第4号 平成 28 年 5 月 27 日 小田原養護学校 連携部 進路支援担当 中出口 福祉サービスの日中活動② 市・町の事業は⑧の地域活動センターの1種類だけです。通称「地活」と呼ばれています。昔の地域作 業所が「生活介護事業」や「就労継続B型事業」などの国の事業に変わらず、そのまま残った所です。 国の事業との大きな違いは、地活は一括補助だということです。国の事業は一回利用するとその分の給 付金が事業所に入ります。つまり、利用率に応じて給付金が決まるという仕組みになっています。地活 は一括補助なので長期欠席者が出ても補助金が減らされることはありません。地域に根ざして、地域の 中で創作的活動や生産活動、地域との交流の機会等を提供する場です。 まとめ卒業後、通所で利用する福祉サービスは①就労移行支援、②就労継続A型、③就労継続B型、 ④自立訓練(機能訓練)、⑤自立訓練(生活訓練)、⑥療養介護、⑦生活介護、⑧地域活動センター(地 活)の8種類です。卒業生が利用するサービスは①就労移行支援、③就労継続B型、⑦生活介護の3種 類でほとんどを占めています。 職業訓練機関 福祉サービスでの就労支援には「就労移行支援事業」がありました。それとは別に神奈川県内には神 奈川障害者職業能力開発校〔通称「能開校〕 (相模原市)と神奈川能力開発センター〔通称「能開センタ ー」 〕(伊勢原市)の2ヶ所の職業訓練校があります。個々の障害の状況に合わせて職業訓練を行う学校 です。能開校の知的障害部門は通学ですが、肢体不自由部門には宿舎があります。能開センターは知的 部門のみで、入寮制です。両校とも入学選考があります。入学選考や費用など詳しい内容については進 路支援担当に直接お問い合わせください。 職業訓練機関は「ほうあんのぞみ」や「パン工房ハッピー」などの就労移行支援事業と同じように就 労を目的としています。就労支援事業では毎日仕事をしながら、ハローワークで情報を得て、就労した い企業で実習を行ったりしながら、チャンスがあればすぐにでも就労します。職業訓練機関では職業訓 練カリキュラムに沿って、決められた期間訓練を受けることになっています。 また、就労へ向けた支援機関として「高齢・障害・求職者雇用支援機構」があります。本部は千葉県 の幕張にあり、全国に障害者職業セ ンターがあり、ジョブコーチ※1の 養成など障害者就労の支援を行っ ています。神奈川障害者職業センタ ーは能開校の隣にあります。 ※1 ジョブコーチ・・・障害者の就労を現場で支援する人です。 多機能型事業所 福祉サービスの日中活動には8種類あることがわかりました。今度はひとつの事業所に焦点をあてて 見ましょう。ひとつの事業所で一種類の福祉サービスを提供しているところと何種類もの福祉サービス を展開している事業所があります。ひとつの場所で二つ以上のサービスを提供している事業所を多機能 型事業所と呼んでいます。省略して「多機能」と呼ぶことも多い。多機能型事業所には「就労移行支援 事業と就労継続B型事業」 「生活介護事業と就労継続B型事業」などいくつかの組み合わせがあります。 詳しくは「福祉施設・事業所ハンドブック」をご覧ください。ハンドブックをお持ちでない方は進路支 援係までお知らせください。 多機能型事業所の例 サ ー ビ ス の 種 類 単独事業所の例 単独事業所の例 社会福祉法人 宝安寺社会事業部 NPO法人 KOMNY 社会福祉法人 ほうあん第一しおん れんげ(開成町)、ほほえみ(大井町)、すみれの家(松 田町) 、ほたるの家(中井町)やまなみ工芸(山北町) 永耕会 デイセンター永耕 ①就労移行支援事業 ①就労継続支援B型事業 ①生活介護事業 ②就労継続支援B型事業 ③生活介護事業 ④日中一時事業 ⑤放課後デイサービス事業 さて、就労継続支援B型事業( 「B型」と略)は高等部卒業後すぐには利用できないことになっていま す。いったん就労移行支援事業(「移行支援」と略)でアセスメントを受けて、 「まだ就労の準備ができ ていないので、B型を利用してもいいよ」というお墨付きをもらわなければなりません。そこで、卒業 後すぐにB型を希望するときには、在学中に移行支援で2週間のアセスメント受けなければなりません。 ほうあん第一しおんのような移行支援のある多機能型事業所を進路先として希望する場合は同じ事業所 でアセスメントを受けられるのですが、KOMNYグループや「おりーぶ」などのB型の単独事業所を 希望する場合、進路希望先とは異なる事業所で在学中にアセスメントを受けなければなりません。 就労移行支援事業でアセスメントが受けられる事業所一覧 小田原市 ほうあん第一しおん、ほうあんのぞみ、梅香園、かもめの家 南足柄市 パン工房ハッピー、コスモス学園中沼ジョブセンター 開成町 新事業所情報 合力の郷 就労継続支援B型事業所「すずろ笑和工房」7月開設予定 2006 年開設の放課後デイサービス「ファミリーサポートすずろデイ」を利用しているこどもたちが高 等部を卒業する年齢になりました。そこで、すずろでは障害者総合支援法に基づく「発達・知的・精神・ 身体障がい」をお持ちの方々の就労支援事業を開始します。障がいを持った方が自立した日常生活や社会 生活を営むことができるよう就労の機会を提供いたします。生産活動だけにとらわれず、日本の文化や習 慣なども取り込み、知識や能力の向上のために専門的な講師による支援をおこないます。個人の能力や将 来を見据えて、オリジナル品を製作します。完成品はイベントや店舗で販売し、賃金として支払います。 プログラムの例 縫製関係・・・西陣織などの古布、和物等をリメイクして販売する。 ・・・古布・帯をリサイクルしてバック、ティーコージ等を製作して販売する。 手工芸・・・・・自分たちで綿花と藍を畑で栽培し、その藍葉を利用しての藍染めや草木染めを行い、手ぬぐい やスカーフ、旗などを製作販売します。また、糸紡ぎや機織りも予定しています。 さらに、間伐材を利用して組み立ておもちゃなどのオリジナル製作も考えています。 イベント企画・・・開成町瀬戸屋敷でのひな祭り、開成町あじさい祭り、小田原城祭りをはじめ、遠くは横浜 でのイベントに向けてオリジナル製品の出張販売を予定しています。また、オリジナル製品 の常設販売店舗についても、少しずつ増やしていくよう考えています。 定員 10 名 開所日:月曜日~土曜日・祝祭日 利用時間:9:00~16:00 利用時間は相談に応じます。 所在地 開成町吉田島 2975 文命中の近くです。 問い合わせ先:℡0465-84-1828 畠山光子
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