会議録 - 兵庫県立図書館

平成25年度
第1回兵庫県図書館協議会会議録
1 日時及び場所
平成25年10月25日(金)14:00~16:00
兵庫県立図書館第2研修室
2 出席者
協議会委員
尼川委員 廣岡委員 石堂委員 岩木委員
知久委員 三木委員 渡邊委員
教委事務局 社会教育課 大本副課長
県立図書館 長棟館長 千賀次長 宮本館長補佐兼協力課長
川東総務課長 尾崎資料課長 三島調査相談課長
3 会長・副会長選出
委員の互選により、会長に尼川委員、副会長に廣岡委員が選出された。
4 議事
(1)平成24年度事業実績及び平成25年度事業計画及び実施状況について
(図書館報告)
蔵書受入状況や県関連索引等データベースの整備状況、蔵書冊数・貸出冊数・
来館利用者数・調査相談状況等の利用状況、利活用講座・出前講座・自由研究応
援講座・子ども読書活動推進事業にかかる講座等の実施状況、ビデオミニシアタ
ーの実施状況、所蔵資料展等事業、協力貸出状況、学校サポートプロジェクト、
市町立図書館等職員及びボランティアへの研修の実績、兵庫県図書館協会として
実施した研究集会等の実施状況、平成25年度における事業計画の数値目標と9
月末現在での実績を報告。
●委員の主な意見及び図書館の説明
①資料保存センター機能について
(委員)
資料のデジタル化推進や Web 公開に関して、実際に要望としてあるのか、そ
れとも図書館が当然に行うべき業務ということで実施しているのか。
(図書館)
特に要望がある訳ではないが、公開しようとしているものがフェニックス・ラ
イブラリーという震災関係の資料であり、今後東北の震災関連で需要があると見
込み、進めているものである。
(委員)
蔵書の類別の割合が、平成23年度と24年度とで同じ割合となっているが、
この割合は定めているものか。
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(図書館)
結果的に同じ割合となっているものである。
(委員)
今後この部分を充実させたいという方針があるのか、それともこれまでどおり
というような考えか。
(図書館)
例えば、「学校サポートプロジェクト」というものがかなり認知されてきたこ
とに伴って新しい資料がないというご意見をいただいており、いじめ問題・エネ
ルギー問題・健康問題などの重点分野を絞り、専門的ではないかも知れないが、
高校生にも利用してもらえるようなものを重点的に揃えるようにしていこうと
いう考え方はある。
(委員)
類別の蔵書割合は全国の図書館の傾向からみてどうか。
(図書館)
一般の出版点数からみると、最も多いのが社会科学、次が文学となっているが、
当館は単行本の小説類は積極的に収集していないため、歴史地理の割合の方が文
学よりも多いという特徴はある。
(委員)
郷土・行政資料の網羅的な収集については引き続き取り組んでいただきたいが、
自己評価としてはどうか。納本制度のある国立国会図書館でも漏れがあると聞く
が、県立図書館としては何か問題意識をお持ちか。
(図書館)
県関係は全てではないがほぼ収集できている。市町関係についてはカバーしき
れていないのが現状であるため、何らかの工夫が必要かと考えている。
(図書館)
県関係の資料の収集は徹底したいと考えている。関係機関とは連携を強め、資
料提供についても徹底するようにしたい。そうしなければ県立図書館の存在意義
が薄れてしまう。また、資料提供していただいた以上は、コーナーを作って利用
に供することが必要と考えている。
②調査相談センター機能について
(委員)
郷土資料のデータベースは充実しており、大変便利でよく利用している。デー
タベースの中でレファレンスについては国立国会図書館と連携もされており、今
後さらにその中における兵庫県立図書館の比率がアップされることを望む。
(委員)
レファレンスの件数が減少しているが、インターネットでの情報と図書館の資
料情報とではその質が異なる。そのあたりが利用者にあまり伝わっていないので
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はないかと思われるがいかがか。
(図書館)
レファレンスのうち、大きく減少しているのが単純な本の所在調査であり、こ
れは当館の横断検索システムを利用することにより簡単に検索ができるため、減
少しているものと考えられる。電話による相談件数の減少についてもインターネ
ットの普及による影響が現れているのではと考えている。
(委員)
レファレンスについては、専門的な事柄だけではなく、生活に密着した身近な
質問も受け付けるということをもう少しアピールしてはどうか。
③相互協力センター機能について
(委員)
利活用講座などの利用者も増えており、努力されたことが窺える。ただ、やは
りまだ敷居が高いというイメージがある。高校生を含めた若い世代を引き込んで
いく工夫は必要で、そのことが活性化につながると思う。
(委員)
出前講座は毎年増えており、学校図書委員を対象とすることも協議会委員の意
見を取り入れていただいている。図書館から出て行く活動は今後も重要。
(委員)
図書館入門講座について、昨年度・今年度とも11テーマ用意されているが、
テーマ設定についてはどのような考え方に基づいているのか。
(図書館)
県立図書館の基本的な機能や簡単な使い方、特徴などを理解してもらえるよう
なテーマ設定としており、インターネットを初めて使うような人でも参加してい
ただけるような内容としている。また、県立図書館には専門的なものだけではな
く様々な資料を収蔵しているという紹介も行っている。
(委員)
定番のテーマを毎年行うことが大事だと思う。これはどのような形で広報をさ
れているのか。
(図書館)
各ミニコミ誌や県が行う広報、記者発表などにより行っている。
(委員)
このような活動を図書館が行っているということが広く知られると、図書館の
活用の仕方を理解する人が増えるのでは。
また、募集定員の設定は重要で、講座の質をきちっと担保して実施していただ
きたい。
(図書館)
質を保てるように募集定員の設定を行っている。
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(委員)
県立図書館として、図書館職員への研修は引き続き力を入れていただきたい。
(委員)
ボランティアの活動について伺いたいが、図書館運営にかかわるボランティア
と、ボランティアとして活動されているグループに活動の場を提供されるという
2種類のかかわり方があるのか。
(図書館)
運営にかかわるボランティアと、活動場所を提供しているボランティア団体が
3つある。
(委員)
図書館においてボランティアの活用を図ることを考えた場合、職員ならではの
専門性が必要な部分と、ボランティアならではの市民が関わることにより力を発
揮できる部分があると思うが、そういった役割や領域をどう整理するかや、それ
に基づいてどういった仕組みを組み立てるかということは大切である。このあた
りについてはどうか。
(図書館)
例えば、ビデオミニシアターは県立図書館の事業として実施しているので、
運営についての基本方針を示したうえで、上映作品の選定などについては利用者
の目線で選んでいただくというような役割分担を行っている。
(委員)
ボランティアとして登録されるにあたって県立図書館がどのような役割を期
待しているのかということはきちっと伝えているか。
(図書館)
伝えている。
(委員)
セット貸出といったものが図書館サービスの中で普及しているが、県立図書館
は立地が悪いため、これに力を入れないと貸出冊数は伸びないと思われる。もう
少し積極的に、こういうセットが作れるといったことや、このようなセット貸出
の実績があるといったことをアピールし、呼び水にするといったことが必要であ
る。
(2)県立図書館の活性化について
(図書館説明)
「兵庫県立図書館活性化プラン(仮称)たたき台」として、
・当面する主な課題
・3つのセンター機能と改善点
・重点を置く3つの柱
・めざすべき図書館像
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・自己評価として留意すべき事項
の各項目内容と、策定スケジュールについて説明。
●委員の主な意見及び図書館の説明
(委員)
予算が少ないということで、命名権の募集によりお金を集めるという手法を提
案したい。
(委員)
率直に言って、18,000千円という資料費予算で県立図書館を運営するこ
とに無理があると思われる。3つのセンター機能全体が薄まっていくという印象
を受ける。何年か経過すると公立図書館の小型が一つ余分にできあがり、そうな
ると存在しなくてもいいのではということにならないか心配する。
18,000千円という予算とこの立地で、一般の公共図書館のように気軽に
来館してもらって本を利用していただく図書館を目指すということは無理なの
ではないか。この予算が前提であれば、いくつかのことに特化していく必要があ
るのでは。
(委員)
基本的なコンセプトから一般的な図書館へ移行しようとしているようである
が、他の図書館が実施していることをすべて行い、なおかつ成果を上げることを
めざすという一方で、予算は削減され続け、地理的にもマイナスイメージがある。
コンセプトの焦点化をする必要があるのでは。
(図書館)
予算の減少に伴って、3つのセンター機能は自動的に薄まってきているといえ
る。
重点を置く3つの柱は、基本的に予算をかけて実施するものとは考えていない。
予算が必要と考えられることについては、補助金を得るというような工夫もして
いる。また、他の機関と連携するということも予算が必要なことではない。企画
展示などでは、他の図書館では展示をしていないものまで置くようにしている。
あらゆる世代を対象にしようとしているが、これについても多額の予算を必要と
するものではない。
「あらゆる世代」、
「ネットワーク」、
「兵庫という地域」に重点を置こうと考え
ている訳であり、3つのセンター機能を自ら望んで薄めようとしているものでは
ないことはご理解いただきたい。
(委員)
重点をはっきりさせて活動していくのは大事なことであると思う。重点を置く
3つの柱のベースとなるのは人的資源であろうが、県立図書館の職員がこれに対
応できる能力なり気概なりを持つ必要がある。調査相談などこれまで地道に取り
組んでこられ、質の高いものをお持ちであり、出前講座などで講義するような訓
練も積んでこられたと思う。やはりベースになる職員の意識変革が必要。特に
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ネットワークづくりは図書館側の人が動かなければできない。
(図書館)
実現できる限度というものも考慮した上で、プランをまとめていかなければな
らないと考えている。ネットワークという例では、幹部職員が動いてネットワー
クづくりに取り組んでいる。
(委員)
「図書館の図書館」という意義にこだわると閉ざされてしまう感がある。やは
り世間に開いていかないと活性化はできないと思う。来館される方のニーズを調
査することも大事。
(図書館)
県立図書館の運営は全て税金で賄われていることからすると、特定の世代だけ
でなく、あらゆる世代を対象とすべきであろうと考える。子ども読書に関しても
もう少し力を入れる必要がある。来館が無理であれば、こちらから出向けばいい
と考えている。
自由研究応援講座として明石市立天文科学館と共催した天体望遠鏡づくりと
天文学習の講座をこの会議室で行った際には、80人を超える応募があり、保護
者を含めると廊下にも人が溢れるほどの活気あるものとなった。やれば人は来て
いただけるのだという思いを強くし、いろいろと取り組んでいきたいと考えてい
る。
(図書館)
子どもたちが自由研究で困っているという状況があり、県立図書館で実施した
ことが市町立図書館に普及していけばという思いでこの講座を実施した。
(委員)
図書館は本の中身と人をつないでいかないとインターネットに負けてしまう。
「仕掛け」をつくることが重要。
(図書館)
防災学習に関する本と物を巡回させる巡回文庫というものをつくり、今後、市
町立図書館を巡回する予定もある。
(委員)
博物館などとコラボして本も物も動くという事業を始められたのは良いこと
ではと思う。
(委員)
「仕掛け」の部分だけではなく、図書館本来の役割とのバランスも考える必要
があるのではないか。
また、明石市立図書館が移転するならば、来館者数とは別の数値目標を考える
必要がある。
(委員)
県立図書館の調査相談の水準は市町立図書館と比べて高く、やはりこの部分は
もっとセールスしていい。
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(委員)
資料展示は非常に充実しており、ミニ展示などは空白期間をおかず次々と実施
されている。リソースとしてすごくあるのでは。これを大切にしつつどこまでポ
テンシャルを上げていけるかというところが重要なのではと思う。
(委員)
兵庫県は五国で構成されており、それぞれの地域で県立図書館を PR するよう
なイベントを企画されてはどうか。
(委員)
いろいろな意見が出ているが、実践しながら活性化の戦略を立てていただくと
よいのではと思う。
5 閉会
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