
①燃え殻、②汚泥、③廃油、④廃酸、⑤廃アルカリ、⑥廃プラスチック類、
⑦紙屑、⑧木屑、⑨繊維屑、⑩動植物性残渣、⑪動物系固形不要物、
⑫ゴム屑、⑬金属屑、⑭ガラス・コンクリート・陶磁器屑、⑮鉱さいなど
・特別管理産業廃棄物:爆発性、毒性、感染性、有害性のある廃棄物
①引火性廃油/揮発油、灯油、軽油(引火点 70℃未満)
②廃酸/pH2 以下、③廃アルカリ/pH12.5 以上
④特定有害産業廃棄物:PCB、Cr6+、シアン、トリクロロエチレン等を基準以上含有
4.一般廃棄物
の処理
5.産業廃棄物
の処理
・市町村は、その区域内における一般廃棄物を収集し、これを運搬し、及
び処分しなければならない。
・事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならない。
・産業廃棄物の発生から最終処分終了まで、適正処理が行われるよう必要
な措置を講ずるよう努めなければならない。
・保管の基準
・事業者は、産業廃棄物を下記の技術上の基準に従い保管する。
①飛散・流出・地下浸透の防止、②周囲に囲いを設置、③見易い箇所に
掲示板/大きさ 60×60cm、表示事項/保管場所の表示・種類・管理者
の氏名又は名称及び連絡先・最大積み上げ高さ(屋外で容器使用なし)・
保管可能量
・委託の基準
・産廃物の運搬、処分の委託は、許可事業者とそれぞれ契約し、委託する。
運搬・処分許可業者、もっぱら再生利用業者(廃品回収業)など
・委託契約に含まれる事項
①記載共通事項:種類、数量、性状、荷姿、注意事項、契約有効期間、
支払金額、受託者の事業範囲、業務終了時の報告、性状変更時の伝達
方法など
②運搬の記載事項:運搬の最終目的地、積替保管場所、保管上限など
③処分の記載事項:処分又は再生の所在地、処分方法、処分処理能力、
最終処分の所在地、最終処分方法、最終処分処理能力
・契約書には、契約書の区分に応じた許可証の写し等を添付
・契約書は契約終了の日から 5 年間保存
・多量廃棄物
排出
・収集運搬車
の表示等
6.特別管理
産業廃棄物
・保管の基準
・委託の基準
・多量の産業廃棄物(1,000 トン/年以上)を生じる事業者は、減量化計画を
作成し、知事に提出し、翌年 6 月 30 日までに実施状況を報告。
期間、管理体制、抑制、分別、再生利用、処理に関する事項
・運搬車車体外側に産業廃棄物運搬車である表示と書面を備え付ける事。
・上記産業廃棄物の保管の基準に、下記が加わる。
①他のものが混入しないよう仕切りを設けるなど必要な措置
②廃油は容器に入れ密封、揮発の防止、高温にさらさない等の措置
・産廃基準の他に、予め特管産廃の種類、数量、性状、注意事項等を文書
で通知。
・特管産廃の ・特管産廃を生ずる事業場はその業務を適切に行わせるために事業場毎に
処理
特別管理産業廃棄物管理責任者を置き、帳簿を備え 5 年間保存する。
*帳簿はマニフェストの綴りで OK
・多量廃棄物 ・多量の特管産廃物(50 トン/年以上)を生ずる事業者は、特管産廃物減量化
排出
7.産業廃棄物
計画を作成し、知事に提出し、翌年 6 月 30 日までに実施状況を報告。
・産廃を生じる事業者は、引渡と同時に運搬を受託した者に対し、産廃の
管理票
種類毎、運搬先毎、管理票に産廃の種類、数量、受託者氏名又は名称、
(マニフェスト)
最終処分地などを記載し、交付する。
・管理票交付後、管理票の写しが 90 日(特管産廃は 60 日)以内に、運
搬受託者及び処分受託者から送付がない時、及び 180 日以内に最終処分
終了の管理票の写しの送付がない時、又は虚偽の記載がある管理票の写
しの送付を受けた時は、運搬、処分の状況を把握し、30 日以内に知事に
報告書を提出する。
*A 票:交付控え、B2 票:運搬終了票、D 票:処分終了票、E 票:最終
処分終了票
・排出事業者、運搬・処分受託者は、管理票又はその写しを 5 年間保存
・H20 年度からは産廃量の多少に係わらず、産業廃棄物管理票交付等状況
報告書の提出が義務付けられた。
毒物及び劇物取締法/当社業務に関連するものを抜粋
項目
主な内容
1.目的
・この法律は、毒物及び劇物について、保健衛生上の見地から必要な取締
りを行うことを目的とする。
2.適用条件
・毒物及び劇物の製造業・輸入業・販売業、業務上取扱者
・定義
*毒物:シアン化水素、シアン化ナトリウム、水銀、セレン、砒素、弗化水素など
・用語
*劇物:アンモニア 10%超、過酸化水素 6%超、重クロム酸、蓚酸 10%超、硝酸
*毒物劇物は
10%超、水酸化ナトリウム 5%超、硫酸 10%超、塩化水素 10%超など
製剤が適用で
・毒物劇物営業者:毒劇物の製造業者(製造工場、総研・技術センター)
、
産廃は適用外
輸入業者(本社)又は販売業者(営業所、総研)
*サンプル製薬・提供も製造・販売の扱いになる
・業務上取扱者(当社例)
:毒劇物を原材料として使用するなど業務上取り
扱う者で、届出業者(熱処理工場)と非届出業者(防錆工場)に分類さ
れ、それぞれに準用条項がある
*届出業者:①電気メッキ業、金属熱処理業で無機シアン化合物を扱う者、
②5t 以上タンクローリー又は 1000L 以上容器を積載して行う毒劇物運送業者
3.登録
・毒劇物製造・輸入業者は厚生大臣に、販売業者は知事に品目毎に登録
・禁止
*毒劇物は登録者でなければ、製造、輸入、販売を行ってはいけない
*業務上届出者は、事業開始 30 日以内に知事へ届出
・毒劇物取扱
・毒物劇物営業者は、毒劇物を直接扱う製造所、営業所毎に、専任の毒物
責任者の専任
劇物取扱責任者を置き、30 日以内に知事に届出。*届出業者にも適用
4.業務上取扱
・盗難防止に鍵をかける措置等
者の準用条項
・取扱所の外に飛散、漏れ、流れ出し等、施設の地下浸透を防止の措置
・誤飲防止のために通常飲食物に用いる容器を使用しない
・容器に「医薬用外」
、
「毒物」は赤地に白で、
「劇物」は白地に赤で表示
・貯蔵場所に「医薬用外」と「毒物」
、
「劇物」の表示。その他の物と隔離
・盗難又は紛失した時は直ちに警察署に届出
5.毒劇物の
・容器に毒劇物の名称、成分及びその含量、解毒剤の名称を表示
製造及び
*毒劇物を他者に販売又は譲渡する場合、譲渡記録と使用者押印が重要
販売業者
使用者押印=譲受証は販売業者が管理、代理店販売の場合は代理店
・劇毒物の性状及び取扱いに関する情報を提供しなければならない
・業務上取扱者の規制に加えて、貯蔵その他の取扱いの技術基準が重要
*貯蔵に関する構造、設備等の基準:
①充填量の検知装置、②配管の伸縮吸収、③配管の見易い箇所に毒劇物
の名称、④バルブ開閉方向の明示、⑤1 日 1 回以上の設備点検
*運搬方法(5t 以上)/交代要員・標識「毒」
・保護具・応急処置書面
消防法(危険物関連)/当社業務に関連するものを抜粋
項目
主な内容
1.目的
・火災の予防・警戒・鎮圧により、国民の生命、身体及び財産を火災から
保護すると共に火災・地震等の災害に因る被害を軽減し、安寧秩序を保
持し、社会公共の福祉の増進に資する。
2.用語の定義
*指定数量:危険物についてその危険性を勘案して政令で定める数量
類別/性質
品目(第四類のみ引火点)/代表的物質/指定数量
第一類/
第一種/亜硝酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム/50kg
酸化性固体
第二種/300kg *粒度により亜硝酸ナトリウム他も該当する
第三種/硝酸ナトリウム、重クロム酸カリウム/1,000kg
第二類/
第一種/金属粉(アルミニウム、亜鉛)
、マグネシウム/100kg
可燃性固体
第二種/鉄粉/500kg
引火性固体/固形アルコール/1,000kg
第三類/
第一種/アルカリ金属/10kg
自然発火性物質
第二種/50kg
及び禁水性物質
第三種/300kg
第四類/
特殊引火物(-20℃以下)/ジエチルエーテル/50L
引火性液体
第一石油類(21℃未満)/非水:ガソリン、トルエン、MEK/200L、
/水溶性:アセトン、ジエチルアミン/400L
アルコール類(規定なし)/エチルアルコール(C 数 3 以下の飽和 1 価)/400L
第二石油類(21∼70℃)/非水:灯油、軽油、キシレン/1,000L
/水溶性:酢酸/2,000L
第三石油類(70∼200℃)/非水:重油/2,000L
/水溶性:エチレングリコール/4,000L
第四石油類(200∼250℃)/ギヤー油、シリンダー油、タービン油/6,000L
動植物油類(250℃未満)/ヤシ油、オリーブ油、綿実油/10,000L
第五類/
第一種/ニトログリセリン/10kg
自己反応性物質
第二種/硫酸ヒドラジン/100kg
第六類/
過酸化水素、硝酸(90%以上)/300kg
酸化性液体
*指定数量の倍数計算(建屋単位で集計)
指定数量の倍数=A 貯蔵量(取扱量)÷A 指定数量+B 貯蔵量(取扱量)
÷B 指定数量+C 貯蔵量(取扱量)÷C 指定数量
取扱量:1 日の使用量
*少量危険物:指定数量の 1/5 以上∼指定数量未満
3.適用条件
・消防法に規定する危険物を指定数量以上貯蔵、又は取扱う場合
*少量危険物の貯蔵、取扱いは、市町村火災予防条例で規定
・消防法に規定する危険物を運搬する場合(量に関係ない)
4.許可及び
届出事項
・
(指定数量以上の)貯蔵所、取扱い所等の設置又は変更時は、市町村等の
許可が必要。*少量危険物は、予め消防署へ届出。
5.貯蔵、取扱い ・
(指定数量以上の)危険物の貯蔵、取扱いは、危険物施設以外の場所で行
う事はできない。*少量危険物も市町村火災予防条例で同様に規定。
・危険物の貯蔵、取扱い、施設の構造などは技術上の基準に従う。
*東京消防庁の審査基準(全国の消防署もこれに準じて指導している)
引火点が 40℃未満の少量危険物以上を貯蔵し、又は取扱う場合の電気
設備は防爆構造としなければならない。
*保有空地(指定数量の倍数/空地の幅)
屋内貯蔵所:5 以下/0m、5∼10/1m 以上、10∼20/2m 以上、
20∼50/3m 以上、50∼200/5m 以上、200 超/10m 以上
屋外タンク貯蔵所:500 以下/3m 以上、500∼1000 以下/5m 以上
6.危険物
取扱者
・
(指定数量以上の)貯蔵所・取扱所作業は危険物取扱者が自ら行うか、取
扱者の立会いが必要。*少量危険物は規定なし。
*甲種:全ての種類の危険物の取扱いと立会いができる
乙種:免状に記載されている種類の危険物の取扱いと立会いができる
丙種:ガソリン、灯油、軽油、第三・第四石油類及び動植物油類の取扱い
7.特定の
危険物施設
・危険物貯蔵所等を有する者は危険物保安監督者を選任し、市町村に届出
*保安監督者は危険物取扱者の資格者で 6 ヶ月以上の実務経験者を選任
引火点 40℃未 ・危険物製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者は、①その施設について予防
満を含む危険
規程を定め、市町村等の許可を受ける。②定期点検を実施し、記録を保
物貯蔵所等
存、③保安検査の受検(屋外タンク貯蔵所)
8.運搬
・危険物の容器、積載方法及び運搬方法は技術上の基準に従う。
表示:危険物の品名、危険等級、数量、注意事項「火気厳禁」など
*危険等級(第四類の例)危険等級Ⅰ:特殊引火物、危険等級Ⅱ:第一
石油類とアルコール類、危険等級Ⅲ:それ以外
・指定数量以上の危険物を車両で運搬する場合には、当該車両に標識を掲
げ、該当する危険物を取扱える危険物取扱者を乗車させる。
*指定数量 1/10 以上は混載禁止/四類:一類,六類×、二類,三類,五類○
9.指定可燃物
・一定数量以上集積されている場合に火災が発生すると消火活動が著しく
困難。綿花類 200kg、ぼろ及び紙くず類 1,000kg など*消防長等に届出
10. 消 防 活 動 ・圧縮アセチレンガス 40kg、無水硫酸 200kg、生石灰 500kg、
阻害物質
HCN・NaCN・HF など 30kg、NH3・HCL・H2SO4 など 200kg
土壌汚染対策法/当社業務に関連するものを抜粋
項目
主な内容
1.目的
・土壌の特定有害物質による汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染
による人の健康に係る被害の防止に関する措置を定めること等により、
土壌汚染対策の実施を図り、もって国民の健康を保護する。
2.適用条件
(1)有害物質使用特定施設(水濁法)を設置していた土地の所有者等
(2)土壌汚染による健康被害が生ずる恐れがある土地の所有者等
*H22.4.1 改正
3000m2 以上の面積の土地の形質変更をしようとする者は、工事着手 30
日前までに届出、場合により土壌調査
3.用語
・特定有害物質
六価クロム化合物、シアン化合物、四塩化炭素、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤、
フッ素及びその化合物、ホウ素及びその化合物など
・土地の形質変更
土地の形状を変更する行為全般、盛土、切土、掘削、整地及び基礎を含
む解体工事等
4. 土 壌 汚 染 状 ・有害物質使用特定施設を廃止した場合、土壌の汚染状況を環境大臣指定
況調査義務
調査機関に調査させ、その結果を都道府県知事に報告しなければならな
い。報告は、廃止した日から 120 日以内
*但し、土地が引き続き工場・事業場の用途に供されている場合など、健
康被害の恐れがない場合は、都道府県知事の確認を受けて、工場・事業
場以外の用途に転用する時まで調査を猶予できる。
・都道府県知事は、土壌汚染により人の健康被害が生ずる恐れがありそれ
が規定基準以上の場合、土地の所有者に、土壌汚染の調査・報告を命じ
ることができる。
*特定有害物質の基準(溶出量基準 mg/L 以下)
全シアン検出されないこと、六価クロム化合物 0.05、トリクロロエチレン 0.03、
フッ素 0.8、ホウ素 1
*知事の命令を受けた場合は、特定施設が操業中でも調査対象になる。
*条例による 神奈川:①特定有害物質の使用状況等の記録、②同使用地の形質変更(10m2
上乗せ規制
以上)の届出、土壌調査
滋賀:①、②に加えて、毎年、地下水の調査、
茨城:①のみ
広島:1000m2 以上の形質変更の届出、場合により土壌調査
新潟:5 年毎の土壌調査
PRTR法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)
項目
主な内容
1.目的
・特定の化学物質の環境への排出量等の把握に関する措置並びに事業者に
よる特定の化学物質の性状及び取扱いに関する情報の提供に関する措置
等を講ずることにより、事業者による化学物質の自主的な管理の改善を
促進し、環境の保全上の支障を未然に防止する。
2.適用条件
・PRTR 対象条件
(1)第一種指定化学物質(含有製品)を年間 1 トン以上取り扱う事業者
(2)特定第一種指定化学物質(含有製品)を年間 0.5 トン以上取扱う事業者
*製品質量に対する第一種指定化学物質の割合は 1%以上のものに適用
*
特定第一種指定化学物質
0.1%以上
・MSDS 対象条件
指定化学物質の含有製品を取扱う全ての事業者
*特定第一種 0.1wt%以上、第一種 1wt%以上、第二種 1wt%
3.用語の定義
・第一種指定化学物質:人や生態系への有害性があり、環境中に広く存在
する(暴露性がある)と認められる 462 物質
*揮発性炭化水素:ベンゼン、トルエン、キシレン等
*有機塩素系化合物:ダイオキシン類、クロロエタン、トリクロロエチレン、塩化ビニル等
*金属化合物:亜鉛の水溶性化合物、クロム及び 3 価クロム化合物、6 価化合
物、鉛及びその化合物、カドミウム及びその化合物、コバルト及びその化合物、
無機シアン化合物、銅水溶性塩、ニッケル化合物、ほう素及びその化合物、
マンガン及びその化合物、弗化水素及びその水溶性塩等
・特定第一種指定化学物質:第一種の中で特に有害
石綿、エチレンオキシド、カドミウム、6 価クロム、塩化ビニル、ダイオキシン類、ニッケル等
・第二種指定化学物質:第一種指定化学物質と同様の有害性があるが、暴
露性はそれより低いと見込まれる 100 物質
4.排出量等の
把握及び
届出
(PRTR)
・第一種指定化学物質等取扱事業者は、事業活動に伴う第一種指定化学物
質の排出量及び移動量を把握しなければならない。
・毎年度、前年度の第一種指定化学物質の排出量及び移動量を事業所毎に、
都道府県知事を経由して国に届け出する。
*届出は毎年度 6 月 30 日まで
5.MSDS の
提供
・指定化学物質等取扱事業者は、指定化学物質を他の事業者に譲渡する時
は、その時までに相手に対し物質情報(MSDS)を文書等で、提供しな
ければならない。
労働安全衛生法/当社業務に関連するものを抜粋
項目
主な内容
1.目的
・労働基準法と相まって、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、
責任体制の明確化、自主的活動の促進の措置等総合的な対策を推進する
ことにより職場の労働者の安全と健康の確保と快適な職場環境の形成を
促進することを目的とする。
2.事業者の
責務
・労災防止の最低基準を守るだけでなく快適な職場環境の実現と労働条件
の改善を図り、労働者の安全と健康を確保しなければならない
・機械、器具などを設計・製造・輸入・建設する者は、これらの使用によ
る労災発生の防止に資するように努める
・建設工事の注文者は請負人に対し、施行方法、工期等について、安全で
衛生的な作業の遂行を損なう恐れのある条件を附さないよう配慮する
3.労働者の
責務
・労災防止の必要事項の順守、事業者その他が実施する労災防止に関する
措置に協力する
・労働者の順守義務
有資格者以外の業務禁止、安全装置取り外し禁止、運転開始の合図、保
護具の使用、作業帽・服の着用など
4.安全衛生
管理体制
・事業場の選任者
①安全管理者、衛生管理者、安全衛生推進者、産業医、
②作業主任者:特定化学物質、有機溶剤、第 1 種圧力容器、乾燥設備、
ガス溶接、プレス機械など
*特定化学物質、有機溶剤は、試験研究除くがラインテストは対象
・建設工事の選任者(作業者数 50 人以上)
統括安全衛生責任者、元方安全衛生管理者、安全衛生責任者
委員会の設置
・安全衛生委員会
危険・健康障害の防止対策、健康の保持増進対策、労災の原因及び再発
防止対策など
5.教育
・雇入れ教育、配転教育、特別教育、職長教育
*危険又は有害な業務の特別教育:作業者の知識不足による災害防止
対象業務:研削といし取替え、プレス金型取付、アーク溶接、小型ボイラー、
5 トン未満クレーン、粉じん、産業用ロボット教示、*酸欠(準作業)
*職長教育:新任職長教育で、2006 年にリスクアセスメント講習を追加
職長:労働者を直接指導又は監督する者(作業主任者を除く)
6.就業制限
・技能講習又は資格者(事業者の責務)
5 トン以上クレーンの運転、1 トン以上玉掛け業務、1 トン以上フォークリフトの運転、
第 1 種圧力容器の整備、可燃性ガス及び酸素を用いる溶接業務
7.使用の制限
・検査証のない特定機械は使用禁止
第一種圧力容器、3 トン以上のクレーン、1 トン以上のエレベーター
8.労働衛生の
三管理
作業環境測定
・有害な業務を行う屋内作業場の作業環境測定を行い、記録する
①粉じん、②暑熱・寒冷・多湿、③騒音、④中央管理方式空調の事務所、
⑤特定化学物質、⑥有機溶剤
・測定結果を第 1∼第 3 管理区分に分類。第 3 管理区分は、直ちに、施設、
作業方法の改善措置を講じる
作業の管理
・労働者の健康に配慮し従事する作業を適切に管理する
健康診断
・労働者に対し、医師による健康診断を行う
9.計画の届出
・建築物・機械を設置、移転、変更する時は 30 日前までに労基署長に届出
*電気使用設備の定格容量の合計が 300kw 以上のものなど
①ボイラー、②第一種圧力容器、③クレーン、④エレベーター、
⑤動力プレス、⑥金属その他の鉱物の溶解炉(容量 1t 以上)
、⑦化学設備、
⑧乾燥設備(内容積 1m3 以上、燃料消費量 10L/h・1m3/h・10kw/h 以上)
⑨アセチレン溶接装置・ガス集合溶接装置(移動式を除く)
、
⑩有機溶剤の局所排気装置・プッシュプル型換気装置・全体換気装置、
⑪特定化学物質製造設備、⑫X線装置、⑬空調設備、
⑭ショットブラスト及び局所排気装置
10.法定検査= 上記届出設備の他
定期自主検査
フォークリフト、第二種圧力容器、
11 法令の周知
・安衛法及び令、規則等の要旨を周知させる
・化学物質の MSDS 等を各作業場の見易い場所に常時掲示するなど、当該
物質を取扱う労働者に周知させる
12.危険又は健 ・危険防止措置/機械設備、爆発物、電気・熱エネルギー
康障害を防止 ・健康障害防止措置/原材料、ガス、粉じんなど
するための措 ・通路、床面、階段等の保全並びに換気、採光、照明などの措置
置
・作業行動から生ずる労災防止措置/重量物運搬の腰痛症
・緊急時避難措置
・危険性又は有害性調査/設備、原材料、作業方法の新規採用又は変更
(リスクアセスメント)
建設工事関係
・元方事業者/関係請負人への危険防止の指導、協議組織設置運営、作業
間の連絡調整、作業場所巡視
・発注者/請負人に労災防止措置を講じる、特定化学設備等の改造、修理、
清掃等の作業を発注する者は危険有害性等に関する文書を交付する
*特定化学設備:危険物又は特定化学物質を製造、取扱う設備
特定化学物質障害予防規則
1.定義
・第 1 類:微量で有害/製造許可物質(≒特別管理物質)
・第 2 類:有害
物質名
対象濃度
特別管理物質
シアン化水素
1%超
フッ化水素
5%超
クロム酸
1%超
シアン化ナトリウム
5%超
マンガン及びその化合物
1%超
ニッケル化合物(粉状に限る)
1%超
◎
コバルト及びその無機化合物
1%超
◎
エチルベンゼン(塗装業務に限る)
1%超
◎
*1%以下は有機溶剤と足して 5%超
*1%以下は
◎
*特別管理物質(発がん性物質)
:製造作業記録 30 年間保存
・第 3 類:アンモニア、塩化水素、硝酸、硫酸/1%超
2.製造等に
係る措置
・第 2 類設備/発散源の密閉化、局排装置、プッシュプル排気の設置
・用後処理/除じん(第 2 類)
、排液・排ガス処理(弗化水素)
、ぼろ等処理
・漏洩の防止
腐食防止、接合部の漏洩防止、バルブの開閉方向表示、バルブの材質、供
給原材料の表示、計測装置の設置、作業規程の作成、立入禁止措置など
3.作業管理
・特定化学物質等作業主任者の選任
作業方法の決定・指揮、局排等の点検/毎月、保護具の使用状況監視
・第 2 類:洗浄設備の設置、喫煙等の禁止・表示
・特別管理物質:掲示/名称、人体作用、注意事項、保護具、
製造作業記録(30 年間保存)/作業者氏名、作業概要・期間など
4.その他
・定期自主検査:局排等、1 回/年、記録 3 年間保存
・作業環境測定/第 2 類:2 回/年、記録 3 年間保存/クロム酸 30 年間
管理濃度(mg/m3)
:クロム 0.05、マンガン 0.2、弗化水素 0.5ppm、シアン 3
・特化物健康診断/第 2 類:2 回/年、記録 5 年間保存/クロム酸 30 年間
有機溶剤中毒予防規則
1.定義
・有機溶剤:施行令、別第表 6 の 2 の物質及び 5%を超えて含有するもの
・第 1 種:クロロホルム、四塩化炭素、トリクロルエチレンなど
・第 2 種:アセトン、IPA、キシレン、トルエン、メタノール、MEK など
・第 3 種:ガソリン、石油エーテル、ミネラルスピリットなど
2.適用除外
・1 時間の消費量(g)が下記未満の場合、作業環境測定と特殊健康診断を
除く規定が適用除外となる
第 1 種=1/15×A、第 2 種=2/5×A、第 3 種=3/2×A
A:作業場気積(最大 150m3)
適用除外認定
・作業環境測定と特殊健康診断は、所轄労働基準監督署長に認定申請し、
認定されれば適用除外となる
2.設備等
・第 1 種、第 2 種の屋内作業場
発散源の密閉化、局排装置、プッシュプル排気の設置
・換気装置の性能等/排気口の高さは屋根から 1.5m 以上
3.作業管理
・有機溶剤作業主任者の選任
作業方法の決定・指揮、局排等の点検/毎月、保護具の使用状況監視、
・作業場への掲示
人体に及ぼす作用、取扱い上の注意事項、中毒の応急措置
・有機溶剤の区分の表示/第 1 種:赤、第 2 種:黄、第 3 種:青
4.その他
・定期自主検査:局排等、1 回/年、記録 3 年間保存
・作業環境測定/第 1 種、第 2 類:2 回/年、記録 3 年間保存
・有機溶剤健康診断/第 1 種、第 2 種:2 回/年、記録 5 年間保存