木曽シュミット望遠鏡を用いたトランジット法による系外惑星探索の試験

木曽シュミット望遠鏡を用いた
トランジット法による系外惑星探索の
試験観測
浦川 聖太郎
(日本スペースガード協会美星スペースガードセンター)、
木曽トランジットサーベイチーム
トランジット法
惑星が主星を掩蔽することによる減光を測定
http://astron.berkeley.edu/~gmarcy/transit.html
これまで発見された惑星の減光率:3%以下
巨大ガス惑星の大きさ
Dwarfarchive.org
主星の視線速度変化を測る追観測が必要
→17等級より明るい星で減光検出しなければならない
トランジットサーベイ
ドップラーで発見された
天体の追観測
トランジット法による発見
HD209458 (Charbonneau et al. 2000) Deep Transit Survey
HD189733 (Bouchy et al.2005)
大型望遠鏡+
HD149026 (Sato et al. 2005)
モザイクCCDによる
深い観測
小口径望遠鏡で
OGLE
観測可能
(Udalski et al. 2002)
アマチュア天文家の参加 Suprime-Cam
(トランジットネットワーク) (Urakawa et al. 2006 accepted)
MOA-1
(Abe et al. 2005)
ドップラー観測
(N2K Consortiumなど) 木曽トランジットサーベイ
との連携
Wide Transit Survey
小口径望遠鏡(10cm程度)
超広視野カメラ
(数度平方以上)による
広い観測
TrES
(Alonso et al. 2004)
XO
(McCullough et 2006)
Vulcan
(Borucki et al. 2001)
目的
木曽観測所においてトランジット法による
系外惑星探査が可能か評価する。
„
„
長期観測により系外惑星候補天体の検出を
行う。
観測1
„
„
„
„
2005年5月16日~20日(18日は雨)
観測領域:銀径40°、銀緯17°付近
観測領域:
積分時間:45秒
観測波長:Iバンド(サーベイ用) B、V、Rcバンド
(スペクトル型同定用)
„
取得画像枚数:230枚
解析
„
アパーチャー測光
(aperture =8pixel, annulus =10pixel, dannulus =6pixel)
=6pixel)
画像中の明るい天体(S/N200以上)、83個を
比較星とし、大気変動などによる明るさの変化
を補正
Fcal(t) = F(t) / Fave(t)
„
Fcal(t): ある時刻tでの補正された星の明るさ
F(t):ある時刻tでの補正前の星の明るさ
Fave(t):ある時刻tでの比較星83星の明るさの平均
検出光源数と測光精度の関係
„
検出光源数:8281星
(200フレーム以上に撮像されてるもの)
200フレーム以上に撮像されてるもの)
„ 測光精度の定義:
ある天体の明るさの平均に対する標準偏差の値
5/16
5/17
5/19
5/20
全日
5%
1991
1369
1740
1521
1346
1%
132
0
44
0
0
3%
1170
485
1032
705
635
最高精度
0.66%
1.4%
0.67%
1.0%
1.5%
相対光度
相対光度
解析結果1
周期
0.3159日
JD-2453500
Phase
W Uma型食連星候補
相対光度
相対光度
解析結果2
周期
0.3874日
JD-2453500
Phase
解析結果3
相対光度
トランジットライク
な減光
(観測期間中1回)
減光率:約15%
伴星による食
JD-2453500
観測2
2005年9月22日~10月13日(22日間)
„ 観測領域:銀径110°、銀緯-4°付近
観測領域:
„ 積分時間:60秒
„ 観測波長:Iバンド(サーベイ用)
B、V、Rcバンド(スペクトル型同定用)
„
結果
9/22
くもり
23
くもり
24
くもり
25
くもり
26
くもり
27
雨
28
くもり
29
くもり
30
くもり
10/1
くもり
2
くもり
3
小雨
4
雨
5
くもり
6
くもり
7
雨
8
雨
9
くもり
10
くもり
11
くもり
12
13
くもり
14
快晴のち
霧
まとめ
„
木曽観測所において、トランジット法による系外
惑星検出に必要な精度を達成
„
食連星の検出
今後にむけて
„
検出光源数を増やす(広視野化によって大幅改善)
„
複数領域のサーベイ(読み出し時間の短縮で可能
か!?)
„
解析の自動化
系外惑星以外のテーマへの応用
(食連星、褐色矮星連星、太陽系内移動天体(NEO)
重力レンズ天体検出etc)
„