飛べ!飛べ!ぼくの最強紙飛行機パート3 ~カタパルト(発射台)の秘密

飛べ!飛べ!ぼくの最強紙飛行機パート3
~カタパルト(発射台)の秘密~
岐阜市立柳津小学校
1
研究の動機
石原
海斗
スタートの位置と
4年生から2年間、世界一遠くへ飛ぶ紙飛行
飛んだ距離、滞空
機を作りたいと願い、折り方や材質に着目して
時間が比例の関係
研究してきた。今年はカタパルトを制作して飛
にあることも分か
ばす力の条件を整えて、よく飛ぶ紙飛行機の条
った。
件を追究したいと考え、研究することにした。
6年
輪ゴムを引けば
引くほど遠くへ飛
2
研究の内容
(1)輪ゴムのカタパルトのスタートの位置は、
ぶことから、輪ゴ
ムをもっと強くす
何 cm が一番遠くまで飛ぶだろうか?
れば、紙飛行機は
右の写真のカ
もっと遠くまで飛ぶのではないかと考えた。
タパルトを使い、
以下の方法で実
(2)輪ゴムを2重、3重にすると、もっと遠
験をした。
くまで飛ぶだろうか?
①輪ゴムを一重
輪ゴムを2重、
にして、カタ
3重にして(1)の実験と同様に実験し、記録
パルトの先に付けスタートの位置を3cm ず
した。
つ後ろにずらして飛ばす。
②12回飛ばして、飛んだ距離や滞空時間、飛
び方を記録する。
③一番長いのと一番短いのを除いた10回分の
平均値を出し、グラフ化する。
1重よりも2重、
2重よりも3重の
方が遠くへ飛ぶこ
とが分かった。
滞空時間は飛ん
ぼくの予
だ距離の結果と違
想通り、1
い、2重の方が長
5 cm が 一
く飛ぶことが分か
番遠くまで
った。2重は3重
飛んだ。こ
よりも程よい力が
のことから、
加わり、ふわっと飛んだため、滞空時間が長く
ゴムを引け
なったと考えた。
ば引くほど
もっとよく飛ぶ飛行機にするには、もっと強
遠くまで飛
いゴムにして飛ばしたらもっと飛ぶのではない
ぶことが分
かと考えた。
かった。ゴ
ムを引く力
(3)もっと太い平ゴムで飛ばしたら、もっと
が強いほど紙飛行機に加わる力が大きくなり、
遠くまで飛ぶだろうか?
遠くへ飛ぶことが分かった。また、グラフから
切り幅3mm と6mm の平ゴムをカタパルトの
先に付け、(1)と同様に実験をした。
輪ゴムより、平ゴムの方が、紙飛行機に加え
(5)紙飛行機の前におもりを付けるとカタパ
ルトで飛ばした時も遠くまで飛ぶだろうか?
る力が大きくな
(4)の実験で一番よく飛んだ平ゴム6mm、
るから飛ぶ距離
スタート位置18cm、40度で実験することに
も滞空時間も長
した。
くなることが分
かった。
本物の飛行機
去年の結果と
同様、カタパル
トで実験しても、
は離陸の時、加
前におもりを付
速しながら、機
けた紙飛行機が
体の前方を上げ
一番よく飛んだ。
て飛んでいる。
おもりを後ろ
だから、カタパ
に付けた飛行機
ルトの角度を変
はくるくる回転
えれば、もっと
して、飛ぶ距離
紙飛行機が飛ぶのではないかと考えた。
が伸びなかった。
やっぱり紙飛行機がよく飛ぶには、前におもり
(4)カタパルトの角度を変えると飛び方や距
を付けることが大切だと分かった。
離は変わるだろうか?
一番よく飛んだ切り幅6mm の平ゴムで、スタ
ート位置を18cm にして、10度ずつ角度を変
3
研究のまとめ
①輪ゴムを引けば引くほど、飛ぶ距離も滞空時
えて12回飛ばす。記録やグラフは同様に行う。
間も長くなる。15cm の時が一番よく飛ぶ。
②輪ゴムを2重にすると輪ゴムが程よく伸び、
飛ぶ距離も滞空時間も長くなる。
③太い平ゴムは輪ゴムで飛ばすより、飛ぶ距離
や滞空時間が長くなる。
④カタパルトの角度は40度だと、飛行機が高
予想と違って、40度の時が一番飛んだ。
20度、30度、
く上がり、遠くまで飛ぶ。
⑤紙飛行機の前におもりを付けるとおもりが無
40度と角度が
いものよりも遠くまで飛ぶ。
上がるごとに遠
(指導教諭
居上
英樹)
くに飛ぶことが
分かった。しか
4
審査表
し、50度にな
紙飛行機をより遠くに飛ばしたいと願い、3
ると距離が短く
年間続けて取り組んだ作品です。昨年度までの
なることが分か
研究からつなげ、今年度は「飛ばし方」に目を
った。滞空時間
付けて研究を行いました。客観的なデータを得
は、0度が一番
るためにカタパルト(発射台)を作り、ゴムの
長いことが分かった。
数や伸ばし方、発射する角度などの条件を変え、
高く飛びすぎると上に上がっても、前に進ま
科学的に追究している点がすばらしいです。ま
ないことから、紙飛行機の前方におもりをつけ
た、数多くのデータを取り、平均化したり、グ
れば、もっと遠くへ飛ばすことができるのでは
ラフにまとめたりしたことで大変見やすく、分
ないかと考えた。
かりやすくなっている点も大変すばらしいです。