新規開業医インタビュー 日本橋Fレーザークリニック 藤井 俊史 院長 大阪府 開業/ 2010 年 8 月 場所/東京都中央区 診療科目/形成外科・外科・美容外科・美容皮膚科 レーザー治療の効果と可能性を 常に提案していくことを心がけています。 大都市の玄関口、JR東京駅にほど近く、地下鉄各線からもアクセス抜群のロケー ションに「日本橋Fレーザークリニック」があります。商業施設やオフィスビルがひ しめくエリアながら周辺は喧噪から離れ、どこか落ち着いた佇まい。何より立地 環境にはこだわったとおっしゃる藤井院長に、専門特化されたクリニックづくり のノウハウや開業にまつわるお話をうかがいました。 設計・施工/オクスアイ医療事業開発株式会社 (東京都千代田区神田) URL http://www.okusuai.co.jp たのです。銀座となると美容分野では Qレーザー治療専門のクリニック を開業された経緯からお聞かせ ください。 競争が激しいですし、八重洲の方でも 物件がありましたが、あそこまで商業 的な雰囲気の中でやるのはイメージに 私はもともと職人志向。専門である 形成外科は、手術自体がダイナミック で扱う手術も幅広く、ほくろやアザの 治療から頭頸部のがんの後の再建な ども形成外科の範疇になります。例え ば、事故で損傷した顔面を再生させ、 機能を回復させるなど、患者さまの社 会復帰をサポートするというやりがい も大きいですね 。美 容外科は形成外 科の一部で、レーザーはその中でも専 門性の高い治療分野。前職の大城クリ ニックで8万症例以上のレーザー治療 を扱った実績をもとに、そろそろ自分 なりの医療方針でやってみようと開業 を決意したのです。 Q 開業までには、どのくらいの準 備期間がありましたか? 合わないですからね。ここは一般のオ フィスビル。オーナーさんも医療関係 は初めてということでしたが、外観の だき、物件情報の提供や資金計画、設 落ち着いた雰囲気をはじめ、高島屋な 計・施工面などでも協力してもらいま どが近くにありながらも、静かな環境 した。この物件が決まったのが昨年の がとても気に入り、本当に掘り出し物 12月頃 。そこから銀 行からの融資関 だと思っています。 連をはじめとする準備を開 始しまし た。実際に工事が始まったのが今年の 5月からなので、開業まではけっこうバ タバタしましたね 。中には、コンサル タントの方に任せっきりという方も多 やはり、患 者 さまの 導 線 でしょう いようですが、やはり自分自身で時間 か。受 付を済ませ待 合 室に行ってい をかけることが大切。運転資金も含め ただいて、その後診察室、治療室と進 た資金計画をきっちり組み、内装など んで 最 後に受 付に戻っていただくと についてもきめ細かく打ち合わせをし いう、患者さまの流れに配慮しました ておくことが、スムーズな開業につな ね。当院では、メインのレーザー治療 がるのではないでしょうか。 室をはじめ、ほくろなどの手術や医療 用レーザー脱毛といった治療に応じ 私は、開業 準備のための時間を確 保しておきたかったので、勤務先を昨 年の春に退職し、週4日程度のアルバ イトをしながら物 件選びなどを進め Q J R 東 京 駅 や 地下 鉄 線 からも 近く、とても利便性のいい場所 にありますね。 た個室が必要になってきます。また、 物件を決めるにあたって、何よりこ 的には私自身が決めていきましたね。 ることにしたのです。もちろん、専門 のコンサルタントの方にも入っていた だわったのは交通の便がいいこと。ア ザの治療などをやっているところはそ んなにありませんし、レーザーに特化 したクリニックになるとさらに少なく なるため、遠くから来られる方が多く なります。ですので、都内や千葉、埼玉 などの周辺都市からでもアクセスがよ く、東京駅からもそれほど遠くない場 所ということで、このあたりを探してい 1 Q 設計・施工面では、どのような ところにこだわられましたか? 治療後に休んでいただくためのリカバ リー室、患者さまとの面談室なども設 けていますが、こうした間取りは基本 内 装 に 関しては 、希 望 するイメージ を伝え、カラースキームなどはデザイ ナーの方が提案してくださったもの。 クリニックの清潔感とともに、和みや 癒しといったサロンの雰 囲気も併 せ 持った心地いい空間になっていて、私 自身も気に入っています。 Q スイッチアレキサンドライトを はじめとする最新機器が完備さ れたメインのレーザー治療室。 白とグリーンを基調に、木目のほどよいナチュ ラル感がプラスされた待ち合いスペース。ソ ファの丸みあるデザインも和やかさを演出。 ソファの生地パター ンを使った、 遊び心あ ふれるディスプレイ。 治療後の休憩や点滴な どのために設けたとい うリカバリールーム。 略歴 1993年 慶應義塾大学医学部卒業 慶應義塾大学病院形成外科入局(研修医) 1994年 浦和市立病院外科(現:さいたま市立病院) 1998年 慶應義塾大学病院形成外科 2000年 大城クリニック 2003年 大城クリニック副院長 2010年8月 日本橋 F レーザークリニック開院 Q 患者さまは、どのような層が多 いのでしょうか? 年齢的に20代半ばから70代までと ても幅広いですね。もちろん、アザの 治療には小さなお子さんも来ていただ いています。中心は、周辺企業にお勤 めの美容意識の高い若い女性層です が、アンチエイジングを目的に来院さ れるご年配の方もいらっしゃいます。 また、予想以上にイボやほくろ、シミの 治療に来られる男性の患者さまも多 いのですよ。クリニックのHPを作成す る際、美容を全面的に打ち出した内容 にせず、しっかりとレーザー治療の専 門情報を訴求した点が、男性の患者さ まの来院につながっているようです。 Q 診 察は、完全予約制で行って おられるのですね。 納得して治療を受けていただくに は、患者さまのご要望をうかがうとと もに、適切な治療計画をご説明する 必要があります。こうした対話の時間 を 確 保し、また患者さまをお待たせ しないためにも、完全予 約制を取っ ているのです。予約はすべて電子カル テで管理。全体的な予約状況の把握 や個々の患者さまの来院履歴の確認 など、情報管理がとてもスムーズです ね 。また、治療 後の会計処 理も瞬時 にできるため、患者さまの待ち時間の 軽減にも役立っています。 Q レーザー治療の専門クリニッ クとして、さらに導入される予 定の治療等はありますか? レーザーでできることは、できるだ け治療項目に取り入れていきたいです ね。例えば、花粉症の治療もレーザー で やれば、効果が高いですから。ま た、痛みの治療にも活用していきたい と考えています。ただし、そのためには 新たな設備投資が必要。レーザーの 機械は、治療に応じて常に最新のもの を買い足していかなければならないの で、その点が大変なのですよ(笑)。 Q 今後、開業をめざされる医師 の方へ、アドバイスをお願いし ます。 まず、開業準備は計画通りに進むも のではないことを肝に銘じておいてほ しいですね(笑)。だからこそ、当初か ら細かく段取りを決めておくことが重 要だと思います。また、私は経験豊富 なスタッフに恵まれましたが、中には スタッフの教育や労使間のトラブルに 悩んでおられる開業医も多いと聞きま す。スタッフ選びには手を抜かないこ 間接照明が効果的に活用され、 やわらかな印象の院内通路。 藤 井 院 長 がユヤマ社の電子カルテ システム「Brain Box」を選ばれた理 由、感想などをうかがってみました。 「コンサルタントの方を通じて、電子カル テのメーカーさん何社かにデモをしてい ただく機会があったのですが、その時に ユヤマ社の「Brain Box」 が一番使い勝手 がよさそうだと直感。何といってもイン ターフェイスがすっきりしている点が気に 入りました。診察室では、患者さまの目に も触れるため、ごちゃごちゃした画面の ものは避けたかったのです。私自身、電子 カルテで楽をするのは事務方だけで、医 者は面倒なだけと思っていましたが (笑) 、 承諾書など個人情報に係わる紙管理はと ても大変。スペースも限られていますから ね。今は一部紙でも管理していますが、何 かあった時にもバックアップがあるので 安心です。また、当院では自費の治療の方 が多いため、治療項目別に料金体系やお 薬などを 「セット」 として作り込んでもらい ました。これがあると、診察時にはいちい ち入力しなくてもドラッグするだけ。他社 製では、こうはシンプルにいかないと思 いますよ。こうしたカスタマイズもユヤマ さんの担当者がすべてやってくださり、新 たに追加する項目などはこちらでできる よう、きめ細かくサポートしてくださった ので助かりました。 」 と。さらに、勤務医時代からも看護師 さんなどとのつながりを大切にしてお くことをアドバイスしたいです。 東京都中央区日本橋3丁目8−14 新洋ビル2F www.nihonbashi-f-laser.com/ 1∼4ページは目にやさしいユニバーサルデザインフォントを使用しています。 2
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