【発癌性物質】 発癌イニシエーションとプロモーションに関する記述の正誤に答えよ。 発癌イニシエーターとして働く化学発癌物質は、全て発癌プロモーター作用を示す。 (90 回) ⇒×:発癌イニシエーターの全てが発がんプロモーターとは限らない 2 クロトン油成分中のホルボールエステルは、発癌プロモーター作用をもつ。 ( 90 回) ⇒○ 1 癌遺伝子と癌抑制遺伝子に関する記述の正誤に答えよ。 H-ras は、GTP 結合タンパク質をコードする癌遺伝子である。( 94 回) ⇒○ 2 p53 は、細胞周期抑制等に関わる因子をコードする癌抑制遺伝子である。(94 回) ⇒○ 3 RB は、ヒト網膜芽細胞腫から同定された癌遺伝子である。(94 回) ⇒×:癌抑制遺伝子 4 erbB は、細胞質チロシンキナーゼをコードする癌抑制遺伝子である。( 94 回) ⇒×:癌遺伝子 1 5 癌抑制遺伝子はどれか。1つ選べ。(97 回) 1 src 2 fos 3 kit 4 H-ras 5 p53 発癌のリスクに関する記述の正誤に答えよ。 身体活動は、胃癌のリスクを下げる。(96 回) ⇒× 2 飲酒は、肺癌のリスクを上げる。(96 回) ⇒× 3 肥満は、大腸癌のリスクを上げる。(96 回) ⇒○ 4 ヒトパぺローマウイルスの感染は、子宮頸癌のリスクを上げる。(96 回) ⇒○ 1 -7- 発癌性物質などの代謝活性化に関する記述の正誤に答えよ。 ベンゾ[ a ]ピレンは日常的な食事からは摂取されない。(90 回) ⇒×:くん製食品など、日常的な食事からの摂取もある 2 ベ ン ゾ [ a ]ピ レ ン の 代 謝 活 性 化 の 過 程 に は 、 エ ポ キ シ ド ヒ ド ロ ラ ー ゼ が 関 与 す る 。 (86 回) ⇒○ 3 ベンゾ[ a ]ピレンの代謝的活性化には、シトクロム P450 が関与する。(93 回) ⇒○ 4 ベンゾ[ a ]ピレンの発がん性の本体は、エポキシドである。(87 回) ⇒○ 5 肉や魚の焼けこげ中には、変異原性を示すヘテロサイクリックアミンが存在する。 (91 回) ⇒○ 6 加熱食品に見いだされるヘテロサイクリックアミンは、N -水酸化反応とそれに続く O-アシル化反応によって代謝活性化される。(87 回) ⇒○ 7 2-アミノフルオレンは、ニトレニウムイオンに変換されて発癌性を示す。(88 回) ⇒○ 8 ジメチルニトロソアミンは海産魚類に多く含まれる。(90 回) ⇒×:ジメチルニトロソアミンは生体内(2 級アミン+亜硝酸)で生成される 9 ジメチルニトロソアミンは、DNA をアルキル化する直接発がん物質である。 (87 回) ⇒×:間接(2 次)発がん物質 10 ジメチルニトロソアミンは、シトクロム P450 で代謝的に活性化され、発癌性を示 す。(92 回) ⇒○ 11 ジメチルニトロソアミンは、生体内でメチルカチオンを生成し、メチルカチオンが DNA に結合する。(89 回) ⇒○ 12 トリクロロエチレンは、代謝を受けずに DNA 塩基を修飾する一次発がん物質であ る。(86 回) ⇒×:生体内で代謝活性化される。二次発がん物質 13 2-ナフチルアミンは、代謝的活性化を受けて、発癌イニシエーターとなる。 ( 90 回) ⇒○ 14 アフラトキシン B 1 は、β-グルコシダーゼで代謝的に活性化され、発癌性を示す。 (92 回) ⇒×:P450 で代謝活性化される(エポキシ化) 1 -8- 【重金属による食品汚染】 化学物質(重金属など)による食品汚染に関する記述の正誤に答えよ。 環境中に存在する有機水銀は、主としてメチル水銀である 。(88 回) ⇒○ 2 環境中には、無機水銀を有機水銀に変換する微生物が存在する 。(88 回) ⇒○ 3 無機水銀は環境中の微生物の働きによりメチル水銀となる 。(89 回) ⇒○ 4 無機水銀のメチル化では、メチルコバラミンがメチル基の供与体となる 。(84 回) ⇒○ 5 生体内に取り込まれた水銀(Ⅱ)イオンは、主にメタロチオネインと結合して臓器 に蓄積する。(96 回) ⇒○ 6 水銀蒸気の吸入によって、手指の震えなどの神経症状が現われる 。(90 回) ⇒○ 7 メチル水銀は、中枢神経障害を起こす。(84 回) ⇒○ 8 メチル水銀による中枢神経障害は、わが国では水俣地区のみで発生した。(88 回) ⇒×:新潟県での発症もある 9 メチル水銀は、魚介類よりも陸生動物中に高濃度に蓄積している。(88 回) ⇒×:陸生動物よりも魚介類の方が高濃度に蓄積している 10 マグロ魚肉中には、無機水銀がメチル水銀よりも多く含まれる。(91 回) ⇒×:メチル水銀が無機水銀よりも多く含まれる 11 メチル水銀と比較するとフェニル水銀は、動物体内で無機水銀に分解され にくい。 (84 回) ⇒×:フェニル水銀は、動物体内で容易に無機化される 12 頭髪は、水銀やヒ素の排泄経路の一つである。(84 回) ⇒○ 13 無機水銀化合物は、生体内でメチル化後、排泄される。(85 回) ⇒×:生体内でメチル化後、排泄されるのは無機ヒ素化合物である 14 毛髪中水銀含量は、食品を介した水銀ばく露の指標となる 。(87 回) ⇒○ 15 メタロチオネインの構成アミノ酸のうち、約 1/3 を占めるのはどれか。 1つ選べ。(97 回) 1 グリシン 2 メチオニン 3 トリプトファン 4 システイン 5 アルギニン 1 -9- 16 カドミウムは、主に乳製品から摂取される。(91 回) ⇒×:穀類(米) 17 カドミウムのヒトにおける主要な曝露源は、 魚介類である。(94 回) ⇒×:穀類(米) 18 カドミウムのヒトにおける主要な摂取源は魚介類である。(89 回) ⇒×:穀類(米) 19 米については、カドミウムの安全基準値が定められている 。(86 回) ⇒○ 20 カドミウムは生物学的半減期が長いため、一般的にヒトの組織中濃度は若年者より も中・高年者の方が高い。(89、94 回) ⇒○ 21 カドミウムの慢性中毒による主症状は、 肺線維症である。(89、94 回) ⇒×:腎性骨軟化症(腎障害) 22 カドミウムは近位尿細管細胞に蓄積して、腎障害を起こす 。(84、88 回) ⇒○ 23 カドミウム塩は、肝臓や腎臓でメタロチオネインの合成を誘導する 。(85 回) ⇒○ 24 カドミウムが金属結合タンパク質メタロチオネインと結合すると、その毒性は軽減 される。(89、94 回) ⇒○ 25 毛髪中のカドミウムは、カドミウム汚染や慢性暴露の指標として広く利用されてい る。(96 回) ⇒×:毛髪中に排泄されるのは、水銀、ヒ素化合物 26 無機鉛による貧血は、グロビンタンパク質の合成阻害による。(90 回) ⇒×:ヘム合成阻害(ポルフィリン代謝異常) 27 鉛は、ヘム合成を阻害して貧血を起こすことがある。(89 回) ⇒○ 28 鉛中毒時には、血中及び尿中δ-アミノレブリン酸濃度が上昇する。(96 回) ⇒○ 29 生体内で鉛は、効率よくメチル化される。(84 回) ⇒×:生体内で効率よくメチル化されるのは、無機ヒ素化合物 30 無機鉛化合物は、還元されて呼気中に排泄される。(85 回) ⇒×:糞便中に排泄される 31 四エチル鉛は揮発性が高く脂溶性で、主に気道や皮膚から吸収される。 ⇒○ 32 クロムは、6 価に比べて 3 価の方が毒性が強い。(86 回) ⇒×:クロムの毒性;6 価>3 価 33 ヒ素は、元素の周期律表におけるリンの同族体である。(87 回) ⇒○ 34 無機ヒ素の急性毒性は、3 価より 5 価の方が強い。(87 回) ⇒×:無機ヒ素の毒性;3 価>5 価 35 ヒ素(Ⅲ)の毒性は、ヒ素(Ⅴ)の毒性よりも強い。(96 回) ⇒○ 36 ヒ素の代表的な慢性中毒症状として、骨軟化症が知られている。(96 回) ⇒×:皮膚炎、黒皮症 - 10 - 37 無機ヒ素は、皮膚に色素沈着を引き起こす。(90 回) ⇒○ 38 1955 年のヒ素ミルク中毒事件は、食品添加物公定書制定のきっかけの 1 つとなった。 (87、96 回) ⇒○ 39 ヒ素化合物が多く含まれている食品として、ヒジキがあげられる。(87 回) ⇒○ 40 海藻やエビに含まれる有機ヒ素化合物は、無機ヒ素化合物に比べて毒性が弱い 。 (86、89 回) ⇒○ 41 無機ヒ素がメチル化されると、毒性が高まる。(84 回) ⇒×:無機ヒ素はメチル化され、有機ヒ素になると毒性は減弱される 42 無機ヒ素化合物は、ヒト体内でアルセノベタインに変換される。(85 回) ⇒×:メチルアルソン酸、ジメチルアルシン酸に変換される 43 メチル化は、無機ヒ素の体内での主要な代謝経路の1つである。(87 回) ⇒○ 44 ヒ素の急性中毒には、デフェロキサミンを解毒に用いる。(96 回) ⇒×:ヒ素の急性中毒には、ジメルカプロールを用いる 45 かん詰めなどのメッキ容器からのスズの溶出は、硝酸イオンが共存すると 抑制され る。(89 回) ⇒×:促進 46 トリブチルスズクロリドは巻貝に蓄積すると、雄の雌性化を起こすことが知られて いる。(89 回) ⇒×:雌の雄性化 47 下記の化学式で示す内分泌撹乱が疑われている化学物質に関する記述の aabcdefgh に入れるべき字句の正しい組合せはどれか。 (C 4 H 9 ) 3 SnCl この化合物は 、aabcafgha に用いら れてきた が 、巻貝に蓄積 すると、 aabcbfgha を起こすことがある。 a 1 2 3 4 5 6 船底塗料 プラスチック可塑剤 ポリカーボネート樹脂原料 船底塗料 プラスチック可塑剤 ポリカーボネート樹脂原料 - 11 - b 雌の雄性化 雌の雄性化 雌の雄性化 雄の雌性化 雄の雌性化 雄の雌性化 【農薬】 有機塩素系化合物に関する記述の正誤に答えよ。 PCB による中毒には、閾値がない。(88 回) ⇒×:ある 2 「油症」の原因となった食用油中には、PCB に加え、それより毒性の強いポリ塩化 ジベンゾフランも含まれていた。(90 回) ⇒○ 3 「油症」は、食用油に誤って混入したカドミウムの摂取によって引き起こされたと 考えられている。(87 回) ⇒×:PCB 及び PCDF 1 ダイオキシン類に関する記述の正誤に答えよ。 ダイオキシン類とは、PCDD(ポリ塩化ジベンゾ- p -ジオキシン)、PCDF(ポリ塩 化ジベンゾフラン)、コプラナーPCB 及び DDT をさす。(86 回) ⇒×:DDT は対象外 2 コプラナーPCB は、ダイオキシン類の 1 つである。(88 回) ⇒○ 3 コプラナーPCB は、他の PCB に比べて毒性が弱い。(84 回) ⇒×:強い 4 PCDD(polychlorinated dibenzo-p-dioxin)のうち、8 塩化物の毒性が最も強い。 (84 回) ⇒×:4塩化物 5 ダイオキシン類には催奇形性があるが、発癌性はない。(89 回) ⇒×:発癌性も有する 6 ダイオキシン類は、ごみ燃焼施設の燃焼過程で生成しやすい。(86 回) ⇒○ 7 ゴミ焼却施設では、ダイオキシン類の発生を抑制するために燃焼温度を 700℃以下 に保っている。(89 回) ⇒×:800℃以上で燃焼する 8 ダイオキシン類のヒトへの曝露は、食物経由によるものが主である 。(91 回) ⇒○ 9 わが国では、ダイオキシン類は畜産食品からの摂取が最も多い。(86 回) ⇒×:魚介類 10 ダイオキシン類の毒性は、最も毒性の強い 2,3,7,8-TCDD(四塩化ジベンゾ- p -ジオ キシン)の量に換算して表す。(86 回) ⇒○ 11 ダイオキシン類の毒性を評価するために、毒性等価係数(TEF)が用いられる。 (89 回) ⇒○ 1 - 12 - 12 「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」(平成 21 年改正)に 関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。(97 回) 1 2 3 4 5 対象となる化学物質の中には、環境中で分解されやすいものも含まれる。 ポリ塩化ジベンゾ- p -ジオキシン(PCDD)は、第一種特定化学物質に指定され ている。 監視化学物質の設定は、化学物質の環境への放出量を把握することを目的として いる。 第二種特定化学物質は、高蓄積性を有し、ヒトへの長期毒性又は高次捕食動物へ の毒性を有する。 優先的に安全性評価を行う必要がある化学物質として、優先評価化学物質が設定 されている。 農薬に関する記述の正誤に答えよ。 パラコートは、現在わが国において中毒事故が多い有機リン系の除草剤である。 (90 回) ⇒×:ビピリジニウム系 2 パラコートは肺障害を起こす。(92 回) ⇒○ 3 パラコート中毒では、酸素吸入処置が有効である。(87 回) ⇒×:急性中毒時の酸素吸入では症状が悪化することがある 4 パラチオンは急性の肝障害を起こす。(92 回) ⇒×:コリンエステラーゼ阻害 5 有機リン系農薬は、一般に動物体内で加水分解されて毒性が増強する。(84 回) ⇒×:P450 により脱硫反応(酸化反応)を受けて代謝活性化され毒性が増強する 6 マラチオンは、動物体内でカルボキシエステラーゼによって分解される。( 84 回) ⇒○ 7 マラチオンは、昆虫体内で代謝により活性化されて、コリンエステラーゼ阻害作用 を発現する。(90 回) ⇒○ 8 2-PAM(2-pyridine aldoxime methiodide)は、有機リン系殺虫剤の解毒に用いら れる。(84 回) ⇒○ 9 2-PAM(2-ピリジンアルドキシムメチオダイド)は、アセチルコリンエステラーゼ と結合した有機リン系殺虫剤の遊離を促進し、解毒作用を発揮する 。(87 回) ⇒○ 10 カルバリル(カルバメート系農薬)は、 アセチルコリンの分解を促進する。 (84、88 回) ⇒×:コリンエステラーゼ阻害 11 BHC(HCH:hexachlorocyclohexane)の異性体のうち、β体は哺乳動物の体内で は代謝排泄を受けにくいので、蓄積性が最も高い。(84 回) ⇒○ 12 トリクロロ酢酸は、殺鼠剤として使用される。(88 回) ⇒×:除草剤 1 - 13 - 13 食 品 に お け る 農 薬 の 残 留 基 準 に 関 す る 記 述 の 0 0 0 に 入 れ る べ き 語 句 の 正 し い 組 合せはどれか。1つ選べ。(97 回) 食品衛生法の改正により、食品中の残留農薬については、 0a0 制度が施行され た。多くの農薬について食品中の残留基準が定められ、残留基準のない農薬等につ いては、食品衛生法に基づき「人の健康を損なうおそれのない量」として一律基準、 0b0 ppm が設定された。 1 2 3 4 5 6 a ネガティブリスト ネガティブリスト ネガティブリスト ポジティブリスト ポジティブリスト ポジティブリスト b 0.01 0.1 1 0.01 0.1 1 - 14 -
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