数学コンテスト

平成17年度
群馬県高校生
数学コンテスト
注
1
意
事
項
問題は,1ページと2ページです。解答用紙は4枚あります。なお,問題4用の
解答用紙は,裏面に印刷してあります。
2
解答は,すべて解答用紙に記入してください。また,解答用紙の「問題番号」欄
に選択した問題番号を記入し,さらにコンテスト番号と氏名も記入してください。
3
必要があれば,電卓を用いてもかまいません。
4
作図をする場合は,定規,コンパスを用いてください。
5
制限時間は3時間です(13:00∼16:00)。6問中4問を選択して、別々の解答
用紙に解答してください。
6
トイレ等に行くときは監督の指示に従ってください。
1
あ る 条 件 を 満 た す よ う な , す べ て 異 な る 数 字 か ら な る 10桁 の 自 然 数 を 作 る こ と を 考 え
た 。 次 の (1),(2)の 問 い に 答 え な さ い 。
(1) 10桁 の 自 然 数 を abcdefghij と 表 す こ と に す る 。 次 の ① か ら ⑨ ま で の す べ て の 条 件
を 満 た す よ う な 10桁 の 自 然 数 は あ る か 。 あ れ ば す べ て 求 め , 無 け れ ば そ の 理 由 を 述 べ
よ 。 た だ し , a , b ,… , j は す べ て 異 な る 数 字 で あ り , ab , bc ,… , ij は 2 つ の 数 字 の 積 で
は な く , 10桁 か ら 取 り 出 し た 2 桁 の 数 字 を 表 す も の と す る 。
<<条 件 >>
① ab は 2 の 倍 数 , ② bc は 3 の 倍 数 , ③ cd は 4 の 倍 数 ,
④ de は 5 の 倍 数 , ⑤ e f は 6 の 倍 数 , ⑥ f g は 7 の 倍 数 ,
⑦ gh は 8 の 倍 数 , ⑧ h i は 9 の 倍 数 , ⑨ i j は 10の 倍 数 ,
(2) 10桁 の 自 然 数 の う ち ,1 か ら 10ま で の す べ て の 自 然 数 で 割 り 切 れ る よ う な 自 然 数 を ,
次の倍数の判定法を利用して作ることにした。
<<9 桁 の 自 然 数 に お け る 7 の 倍 数 の 判 定 法 >>
9 桁 の 自 然 数 を 3 桁 ず つ 区 切 っ て , 左 か ら 順 に 3 桁 の 数 字 を A ,B ,C と す
る。A−B+Cが7の倍数であるならば,もとの9桁の自然数は7の倍数
である。
例 : N= 123456879の と き , 123− 456+ 879= 546は 7 の 倍 数 だ か ら , N も 7 の
倍数となる。
(ア) 上 記 の <<9 桁 の 自 然 数 に お け る 7 の 倍 数 の 判 定 法 >>を 証 明 せ よ 。
(イ) 10桁 の 自 然 数 で ,1 か ら 10ま で の す べ て の 自 然 数 で 割 り 切 れ る 数 字 を 1 つ 求 め よ 。
た だ し , 10桁 の 自 然 数 の 各 桁 の 数 字 は す べ て 異 な る 数 字 と す る 。
2
自 然 数 N が , N = pi qj … tn
と素因数分解されるとき,自然数Nの約数の総和は
(1+p + p + …+p )(1+q+q2 +…+q j )…(1+t+t2 +…+t n )
2
i
と求められる。
例 え ば , N = 60 = 22 ×3×5で あ る か ら , 約 数 の 総 和 は
(1 + 2 + 22 )(1 + 3 )(1 + 5 ) = 168
と求められる。
こ の こ と を 利 用 し て , 約 数 の 総 和 が 252 と な る よ う な 自 然 数 を す べ て 求 め よ 。 必 要
であれば下記の参考を利用してもよい。
<<参 考 : 252以 下 の 素 数 >>
2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, 37, 41, 43, 47, 53,
59, 61, 67, 71, 73, 79, 83, 89, 97,101,103,107,109,113,127,131,
137,139,149,151,157,163,167,173,179,181,191,193,197,199,211,223,
227,229,233,239,241,251,
3
n国からなる共和国があり,どの2国も1本の道路のみによってつながっているとす
る 。ま た ,そ の 道 路 は す べ て 一 方 通 行 で あ る 。他 の 国 に 直 接 移 動 す る 移 動 を「 直 接 移 動 」
と 呼 び , 1 回 だ け 他 の 国 を 経 由 す る 移 動 を 「 間 接 移 動 」 と 呼 ぶ こ と に す る 。 次 の (1),(2)
の問いに答えなさい。ただし,nは2以上の自然数とする。
(1) n = 3 の と き ( す な わ ち 、 A ,B ,C の 3 つ の 共 和 国 が あ る と き ), 通 行 可 能 な 道 路
の向きがどのように設定されていたとしても,少なくとも1つの国は,他のすべての
国に「直接移動」または「間接移動」のいずれかの方法で移動できることを示せ。
(2 )任 意 の n 国 に つ い て ,通 行 可 能 な 道 路 の 向 き が ど の よ う に 設 定 さ れ て い た と し て も ,
少なくとも1つの国は,他のすべての国に「直接移動」または「間接移動」のいずれ
かの方法で移動できることを証明せよ。
- 1 -
4
下図のように、ABを直径とする半径1の円板 O が点Aで直線と接している。この
円板 O を直線上で滑らないように回転させて,点Bが初めて直線に重なる点を点
B 'と し た 。 そ の 結 果 A B 'の 長 さ は π と な っ た 。
この状態から,定規やコンパスのみを使い,この円板と同じ面積を持つ正方形を作図
し,その手順をできるだけ詳しく説明しなさい。ただし,図をかくのに用いた線は消さ
ないこと。
B
O
1
1
直線
A
π
B'
5
次 の (1),(2),(3)の 問 い に 答 え な さ い 。
(1) 2 2005 を 7 で 割 っ た と き の 余 り を 求 め よ 。
(2) 3 2006 + 4 2007 を 7 で 割 っ た と き の 余 り を 求 め よ 。
(3) n を 正 の 整 数 と す る と き , 2 n + 3 n+ 1 + 4 n+ 2 + 5 n+ 3 + 6 n+ 4 が 7 で 割 り 切 れ る よ う に , 正 の
整数nの値を求めよ。
6
1からnまでの自然数がそれぞれ書かれたカードがn枚ある。これらのカードの順番
を任意に並べ替え,左から一列に並べてある。このとき,次のような手順1∼3に従う
ことにより,左から小さい順に並べ替える操作を行う。ただし,n≧2とする。
手順1:ⅰ=1とする。
手順2:左からⅰ枚目のカードを見て,そこに書かれた数字をmとする。
このとき,m=ⅰならば手順3へ進み,m≠ⅰならばそのカードと
左からm枚目のカードを交換し,手順2をもう一度行う。
手順3:ⅰ<nならば,ⅰに1を加えて,それを新たにⅰとし手順2に戻る。
ⅰ=nならば,操作は終了する。
例:n=5のとき,カードの操作を図示すると以下のようになる。
<<操 作 の 説 明 >>
3 5 1 4 2 → ⅰ=1であるから,左端のカードの数字を見る。
m=3であるから,3と1のカードを入れ替える。
1
5
3
4
2
→ m=ⅰ=1となったのでⅰ=2とし,2枚目のカードを
見 る 。m = 5 で あ る か ら ,5 と 2 の カ ー ド を 入 れ 替 え る 。
1
2
3
4
5
→ 並 べ 替 え が 完 成 し , 操 作 が 終 了 す る ( ⅰ = n = 5 )。
次 の (1),(2),(3)の 問 い に 答 え な さ い 。
(1) 例 に な ら っ て , 6 4
1 5 2 3 の順に並んでいるカードを,左から小
さい順に並べ替える操作を図示せよ。
(2) す べ て の 操 作 を 行 う な か で , 手 順 2 で 行 わ れ る 「 カ ー ド の 交 換 」 の 総 回 数 を k と す
る。kの最大値をnの式で表し,その理由も示せ。
(3) k を 最 大 に す る よ う な 「 最 初 の 並 び 方 」 は 何 通 り あ る か 。 n を 用 い て 表 し , そ の 理
由も示せ。
- 2 -