高圧水素の燃焼実験 および数値解析

福岡水素エネルギー戦略会議 研究分科会
高圧水素の燃焼実験
および数値解析
2009年7月10日
武野計二
三菱重工業株式会社 高砂研究所
流動・燃焼研究室
1
水素の燃焼における特徴
・水素は化石燃料や自然エネルギを変換して製造
・気体水素の単位体積当たりのエネルギ密度が小さい
(メタンの1/3,プロパンの1/8以下)
⇒ 貯蔵には高圧化や液化
(40MPa以上の高圧 or 20Kの保温)
・気体の中で最小の密度と最大の拡散速度を持ち,漏洩
しやすい
・爆発範囲,特にrich限界が75%と広い。最小着火エネル
ギ∼0.2mJ。爆轟に遷移し易い気体
2
3
4
発表内容
高圧水素の噴出における着火時の影響
・高圧拡散火炎・・・スケール,保炎
・水素/Air予混合気の爆発
安全対策事例
5
概 要
○分散利用の典型である水素供給ステーションでは現在,
高圧の気体水素による貯蔵・供給が検討
○ 40∼70MPa程度での貯蔵を計画
← 体積当たりの発熱量がメタンの約1/3,プロパンの約1/8
○高圧水素の漏洩(噴出)は安全性評価における不具合想定
として必須の現象
周囲空気と拡散混合して予混合気が形成された後に着火 ⇒ 爆発
即座に着火した場合 ⇒ 拡散火炎として燃焼
# 溶接欠陥やき裂を想定したピンホール(∼1mm),破断を想定した
破孔(∼10mm)からの噴出・着火実験
# 燃焼状態(火炎形状,スケール),周囲への影響度(火炎温度,輻射熱)
6
高圧水素噴出・着火(拡散火炎)実験状況
10mmφ 40→1MPa
同左 6m位置に3mH×6mWの壁有り
28MPa ⇒ 20m(長さ)
28MPa ⇒ 4.5(縦)×15(横)m
7
3.6m
21m
燃焼状況(d=10mm,P=28MPa)
(Naによる炎色反応で着色)
8
1380mm
丸形 (○)
(直径 0.53mm)
正三角形 (△)
(一辺 0.7mm)
スリット形 ( )
(幅 0.2×縦 1mm)
前面から
横方向から
燃焼状況(d=0.53mm)及びノズル断面形状の影響
(Naによる炎色反応で着色)
9
形成された火炎
ノズル開口
拡散方向
(m2/s)
三角形開口ノズル(一辺0.7mm)から水素噴出時の乱流拡散係数分布
(P=40MPa,ノズル開口面から大気側へ0.1mm位置の断面)
10
10000
100
10
1
0.01
0.1
1
10
100
Lf/d
着火点距離 Lig (mm)
1000
噴出圧力 P (MPa)
1000
:d=0.32mm
10000
火炎長 Lf (mm)
:d=0.53mm
:d=1.17mm
:d=2mm
1000
411.2・P0.455
:d=5mm
100
:d=10mm
10
0.01
100
0.1
1
10
100
1
10
100
噴出圧力 P (MPa)
噴出圧力 P (MPa)
最大火炎幅 rfmax (mm)
10000
L f / d = 411.2 ⋅ P 0.455
1000
rf max / d = 73.9 ⋅ P 0.521
100
10
0.01
0.1
1
10
噴出圧力 P (MPa)
100
火炎形状計測結果例(丸形ノズル,d=1.17mm)
M=
Po A
RTo
⎛ 2 ⎞
⎟
+
κ
1
⎝
⎠
κ⎜
P : [ MPa ]
κ +1
2 (κ −1)
11
火炎長 Lf (mm)
100000
10000
噴出口径
(mm)
16700・M0.5
1000
10.0
2.0
0.53
100
0.0001
0.001
0.01
0.1
流量 M (kg/s)
1
5.0
1.17
0.32
10
噴出流量と火炎スケールの関係
12
自由噴流拡散火炎の理論
m fc = m fc 0 exp( −
4D
x)
2
ur F
4D
−(
) x F = ln ξ
2
ur F
(消炎限界H 分率)
2
2
rB
xF ∝ u
D
DT = lT u ' ∝ rB u
rF
mfc0
mfc
x F ∝ rB
(拡散火炎長∝ノズル孔径)
rB
x
xF
13
×105
Barrel Shock
Mach Disk
5mm
9
×105
7
5
3
1
静圧 (Pa)
-1
2500
2000
1500
1000
500
0
流速 (m/s)
Lig=31.5mm
火炎基部のシュリーレン写真像
(d=1mm,P=1MPa)
JET BOUNDARY
マッハ数 (−)
BARREL SHOCK
Mach Disc
P0
D
P∞
xs
X
温度 (K)
3
2.5
2
1.5
1
0.5
0
320
280
240
200
160
120
80
-5
0
5
10 15 20 25 30
ノズル先端からの距離(mm)
14
水素噴出時(P=1MPa,d=1mm)のノズル近傍の流体力学的構造
100
亜音速領域では
乱流拡散火炎のスケール(L)はdに比例
流量(M)はノズル断面積(A)に比例
↓
Pressure (P) (MPa)
10
Blow-off
Stabilized
1
0.1
L ∝ d ∝ A0.5 ∝ M 0.5
0.01
0
0.5
1
1.5
Nozzle diameter (d) (mm)
流速過大によるBlow-off
流量的制限によるBlow-off
[乱流火炎の局所的消炎・・・]
ここでの保炎の定義:
火炎等の確実な着火源を噴流に近付けて
着火させ,その着火源を遠ざけても定置火
炎形成される場合
Leakage rate of hydrogen (M) (kg/s)
1.E-01
1.E-02
Stabilized
1.E-03
Blow-off
1.E-04
1.E-05
1.E-06
1.E-07
0
0.5
1
1.5
Nozzle diameter (d) (mm)
15
保炎範囲の噴出口径,圧力,及び流量への依存性
火炎基部の構造検討
・H2/O2素反応(7段)を考慮した拡散火炎計算結果例(d=1mmφ,P=40MPa)
・乱流計算:k-ε,EDC(Eddy Dissipation Concept)により流体計算とカップリング
流線
Lig=31.5mm
温度分布
OH濃度分布
O2濃度分布
HO2濃度分布
シュリーレン写真
16
高圧噴出水素への着火実験状況(爆発)
10mmφ,40MPa,tign=0.1s
Vfmax∼300m/s
P(6m)∼5kPa
10mmφ,40MPa,tign=0.5s
Vfmax∼950m/s
P(6m)∼70kPa
17
爆発の典型的連続写真(40MPa,10mmφ,24m相当,td=51ms)
No.
カウンタ
経時(ms)
1
1.318
2
2
1.320
4
3
1.322
6
4
1.324
8
5
1.326
10
6
1.328
12
0.10
0.10
1.00
0.72
1.39
1.2
1.65
1.39
1.78
1.47
1.85
1.68
7
1.330
14
8
1.332
16
9
1.334
18
10
1.336
20
11
1.346
30
12
1.356
40
13
1.366
50
1.92
1.75
1.94
1.83
1.95
1.91
1.97
1.86
1.89
1.9
1.69
1.79
1.64
1.68
0
1.316
0
写真
1.0m
火炎形状
1.0m
長さ(m)
高さ(m)
No.
カウンタ
経時(ms)
写真
火炎形状
長さ(m)
高さ(m)
18
時間遅れ(tign)を伴う着火 ⇒ 爆発
12ms
PK-4(3.9m)
155ms
1m
6.00
5.00
4.00
3.00
2.00
1.00
0.00
-1.00
Ignition Point
after-burning of continuously
leaked hydrogen
20.4 kPa
×
10.56
10.61
10.66
Time (S)
10.71
10.76
着火点から4m位置における圧力波形
(P=40MPa, d=10mm, tign=2s)
○圧力波の立ち上がりが爆燃としては極めて速い。
○最大火炎伝播速度は950m/s程度であり,予混合気流れの
速度(約250m/s)を考慮しても,正味の火炎伝播速度は
700m/s程度。
○高圧噴出による初期乱流混合により,着火直後から強い
乱流予混合燃焼が起こった為と考えられる。
○10mmの大開口条件(非定常噴出)では,噴出後の着火時
刻が早い程,最大過圧は大きい傾向。
○これは,噴出総量より,噴出質量速度(乱流エネルギ)が効
いていることを表す。
5ms
15ms
35ms
125ms
55ms 85ms 105ms
高速度ビデオで捉えた火炎先端位置の移動状況
(P=40MPa, d=10mm, tign=2s)
20
Leading position of propagating flame (m)
Overpressure (V)
175ms
:High-speed video
:High-speed video
:Ionization pin
Horizontal direction
15
Vf=978m/s
10
Vertical direction
5
0
0
50
100
150
200
Time from ignition (ms)
火炎先端位置の時間変化 19
(P=40MPa, d=10mm, tign=2s)
These two data were measured
along H2 jet axis.
Peak overpressure at x=8-10m (Pa)
100000
For these 4 cases, ignition points (Xign)
were far from nozzle.
10000
0.5∼2mm,40MPa,Xign=0.5∼2m
1000
5mm,40MPa,Xign=4m
10mm,10MPa,Xign=2m
100
10mm,40MPa,Xign=4m
10mm,40MPa,Xign=7.5m
10
10mm,40MPa,Xign=4m
25mm,40MPa,Xign=7.5m
1
0.001
0.01
0.1
1
10
Leakage rate at ignition (kg/s)
着火時の水素噴出流速と最大過圧の関係
20
St = Tc ⋅ 1.8u '
+2.5ms
0.412
⋅ Lt
0.196
⋅ Sll
0.784
⋅ν 0.196
Sll = Sl (1 + Fc R f )
2
+5ms
S
Rc = ρ ⋅ t ⋅ min[m fu , mO 2 / s, m pr /(1 + s)]
Df
14
12
+7.5ms
+12.5ms
10
Pressure (kPa)
+10ms
Experimental
(GE-7B)
Calculation
8
6
4
2
0
-2
-4
0
0 .01 0.02 0.03 0.0 4 0.05 0.06 0.0 7 0.08
Time (sec)
+15ms
0
5
10
15
20
25 [m]
○爆発シミュレ−ションにおける初期条件として,
噴流・拡散計算で求めた初期乱流特性値を
使用。圧力波形状,絶対値,火炎伝播速度
(∼700m/s)をほぼ再現できた(乱流モデル
はRANS)。
○ 但し,Tc=2.5の比例定数の導入が必要
→Leの影響を加味
21
d=0.5mmφ,P=40MPa
22
分散型火炎
代表的な値として,
δ∼5×10-5m
SL∼2m/s
u’∼40m/s
λ∼5×10-3m
↓
Ka∼1.5
Da∼5
Borghiの乱流火炎構造ダイヤグラム
L/δ∼102
(Ka=δ/SL・u’/λ,Da=SL/δ・L/u’)
u’/SL∼20
23
代表的な値として,
δ∼5×10-5m
SL∼2m/s
u’∼40m/s
λ∼5×10-3m
Le∼0.7
↓
Ka∼1.5
(Ka・Le∼1.1)
Bradleyによる乱流燃焼速度の一般関係図
u’/SL∼20
RL∼2500
24
:Stream Line
:Higher Diffusive Reactant; Dh
DhPoor
Dl Rich
:Lower Diffusive Reactant; Dl
Burned
Reaction
Sheet
Turbulent Burning Velocity ST (cm/s)
爆発解析−乱流燃焼モデルの改良 (1/2)
In the case of CH4or H2- mixtures,
DhRich
Dl Poor
H2/O2/N2
・層流燃焼速度を15 cm/sに揃えた当量比
fの異なるメタンおよびプロパン人工空気
混合気の乱れ強さu と乱流燃焼速度ST
との関係では,層流燃焼速度が等しいに
も関わらず同一乱れ強さで乱流燃焼速
度が当量比により大きく異なる 。
SL0cm/s : 10, 15, 25, 35, 50
ST / SL0
u'=0.98m/s :
10
・これは,火炎面での選択拡散によって起
こる現象であり,水素/Air予混合気でも,
当量比の小さい領域で燃焼速度は増加
する。
5
0
0.1
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
Equivalence Ratio φ
図9
ST/SL0 とφの関係(u’=0.98m/s)
・この現象を,爆発シミュレーションに組み
込み,特に希薄域での精度向上を図った。
φ=0.8
φ=0.9
φ=1.0
50
φ=1.1
Quenching Limit
φ=1.2
0
0
1
2
3
Turbulence Intensity u' (m/s)
(a)
In the case of C2H6or C3H8- mixtures,
Fuel is Dl and O2 is Dh.
15
P0 =0.101MPa
T0=298K
SL0 =15cm/s
100
Fuel is Dh and O2 is Dl .
Turbulent Burning Velocity ST (cm/s)
Unburned
(Fuel/O2/N2)
CH4 /N2/AIR
150
150
4
メタン
φ=1.5
C3H8 /N2 /AIR
P0=0.101MPa
T0=298K
φ=1.4
100
φ=1.2
50
φ=1.0
φ=0.7
0
0
Quenching Limit
SL0=15cm/s
1
2
3
Turbulence Intensity u' (m/s)
(b)
4
プロパン
図 2 層流燃焼速度を揃えた炭化水素−
酸素 −窒素 混合 気の乱 流燃焼 速度 特性
(S L0=15cm/s)
25
爆発解析−乱流燃焼モデルの改良 (2/2)
0.5
0.4
Hydrocarbon/O2/N2
SL0=15cm/s
Region I
0.4
Region II Quenching Limit
0.3
CH4:φ C3H8: φ
:0.7
:1.0
:0.8
:1.2
:0.9
:1.4
Exp.
:1.0
:1.5
:1.1
:Prediction by Model
0.2
0.1
0
0.0
0.5
1.0
Karlovitz NumberKaL
乱流燃焼速度の整理(CH4 &C3H8)
0 < Ka L ≤ 0.5
S t = (S L +
2
a m ⋅ α ⋅ u ' )(1 − Ka L2 )
2
0.5 < Ka L ≤ 1.0
St = (
λg 3
+ )S L
8 2 ηL 4
3
α
P0=0.101MPa
T0=298K
Quenching Limit
0.3
φ
φ
φ
:0.3
:1.3
:0.8
:0.4
:1.4
:0.9
:0.5
:1.0
Exp.
:0.6
:1.1
:0.7
:1.2
Cal.
:Prediction by Model
0.2
0.1
0
0.0
1.5
SL(Fuel, φ, SL0)を基準とした
図 13
H2/O2/N2
SL0=35cm/s
P0=0.101MPa
T0=298K
(ST–SL)/SL・(η L/λ g)
(ST–SL )/SL・(η L/λ g)
0.5
0.5
1.0
1.5
Karlovitz NumberKaL
図 14
SL(Fuel, φ, SL0)を基準とした
乱流燃焼速度の整理(H2, SL0=35cm/s)
・実験により乱流燃焼速度特性を把握・評価,乱流燃
焼速度特性を決定する重要な因子である乱流燃焼時
の選択拡散効果を考慮した平均局所燃焼速度を提
案し、Karlovitz数により場合分けされた以下の式によ
り乱流燃焼速度を定量化(Brayの式からの精度向上)
S t = 1.8u '0.412 ⋅L0t .196 ⋅ Sl0.784 ⋅ν −0.196
Brayの式
26
まとめ
1.噴出火炎に関して(噴出直後の着火)
○火炎スケール(L)は,ノズル径及びM(流量)0.5にほぼ比例。理想ノズルに対する
実験式として,L=399.2・d・ P0.5 (d:ノズル径,P:[MPa])が得られた。
○水素噴出後に形成されるショック面(Mach Disk)の背後で保炎されている。その
ショック面の背後に亜音速ノズルが存在すると考えると,火炎スケールがP0.5及
びM0.5に比例した関係が説明できる。
2.爆発に関して(時間遅れを伴う着火)
○圧力波の立ち上がりは爆燃としては極めて速いが,これは高圧噴出による初期
乱流混合により,着火直後から強い乱流予混合燃焼が起こる為と考えられる。
これは,噴出後の着火時刻が早い程,最大過圧は大きい傾向におること等の結
果より裏付けられる。
○噴流計算の結果(乱流特性値)を初期条件として,爆発シミュレ−ションを行い,
圧力波形状,絶対値,火炎伝播速度(∼700m/s)をほぼ再現できた(乱流モデ
ルはRNS)。但し,2.5程度の比例定数の導入が必要であり,Leの影響のモデル
化など,今後の課題である。
○P=40MPaの水素噴出に着火した伝播火炎の乱流特性値は,Borghiの相関図に
おける分散火炎領域に当たる(Ka>1,Da<1)。
27
安全対策例
過流防止弁
24.3m
破断
4.3m
蓄圧器
40MPa
高圧バンク
40∼20MPa
20MPa
20∼10MPa
低圧バンク
×
過流防止弁
×
燃料電池車
破断
ディスペンサー
目的
大量漏洩防止対策である過流防止弁を使用して、配
管破断時の安全対策条件(作動時間、破断位置によ
る影響度など)を明確化する。
実験結果
①作動時間
過流防止弁の作動時間は数ミリ秒であった。
②爆風圧
過流防止弁から24.3m離れた位置で破断した場合、
破断位置から6m地点(敷地境界)における爆風圧は
20kPa未満。
28
強度に問題ないか?
高圧ガス保安法に準拠?
肉厚は調整可能
(但し、特注)
参考
Swagelok社製も実施
(完全に遮断しないタイプ)
図は、
29
Circle Seal Controls社製
実験装置&コンフィギレーション
延長配管(本写真は10mループ)
破裂板
配管延長部
過流防止弁
オリフィス
コンフィギュレーションに合
わせ、延長配管を挿入
過流防止弁
ループ配管図
オリフィス(漏洩流量
設定)
コンフィギュレーション
想定
配管長さ
4.3m
8.8m
14.3m
24.3m
延長配管
備考
延長なし
1m×21.2mmφ
10m×10.9mmφ 10mループ
20m×10.9mmφ 20mループ
(b) 残留ガス影響度確認実験用装置
GH2
大気開放
破裂板
30
水素実在気体効果の影響検討
高圧下では、水素ガスは理想気体と異なる挙動を示す
水素ガスの実在気体に対する状態方程式を用いて、ノズル内での状態量変
化を1次元的に解析し、漏洩流量への実在気体効果の影響を検討した
入口境界
Peng-Robinson式 (PR式)
解析領域
ρRT
aρ 2α
p=
−
Μ − bρ Μ (Μ + bρ ) + bρ (Μ − bρ )
0.45724R 2Tc
a=
pc
2
、
b=
0.07780RTc
pc
出口境界
p0 ,T0
Me=1
α = [1 + m{1 − (T / Tc )1/ 2 }] 、 m = 0.37464 + 1.54226ω − 0.26992ω 2
2
臨界圧力 pc [Pa]
1.30×106
臨界温度 Tc [K]
33.25
偏心係数 ω [-]
-0.216
気体定数 R [J/(kmol・
K)]
8314.5
分子量
2.0159
M [kg/kmol]
ノズル内での膨張過程での、連続の
式、運動量の式、エネルギーの式を
1次元的に解く事で、状態量の変化
を解析した。
31
実在気体の噴出・拡散
100
80
1mmφ ノズル
60
濃度[Vol%]
水素密度[kg/m3 ]
70
50
40
30
20
0.1
0.0001
0
0
50
100
1
理想気体近似
実在気体考慮
理想気体
NEDOハンドブック
Peng-Robinsonの式
10
10
150
200
圧力[MPa]
0.001
0.01
0.1
10
100
ノズルからの距離[m]
100
1.00
0.98
0.96
0.94
0.92
0.90
40
50
60
70
圧力[MPa]
80
軸上濃度 C (%)
流量比
1
10
1
0.1
10
100
1000
10000
100000
無次元化風下距離 X/θ
G-1 φ0.5mm、40MPa(H15)
G-2 φ0.25mm、40MPa(H15)
G-3 φ1.0mm、40MPa(H15)
G-4 φ2.0mm、40MPa(H15)
G-5 φ2.0mm、20MPa(H15)
佐藤式(GH2 φ0.2mm)
産総研実験(φ0.2mm、35MPa)
産総研実験(φ0.8mm、35MPa)
シミュレーション結果φ0.8mm、40MPa
a1推奨値(=6000)
G-3A φ1.0mm、40MPa(H16)
G-3B φ1.0mm、40MPa(H16)
G-3C φ1.0mm、40MPa(H16)
G-3D φ1.0mm、40MPa(H16)
G-3E φ1.0mm、40MPa(H16)
G-12-1 φ1.0mm、40MPa(H16)
G-12-2 φ1.0mm、40MPa(H16)
G-12-1A φ1.0mm、40MPa(H16)
H19CFD結果;φ1−80MPa
H19CFD結果;φ0.2−80MPa
32
非定常CFD解析(配管からの流出流量)
2.5
流量[kg/s]
2.0
1.5
流量20m(CFD)
Φ10直管
積算流量(理論値)
流量(理論値)
φ21-4m
(同体積)
φ10ループ
1.0
0.5
0.0
0.00 0.02 0.04 0.06 0.08 0.10 0.12 0.14
・直管もループも、流量はほぼ同じである。
・配管径が大きいと、初期の流量が大きくなる。
時間[sec]
33
爆発の典型的圧力波形(40MPa,10mmφ,24m相当,td=51ms)
Overpressure (V)
PK-1
火炎長さ+X
5.0
火炎長さ-X
第1波
火炎高さ+Y
火炎高さ-Y
4.0
8.00
7.00
6.00
5.00
4.00
3.00
2.00
1.00
0.00
-1.00
-2.00
-3.00
7.66 7.68
7.7
7.72 7.74 7.76 7.78
7.8
7.82 7.84 7.86 7.88
7.9
Time (S)
2.0
第2波
PK-1
1.0
Overpressure (V)
火炎サイズ (m)
3.0
ガス噴出による圧力波
0.0
-1.0
-2.0
0
10
20
30
40
50
60
経過時間 (ms)
70
80
90
100
8.00
7.00
6.00
5.00
4.00
3.00
2.00
1.00
0.00
-1.00
-2.00
-3.00
第1波,Pmax=36kPa
第2波,Pmax=22kPa
7.686 7.688
7.69
7.692 7.694 7.696 7.698
7.7
7.702 7.704 7.706
Time (S)
着火遅れを伴う爆発の場合には,3つの圧力ピークが見られる
①高圧水素の噴出時に生じる圧力波
②予混合気爆発による圧力波
③連続放出している水素噴流の爆発による圧力波
34
過流防止弁の着火タイミング
着火遅れ時間(漏洩開始から着火までの時間)と最大過圧との関係
30
過流防止弁から破断位置までの
想定距離(d=10mmφ配管)
4.3m
30
8.8m
過流防止弁から破断位置までの
想定距離(d=10mmφ配管)
25
14.3m
24.3m
最大過圧(X=6m) ΔPmax(kPa)
最大過圧(X=6m) ΔPmax(kPa)
25
4.3m
20
8.8m
14.3m
15
24.3m
10
20
15
10
5
5
0
0
0
20
40
60
80
100
漏洩開始から着火までの時間 td (ms)
120
0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
着火時の漏洩流速 M (kg/s)
○最大過圧は,tignによって大きく変化し,水素の全量が放出するまでの時間より早期に着火した場合に,
最大となる傾向がある
○その最大となる着火遅れ時間は,想定した配管長が長くなるほど大きくなり,着火した時点における
漏洩流量(kg/s)と最大過圧には相関が見られる
35