東京経済大学募集要項

Ⅳ.大学別学年暦・
大学別学年暦・事務手続き
事務手続き
4,東京経済大学
1)
学事暦
2011年
2011年
4月 1日(金)
4月11日(月)~ 7月22日(金)
入学式
※7月18日(月・祝)は,月曜日の授業実施(「祝日授業」)
第一学期 授業期間
① 4月30日(土)午後 ② 5月28日(土)午後
③ 6月25日(土)午後 ④ 7月18日(月)
④ 7月23日(土)
第一学期 補講日
※ 7月18日(月・祝)は,補講実施(「祝日授業」)
7月25日(月)~ 8月2日(火)
第一学期 定期試験期間
8月 3日(水)~ 9月20日(火)
夏季休暇期間
8月 8日(月)
追試験
(第一学期終了科目)
9月21日(水)~12月23 日(金)
※10月10日(月・祝)は,月曜日の授業実施(「祝日授業」)
※12月23日(金・祝)は,金曜日の授業実施(「祝日授業」)
第二学期 授業期間①
10月27日(木)~10月 3 1日(月)
葵祭(文化祭)のため休講
12月24日(土)~ 1月
冬季休暇期間
5日(木)
2012年
2012年
1月 6日(金)~1月23日(月)
① 10月22日(土)午後 ② 11月26日(土)午後
③ 12月17日(土)午後 ④ 1月21日(土)午後
第二学期 授業期間②
第二学期 補講日
⑤ 1月17日(火) ⑥ 1月18日(水)
1月13日(金)~ 1月14日(土)
1月24日(火)~ 1月28日(土),
1月30日(月)~ 2月 1日(水)
※定期試験予備日 2月 2日(木)~ 2月 3日(金)
大学入試センター試験のため休講
第二学期 定期試験期間
2月
4日(土)~ 3月31日(土)
春季休暇
2月
6日(月)
追試験
3月23日(金)
※ 「祝日授業」
卒業式
:祝日に同一曜日の授業または補講を行うこと。
1
2)事務手続等
①TAC 単位互換申請受付日
2011年 4月 1日(金) ~ 6日(水)
②受講許可学生発表日(学生の所属大学を通して発表)
2011年 4月
8日(金)
3)事務取扱時間
<担当部課>
学務課
注 意
平日
9:00~18:00
土曜
9:00~11:30/12:45~17:00
※ 4月11日(月)までは9:00~11:30/12:45~17:00
※ 授業休止期間中(夏・冬・春)は,窓口時間が短縮されます。また,年度の途中で窓口時間が変更と
なる場合があります。
4)TAC 単位互換履修生証の
単位互換履修生証の発行
TAC 単位互換履修生のための学生証を発行しますので,受講許可後,写真(タテ3㎝×
ヨコ2.4㎝)2枚を学務課窓口に必ず提出してください。
5)その他
その他
①授業の休講
(1) 担当教員の都合による休講
休講の
休講の連絡方法
①6号館1階ホールの「電子掲示板」に掲示
②「TKU ポータル」または「TKU ポータル(携帯版)」で閲覧
(2)大学の公式行事による休講
大学祭や入試実施等により,授業をすべて休講にする日があります。該当日は,「学事暦」をご
確認ください。
(3)台風等の自然災害又はストライキにより,JR中央線(東京~高尾)が不通の場合は,次の基準に
従い授業が休講となります。
①午前 7:00現在
00現在で
現在で不通の
不通の場合
1時限の授業が休講
②午前 8:40現在
40現在で
不通の場合
現在で不通の
2時限の授業が休講
③午前11
午前11:
11:00現在
00現在で
現在で不通の
不通の場合
3時限の授業が休講
④午後 0:40現在
40現在で
現在で不通の
不通の場合
4時限の授業が休講
⑤午後 2:20現在
20現在で
現在で不通の
不通の場合
5時限の授業が休講
駅発行の「遅延証明書」を担当
⑥午後 4:00現在
00現在で
現在で不通の
不通の場合
6時限の授業が休講
教員に提出してください。
2
なお,事故等による一時的な遅
延やJR中央線以外の交通機関
が不通の場合は,原則として平
常どおり授業を行いますので,
②試験・レポート等の連絡
原則,授業時間中に担当教員より通知されますが,登校時には,6号館1階ホール東側「試験
等掲示板(ガラスケース)」にも注意してください。また,「TKU ポータル」でも参照することができ
ます。
③東京経済大学 Web サイトからの 休講・試験・レポート情報等 参照方法
(教員からの届出のあるもののみが掲載されます)
下記のURLアドレスを入力してアクセスできます。
「TKU ポータル」
https://portal.tku.ac.jp/
「TKU ポータル(携帯版)」 https://mobile.tku.ac.jp/mobile/
「TKU ポータル」を利用するには,「ユーザ ID」と「パスワード」を入力してログインする必要がありま
す。
「ユーザ ID」「パスワード」は,6号館5階の「情報システム課」で申し込むと発行されます。「身分
証」カードを提示して申し込んでください。
<4 月>
TKU ポータル
: 【リンク】の中にある【本日の全休講情報】をクリック
TKU ポータル(携帯版):トップページの【本日の全休講情報】をクリック
<5 月以降>※個人別に登録した科目の休講情報が表示されるようになります。
TKU ポータル
:トップページの【休講情報】を参照
TKU ポータル(携帯版):トップページの【あなたの休講情報】をクリック
6)受付窓口
東京経済大学 学務課(6号館1階)
所在地
〒185-8502 東京都国分寺市1-7-34
電話
TEL 042-328-7962 FAX 042-328-7779
ホームページ
http://www.tku.ac.jp
交通
JR中央線(西武国分寺線・西武多摩湖線) 国分寺駅下車徒歩12分
■JR 中央線「新宿駅」から「特
別快速」電車で、
「国分寺駅」まで約 21 分、
「快速」電車で 31 分
■JR 中央線、西武国分寺線・
多摩湖線「国分寺駅」
3
南口より徒歩 12 分
Ⅵ.大学別開講科目案内
4.東京経済大学
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
年度「指定科目1
指定科目1」>
科目名
日本経済論a
単位数
2単位
期
第一学期
担当教員
江藤 勝 先生 (エトウ マサル)
授業時間
火曜日 14:40~16:10 (4時限)
教室
K101(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
成熟経済段階に達した,日本経済の実態・課題・展望
2) 授業内容
1980 年頃に生活水準も含めて,名実ともに先進主要国経済の仲間入りした日本経済は,バ
ブル期には,「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とも言われたが,バブル崩壊後,長い停迷が続
いた。その原因は,内外経済環境の激変を始めとして,政策ミス等多数のものが考えられるが,
明治以来長期の発展努力を続けた日本経済が,欧米へのキャッチアップ過程を終え,成熟経
済国として,お手本のない独自の発展を模索せざるを得ない段階に達していることも,その一
因であろう。
本授業では,以上のような状況にあり,かつ、08 年に生じた世界大不況から脱出努力を続け
ている、主として 80 年代以降の日本経済の実態変化と,生じている諸問題を分析し,今後の
展望を探ることとする。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;小峰隆夫著 「最新 日本経済入門 第 3 版 」(日本評論社)
参考文献;南亮進著・牧野文夫[協力]『日本の経済発展(第3版)』,金森・香西・加藤編『日
本経済読本(第 18 版)』,(いずれも,東洋経済新報社)。
3.成績評価方法
期末臨時試験(マークシート方式)(配点 100 点)の結果で評価する。(合格点は,60 点以
上)。
4.授業計画
基本的に,配布レジュメ等の内容に沿って,1期授業の a.においては,
0.日本経済と経済の基本
1.日本経済の全体像
2.戦後日本の経済成長
4
3.景気循環の姿とそのとらえ方
4.ストックから見た日本経済
5.雇用の変動と日本型雇用慣行の行方
6.企業行動と日本型企業経営の行方
等について講義する。
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
指定科目2」>
年度「指定科目2
科目名
日本経済論b
単位数
2単位
期
第二学期
担当教員
江藤 勝 先生 (エトウ マサル)
授業時間
火曜日 14:40~16:10 (4時限)
教室
K101(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
成熟経済段階に達した,日本経済の実態・課題・展望
2) 授業内容
1980 年頃に生活水準も含めて,名実ともに先進主要国経済の仲間入りした日本経済は,バブ
ル期には,「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とも言われたが,バブル崩壊後,長い停迷が続いた。
その原因は,内外経済環境の激変を始めとして,政策ミス等多数のものが考えられるが,明治
以来長期の発展努力を続けた日本経済が,欧米へのキャッチアップ過程を終え,成熟経済国
として,お手本のない独自の発展を模索せざるを得ない段階に達していることも,その一因で
あろう。
本授業では,以上のような状況にあり,かつ,08 年に生じた世界大不況から脱出努力を続けて
いる,主として 80 年代以降の日本経済の実態変化と,生じている諸問題を分析し,今後の展
望を探ることとする。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;小峰隆夫著 「最新 日本経済入門 第 3 版 」(日本評論社)
参考文献;南亮進著・牧野文夫[協力]『日本の経済発展(第3版)』,金森・香西・加藤編『日
本経済読本(第 18 版)』,(いずれも,東洋経済新報社)。
3.成績評価方法
2期末臨時試験(マークシート方式)(配点 100 点)の結果で評価する。(合格点は,合計 60 点
以上)。
4.授業計画
基本的に,配布レジュメ等の内容に沿って,2期授業の b.においては,
1.産業構造の変化と将来のリーディング産業
2.物価の変動とデフレ問題
5
3.円レートの変動と日本経済
4.貿易と国際収支の姿
5.直接投資と空洞化をめぐる議論等について講義する。
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
年度「指定科目3
指定科目3」>
科目名
EU経済論a
単位数
2単位
期
第一学期
担当教員
小島 健 先生 (コジマ タケシ)
授業時間
水曜日 10:40~12:10 (2時限)
教室
B201(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
ヨーロッパ経済統合の歴史的展開
2) 授業内容
現在 EU(欧州連合)加盟国は 27 カ国となり,その過半数の国では単一通貨ユーロが用いら
れ,世界経済における EU の影響力はきわめて大きくなっています。しかし,EU の原点である
1952 年成立の ECSC(ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体)に参加したのはわずか 6 カ国でした。
この講義では,ヨーロッパ経済統合の歩みを歴史的に跡づけ検討することを通じて,拡大・
深化する EU 経済の特徴を理解することを目的とします。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;田中素香・長部重康・久保広正・岩田健治『現代ヨーロッパ経済(新版)』(有斐閣)
随時,資料を配布する。毎回出席することが前提なので,資料を後日もらうことはできない。
参考文献;渡辺尚『ヨーロッパの発見』(有斐閣)、遠藤乾編『ヨーロッパ統合史』(名古屋大学
出版会)
小島健『欧州建設とベルギー』(日本経済評論社)
3.成績評価方法
定期試験(持ち込み不可)の結果で評価する。
4.授業計画
1. EU 経済論の目的と意義
2. ヨーロッパの多様性と同質性
3. ヨーロッパ統合思想
4. ヨーロッパ統合の軸:ライン河
5. ヨーロッパ統合構想の進展
6. 戦後再建とマーシャル・プラン
7. ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体(ECSC)
8. ヨーロッパ経済共同体(EEC)
9. 経済統合理論
10. ヨーロッパ共同体(EC)
6
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
指定科目4」>
年度「指定科目4
科目名
EU経済論b
単位数
2単位
期
第二学期
担当教員
小島 健 先生 (コジマ タケシ)
授業時間
水曜日 10:40~12:10 (2時限)
教室
B201(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
EU 経済の現状と課題
2) 授業内容
1950 年代に 6 カ国からスタートした EU は,21 世紀に入り中東欧など 12 カ国が参加し 27 カ
国へと増大し,人口 5 億人の巨大経済地域に発展しました。また,1999 年に導入された単一
通貨ユーロは,今日ドルとならぶ国際通貨に成長しています。
この講義では,EU がおかれた国際環境と内部発展の両面を視野に入れ,EU 経済の各分野
における統合の進展と問題点について考察します
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;田中素香・長部重康・久保広正・岩田健治『現代ヨーロッパ経済(新版)』(有斐閣)
随時,資料を配布する。毎回出席することが前提なので,資料を後日もらうことはできない。
藤井良弘『EU の知識(第 15 版)』(日経文庫)
参考文献;田中素香『拡大するユーロ経済圏』(日本経済新聞出版社)
ペルクマンス『EU 経済統合』(文眞堂)
3.成績評価方法
定期試験(持ち込み不可)の結果で評価する。
4.授業計画
5. EU における産業政策
6. EU の自動車産業
7. EU 産業の再編
8. 共通農業政策(CAP)
9. 地域政策と構造基金
10.環境政策とポスト京都議定書
11. EU 東方拡大と近隣諸国政策
12. 欧州憲法条約の挫折とリスボン条約
13. グローバル経済化と地域経済化
7
14. 金融危機と EU の今後
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
年度「指定科目5
指定科目5」>
科目名
食糧・資源問題a
単位数
2単位
期
第一学期
担当教員
手塚 眞 先生(てづか まこと)
授業時間
火曜日 9:00~10:30 (1時限)
教室
K101(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
「資源の諸問題」
2) 授業内容
自然資源は人間の活動の基本的な条件となるものです。ただし、資源は単なる「もの」ではなく、
人間との関係において「資源」となります。ですから、人間の活動の基本である資源は、人間と
ともに変化します。この授業はそのような視点から、すなわち、自然資源の問題を「変化する、
人間の社会と自然の関係」の問題として考えたいと思います。
最初に、資源の概念や資源分類に関連して、資源全般の問題を考えます。また、エネルギー
資源や環境資源などに関し、今日の世界が直面する諸問題を個別的に検討します。最後に、
人口増加や経済成長等の社会の変化に伴う資源の諸問題を、持続可能な発展という観点から
考察したいと思います。
2.教科書・
教科書・参考文献
授業ごとにプリントを配布する
3.成績評価方法
成績評価方法
定期試験期間中の筆記試験の点数で評価する
4.授業計画
1.自然・生命・人間
2.資源分類
3.再生不可能資源(枯渇性資源)
4.再生可能資源(更新性資源)
5.エネルギー資源(1)化石燃料
6.エネルギー資源(2)再生可能エネルギーと電力
7.エネルギー資源(3)バイオ燃料とライフサイクル分析
8.水資源と水ビジネス
9.経済の成長と資源
8
10.成長の限界と究極の資源
11.持続可能性と自然資本
12.資源利用における市場の失敗
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
年度「指定科目6
指定科目6」>
科目名
食糧・資源問題b
単位数
2単位
期
第二学期
担当教員
手塚 眞 先生(てづか まこと)
授業時間
火曜日 9:00~10:30 (1時限)
教室
K101(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
「食料の諸問題」
2) 授業内容
食料は最も基本的な自然資源の一つです。食料は生物としての人間の存在の基礎であり、
その意味において歴史を超えています。ただし、歴史的みれば、食料の獲得、生産、そして消
費の方法は、人間の生活や社会の変化とともに変わってきました。この授業では食料の問題
を、人間にとって本質的・非歴史的であると同時に、常に新しい、時代とともに変化する問題と
して、その両側面から考えてみたいと思います。
最初に、いわゆる「食料問題」が、単に食料が「足りない」という問題であるかどうかを、また
「足りない」ということはどういう事なのかを検討します。また、食料問題にかかわる初歩的な分
析を経済学の基礎的な概念を応用して行います。そして学期の後半では、食料の経済と政策
を、経済発展の文脈の中で考えます。
2.教科書・
教科書・参考文献
授業ごとにプリントを配布する
3.成績評価方法
定期試験期間中の筆記試験の点数で評価する
4.授業計画
1.食料問題(1):食料は「不足」しているか?
2.食料問題(2):マルサス的食料問題
3.食料問題(3):アマルティア・センの考えたこと
4.食料の需要と供給(1):需要と供給
5.食料の需要と供給(2):需要と価格
6.食料の需要と供給(3):需要と所得
7.食料と経済の発展(1):農業の発展と縮小
8.食料と経済の発展(2):食料問題から農業調整問題へ
9.食料と経済の発展(3):食料の生産、流通、消費
10.食料農業政策(1):農業保護
9
11.食料農業政策(2):消費者負担と納税者負担
12.食料農業政策(3):WTO 農業協定、デカップリング、農業環境政策
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
指定科目7」>
年度「指定科目7
科目名
開発経済論a
単位数
2 単位
期
第一学期
担当教員
羅 歓鎮 先生 (ラ カンチン)
授業時間
木曜日 13:00~14:30 (3時限)
教室
A306(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
途上国の経済開発:工業化と市場化
2) 授業内容
アメリカや日本をはじめとする先進国へキャッチアップし、先進国の国民と同様な生活を享受
したい。それが発展途上国の人々の長年の念願です。しかし、それを実現することが非常に難
しい。東アジアなど一部の途上国・地域は経済成長・経済開発を実現しているが、より多くの途
上国は経済停滞に陥っています。21 世紀に入っても、一日一ドル以下の生活に強いられてい
る貧困者は 10 億人を越えています。なぜ東アジアは経済開発に成功したのか。なぜ数多くの
途上国は経済開発を努力したが、あまり効果をあげなかったのか。
経済開発を工業化・市場化として政府、企業、国民及び国際社会がかかわる複合的な経済、
社会の変遷プロセスと理解されます。そこで、本講義は、政府と企業に焦点を当てて、マクロ経
済学、ミクロ経済学、制度経済学、政治経済学などのアプローチを援用し、途上国における産
業化・市場化のプロセスを解明していきたい。
2.教科書・
教科書・参考文献
参考文献;速水祐次郎『開発経済論 新版』(2000)、M.Todaro and S.Smith Economic
Development(2008)、石井菜穂子『長期経済発展の実証分析』(2003)、R.グラボウスキー+S.セ
ルフ+M.シールズ『経済発展の政治経済学』(2008)、中兼和津次『体制移行の政治経済学』
(2010)
3.成績評価方法
平常点(30 点)、期末テスト(70 点)。毎回出席を取ります。出席が 2/3 以上でなければ期末テ
スト資格はなくなることにご注意ください。
4.授業計画
I総論
1 途上国の分類と特徴
2 経済開発理論の変遷
3 市場経済への移行
4 経済成長理論:モデルと実証分析
10
II途上国の工業化
5 途上国の工業化と産業化
6 物的資本と人的資本の蓄積
7 技術進歩
8 企業家
9 農業と工業化
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
年度「指定科目8
指定科目8」>
科目名
開発経済論b
単位数
2 単位
期
第二学期
担当教員
羅 歓鎮 先生 (ラ カンチン)
授業時間
木曜日 13:00~14:30 (3時限)
教室
A306(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
途上国の経済開発:工業化と市場化
2) 授業内容
アメリカや日本をはじめとする先進国へキャッチアップし、先進国の国民と同様な生活を享受
したい。それが発展途上国の人々の長年の念願です。しかし、それを実現することが非常に
難しい。東アジアなど一部の途上国・地域は経済成長・経済開発を実現しているが、より多くの
途上国は経済停滞に陥っています。21 世紀に入っても、一日一ドル以下の生活に強いられて
いる貧困者は 10 億人を越えています。なぜ東アジアは経済開発に成功したのか。なぜ数多く
の途上国は経済開発を努力したが、あまり効果をあげなかったのか。
経済開発を工業化・市場化として政府、企業、国民及び国際社会がかかわる複合的な経済、
社会の変遷プロセスと理解されます。そこで、本講義は、政府と企業に焦点を当てて、マクロ
経済学、ミクロ経済学、制度経済学、政治経済学などのアプローチを援用し、途上国における
産業化・市場化のプロセスを解明していきたい。
2.教科書・
教科書・参考文献
参考文献;速水祐次郎『開発経済論 新版』(2000)、M.Todaro and S.Smith Economic
Development(2008)、石井菜穂子『長期経済発展の実証分析』(2003)、R.グラボウスキー+S.セ
ルフ+M.シールズ『経済発展の政治経済学』(2008)、中兼和津次『体制移行の政治経済学』
(2010)
3.成績評価方法
平常点(30 点)、期末テスト(70 点)。毎回出席を取ります。出席が 2/3 以上でなければ期末テ
スト資格はなくなることにご注意ください。
11
4.授業計画
III途上国の市場化
1 経済開発の深層要因
2 市場化プロセス
3 政府の役割
IV経済開発戦略
4 グローバリゼーションと経済開発
5 経済開発戦略の選択
6 国際社会の役割
V持続可能な経済開発へ
7 エネルギーと環境
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
指定科目9」>
年度「指定科目9
科目名
企業論a
単位数
2単位
期
第一学期
担当教員
加藤 みどり 先生 (カトウ ミドリ)
授業時間
木曜日 9:00~10:30 (1時限)
教室
B101(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
日本企業のコーポレートガバナンス、会社は誰のものか
2) 授業内容
企業論では、現代企業の活動とそれを取り巻く環境について学習する。
企業論 a では、日本企業を中心に、企業の成立条件や株式市場との関係、現代社会おい
て企業が果たすべき役割などについて取り上げる。「会社は誰のものか」の回では、ライブド
ア騒動、日本製紙 vs.北越製紙などの事例を取り上げ、学習済みの理論と照合しながら考察
していく。
講義中に紹介するバーチャル株取引ゲームを受講と並行して行えば、株式市場と企業活動
の関係をより深く理解できるであろう。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;なし
参考文献;講義中に指示
3.成績評価方法
期末試験 60%、講義中に指示する課題 40%
4.授業計画
12
1. 現代企業の成立
2. 株式市場と企業
3. 新旧日本型コーポレートガバナンス
4. 企業価値
5. 企業の社会的責任
6. M&A の概要と変遷
7. 会社は誰のものか(ケーススタディを中心に)
8. グループ経営の変化
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
10」>
年度「指定科目 10」
科目名
企業論b
単位数
2単位
期
第二学期
担当教員
加藤 みどり 先生 (カトウ ミドリ)
授業時間
木曜日 9:00~10:30 (1時限)
教室
B101(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
世界の中の日本企業
2) 授業内容
企業論では、現代企業の活動とそれを取り巻く環境について学習する。
企業論 b では、企業論 a での学習内容をふまえ、世界の中の日本企業という観点から学ぶ。
日本的経営の特徴・国際競争力、日本型ベンチャーとその背景、グローバル市場への対応
などを考えて行く。また、世界の中でも競争力や特徴が際立つ、日本のコンテンツ・ゲーム産
業、自動車産業などの実例を取り上げ、理解を深める。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;なし
参考文献;講義中に指示
3.成績評価方法
期末試験 60%、講義中に指示する課題 40%
4.授業計画
1. 日本企業の国際競争力
2. 日本企業の特徴(マネジメント、働き方)
3. 日本のベンチャー
4. 日本の代表的産業
5. 生産の海外移転と国内回帰
6. 企業の境界の変化:水平分業、バーチャルコーポレーション
13
7. グローバル経営
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
11」>
年度「指定科目 11」
科目名
消費者行動論a
単位数
2単位
期
第一学期
担当教員
近藤 浩之 先生 (コンドウ ヒロユキ)
授業時間
月曜日 10:40~12:10 (2時限)
教室
B201(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
消費者行動の基礎
2) 授業内容
この授業科目では消費者行動に関する基礎的な理論やモデルを取り上げていく。流通マー
ケティング学科には多くの専門科目が設置されているので,それらの科目との関係も明確に
するようにしていきたいと考えている。1つの事項について説明をしたら,受講者に質問をし
て理解度を確認するという形で授業を進めていきたい。したがって,受講者は授業中に授業
内容について考えて発言することが求められる。毎回の授業の終わりに出席者全員に授業
内容に関する質問や感想を書いて提出してもらう。重要な質問等については次回の授業の
冒頭で取り上げることにより,履修者の理解度をさらに深めるよう努めたい。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;使用しない。
参考文献;青木幸弘『消費者行動の知識』(日経文庫)、清水聰『新しい消費者行動』(千倉
書房)、田中洋『消費者行動論体系』(中央経済社)、その他,授業中に随時指示する。
3.成績評価方法
成績評価方法
この授業科目は Z 評価もあり得る平常点評価科目である。出席点(15%)、授業中の発言およ
び授業後の質問感想用紙を含む平常点(15%)、レポート(4000 字以上を予定)に対する評価
(35%)、学期末試験の得点(35%)に基づいて総合的に評価する。「出席回数が全授業回数
の7割に満たない」、「同一学期中に私語で 2 回注意を受けた」、「レポートを提出しなかった」、
「学期末試験を受験しなかった」のいずれか 1 つにでも該当する場合には成績評価は Z とな
る。また、Z 評価の条件には該当しなくとも、平常点、レポート、学期末試験のいずれかに問
題がある場合には、成績評価は X となる可能性があるので注意のこと。
4.授業計画
Ⅰ. マーケティングにおける消費者行動の位置付け
消費者行動とは?
消費関数論争
マーケティング・パラダイムと消費者行動
Ⅱ. 消費者行動モデルとその応用
14
ハワード=シェス・モデル
手段目的連鎖モデルとラダリング法
<東京経済大学―
京経済大学―2011年度
2011年度「
12」>
年度「指定科目 12」
科目名
消費者行動論b
単位数
2単位
期
第二学期
担当教員
近藤 浩之 先生 (コンドウ ヒロユキ)
授業時間
月曜日 10:40~12:10 (2時限)
教室
B201(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
消費者行動 応用
2) 授業内容
この授業では消費者行動に関する理論やモデルについて解説していくと同時に,各受講者
がそれらを自分自身の体験に当てはめることにより理解を深められるよう,演習を多く取り入
れていきたいと考えている。演習課題については履修者に発表してもらう機会も設ける予定
である。毎回の授業の終わりに出席者全員に授業内容に関する質問や感想を書いて提出し
てもらう。重要な質問等については次回の授業の冒頭で取り上げることにより,履修者の理
解度をさらに深めるよう努めたい。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;使用しない。
参考文献;青木幸弘『消費者行動の知識』(日経文庫)、阿部周造『消費者行動』(千倉書
房)、宇野善康『「普及学」講義:イノベーション時代の最新科学』(有斐閣)、清水聰『新しい
消費者行動』(千倉書房)、清水聰『戦略的消費者行動論』(千倉書房)、高橋郁夫『増補 消
費者購買行動:小売マーケティングへの写像』(千倉書房)、田中洋『消費者行動論体系』
(中央経済社)、中西正雄編著『消費行動分析のニュー・フロンティア』(誠文堂新光社)、
E.M.ロジャーズ著,青池愼一・宇野善康監訳『イノベーション普及学』(産能大学出版部)、そ
の他,授業中に随時指示する。
3.成績評価方法
この授業科目は Z 評価もあり得る平常点評価科目である。出席点(15%)、授業中の発言およ
び授業後の質問感想用紙を含む平常点(15%)、レポート(4000 字以上を予定)に対する評価
(35%)、学期末試験の得点(35%)に基づいて総合的に評価する。「出席回数が全授業回数
の7割に満たない」、「同一学期中に私語で 2 回注意を受けた」、「レポートを提出しなかった」、
「学期末試験を受験しなかった」のいずれか 1 つにでも該当する場合には成績評価は Z とな
る。また、Z 評価の条件には該当しなくとも、平常点、レポート、学期末試験のいずれかに問
題がある場合には、成績評価は X となる可能性があるので注意のこと。
15
4.授業計画
I. 多属性態度モデルと関連モデル
多属性選択モデル
Bass モデル(演習課題あり)
Fishbein モデル(演習課題あり)
態度変容の方法(演習課題あり)
非代償型モデル(演習課題あり)
II. 精緻化見込みモデル(演習課題あり)
III.普及学と関連理論
IV.店舗選択行動モデル
V. ネット時代の消費者行動
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
年度「指定科目 13>
13>
科目名
流通論a
単位数
2単位
期
第一学期
担当教員
本藤 貴康 先生 (ホンドウ タカヤス)
授業時間
月曜日 13:00~14:30 (3時限)
教室
A405(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
「流通の基本」と「メーカーのチャネル戦略」
2) 授業内容
「流通論a」では,「流通の基本概念と基本構造」及び「日本の流通構造」を理解した上で,
「メーカーの流通戦略」について紹介します。
「流通の基本」として、まずわが国における商品流通の全体像を大きく捉えてもらいます。そ
して、国内商品流通をどのような企業が担い,どのような目的や効果に基づいているのかに
ついて,学生諸君と一緒に考えながら進めていきます。
「メーカーの流通戦略」とは「チャネル戦略」です。「チャネル」とは「経路」とか「道筋」を意味
します。自社製品の販売先をどのように選別・拡張し,それらとの関係をどのように構築し,管
理していくべきなのか。関連する様々な事例を紹介しながら,これからの方向性を考えていき
ます。授業の基本的な方針として,履修生と一緒に考えていく形で進めて行きます。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;基本的に使用しません。
参考文献;必要に応じて指示します。
3.成績評価方法
期末試験(臨時)の成績・・・・・・・マークシート100点満点×0.8
16
不定期小テストによる総合評価・・・・4回×5点
授業への参加度(発言)・・・・・・・0.5点/回(最高30回15点まで) ※ボーナス配点
4.授業計画
1:流通の基本概念と基本構造
2:流通機能の種類と役割
3:流通チャネルの分化と特徴
4:商業統計に基づく日本の流通構造
5:日本型流通の特徴
6:流通ビジネスの発生と展開
7:流通における新局面
8:流通政策の現状
9:メーカーのチャネル政策:新規市場開拓
10:メーカーのチャネル政策:既存市場の深耕
11:日本型取引慣行
12:事例研究:ビールメーカーの流通政策
13:事例研究:フィルムメーカーの流通政策
14:事例研究:日用品メーカーの流通政策
15:事例研究:化粧品メーカーの流通政策
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
14」>
年度「指定科目 14」
科目名
流通論b
単位数
2単位
期
第二学期
担当教員
本藤 貴康 先生 (ホンドウ タカヤス)
授業時間
月曜日 13:00~14:30 (3時限)
教室
A405(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
卸売業及び小売業の経営環境と経営戦略
2) 授業内容
「流通論b」では,「卸売業の経営戦略」と「小売業の流通戦略」について経営環境と戦略展開
の考え方について紹介していきます。
卸売業は、仕入先のメーカーと販売先の小売業が主要取引先です。そして小売業は、主な
仕入先は卸売業ですが、メーカーと直接取引をすることもあります。そして、販売先として一般
消費者が位置づけられます。このような商業に携わる企業の戦略や戦術について、具体的な
事例を紹介しながら,これまでの流通戦略だけではなく,これからの方向性も一緒に検討して
いきたいと考えています。
17
どのような取り組みが卸売業や小売業の経営基盤構築につながるのか、売上を追求するた
めにどのような努力が必要なのか、最新事例をまじえながら紹介していきます。授業の基本的
な方針として,履修生と一緒に考える授業を予定しています。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;基本的に使用しません。
参考文献;必要に応じて指示します。
3.成績評価方法
期末試験(臨時試験)の成績・・・・・マークシート100点満点×0.8
不定期小テストによる総合評価・・・・4回×5点
授業への参加度(発言)・・・・・・・0.5点/回(最大30回15点まで)※ボーナス配点
4.授業計画
第1回: 卸売業の社会的機能
第2回: 卸売業の歴史的考察
第3回: 卸売業の経営環境
第4回: 卸売業の役割と戦略体系
第5回: 卸売業のマーチャンダイジング戦略とチャネル戦略
第6回: 卸売業のリテールサポート戦略
第7回: 中小卸売業と大規模卸売業
第8回: 事例研究:専門卸、地域卸、全国卸
第9回: 小売業の戦略軸と業態開発
第 10 回: 小売業の情報化と商品管理
第 11 回: 小売業の価格政策と戦略体系
第 12 回: 売場構成の現状と仕組み
第 13 回: 売場政策としてのISM
第 14 回: 事例研究:スーパーマーケット
第 15 回: 事例研究:ドラッグストア
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
15」>
年度「指定科目 15」
科目名
出版論
単位数
2単位
期
第一学期
担当教員
川井 良介 先生 (カワイ リヨウスケ)
授業時間
火曜日 10:40~12:10 (2時限)
教室
A309(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
マス・メディアとしての出版
18
2) 授業内容
豊かな読書生活のために本や雑誌についての基本知識を教示する。
書籍,雑誌など出版メディアはマス・メディア的存在であるが,ミニコミ的存在でもある。ここでは,
特にマス・メディアとしての出版―ペーパーバック(文庫本・新書判),ベストセラー,マス・マガ
ジンを中心に考える。
企画―執筆―編集―印刷―製本―流通―読書という出版現象を一緒に理解しよう。
将来,出版界を志望する者に,基礎的情報を提供したい。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;『出版メディア入門』(日本評論社)
参考文献;田村編『コミュニケーション学入門』(NTT出版)
藤竹暁編『図説日本のマス・メディア 第2版』NHKブックス,植田『出版』(産心社),土田『編
集王』全 16 巻 ビックコミックス,箕輪『消費としての出版』(弓立社),川井『教材 社会的コミュ
ニケーション』(おうふう)
3.成績評価方法
レポートを含む出席点(50 点)と,筆記試験(50 点)の合計点によって評価する
〔履修の留意点〕
授業は,1遅刻の禁止,2私語の禁止,3飲食の禁止,4携帯電話の電源は切る,5着帽の禁
止,6教室の出入り禁止などマナーを守ること。
*第1回は科目のオリエンテーションを行うから必ず出席すること。
4.授業計画
1.出版とは
2.出版メディアの範囲
3.出版メディアの特性と機能
4.書籍の基礎知識
(1)書籍とは
(2)判型…B5判とA5判はどうちがう
(3)書籍の種類…なぜ,みんな安い文庫本で出版されないの?
(4)部数…「甘い印税生活」
(5)奥付とは何か
5.現代のベストセラー…平成のベストセラー「脳内革命」はインチキ本?
6.現代雑誌の世界
(1)雑誌とは
(2)雑誌メディアの特性
(3)雑誌の種類…女性ファッション誌『JJ』『non・no』『ViVi』は質屋の必読誌
(4)現代マス・マガジンの特徴…誰のための『Can Cam』か
7.出版社とその仕事
(1)出版業の特色
(2)出版社
(3)有力出版社の歴史…なぜ,講談社というのか
(4)書籍の編集過程…編集者の仕事は「企画が第一」
19
(5)雑誌の編集過程
8.日本の出版流通システム…なぜ,書店では値引販売しないのか
9.読書と読者
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
16」>
年度「指定科目 16」
科目名
広告論
単位数
2単位
期
第一学期
担当教員
関沢 英彦 先生 (セキザワ ヒデヒコ)
授業時間
金曜日 10:40~12:10 (2時限)
教室
B101(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
広告という不思議なコミュニケーション
2) 授業内容
◆考えてみると,現代のメディア社会を支えているものは広告です。
それなしには,多くのマスメディアは成り立ちません。
さて,では広告って何でしょうか。
ひとを動かす力には,暴力・権力・権威・説得・共感・・といったように荒っぽいものから,
柔らかいものまで,いくつもの段階があります。
広告は,権威・説得・共感といったところに関わるもの。どこまでも平和的な手段です。
◆ところが,一方では,広告は騒がしいし,邪魔でもあります。
どこらあたりで,折り合いをつけるのがいいのでしょうか。
いまという時代は,どんなひとも組織も国も,自分を売り込んでいかないと生き残れません。
◆就職でも恋愛でも,「わたしは・・」と前に打って出ないと無視されてしまいます。
「あれっ,あなたなんか,いたっけ」ということにならないように,自分を主張する。
そうした広告的社会でもあります。なかなか,つらい。
◆こうしたアンビバレント(あっちか?こっちか?)なところが広告にはあって,でも,だからこそ,
ゲームのように面白いともいえます。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;日経広告研究所編『基礎から学べる広告の総合講座』第二講を関沢が担当 日本経
済新聞出版社 購入は不要
参考文献; 適宜紹介します
20
3.成績評価方法
期末のレポート(授業内提出)で評価します。
4.授業計画
◆ 「広告というコミュニケーションの特徴はどこにあるの?」
1. 人を動かすいろいろな力=暴力・権力・権威・説得・共感
2. 広告の4機能=販売促進・情報創造・争点明示・媒体維持
◆ 「広告というコミュニケーションが広告するものは何?」
3. 広告の3方向=商品の広告・組織の広告・考え方の広告
4. 対立する2つの考え方=ブランドを伝える・時代を切る
◆ 「広告の送り手になるのはどのような組織?どんな場合?」
5. 企業にとっての広告とは販売促進だけか
6. 非営利組織における広告とは何が目的か
◆ 「広告会社という専門組織は何をするんだろう?」
7. 広告会社はマーケティング機能を持っている
8. 広告会社はクリエーティブ機能を持っている
◆ 「広告はどういう媒体を通して伝わるのだろう?」
9. テレビ・ラジオという映像と音のメディア
10.新聞・雑誌という活字と写真のメディア
◆ 「新しい広告メディアの動きは?」
11.インターネット・ケータイの持つ力
12.街というメディアはどこへ向うのか
◆ 「広告はどこへ広がっていくのだろうか?」
13. マスメディア広告は消えていくのか
14. 広告業界の未来像はどこへ行くのか
15. まとめ それでも広告は元気だ
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
年度「指定科目 17」
17」>
科目名
マス・コミュニケーション論
単位数
2単位
期
第一学期
担当教員
長谷川 倫子 先生 (ハセガワ トモコ)
授業時間
金曜日 9:00~10:30 (1時限)
教室
B101(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
マス・メディアを理解しその社会的役割を考える
2) 授業内容
21
本講義はマス・コミュニケーションの抱える問題点を具体的な例を通じて理解します。また,マ
ス・メディアの影響と効果についても一緒に考えます。このテーマは,戦後アメリカを中心として
発展したマス・メディア研究の中核でもあり,これまでにマスメディア研究がどのように発展し,ど
のような学問領域と重なり,何を問題にしているのかを理解する一助になると思います。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;春原昭彦・武市英雄編『[ゼミナール]日本のマス・メディア』(日本評論社)
参考文献;講義にて紹介
3.成績評価方法
出席を重視します。出席点(40%),レポート又は試験の成績を総合的に評価します。
4.授業計画
(1)プロパガンダと情報操作
戦争報道を中心として
(2)マス・コミュニケーションの効果と影響に関する研究のながれ
大衆説得
2段の流れ仮説
利用と満足
議題設定機能
沈黙のらせん
(3)ジャーナリズムとは何か
ジャーナリズムとジャーナリスト
言論の自由とは何か
ニュースの社会的役割を考える
(4)テーマ別研究
子どもとテレビ
メディアと暴力
災害とメディア
<東京経済大学
東京経済大学―
2011年度「
18」>
済大学―2011年度
年度「指定科目 18」
科目名
マスメディア産業論(特別講義)
単位数
2単位
期
第二学期
担当教員
長谷川 倫子 先生 (ハセガワ トモコ)
授業時間
月曜日 16:20~17:50 (5時限)
教室
F308(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
日本のマスメディア産業を理解する
22
2) 授業内容
デジタル化やグローバル化によって大きな転換点を迎えている日本のマスメディア産業で
すが,本講義では,各メディア産業の特徴と現状についてわかりやすく解説します。実証的な
データや資料を用いながら,日本ならではの特殊性や外国のメディアとの共通性への理解を
深めていきますが,現時点にいたるまでの,その成り立ちや歴史的な経過についても言及しま
す。また、10 年後、20 年後を見据えて、これからのメディア産業がどのようにランドスケープを変
えてゆくかについても考える予定です。履修者それぞれが,マスメディアへの理解をさらに深め
るだけでなく,自分のキャリア・デザインを考える一助になれば幸いです。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;講義にて紹介します。
参考文献; 講義にて紹介します。
3.成績評価方法
出席(40%),レポート・試験・クイズ(60%)で総合的な評価を行う
4.授業計画
(1) なぜ産業論の視点からマスメディアを考えるか
(2) 日本の新聞産業の特徴
(3) 日本の新聞は生き残れるか
(4) 日本の放送産業の特徴
(5) 日本の出版事情を考える
(6) 電子書籍登場の意味するもの
(7) 日本の映画産業の特徴
(8) 日本の音楽産業の動向を考える
(9) モバイル広告の可能性について
(10) メディアの支配者
(11) メディア・コングロマリットとは何か
(12) グローバル・メディアを考える
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
指定科目 19」
19」>
年度「指定科目
科目名
映像文化論(特別講義)
単位数
2単位
期
第一学期
担当教員
山崎 カヲル 先生 (ヤマサキ カヲル)
授業時間
木曜日 10:40~12:10 (2時限)
教室
スタジオ(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
映像を読む
23
2) 授業内容
1年次の「メディアリテラシー入門」が雑誌広告を中心にしていたのに対して、ここでは主に映
画を対象にして、映像リテラシーをさらに先に進める。通常、映画はストーリー(プロット)や登場
人物にそくして語られることが多い。だが、映画のもっとも映画らしい表現は、フレーム、ショット、
シーンといった、ふだんはあまり注意が払われないところに集中して現れている。この講義では、
映画という物語を具体的に支えている映像表現がどのようなものなのかを、細かく追跡する。講
義が終わったら、映画の見方が変わるだろう。映像と音声との関係も少していねいに見てみる。
多くの映画を素材にする。リュミエール兄弟の最初の映画からはじまって、『大列車強盗』『国
民の創生』『カリガリ博士』『吸血鬼ノスフェラトゥ』『戦艦ポチョムキン』『メトロポリス』『裁かるるジ
ャンヌ』『アンダルシアの犬』『カメラを持った男』『M』『キングコング』『百万両の壺』『駅馬車』『三
つ数えろ』『市民ケーン』『深夜の告白』『雨月物語』『羅生門』『東京物語』『イタリア旅行』『シェ
ーン』『エデンの東』『黄金の腕』『キッスで殺せ』『サイコ』『野いちご』『灰とダイヤモンド』『勝手
にしやがれ』『大人は判ってくれない』『長距離走者の孤独』『イレイザーヘッド』『ストーカー』『赤
い砂漠』『俺たちに明日はない』『ワイルドバンチ』『THX-1138』『仁義なき戦い』『ミツバチのささ
やき』『チャイナタウン』『ミステリー・トレイン』『路』『ふたり』『タクシードライバー』『エイリアン』『ツ
ィゴイネルワイゼン』『ブレードランナー』『死霊のはらわた』『予告された殺人の記録』『ドゥ・ザ・
ライト・シング』『インデペンデンス・デイ』『パルプ・フィクション』『天使の涙』『カンダハール』『も
ののけ姫』『タイタニック』『HANA-BI』『マトリックス』『ボルベール』『Babel』などなど。さらにはマ
ン・レイ、マヤ・デーレン、デレク・ジャーマン、松本俊夫たちの前衛的表現にも触れたい。これ
らからさまざまなショットやシーンを抜き出して、授業中にディジタル・クリップで見せる。時間が
足りないので、テレビについてはあまり語れないが、テレビ固有の表現との比較を最後に考え
たい。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;なし
参考文献;ジャック・オーモン他『映画理論講義』勁草書房、デイヴィッド・ボードウェルほか『フ
ィルムアート』名古屋大学出版会、ルイス・ジアネッティ『映画技法のリテラシー』2巻、フィルム
アート社、ジェイムズ・モナコ『映画の教科書』フィルムアート社、など。特にジアネッティのもの
を推奨する。
3.成績評価方法
授業の途中で、ミニレポートを書いてもらう。さらに、最終レポートとして、自分が選んだ映画の
代表的なシーンを分析してもらう。最終レポートを提出しない場合、ミニレポートは考慮の対象
外になる。また並行して、私が選んだ30本ほどの映画のなかから、月に3本程度の映画を見て、
その概要をレポートする。映画に強い関心がない学生には、およそ向いていない授業だと考え
てほしい。
4.授業計画
01 映像 静止から運動へ
02 映画独特の表現の成立
03 フレームの諸問題(サイズ・アングルなど)
04 ショットという単位 シーンとシークエンス 統辞法
05 カメラと視線 映画的同一化 コンティニュイティの構成
24
06 音と文字の役割
07 色彩と照明の役割
08 運動表現
09 空間と時間の表現
10 ジャンル
11 映像的隠喩の構造
12 前衛映画とミュージックビデオ
13 物語としての映画
14 テレビと映画の表現の違い
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
20」>
年度「指定科目 20」
科目名
比較文化論
単位数
2単位
期
第二学期
担当教員
山崎 カヲル 先生 (ヤマサキ カヲル)
授業時間
金曜日 10:40~12:10 (2時限)
教室
F308(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
映像を通じての異文化理解
2) 授業内容
異なった諸文化が映画という映像をどのように表象されるのかを理解し、単なる内容分析にとど
まらない映像世界を経験する。主にハリウッドで作成された映画を、1910年代から2000年代
まで通観しながら、そこに現れた異文化表象を分析する。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;なし
参考文献; 授業中に指示する。
3.成績評価方法
授業中にミニレポートを2度出してもらう。それと最終レポートを4対6の割合で評価する。ただし、
最終レポートを提出しない場合には、ミニレポートは考慮されない。
4.授業計画
1:映像の技法(1)
2:映像の技法(2)
3:映像の技法(3)
4:理解と翻訳
5:ステレオタイプ
6:民族・階級・ジェンダー
7:異文化表象(1) 先住民族
25
8:異文化表象(2) アジア人
9:異文化表象(3) ヒスパニック
10:異文化表象(4) アフリカ人
11:異文化表象(5) ユダヤ人
12:異文化表象(6) アラブ人
13:歴史的変遷(1)
14:歴史的変遷(2)
15:まとめ
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
21」>
年度「指定科目 21」
科目名
マスメディアの現場から2011(特別企画講義)
単位数
2単位
期
第二学期
担当教員
長谷川 倫子 先生・有山 輝雄 先生
(ハセガワ トモコ・アリヤマ テルオ)
授業時間
土曜日 10:40~12:10 (2時限)
教室
K101(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
マスコミで働く人びとをゲスト講師に迎えて現場の様子を知る
2) 授業内容
マスメディア産業の現場から多彩なゲストを迎え、それぞれの現場の話を聞く。メディア制作の
最前線に身を置く人びとが、どのような意識でそれぞれの活動を行っているのかなど、制作過
程での体験談を中心に語ってもらう。マスメディアで働くにはどのような知識、スキル、目的意識
が求められるのか、またどんな苦労や喜びがあるのかを知ることでマスメディアへの理解をより
深め、履修者各自がキャリア形成について考える一助ともなることを目指している。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;特になし
参考文献;適宜指定する
3.成績評価方法
講義への出席状況と課題による総合的な判断を行う。
4.授業計画
(1)マスメディアの現場と仕事(含オリエンテーション)
(2)新聞社の仕事
(3)国際情報発信の現場:言葉の壁をいかに乗り越えるか
(4)ジャーナリスト紛争地帯を行く
(5)良質のテレビ番組を問う
26
(6)テレビタレントの仕事:ナレーターとは
(7)やらせを考える
(8)バラエティ番組の制作現場
(9)なつかしのラジオ深夜放送番組を振り返る
(10)週刊誌記者の仕事
(11)オリンピック報道の現場
(12)テレビショッピングを考える
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
年度「指定科目 22」
22」>
科目名
単位数
期
コミュニケーション戦略論
2単位
第二学期
担当教員
関沢 英彦 先生 (セキザワ ヒデヒコ)
授業時間
金曜日 9:00~10:30 (1時限)
教室
F307(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
企業は戦略的にコミュニケーションをする
2) 授業内容
◆現代のメディア社会において,企業はもっとも中心的なコミュニケーションの主体です。しか
も,もっとも戦略的に情報を発信しています。
◆この授業では,企業を含む幅広い組織がどのようにコミュニケーション戦略をしているかを見
ていきます。
◆コミュニケーション戦略を 6 つの W(WHO WHOM WHEN WHAT WHERE)と 1 つの H(HOW)
で考えていきます。HOW については 6 つの視点で分析をします。
◆毎回そのテーマについての解説。DVD、ネットなどによる現物の分析。そして最後に「課題」
です。
◆毎週の「課題」で成績が決まるので、1 時間目に出席をし続ける自信のない人は受講を慎重
に考えてください。
◆企業コミュニケーション論,広告論,広報論,マーケティング論などと共に学ぶことで,企業が
行っているコミュニケーションの全体像が見えてきます。
◆広告会社,企業の広報,商品開発の仕事を目指す人に役立つことが色々盛り込まれると思
います。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;とくにありません
参考文献;駒橋恵子・関沢英彦『信頼される会社 信頼されない会社』NTT 出版
3.成績評価方法
27
毎週の授業で提出する課題のレポートで評価。学期末の試験・レポートはありません。
4.授業計画
1.コミュニケーション戦略とは何か
2.コミュニケーション戦略の 6W1H WHO
3.コミュニケーション戦略の 6W1H WHOM
4.コミュニケーション戦略の 6W1H WHEN
5.コミュニケーション戦略の 6W1H WHAT
6.コミュニケーション戦略の 6W1H WHY
7.コミュニケーション戦略の 6W1H WHERE
8.コミュニケーション戦略の 6W1H HOW-1 事実の力
9.コミュニケーション戦略の 6W1H HOW-2 感情の力
10.コミュニケーション戦略の 6W1H HOW-3 権威の力
11.コミュニケーション戦略の 6W1H HOW-4 ユーモアの力
12.コミュニケーション戦略の 6W1H HOW-5 ビジュアルの力
13.コミュニケーション戦略の 6W1H HOW-6 物語の力
14.コミュニケーション戦略論 まとめ
15.コミュニケーション戦略論 まとめ
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
年度「指定科目 23」
23」>
科目名
音楽文化論
単位数
2単位
期
第一学期
担当教員
授業時間
教室
山田 晴通 先生 (ヤマダ ハルミチ)
金曜日 10:40~12:10 (2時限)
F308(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
日本のポピュラー音楽史から考える音楽文化論
2) 授業内容
私たちの日常生活には,ポピュラー音楽を中心とした音楽が様々な形で浸透している。音楽は,
単に娯楽として生活に潤いを与えるだけでなく,あるいは経済的に,あるいは社会的に,様々
な広がりをもつ文化現象の核となっている。この講義では,日本のポピュラー音楽の歴史を振り
返りながら,多様な視点からポピュラー音楽が紡ぎだす文化のあり方について検討していく。
講義では,まず最初に「ポピュラー音楽」という概念とその歴史性を批判的に検討する。ポピ
ュラー音楽とは何か,というある意味で極めて不毛な問いかけから講義は始まる。そこではまず,
ポピュラー音楽は,いかなる意味において「ポピュラー」であり,どのような音楽「ではない」のか
について議論することを通して,ポピュラー音楽の本質を,複製技術,商品化といった文脈から
28
捉え直す。続いて,録音技術の導入以降,1970 年代までの日本のポピュラー音楽史から,エ
ピソードを取り上げ,それぞれの時代の大衆文化という文脈において,ポピュラー音楽の享受
がどのような形で展開されているのか,という観点からポピュラー音楽を取りまく社会状況や文
化産業について,具体的事例に触れながら,考えていく。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;教科書は用いない。必要に応じてプリント類を配布する。
参考文献;授業中に指示する。とりあえず,初回の授業については,次の論文を事前に読んで
おくと理解が深まる。山田晴通(2003):「ポピュラー音楽の複雑性」東谷 護・編『ポピュラー音
楽へのまなざし』勁草書房、所収
3.成績評価方法
出席状況(15%),ほぼ毎回出す課題レポート(45%),期末に提出する臨時レポート(40%)を
総合して評価を下す予定である。
4.授業計画
以下のテーマについて,それぞれ 1〜2 回をかけて,講義を進めていく。
・「ポピュラー音楽」概念をめぐる議論
・明治期における大衆的音楽芸能と録音技術の登場
・大正期における西洋音楽の浸透〜摂取とレコードの普及
・昭和戦前期における音楽産業の確立と多様なポピュラー音楽
・戦時体制下におけるポピュラー音楽の動員と統制
・戦後占領期におけるポピュラー音楽の新たな興隆
・高度経済成長期におけるポピュラー音楽と若者文化
なお,講義内容等については,追加情報を含め,研究室のウェブ・ページで常時情報を提供
しているので,こちらも参照すること。
http://camp.ff.tku.ac.jp/yamada-ken/
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
24」>
年度「指定科目 24」
科目名
特殊販売と法
単位数
2単位
期
第一学期
担当教員
村 千鶴子 先生 (ムラ チズコ)
授業時間
火曜日 10:40~12:10 (2時限)
教室
B101(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
特定商取引に関する法律
2) 授業内容
いわゆる悪質商法被害では、ネット取引、訪問販売、電話勧誘販売、マルチ商法、内職商法な
どの手口によるものが多くを占めている。また、英会話スクールの倒産、結婚相手紹介サービ
スのトラブルの増加などが社会問題ともなっている。これらの被害が社会問題化したことから、
29
特定商取引法では、被害を防止するための取締規定と、消費者被害を解決しやすくするため
のクーリング・オフ制度などの民事ルールを定めている。この講義では、以上のような趣旨で制
定された特定商取引法について取り上げる。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;村千鶴子「改正特定商取引法のすべて 第三版」 中央経済社
参考文献;消費者六法,「くらしの豆知識 2011 年版」国民生活センター,「消費者はなぜだまさ
れるのか」村千鶴子(平凡社新書),「特定商取引に関する法律の解説」経済産業省商務情報
政策局・編
3.成績評価方法
期末試験による
4.授業計画
授業計画
下記の内容を取り上げる。
1 ガイダンス、授業計画の説明など
2 消費者被害における特殊販売被害の実情,および規制法の改正経過
3 特定商取引法の概要
4 訪問販売の定義と規制
5 クーリング・オフ制度のポイント
6 特定商取引法の取消制度と消費者契約法の取消制度
7 電話勧誘販売の規制
8 通信販売の規制
9 インターネット通信販売の規制と迷惑メールの規制
10 連鎖販売取引(マルチ商法)の規制
11 ねずみ講とマルチ商法
12 特定継続的役務提供の規制
外国語会話教室,パソコン教室,エステサロンなどに関する規制
13 業務提供誘引販売取引(内職商法)の規制
14 ネガティブオプション
15 行政監督制度と申出制度、消費者団体訴訟制度
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
25」>
年度「指定科目 25」
科目名
単位数
期
消費者契約と法
2単位
第二学期
担当教員
村 千鶴子 先生 (ムラ チズコ)
授業時間
火曜日 10:40~12:10 (2時限)
教室
B101(予定)
1.講義要項
30
1) 授業表題
消費者契約法
2) 授業内容
消費者は、生活をする上で必要な商品やサービスを購入する必要がある。私たちの日常生活
では、多種多様な契約を繰り返すことによって成り立っているのが実状である。ところが、消費
者契約では、消費者と事業者との間には様々な格差があるために消費者被害が多発している。
世の中が便利になればなるほど、事業者と消費者との格差が開き消費者被害は増加する傾向
がある。このような実状から、情報格差と交渉力格差に着目し、格差を是正し、格差による被害
を救済しやすくするために、民法の修正ルールとして 2000 年に制定されたのが消費者契約法
である。この講義では、消費者被害の事例を見つつ、消費者契約法の内容について取り上げ
る。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;村千鶴子「市民のための消費者契約法,第3版」中央経済社
参考文献; 消費者六法,くらしの豆知識,テキストブック消費者法,消費者契約法(落合誠一,
有斐閣),コンメンタール消費者契約法(日本弁護士連合会消費者問題対策委員会・編,商事
法務研究会),消費者はなぜだまされるのか(平凡社新書)
3.成績評価方法
期末試験による
4.授業計画
下記の内容を取り上げる。
1 消費者契約被害の実情と原因
2 民法の契約ルールと消費者契約の特殊性
3 消費者契約法の目的と事業者の責務
4 消費者契約とは ― 適用対象の問題
5 取消制度の概要
6 取消事由1 ― 重要事項の不実告知
7 取消事由2 - 断定的判断の提供
8 取消事由3 ― 不利益事実の故意による不告知
9 取消事由4 ― 困惑類型
10 取消期間、取消の範囲、取消後の清算方法
11 不当条項制度の概要
12 不当条項1 ― 事業者の権利を制限する条項
13 不当条項2 ― 消費者の義務を加重する条項
14 不当条項3 ― 遅延損害金に関する規制と特別法
15 消費者団体訴訟制度の必要性と機能
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
年度「指定科目 26」
26」>
31
科目名
単位数
期
環境と法
2単位
第一学期
担当教員
礒野 弥生 先生 (イソノ ヤヨイ)
授業時間
月曜日 10:40~12:10 (2時限)
教室
A406(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
環境と法
2) 授業内容
「環境問題と政策」で学んだことを前提として,環境保護に関する日本の法制度を鳥瞰する。
具体的には、環境基本法について逐条的に講義しながら、以下のことを学ぶ。環境法の歴史、
環境法の原則、環境権,環境計画,環境基準、環境アセスメント、そして環境を保護するため
に様々な手法について学ぶ。そして、環境分野の問題解決のための訴訟制度あるいは特別の
救済制度について概観する。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;富井利安編『レクチャー環境法』(法律文化社)
参考文献;阿部・淡路編『環境法』(有斐閣)
3.成績評価方法
定期試験 80 点,授業内試験 20 点。
4.授業計画
(1) 環境法の歴史と現在(1)
(2) 環境法の歴史と現在(2)
(3) 国際環境法と国内法の関係
(4) 環境法の諸原則(1)
(5) 環境法の諸原則(2)
(6) 環境基本計画,環境基準
(7) 国、自治体、企業の役割
(8) 企業の責任
(9) 市民参加と環境保護
(10) 環境影響評価制度
(11) 環境を保全し、再生するための手法
(12) 環境を保全し、再生するための手法
(13) 環境と情報
(14) 環境と裁判・裁判外の紛争解決
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
年度「指定科目 27」
27」>
32
科目名
環境規制と法
単位数
2単位
期
第二学期
担当教員
礒野 弥生 先生 (イソノ ヤヨイ)
授業時間
月曜日 10:40~12:10 (2時限)
教室
A406(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
環境規制と法
2) 授業内容
環境問題解決のための手法にはさまざまあるが,規制的手法を中心として学ぶ。環境計画,環
境基準の法的性格,そしてその実施法としての個別法における規制手段の法的側面を基礎か
ら学ぶ。規制について,国と自治体の関係を含めて考える。
規制的手法といっても,権力的手法だけでなく,非権力的な手法,さらには経済的な手法に
も言及したい。
なお、レポートは出さないが、下記の通り、準備学習および復習の手助けとして、課題を出し、
授業中にそれをまとめ、提出してもらう。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;富井利安編『レクチャー環境法』(法律文化社)
参考文献; 阿部・淡路編『環境法』(有斐閣)
3.成績評価方法
定期試験(80%)と授業内レポート(20%)
4.授業計画
(1) 環境法における規制の意義
(2) 規制の目標と計画―環境基準,環境基本計画,公害防止計画―、環境への負荷行為とそ
の許容限度―規制基準―
大気汚染規制を中心に
(3) 施設の設置許可,業の許可,許可の取消し,行政指導
(4) 地域指定,用途指定
自然保護を中心に
(5) 自治体における規制の可能性
(6) 市民の参加と規制
(7) 公害防止協定,環境保全協定
(8) 開発規制と環境保護
(9) 義務の履行を確保する
(10) 経済的誘導措置
(11) 規制と行政訴訟
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
年度「指定科目 28」
28」>
33
廃棄物リサイクルを中心に
科目名
高齢者福祉a
単位数
2単位
期
第一学期
担当教員
授業時間
教室
奥山 正司 先生 (オクヤマ ショウジ)
月曜日 9:00~10:30 (1時限)
A306(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
高齢社会とはどんな社会なのかを考える
2) 授業内容
高齢化というのは具体的にどういう現象をさすのか。高齢者とはどういう存在なのか。また,高齢
者福祉や老年学はどういう分野のことを学ぶのか。高齢化,長寿化など人口高齢化がもたらす
社会的インパクトや老年期における高齢者の社会生活の変化及び老人福祉,老後保障の動
向などについて学ぶ。
講義では,人口高齢化,長寿化,高齢化の地域的偏在,寿命,健康寿命,エイジズム,家族,
居住形態,ライフ・サイクル,就業,高齢者の参加活動など高齢者の客観的な生活の様相につ
いて講義し,高齢者を取り巻く高齢(化)社会の全体像を明らかにする。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;第 1 回目の授業で指示する
参考文献;授業中にその都度指示する
3.成績評価方法
筆記試験(70%)を基礎にして,レポート(20%),出席(10%)等を加味して総合的に評価す
る。
4.授業計画
1~2. 高齢者福祉と社会
社会学及び社会福祉学など社会科学的視点から高齢者をとらえていくとはどういうこと
なのか。 老年学,(Gerontology)とはどういう学問か。それは,医学的観点とはどのよ
うに異なるのか。また,離脱理論,活動理論とは高齢者と社会のありかたをどうみてい
るのか。
3~4. 人口高齢化と高齢化社会・長寿社会・エイジズム
エイジング(加齢,Aging)高齢化,長寿化,及びエイジズム(Ageism)とはどういう現象
か。また,わが国の人口高齢化の進展は,諸外国の高齢化と比較するとどのような特
徴がみられるのか。人口高齢化の要因及び人口高齢化の地域的偏在とそこに生起す
る問題とは何か。
5~6. 高齢者と家族,老親子の居住形態
戦後,イエ制度の廃止により,これまで社会的に承認されてきた子が老親を扶養すると
いう規範が弱体化し,老親と既婚子との生活の結合が徐々に分離してきている。その
具体的様相はどのような状況なのか。
34
7~8. ライフ・サイクル,家族周期と老年期
人間一人ひとりの一生は生物学的な加齢によって規定されるとともに,年齢に結びつ
いた役割と出来事によってつくられる。出生から死亡に至るライフ・サイクルの過程は,
戦前と戦後でどのように変化し,それが高齢者の生きかたにどのように影響しているの
であろうか。
9~10. 高齢者と生計
高齢者の生計をとりまく経済状況はどのような状況か。高齢者世帯の所得水準,高齢
者世帯の所得構造,高齢者世帯の消費水準,高齢者世帯の消費構造,高齢者の資
産・負債など。
11~12.高齢者と就業・雇用,定年退職,
人口の高齢化に伴い,労働力人口も急速に高齢化し,わが国の経済社会の動向にも
大きな影響を及ぼしている。その動向について
13.社会参加について 社会参加高齢者の就業意向とその現実,高年齢雇用対策やシルバ
ー人材センターの状況,社会参加などについて。
14.米国、北欧、イギリス等の高齢者の生活について
まとめ
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
29」>
年度「指定科目 29」
科目名
単位数
期
高齢者福祉b
2単位
第二学期
担当教員
奥山 正司 先生 (オクヤマ ショウジ)
授業時間
火曜日 9:00~10:30 (1時限)
教室
A306(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
高齢者福祉のニードとサービスを考える
2) 授業内容
高齢者の家族構成や家族機能の変化、高齢者の要介護状態,ねたきり高齢者,痴呆高齢者
等の出現と家族介護状況,高齢者の居住環境等を明らかにするとともに,高齢者保健福祉に
関わる高齢者施策はどのように変遷し,現在,どのように機能しているのかを学ぶ。また,高齢
者のニード及びサービスの特質と在宅福祉サービス及び施設福祉サービスについて具体的に
学ぶとともに介護保険法,老人福祉法,成年後見制度など狭義の高齢者福祉に関わる制度の
内容と特徴を明らかにし,高齢(化)社会の全体像を明らかにする。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;第 1 回目の授業で指示する
参考文献;授業中にその都度指示する
35
3.成績評価方法
筆記試験(70%)を基礎にして,レポート(20%),出席(10%)等を加味して総合的に評価す
る。
4.授業計画
1~2. 高齢者と要介護状態,健康状態,居住生活,住宅環境
長寿化するなかで,要介護高齢者の存在はどのような状況か。また,高齢者が居住す
る住宅は高齢者にとって安全で健康なものか。
3~4. 高齢者と生涯学習,社会参加
高齢期を快活に生きるためには,趣味や生きがいをもち,仲間づくりや地域社会にお
ける役割分担ができるという状況が必要である。これらの能力や資質は,若中年期か
らの学習や社会参加によって身につくものであるが,その実状と対応策について。
5~6. 高齢者と保健・医療
死亡率,有病者率,受療率,国民医療費の動向はどのような状況なのか。従来,老人
福祉対策等の一環として行われてきた老人保健医療対策と成人保健対策を一元化し
た老人保健法とはどのような対策なのか。
7~8. 高齢者と在宅福祉及び施設福祉
在宅福祉 10 箇年計画をかかげたゴールドプラン,新ゴールドプラン,平成 12 年度から
開始したゴールドプラン 21 とはどのような計画か。また,ホームヘルパー,ショートステ
イサービス,デイサービスの現在の水準と将来の達成度などについて。一方,在宅福
祉とならんで施設福祉は,高齢者保健福祉推進 10 箇年戦略により,飛躍的に発展し
ている。特別養護老人ホーム,養護老人ホーム,軽費老人ホーム,有料老人ホーム,
ケア付き集合住宅などの整備状況とその推移などについての現状と課題。
9~10. 高齢者と介護保険制度
介護保険法の制度の内容を,保険者,保険給付,保険料,利用料,保険の財源構成,
利用者の介護サービス利用状況とその問題点と課題。
11~12. 高齢者及び高齢化対策と社会保障,財政支出
老後生活を送るうえで,経済的基盤の中心となるのは年金である。年金は大別すると
公的年金,企業年金,個人年金に分けられる。そのうち,老後保障の柱となるのは公
的年金である。その歴史と現状,将来にむけての問題点とは何か。
13~14.諸外国の高齢者対策
福祉先進国といわれるスエーデン,デンマーク,イギリス,その対極にあるアメリカの高
齢者対策の状況について。
15.
まとめ
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
年度「指定科目 30」
30」>
科目名
人権とマイノリティa
単位数
2単位
36
期
第一学期
担当教員
徐 京植 先生 (ソ キョンシク)
授業時間
木曜日 13:00~14:30 (3時限)
教室
A405(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
「国民」とは何か?
2) 授業内容
「国民」とは何か,とあらためて問われると,戸惑う人が多いであろう。それは,その人々にとって
「国民」という観念が,あらためて考えるまでもない自明のことだからだ。
しかし,現実の社会には「国民」でないがゆえに,さまざまな無権利状態や差別を強いられて
いる人々が存在する。
日本社会の代表的マイノリティである「在日朝鮮人」について学び,そのことを通じて「国民」
観念の自明性を批判する。それはまた「人権」を真に普遍的な価値として理解するために必要
な考察でもある。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;講義中にプリント等を配布する。
参考文献;講義中に指示する。
3.成績評価方法
学期末の試験で判定する。試験の問題は授業に出席していれば解答できる程度の難しさにす
るが、逆に言えば、出席していないものには解答することは困難である。
4.授業計画
1.イントロダクション
2~4.「在日朝鮮人」とは何か?その形成の歴史的背景
5~8.「在日朝鮮人」をめぐる現状の諸問題
9~11.「国民」とは何か? 「国民」観念はどのようにして造られたか
12.まとめ
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
年度「指定科目 31」
31」>
科目名
人権とマイノリティb
単位数
2単位
期
第二学期
担当教員
徐 京植 先生 (ソ キョンシク)
授業時間
木曜日 13:00~14:30 (3時限)
教室
A405(予定)
1.講義要項
37
1) 授業表題
差別思想の背景と現状
2) 授業内容
人権思想は単なるお題目ではない。人権を尊重し護っていくためには,不断の努力とともに,
人権がどのような場面でどのように侵害されるのかという具体的事例を学ぶ必要がある。この講
義にいう「マイノリティ」とは,単に数が少ないだけでなく,文化的,性的,民族的,その他さまざ
まな意味で,不当な差別を受けている人たちを指す。
この講義では、手がかりとしてナチス・ドイツによる「ホロコースト」(ユダヤ人大虐殺)を詳しく論
じながら、差別思想の背景を考察していく。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;講義中にプリントを配布する。
参考文献;講義中に指示する。
3.成績評価方法
学期末の試験で判定する。試験の問題は授業に出席していれば解答できる程度の難しさにす
るが、逆に言えば、出席していないものには解答することは困難である。
4.授業計画
1.イントロダクション
2~5.ナチス・ドイツによる「障害者」抹殺とユダヤ人抹殺
6~11.未定(上記から発展させて,日本社会に身近な差別について考える)
12.まとめ
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
32」>
年度「指定科目 32」
科目名
家族論a
単位数
2単位
期
第一学期
担当教員
澁谷 知美 先生 (シブヤ トモミ)
授業時間
水曜日 9:00~10:30 (1時限)
教室
A405(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
近代家族の歴史と現在
2) 授業内容
※下記特記事項も熟読のこと。
家族とは異なる性と世代の人びとが寄り集まる社会集団のことである。家族やそれに類似した
集団は通時代的に存在してきたと考えられているが、その構成員や規模や目的は時代や文化
によって様々である。だとすれば、現代私たちが「家族」という言葉でイメージする集団(父と母
38
に子どもが約二人の「愛情」によってつながれた集団)は、今という時代に特有の家族像でしか
ない。このような家族を「近代家族」と呼ぶ。
本講義では産業構造や人口動態との関連を視野に入れつつ、いかなる歴史的経緯によって
近代家族が成立したかを見る。そののち、親子関係に注目をし、現代の家族にいかなる問題
(や疑似問題)が生じているのかを検討する。最終的に、家族をめぐる現象が「私的/個人的
なもの」どころか社会や時代の影響を大きく受けていることを理解することが本講義の目標とな
る。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;落合恵美子著『21 世紀家族へ』第3版(有斐閣)1700 円+税
参考文献;授業中に指示する。
3.成績評価方法
次の四段階の手続きによって評価を行う。(1)まず、ほぼ毎講義ごとに実施の授業内レポート
が7枚以上提出されているか確認する。6枚以下なら無条件に「不可」。(2)次に、うち1枚を任
意に選択し評価する(約 50%)。(3)さらに試験を実施する(約 40%)。(4)(2)と(3)の合計点
が一定以上かつレポートが全枚数提出されている場合のみ出席点を付与する(約 10%)。
4.授業計画
1 近代家族の歴史
1‐1 サラリーマンと専業主婦の組合せはどのようにして誕生したか
1‐2 なぜ「子どもは二人」になったのか
1‐3 なぜ家事には賃金が支払われないのか
1‐4 なぜ核家族化が進行したのか
2 近代家族の現在――親子関係をめぐって
2‐1 親はだめになったか
2‐2 離婚/非婚の親と子どもの現状はどうなっているか
2‐3 老親介護をするのは誰か
※ 一項目が一回の講義に対応しているわけではない。
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
33」>
年度「指定科目 33」
科目名
単位数
期
家族論b
2単位
第二学期
担当教員
澁谷 知美 先生 (シブヤ トモミ)
授業時間
水曜日 9:00~10:30 (1時限)
39
教室
A405(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
少子高齢社会における家族と個人
2) 授業内容
※下記特記事項も熟読のこと。
少子高齢化とくに少子化が「社会問題」とされ、その解決が叫ばれて久しい。しかし、問題とさ
れる理由をよくよく検討してみると本当に問題なのか疑念がわくのも事実である。問題化の理由
は主に「働き手が不足するため」「社会保障制度が破綻するため」だが、いずれも現行のあり方
やシステムを前提にするから問題になるのであって、そうでない形を模索すれば問題とはなら
ない。したがって真に議論されるべきは、少子化の解決よりも、少子高齢化を前提とした新たな
制度設計である。
この講義では、その制度設計がどの方向に進めばよいのか、家族と個人を起点に考える。雇
用、育児、社会保障、教育などとの関連で、少子高齢時代の家族や個人はどのような状況に
置かれているのか、対策を打たないとどうなるのか、対策はどうなされるべきかを検討する。また、
個人の視点から少子高齢時代のライフコースの変化を予想する。
ほとんどの受講者は少子高齢化社会の只中に飛びこむことがすでに決まっている世代であ
る。それゆえ少子高齢化を「社会問題」ではなく、よりよい社会を設計するための「チャンス」と
捉える発想が必要になる。そのための思考力を養うことが本講義の目標である。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;宮本みち子編著『人口減少社会の生活像』(放送大学教育振興会)2300 円+税
参考文献; 授業中に指示する。
3.成績評価方法
次の四段階の手続きによって評価を行う。(1)まず、ほぼ毎講義ごとに実施の授業内レポート
が7枚以上提出されているか確認する。6枚以下なら無条件に「不可」。(2)次に、うち1枚を任
意に選択し評価する(約 50%)。(3)さらに試験を実施する(約 40%)。(4)(2)と(3)の合計点
が一定以上かつレポートが全枚数提出されている場合のみ出席点を付与する(約 10%)。
4.授業計画
1 少子高齢化とは何か、そして何が問題なのか
2 少子高齢時代の問題と対策
2‐1 雇用
2‐2 育児
2‐3 社会保障
2‐4 教育
3 少子高齢時代のライフコース
3‐1 若年期
3‐2 中年期
※ 一項目が一回の講義に対応しているわけではない。
40
<東京経済大学―
東京経済大学―2011
2011年度「
年度「指定科目 34」
34」>
科目名
科学論a
単位数
2単位
期
第一学期
担当教員
榎 基宏 先生 (エノキ モトヒロ)
授業時間
火曜日 13:00~14:30 (3時限)
教室
A405(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
宇宙観と科学の歴史
2) 授業内容
宇宙観の歴史、すなわち、人類が自分たちを取り巻く宇宙をいかに認識し、どのように考えた
のかについての歴史を題材に、科学の発展の歴史について講義する。科学が発展すると共に、
人類が認識する宇宙の「大きさ」は広がっていた。ここでいう宇宙の「大きさ」とは、人類が認識
した全時間・空間の広がりのことであり、「人間の思考が到達できる範囲」と言っても良い。この
人間の思考が到達する範囲は、各時代の科学・社会・文化を反映しつつ、拡大していった。つ
まり、科学の歴史とは、宇宙観の拡大の歴史という面も持っているのである。
本講義では、古代の宇宙観から始め、20 世紀に入り、恒星の集団である銀河を人類が認識
し、宇宙そのものが膨張していることを発見するまでの歴史を解説する。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;指定しない。プリントを配布することもある。
参考文献;講義中に適宜紹介する。
3.成績評価方法
学期末のレポートにより評価する。この他に、数回実施する小レポートの成績を加点する(内容
によっては減点する) 。
4.授業計
1.古代の宇宙観
2.古代ギリシアの宇宙観
3.中世からルネサンスへ
4.コペルニクスの太陽中心説
5.ティコとケプラー
6.ガリレオと望遠鏡
7.ニュートンのプリンキピア
8.恒星の世界
9.銀河宇宙の発見
41
10.膨張する宇宙
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
年度「指定科目 35」
35」>
科目名
単位数
期
科学論b
2単位
第二学期
担当教員
榎 基宏 先生 (エノキ モトヒロ)
授業時間
火曜日 13:00~14:30 (3時限)
教室
A405(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
原子論と科学の歴史
2) 授業内容
原子論を題材に、科学の歴史について講義する。原子論とは「すべての物は原子という微小な
粒々からできている」と言う考えである。原子論が誕生したのは古代ギリシア時代であるが、原
子の実在が最終的に証明されたのは 20 世紀になってからである。では、なぜ、古代のギリシア
人たちは目に見えない原子などという粒々から物ができていると考えたのだろうか?そして、ど
のように目に見えない原子が存在するなどと言うことが証明されたのだろうか? 実は、これら
の問いは「科学的とはどういうことなのか?」という問いと密接に関わっているのである。
本講義は、古代ギリシアの原子論からはじめ、その後、どのように原子の存在が証明されて行
ったのか、についての歴史を学んでいく。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;指定しない。プリントを配布することもある。
参考文献;講義中に適宜紹介する。
3.成績評価方法
学期末のレポートにより評価する。
この他に、数回実施する小レポートの成績を加点する(内容によっては減点する) 。
4.授業計画
1.原子論とは
2.原子論の誕生
3.ルネサンスと近代科学のはじまり
4.錬金術から化学へ
5.原子の実在の証明
6.原子の内部へ
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
年度「指定科目 36」
36」>
科目名
外国史Ⅱa
42
単位数
期
2単位
第一学期
担当教員
余部 福三 先生 (アマベ フクゾウ)
授業時間
月曜日 9:00~10:30 (1時限)
教室
A309(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
イスラーム文明の生成と発展
2) 授業内容
有史以来,中東・地中海地域は世界の文明の中核地域であったことは言うまでもない。古代の
中東・地中海の諸文明,とくにヘレニズム・ローマ文明とペルシア文明を継承したイスラームは,
9―11 世紀には合理主義的な思考を基本として,法学,伝承学から哲学,文法学,歴史学,数
学,医学,自然科学,工学に至るまで,当時の世界でもっとも高度な文明を形成した。本講義
は、西洋を構成する中東とヨーロッパとの関係やイスラーム以前の諸文明を概観したあと、イス
ラーム以前のアラブ人からはじめ,預言者ムハンマド,アラブ人による大征服を経て,常備軍と
官僚制に基づくアッバース朝中央集権国家の成立,10世紀末のアッバース朝統一国家体制
の崩壊、11世紀初頭のアンダルス(スペイン)のウマイヤ朝崩壊までを扱う。現代の世界の諸
問題を考えるには,このような基礎認識がまず第一に必要である。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;余部福三『イスラーム全史』(勁草書房) ただし購入は義務ではない
参考文献;イスラームの歴史や宗教については、英語など外国語の学術専門書や学問的な概
説書は極端なほど多いが、日本語のものはきわめて乏しい。上記の教科書以上のものはない
ようである。
3.成績評価方法
定期筆記試験と出席状況(毎回出席を採るとは限らない)によって評価する。
4.授業計画
1.世界史上及び現代におけるイスラーム、「アジア」と「ヨーロッパ」、古代の諸文明
2.イスラームと西欧、古代南アラビア(イエメン)文明
3.古代のアラビア半島(北アラビア)とアラブ
4.預言者ムハンマド(1)
5.預言者ムハンマド(2)
6.イスラームの大征服とアラブの大移動
7.第1次内乱と第2次内乱
8.ウマイヤ朝の時代
9.ウマイヤ朝末期の政治・宗教運動とアッバース朝革命
10.初期アッバース朝
11.サーマッラーの新軍団(常備軍の完成)と中央集権化への反発
12.古典的イスラーム社会の形成と合理主義の時代
13.再興されたアッバース朝-官僚制国家の完成
43
14. アンダルス(スペイン)のウマイヤ朝
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
年度「指定科目 37」
37」>
科目名
外国史Ⅱb
単位数
2単位
期
第二学期
担当教員
余部 福三 先生 (アマベ フクゾウ)
授業時間
月曜日 9:00~10:30 (1時限)
教室
A309(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
神秘主義に基づく後期イスラーム文明とその世界的規模での拡大
2) 授業内容
イスラーム文明は 12 世紀以後,合理主義から神秘主義に大きく傾向を転換し,中東は停滞の
傾向を見せるようになった。一方,イスラーム文明は中東周辺の氏族社会を形成する山岳民,
遊牧民にも普及し,かれらが次々と結集して,中東や,小アジア,バルカン半島,インドなどを
征服し,新国家を建設するようになった。また,長年の貿易活動を通じて,イスラームは南インド
から東南アジア,中央アジアから中国,ロシア,地中海からサハラ砂漠以南の黒人にも大きく普
及していった。神秘主義が過剰になったため,17―18 世紀以後,初期イスラームへの回帰を
目指すイスラーム改革運動が各地で起こり,現在のイスラーム復興運動へとつながっていく。
一方,西欧の侵略の矢面に立ったオスマン帝国では,18 世紀初頭から西欧化を目指す支配
層の改革が始まった。本講義は神秘主義が各地の人々の心をとらえ,イスラームがそれぞれの
地域の伝統と調和しながら根づき,世界に大きく拡大して行く時代から 20 世紀初頭までを扱う。
現代の世界の諸問題を考えるには,このような基礎認識が不可欠である。
とくに履修の条件は制約しないが,外国史 IIaとあわせて履修する方が理解が容易である。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;余部福三『イスラーム全史』(勁草書房) 購入は義務ではない
参考文献;イスラームの歴史や宗教については、英語など外国語の学術専門書や学問的概説
書は非常に多いが、日本語のものはきわめて乏しい。
3.成績評価方法
定期筆記試験と出席状況(毎回出席を採るとは限らない)によって評価する。
4.授業計画
1.イスラームの完成とイスラーム世界の分裂(11世紀)
2.辺境氏族民のイスラーム改宗と大規模国家の再現(セルジューク帝国とアル・ムラービト帝国)
3.十字軍とモンゴル人の侵寇
4.後期イスラーム社会と神秘主義
5.ルーム・セルジューク朝とオスマン帝国の興隆
44
6.オスマン帝国の全盛と国家・社会体制
7.オスマン帝国の衰退と西欧化に向けての改革
8.インドのディフリー(デリー)・スルターン国とインドのイスラーム化の端緒
9.インドのイスラーム諸国家とイスラーム・ヒンドゥー両教徒の共存
10.ムガル帝国、ムスリム・ヒンドゥー共存からイスラーム国家志向へ
11.ムガル帝国の解体とイスラーム改革運動、イギリスによる乗っ取り
12. 東南アジアのイスラーム化
13. サハラ砂漠以南のアフリカのイスラーム化 西アフリカ
14. サハラ砂漠以南のアフリカのイスラーム化 ナイル渓谷・エチオピア・東アフリカ
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
年度「指定科目 38」
38」>
科目名
地球の科学a
単位数
2単位
期
第一学期
担当教員
新正 裕尚 先生 (シンジョウ ヒロナオ)
授業時間
木曜日 10:40~12:10 (2時限)
教室
F307(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
地球の構成と歴史
2) 授業内容
地球を構成する物質の由来と地球の進化史から、いくつかの題材を取り上げて講述する。現
在の地球は層状の構造を持つが、まず、それらの構造について、解明された経緯を含めて概
観する。歴史を語るためには、様々な出来事が「いつ」起こったかを明らかにする必要がある。
それらを決定する地球や惑星物質の年代測定の方法について述べる。そして、これらの知識
を前提として、太陽系の中で、地球がいつ、どのように形成されたかについて講述した後、形
成後の地球環境の変遷について概観する。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;特に指定しない。
参考文献;講義内で紹介する。
3.成績評価方法
学期末に行なう試験による。講義内での作業や発言を平常点として加点することもある。平常
点のとり方は、履修人数にもよるので、初回の講義で説明する。
4.授業計画
(1) 地球の内部構造と構成物質
(2) 地球史を復元するための年代測定
(3) 太陽系の進化と地球の形成
45
(4) 初期地球の進化と環境変遷
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
年度「指定科目 39」
39」>
科目名
地球の科学b
単位数
2単位
期
第二学期
担当教員
新正 裕尚 先生 (シンジョウ ヒロナオ)
授業時間
木曜日 10:40~12:10 (2時限)
教室
F307(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
地球の変動
2) 授業内容
変動帯である日本列島に住む我々にとって,「動かざる事,大地(山・岩?)のごとし」は,全く
真実ではなく,短期的,長期的に大地が変動する事は,経験的に明らかである。また日本のあ
ちらこちらで大地震や火山活動が見られ,それらの仕組みについて興味を持つ人もいるであろ
う。本講義では,まず地球表層部分の変動の仕組みを理解する上で必須である,プレートテク
トニクスについて講述する。それを基本にして,地震と火山について具体的な現象の紹介を行
い,そのメカニズムについて概観する。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;特に指定しない。
参考文献;講義内で紹介する。
3.成績評価方法
(1)プレートテクトニクス
(2)地震の基礎知識
(3)日本付近の地震の特徴
(4)火山活動と災害
4.授業計画
<東京経済大学
東京経済大学―
2011年度
年度「
―2011
年度
「指定科目 40」
40」>
科目名
ジェンダー論入門a
単位数
2単位
期
第一学期
担当教員
澁谷 知美 先生 (シブヤ トモミ)
授業時間
火曜日 13:0~14:30 (3時限)
教室
F309(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
46
ジェンダー論入門
2) 授業内容
※特記事項も熟読のこと。
ジェンダー論は「女性」と「男性」の違いに意識的になりながら社会現象を分析する学問であ
る。そのことは、女性という集団、男性という集団について別々に考えることではなく、二つの集
団の間に横たわる一つの差異について思考することを意味する。ゆえに「ジェンダーって女の
問題でしょ」という思いこみは間違いで、男性にも大いに関係するテーマである。
この講義では、社会の根幹をなす家族と労働を取りあげて、ジェンダーがどのように私たちの
生活に関わっているのかを見る。また、ジェンダー論の射程が男性にまで及んでいることを実
感してもらうために男性学の成果についても論じる。そしてメディアが私たちのジェンダー形成
に及ぼす影響についても学ぶ。最終的には、受講者の進路選択や人生設計、市民としての公
正な感覚の涵養に役だつ知識を身につけることを目標とする。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;小平麻衣子・氷見直子『書いて考える ジェンダー・スタディーズ』新水社、1850 円+税
参考文献;授業中に指示する。
3.成績評価方法
次の四段階の手続きによって評価を行う。(1)まず、ほぼ毎講義ごとに実施の授業内レポート
が7枚以上提出されているか確認する。6枚以下なら無条件に「不可」。(2)次に、うち1枚を任
意に選択し評価する(約 50%)。(3)さらに試験を実施する(約 40%)。(4)(2)と(3)の合計点が
一定以上かつレポートが全枚数提出されている場合のみ出席点を付与する(約 10%)。
4.授業計画
1 ジェンダー論の基礎
2 生活とジェンダー
1‐1 家族とジェンダー
結婚をして男女が家族になると、男性より女性の側の生活に変化が起こりやすい。それは
なぜなのだろう。戸籍制度や「出産・育児による女性の離職」を事例にその原因を探る。そ
して、私たちが「常識」として見過ごしている性別役割分業の背後にひそむ問題について
考える。
1‐2 労働とジェンダー
日本は先進国でも有数の男女の賃金格差の大きい国である。雇用における男女の待遇の
違いなどを検討しつつその原因を明らかにする。
3 男性学
「女は女に生まれるのではない。女になるのだ」という言葉があるが、同様に「男は男に生ま
れるのではない。男になるのだ」という言い方ができる。男性はどのように「男性」になるの
か。教育社会学などの成果から学ぶ。
4 メディアとジェンダー
アニメやファッション雑誌を検討しながら、男女の表象のされ方の違い、そこに込められる
隠れたメッセージ、視聴者や読者に与える影響について考える
47
<東京経済大学―
東京経済大学―2011年度
2011年度「
年度「指定科目 41」
41」>
科目名
ジェンダー論入門b
単位数
2単位
期
第二学期
担当教員
澁谷 知美 先生 (シブヤ トモミ)
授業時間
火曜日 13:0~14:30 (3時限)
教室
F309(予定)
1.講義要項
1) 授業表題
大学生のための性教育
2) 授業内容
※下記特記事項も熟読のこと。
性別、性欲、性行為など、私たちは何らかの形で「性」と関わりながら生きている。「性」と無関
係な人はいないといってもよい。そこで、この講義では大学生のための性教育を行う。獲得目
標は、受講者が生涯つきあってゆくことになるであろうあらゆる「性」をめぐる現象、今後出合う
であろう「性」にまつわる経験に対して「より良き判断」が下せるようになることである。
はじめに、教養編として、大学生なら最低限おさえておいてほしい性にまつわる知識を身に
つける。ジェンダー論、歴史学、クィアスタディーズなどの成果から、性にかんして「当たり前」と
思われていることの多くが、現代という時代に特有の性的多数者にとっての「当たり前」でしかな
いことを理解する。
次に、実践編として、恋人などの親密な他者とより良い関係を結んでいくにはどのようにしたら
よいかを考える。同時に、親密な他者との関わりがない状況(いわゆる非モテ状態)は改善され
なければならない状態なのかを、批判的に検討する。
2.教科書・
教科書・参考文献
教科書;なし
参考文献;講義中に紹介する。
3.成績評価方法
次の四段階の手続きによって評価を行う。(1)まず、ほぼ毎講義ごとに実施の授業内レポート
が7枚以上提出されているか確認する。6枚以下なら無条件に「不可」。(2)次に、うち1枚を任
意に選択し評価する(約 50%)。(3)さらに試験を実施する(約 40%)。(4)(2)と(3)の合計点が
一定以上かつレポートが全枚数提出されている場合のみ出席点を付与する(約 10%)。
4.授業計画
《教養編》
I 「性別」とは何か
生物学の成果から胎児の性分化がいかにしてなされるかを学ぶ。また、「性別は身体に書き
こまれている」と思われているが、その真偽をジェンダー論の視点から検討する。
II 性の歴史
48
前近代には、現代とは別様の性にたいする考え方、性にかんする行為のあり方があった。前
近代のヨーロッパの解剖学などを取りあげて理解する。
III 性的マイノリティの権利とは何か
「典型的な男性」「典型的な女性」の身体を備えた「異性愛者」だけが「普通」とされる社会は、
レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックスなどの性的マイノリ
ティ(少数者)にとって排他的なものである。少数派の権利が守られる社会のあり方を探る。
そのことは「典型的」とか「普通」とは何かを問う作業でもある。
《実践編》
IV 親密な他者との関係について考える
恋人間の暴力(デートDV)が社会問題化している。どのような行為がDVに当たるのか、なぜ
DVは起こるのかを、防止の手だてとともに考える。
V 「一人でいる」のはいけないことか
親密な他者のいない状態は「恥ずかしいこと」「淋しいこと」というネガティブな評価を受けて
いるが、それは本当なのか。「一人でいること」を肯定
49